JP6053108B2 - 発熱物品 - Google Patents

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Description

本発明は、発熱物品に関する。
従来、肌に貼り付けるタイプの発熱具として、様々なものが開発されている。
たとえば、特許文献1に開示された発熱シートにおいては、発熱剤を含むシート状袋の片面にストライプ状あるいはドット状の粘着剤が設けられている。
特許文献2には、肩に貼り付ける発熱具が開示されている。この発熱具は、肌から遠い側に位置する第一の通気層と、肌から近い側に位置する第二の通気層とを備えた収容体内に、発熱材料が収容されたものである。
特開2000−139990号公報 特開2006−204733号公報
従来、このような肌に貼り付けるタイプの発熱具は、折り曲げずに、外装体内に収容されていた。そのため、外装体が大きなものとなってしまう。
本発明者らは、このような肌に貼り付けるタイプの発熱具を、折り曲げて、コンパクトに外装体内に収容することを発案した。
そして、発熱具のうち、肌側を内側として折り曲げることで、発熱具の肌に貼り付けられる面を保護することを考えた。
しかしながら、肌側に粘着層が存在し、粘着層上に剥離紙が取り付けられた発熱具を粘着層が内側となるように剥離紙とともに折り曲げる場合、折り曲げ線上に粘着層が存在すると、剥離紙は発熱具より厚みが極端に薄く伸縮性が低いため、粘着剤同士が互いに接着してしまい接着剤ダマリが生じ、発熱具を使用する際に、折りたたまれた発熱具を広げることが困難となることがわかった。
そこで、本発明者らは、折り曲げ線と粘着層の位置関係に加え、発熱具に用いられる発熱体は比較的比重の重い成分で構成されているため、発熱具を粘着層で肌へ貼付する場合、粘着層と発熱体との位置関係によって剥がれやすさに非常に影響があることを知見して、鋭意検討を重ねた結果、肌側に粘着層が存在し、粘着層上に剥離紙が取り付けられ、剥離紙とともに折り曲げられた発熱具で、折り曲げ線上に粘着層を存在させず、且つ、粘着層と粘着層との間に発熱体を位置させることで、粘着層が内側となるように剥離紙とともに折り曲げて外装体内に収容すると、折りたたまれた発熱具を広げ易く、且つ、剥離紙が剥がし易く、且つ、体毛があるため貼り辛かったり目が届き難くて貼り辛い場所でも貼り付け易く、且つ、発熱体と粘着層との位置関係が良いため大きな動きに対しても剥がれ難いことを見出し、発熱物品を完成させた。
すなわち、本発明によれば、
第一シート、
第二シート、および
前記第一シートと前記第二シートとの間に介在配置された発熱体を備え、着用した際に着用者側に前記第一シートが位置する発熱具と、
当該発熱具を収容する外装体とを備える発熱物品であって、
前記発熱具は、前記第一シートの外面に一対の第一粘着層および一対の第二粘着層を有し、
前記一対の第一粘着層は離間配置され、該離間した前記一対の第一粘着層間に、前記一対の第二粘着層が前記一対の第一粘着層の離間方向に沿って離間配置されるとともに、前記第一シート側からの平面視において、前記第一粘着層と前記第二粘着層との間に前記発熱体が位置し、
前記一対の第一粘着層及び前記一対の第二粘着層は、仮想線を挟んで離間配置されており、この仮想線上には粘着層が存在せず、
前記発熱具には、前記一対の第一粘着層および前記一対の第二粘着層を覆う剥離紙が設けられ、
前記剥離紙が設けられた前記発熱具は、前記粘着層が内側となるように、前記仮想線に沿って折り曲げた状態で、前記外装体に収容されている発熱物品が提供される。
ここで、粘着層とは、着用時に肌に固着する層であり、粘着剤のみならず接着剤で構成された層も含む概念である。
この発明によれば、発熱具を折り曲げた状態で、外装体に収容しているので、発熱具をコンパクトに収容することができる。また、発熱具は一対の第二粘着層間の仮想線に沿って折り曲げられるが、仮想線上には粘着層が存在しないので、発熱具を折り曲げた際に、粘着層の粘着剤同士が接着してしまうことを防止できる。これにより、包装体から発熱具を取り出し、折り曲げられた発熱具を広げる際に、容易に発熱具を広げることができる。また、離間した一対の第一粘着層間に一対の第二粘着層が一対の第一粘着層の離間方向に沿って離間配置されるとともに第一粘着層と第二粘着層との間に発熱体が位置しているため、剥離紙の剥がし易さや、体毛があるため貼り辛かったり目が届き難くて貼り辛い場所への貼り付け易さに対して、粘着層の位置関係が好ましい効果を発揮し、且つ、発熱体と粘着層との位置関係も良いため大きな動きに対しても剥がれ難い。
本発明によれば、使い勝手のよい発熱物品が提供される。
本発明の一実施形態にかかる発熱具を示す平面図である。 図1のII-II方向の断面図である。 変形例を示す断面図である。 発熱部を示す斜視図である。 発熱具に剥離紙を設けた状態を示す平面図である。 発熱具を外装体に収容した状態を示す断面図である。 発熱具から剥離紙を剥離する状態を示す図である。 発熱具を着用者に着用した状態を示す図である。 変形例を示す平面図である。 比較形態を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明は重複しないように適宜省略される。
はじめに、図1、6を参照して、発熱具1の概要について説明する。
図1は、広げられた状態の発熱具1の第一シート11側からの平面図であり、図6は、発熱具1を折り曲げて外装体3に収容した状態を示す断面図である。
本実施形態の発熱物品100は、第一シート11、第二シート12、第一シート11および第二シート12の間に介在配置された発熱体13を備え、着用した際に着用者側に前記第一シート11が位置する発熱具1と、発熱具1を収容する外装体(包装体)3とを備える。
発熱具1の第一シート11の外面には、発熱具1を着用者の肌に固定するための一対の第一粘着層14および一対の第二粘着層15が設けられている。
離間した一対の第一粘着層14間に一対の第二粘着層15が離間配置されている。なお、一対の第二粘着層15の離間方向は一対の第一粘着層14の離間方向に沿っている。そして、第一シート11側からの平面視において、第一粘着層14と第二粘着層15との間に発熱体13が位置する。
一対の第二粘着層15は、仮想線(本実施形態では中心線Cに該当)を挟んで離間配置されている。この仮想線は、第一シート11の一方の端部から他方の端部まで延在している。この仮想線上には粘着層が存在しない。
発熱具1には、粘着層14,15を被覆する剥離紙2が設けられ、粘着層14,15が内側となるように、前記仮想線に沿って折曲させた状態で、外装体(包装体)3に収容されている。
発熱具1を折り曲げた状態で、外装体3に収容しているので、発熱具1をコンパクトに収容することができる。また、発熱具1は一対の第二粘着層15間の仮想線に沿って折り曲げられるが、仮想線上には粘着層が存在しないので、発熱具1を折り曲げた際に、粘着層の粘着剤同士が接着してしまうことを防止できる。これにより、外装体3から発熱具1を取り出し、折り曲げられた発熱具1を広げる際に、容易に発熱具1を広げることができる。また、離間した一対の第一粘着層14間に一対の第二粘着層15が一対の第一粘着層14の離間方向に沿って離間配置されるとともに第一粘着層14と第二粘着層15との間に発熱体13が位置しているため、剥離紙の剥がし易さや、体毛があるため貼り辛かったり目が届き難くて貼り辛い場所への貼り付け易さに対して、粘着層の位置関係が好ましい効果を発揮し、且つ、発熱体13と粘着層14・15との位置関係も良いため大きな動きに対しても剥がれ難い。
次に、図1〜8を参照して、本実施形態の発熱具1および発熱物品100について詳細に説明する。
第一シート11および第二シート12は、発熱具1の外郭を構成するものである。本実施形態では、第一シート11および第二シート12はいずれも同一の大きさであり、同一平面形状である。本実施形態では、第一シート11および第二シート12、すなわち、発熱具1は、第一シート11側からの平面視において、長手方向Xとこれに直交する幅方向Yを有する横長の形状をしている。すなわち、X軸方向の長さが、Y軸方向の長さよりも長くなっており、たとえば、第一シート11および第二シート12は長手方向X方向に長辺を短手方向Y方向に短辺を有する横長形状、具体的には平面視における形状が矩形形状、長円形状、楕円形状、ビーンズ形状等が好ましい。
このように、発熱具1を、第一シート11側からの平面視において、横長の扁平形状とすることで、発熱具1を、首の後ろ側部分に着用者の左右方向に延在するように、貼り付けることができる。
発熱具1は第一シート11および第二シート12の外周縁を貼り合わせることで、内部に発熱体を収容する外袋(第一収容体)が構成される。
なお、前述のとおり、第一シート11と第二シート12とを別体のシートで構成し、互いの外周縁を貼り合わせることで、袋体を構成してもよく、また、第一シート11と第二シート12とを一連のシートで構成し、この一連のシートを折って、対向する外周縁同士を貼り合わせることで袋体を構成してもよい。
第一シート11は、発熱具1を着用者が着用した際に、着用者の肌側に位置する。第一シート11は、通気性シートであり、その通気度は、8,000秒/100ml以下である。なかでも、発熱具1が蒸気を着用者の肌側に向かって発生する蒸気温熱具の場合、発熱により発生した蒸気を確実に着用者の肌へ供給する観点から、第一シート11の通気度は、6,000秒/100ml以下であり、1,000秒/100ml以下であることがより好ましい。また、第一シート11の通気度の下限値は特に限定されない。ただし、第一シート11の内側に位置する内袋17が透けて見えてしまうことを防止するための坪量等を考慮すると、1秒/100ml以上であることが好ましい。
第一シート11としては、不織布をはじめとする繊維シートを使用できる。
通気度はJIS P8117(1998年)によって測定される値であり、一定の圧力のもとで100mlの空気が6.42cmの面積を通過する時間で定義される。したがって、通気度が大きいことは空気の通過に時間がかかること、即ち通気性が低いことを意味している。逆に、通気度が小さいことは通気性が高いことを意味している。このように、通気度の大小と通気性の高低とは逆の関係を示す。通気度は、王研式通気度計で計測することができる。
第二シート12は、本実施形態では、第一シート11と同様、通気性シートで構成されている。ただし、美観の観点から第一シート11と同様、不織布で構成することが好ましい。
ここで、発熱具1は、少なくともX軸方向に伸縮可能な構成としてもよい。たとえば、第一シート11および第二シート12を上述した通気性を有し、かつ、X軸方向に伸縮する伸縮性シートとしてもよい。伸縮性シートとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリアクリル等から選択される合成繊維;セルロース、シルク、コットン、ウール等から選択される天然繊維;又はそれらを複合した繊維等から構成されるシートがあげられる。或いは、伸縮性シートとしては、2種以上の繊維を用いて、エアスルー法、スパンボンド法、ニードルパンチ法、メルトブローン法、カード法、熱融着法、水流交絡法、溶剤接着法から選択される方法により製造された不織布を用いることもできる。また、不織布以外に、編み布等も使用できる。特に、風合いや、弾力性の観点から、伸縮性シートとして伸縮性を有する不織布を用いることが好ましい。伸縮性を有する不織布としては、構成繊維として弾性繊維(例えば、ポリウレタン、ポリエステル)を含むエアスルー不織布やスパンボンド不織布等が好ましく、風合いの観点から不織布をシリコーンや界面活性剤等で表面処理したものを使用することもできる。なお、第一シート11と第二シート12とを同種材料で構成された伸縮性シートとしてもよく、異種材料で構成された伸縮性シートとしてもよい。
発熱体13は、第一シート11と第二シート12との間に配置される。本実施形態では、発熱体13は、発熱した際に蒸気を発生するものであり、被酸化性金属、水、保水剤を含有する発熱組成物で構成されている。
被酸化性金属は、酸化反応熱を発する金属であり、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、カルシウム、これらのうち2種以上を混合した混合金属等の粉末や繊維が挙げられる。
保水剤は、保水能を有するものであり、例えば、炭素成分、繊維材料、吸水性ポリマー、及びバーミキュライトなどの吸水性の粉体から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
炭素成分としては、保水能、酸素供給能、及び、触媒能を有するものであり、例えば、活性炭、アセチレンブラック、及び黒鉛から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
繊維材料としては、親水性繊維、中でもセルロース繊維を用いることがより好ましい。セルロース繊維としては、化学繊維(合成繊維)や天然繊維を用いることができる。
発熱体13は、粉体や粉体の成形物であってもシート状であってもよく、本実施形態では、平面視において矩形形状(正方形、長方形)のシート状となっている。
発熱体13は、たとえば、上述した発熱組成物を含むスラリー状物を作製し、このスラリー状物を基材層S(図2参照)上に塗工することで、得られるものであっても良い。
この場合、基材層Sとともに、発熱体13が後述する内袋17内に収容されることとなる。
基材層Sとしては、水分の吸収保持が可能であり、通気性を有するシートを使用することが好ましい。基材層Sは、発熱組成物中の水分を一定量吸収しても良い。基材層Sの通気度(水分を吸収した状態)は、8,000秒/100ml以下であることが好ましく、さらには、500秒/100ml以下であることが好ましい。また、下限値は特に限定されないが0秒/100ml以上、更に1秒/100ml以上であることが好ましい。
基材層Sとしては、例えば繊維を原料とする紙、不織布、織物、編み物等の繊維シートが挙げられる。前記の繊維としては、例えば植物繊維及び動物繊維などの天然繊維を主成分とするものや化学繊維を主成分とするもの挙げられる。
なお、基材層Sは、発熱具1を着用者が肌に着用した際、発熱体13よりも肌側に位置しても良いし、発熱体13よりも肌から遠い側に位置しても良い。
また、発熱体13は、抄紙機を使用して、抄紙法により製造したものであってもよい。この場合には、発熱組成物は前述した各成分に加えて、繊維材料を含むこととなる。この場合には、図3に示すように、基材層Sは無くてもよい。
以上のような発熱体13は、図2〜4に示すように、内袋(第二収容体)17に収容される。発熱体13と内袋17とで発熱部18が構成される。
内袋17は、シート171と、シート172の周縁部を接合することで構成されている。シート171,172の周縁部以外の領域は非接合領域であり、非接合領域内に発熱体13が配置される。
シート171は、発熱具1を着用者が肌に着用した際、発熱体13よりも肌側に配置される。
シート171は、通気性シートであり、その通気度は、8,000秒/100ml以下であり、さらには、5,000秒/100ml以下であることが好ましい。
シート171の通気度を8,000秒/100ml以下とすることで、シート171の通気性を確保し、発熱具1が蒸気を着用者の肌側に向かって発生する蒸気温熱具の場合、発熱により発生した蒸気をシート171外部に放出しやすくすることができる。
一方で、シート171の通気度は、10秒/100ml以上、さらには、100秒/100ml以上であることが好ましい。シート171の通気度を10秒/100ml以上とすることで、発熱温度を制御し、異常発熱を防ぐことができる。
このような通気度を有するシート171としては、例えば透湿性は有するが透水性を有さない合成樹脂製の多孔性シートを用いることが好適である。具体的には、ポリエチレンに炭酸カルシウム等を含有させ延伸したフィルムを用いることができる。
シート172は、発熱具1を着用者が肌に着用した際、発熱体13よりも肌よりも遠い側に位置する。
シート172は、本実施形態では、実質的に通気性を有しない非通気性シートである。ここで、実質的に通気性を有しない非通気性シートとは、空気を完全に通さない非通気性シートだけでなく、仮に空気を通すことがあったとしても、発熱体13の発熱特性に影響を及ぼすほどの通気性は有しない(すなわち、空気を完全に通さない非通気性シートを使用した場合と同様の発熱特性となる)難通気性のシートも含む概念である。非通気性シートの通気度は、80,000秒/100ml以上であり、好ましくは、100,000秒/100ml以上である。さらに、好ましくは、150,000秒/100ml以上である。
シート172としては、一層又は多層のポリエチレンフィルム等の合成樹脂性のフィルムを使用することができる。また、一層又は多層の合成樹脂製のフィルムの外面にニードルパンチ不織布、エアスルー不織布、及びスパンボンド不織布から選択される1種又は2種以上の不織布をはじめとする各種の繊維シートをラミネートしたものを使用してもよい。
ここで、発熱具1が非通気性のシート172を有することで、第二シート12およびシート172で構成されるシート層全体の通気性は、第一シート11、シート171、基材層S(基材層Sがない場合には基材層Sを除く)で構成されるシート層全体の通気性よりも低くなっている。換言すると、第二シート12を最外層とし、第二シート12から発熱体13に至るまでのシート層全体の通気度は、第一シート11を最外層とし、第一シート11から発熱体13に至るまでのシート層全体の通気度よりも高くなっている。
なお、他の実施形態として、シート172を通気性シートとしても良い。その場合の通気度は、シート171と同様に、8,000秒/100ml以下であり、さらには、5,000秒/100ml以下であることが好ましい。
シート172の通気度を8,000秒/100ml以下とすることで、シート172の通気性を確保することができる。
一方で、シート172の通気度は、10秒/100ml以上、さらには、100秒/100ml以上であることが好ましい。シート172の通気度を10秒/100ml以上とすることで、発熱温度を制御し、異常発熱を防ぐことができる。
このような通気度を有するシート172としては、例えば透湿性は有するが透水性を有さない合成樹脂製の多孔性シートを用いることが好適である。具体的には、ポリエチレンに炭酸カルシウム等を含有させ延伸したフィルムを用いることができる。
以上のような発熱部18は、本実施形態では、平面視において矩形形状(より好ましくは正方形形状)である。
そして、以上のような発熱部18は、前述した第一シート11および第二シート12で構成される外袋内部に収容される。本実施形態では、外袋内に複数の発熱部18が収容されている。複数の発熱部18は、外袋の長手方向X(すなわちX軸方向)に沿って、離間配置されている。発熱部18の一辺は、外袋の長辺と平行となっていてもよい。発熱部18のシート172の一部はホットメルト系接着剤等の接着剤により、第二シート12に固定されていてもよい。
本実施形態においては、第一シート11、シート171、基材層Sにより、発熱体13に空気を供給するための通気層が形成されることとなる。
なお、発熱体13が基材層S上に形成されない場合には、前記通気層は、第一シート11、シート171で構成されることとなる。
次に、図1〜3を参照して、第一粘着層14と第二粘着層15について説明する。
第一粘着層14および第二粘着層15は、第一シート11の外面に設けられている。第一粘着層14および第二粘着層15は、発熱具1を着用者の肌に取り付けるためのものである。
第一粘着層14は一対からなり、該一対の第一粘着層14は第一シート11の外面に離間配置され、好ましくは第一シート11のX軸方向の端部にそれぞれ配置されている。
更に好ましくは、該一対の第一粘着層14は、第一シート11の外面のX軸方向の中心を通る中心線Cを挟んで配置されており、好ましくは対称位置に配置されている。
本実施形態では、各第一粘着層14は、第二粘着層15と交差することなく、第一シート11のY軸方向に沿って延在し、好ましくは、延在方向の両端部が第一シート11の外周縁に達している。すなわち、一対の第一粘着層14は、第一シート11のY軸方向の一端から他端まで連続している。これにより、発熱具1を着用者に安定的に貼り付けることができる。
さらに好ましくは、該一対の第一粘着層14は、第一シート11の外面側からの平面視において、円弧状の外周縁が、第一シート11のX軸方向の外周縁(円弧部分)と重なるように形成され半月形状となっている。
なお、第一シート11の外面側からの平面視において、一対の第一粘着層14は、発熱体13と重なっていないことが発熱特性の点で好ましい。
一方で、第二粘着層15は一対からなり、第一シート11側からの平面視において、一対の第一粘着層14間の領域に配置され、一対の第一粘着層14の離間方向に沿って離間配置されている。これにより、発熱具1を着用者に安定的に貼り付けることができる。
また、第一シート11側からの平面視において、第一粘着層14と第二粘着層15との間に発熱体13が位置する。これにより、第一粘着層14と第二粘着層15とが比較的比重の重い発熱体13を挟んで配置されているので、発熱具1を着用者に安定的に貼り付けることができる。
第一粘着層14及び第二粘着層15は、仮想線を挟んで配置されており、好ましくは対称位置に配置されている。
本実施形態では、一対の第二粘着層15は、第一シート11のY軸方向に沿って延在し、第一粘着層14と平行に配置されている。ただし、一対の第二粘着層15は、必ずしも、Y軸方向に沿って延在していなくてもよく、Y軸方向に対しわずかに傾斜して配置されていてもよい。この場合においても、第一粘着層14と第二粘着層15とは交差せず、一対の第二粘着層15同士も交差せずに延在する。本実施形態では、一対の第二粘着層15は平行に延在し、第一シート11側からの平面視において、矩形形状となっている。そして、一対の第二粘着層15の延在方向の両端部は、第一シート11の外周縁に達している。すなわち、一対の第二粘着層15は、第一シート11のY軸方向の一端から他端まで連続している。これにより、発熱具1を着用者に安定的に貼り付けることができる。
また、第一粘着層14を発熱具1のX軸方向の端部に配置し、かつ、一対の第二粘着層15を中心線Cの近傍に設けることで、着用者に確実に発熱具1を固定することができるため好ましい。たとえば、着用者の首のように特徴のある動きをする部分に、発熱具1を貼り付けても、発熱具1が剥がれてしまうことを防止できる。
なお、本実施形態では、第一シート11の外面側からの平面視において、一対の第二粘着層15は、一対の発熱体13と重なっていないことが発熱特性の点で好ましい。
本実施形態では、一対の第二粘着層15の間には、粘着層が存在せず、第一シート11の外面が露出した露出領域(粘着層不存在領域)111が形成されている。露出領域111は、Y軸方向に延在し、平面視において矩形形状である。本実施形態では、この露出領域111は、第一シート11のX軸方向の中心に位置する。露出領域111内に前述した仮想線が存在する。すなわち、この仮想線上には、粘着層は存在しない。露出領域111のY軸方向の両端部は、第一シート11の外周縁まで達している。
なお、本実施形態においては、第一シート側からの平面視において、露出領域111は、発熱体13、さらには、発熱部18と重なっていないことが折り曲げやすさや身体へのフィット性の点で好ましい。ただし、図9に示すように、露出領域111と、発熱部18とは重なりあってもよい。
第一シート外面の第一粘着層14と隣接する第二粘着層15との間の領域には、粘着層が存在せず、第一シート11の外面が露出した露出領域(粘着層不存在領域)112が形成されている。本実施形態では、第一シート11外面には、一対の露出領域112が形成されている。
本実施形態では、一対の露出領域112の大きさおよび形状は同じであるが、異なっていてもよい。
ここで、露出領域112は、第一粘着層14の発熱体13側の一辺と、第二粘着層15の発熱体13側の一辺と、第一シート11の外周縁とで囲まれた領域である。
このように、第一シート11外面の第一粘着層14と隣接する第二粘着層15との間の領域には、粘着層が存在しないことで、着用者側である第一シート11の外面に手を添え易く、貼り辛い場所へ貼り付け易く、大きな動きに対しても剥がれ難い。
露出領域112は、一対の露出領域、すなわち、露出領域112A(第一露出領域)と、露出領域112B(第二露出領域)とを含んでいる。露出領域112Aは、第一粘着層14と第二粘着層15とが発熱体13を挟む方向とは異なる方向(本実施形態では直交する方向)から発熱体13を挟み、発熱体13の外周縁(図1においては、発熱体13を区画する上辺あるいは下辺)から第一シート11の外周縁にまで達する。この露出領域112Aは発熱体13よりもY軸方向外側に位置する領域である。露出領域112Aは、発熱体13への空気供給に重要な役割を果たす箇所である。
発熱体13の外周縁と第一シート11の外周縁との間に粘着層を存在させず、発熱体13のX軸方向の辺をX軸方向に延長した延長線と、第一粘着層14の発熱体13側の一辺と、第二粘着層15の発熱体13側の一辺と、第一シート11の外周縁とで囲まれた領域全体を露出領域112Aとすることで、露出領域112Aを広い面積とすることができる。
露出領域112Aを形成することで、空気が発熱体13に良好に供給される。また、露出領域112Aを形成することで、発熱具1を着用者の首の後ろ側に貼り付けた際に、髪の毛等が発熱具の粘着層に付着してしまうことを防止できる。これにより、使い勝手のよい発熱具1とすることができる。また、比較的比重の重い発熱体13の外縁に露出領域112Aを形成することで、身体へのフィット性が高まり、大きな動きに対しても剥がれ難い。
露出領域112Bは、露出領域112Aに隣接するとともに、露出領域112Aに連続して設けられている。この露出領域112Bは、発熱体13を被覆しており、発熱体13への空気供給に重要な役割を果たすもう一つの箇所である。本実施形態では、第一シート11の外面側から見た平面視において、発熱体13全体が露出領域112Bに被覆されている。換言すると、第一粘着層14、第二粘着層15は、発熱体13とは重ならないように配置されており、発熱体13は粘着層に被覆されていない。このようにすることで、発熱体13に空気を供給しやすくすることができる。また、発熱具1が蒸気を着用者の肌側に向かって発生する蒸気温熱具の場合、発熱により発生する蒸気を着用者に確実に供給することができる。
前述したように、露出領域112Aを広い面積としている。これにより、露出領域112Aに隣接する露出領域112Bに確実に空気を供給することができ、露出領域112Bを介して、発熱体13側に十分に空気を供給することができる。
本実施形態では、露出領域112のX軸方向の幅W1は、発熱体13のX軸方向の幅W2よりも長く、さらには、発熱部18のX軸方向の幅よりも長く、かつ、露出領域112のY軸方向の長さは、発熱体13のY軸方向の長さ、さらには、発熱部18のY軸方向の長さよりも長い。
なお、露出領域112のX軸方向の幅W1は、発熱体13のX軸方向の幅W2よりも長いものの、発熱部18のX軸方向の幅よりも短くてもよい。
また、露出領域112のX軸方向の幅W1は、露出領域111のX軸方向の幅W3よりも大きく、たとえば、幅W1は、幅W3の3〜15倍となっている。
なお、第一粘着層14および第二粘着層15は、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂から選択される少なくとも1種以上を含む粘着剤を、第一シート11の外面に塗布することで形成される。
次に、図2,3,5を参照して、剥離紙2について説明する。図5は、図1の発熱具1に剥離紙2を取り付けた状態の平面図である。
発熱具1には、粘着層を全域覆う剥離紙2が設けられる。
剥離紙2は、少なくとも一対の剥離部21,22から構成されていると好ましく、本実施形態では、一対の剥離部21,22から構成される。また本実施形態では、一対の剥離部21,22は形状が異なっている。
剥離部21は、一対の第一粘着層14のうち一方の第一粘着層14、一方の露出領域112、一対の第二粘着層15のうち一方の第二粘着層15、露出領域111、一対の第二粘着層15のうち他方の第二粘着層15および他方の露出領域112の一部を被覆する。そして、剥離部21は、一対の第一粘着層14のうち一方の第一粘着層14および一対の第二粘着層15の両方に接着している。
図5に示すように、剥離部21の外周縁は、第一シート11の外周縁と重なる外周縁部21Aと、他方の露出領域112上をY軸方向に延在する外周縁部21Bとで構成されている。
第一シート11外面側からの平面視において、この剥離部21上に前述した仮想線が位置する。そのため、外装体3内に発熱具1を収容する際には、剥離部21は、仮想線に沿って折り曲げられることとなる。
剥離部22は、一対の第一粘着層14のうち他方の第一粘着層14を被覆するとともに、他方の露出領域112の他の一部を被覆する。そして、剥離部22は、一対の第一粘着層14のうち他方の第一粘着層14に接着している。第一シート11外面側からの平面視において、この剥離部22上には、前述した仮想線は位置しない。
図5に示すように、剥離部22の外周縁は、第一シート11の外周縁と重なる外周縁部22Aと、他方の露出領域112上をY軸方向に延在する外周縁部22Bとで構成されている。
このように、第一シート11側からの平面視において、剥離部21と、剥離部22とは、形状が異なっている。また、第一シート11側からの平面視において、剥離部21と、剥離部22とは離間しており、外周縁部22Bおよび外周縁部21Bは対向している。また、外周縁部22Bと外周縁部21Bとは、他方の露出領域112上に位置しており、外周縁部22Bと外周縁部21Bとの間からは第一シート11外面が露出している。本実施形態では、他方の露出領域112が露出している。外周縁部22Bおよび外周縁部21Bは中心線CからX軸方向にずれた位置にある。
前述したように、剥離部21の外周縁部21B、剥離部22の外周縁部22Bは、露出領域112上に位置している。そのため、剥離部21の外周縁部21B近傍の領域、剥離部22の外周縁部22B近傍の領域は、粘着層に接着していない。これにより、剥離部21の外周縁部21B近傍の領域、剥離部22の外周縁部22B近傍の領域を着用者が容易につまむことができる。従って、剥離紙2を容易に発熱具1から剥離することができる。特に、本実施形態では、露出領域112のX軸方向の幅W1が、露出領域111のX軸方向の幅W3に比べて広い。そのため、露出領域111上に剥離部21,22の外周縁部21B,22Bを存在させる場合に比べて、露出領域112上に外周縁部21B,22Bを存在させたほうが、外周縁部21B,22Bと粘着層との間の距離を広く確保することが容易である。具体的には、剥離部21の外周縁部21Bと第二粘着層15との間の距離、剥離部22の外周縁部22Bと第一粘着層14との間の距離を広く確保でき、剥離部21の外周縁部21B近傍の粘着層に接着していない領域、剥離部22の外周縁部22B近傍の粘着層に接着していない領域を広く確保できる。
さらには、剥離部21の外周縁部21Bと剥離部22の外周縁部22Bとの間を離間することで、剥離紙2全体の面積を小さくすることができる。そのため、発生するごみの量を低減でき、かつ、コストも低減できる。離間距離は発熱具1の長手方向Xの好ましくは1/60以上、更に好ましくは1/40以上、殊更に好ましくは1/30以上であり、1/4以下、更に好ましくは1/5以下、殊更に好ましくは1/10以下である。
以上より、粘着層上に剥離紙の外周縁が位置しないことが剥離紙を剥離し易い点で好ましい。すなわち、図10(b)に示すように、粘着層915上に剥離紙9の剥離部91,92の外周縁が位置する場合には、剥離部91,92は剥離しにくくなる。
ここで、発熱具1の大きさについて説明する。
発熱具1は、着用者の首、中でも首の後ろ側に着用されるものであり、X軸方向の長さは、たとえば、10〜30cm、Y軸方向の長さが5〜10cmである。
また、第一粘着層14のX軸方向の最大幅は、10〜80mm、第二粘着層15のX軸方向の幅は、2〜10mmであり、露出領域111のX軸方向の最大幅W3はたとえば、4〜10mmであり、露出領域112のX軸方向の幅W1はたとえば、15〜130mmである。
剥離部21の外周縁部21Bと剥離部22の外周縁部22Bとの間の離間距離は好ましくは2mm以上、更に好ましくは3mm以上、殊更に好ましくは5mm以上であり、50mm以下、更に好ましくは40mm以下、殊更に好ましくは20mm以下である。
以上のような発熱具1は、図6に示すように、剥離紙2が取り付けられた状態で、外装体(包装体)3内に収容される。
剥離紙2が取り付けられた発熱具1を2つ折に折り曲げる。すなわち、露出領域111を延在方向に沿って仮想線に沿って折り曲げる。このとき、粘着層14,15側が内側となるように、剥離紙2とともに、発熱具1を折り曲げる。より具体的には、仮想線に沿って剥離部21が発熱具1を覆った状態で発熱具1とともに折り曲げられる。
そして、外装体3内に収容し、外装体3を密閉する。外装体3は酸素バリア性を有するフィルムで構成される。このような外装体3と、剥離紙2が取り付けられた発熱具1とで、発熱物品100を構成することができる。
本実施形態では、粘着層が存在しない露出領域111の、具体的には、仮想線で折り曲げているので、発熱具1を折り曲げやすい。
また、剥離紙2が取り付けられた発熱具1を粘着層が内側となるように剥離紙2とともに折り曲げると、剥離紙は発熱具より厚みが極端に薄く伸縮性が低いため、粘着剤同士が互いに接着してしまい接着剤ダマリが生じ、発熱具を使用する際に、折りたたまれた発熱具を広げることが困難となる場合がある。これに対し、本実施形態では、仮想線上に粘着層が設けられておらず、この仮想線を折り曲げているので、折りたたまれた発熱具1を容易に広げることができる。
また、露出領域111上の仮想線と、発熱体13とが重なりあっておらず、発熱体13を折り曲げる必要がないので、スムーズに発熱具1を折り曲げたり広げたりすることができる。特に本実施形態では、仮想線が、発熱体13のみならず、発熱部18とも重なりあっていないので、スムーズに発熱具1を折り曲げたり広げたりすることができる。
さらに、本実施形態では、発熱具1は粘着層14,15によって着用者の肌に固定される。そのため、粘着層14,15側が内側となるように、剥離紙2とともに、発熱具1を折り曲げ、外装体3に収容することで、粘着層14,15や、第一シート11を保護できる点が非常に好ましい。
また、発熱具1を折り曲げて、外装体3内に収容することで、発熱具1をコンパクトに外装体3内に収容することができ、発熱物品100全体の小型化を図ることができる。
着用者が発熱具1を着用する際には、外装体3を開封し、外装体3から発熱具1を取り出す。その後、剥離紙2を発熱具1から剥離する。たとえば、図7に示すように、はじめに、剥離部22を発熱具1から剥離する。その後、剥離部22を剥離することで露出した一対の第一粘着層14のうち一方の第一粘着層14を着用者の肌に当接させる。具体的には、図8に示すように、発熱具1を着用者の首の後ろ側に配置し、発熱具1の長手方向が、着用者の左右方向に延在するように、発熱具1を首の後ろ側に貼り付ける。その後、発熱具1を肌に一部貼り付けた状態で、剥離部21を発熱具1から剥離する。そして、剥離部21を剥離することで露出した一対の第一粘着層14のうち他方の第一粘着層14、及び一対の第二粘着層15を着用者の肌に貼り付ける。これにより、発熱具1が着用者に固定されることとなる。
このように、複数の剥離部のうち、一つの剥離部を剥離し、複数の粘着層のうちの一つの粘着層を露出させ、肌に固定することで、発熱具1を肌に固定する際に粘着層同士が互いにくっついてしまうことを防止できる。その後、一つの粘着層が肌に固定された状態で、残りの剥離部を剥離し、複数の粘着層のうち予め肌に固定した以外の粘着層を肌に貼り付けているため、発熱具1を所望の位置に安定して貼り付けることができる。
空気は、第一シート11の外周縁と着用者の肌との間から入り込み、第一シート11と着用者の肌との間を通り、第一シート11の内側に入り込む。そして、シート171を(発熱体に基材層Sが第一シート11側に設けられている場合には基材層Sも)介して、発熱体13に供給される。これにより、所望の発熱特性を得ることができる。
なお、発熱具1の第二シート12は、本実施形態では、通気性シートであるため、第二シート12を介して空気が発熱具1内部に供給される。しかしながら、内袋17のシート172は非通気層であるため、第二シート12を通過した空気のほとんどは、発熱体13にまで到達することはなく、第二シート12側から発熱体13に空気を供給することは非常に困難である。
発熱体13中の被酸化性金属が、空気と接触することで、被酸化性金属が酸化し、発熱体13が発熱する。発熱体13が発熱することで、発熱体13中の水分が蒸発し、蒸気が発生する。蒸気は、基材層S、シート171、第一シート11(特に第一シート11の露出領域112B)を通じて発熱具1の外部に放出される。
なお、発熱体13に基材層Sが設けられていない場合には、シート171、第一シート11を介して蒸気が外部に放出される。
一方で、内袋17のシート172は非通気層であるため、発熱体13で発生した蒸気は、シート172により遮断されて、第二シート12側から外部へはほとんど放出されない。これにより、シート171から優先的に蒸気を放出させることができ、着用者の肌に確実に蒸気を供給させることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
たとえば、前記実施形態では、第一シート側からの平面視において、第一粘着層14の両端部、第二粘着層15の両端部は、第一シート11の外周縁に達していたが、これに限られるものではない。
たとえば、第一粘着層14の端部が、第一シート11の外周縁に達しておらず、第一粘着層14の端部と、第一シート11の外周縁との間に第一シート11が露出した領域があってもよい。同様に、第二粘着層15の端部が、第一シート11の外周縁に達しておらず、第二粘着層15の端部と、第一シート11の外周縁との間に第一シート11が露出した領域があってもよい。ただし、発熱具を安定的に着用者に固定するためには、第一粘着層14および第二粘着層15のうち、少なくともいずれか一方の延在方向の端部、好ましくは両方の延在方向の端部は、前記第一シート11の外周縁に達していることが好ましい。
また、たとえば、第一粘着層14の端部が、第一シート11の外周縁に達していない場合に、第一粘着層14の発熱体側の一辺の延長線、第二粘着層15の発熱体側の一辺、第一シート11の外周縁とで囲まれた領域が露出領域112となることが好ましい。このようにすることで、露出領域112の面積を広く確保できる。
すなわち、第一粘着層14の発熱体側の一辺あるいは、その延長線と、第二粘着層15の発熱体側の一辺あるいはその延長線と、第一シート11の外周縁とで囲まれた領域が露出領域112となることが好ましい。
さらに、前記実施形態では、第一シート11側からの平面視において、第一粘着層14及び/又は第二粘着層15は、発熱部18と重なりあっていなかったが、これに限らず、第一シート11側からの平面視において、第一粘着層14及び/又は第二粘着層15の一部が発熱部18の一辺と重なりあっていてもよい。たとえば、図9に示すように、発熱体13と第一粘着層14及び/又は第二粘着層15とは重なりあわないものの、発熱部18の内袋17の一辺と第二粘着層15とが重なってもよい。さらには、露出領域111と、発熱部18の一部、たとえば、内袋17の一辺とが重なりあってもよい。
さらには、発熱体13と、第二粘着層15とが重なってもよい。すなわち、第一シート11側からの平面視において、第一粘着層14と、第二粘着層15との間に発熱体13の一部が位置していればよい。ただし、発熱体13の所望の発熱特性を得るという観点から、第一シート11側からの平面視において、発熱体13上から第二粘着層15の一部がX軸方向(第一粘着層14と、第二粘着層15とが発熱体13を挟む方向)にはみ出すように、第二粘着層15を配置することが好ましく、なかでも、前記実施形態のように、発熱体13と第二粘着層15とが重なり合わないように、第二粘着層15を配置することが好ましい。
同様に、発熱体13の所望の発熱特性を得るという観点から、第一シート11側からの平面視において、発熱体13上から第一粘着層14のX軸方向の一部がはみ出すように第一粘着層14を配置することが好ましく、なかでも、前記実施形態のように、発熱体13と第一粘着層14とは重なり合わないように、第一粘着層14を配置することが好ましい。さらには、第一粘着層14と、第二粘着層15とが発熱体13を挟む方向(前記実施形態では、X軸方向)に沿った発熱体13の幅の8割以上が、粘着層に被覆されていないことが好ましい。
また、前記実施形態では、発熱体13は、内袋17に収容されていたが、内袋17は無くてもよい。この場合には、第一シート11を含むとともに、前記発熱体13に空気を供給するための通気層は、第一シート11一枚で構成されていてもよい。このようにすることで、発熱具の構成を簡素化できる。
さらに、前記実施形態の発熱具1において、スリットを形成して、X軸方向に伸縮可能な構成としてもよい。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の発熱物品等を開示する。
<1>第一シート、第二シート、および前記第一シートと前記第二シートとの間に介在配置された発熱体を備え、着用した際に着用者側に前記第一シートが位置する発熱具と、当該発熱具を収容する外装体とを備える発熱物品であって、前記発熱具は、前記第一シートの外面に一対の第一粘着層および一対の第二粘着層を有し、前記一対の第一粘着層は離間配置され、該離間した前記一対の第一粘着層間に、前記一対の第二粘着層が前記一対の第一粘着層の離間方向に沿って離間配置されるとともに、前記第一シート側からの平面視において、前記第一粘着層と前記第二粘着層との間に前記発熱体が位置し、前記一対の第一粘着層及び前記一対の第二粘着層は、仮想線を挟んで離間配置されており、この仮想線上には粘着層が設けられておらず、前記発熱具には、前記一対の第一粘着層および前記一対の第二粘着層を覆う剥離紙が設けられ、前記剥離紙が設けられた前記発熱具は、前記粘着層が内側となるように、前記仮想線に沿って折り曲げた状態で、前記外装体に収容された発熱物品。
<2>前記剥離紙が前記発熱具とともに折り曲げられて前記外装体に収容されている<1>に記載の発熱物品。
<3>前記剥離紙は、一対の剥離部を有し、一方の剥離部と他方の剥離部とが存在する、<1>又は<2>に記載の発熱物品。
<4>前記一方の剥離部上にのみ前記仮想線が存在し、前記仮想線に沿って前記一方の剥離部が前記発熱具を覆った状態で前記発熱具とともに折り曲げられて前記外装体に収容されている<3>に記載の発熱物品。
<5>前記剥離紙は、一対の剥離部を有し、一方の剥離部と他方の剥離部とが異なる形状である、<3>又は<4>に記載の発熱物品。
<6>前記剥離紙は、一対の剥離部を有し、一方の剥離部は、一方の前記第一粘着層を被覆し、他方の剥離部は、この一方の第一粘着層に隣接する一方の前記第二粘着層を被覆し、折り曲げられた前記発熱具を広げ、前記第一シートの外面側から平面視した際に、前記一方の第一粘着層と前記一方の第二粘着層との間の前記第一シートの外面が露出した粘着層不存在領域内に、前記一対の剥離部の対向する一辺が位置して、前記剥離紙が前記発熱具を覆っている<3>乃至<5>のいずれかに記載の発熱物品。
<7>前記一対の剥離部は離間配置されており、前記対向する一辺の間から前記第一シートの外面が露出している<3>乃至<6>のいずれかに記載の発熱物品。
<8>前記離間配置された離間距離が、発熱具1の長手方向Xの1/60以上1/4以下である<7>に記載の発熱物品。
<9>前記発熱具は、前記発熱具を広げた状態において、前記仮想線が前記発熱体と重なりあわないように構成されている<1>乃至<8>のいずれかに記載の発熱物品。
<10>前記一対の第二粘着層間には粘着層が存在しない第一の粘着層不存在領域が形成されているとともに、該第一の粘着層不存在領域の両端部は前記第一シート外周縁にまで達するように一方向に延在し、前記仮想線は前記第一の粘着層不存在領域内で前記一方向に沿って延在している<1>乃至<9>のいずれかに記載の発熱物品。
<11>当該発熱物品は、前記第一シート側からの平面視における長手方向Xに沿って伸縮可能に構成されている<1>乃至<10>のいずれかに記載の発熱物品。
<12>前記剥離紙は、一対の剥離部を有し、前記第一シートの外面側から平面視した際に、前記各粘着層が互いに平行に延在し、前記一対の第二粘着層間には粘着層が存在しない第一の粘着層不存在領域が形成されているとともに、隣接する第二粘着層および第一粘着層間には、第二の粘着層不存在領域が形成されており、第一の粘着層不存在領域、前記第二の粘着層不存在領域の前記各粘着層の延在方向と直交する方向を幅とした場合、前記第一の粘着層不存在領域の幅寸法が、前記第二の粘着層不存在領域の幅寸法よりも小さく、折り曲げられた前記発熱具を広げ、前記第一シート外面側から平面視した際に、前記第二の粘着層不存在領域内に、前記一対の剥離部の対向する一辺が位置し、前記対向する一辺が第二の粘着層不存在領域に沿って延在するように、前記剥離紙が前記発熱具に貼り付けられている<10>に記載の発熱物品。
<13>前記発熱体は発熱することで蒸気を発生するものであり、前記発熱具は、前記発熱体で発生した蒸気が前記第一シート側から外部に放出されるように構成されている<1>乃至<12>のいずれかに記載の発熱物品。
1 発熱具
2 剥離紙
3 外装体(包装体)
11 第一シート
12 第二シート
13 発熱体
14 第一粘着層
15 第二粘着層
17 内袋(第二収容体)
18 発熱部
21,22 剥離部
21A 外周縁部
21B 外周縁部
22A 外周縁部
22B 外周縁部
100 発熱物品
111 露出領域(粘着層不存在領域)
112 露出領域(粘着層不存在領域)
112A 露出領域
112B 露出領域
171 シート
172 シート
915 粘着層
C 中心線(仮想線)
S 基材層
W1 幅
W2 幅
W3 幅

Claims (11)

  1. 第一シート、
    第二シート、および
    前記第一シートと前記第二シートとの間に介在配置された発熱体を備え、着用した際に着用者側に前記第一シートが位置する発熱具と、
    当該発熱具を収容する外装体とを備える発熱物品であって、
    前記発熱具は、前記第一シートの外面に一対の第一粘着層および一対の第二粘着層を有し、
    前記一対の第一粘着層は離間配置され、該離間した前記一対の第一粘着層間に、前記一対の第二粘着層が前記一対の第一粘着層の離間方向に沿って離間配置されるとともに、前記第一シート側からの平面視において、前記第一粘着層と前記第二粘着層との間に前記発熱体が位置し、
    前記一対の第一粘着層及び前記一対の第二粘着層は、仮想線を挟んで離間配置されており、この仮想線上には粘着層が設けられておらず、
    前記発熱具には、前記一対の第一粘着層および前記一対の第二粘着層を覆う剥離紙が設けられ、
    前記剥離紙が設けられた前記発熱具は、前記粘着層が内側となるように、前記仮想線に沿って折り曲げた状態で、前記外装体に収容された発熱物品。
  2. 前記発熱具は、前記第一シートの外面側から平面視した際に、一方の前記第一粘着層と一方の前記第二粘着層との間には、粘着層が形成されていない、請求項1に記載の発熱物品。
  3. 前記剥離紙が前記発熱具とともに折り曲げられて前記外装体に収容されている請求項1または2に記載の発熱物品。
  4. 前記剥離紙は、一対の剥離部を有し、一方の剥離部と他方の剥離部とが存在する、請求項1乃至3いずれか一項に記載の発熱物品。
  5. 前記一方の剥離部上にのみ前記仮想線が存在し、前記仮想線に沿って前記一方の剥離部が前記発熱具を覆った状態で前記発熱具とともに折り曲げられて前記外装体に収容されている請求項4に記載の発熱物品。
  6. 前記剥離紙は、一対の剥離部を有し、一方の剥離部と他方の剥離部とが異なる形状である、請求項4又は5に記載の発熱物品。
  7. 前記剥離紙は、一対の剥離部を有し、
    一方の剥離部は、一方の前記第一粘着層を被覆し、他方の剥離部は、この一方の第一粘着層に隣接する一方の前記第二粘着層を被覆し、
    折り曲げられた前記発熱具を広げ、前記第一シートの外面側から平面視した際に、前記一方の第一粘着層と前記一方の第二粘着層との間の前記第一シートの外面が露出した粘着層不存在領域内に、前記一対の剥離部の対向する一辺が位置して、前記剥離紙が前記発熱具を覆っている請求項4乃至6のいずれかに記載の発熱物品。
  8. 前記一対の剥離部は離間配置されており、前記対向する一辺の間から前記第一シートの外面が露出している請求項7に記載の発熱物品。
  9. 前記離間配置された離間距離が、前記発熱具の長手方向Xの1/60以上1/4以下である請求項8に記載の発熱物品。
  10. 前記発熱体が発熱することで蒸気が発生する、請求項1乃至9いずれか一項に記載の発熱物品。
  11. 前記第二シートと前記発熱体との間に非通気性シートを備え、前記第二シートを最外層とし、前記第二シートから前記発熱体に至るまでのシート層全体の通気度は、前記第一シートを最外層とし、前記第一シートから前記発熱体に至るまでのシート層全体の通気度よりも高くなっている、請求項1乃至10いずれか一項に記載の発熱物品。
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