JP6057132B2 - 密閉型電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電池容器の開口部より電解液を注液する注液工程と、密閉型電池を初期充電する初期充電工程と、初期充電工程を行った密閉型電池の電池容器の開口部より検知ガスを導入する導入工程と、を行う密閉型電池の製造方法に関する。
従来から、密閉型電池の製造工程においては、電池容器内に水分が浸入して電池性能が劣化することを防ぐ等の目的で、電池容器の密閉性を検査している。
このとき、密閉型電池の製造工程においては、予め電池容器内に検知ガス(例えば、ヘリウム等)を導入し、前記検知ガスが電池容器から漏れているかどうかを確認する。
検知ガスを導入するための技術としては、例えば、特許文献1に開示される技術等がある。
特許文献1に開示される技術では、電解液ポットを介してヘリウム供給手段と接続される注液ノズルを電解液注液口に装着し、電池缶(電池容器)の外側から内側に向けてヘリウムを噴射して、電池缶内にヘリウムを導入する。
このとき、特許文献1に開示される技術では、予め電解液ポットに注液される電解液を注液ノズルより電池缶内に注液する。つまり、特許文献1に開示される技術では、電解液が電解液注液口からこぼれないような姿勢、すなわち、電解液注液口を上向きにした姿勢の電池缶に対して、ヘリウムの導入および電解液の注液を同時に行う。
密閉型電池の製造工程では、電池を初期充電したときに電解液が分解すること等によって炭化水素ガス等のガスが発生する。密閉型電池の製造工程では、このような初期充電時に発生するガスの量が電池缶の耐圧要件を満足しない程度に多い場合等に、電池缶に溜まった初期充電時に発生するガスを抜く必要がある。
つまり、この場合、密閉型電池の製造工程では、電解液注液口を仮封止してから初期充電し、その後、電解液注液口の仮封止を解除して初期充電時に発生するガスを抜く。そして、密閉型電池の製造工程では、電池缶内にヘリウムを導入し、電解液注液口を本封止する。
この場合には、ヘリウムよりも比重が重いガス、例えば、初期充電時に発生するガス等が電池缶の奥深くに滞留してしまうため、ヘリウムが電解液注液口の近傍に多く存在することとなる。つまり、この場合には、ヘリウムを電池缶に充分に浸入させることができない。
従って、特許文献1に開示される技術では、ヘリウムを導入してから注液孔を封止するまでに多くのヘリウムが漏出してしまい、ヘリウムを高濃度に封入できない可能性がある。
初期充電時に発生するガスの量は、電解液の注液量および電極体内の水分量等に大きく依存している。このため、初期充電時に発生するガスの量は、電解液の注液量および電極体内の水分量等のばらつきによって大きくばらついてしまう。
初期充電時に発生するガスの量がばらついた場合には、ヘリウムの電池缶への浸入度合い、つまり、ヘリウム漏出量等がばらついてしまい、その結果、密閉性を検査するときの電池缶内のヘリウム濃度がばらついてしまう。
電池缶の密閉性の検査では、検査時の電池缶内のヘリウム濃度が低い場合の、単位時間当たりに漏れるヘリウムの量に基づいて検査閾値が設定される。従って、検査時の電池缶内のヘリウム濃度がばらついて高くなってしまった場合には、同じ大きさの孔から単位時間当たりに漏れるヘリウムの量が増えてしまうため、本来検査結果がOKとなる電池缶に対して、NG判定してしまう可能性がある。
つまり、特許文献1に開示される技術では、ガス抜きを行ってヘリウムを導入した場合に、電池缶の密閉性の検査における過判定率が悪化してしまう可能性があった。
特開2002−117901号公報
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、ヘリウムを高濃度に封入できるとともに、電池容器の密閉性の検査における過判定率を改善できる密閉型電池の製造方法を提供するものである。
本発明に係る密閉型電池の製造方法は、外部に開口する開口部より電池容器内に電解液を注液する注液工程と、前記電解液が注液された製造途中の密閉型電池に対して初期充電を行う初期充電工程と、を行う密閉型電池の製造方法であって、前記初期充電工程を行った前記密閉型電池の前記電池容器を、前記開口部が下向きとなる姿勢にして、前記下向きの開口部より検知ガスを導入する導入工程、を行う、ものである。
本発明に係る密閉型電池の製造方法おいて、前記導入工程では、前記電池容器を前記開口部が鉛直下向きとなる姿勢にして、前記鉛直下向きの開口部より前記検知ガスを導入する、ものである。
本発明は、ヘリウムを高濃度に封入できるとともに、電池容器の密閉性の検査における過判定率を改善できる、という効果を奏する。
電池の全体的な構成を示す説明図。 電解液を注液してから電池を初期充電するまでの工程を示す説明図。 初期充電時に発生するガスを抜いてから外装の密閉性を検査するまでの工程を示す説明図。 本実施形態のヘリウムを導入する前の外装の姿勢を示す説明図。 本実施形態のヘリウムを導入するときの外装の姿勢を示す説明図。 外装内に滞留している初期充電時に発生するガスを排出する様子を示す説明図。 本実施形態のヘリウムを導入する様子を示す説明図。 本実施形態の製造方法でヘリウムを導入した結果を示す図。(a)ヘリウム濃度の測定結果を示す図。(b)ヘリウム利用率の算出結果を示す図。 製造方法の変形例を示す説明図。 従来のヘリウムを導入する様子を示す説明図。 従来のヘリウムの浸入度合いを示す説明図。
以下では、本実施形態の密閉型電池の製造方法(以下、単に「製造方法」と表記する)について説明する。
まず、本発明に係る密閉型電池の実施形態である電池の概略構成について説明する。
本実施形態の電池10は、密閉型のリチウムイオン二次電池である。なお、本発明が適用される対象はリチウムイオン二次電池に限定されるものではなく、ニッケル水素二次電池等の他の密閉型電池についても適用可能である。
図1に示すように、電池10は、発電要素20、外装30、キャップ40、および外部端子50・50を具備する。
以下では、図1に示す矢印Uを上方向として「電池10の上下方向」を規定する。また、図1に示す矢印Rを右方向として「電池10の左右方向」を規定する。
発電要素20は、正極、負極、およびセパレータを積層または巻回してなる電極体に電解液Eを浸透させたものである(図2参照)。電池10の充放電時には、発電要素20内で化学反応が起こる(厳密には、正極と負極との間で電解液Eを介したイオンの移動が起こる)ことによって電流の流れが発生する。
電池容器である外装30は、収納部31と蓋部32とを有する角柱型缶である。
収納部31は、下面31aおよび側面が閉塞するとともに、上面が開口した有底角筒状の部材であり、内部に発電要素20を収納する。
蓋部32は、収納部31の開口面に応じた形状を有する平板状の部材であり、収納部31の開口面を塞いだ状態で収納部31と接合される。蓋部32において、後述するように外部端子50・50が挿通される箇所の間には、電解液Eを注液するための注液孔33が形成される。
注液孔33は、蓋部32の板面を貫通する孔である。注液孔33は、蓋部32の外側と内側とで内径寸法が異なる平面視略円状の孔である。注液孔33は、上側(外側)の内径が下側(内側)の内径よりも大径に形成され、上下中途部に段差部が形成される。
注液孔33の下側の内側面には、後述する仮封止部材120(図2参照)と螺合するための雌ネジ部が形成される。
なお、本実施形態の電池は、外装が有底の角筒状に形成された角型電池に構成しているが、これに限るものではなく、例えば、外装が有底の円筒状に形成された円筒型電池に適用することも可能である。
キャップ40は、注液孔33を封止するためのものである。キャップ40は、注液孔33の上側と略同一の形状に形成される。キャップ40は、注液孔33の前記段差部に載置され、外周縁部がレーザー溶接されることで、蓋部32と接合される。
外部端子50・50は、その一部が蓋部32の外側面から電池10の上方(外方)に突出した状態で配置される。外部端子50・50は、集電端子51・51を介して発電要素20の正極または負極に電気的に接続される。外部端子50・50は、その外周面部に固定部材34が嵌装されることにより、絶縁部材52・53を間に介して蓋部32に対して絶縁状態で固定される。外部端子50・50および集電端子51・51は、発電要素20に蓄えられる電力を外部に取り出す、若しくは、外部からの電力を発電要素20に取り入れる通電経路として機能する。
集電端子51・51は、発電要素20の正極板、負極板と接続されている。集電端子51・51の材料としては、例えば正極側にアルミニウム、負極側に銅を採用することができる。
外部端子50・50には、電池10の外方側に突出する部位にねじ転造によりねじ加工が施され、ボルト部が形成される。電池10の実使用時には、このボルト部を用いて外部端子50・50にバスバー、外部装置の接続端子等が締結固定される。
締結固定する際、外部端子50・50には締結トルクがかかるとともに、ねじ締結によって軸方向へ外力が付与される。このため、外部端子50・50の材料としては、鉄等の高強度材料を採用することが好ましい。
次に、本実施形態の製造方法について説明する。
まず、製造方法では、ダイコーダ等の塗工機を用いて集電体(正極集電体および負極集電体)の表面に合剤(正極合剤および負極合剤)を塗工した後、合剤を乾燥させる。
次に、製造方法では、集電体の表面上の合剤に対してプレス加工を施すことで、集電体の表面に合剤層(正極合剤層および負極合剤層)を形成する。
製造方法では、このような工程を経て作製される正極および負極と、セパレータとを積層または巻回して電極体を生成する。そして、製造方法では、外装30の蓋部32に一体化された外部端子50・50および集電端子51・51等を電極体に接続し、外装30の収納部31に電極体を収納する。その後、製造方法では、外装30の収納部31と蓋部32とを溶接によって接合して封缶する。
外装30を封缶した時点において、注液孔33は、キャップ40によって封止されていない状態である(図2の左上に示す注液孔33参照)。
従って、この時点において、注液孔33は、外部に開口している。つまり、本実施形態の注液孔33は、本発明に係る外部に開口する開口部に対応する。
図2に示すように、外装30を封缶した後で、製造方法は、注液孔33より外装30内に電解液Eを注液する注液工程を行う(図2に示す矢印E参照)。
このとき、製造方法は、例えば、外装30をチャンバー110内に収納するとともに、所定の注液ユニットを外装30にセットして、チャンバー110内を真空引きする。その後、製造方法では、チャンバー110内に大気を導入してチャンバー110内を大気圧に戻す。製造方法は、このときの差圧を利用して、電解液Eを外装30に注液する。
なお、電解液を注液するための手順は、本実施形態に限定されるものでない。製造方法は、例えば、大気雰囲気下で注液孔に注液ノズルを装着し、注液ノズルに向けて電解液を圧送して外装内に電解液を注液しても構わない。
電解液Eを外装30内に注液した後で、製造方法では、仮封止部材120によって注液孔33を仮封止(つまり、一時的に封止)する。
仮封止部材120は、上側が下側の小径部よりも大径の大径部に形成される段付きの軸状部材である。仮封止部材120の小径部の外周面には、雄ネジ部が形成される。
本実施形態の製造方法では、仮封止部材120の小径部を注液孔33に螺合することで、注液孔33を仮封止する。
なお、注液孔を仮封止する手法は、本実施形態に限定されるものでない。例えば、製造方法は、内周面が平らな注液孔にゴム栓を圧入することで注液孔を仮封止しても構わない。
製造方法では、電解液Eが注液孔33からこぼれないような姿勢、すなわち、注液孔33が上向き(重力が作用する方向に対して反対方向となる向き)となる姿勢の外装30に電解液Eを注液するとともに、注液孔33を仮封止する。
注液孔33を仮封止した後で、製造方法では、電解液Eが注液された製造途中の電池10に対して初期充電する初期充電工程を行う。
このとき、製造方法では、外装30を拘束治具によって拘束し、外装30の厚み方向(図2における紙面奥側に向かう方向)に沿って、外装30に対して所定の大きさの荷重を付与する。そして、製造方法では、電源装置130の電極を外部端子50・50に接続し、電池10を初期充電する。
拘束時および初期充電時には、外装30に注液された電解液Eが分解する等して、外装30内に炭化水素ガス等のガスG(図3参照)が発生する。
以下では、このようなガスGを、「初期充電時に発生するガスG」と表記する。
外装30は、初期充電工程に際して仮封止されている。このため、初期充電工程後の外装30は、初期充電時に発生するガスGが溜まり、その内圧が上昇する(図2に白塗りで示す矢印参照)。
図3に示すように、初期充電を行った後で、製造方法では、仮封止部材120を注液孔33から取り外して注液孔33を外部に開放し、外装30に溜まった初期充電時に発生するガスGを抜く。
これにより、製造方法では、注液孔33の仮封止を解除して外装30の内圧を下げる(図3に白塗りで示す矢印および二点鎖線で示す外装30参照)。
初期充電時に発生するガスGを抜いた後で、製造方法では、仮封止を解除した注液孔33より外装30内にヘリウムHeを導入する導入工程を行う(図3に示す矢印He参照)。
本実施形態の製造方法では、電解液Eを注液したときとは反対の姿勢、すなわち、注液孔33が下向きとなる姿勢の外装30内にヘリウムHeを導入する。ヘリウムHeを導入する工程の具体的な手順については後で詳述する。
外装30内にヘリウムHeを導入した後で、製造方法では、注液孔33をキャップ40によって本封止する。
このとき、製造方法では、外装30の姿勢を元に戻し、つまり、注液孔33を上向きにして、キャップ40を注液孔33の前記段差部に載置する。
そして、製造方法では、レーザー溶接機によってキャップ40の外縁部に沿ってレーザーを照射し、注液孔33を封止する(図3に示す黒塗りの三角形参照)。
これにより、製造方法では、外装30内にヘリウムHeを封入する。
注液孔33を封止した後で、製造方法では、外装30内に封入したヘリウムHeの漏れ(つまり、外装30の密閉性)を検査する。
このとき、製造方法では、チャンバー150内に外装30を収納し、チャンバー150内を真空引きする。その後、製造方法では、単位時間当たりに外装30内から漏れるヘリウムHeの量を、市販のヘリウムリーク検査器を用いて確認する。
そして、製造方法では、ヘリウムリーク検査器の出力値に基づいて外装30に漏れがあるかを判断する。
具体的には、製造方法では、ヘリウムリーク検査器の出力値が検査閾値よりも小さくなった場合に外装30に漏れがないと判断し、ヘリウムリーク検査器の出力値が検査閾値以上となった場合に外装30に漏れがあると判断する。
このように、本実施形態において、外装30の漏れを判断するための検知ガスは、ヘリウムHeである。
外装30からのヘリウムHeの漏れを検査した後で、製造方法では、電圧の検査を行って、前記拘束治具による外装30の拘束を解除する。
製造方法は、このようにして密閉型の電池10を製造する。
次に、ヘリウムHeを導入する工程の手順について説明する。
なお、以下において、図4に示すように、外装30は、初期充電が完了し、仮封止が解除されて注液孔33が外部に開口している状態であるものとする。また、注液孔33は、上を向いているものとする。
ヘリウムHeを導入する前の外装30内には、ガス抜き後も初期充電時に発生するガスGが滞留している。このような初期充電時に発生するガスGは、ヘリウムHeと比較して圧倒的に比重が重い。
従って、図4に示すような注液孔33が上向きとなる姿勢の外装30内にヘリウムHeを導入する場合、初期充電時に発生するガスGは、収納部31の下面31aの近傍(収納部31の下部)に滞留する。このため、比重の軽いヘリウムHeは、外装30に浸入できずに外装30の外部に浮上したり、外装30の奥深くに侵入できずに蓋部32の近傍に滞留したりする。
つまり、この場合には、初期充電時に発生するガスGによってヘリウムHeの外装30への浸入が抑制されてしまう。
そこで、図5に示すように、製造方法では、外装30(厳密には外装30および外装30を拘束する拘束治具)を、注液時の姿勢から上下反転させる。すなわち、製造方法では、外装30を逆さにして、注液孔33が鉛直下向きとなる姿勢にする。
このとき、製造方法では、例えば、把持装置によって外装30の左右両側面を挟持して所定の高さ位置まで持ち上げた外装30を回転させる。
これにより、製造方法では、収納部31の下面31aと蓋部32との位置関係を反対にして、初期充電時に発生するガスGの中で、空気よりも比重が重い炭化水素等のガスを、下端部に位置する蓋部32側に滞留させる。
製造方法では、注液孔33を鉛直下向きにしたときに、注液孔33よりヘリウムHeを導入可能に、注液孔33が外部に開放された状態を維持している。
従って、図6に示すように、製造方法は、初期充電時に発生するガスGの中で比重が重いガスを、注液孔33より外部に排出できる(図6の外装30の下方に示すガスG参照)。
本実施形態の製造方法のように、電池10の初期充電後にヘリウムHeを導入する場合、電解液Eは、外装30を上下反転させる前に、電極体への浸透が完了している。
従って、外装30を上下反転させるとき、収納部31の下面31aには、電極体に浸透しきれなかった電解液Eが僅かに残っている程度である。
このため、本実施形態の製造方法では、ヘリウムHeを導入するときに外装30を上下反転させても、注液孔33から電解液Eがこぼれない。
外装30を上下反転させて、注液孔33が外装30の下端側に位置する状態にした後で、製造方法では、封入ノズル140を用いてヘリウムHeを導入する。
封入ノズル140は、その上端部近傍の側面に二つの噴射口が形成される。すなわち、封入ノズル140は、上端部が先端部として構成されている。
封入ノズル140は、鉛直下向きにした注液孔33の下方、すなわち、上下反転させた外装30よりも低い位置に配置され、配管およびポンプ等を介して所定のヘリウム供給源と接続される。これにより、封入ノズル140は、ヘリウムHeを外装30の下側から噴射可能に構成される。
封入ノズル140は、例えば、シリンダ等に連結されることにより昇降可能に構成される。
図7に示すように、製造方法では、封入ノズル140を上昇させ、鉛直下向きの注液孔33に封入ノズル140を挿入する。
そして、製造方法では、噴射口が発電要素20および注液孔33の間に位置したときに封入ノズル140の上昇動作を停止し、封入ノズル140の噴射口より斜め上方向に向けて一定時間ヘリウムHeの噴射を行う(図7に示す矢印参照)。
これにより、製造方法は、外装30内に所定量のヘリウムHeを導入する。
なお、ヘリウムの噴射方向は、本実施形態のような斜め上方向に限定されるものでなく、上方向、若しくは、左右方向であっても構わない。
封入ノズル140によるヘリウムHeの噴射を行った後で、製造方法では、封入ノズル140を下降させてヘリウム導入前の高さ位置に戻す。
これによれば、製造方法は、ヘリウムHeと外装30内に滞留している初期充電時に発生するガスGとの比重差を小さくした状態の外装30に、ヘリウムHeを導入できる。
このため、製造方法は、比重の重いガスによってヘリウムHeの浸入が抑制されることを防止できる。
つまり、製造方法は、ヘリウムHeが浸入しやすい状態の外装30に、ヘリウムHeを導入できる。
従って、製造方法は、封入ノズル140より噴射したヘリウムHeを外装30に確実に浸入させることができる。
ヘリウムHeは、その比重が空気よりも軽い。このため、外装30に浸入したヘリウムHeは、外装30内を浮上する。
前述のように、本実施形態の製造方法では、注液孔33が下を向いた姿勢の外装30にヘリウムHeを導入する。言い換えれば、製造方法では、収納部31の下面31aが電池10の上側に位置した状態の外装30にヘリウムHeを導入する。
つまり、製造方法は、外装30を上下反転させてヘリウムHeを導入することで、ヘリウムHeを収納部31の下面31aに向けて浮上させることができる。
これによれば、製造方法は、ヘリウムHeよりも比重が重い空気および初期充電時に発生するガスGを、ヘリウム導入時に蓋部32に向けて押し出すことができる。
従って、製造方法は、外装30内の空気および初期充電時に発生するガスGを、ヘリウムHeによって注液孔33から排出できる。
このため、製造方法は、外装30内により多くのヘリウムHeを導入できる。
また、製造方法は、封入ノズル140より噴射されるヘリウムHeの浮上を、収納部31の下面31aで規制できる。つまり、製造方法は、ヘリウムHeを外装30内に滞留させることができる。
従って、製造方法は、ヘリウムHeの浸入性を向上できるため、噴射したヘリウムHeが浮上して注液孔33から外装30の外部に漏出してしまうことを防止できる。
これによれば、製造方法は、封入ノズル140より噴射したヘリウムHeを効率的に、すなわち、ヘリウムHeのほとんどを外装30内に導入できる。
さらに、製造方法は、ヘリウムHeを浮上させて収納部31の下面31a、すなわち、注液孔33より離れた位置に滞留させることができる。このため、製造方法は、ヘリウムHeを注液孔33から漏出しにくくすることができる。
従って、製造方法は、ヘリウムHeを導入してから注液孔33を封止するまでの間に、外装30からヘリウムHeが漏出する量を低減できる。
このため、製造方法は、ヘリウムHeを高濃度に封入できる。
従って、製造方法は、高いヘリウム濃度の外装30に対して、密閉性の検査を行うことができる。つまり、製造方法は、検査の感度を良好なものとすることができる。
また、製造方法は、ヘリウム利用率(ヘリウム噴射量に対するヘリウム封入量の割合)を向上できる。
従って、製造方法は、ヘリウムHeの使用量を低減できるため、電池10の製造に要するコストを低減できる。
ここで、初期充電時に発生するガスGの量は、電解液Eの注液量および電極体内の水分量等に大きく依存している。
つまり、初期充電時に発生するガスGの量は、電解液Eの注液量および電極体内の水分量等のばらつきによって大きくばらついてしまう。
仮に、外装30を上下反転させずに(上向きの注液孔33より)ヘリウムHeを導入する場合には、初期充電時に発生するガスGの量が多ければ、前記ガスGが収納部31の下面31aに多く滞留してしまい、外装30にヘリウムHeが浸入しにくくなってしまう(図11参照)。
また、この場合には、初期充電時に発生するガスGの量が少なければ、前記ガスGの量が多い場合と比較して、外装30にヘリウムHeが浸入しやすくなる。
以上のように、外装30を上下反転させずにヘリウムHeを導入する場合には、電解液Eの注液量および電極体内の水分量等のばらつきに起因して、ヘリウムHeの外装30への浸入度合い、つまり、ヘリウム漏出量がばらついてしまう。このため、密閉性の検査時の外装30内のヘリウム濃度は大きくばらついてしまう。
前述のように、本実施形態の製造方法では、外装30を上下反転させて注液孔33を鉛直下向きの姿勢にすることで、初期充電時に発生するガスGの中で、空気よりも比重の重いガスを注液孔33から排出している。
つまり、製造方法は、外装30を上下反転させることで、初期充電時に発生するガスGの量に関わらず、常に(いずれの外装30に対しても)ヘリウムHeが浸入しやすい状態にした上で、ヘリウムHeを導入できる。
また、製造方法は、初期充電時に発生するガスGの量に関わらず、上下反転させた外装30の収納部31の下面31aに、噴射したヘリウムHeのほとんどを滞留させることができる。
従って、製造方法は、外装30内のヘリウム濃度のばらつきを低減できる。
外装30の密閉性の検査では、検査時の外装30内のヘリウム濃度が低い場合の、単位時間当たりに漏れるヘリウムの量に基づいて検査閾値が設定される。
従って、製造方法は、外装30内のヘリウム濃度のばらつきを低減できることで、同じ大きさの孔から単位時間当たりに漏れるヘリウムHeの量、すなわち、ヘリウムリーク検査器の出力値を安定させることができる。このため、製造方法は、本来検査結果がOKとなる外装30に対して、NG判定してしまうことを抑制できる。
つまり、製造方法は、外装30の密閉性の検査における過判定率を改善できる。また、製造方法は、外装30の密閉性の検査のロバスト性を向上できる。
このように、製造方法は、初期充電工程を行った電池10の外装30を、注液孔33が下向きとなる姿勢にして、下向きの注液孔33よりヘリウムHeを導入する導入工程を行う。
ここで、注液孔33が下向きとなる姿勢にするとは、本実施形態のような、外装30を上下反転させること、すなわち、注液孔33を鉛直下向きにすることだけでなく、例えば、図9に示すように、注液孔33を斜め下方向に向けることも含まれる。
この場合、製造方法は、外装30を上下反転させるときよりも少ない(若しくは多い)量だけ外装30を回転させ、注液孔33の向きに沿って斜め下から注液孔33に挿入可能な封入ノズル240を用いて、ヘリウムHeを導入する。
前述のように、本実施形態の製造方法は、外装30を上下反転させることで、初期充電時に発生するガスGを排出している。
これにより、製造方法は、ヘリウム導入時に外装30の角(例えば、蓋部32の左端部)等に初期充電時に発生するガスGが局所的に滞留することを防止できる。つまり、製造方法は、初期充電時に発生するガスGを効果的に排出できる。
従って、製造方法は、外装30にヘリウムHeをより浸入させやすい状態にすることができるため、ヘリウムHeをより高濃度に封入できる。つまり、製造方法は、外装30の密閉性を検査するときの外装30のヘリウム濃度の平均値を大きくできる。
このように、製造方法において、導入工程では、外装30を注液孔33が鉛直下向きにとなる姿勢にして、鉛直下向きの注液孔33よりヘリウムHeを導入する。
次に、本実施形態の製造方法を用いてヘリウムHeを導入した結果について説明する。
測定では、上下反転させた外装30に封入ノズル140を挿入し、封入ノズル140よりヘリウムHeを噴射してヘリウムHeを導入して、本実施形態のテストピースを作成した(図7参照)。
測定では、ヘリウム導入後に外装30に孔を空けるとともに、当該孔にヘリウム濃度測定器のヘッドを速やかに押し付けて、本実施形態の外装30内のヘリウム濃度を測定した。
測定では、このようなヘリウム濃度の測定を複数個の外装30に対して行った。
図10に示すように、測定では、外装30を上下反転させずに封入ノズル340を注液孔33に挿入し、封入ノズル340の噴射口よりヘリウムHeを噴射してヘリウムHeを導入した比較例のテストピースを作成した。
測定では、比較例の外装30に孔を空け、本実施形態のヘリウム濃度の測定と同じ手順で比較例の外装30内のヘリウム濃度を測定した。
測定では、このようなヘリウム濃度の測定を複数個の外装30に対して行った。
測定では、本実施形態および比較例の外装30内で、それぞれ同じ量のヘリウムHeを噴射した。
つまり、測定では、初期充電時に発生するガスGの量が大きく異なる複数の外装30に、同じ量のヘリウムHeを導入した。
測定では、本実施形態および比較例のヘリウム濃度の測定結果の最大値から最小値までの範囲を、本実施形態および比較例のヘリウム濃度のばらつきとした。
測定では、本実施形態および比較例のヘリウム濃度の測定結果の最大値と最小値との単純平均を、本実施形態および比較例のヘリウム濃度の平均値として算出した。
測定では、本実施形態および比較例のヘリウム濃度の測定結果およびヘリウム噴射量等に基づいて、本実施形態および比較例のヘリウム利用率を算出した。
図8(a)に示すように、本実施形態のヘリウム濃度は、その最小値が比較例のヘリウム濃度の最大値よりも大きくなった。つまり、本実施形態のヘリウム濃度の平均値は、比較例のヘリウム濃度の平均値と比較して、より大きくなった(図8(a)に白塗りで示す丸参照)。
従って、図8(b)に示すように、本実施形態のヘリウム利用率は、比較例のヘリウム利用率と比較して大きく向上した。
これは、図11に示すように、比較例のテストピースでは、初期充電時に発生するガスG、特に、前記ガスGの中で比重の重いガスの影響で、ヘリウムHeの外装30への浸入が抑制されてしまったことによるものであると考えられる(図11に示す外装30外のヘリウムHe参照)。
また、図8(a)に示すように、本実施形態のヘリウム濃度は、その平均値が比較例のヘリウム濃度の平均値よりも高濃度となったにも関わらず、ばらつきが比較例のヘリウム濃度のばらつきよりも小さかった。
これは、比較例のテストピースでは、初期充電時に発生するガスGの量がばらつくことで、ヘリウムHeの外装30への浸入度合いがばらついて、ヘリウム漏出量がばらついてしまったことによるのもであると考えられる。
以上より、本実施形態の製造方法は、ヘリウムHeを高濃度に封入できるとともに、外装30の密閉性の検査における過判定率を改善できることがわかる。
なお、製造方法では、検知ガスを浮上させて注液孔より離れた位置に検知ガスを滞留させることができるという観点から、ヘリウムのような比重の軽いガスを検知ガスとして採用することが好ましい。
また、製造方法は、検知ガスとしてヘリウムを採用することで、注液孔より離れた位置まで確実にヘリウムを浮上させることができるだけでなく、電池性能に影響を与えることを防止できるとともに、微細な孔からの漏れを検出可能となる。
10 電池(密閉型電池)
30 外装(電池容器)
33 注液孔(開口部)
E 電解液
He ヘリウム(検知ガス)

Claims (2)

  1. 外部に開口する開口部より電池容器内に電解液を注液する注液工程と、前記電解液が注液された製造途中の密閉型電池に対して初期充電を行う初期充電工程と、を行う密閉型電池の製造方法であって、
    前記初期充電工程を行った前記密閉型電池の前記電池容器を、前記開口部が下向きとなる姿勢にして、前記下向きの開口部よりヘリウムを導入する導入工程、
    を行う、
    密閉型電池の製造方法。
  2. 前記導入工程では、
    前記電池容器を前記開口部が鉛直下向きとなる姿勢にして、前記鉛直下向きの開口部より前記ヘリウムを導入する、
    請求項1に記載の密閉型電池の製造方法。
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