JP2007066600A - 密閉型電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電解液の注液孔に封止栓を装着して封孔する密閉型電池において、封孔時に加えられる熱によって、電解液が漏出して溶接不良が生じることがない密閉型電池を提供する。
【解決手段】 アルミニウム合金からなる電池缶5あるいは前記電池缶開口部を封口する蓋体2に設けられた段部71を備えた電解液の注液孔7に、円柱状の突起部12が植立されたフランジ部11を備えた封止栓1を装着し、溶接封止する密閉型電池において、円柱状の突起部12またはフランジ部11の少なくとも一方の外周面に凸部41を有する封止栓を用いる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、密閉型電池に関し、とくに電解液を注入した後に電解液注液孔を封口する封止栓に特徴を有するリチウムイオン電池等の密閉型電池に関するものである。
携帯用の電子機器は、小型軽量化と共に機能の高度化が進んでいる。その結果、これらの電子機器に使用する電源用の電池には、小型、軽量で容積あたり容量の大きな電池が求められている。リチウムイオンをドープ、及び脱ドープする正極活物質と負極活物質を用いたリチウムイオン電池は、従来から用いられているニッケルカドミウム電池や鉛電池に比べて、容積あるいは質量当りのエネルギー密度が大きな二次電池として小型の電子機器用の電源として利用されている。
リチウムイオン電池は、正極電極と負極電極をセパレータを介して巻回して製造した電池要素、あるいは正極電極と負極電極を積層した電池要素を金属製の電池外装容器に収納し、電池外装容器とは極性の異なる電極を絶縁性部材で絶縁した電極を備えた蓋体を取り付けて電池外装容器と蓋体との嵌合部を封口した後、電解液注液孔から所定の量の電解液を注液し、電解液注液孔に封止栓を装着してレーザー溶接等によって溶接し注液孔を封止している。
図3は、従来の密閉型電池の注液孔封止工程の説明図であり、図3(a)は封止栓の平面図、図3(b)は封止栓を注液孔に挿入する前の状態の説明図、図3(c)は封止栓を注液孔に挿入し溶接した状態の説明図である。
電解液を注液した密閉型電池の蓋体2の、段部71を備えた電解液の注液孔7に封止栓1を挿入し、封止栓1と蓋体2の嵌合部にレーザー光を照射すると、レーザー光照射部の金属が溶解し、注液孔7を設けた蓋体2あるいは電池缶のレーザー光照射部の発熱により電池内部の温度が上昇し、内部の圧力上昇により電解液の注液孔7と封止栓1の境界部からの漏出が発生し、レーザー溶接部3への電解液の付着により封止不良が発生することがあった。
特許文献1では、電解液注液孔の内側にゴム等の弾性体を装着し、外側には金属製の封止栓を装着して外側の金属製の封止栓を電解液注液孔の壁面と溶接した密閉型電池が提案されている。しかしながら、ゴム等の弾性体からなる封止栓は、溶接時に加えられる熱によって軟化し内圧が高まった電池内部から電解液が漏出し、金属製の封止栓の溶接が不充分なものとなって封止不良が生じる可能性があった。
本発明の課題は、電解液の注液孔に封止栓を装着して封孔する密閉型電池において、封孔時に加えられる熱によって、電解液が漏出して溶接不良が生じることがない密閉型電池を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明の密閉型電池はアルミニウム合金からなる電池缶あるいは前記電池缶開口部を封口する蓋体に設けられた段部を備えた電解液注液孔に、円柱状の突起部が植立されたフランジ部を備えた封止栓を装着し、溶接封止する密閉型電池において、前記封止栓の円柱状の突起部またはフランジ部の少なくとも一方の外周面に外周面を周回する凸部を有することを特徴とする。
本発明の密閉型電池によれば電解液注液孔に封止栓を装着する際に圧入により封止栓に設けた凸部が潰れて注液孔に食い込み気密性を保つことにより、レーザ溶接時に電池缶内部からの電解液の漏出を防止することができ、電解液付着によるレーザー溶接不良のない安定したレーザー溶接を行うことが可能となり、熱による影響も少ない封止不良の少ない密閉型電池を提供できる。
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の密閉型電池の説明図であり、図1(a)は密閉型電池を説明する斜視図であり、図1(b)は密閉型電池の平面図であり、図1(c)は注液孔の封止工程を説明する断面図であり、図1(d)は図1(b)の電解液注液孔部分をA−A線で切断した断面図である。
本発明の密閉型電池は、電池缶5内に電池要素を収納した後に、電池缶5の開口部を蓋体2で封口したものであり、蓋体2は中央部に電極端子6を有するとともに電解液注液孔7を有している。
電解液の注液孔7は、蓋体2を構成する板状の部材に段部71を有し階段状になっている。段部71を有する注液孔7はプレス加工等により形成される。封止栓1は、注液孔段部71に収まるフランジ部11と電解液の注液孔7に収まる先端が細くなった略円柱状の突起部12から形成され、突起部12の外周面に凸部41を有している。
電解液の注液孔7より、電解液を注入した後、注液孔7に、突起部12の外周面に凸部41を有する封止栓1を圧入する。封止栓1を圧入の際には、注液孔7の内径より封止栓1の突起部の凸部41の外径が大きく形成されているため凸部は潰れ、注液孔7に食い込み密封状態を形成する。その後レーザー溶接を行う。
注液孔7と封止栓1により密封状態を形成しているので、電解液が漏出してくることがなく、安定したレーザー溶接を行うことができる。注液孔7と封止栓1でレーザー溶接前に密封状態を形成するためには、突起部に凸部を有する封止栓1を用いる他に、フランジ部の外周に凸部を有する封止栓1を用いることもできる。
図2は、本発明の密閉型電池の他の注液孔の封止工程の説明図であり、図2(a)は封止栓の平面図、図2(b)は注液孔の封止工程を説明する断面図であり、図2(c)は注液孔の封止後の断面図である。電解液の注液孔7は蓋体2を構成する板状の部材に段部71を有し階段状になっている。封止栓1は注液孔段部71に収まるフランジ部11と電解液の注液孔7に収まる先端が細くなった略円柱状の突起部12から形成され、フランジ部11の外周面に凸部42を有している。
電解液の注液孔7より、電解液を注入した後、注液孔7に、フランジ部の外周面に凸部を有する封止栓1を圧入する。封止栓1を圧入の際には、注液孔7の段部の内径より封止栓1のフランジ部の凸部の外径が若干大きく形成されているため凸部は潰れ、注液孔7の段部に食い込み密封状態を形成する。
幅30mm、高さ48mm、厚さ4mmのアルミニウム合金(A3003)製の電池缶に電池要素を収納した後、図1に示すように、段部71の直径2.0mm深さ0.5mmで中心に直径1.3mmの貫通孔を有した注液孔7を設けた厚さ1mmのアルミニウム合金(A3003)製の蓋体2を電池缶に嵌合し溶接して封口する。電解液として六フッ化燐酸リチウムを電解質としてジエチルカーボネート(DEC)とエチレンカーボネート(EC)の混合溶媒に溶解したものを注液孔7から注液した後、フランジ部11の直径2.0mm、厚さ0.5mm、フランジ部11の中心から高さ0.7mm、直径1.2mmの略円柱状の突出部を有し、突起部12のフランジ部11の上面から0.8mmの外周上に直径1.34mmの断面ほぼ半円状となる凸部を設けた封止栓1を、注液孔7に圧入し、抵抗溶接を行った。封止栓1を注液孔7に圧入することにより凸部41が潰れ密封状態を形成し、更に抵抗溶接により注液孔7と封止栓1の接触部が溶接される。その後、レーザー溶接を行った。作製した500個のリチウムイオン電池について、レーザー溶接後の封止不良を検査したところ、不良の発生はなかった。
封止栓の構造を変更した以外は実施例1と同様にリチウムイオン電池を作製した。図2に示すように、段部71の直径2.0mm深さ0.5mmで中心に直径1.3mmの貫通孔を有した注液孔7にフランジ部11の直径2.00mm、厚さ0.5mm、フランジ部11の中心から高さ0.7mm、直径1.2mmの略円柱状の突起部12を有し、フランジ部11の上面から0.1mmの外周上に直径2.20mmの断面ほぼ半円状となる凸部42を設けた封止栓1を、注液孔7に圧入し、抵抗溶接を行い、その後、レーザー溶接を行った。作製した500個のリチウムイオン電池について、レーザー溶接後の封止不良を検査したところ、不良の発生はなかった。
(比較例)
封止栓の構造を変更した以外は実施例1と同様にリチウムイオン電池を作製した。図3に示すように、蓋体2に段部71の直径2.0mm深さ0.5mmで中心に直径1.2mmの貫通孔を有した注液孔7に、フランジ部11の直径2.0mm、厚さ0.5mmの封止栓1を注液孔7に圧入し、レーザー溶接を行った。作製した500個のリチウムイオン電池について、レーザー溶接後の封止不良を検査したところ、3個ピンホールによる溶接不良が発生した。
封止栓の構造を変更した以外は実施例1と同様にリチウムイオン電池を作製した。図3に示すように、蓋体2に段部71の直径2.0mm深さ0.5mmで中心に直径1.2mmの貫通孔を有した注液孔7に、フランジ部11の直径2.0mm、厚さ0.5mmの封止栓1を注液孔7に圧入し、レーザー溶接を行った。作製した500個のリチウムイオン電池について、レーザー溶接後の封止不良を検査したところ、3個ピンホールによる溶接不良が発生した。
1 封止栓
11 フランジ部
12 突起部
2 蓋体
3 レーザ溶接部
41 (突起部)凸部
42 (フランジ部)凸部
5 電池缶
6 電極端子
7 注液孔
71 (注液孔)段部
11 フランジ部
12 突起部
2 蓋体
3 レーザ溶接部
41 (突起部)凸部
42 (フランジ部)凸部
5 電池缶
6 電極端子
7 注液孔
71 (注液孔)段部
Claims (1)
- アルミニウム合金からなる電池缶あるいは前記電池缶開口部を封口する蓋体に設けられた段部を備えた電解液注液孔に、円柱状の突起部が植立されたフランジ部を備えた封止栓を装着し、溶接封止した密閉型電池において、前記封止栓の円柱状の突起部またはフランジ部の少なくとも一方の外周面に外周面を周回する凸部を有することを特徴とする密閉型電池。
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JP2005248984A JP2007066600A (ja) | 2005-08-30 | 2005-08-30 | 密閉型電池 |
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- 2005-08-30 JP JP2005248984A patent/JP2007066600A/ja active Pending
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