JP6051727B2 - ノズル付き包装用パウチ - Google Patents
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Description
このノズル付き包装用パウチは、例えばスタンディングパウチとされ、プラスチックフィルム状の表面パウチ片と裏面パウチ片の間に底部パウチ片を折り重ねて挟み込んで周縁部をヒートシールして展開可能な底部を備えた内容物充填用の空所が形成されるとともに、注出用のノズル部がパウチの上方のコーナー部に形成されたり、上方の中央部等に形成される。
この注出用のノズル部は、例えば易開封加工部などの開封予定位置に向かって空所の幅を狭めるように形成されて周縁部がヒートシールされて形成される。
例えば特許文献1に開示された注出機能付き包装袋では、包装用パウチの開封後に注出口となる部分に開口補助機構とこれに隣接あるいは併設して折れ曲がり防止機構をエンボス加工して形成するようにし、注出口を容易に形成することができ、注出口の折れ曲がりを防止して流れを保ちながら容易に内容物を取り出すことができるようにしている。
このようなエンボス加工による開口補助機構によって流路が確保でき、内容物がノズル部に達すれば、内容液の自重や圧力によって流路がさらに押し広げられて容易に内容物を取り出すことができる。
このヒートシール部は表裏面パウチ片が重なった状態で一体化されていることから剛性が高く、特にノズル部先端近傍は、空所の先端および両側を取り囲んでヒートシール部が形成されることから一層剛性が高く、ノズル部を平坦な状態に維持しようとする作用が大きく、通常の幅のノズル部に比べて広がり難く安定して内容物を取り出すことができないという問題がある。
また、ノズル部の空所を円形断面などに立体成形することで流路を確保することも提案されているが、外側からの力で一方側のパウチ片が押しつぶされると、復元することができず、内容物の取り出しが困難になるという問題もある。
一方、ノズル部の流路を確保するため、ノズル部の空所にパイプを予め挿入して組み込んだパイプ式包装用パウチもあるが、オールフィルムのノズル付き包装用パウチに比べ、製造工程が増大したり、内容物の充填前の保管や輸送の際にノズル部分のパイプが重なると積み上げ難く、スペース効率が悪いという問題がある。
前記ノズル部の重なったパウチ片には、それぞれ当該ノズル部の中心軸線に沿って外側に凸の稜線部が形成される一方、
前記ノズル部の周縁のシール部および/または前記ノズル部先端周縁がシールされた開封用の先端部には、前記稜線部の延長上に線状の折れ目部が形成されて開封されたノズル部の開口を促す開口促進手段が設けられており、
前記ノズル部の開封予定位置より先端側の前記空所のいずれか一方のパウチ片には、前記稜線部の延長上に谷折り部と、この谷折り部と前記稜線部との交点または近傍からノズル部先端側に広がって配置される山折り部とを形成したことを特徴とするものである。
この発明の請求項2記載のノズル付き包装用パウチは、フィルム状のパウチ片を重ね合わせた周縁部をシールして内容物充填用の空所が形成されるとともに、開封予定位置に向かって当該空所の幅を狭めた注出用のノズル部が周縁部をシールして形成されたノズル付き包装用パウチであって、
前記ノズル部の重なったパウチ片には、それぞれ当該ノズル部の中心軸線に沿って外側に凸の稜線部が形成される一方、
前記ノズル部の周縁のシール部および/または前記ノズル部先端周縁がシールされた開封用の先端部には、開封されたノズル部の開口を促す開口促進手段が設けられており、
前記ノズル部の周縁のシール部に設けられる前記開口促進手段は、当該シール部の幅方向に延びる線状の折れ線部または点状の押圧部であることを特徴とするものである。
また、切り取られる開封用の先端部に形成した折れ目部によって開封後のノズル部の稜線部を押し拡げるような折り癖が残り、ノズルの開口を促すことができる。
さらに、一方のパウチ片谷折り部とその両側の山折り部とを形成して表裏の形状を異ならせて、ノズルの開口を促すことができる。
この発明の請求項2記載のノズル付き包装用パウチによれば、外側に凸の稜線部が形成されたノズル部の周縁部のシール部や開封用の先端部に形成した開口促進部によってシール部を倒すようにしたり、延ばすように変形させることができ、ノズル部全体をやや下向きに曲げるようにする力を作用させて開口部を押し広げるように促すことができる。特に、内容物が充填されると、パウチが平坦な状態から膨らむことで一層下向きにノズル部を曲げようとする力を強く作用させ、一層確実にノズル部を押し広げるように促すことができる。
また、線状の折れ線部によってシール部を倒すように変形させることができ、また、点状の押圧部によってシール部が倒れる起点としたり、シール部の長さが伸びるように変形させることができ、これらの変形により開封後のノズル部の稜線部を押し拡げるようしてノズルの開口を促すことができる。
この発明のノズル付き包装用パウチ10は、図1に示すように、例えばスタンディングパウチとされ、プラスチックフィルム状の表面パウチ片11と裏面パウチ片12の間に底部パウチ片13を折り重ねて挟み込んで周縁部をヒートシールして左右のサイドシール部(側部シール部)14,14と底部シール部15とを形成して、上辺部が開口し展開可能な底部を備えた袋状の内容物充填用の空所16が形成されるとともに、上方のコーナー部に注出用のノズル部17が形成してある。
この注出用のノズル部17は、両側に湾曲させて切り欠いたのど部18,19を形成することで、ノッチ20を備えた易開封加工部21などの開封予定位置に向かって空所16の幅を狭めるように形成され、周縁部がヒートシールされるとともに、易開封加工部21よりも先端側でノズル部17を閉じるシール部には開封用タブ(開封用の先端部)22が設けてあり、易開封加工部21を越えて開封用タブ22に達する空所16aが形成してある。
なお、このノズル付き包装用パウチ10には、上辺部の開口から内容物が充填された後、上辺部がヒートシールされて密封状態のスタンディングパウチとなる。
なお、この谷折り部27は立体成形したものに限らず、V字状の谷折り部28,28の間が相対的に谷折り状に窪んだものでもよい。
このような開封用タブ22の空所16aの両側に外側に凸の稜線部23を形成するだけでなく、片側に谷折り部27と山折り部28,28を組合わせたり、谷折り部29,29を組みわせることで、開封用タブ22の空所16aを確実に確保することができ、これによって、ノズル部17が開封された際の空所も確保することができる。
この開口促進手段30としては、図1〜図4に示すように、開封用タブ22の稜線部23の延長上に線状の折れ目部31を形成して構成される。
この線状の折れ目部31を開封用タブ22に形成することで、易開封加工部21の端部のノッチ20から開封用タブ22で引き裂くようにすると、開封用タブ22に折れ目部31が形成してあるので、ノズル付き包装用パウチ10のノズル部17の空所16に開封用タブ22の折り癖が残った状態となり、例えば図4(b)のように、上下のシール部が接近するように力が作用し、これによりノズル部17の空所16の稜線部23,23が外側に広がるように変形が促され、大きく開口することになる。
同様に、開封用タブ22の空所16aの両側に、外側に凸の稜線部23を形成するだけでなく、特に、図2および図3に示した片側に谷折り部27と山折り部28,28を組合わせたり、谷折り部29,29を組みわせたノズル部17では、両側の形状が異なることで、折れ目部31の成形時に空所16aの表裏面パウチ片11,12が密着したまま同じ折り曲げ方向に癖付されるのを防止することができる。さらに万一、開封用タブ22の空所16aが押し潰されるようになっても表裏面パウチ片11、12が密着することを回避でき、開口促進手段30の折れ目部31でノズル部17の表裏面パウチ片11,12の両側の稜線部23,23を外側に押し広げるようにして確実に開口させることができる。
さらに、開口後は、内容物がノズル部17を通過することで開口が押し広げられるようになり、一層容易に注出することができる。
このような開口促進手段30として折れ線部32をシール部14aを交差する方向に形成することで、折り癖により近傍の空所16の表裏面パウチ片11,12をずらすような作用が生じるが、折れ線部32の谷側、例えば表面パウチ片11側へシール部14aを倒すような力が作用し、特に2箇所の折れ線部32,32の間が倒れるように変形することになり、その結果として、ノズル部17全体をやや下向きに曲げるような力が作用する。
これにより、ノズル部17の上下のシール部が接近するとともに、稜線部23,23が外側に押し広がるように変形され、ノズル部17の開口が確実に広がって流路が確保される。
また、ノズル部17全体がやや下向きに曲げられるように変形する際、パウチ胴部に予め胴部稜線部24,24が直線状でしかも2箇所の屈曲点25,25で屈曲させて形成してあるので、屈曲点間ごとに拡がり方向のずれが生じ、表裏面パウチ片11,12の変形方向を拘束することができ、一層ノズル部17を下向きに曲がり易くして上下のシール部14a,14aの接近と稜線部23,23の外側への拡がりを維持することができる。
これにより、一層確実に開封後のノズル部17を開口することができる。
また、折れ線部32は、図5(b)に示すように、横断面形状が三角などの尖るよう形成したものであっても、半円などの滑らかに突き出すよう形成したものであっても良い。
フィルム材を構成するのに適した樹脂材料としては、例えば結晶性ポリプロピレン、結晶性プロピレン―エチレン共重合体、結晶性ポリブテン―1、結晶性ポリブテン4―メチルペンテン―1、低密度ポリエチレン、中密度―ポリエチレン、或いは高密度ポリエチレン、エチレン―酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン―アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)等のポリオレフィン類;ポリスチレン、スチレン―ブタジエン共重合体等の芳香族ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル、塩化ビリニデン樹脂等のハロゲン化ビニル重合体;アクリロニトリル―スチレン共重合体、アクリロニトリル―スチレン―ブタジエン共重合体の如きニトリル重合体;ナイロン6、ナイロン66、パラまたはメタキシリレンアジパミドの如きポリアミド類;ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル類;各種ポリカーボネート;ポリオキシメチレン等のポリアセタール類等の熱可塑性樹脂等を挙げることができる。
また、これらの材料からなるフィルム材は、未延伸、一軸延伸、あるいは二軸延伸して用いられる。
さらに、ノズル付き包装用パウチ10に使用するフィルム材は、これらのフィルム材を単層で、或いは、二種以上を積層して構成することができ、また、これらのフィルム材の一種、あるいは、二種以上と、アルミニウム等の金属箔、金属又は金属酸化物の蒸着フィルム、紙、セロファン等を貼り合わせて構成することもできる。
好ましいフィルム材としては、例えば、延伸ナイロンフィルムを外層とし、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルムを内層とする二層構成、延伸ポリエステルフィルムを外層とし、ポリオレフィンフィルムを内層とする二層構成、及びこれらの内、外層フィルム間にアルミニウム等の金属箔を積層した三層構成のフィルム等が挙げられ、これらの積層フィルムの製造に際しては、各層間に必要に応じて接着材、アンカー剤を介在させることもできる。
そして、上記フィルム材の層構成は、ノズル付き包装用パウチ10に充填する内容物の性状に応じて選択され、例えば、詰替洗剤用の包装用パウチのように低コストが要求される場合は、二層構成の積層フィルムを使用し、調味料のパウチ容器のように保存性が要求される場合は、アルミニウム箔を含む三層構成以上の積層フィルムを使用すれば良い。
11 表面パウチ片
12 裏面パウチ片
13 底部パウチ片
14 サイドシール部
14a のど部のシール部
15 底部シール部
16 空所
16a タブの空所
17 ノズル部
18 のど部(側辺部)
19 のど部(上辺部)
20 ノッチ
21 易開封加工部
22 開封用タブ
23 稜線部(ノズル部)
24 胴部稜線部
25 屈曲点
26 膨らみ面(立体加工)
27 谷折り部
28 山折り部
29 谷折り部
30 開口促進手段
31 折れ目部
32 折れ線部
33 押圧部
Claims (9)
- フィルム状のパウチ片を重ね合わせた周縁部をシールして内容物充填用の空所が形成されるとともに、開封予定位置に向かって当該空所の幅を狭めた注出用のノズル部が周縁部をシールして形成されたノズル付き包装用パウチであって、
前記ノズル部の重なったパウチ片には、それぞれ当該ノズル部の中心軸線に沿って外側に凸の稜線部が形成される一方、
前記ノズル部の周縁のシール部および/または前記ノズル部先端周縁がシールされた開封用の先端部には、前記稜線部の延長上に線状の折れ目部が形成されて開封されたノズル部の開口を促す開口促進手段が設けられており、
前記ノズル部の開封予定位置より先端側の前記空所のいずれか一方のパウチ片には、前記稜線部の延長上に谷折り部と、この谷折り部と前記稜線部との交点または近傍からノズル部先端側に広がって配置される山折り部とを形成したことを特徴とするノズル付き包装用パウチ。 - フィルム状のパウチ片を重ね合わせた周縁部をシールして内容物充填用の空所が形成されるとともに、開封予定位置に向かって当該空所の幅を狭めた注出用のノズル部が周縁部をシールして形成されたノズル付き包装用パウチであって、
前記ノズル部の重なったパウチ片には、それぞれ当該ノズル部の中心軸線に沿って外側に凸の稜線部が形成される一方、
前記ノズル部の周縁のシール部および/または前記ノズル部先端周縁がシールされた開封用の先端部には、開封されたノズル部の開口を促す開口促進手段が設けられており、
前記ノズル部の周縁のシール部に設けられる前記開口促進手段は、当該シール部の幅方向に延びる線状の折れ線部または点状の押圧部であることを特徴とするノズル付き包装用パウチ。 - 前記ノズル部先端周縁がシールされた前記開封用の先端部には、前記稜線部の延長上に線状の折れ目部が形成されてノズル部の開口を促す開口促進手段が構成されていることを特徴とする請求項2に記載のノズル付き包装用パウチ。
- 前記ノズル部の開封予定位置より先端側の前記空所のいずれか一方のパウチ片には、前記稜線部の延長上に谷折り部と、この谷折り部と前記稜線部との交点または近傍からノズル部先端側に広がって配置される山折り部とを形成したことを特徴とする請求項3に記載のノズル付き包装用パウチ。
- 前記ノズル部の開封予定位置より先端側の前記空所のいずれか一方のパウチ片には、前記稜線部の先端または近傍から先端側に広がって配置される谷折り部を形成したことを特徴とする請求項1または3に記載のノズル付き包装用パウチ。
- 前記ノズル部の周縁のシール部には基端部両側を湾曲させて切り欠いたのど部が形成され、こののど部の少なくとも一方側のシール部に前記開口促進手段を設けたことを特徴とする請求項2または3に記載のノズル付き包装用パウチ。
- 前記開口促進手段の折れ線部は同一方向の折れ目を複数設けて構成され、または点状の押圧部は間隔をあけて複数が同一方向に形成されて構成されることを特徴とする請求項2、3、6のいずれかに記載のノズル付き包装用パウチ。
- 前記ノズル部は、パウチ片の上辺と一方の側辺との角部に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のノズル付き包装用パウチ。
- 前記ノズル部には、前記稜線部は、パウチ胴部まで形成され、前記胴部において複数箇所で屈曲されて一方の側辺側に向かって形成されていることを特徴とする請求項8に記載のノズル付き包装用パウチ。
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