以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、複数の導体を有するフレキシブルケーブル又はフレキシブル基板として構成される導電部材が接続されるコネクタ、及びそのコネクタを備える電気的接続装置に関して、広く適用することができる。
[電気的接続装置]
図1は、本発明の一実施の形態に係る電気的接続装置1の斜視図であって、導電部材100及び基板101の一部とともに示す図である。図2は、電気的接続装置1の斜視図であって、導電部材100及び基板101の一部とともに示す図である。
図1及び図2に示す電気的接続装置1は、導電部材100と基板101とを電気的に接続する装置として構成されている。そして、電気的接続装置1は、本発明の一実施の形態に係るコネクタとして構成される第1コネクタ11と、第1コネクタ11が接続される相手側のコネクタである第2コネクタ12と、を備えて構成されている。尚、図1及び図2では、導電部材100について、一部のみを切り欠き状態で示している。また、図1及び図2では、基板101について、一部のみを切り欠き状態で示している。
電気的接続装置1の第1コネクタ11は、導電部材100に対して電気的に接続されるとともに、電気的接続装置1の第2コネクタ12に対して電気的に接続されるように構成されている。本実施形態では、複数の導電部材100に対して電気的に接続可能に構成された第1コネクタ11を例示しており、より具体的には、2つの導電部材100に対して電気的に接続可能に構成された第1コネクタ11を例示している。尚、第1コネクタ11は、2つの導電部材100が接続された状態で用いられてもよく、また、1つの導電部材100が接続された状態で用いられてもよい。
電気的接続装置1の第2コネクタ12は、基板101に対して電気的に接続されるとともに、第1コネクタ11に対して電気的に接続されるように構成されている。そして、導電部材100に対して電気的に接続された第1コネクタ11が、基板101に対して電気的に接続された第2コネクタ12に対して、嵌合して接続されることで、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが、機械的及び電気的に接続される。また、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが電気的に接続されることで、導電部材100と基板101とが電気的に接続される。
尚、図1及び図2において一部のみが切欠き状態で模式的に図示された基板101は、導電回路パターンが表裏面のうちの少なくともいずれか一方に設けられた基板として構成されている。図1及び図2では、基板101における導電回路パターンの図示は省略されている。
[導電部材]
ここで、第1コネクタ11に接続される導電部材100について更に説明する。図3は、導電部材100を示す平面図である。図3においては、導電部材100の端部100aを含む導電部材100の一部が模式的に図示されている。図1乃至図3に示す導電部材100は、本実施形態においては、絶縁被覆された複数の導体を有するフレキシブルケーブルとして構成されている。より具体的には、導電部材100は、フレキシブルフラットケーブル(FFC)として構成されている。導電部材100は、複数の導体102、被覆部103、補強板104、等が設けられている。
導電部材100は、全体形状が平坦な形状で細長く延びる形態を有している。しかし、図1乃至図3では、導電部材100の端部100aの部分とその近傍の部分とが切り欠き状態で図示されている。即ち、図1乃至図3では、導電部材100の長手方向における端部100aを含む一部が図示されている。
複数の導体102は、それぞれ細長く延びる形状に形成され、導電部材100において等間隔で配列されている。そして、複数の導体102は、導電部材100において、互いに平行に延びるように設けられている。平行に延びるように配置された複数の導体102が並ぶ方向が、導電部材100の幅方向となる。各導体102は、例えば、1本の細長くて平たい箔状の金属線材として、或いは細かい金属線材が束ねられた集合体として構成されている。本実施形態では、各導体102が1本の平たい箔状の金属線材として構成された形態が、例示されている。
被覆部103は、絶縁性材料で形成されて、複数の導体102を被覆するように設けられている。即ち、複数の導体102は、被覆部103によって絶縁被覆されている。本実施形態では、被覆部103として、導電部材100の表面側及び裏面側のそれぞれに設けられた一対の絶縁シート或いは絶縁フィルムを備えて構成された形態を例示している。この例では、例えば、一対の絶縁シート或いは一対の絶縁フィルムが、平行に配置された複数の導体102を挟んだ状態で、一体化される。これにより、複数の導体102を絶縁性材料で被覆する被覆部103が構成される。
補強板104は、例えば、樹脂材料で形成され、導電部材100の端部100aに設けられている。補強板104は、導電部材100の端部100aの先端の剛性を増大させて補強するための細長い平板状の部材として設けられている。尚、導電部材100の端部100aが第1コネクタ11に対して接続される際に、その接続工程が円滑に行われるように、導電部材100の端部100aに補強板104が設けられている。
補強板104は、導電部材100の端部100aの先端における表裏面のうちの一方の面に張り付けられて固定されている。尚、図3では、導電部材100について、補強板104が固定された側と反対側の面が図示されている。補強板104は、導電部材100の端部100aに対して、導電部材100の長手方向に対して垂直な幅方向に沿って、且つ、端部100aの縁部分に沿って延びるように取り付けられている。尚、図3において、導電部材100の長手方向が両端矢印X1で示されており、導電部材100の幅方向が両端矢印X2で示されている。
また、導電部材100には、その端部100aにおいて、複数の導体102の端部が露出した導体露出部105が設けられている。導体露出部105は、導電部材100の端部100aにおいて、平坦に広がる表裏面のうち補強板104が取り付けられる側と反対側の面において複数の導体102の端部を露出させる部分として設けられている。
尚、図3においては、導電部材100について、複数の導体102が露出した導体露出部105が形成された面の側から見た状態が図示されている。一方、図1及び図2においては、導電部材100について、複数の導体102の端部が露出していない面の側から見た状態が図示されている。尚、図1及び図2では、補強板104は、第1コネクタ11の内部に配置された状態のため、表れていない。導電部材100においては、導体露出部105が形成された面と補強板104が取り付けられた面とのうち、一方の面が表面となり、他方の面が裏面となる。尚、導体露出部105が形成された面が表面と定義され、補強板104が取り付けられた面が裏面と定義されてもよく、逆に、導体露出部105が形成された面が裏面と定義され、補強板104が取り付けられた面が表面と定義されてもよい。
また、導電部材100には、幅方向両端部のそれぞれの一部において、係合部106が設けられている。係合部106は、導電部材100の端部100aにおいて、一対で設けられている。そして、各係合部106は、導電部材100の端部100aにおいて、幅方向の両端部のそれぞれにて、幅方向の外側に向かって略矩形の形状で凸状に張り出した部分として設けられている。各係合部106は、導電部材100が第1コネクタ11に接続された際に、第1コネクタ11における後述の被係合部30に対して係合する部分として設けられている。
本実施形態では、第1コネクタ11に対してフレキシブルケーブルとして構成された導電部材100が接続される形態を例にとって説明するが、この通りでなくてもよい。即ち、第1コネクタ11に接続される導電部材は、上述した形態のフレキシブルケーブルに限らず、複数の導体を有する導電部材であればよい。例えば、導電部材として、上述した形態とは異なる層構造或いは導体配置構造を有するフレキシブルケーブルが用いられてもよい。また、導電部材として、フレキシブルフラットケーブル以外の形態として構成されたフレキシブルケーブルが用いられてもよい。また、導電部材として、フレキシブルプリント回路基板(FPC)などのフレキシブル基板が用いられてもよい。
[第1コネクタの概略]
図4は、電気的接続装置1における第1コネクタ11の斜視図であって、導電部材100の一部とともに示す図である。図5は、第1コネクタ11を導電部材100の一部とともに示す図であって、図5(A)は平面図であり、図5(B)は正面図である。図6は、第1コネクタ11及び導電部材100の背面図である。図7は、第1コネクタ11の斜視図であって、図4とは上下を逆の状態にして見た図である。電気的接続装置1の第1コネクタ11は、本発明の一実施の形態に係るコネクタを構成している。尚、以下の説明では、第1コネクタ11について、コネクタ11とも称する。
図1、図2、図4乃至図7に示す第1コネクタ11は、導電部材装着部13、保持部14、を備えて構成されている。本実施形態では、導電部材装着部13が2つ備えられた第1コネクタ11の形態を例示している。2つの導電部材装着部13は、同様に構成されている。尚、導電部材装着部13が1つのみ備えられた形態、又は、導電部材装着部13が3つ以上備えられた形態の第1コネクタ11が実施されてもよい。
[導電部材装着部]
図8は、第1コネクタ11における導電部材装着部13を示す斜視図である。図9は、導電部材装着部13を示す図であって、図9(A)は平面図であり、図9(B)は正面図であり、図9(C)は底面図である。図10は、導電部材装着部13を示す図であって、図10(A)は背面図であり、図10(B)は図10(A)におけるX6線矢印方向から見た側面図である。尚、図8乃至図10においては、1つの導電部材装着部13のみを図示している。
図1、図4乃至図10に示す導電部材装着部13は、絶縁性を有する樹脂材料で形成され、導電部材100の端部100aが装着されるように構成される。導電部材装着部13は、厚み方向に薄く、幅方向に長い部材として設けられ、導電部材100の端部100aが、厚み方向及び幅方向に対して垂直な方向である接続方向に沿って挿入されることで、装着される。導電部材装着部13の幅方向は、導電部材100の幅方向に対応し、導電部材装着部13に挿入された導電部材100の複数の導体102が並ぶ方向として構成される。導電部材装着部13の接続方向は、導電部材装着部13に対して導電部材100の端部100aが挿入される方向と平行な方向であって、導電部材装着部13が後述する保持部14に対して嵌め込まれて接続される方向と平行な方向として構成される。尚、図9及び図10において、導電部材装着部13の厚み方向を両端矢印X3で示し、導電部材装着部13の幅方向を両端矢印X4で示し、導電部材装着部13の接続方向を両端矢印X5で示している。
導電部材装着部13は、上面部15、下面部16、突出部17、筒状部18、閉側部20、撓み規制部21、係合突起部22、等が設けられている。
上面部15及び下面部16は、導電部材装着部13に挿入されて装着された導電部材100の端部100aを導電部材100の表裏面方向において挟み込むように構成されている。上面部15及び下面部16のそれぞれは、導電部材装着部13において、幅方向に沿って平板状に延びる部分として設けられている。導電部材装着部13を含む第1コネクタ11が、基板101に接続された第2コネクタ12に接続された状態では、導電部材装着部13において、下面部16が基板101の表面に対向した状態で配置され、上面部15が基板101側と反対側に配置される。
また、導電部材装着部13には、下面部16側の先端側において、開口部23が設けられている。尚、導電部材装着部13の先端側は、導電部材装着部13における後述する第2コネクタ12に接続される端部側である。開口部23は、導電部材装着部13の下面部16側の先端側において、導電部材装着部13に挿入されて装着された導電部材100の端部100aにおける導体露出部105を導電部材装着部13の外部に露出させるように開口した領域として設けられている。本実施形態では、開口部23が、導電部材装着部13の幅方向に2つ並んで設けられ、後述する撓み規制部21のリブ21aを挟んで設けられた形態を例示している。導電部材装着部13は、開口部23が設けられていることで、下面部16側において、後述する一対の突出部17のそれぞれと撓み規制部21のリブ21aとの間の領域が、切欠き状に凹む形状に形成されている。
突出部17は、導電部材装着部13における幅方向の両端部において導電部材装着部13の先端側に向かって突出するように設けられている。そして、突出部17は、一対で設けられ、導電部材装着部13の幅方向の両端部のそれぞれにおいて、略矩形の断面で突出する部分として設けられている。また、突出部17は、後述する第2コネクタ12のハウジング34に導電部材装着部13が嵌合する際にハウジング34に設けられた後述の案内溝38に沿って案内されて案内溝38に嵌め込まれるように構成されている。
また、各突出部17は、上面部15及び下面部16の一方に対する突出部17の突出長さが、上面部15及び下面部16の他方に対する突出長さよりも長くなるように、構成されている。本実施形態においては、導電部材装着部13の下面部16側の先端側において開口部23が設けられた形態を例示しているため、下面部16に対する突出部17の突出長さが上面部15に対する突出長さよりも長くなるように構成された突出部17が設けられた導電部材装着部13の形態を例示している。
筒状部18は、導電部材装着部13において、導電部材100の端部100aが挿入される挿入口19を区画する筒状の部分として設けられている。より具体的には、筒状部18は、導電部材装着部13の厚み方向に薄い角筒状の部分として設けられている。角筒状の部分として設けられた筒状部18の内側の領域が、挿入口19となる。挿入口19は、導電部材装着部13の先端側と反対側において、導電部材100の端部100aが挿入可能なように、外部に開口している。導電部材100の端部100aは、導電部材装着部13における先端側と反対側から挿入口19に挿入されることで、導電部材装着部13に装着される。
閉塞部20は、下面部16における開口部23側と反対側の端部として設けられている。そして、閉塞部20は、後述する保持部14の挿通孔26の一部を塞ぐ部分として設けられている。閉塞部20は、後述するように、保持部14の挿通孔26に挿通された導電部材100の端部100aが装着された状態の導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれた際に、係合部106が保持部14の被係合部30に係合した状態で、保持部14の挿通孔26の一部を塞ぐように構成される。
撓み規制部21は、導電部材装着部13における幅方向中央部分において設けられている。そして、撓み規制部21は、導電部材装着部13に装着された導電部材100の端部100aを導電部材100の表裏面方向において挟みこむように構成されて導電部材100が撓むように変形することを規制する部分として設けられている。
本実施形態の導電部材装着部13では、撓み規制部21は、リブ21aと中央押さえ部21bとを備えて構成されている。リブ21aは、導電部材装着部13の下面部16側において、幅方向中央部分に設けられ、下面部16から導電部材装着部13の先端側に向かって延びる部分として構成されている。リブ21aによって、2つの開口部23が区画されている。中央押さえ部21bは、上面部15の一部として構成され、上面部15における幅方向の中央部分として構成されている。中央押さえ部21bにおける導電部材装着部13の先端側の端部は、リブ21aと一体に設けられている。
導電部材100の端部100aが、導電部材装着部13における先端側と反対側から挿入口19に挿入され、導電部材装着部13に装着されると、導電部材100の端部100aは、リブ21aと中央押さえ部21bとの間で挟まれた状態となる。また、この状態では、導電部材100の端部100aの先端の縁部分は、中央押さえ部21bにおける導電部材装着部13の先端側の端部とリブ21aとを一体に架橋する部分に対して当接し、導電部材装着部13に対して位置決めされた状態となる。
尚、上面部15における導電部材装着部13の先端側の端部においては、導電部材装着部13の幅方向に亘って延びる当接壁部15aが設けられている。導電部材100の端部100aが、挿入口19に挿入されて導電部材装着部13に装着され、リブ21aと中央押さえ部21bとの間で挟まれた状態では、導電部材100の端部100aの先端の縁部分は、当接壁部15aに対しても当接し、導電部材装着部13に対して位置決めされた状態となる。尚、導電部材100の端部100aが、当接壁部15aに対して当接し、導電部材装着部13に対して位置決めされた状態では、導体露出部105は、開口部23から外部に露出している。
係合突起部22は、導電部材装着部13が後述する保持部14に対して嵌め込まれて接続された際に、保持部14に対して係合する部分として設けられる。導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれて接続された際に、係合突起部22が保持部14に係合することで、導電部材装着部13が保持部14に対してロックされ、導電部材装着部13が保持部14から抜けて脱落してしまうことが防止される。
係合突起部22は、導電部材装着部13における幅方向の両側において導電部材装着部13の先端側と反対側に向かって片持ち状に突出するように設けられている。係合突起部22は、一対で設けられ、導電部材装着部13における幅方向の両側のそれぞれに設けられている。各係合突起部22における片持ち状に突出する端部には、突起22aが設けられている。導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれて接続された際には、各係合突起部22の突起22aが保持部14に係合する。
[保持部]
図11は、第1コネクタ11における保持部14を示す斜視図である。図12は、保持部14を示す図であって、図12(A)は平面図であり、図12(B)は正面図である。図13は、保持部14を示す図であって、図13(A)は保持部14の背面図のみを示すであり、図13(B)は保持部14の背面図を示すとともに更に保持部14の挿通孔26における各領域も模式的に示す図である。
図1、図2、図4乃至図7、図11乃至図13に示す保持部14は、導電部材100が挿通されるとともに、導電部材装着部13が嵌め込まれて接続されるように構成される。また、保持部14は、第2コネクタ12に対して係合して接続されるように構成される。保持部14は、絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。そして、保持部14は、本体部24、ロックアーム部25、等を備えて構成されている。
保持部14の本体部24は、筐体状の外形を有する部分として設けられ、保持部14の幅方向に長く延びる部分として設けられている。保持部14の幅方向は、導電部材100の幅方向及び導電部材装着部13の幅方向に対応している。そして、保持部14の幅方向は、導電部材100が装着された導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれて接続された状態において導電部材100の複数の導体102が並ぶ方向として構成される。尚、図12及び図13(A)において、保持部14の幅方向を両端矢印X7で示している。
本体部24には、導電部材100が挿通される挿通孔26が設けられている。挿通孔26は、本体部24において、複数設けられており、本実施形態では、2つ設けられている。また、本体部24には、挿通孔26に挿通された導電部材100の端部100aが装着された状態の導電部材装着部13が嵌合して嵌め込まれるように構成された嵌合孔27が設けられている。嵌合孔27は、本体部24において、複数設けられており、本実施形態では、第1コネクタ11の導電部材装着部13に対応して、2つ設けられている。
各挿通孔26は、本体部24において、保持部14の幅方向に延びる孔形状に形成されている。そして、2つの挿通孔26は、本体部24において、保持部14の厚み方向に並んで設けられている。保持部14の厚み方向は、導電部材装着部13の厚み方向に対応している。尚、図12(B)及び図13(A)において、保持部14の厚み方向を両端矢印X8で示している。
各嵌合孔27は、本体部24において、保持部14の幅方向に延びる孔形状に形成されている。そして、2つの嵌合孔27は、本体部24において、保持部14の厚み方向に並んで設けられている。
各挿通孔26は、各嵌合孔27に連通している。そして、各挿通孔26は、本体部24において、保持部14の接続方向における後述の第2コネクタ12へ接続される側の端部にて開口している。一方、各嵌合孔27は、本体部24において、保持部14の接続方向における第2コネクタ12へ接続される側と反対側の端部であって導電部材装着部13が嵌合する側の端部にて開口している。連通した挿通孔26及び嵌合孔27は、本体部24において、保持部14の接続方向に貫通するように構成されている。
尚、保持部14の接続方向は、接続部14の幅方向及び厚み方向に垂直な方向である。そして、保持部14の接続方向は、保持部14に対して導電部材装着部13が嵌合する方向と平行な方向であって、保持部14が後述する第2コネクタ12に対して接続される方向と平行な方向として構成される。尚、図12(A)において、保持部14の接続方向を両端矢印X9で示している。
保持部14は、導電部材100が挿通孔26に挿通されるとともに導電部材装着部13が嵌合孔27に嵌合した状態で、基板101に接続された第2コネクタ12に対して、接続される。保持部14は、第2コネクタ12に接続された状態では、本体部24の上面24aが基板101側と反対側に配置され、本体部24の下面24bが基板101の表面に対向した状態で配置される。尚、本体部24の上面24a及び下面24bは、保持部14の厚み方向における両端面として構成される。
ここで、保持部14の本体部24に設けられた挿通孔26の構成について更に詳しく説明する。保持部14の各挿通孔26は、導電部材通過領域28と導電部材配置領域29とを含んで構成されている(図13(B)を参照)。各挿通孔26における導電部材通過領域28と導電部材配置領域29とは、互いに連続した領域として構成され、本体部24において、保持部14の接続方向における後述の第2コネクタ12へ接続される側の端部に開口している。また、互いに連続した導電部材通過領域28と導電部材配置領域29とは、いずれも保持部14の幅方向に延びる領域として構成されている。
導電部材通過領域28は、導電部材100が挿通孔26に挿通される際に導電部材100が通過する領域として構成されている。導電部材100が挿通孔26に挿通される際には、導電部材100は、その幅方向が、挿通孔26の幅方向に広がった状態で、導電部材通過領域28を通過する。尚、挿通孔26の幅方向は、導電部材通過領域28の幅方向及び導電部材配置領域29の幅方向と同方向であり、保持部14の幅方向及び嵌合孔27の幅方向に対応している。
また、導電部材通過領域28は、挿通孔26における幅方向の両端側において、係合部通過領域28aを含んでいる。係合部通過領域28aは、導電部材通過領域28において、一対で含まれている。そして、係合部通過領域28aは、挿通孔26における幅方向の両端側の領域であって導電部材100が挿通孔26に挿通されて挿通孔26を通過する際に導電部材100の係合部106が通過する領域として構成されている。
導電部材配置領域29は、導電部材通過領域28に対して本体部24の上面24a側で連続した領域として設けられている。そして、導電部材配置領域29は、導電部材100が挿通孔26に挿通された後に導電部材通過領域28からずれるように変位した状態で導電部材100が配置される領域として構成されている。導電部材配置領域29は、導電部材通過領域28に対して上面24a側に配置されているため、導電部材100は、挿通孔26に挿通された後に導電部材通過領域28から上面24a側にずれるように変位させられた状態で導電部材配置領域29に配置される。尚、導電部材100が導電部材配置領域29に配置された際には、導電部材100は、その幅方向が、挿通孔26の幅方向に広がった状態で、導電部材配置領域29に配置される。
また、保持部14の本体部24には、導電部材100の係合部106が係合するように構成された被係合部30が設けられている。被係合部30は、本体部24において、各挿通孔26のそれぞれに対して、一対で対応して設けられている。各挿通孔26に対応して設けられた一対の被係合部30は、本体部24の内側において、挿通孔26の幅方向の両端側に対応する位置に設けられている。
各被係合部30は、導電部材100の幅方向の両端部で外側に向かって略矩形の形状で凸状に張り出した部分として設けられた係合部106に係合するように、本体部24の内側で段状に張り出した部分として設けられている。また、本体部24において、各挿通孔26に対応した位置に設けられた一対の被係合部30は、導電部材配置領域29の幅方向両端部に対して幅方向の外側で隣接した位置であって、係合部通過領域28aに対して上面24a側で隣接した位置に、設けられている。これにより、一対の被係合部30は、導電部材100が挿通孔26に挿通された後に導電部材通過領域28から上面24a側にずれるように変位して導電部材配置領域29に配置された状態で、導電部材100の一対の係合部106に対して係合するように構成されている。
また、本体部24には、係合凸部31が設けられている。係合凸部31は、導電部材装着部13が嵌合孔27に対して嵌め込まれて保持部14に接続された際に、導電部材装着部13の係合突起部22と係合する部分として設けられている。係合凸部31は、本体部24において、各嵌合孔27のそれぞれに対して、一対で対応して設けられている。各嵌合孔27に対応して設けられた一対の係合凸部31は、本体部24の内側において、嵌合孔27の幅方向の両端側に対応する位置に設けられている。
各係合凸部31は、導電部材装着部13の幅方向の両側のそれぞれに設けられた係合突起部22の突起22aに係合するように、本体部24の内側で凸状に張り出した部分として設けられている。導電部材装着部13が保持部14に対して嵌合孔27から挿入されると、まず、保持部14の本体部24の内側において、片持ち状に設けられた係合突起部22が係合凸部31に当接して一旦撓む。そして、導電部材装着部13が更に嵌合孔27の奥側まで挿入されて嵌め込まれると、撓んでいた係合突起部22が弾性回復し、片持ち状の係合突起部22の端部の突起22aが、係合凸部31に係合する。これにより、導電部材装着部13の係合突起部22が保持部14に対して係合凸部31において係合し、導電部材装着部13が保持部14に対してロックされて保持される。この結果、導電部材装着部13が保持部14から抜けて脱落してしまうことが防止される。このように、保持部14は、導電部材装着部13を保持するように構成されている。
また、保持部14の本体部24には、保持部14に嵌合して接続された導電部材装着部13の保持部14に対する嵌合完了位置を位置決めするための位置決め壁部32が設けられている。位置決め壁部32は、本体部24において、各嵌合孔27に連通する各挿通孔26に対応する位置に設けられている。より具体的には、位置決め壁部32は、本体部24において、各挿通孔26の開口に対して上面24a側で隣接した位置において、保持部14の幅方向に沿って延びる壁部として設けられている。
尚、導電部材装着部13には、保持部14に嵌合して接続された際に保持部14の本体部24の位置決め壁部32に当接する当接部33が設けられている(図8乃至図10を参照)。当接部33は、導電部材装着部13において、その先端側と反対側の端部の一部として設けられ、導電部材装着部13の幅方向に沿って延びる部分として設けられている。そして、当接部33は、導電部材装着部13において、一対の係合突起部22の間に設けられている。また、当接部33は、導電部材装着部13の厚み方向において、閉塞部20に対して、上面部15側に設けられている。
導電部材装着部13が、保持部14に対して、嵌合孔27から嵌合して接続されると、導電部材装着部13の係合突起部22が保持部14の係合凸部31に対して係合する。そして、係合突起部22が係合凸部31に係合した状態では、導電部材装着部13の当接部33が、保持部14の位置決め壁部32に対して、保持部14の内側で当接する。これにより、保持部14に嵌合して接続された導電部材装着部13の保持部14に対する嵌合完了位置の位置決めが行われることになる。
保持部14のロックアーム部25は、第1コネクタ11が後述する第2コネクタ12に対して接続された際に、第2コネクタ12に係合して第1コネクタ11を第2コネクタ12に対してロックする部分として設けられている。尚、第1コネクタ11は、保持部14に挿通された導電部材100が装着された導電部材装着部13が保持部14に嵌合して接続された状態で、第2コネクタ12に接続される(図1及び図2を参照)。
ロックアーム部25は、一対で設けられ、保持部14における幅方向の両側のそれぞれに設けられている。一対のロックアーム部25は、本体部24に一体に設けられている。また、一対のロックアーム部25のそれぞれは、保持部14において片持ち状に突出するように設けられている。また、一対のロックアーム部25のそれぞれは、保持部14の接続方向と平行な方向であって、本体部24における導電部材装着部13が嵌合する側の端部側から突出するように設けられている。
各ロックアーム部25における片持ち状に突出する端部には、係合爪部25aが設けられている。係合爪部25aは、各ロックアーム25において、保持部14の幅方向の内側に向かって突起状に突出した凸部として設けられている。第1コネクタ11が第2コネクタ12に接続された際には、各ロックアーム部25の係合爪部25aが第2コネクタ12に係合する。導電部材100が装着された導電部材装着部13が嵌合した保持部14が第2コネクタ12に係合することで、第1コネクタ11が第2コネクタ12に接続されてロックされる。これにより、接続された第1コネクタ11と第2コネクタ12とが外れてしまうことが防止される。
[第1コネクタと導電部材との接続]
次に、第1コネクタ11と導電部材100との接続に関する構成について更に詳しく説明する。図14は、第1コネクタ11に導電部材100が接続される形態を説明するための図であって、図14(A)は、導電部材100が保持部14に挿通される前の状態を示す斜視図であり、図14(B)は、保持部14に挿通された導電部材100が導電部材装着部13に装着される前の状態を示す斜視図である。図15は、第1コネクタ11に導電部材100が接続される形態を説明するための図であって、図15(A)は、導電部材100が保持部14に挿通される途中の状態を示す斜視図であって一部断面を含む斜視図であり、図15(B)は、図15(A)の一部を拡大して示す図である。尚、図14及び図15では、保持部14の本体部24の下面24b側を上にした状態の斜視図を示しており、導電部材100についてはその一部を図示している。また、図14及び図15では、第1コネクタ11と1つの導電部材100とが接続される形態を例示している。
図14及び図15に示すように、第1コネクタ11と導電部材100とが接続される際には、まず、保持部14に対して導電部材100の端部100aが挿通される。このとき、図14(A)に示すように、導電部材100の端部100aが保持部14が挿通孔26に対向した状態から、導電部材100の挿通孔26への挿通が開始される。
導電部材100の挿通孔26への挿通が開始されると、図15(A)、図15(B)、及び図14(B)に示すように、導電部材100の端部100aが、挿通孔26及び嵌合孔27に挿通されて挿通孔26及び嵌合孔27を通過する。このとき、導電部材100は挿通孔26における導電部材通過領域28を通過する。そして、導電部材100における一対の係合部106のそれぞれは、挿通孔26における一対の係合部通過領域28aのそれぞれを通過する。
導電部材100の端部100aは、挿通孔26及び嵌合孔27を通過すると、次いで、導電部材装着部13に対して装着される。このとき、導電部材100の端部100aが導電部材装着部13の挿入口19に対向した状態から、導電部材100の導電部材装着部13への装着が開始される(図14(B)を参照)。
尚、図14及び図15においては、導電部材100が、端部100a側から挿通孔26に挿通される形態を例示したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。例えば、導電部材100の長さが比較的短いような場合であれば、導電部材100が、端部100a側からではなく端部100aと反対側から嵌合孔27に挿通され、更に、挿通孔26へと挿通される形態が実施されてもよい。
図16は、第1コネクタ11に導電部材100が接続される形態を説明するための図であって、図16(A)は導電部材100が保持部14に挿通されて導電部材装着部13に装着された状態を示す斜視図であり、図16(B)は保持部14に挿通された導電部材100が装着された導電部材装着部13が保持部14に接続された状態を示す斜視図である。尚、図16では、導電部材装着部13の下面部16側と保持部14の本体部24の下面24b側とを上にした状態の斜視図を示しており、導電部材100についてはその一部を図示している。また、図16は、第1コネクタ11と1つの導電部材100とが接続される状態を示している。
保持部14に対して導電部材100の端部100aが挿通されると、次いで、図16(A)に示すように、保持部14の挿通孔26に挿通された導電部材100の端部100aに導電部材装着部13が装着される。そして、図16(B)に示すように、導電部材100が挿通孔26に挿通された状態であって、導電部材100の端部100aに導電部材装着部13が装着された状態で、導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれて接続される。
図17は、導電部材100が導電部材装着部13に装着された状態を示す図であって、図17(A)は、導電部材装着部13の下面部16側から見た斜視図であり、図17(B)は、導電部材装着部13の上面部15側から見た斜視図である。図18は、導電部材100が導電部材装着部13に装着された状態を示す図であって、図18(A)は、斜視図であり、図18(B)は、図18(A)の斜視図において一部を断面で示した状態の斜視図である。図18(B)は、導電部材装着部13の幅方向に対して垂直な断面を含む斜視図として図示されている。図19は、導電部材100が導電部材装着部13に装着された状態を示す図であって、図19(A)は、一部を断面を含む状態で示す斜視図であり、図19(B)は、図19(A)とは異なる断面を含む状態で示す斜視図である。図19(A)は、導電部材装着部13の厚み方向に対して垂直な断面を含む斜視図として図示されている。図19(B)は、導電部材装着部13の接続方向に対して垂直な断面を含む斜視図として図示されている。尚、図17乃至図19では、導電部材100についてはその一部を図示している。また、図17乃至図19では、保持部14の図示は省略されている。また、図18及び図19では、導電部材装着部13の下面部16側を上にした状態の斜視図を示している。
保持部14の挿通孔26に挿通された導電部材100が、その導電部材100の端部100aにおいて、導電部材装着部13に装着される際には、導電部材100の端部100aは、導電部材装着部13の挿入口19に挿入される。このとき、導電部材100の端部100aは、挿入口19から、導電部材装着部19の接続方向と平行に導電部材装着部19の先端側に向かって、挿入される。筒状部18で区画された挿入口19に挿入された導電部材100の端部100aは、挿入口19の奥まで挿入されると、端部100aの先端の縁部分が当接壁部15aに対して導電部材装着部13の内側から当接する。これにより、図16(A)、図17乃至図19に示すように、挿入口19に挿入された導電部材100の端部100aは、導電部材装着部13に対して位置決めされた状態で装着される。
また、導電部材100の端部100aが導電部材装着部13に装着された状態では、導電部材100の端部100aの導体露出部105は、導電部材装着部13の開口部23から外部に露出している。更に、導電部材100の端部100aが導電部材装着部13に装着された状態では、導電部材100の端部100aは、導電部材100の長手方向における所定の領域が、導電部材装着部13の筒状部18によって周囲を環状に覆われて囲い込まれることになる。より具体的には、導電部材100の端部100aは、導電部材100の長手方向において導体露出部105に隣接した部分が、筒状部18によって覆われて囲い込まれた状態となる。
図20は、第1コネクタ11に導電部材100が接続される形態を説明するための図であって、図20(A)は、導電部材100が保持部14に挿通されて導電部材装着部13に装着された状態を示す斜視図であって一部断面を含む斜視図であり、図20(B)は、図20(A)の一部を拡大して示す図である。尚、図20は、導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれて接続される動作の途中の状態が図示されている。また、図20では、導電部材100についてはその一部を図示している。また、図20では、保持部14の幅方向に対して垂直な断面を含む斜視図として図示されている。
図20に示すように、導電部材100が挿通孔26に挿通され、更に、導電部材100の端部100aに導電部材装着部13が装着されると、導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれて接続される動作が行われる。このとき、導電部材100が、挿通孔26において導電部材通過領域28から導電部材配置領域29にずれるように変位させられた状態で、導電部材装着部13が、保持部14に対して嵌合孔27から嵌め込まれる。即ち、導電部材100が装着された導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれる際には、導電部材100が挿通孔26における導電部材配置領域29を通過するように、導電部材装着部13が保持部14の嵌合孔27に嵌め込まれる。
図21は、第1コネクタ11に導電部材100が接続された状態を示す斜視図であって、図21(A)は、一部断面を含む斜視図であり、図21(B)は、図21(A)の一部を拡大して示す図である。図21は、保持部14の幅方向に対して垂直な断面を含む斜視図として図示されている。図22は、第1コネクタ11に導電部材100が接続された状態の一部を示す斜視図であって一部断面を含む斜視図である。図22は、導電部材装着部13の厚み方向と保持部14の厚み方向とに対して垂直な断面を含む斜視図として図示されている。図23は、第1コネクタ11に導電部材100が接続される形態を説明するための図であって、図23(A)は、導電部材100が保持部14に挿通されて導電部材装着部13に装着された状態を示す斜視図であり、図23(B)は、第1コネクタ11に導電部材100が接続された状態を示す斜視図であって一部断面を含む斜視図である。図23(B)は、保持部14の厚み方向に対して垂直な断面を含む斜視図として図示されている。図24は、第1コネクタ11に導電部材100が接続された状態を示す斜視図である。図25は、第1コネクタ11に導電部材100が接続された状態を示す図であって、図25(A)は、側面図であり、図25(B)は、図25(A)のX10−X10線矢視方向から見た断面で示す図である。尚、図21乃至図25では、導電部材100についてはその一部を図示している。また、図21乃至図23は、第1コネクタ11と1つの導電部材100とが接続される状態を示しており、図24及び図25は、第1コネクタ11と2つの導電部材100とが接続された状態を示している。
導電部材100が装着された導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれる際には、導電部材装着部13は、閉塞部20、係合突起部22、及び当接部33が設けられた端部から、保持部14の嵌合孔27に嵌め込まれる(図20及び図23(A)を参照)。導電部材装着部13が保持部14に対して嵌合孔27の奥側まで嵌合して嵌め込まれると、導電部材100は、挿通孔26において、導電部材配置領域29に配置される。
そして、導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれた状態では、導電部材100の一対の係合部106は、保持部14の一対の被係合部30に対して係合した状態となる(図21、図22、及び図25を参照)。また、一対の係合部106は、一対の被係合部30に係合した状態では、導電部材装着部13と保持部14とによって、導電部材装着部13及び保持部14の接続方向と厚み方向とにおいて、挟まれた状態で強固に保持されることになる。
尚、図24及び図25に示すように、2つの導電部材100が第1コネクタ11に接続される際には、各導電部材100が装着された各導電部材装着部13が、保持部14の各嵌合孔27に嵌め込まれる。そして、各導電部材100の一対の係合部106が、保持部14の各挿通孔26に対応した一対の被係合部30に対して係合する。
また、導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれた状態では、導電部材装着部13の閉塞部20は、保持部14の挿通孔26に嵌まり込んだ状態で挿通孔26の一部である導電部材通過領域28を塞ぐように構成されている(図21及び図24を参照)。よって、閉塞部20は、挿通孔26に挿通された導電部材100の端部100aが装着された状態の導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれた際に、係合部106が被係合部30に係合した状態で、挿通孔26における導電部材通過領域28を塞ぐように構成されている。また、上記の構成のため、閉塞部20は、挿通孔26に挿通された導電部材100の端部100aが装着された状態の導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれた際に、係合部106が被係合部30に係合した状態で、挿通孔26における少なくとも係合部通過領域28aを塞ぐように構成されている。
また、導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれた状態では、導電部材装着部13の一対の係合突起部22は、保持部14の内側において、保持部14の一対の係合凸部31に対して、各突起22aにおいて、係合した状態となる(図23(B)を参照)。これにより、導電部材装着部13が保持部14に対してロックされ、導電部材装着部13が保持部14から抜けて脱落してしまうことが防止される。尚、図24及び図25に示すように2つの導電部材100が第1コネクタ11に接続される際には、各導電部材100が装着された各導電部材装着部13の一対の係合突起部22が、保持部14の各挿通孔26に対応した一対の係合凸部31に対して、各突起22aにおいて、係合する。
また、導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれた状態では、導電部材装着部13の当接部33は、保持部14の内側において、保持部14の位置決め壁部32に対して当接する(図23(B)を参照)。これにより、保持部14に嵌合して接続された導電部材装着部13の保持部14に対する嵌合完了位置の位置決めが行われることになる。尚、図24及び図25に示すように2つの導電部材100が第1コネクタ11に接続される際には、各導電部材100が装着された各導電部材装着部13の当接部33が、保持部14の各挿通孔26に対応した位置決め壁部32に対して当接する。
[第2コネクタ]
図26は、電気的接続装置1における第2コネクタ12の斜視図であって、基板101の一部とともに示す図である。図27は、第2コネクタ12の斜視図である。図28は、第2コネクタ12を示す図であって、図28(A)は平面図であり、図28(B)は正面図であり、図28(C)は側面図である。
図1、図2、図26乃至図28に示す第2コネクタ12は、第1コネクタ11が機械的及び電気的に接続される。第2コネクタ12は、基板101に対して接続された状態で、第1コネクタ11に接続される。そして、第2コネクタ12は、ハウジング34、複数の端子35、固定金具36、等を備えて構成されている。
複数の端子35は、導電性を有する金属材料でそれぞれ形成され、後述するハウジング34に保持されている。そして、複数の端子35は、導電部材装着部13に装着された導電部材100における複数の導体102に対してそれぞれ電気的に接続されるように構成されている。より具体的には、各端子35は、第1コネクタ11が第2コネクタ12に接続された際に、各導体102と接触することで、各導体102に対して電気的に接続される。
また、複数の端子35のそれぞれは、基板101に対して機械的及び電気的に接続される。より具体的には、端子35は、基板101の表面においてはんだ付けされることによって、基板101に対して機械的に固定されるとともに、基板101の導電回路パターンに対して電気的に接続される。
また、複数の端子35は、ハウジング34において、ハウジング34の幅方向に沿って2列に並んで配置されている。即ち、ハウジング34の幅方向は、複数の端子35が並んで配置される方向として構成される。ハウジング34の幅方向については、図28(A)及び図28(B)にて、両端矢印X11で示している。尚、ハウジング34の幅方向は、第2コネクタ12の幅方向と同じ方向となる。また、第2コネクタ12と第1コネクタ11とが接続された状態では、第2コネクタ12の幅方向は、第1コネクタ11の幅方向と同じ方向となる。
複数の端子35のそれぞれは、一体に設けられた基板接続部35a及び導体接続部35bを含んで構成されている。基板接続部35aは、各端子35における一方の端部側の部分として設けられ、基板101に対して接続される部分として構成されている。導体接続部35bは、各端子35における他方の端部側の部分として設けられ、導電部材100の導体102に対して接続される部分として構成されている。
尚、各端子35は、他端側において、即ち、基板接続部35aとは反対側において、導電部材100の端部100aを厚み方向に挟み込む一対の片持ち状の端部として設けられた一対の把持部を有している。導体接続部35bは、一対の把持部の一方の部分として構成されている。一対の把持部が導電部材100の端部100aを挟み込んだ状態で、導電部材100の端部100aの導体露出部105にて露出した導体102に対して一対の把持部の一方として設けられた導体接続部35bが接触して電気的に接続される。
固定金具36は、金属材料で形成され、第2コネクタ12を強固に基板101に固定するための部材として設けられている。固定金具36は、一対で設けられ、ハウジング34の幅方向における両端側にそれぞれ固定されている。各固定金具36は、ハウジング34に対して、例えば、圧入されることで固定されている。また、各固定金具36は、基板101の表面においてはんだ付けされることによって、基板101に対して機械的に固定される。
ハウジング34は、絶縁性を有する樹脂材料で形成され、幅方向に長く延びる筐体状の外形を有する部材として設けられている。ハウジング34は、複数の端子35を保持するように構成されている。そして、ハウジング34は、第1コネクタ11の導電部材装着部13が嵌合するとともに保持部14が係合するように構成されている。
ハウジング34は、ハウジング34の幅方向に沿って延びる上面34a及び下面34bを有している。ハウジング34は、基板101に設置されて接続された状態では、ハウジング34の上面34aが基板101側と反対側に配置され、ハウジング34の下面34bが基板101の表面に対向した状態で配置される。尚、ハウジング34の上面34a及び下面34bは、ハウジング34の厚み方向における両端面として構成される。ハウジング34の厚み方向については、図28(A)及び図28(B)にて、両端矢印X12で示している。尚、ハウジング34の厚み方向は、第2コネクタ12の厚み方向と同じ方向となる。また、第2コネクタ12と第1コネクタ11とが接続された状態では、第2コネクタ12の厚み方向は、第1コネクタ11の厚み方向と同じ方向となる。
ハウジング34には、案内溝38を含む接続口37、ロック凸部39、先端露出部40、等が設けられている。
接続口37は、導電部材装着部13が嵌合して接続される開口として設けられている。接続口37は、ハウジング34において、複数設けられており、本実施形態では、第1コネクタ11の導電部材装着部13に対応して、2つ設けられている。各接続口37は、ハウジング34において、ハウジング34の幅方向に延びる開口形状に形成されている。そして、2つの接続口37は、ハウジング34において、ハウジング34の厚み方向に並んで設けられている。
また、各接続口37は、ハウジング34において、ハウジング34の接続方向における一方の端部であって導電部材装着部13が接続される側の端部にて開口している。尚、ハウジング34の接続方向は、ハウジング34の幅方向及び厚み方向に垂直な方向である。そして、ハウジング34の接続方向は、ハウジング34に対して導電部材装着部13が嵌合する方向と平行な方向であって、第1コネクタ11が第2コネクタ12に対して接続される方向と平行な方向として構成される。尚、図28(A)及び図28(C)において、ハウジング34の接続方向を両端矢印X13で示している。
また、接続口37の内側においては、ハウジング34の幅方向に並んだ複数の端子35の導体接続部35bが、露出している。導電部材装着部13は、開口部23が設けられた先端側において、接続口37に対して嵌合して接続される。導電部材装着部13が接続口37に嵌合すると、開口部23から露出した複数の導体102のそれぞれが、接続口37の内側で露出した複数の端子35の導体接続部35bのそれぞれに対して接触する。これにより、各導体102と各端子35とが電気的に接続される。
案内溝38は、各接続口37において一対で設けられており、各接続口37における幅方向の両端側の部分として設けられている。案内溝38は、ハウジング34に導電部材装着部13が嵌合する際に導電部材装着部13の突出部17がハウジング34へ嵌め込まれる方向を案内する溝として構成されている。即ち、ハウジング34に導電部材装着部13が嵌合する際、突出部17は案内溝38に沿って案内されて案内溝38に嵌め込まれる。
ロック凸部39は、導電部材装着部13が接続口37に嵌合するように第1コネクタ11が第2コネクタ12に接続された際に、保持部14のロックアーム部25の係合爪部25aと係合する部分として設けられている。ロック凸部39は、ハウジング34において一対で設けられ、ハウジング34の幅方向の両端部にそれぞれ設けられている。
一対のロック凸部39のそれぞれは、保持部14の幅方向の両側のそれぞれに設けられたロックアーム部25の係合爪部25aに係合するように、ハウジング34の外側で凸状に張り出した部分として設けられている。導電部材装着部13がハウジング34に嵌合して第1コネクタ11が第2コネクタ12に接続される際には、まず、保持部14の幅方向両側において片持ち状に設けられた各ロックアーム部25がロック凸部39に当接して一旦撓む。そして、導電部材装着部13の先端部が接続口37の奥側に挿入されて嵌め込まれると、撓んでいたロックアーム部25が弾性回復し、片持ち状のロックアーム部25の端部のロック爪部25aが、ロック凸部39に係合する。これにより、導電部材装着部13がハウジング34に嵌合した状態で保持部14がハウジング34に対してロックアーム部25にて係合し、第1コネクタ11が第2コネクタ12に対してロックされて保持される。この結果、第1コネクタ11が第2コネクタ12から抜けて脱落してしまうことが防止される。
先端露出部40は、一対で設けられ、ハウジング34の幅方向の両端側にそれぞれ設けられている。また、先端露出部40は、ハウジング34において、ハウジング34の接続方向における接続口37とは反対側の端部側に設けられている。そして、各先端露出部40は、ハウジング34における幅方向の両端側で且つ接続口37と反対側でハウジング34の内側に向かって凹むように形成された切欠き状の部分として構成されている。更に、各先端露出部40には、案内溝38に連通する開口が設けられている。これにより、ハウジング34においては、導電部材装着部13が嵌合して突出部17が案内溝38に嵌め込まれると、突出部17の端部が先端露出部40から外部に露出するように構成されている。
上記の構成により、ハウジング34において切欠き状の部分として設けられた先端露出部40は、導電部材装着部13が嵌合して導電部材100における複数の導体102に複数の端子35が電気的に接続された状態で、導電部材装着部13の先端部分の一部を外部に露出させるように、構成されている。尚、本実施形態では、前述の通り、導電部材装着部13の先端部分の一部としての突出部17の端部を外部に露出させる形態の先端露出部40を例示している。
[第1コネクタと第2コネクタとの接続]
次に、第1コネクタ11と第2コネクタ12との接続に関する構成について更に詳しく説明する。図29は、第1コネクタ11が第2コネクタ12に接続される前の状態における電気的接続装置1を示す斜視図であって、導電部材100の一部とともに示す図である。図30は、第1コネクタ11が第2コネクタ12に接続される途中の状態における電気的接続装置1を導電部材100の一部とともに示す図であって、図30(A)は斜視図であり、図30(B)は平面図である。図31は、第1コネクタ11が第2コネクタ12に接続された状態における電気的接続装置1を導電部材100の一部とともに示す図であって、図30(A)は平面図であり、図31(B)は図31(A)の一部を拡大して示す図である。
尚、図29乃至図31においては、第2コネクタ12が接続される基板101の図示を省略している。また、図29乃至図31においては、1つの導電部材100が接続された第1コネクタ11と第2コネクタ12とが接続される形態を例示している。そして、図29乃至図31では、第1コネクタ11において、保持部14に対して、導電部材100が装着された導電部材装着部13と、導電部材100が装着されていない導電部材装着部13とが、嵌合して嵌め込まれた状態を例示している。
図29に示すように、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが接続される際には、まず、第2コネクタ12の接続口37に対して第1コネクタ11の導電部材装着部13の先端側が対向した状態から、接続動作が開始される。このとき、導電部材装着部13の上面部15及び保持部14の本体部24の上面24aと、ハウジング34の上面34aとが対応し、導電部材装着部13の下面部16及び保持部14の本体部24の下面24bと、ハウジング34の下面34bとが対応した状態で、第1コネクタ11及び第2コネクタ12の接続動作が開始される。
第1コネクタ11及び第2コネクタ12の接続動作が開始されると、まず、図30に示すように、第1コネクタ11の導電部材装着部13の各突出部17が、第2コネクタ12のハウジング34の接続口37における各案内溝38に挿入される。このとき、第1コネクタ11の本体部24の上面24a側の嵌合孔27に嵌合した導電部材装着部13における一対の突出部17が、第2コネクタ12のハウジング34の上面34a側の接続口37における一対の案内溝38に挿入される。そして、第1コネクタ11の本体部24の下面24b側の嵌合孔27に嵌合した導電部材装着部13における一対の突出部17が、第2コネクタ12のハウジング34の下面34b側の接続口37における一対の案内溝38に挿入される。上記のように各案内溝38に挿入された各突出部17は、各案内溝38に沿って案内されながら更に奥側に挿入され、各案内溝38に嵌め込まれる。
各突出部17が各案内溝38の奥側まで嵌め込まれると、導電部材装着部13における開口部23が設けられた部分が、ハウジング34の接続口37に嵌合するように嵌め込まれる。そして、図31に示すように、第1コネクタ11が第2コネクタ12に接続された状態では、保持部14の端部がハウジング34の端部に当接するまで、各導電部材装着部13がハウジング34の各接続口37に嵌め込まれた状態となる。即ち、第1コネクタ11が第2コネクタ12に接続された状態では、本体部24における導電部材装着部13が嵌合している嵌合孔27側の端部がハウジング34における接続口37が開口している側の端部に当接した状態となる。また、第1コネクタ11が第2コネクタ12に接続された状態では、導電部材装着部13における開口部23が設けられた部分は、ハウジング34の接続口37の内部に全て嵌め込まれた状態となる。
上記のように第1コネクタ11と第2コネクタ12とが接続されると、接続口37の内側において、複数の端子35に対して導電部材100の複数の導体102が接触し、各端子35と各導体102とが電気的に接続された状態となる。
更に、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが接続された状態では、保持部14の一対のロックアーム部25が、ハウジング34の一対のロック凸部39に対して、各係合爪部25aにおいて、係合した状態となる。これにより、保持部14の嵌合孔27に嵌合した導電部材装着部13が更にハウジング34の接続口37に嵌合した状態で、保持部14が、ロックアーム部25にてハウジング34に係合する。この結果、第1コネクタ11が第2コネクタ12に対してロックされて保持される。また、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが接続された状態では、ハウジング34の先端露出部40において、導電部材装着部13の突出部17の端部が外部に露出した状態となる。
ここで、図32を参照しつつ、第1コネクタ11が第2コネクタ12に接続される際に上下方向が逆の状態で接続されてしまうことを防止する構成について説明する。図32は、電気的接続装置1の第1コネクタ11及び第2コネクタ12を並べて示す図であって、図32(A)は第2コネクタ12の斜視図であり、図32(B)は第1コネクタ11を導電部材100の一部とともに示す斜視図である。
第1コネクタ11の導電部材装着部13においては、下面部16側の先端側において開口部23が設けられている。一方、導電部材装着部13の上面部15側の先端側には、開口部23が設けられておらず、上面部15は、下面部16よりも、先端側に長く延びるように構成されている。これにより、各突出部17は、下面部16に対する突出部17の突出長さが上面部15に対する突出長さよりも長くなるように構成されている。このため、導電部材装着部13においては、上面部15及び下面部16に対する突出部17の位置が、突出部17の突出方向において、非対称な状態で設定されている。
第2コネクタ12のハウジング34においては、導電部材装着部13の先端側が嵌合する接続口37が設けられている。接続口37の幅方向の両端側の部分には、案内溝38がそれぞれ設けられている。また、ハウジング34において幅方向に延びる接続口37の案内溝38以外の部分においては、端子35において導電部材100の端部100aを厚み方向に挟み込む部分として設けられた一対の把持部が嵌め込まれる溝が複数設けられている。上記の一対の把持部が嵌め込まれる溝は、ハウジング34の幅方向に延びる接続口37に対して上面34a側及び下面34b側に凹む溝として設けられている。
各案内溝38は、ハウジング34の幅方向に延びる接続口37における案内溝38以外の部分に対して、下面34b側に偏った位置に設けられている。これにより、ハウジング34においては、導電部材装着部13の上面部15及び下面部16に対する位置が非対称な状態に設定された突出部17に対応した案内溝38が設けられている。そして、ハウジング34においては、端子35の一対の把持部が嵌め込まれる上記の溝のうち、一対の把持部のうちの下面34b側に配置される導体接続部35bが嵌め込まれる溝、を区画する下面側当接部41が設けられている。下面側当接部41は、接続口37の下面34a側においてハウジング34の幅方向に沿って複数並んで設けられている。
導電部材装着部13の上面部15とハウジング34の上面34aとが対応し、導電部材装着部13の下面部16とハウジング34の下面34bとが対応した状態が、上下方向が正しく適切な状態となる。上下方向が正しく適切な状態で導電部材装着部13の先端側が接続口37に嵌合すると、各突出部17が各案内溝38に嵌め込まれ、導電部材装着部13の上面部15が、接続口37の上面34a側に摺動しながら挿入されることになる。
一方、導電部材装着部13及びハウジング34の上下方向の対応が上記とは逆の状態の場合は、上下方向が誤っており不適切な状態となる。即ち、導電部材装着部13の上面部15とハウジング34の下面34bとが対応し、導電部材装着部13の下面部16とハウジング34の下面34aとが対応した状態は、上下方向が誤っており不適切な状態となる。上下方向が誤っており不適切な状態で導電部材装着部13の先端側が接続口37に嵌合すると、各突出部17は各案内溝38に嵌め込まれるように挿入されるが、導電部材装着部13の上面部15の先端側の端部が、複数の下面側当接部41に当接することになる。このため、第1コネクタ11と第2コネクタ12との接続作業を行う作業者が導電部材装着部13をハウジング34に対して上下方向が逆の状態で挿入しようとすると、挿入することができず、導電部材装着部13をハウジング34に嵌合させることができない。このため、電気的接続装置1においては、上下方向が逆の状態で第1コネクタ11が第2コネクタ12に接続されてしまうことが防止されることになる。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によると、挿通孔26に挿通された導電部材100の端部100aが導電部材装着部13に装着される。そして、その状態で導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれ、導電部材100の係合部106が保持部14の被係合部30に係合した状態で、導電部材装着部13の閉塞部20によって、保持部14の挿通孔26の一部が塞がれる。このため、コネクタ11(第1コネクタ11)に接続された導電部材100は、コネクタ11の保持部14に係合した状態で保持されることに加え、更に、保持部14の挿通孔26の一部が導電部材装着部13で塞がれていることで、挿通孔26から抜けてコネクタ11から外れてしまうことも防止される。これにより、コネクタ11は、接続された導電部材100を、強固に保持することができる。
従って、本実施形態によると、複数の導体102を有するフレキシブルケーブル又はフレキシブル基板として構成される導電部材100が外れてしまうことを防止し、導電部材100を強固に保持することができるコネクタ11を提供することができる。更に、本実施形態によると、そのコネクタ11を備える電気的接続装置1を提供することができる。
また、本実施形態によると、上述の通り、導電部材100が外れてしまうことを防止し、導電部材100を強固に保持することができる。そして、複数の導体102が密集して配置された導電部材100がコネクタ11に接続されるため、構造のコンパクト化及び簡素化を図ることもできる。よって、本実施形態によると、構造のコンパクト化及び簡素化を図ることができ、導電部材100が外れてしまうことを防止し、導電部材100を強固に保持することができ、コネクタ11に対して振動等の負荷が加わり易いようなより苛酷な環境下においても安定して使用することができる。
また、本実施形態によると、導電部材装着部13の筒状部18によって区画された挿入口19に導電部材100の端部100aが挿入されることで、導電部材100の端部100aが導電部材装着部13に装着される。このため、導電部材100の端部100aが導電部材装着部13に装着された状態では、導電部材100の端部100aは、導電部材100の長手方向における所定の領域が、導電部材装着部13の筒状部18によって周囲を環状に覆われて囲い込まれることになる。これにより、導電部材100が幅方向に撓んでしまうことが防止されることになる。また、導電部材100の幅方向の撓みが防止されることで、導電部材100をコネクタ11に接続する作業が容易となり、作業性を向上させることができる。更に、導電部材100が接続されたコネクタ11を相手側の第2コネクタ12に対して嵌合により接続する際に、導電部材100の幅方向の撓みが防止されることで、導電部材100の導体102と第2コネクタ12の端子35との間における電気的接触不良が生じるような嵌合不具合の発生を防止することができる。
また、本実施形態によると、閉塞部20が挿通孔106に嵌まり込んで挿通孔26の一部をより強固に塞ぐため、導電部材100が外れてしまうことをより確実に防止し、導電部材100をより強固に保持することができる。
また、本実施形態によると、閉塞部20が少なくとも係合部通過領域28aを塞ぐように挿通孔26の一部を塞ぐため、導電部材100の係合部106が保持部14の被係合部30から外れて挿通孔26を通過してしまうことがより確実に防止される。これにより、導電部材100をより強固に保持することができる。
また、本実施形態によると、閉塞部20が導電部材通過領域28を塞ぐように挿通孔26の一部を塞ぐため、導電部材100が外れてしまうことをより確実に防止し、導電部材100をより強固に保持することができる。
また、本実施形態によると、導電部材装着部13の幅方向中央部分において、撓み規制部21によって、導電部材100の端部100aが表裏面方向に挟み込まれ、導電部材100の端部100aの撓み変形が生じることが規制される。このため、導電部材100が幅方向に撓んでしまうことが防止されることになる。また、導電部材100の幅方向の撓みが防止されることで、導電部材100をコネクタ11に接続する作業が容易となり、作業性を向上させることができる。更に、導電部材100が接続されたコネクタ11を相手側の第2コネクタ12に対して嵌合により接続する際に、導電部材100の幅方向の撓みが防止されることで、導電部材100の導体102と第2コネクタ12の端子35との間における電気的接触不良が生じるような嵌合不具合の発生を防止することができる。
また、本実施形態によると、第1コネクタ11を第2コネクタ12に接続する作業を行った作業者は、ハウジング34の先端露出部40から導電部材装着部13の先端部分の一部が露出しているか否かを目視で確認することができる。これにより、作業者は、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが、複数の端子35と複数の導体102とが電気的に接続された状態で適切に接続されているか否かを容易に確認することができる。そして、本実施形態によると、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが適切に接続されているか否かを作業者が容易に確認することができる構造を、ハウジング34に切欠き状の部分を設けた簡素な構造で実現することができる。
また、本実施形態によると、導電部材装着部13をハウジング34に嵌合させて第1コネクタ11を第2コネクタ12に接続する作業が行われる際には、導電部材装着部13の幅方向両端部で先端側に突出した突出部17がハウジング34の案内溝38に案内される。このため、導電部材装着部13をハウジング34に誘い込むようにして、導電部材装着部13をハウジング34に容易に嵌合させることができ、更に、導電部材装着部13とハウジング34との間でこじりが生じてしまうことを防止することができる。
また、本実施形態によると、上面部15及び下面部16の一方に対する突出部17の突出長さが他方に対する突出長さよりも長くなるように構成されている。即ち、電気的接続装置1は、突出部17が上面部15及び下面部16の一方から突出している長さが、突出部17が上面部15及び下面部16の他方から突出している長さよりも長くなるように、構成されている。このため、上面部15及び下面部16に対する突出部17の位置が、突出部17の突出方向において、非対称な状態で設定されることになる。そして、ハウジング34においては、導電部材装着部13の上面部15及び下面部16に対する位置が非対称な状態に設定された突出部17に対応した案内溝38が設けられる。このため、作業者が導電部材装着部13をハウジング34に対して上下方向が逆の状態で挿入しようとすると、挿入することができず、導電部材装着部13をハウジング34に嵌合させることができない。これにより、本実施形態によると、上下方向が逆の状態で第1コネクタ11が第2コネクタ12に接続されてしまうことを防止することができる。
[変形例]
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)図33は、第1の変形例に係るコネクタ51を導電部材100の一部とともに示す斜視図である。図34は、第1の変形例のコネクタ51における導電部材装着部52を導電部材100の一部とともに示す斜視図であって、図34(A)は下面部16側から見た状態を示す斜視図であり、図34(B)は上面部15側から見た状態を示す斜視図である。
第1の変形例に係るコネクタ51は、前述の実施形態のコネクタ11と同様に構成されているが、導電部材装着部52の閉塞部53の構成において、前述のコネクタ11とは異なっている。以下、第1の変形例に係るコネクタ51について、前述の実施形態のコネクタ11と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の符号を引用して説明することで、重複する説明を適宜省略する。
図33及び図34に示すコネクタ51の導電部材装着部52は、前述の実施形態の導電部材装着部13と同様に構成されているが、閉塞部53の構成において、前述の実施形態の導電部材装着部13と異なっている。閉塞部53は、保持部14の挿通孔26に挿通された導電部材100の端部100aが装着された状態の導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれた際に、導電部材100の係合部106が被係合部30に係合した状態で、挿通孔26における一部の領域であって導電部材通過領域28における係合部通過領域28a以外の領域のみを塞ぐように構成されている。即ち、前述の実施形態の閉塞部20が、係合部通過領域28aを含む導電部材通過領域28の全体の領域を塞ぐように構成されているのに対し、閉塞部53は、導電部材通過領域28における係合部通過領域28aを除く領域を塞ぐように構成されている。
尚、図33及び図34においては、導電部材通過領域28における係合部通過領域28a以外の領域の全体を塞ぐ閉塞部53の形態を例示しているが、この通りでなくてもよい。導電部材通過領域28における係合部通過領域28a以外の領域の一部を塞ぐ閉塞部の形態が実施されてもよい。
また、第1の変形例のコネクタ51として構成される第1コネクタ51と、前述の実施形態の第2コネクタ12と、を備えた形態の電気的接続装置が、実施されてもよい。
本変形例によると、閉塞部53が、導電部材通過領域28における係合部通過領域28a以外の領域を塞ぐように挿通孔26の一部を塞ぐため、導電部材100の係合部106が保持部14の被係合部30から外れて挿通孔26を通過してしまうことがより確実に防止される。これにより、導電部材100をより強固に保持することができる。
(2)図35は、第2の変形例に係るコネクタ54を導電部材100の一部とともに示す斜視図である。図36は、第2の変形例のコネクタ54における導電部材装着部55を導電部材100の一部とともに示す斜視図であって、図36(A)は下面部16側から見た状態を示す斜視図であり、図36(B)は上面部15側から見た状態を示す斜視図である。
第2の変形例に係るコネクタ54は、前述の実施形態のコネクタ11と同様に構成されているが、導電部材装着部55の閉塞部56の構成において、前述のコネクタ11とは異なっている。以下、第2の変形例に係るコネクタ54について、前述の実施形態のコネクタ11と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の符号を引用して説明することで、重複する説明を適宜省略する。
図35及び図36に示すコネクタ54の導電部材装着部55は、前述の実施形態の導電部材装着部13と同様に構成されているが、閉塞部56の構成において、前述の実施形態の導電部材装着部13と異なっている。閉塞部56は、保持部14の挿通孔26に挿通された導電部材100の端部100aが装着された状態の導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれた際に、導電部材100の係合部106が被係合部30に係合した状態で、挿通孔26における一部の領域であって導電部材通過領域28における係合部通過領域28aのみを塞ぐように構成されている。即ち、前述の実施形態の閉塞部20が、係合部通過領域28aを含む導電部材通過領域28の全体の領域を塞ぐように構成されているのに対し、閉塞部53は、導電部材通過領域28における係合部通過領域28aのみを塞ぐように構成されている。
また、第2の変形例のコネクタ54として構成される第1コネクタ54と、前述の実施形態の第2コネクタ12と、を備えた形態の電気的接続装置が、実施されてもよい。
本変形例によると、閉塞部56が、導電部材通過領域28における係合部通過領域28aを塞ぐように挿通孔26の一部を塞ぐため、導電部材100の係合部106が保持部14の被係合部30から外れて挿通孔26を通過してしまうことがより確実に防止される。これにより、導電部材100をより強固に保持することができる。
(3)図37は、第3の変形例に係るコネクタ57の分解斜視図であって、導電部材100の一部とともに示す図である。図38は、第3の変形例のコネクタ57を導電部材100の一部とともに示す斜視図であって、図38(A)は導電部材装着部58が保持部59に嵌合する前の状態を示す斜視図であり、図38(B)は導電部材装着部58が保持部59に嵌合した状態を示す斜視図である。
第3の変形例に係るコネクタ57は、前述の実施形態のコネクタ11と同様に構成されているが、2つの導電部材100の端部100aが装着された1つの導電部材装着部58が1つの保持部59に対して嵌合するように構成されている点において、前述のコネクタ11とは異なっている。以下、第3の変形例に係るコネクタ57について、前述の実施形態のコネクタ11と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の符号を引用して説明することで、重複する説明を適宜省略する。
図37及び図38に示すコネクタ57は、導電部材装着部58と保持部59とを備えて構成されている。導電部材装着部58は、2つの導電部材100の端部100aが装着されるように構成されている点において、前述の実施形態の導電部材装着部13と異なっている。導電部材装着部58には、閉塞部20が2つ設けられている。そして、導電部材装着部58には、その幅方向の両側のそれぞれにおいて、2つの閉塞部20の間に、係合突起部22が設けられている。
また、導電部材装着部58には、その厚み方向の両側のそれぞれにおいて、2つの開口部23が設けられている。導電部材装着部58の厚み方向の両側のそれぞれに設けられた2つの開口部23は、撓み規制部21を挟んで導電部材装着部58の幅方向に並んで設けられている。
また、導電部材装着部58に対しては、2つの導電部材100が、導体露出部105が設けられていない側の面が互いに対向した状態で、装着される。よって、導電部材装着部58に2つの導電部材100が装着されると、各導電部材100の導体露出部105は、導電部材装着部58の厚み方向における両側で導電部材装着部58の外側に向かって露出した状態となる。
保持部59は、本体部60、ロックアーム部25、等を備えて構成されている。本体部60は、前述の実施形態の保持部14の本体部24とは異なり、嵌合孔61が1つのみ設けられている。1つの嵌合孔61は、本体部60に設けられた2つの挿通孔26のいずれとも連通するように構成されている。尚、図37及び図38では図面に表れていないが、2つの挿通孔26は、本体部60において嵌合孔61が開口する側と反対側にて開口するように設けられている。本体部60に設けられた2つの挿通孔26は、保持部59の厚み方向における向きが、前述の実施形態の本体部24に設けられた2つの挿通孔26とは異なり、互いに逆の状態で、本体部60において保持部59の厚み方向に並んで設けられている。
嵌合孔61は、2つの挿通孔26のそれぞれに挿通された導電部材100の端部100aが装着された状態の導電部材装着部58が嵌合して嵌め込まれるように構成されている。2つの導電部材100が装着された導電部材装着部58が保持部59に嵌合する際には、導電部材装着部58は、2つの閉塞部20が設けられた端部において、嵌合孔61に挿入される(図38(A)を参照)。そして、図38(B)に示すように導電部材装着部58が嵌合孔61に嵌合した状態では、保持部59の各挿通孔26において各導電部材100が導電部材配置領域29に配置され、各閉塞部20が保持部59の各挿通孔26における導電部材通過領域28を塞ぐことになる。
第3の変形例に係るコネクタ59のように、2つの導電部材100の端部100aが装着された1つの導電部材装着部58が1つの保持部59に対して嵌合するように構成された形態が実施されてもよい。また、第3の変形例のコネクタ59として構成される第1コネクタ59と、第2コネクタ59が接続される第2コネクタと、を備えた形態の電気的接続装置が、実施されてもよい。尚、この電気的接続装置の場合、第2コネクタは、導電部材装着部58に装着された導電部材100における複数の導体102に対してそれぞれ電気的に接続されるように構成された複数の端子と、複数の端子を保持し、導電部材装着部58が嵌合するとともに保持部59が係合するように構成されたハウジングと、を備えて構成される。
(4)図39は、第4の変形例に係るコネクタ62を導電部材の一部とともに示す図であって、図39(A)は斜視図であり、図39(B)は側面図である。尚、図39(A)は、保持部14の下面24b側から視た斜視図であり、図39(B)は、保持部14の上面24a側を上にして示す側面図である。図40は、コネクタ62について、図39(B)のX14−X14線矢視方向から見た断面図である。尚、図39及び図40は、導電部材装着部13の保持部14への嵌合が完了した状態を示す図である。
図41は、コネクタ62を導電部材100の一部とともに示す斜視図であって、コネクタ62に導電部材100が接続される前の状態を示す図である。図42は、コネクタ62を導電部材100の一部とともに示す断面図であって、図41に示す状態における図39(B)のX14−X14線矢視位置に対応する断面を示す図である。図43は、コネクタ62を導電部材100の一部とともに示す図であって、図43(A)はコネクタ62に導電部材100が接続される途中の状態を示す斜視図であり、図43(B)は図43(A)に示す状態における断面図であって図39(B)のX14−X14線矢視位置に対応する断面を示す図である。
第4の変形例に係るコネクタ62は、前述の実施形態のコネクタ11と同様に構成されているが、導電部材装着部13が、導電部材100の端部100aが装着される前の状態においても、保持部14に対して保持されるように構成されている点において、前述のコネクタ11とは異なっている。以下、第4の変形例に係るコネクタ62について、前述の実施形態のコネクタ11と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の符号を引用して説明することで、重複する説明を適宜省略する。
図39乃至図43に示すコネクタ62は、2つの導電部材装着部13と保持部14とを備えて構成されている。しかし、コネクタ62の保持部14は、導電部材100の端部100aが導電部材装着部13に装着される前の状態においても、導電部材装着部13を保持可能に構成されている点において、前述のコネクタ11の保持部14とは異なっている。
より具体的には、コネクタ62の保持部14においては、導電部材100の装着前の状態でも導電部材装着部13を保持可能にするための一対の保持用凹部63が設けられている(図40、図42、図43(B)を参照)。一対の保持用凹部63は、保持部14の内側に設けられている。そして、一対の保持用凹部63は、保持部14の内側において、各嵌合孔27の奥側の位置であって係合凸部31よりも嵌合孔27の開口側の位置に設けられている。
また、一対の保持用凹部63は、保持部14の内側において、各嵌合孔27に対応して、設けられている。そして、一対の保持用凹部63のそれぞれは、保持部14の内側における各嵌合孔27に対応した位置において、保持部14の幅方向の両側のそれぞれで凹み形成された部分として設けられている。各保持用凹部63は、導電部材装着部13の各係合突起部22の突起22aが嵌まり込んで係止する部分として設けられている。
コネクタ62に導電部材100が接続される際には、図41及び図42に示すように、まず、導電部材装着部13が保持部14に係止された状態から、コネクタ62と導電部材100との接続が開始される。このとき、導電部材装着部13は、各係合突起部22の突起22aが、保持部14の内側の各保持用凹部63に嵌まり込んだ状態で、保持部14に保持されている。
尚、コネクタ62は、導電部材装着部13と保持部14とが分離した状態から、図41及び図42に示すように保持部14に導電部材装着部13が保持された状態となるように、構成されている。導電部材装着部13を保持部14に保持させる際には、導電部材100が保持部14の挿通孔26に挿通されておらず、且つ、導電部材100が導電部材装着部13に装着されていない状態で、導電部材装着部13が保持部14の嵌合孔27に挿入される。
導電部材装着部13は、閉塞部20、係合突起部22、及び当接部33が設けられた端部から、保持部14の嵌合孔27に挿入される。そして、導電部材装着部13の端部が嵌合孔27に挿入されると、一対の係合突起部22の突起22aが、嵌合孔27の両端部のそれぞれと当接し、各係合突起部22が導電部材装着部13の幅方向の内側に向かって一旦撓む。そして、導電部材装着部13の端部が嵌合孔27に対して更に挿入されると、各係合突起部22が弾性回復し、各突起22aが保持部14の内側の各保持用凹部63に嵌まり込んだ状態となる。これにより、図41及び図42に示すように導電部材装着部13が保持部14に保持された状態となる。
図41及び図42に示す状態から、導電部材100のコネクタ62への接続動作が開始される。導電部材100のコネクタ62への接続動作が開始されると、導電部材100の端部100aが保持部14の挿通孔26に挿通される。このとき、導電部材100の端部100aは、挿通孔26に対して、導電部材通過領域28を通過して、挿通される。そして、挿通孔26に挿通された導電部材100の端部100aは、保持部14に保持された導電部材装着部13の挿入口19に挿入される。これにより、図43に示すように、保持部14に保持された導電部材装着部13に対して導電部材100の端部100aが装着される。
図43に示す状態となると、次いで、導電部材100の端部100aが装着された状態の導電部材装着部13が保持部14の嵌合孔27に嵌合して嵌め込まれる。このとき、導電部材装着部13は、その一部が既に嵌合孔27に挿入されているため、更に嵌合孔27の奥側に挿入され、嵌合孔27に嵌め込まれる。また、このとき、導電部材100が、挿通孔26において導電部材通過領域28から導電部材配置領域29にずれるように変位させられた状態で、導電部材装着部13が、嵌合孔27の奥側に更に嵌め込まれる。即ち、導電部材100が装着された導電部材装着部13が保持部14に嵌め込まれる際には、導電部材100が挿通孔26における導電部材配置領域29を通過するように、導電部材13が保持部14の嵌合孔27に嵌め込まれる。
図39及び図40に示すように、導電部材装着部13の保持部14への嵌合が完了した嵌合完了状態になると、導電部材100は、挿通孔26において、導電部材配置領域29に配置される。また、嵌合完了状態では、導電部材100の一対の係合部106は、保持部14の一対の被係合部30に対して係合した状態となる。また、嵌合完了状態では、導電部材装着部13の閉塞部20は、保持部14の挿通孔26に嵌まり込んだ状態で挿通孔26の一部である導電部材通過領域28を塞ぐ。また、嵌合完了状態では、導電部材装着部13の一対の係合突起部22は、保持部14の内側において、保持部14の一対の係合凸部31に対して、各突起22aにおいて、係合した状態となる。また、嵌合完了状態では、導電部材装着部13の当接部33は、保持部14の内側において、保持部14の位置決め壁部32に対して当接する。
第4の変形例に係るコネクタ62のように、導電部材装着部13が保持部14に保持された状態で、導電部材100が保持部14に挿通されて導電部材装着部13に装着され、その後に、導電部材装着部13が保持部14に嵌合するように構成された形態が、実施されてもよい。この構成によると、導電部材100の端部100aが装着される前の状態においても、導電部材装着部13を保持部14に対して保持することができる。このため、導電部材100が接続される前の状態において、対応する導電部材装着部13と保持部14とが分散してしまうことを防止でき、管理が容易となる。
尚、第4の変形例のコネクタ62として構成される第1コネクタ62と、前述の実施形態の第2コネクタ12と、を備えた形態の電気的接続装置が、実施されてもよい。また、導電部材装着部13と保持部14とが、細長く可撓性を有するひも状の連結部を介して一体に設けられた形態のコネクタが実施されてもよい。
(5)図44は、第5の変形例に係るコネクタの導電部材装着部64を導電部材107の一部とともに示す図であって、図44(A)は導電部材装着部64の断面を含む斜視図であり、図44(B)は導電部材装着部64の断面を含む平面図である。
第5の変形例の導電部材装着部64は、前述の実施形態のコネクタ11の導電部材装着部13と同様に構成されているが、導電部材装着部64に装着された導電部材107の端部107aを保持する保持機構が設けられている点において、前述の実施形態の導電部材装着部13とは異なっている。以下、第5の変形例の導電部材装着部64について、前述の実施形態の導電部材装着部13と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の符号を引用して説明することで、重複する説明を適宜省略する。
図44に示す導電部材装着部64は、筒状部18で区画されて導電部材107の端部107aが挿入される挿入口65の構成において、前述の導電部材装着部13と異なっている。挿入口65は、前述の導電部材装着部13の挿入口19とは異なり、導電部材装着部64の先端側にかけて僅かだけ徐々に窄まるように構成されている。より具体的には、挿入口65は、導電部材装着部64の先端側にかけて、導電部材装着部64の幅方向の寸法が僅かだけ徐々に狭まることで、窄まるように構成されている。
導電部材装着部65に装着される導電部材107は、導電部材100と同様に構成される。しかし、導電部材107は、その端部107aが、挿入口65の形状に対応した形状に形成されている点において、導電部材100と異なっている。具体的には、導電部材107の端部107aは、先端側にかけて、導電部材65の幅方向の寸法が僅かだけ徐々に狭まるように構成されている。そして、挿入口65に導電部材107の端部107aが挿入されると、導電部材107の端部107aは、挿入口65に対して摺動しながら嵌まり込む。このとき、導電部材107の端部107aは、挿入口65との間で生じる摩擦力に抗しながら、挿入口65に対して摺動しながら嵌め込まれる。
上記のように、挿入口65に挿入されて導電部材装着部64に装着された導電部材107の端部107aは、摩擦によって、導電部材装着部64に保持される。このように、導電部材装着部64においては、導電部材装着部64に装着された導電部材107の端部107aを保持する保持機構が、挿入口65として、設けられている
第5の変形例の導電部材装着部64を備えるコネクタによると、導電部材107の端部107aが導電部材装着部64において保持機構によって保持されるため、導電部材107が装着された導電部材装着部64を保持部14に嵌め込む作業が容易となる。このため、導電部材107をコネクタに接続する作業が容易となり、作業性を向上させることができる。
尚、第5の変形例の導電部材装着部64及び保持部14を有するコネクタとして構成される第1コネクタと、前述の実施形態の第2コネクタ12と、を備えた形態の電気的接続装置が、実施されてもよい。
(6)図45は、第6の変形例に係るコネクタの導電部材装着部66を導電部材108の一部とともに示す図であって、図45(A)は導電部材装着部66の断面を含む斜視図であり、図45(B)は導電部材108の一部を示す斜視図である。
第6の変形例の導電部材装着部66は、前述の実施形態のコネクタ11の導電部材装着部13と同様に構成されているが、導電部材装着部66に装着された導電部材108の端部108aを保持する保持機構が設けられている点において、前述の実施形態の導電部材装着部13とは異なっている。以下、第6の変形例の導電部材装着部66について、前述の実施形態の導電部材装着部13と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の符号を引用して説明することで、重複する説明を適宜省略する。
図45(A)に示す導電部材装着部66は、導電部材108の端部108aが挿入される挿入口19を区画する筒状の部分である筒状部18の内側において、一対の凸部67が設けられている点において、前述の実施形態の導電部材装着部13と異なっている。一対の凸部67のそれぞれは、筒状部18の内側において、導電部材装着部66の幅方向の両側のそれぞれに設けられている。各凸部67は、筒状部18の内壁部から挿入口19の内側に向かって僅かに凸状に突出した形状に形成された部分として設けられている。
導電部材装着部66に装着される導電部材108は、導電部材100と同様に構成される。しかし、導電部材108は、その端部108aが、挿入口67の内側に突出する一対の凸部67の形状に対応した形状に形成されている点において、導電部材100と異なっている。具体的には、図45(A)及び図45(B)に示すように、導電部材108の端部108aには、導電部材108の幅方向の両端部において、一対の切欠き部108bが設けられている。各切欠き部108bは、導電部材108の端部108aにおいて、各凸部67の外形に対応した形状で凹むように切欠き形成された部分として設けられている。また、一対の切欠き部108bは、導電部材108の長手方向において、一対の係合部106よりも、導電部材108の端部108aの先端側に設けられている。
導電部材装着部66の挿入口19に導電部材108の端部108aが挿入されると、導電部材108の端部108aは、一対の凸部67と当接し、導電部材108の幅方向に僅かに一旦撓む。そして、導電部材108の端部108aが挿入口19に対して更に挿入されると、補強板104が弾性回復し、一旦撓んだ導電部材108の端部108aの形状が撓んでいない元の状態に戻り、一対の切欠き部108bに一対の凸部67が嵌まり込んで係合した状態となる。これにより、図45(A)に示すように、導電部材装着部66に装着された導電部材108の端部108aが導電部材装着部66に保持された状態となる。
上記のように、挿入口19に挿入されて導電部材装着部66に装着された導電部材108の端部108aは、凸部67と切り欠き部108bとの係合によって、導電部材装着部66に保持される。このように、導電部材装着部66においては、導電部材装着部66に装着された導電部材108の端部108aを保持する保持機構が、一対の凸部67として、設けられている
第6の変形例の導電部材装着部66を備えるコネクタによると、導電部材108の端部108aが導電部材装着部66において保持機構によって保持されるため、導電部材108が装着された導電部材装着部66を保持部14に嵌め込む作業が容易となる。このため、導電部材108をコネクタに接続する作業が容易となり、作業性を向上させることができる。
尚、第6の変形例の導電部材装着部66及び保持部14を有するコネクタとして構成される第1コネクタと、前述の実施形態の第2コネクタ12と、を備えた形態の電気的接続装置が、実施されてもよい。
(7)図46は、第7の変形例に係るコネクタの導電部材装着部68を導電部材109の一部とともに示す斜視図である。図46は、導電部材109が導電部材装着部68に装着された状態を示す図である。図47は、第7の変形例に係るコネクタの導電部材装着部68を導電部材109の一部とともに示す斜視図であって、導電部材109が導電部材装着部68に装着される前の状態を示す図である。
第7の変形例の導電部材装着部68は、前述の実施形態のコネクタ11の導電部材装着部13と同様に構成されているが、導電部材装着部68に装着された導電部材109の端部109aを保持する保持機構が設けられている点において、前述の実施形態の導電部材装着部13とは異なっている。以下、第7の変形例の導電部材装着部68について、前述の実施形態の導電部材装着部13と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の符号を引用して説明することで、重複する説明を適宜省略する。
図46及び図47に示す導電部材装着部68は、導電部材装着部68の接続方向における導電部材109が挿入される側の端部において、保持突起部69が設けられている点において、前述の実施形態の導電部材装着部13と異なっている。保持突起部69は、導電部材装着部68の接続方向における導電部材109が挿入される側の端部、即ち、閉塞部20が設けられるともに挿入口19が開口する側の端部に設けられている。更に、保持突起部69は、導電部材装着部68の幅方向における中央部分に設けられている。また、保持突起部69は、下面部16から導電部材装着部68の接続方向と平行な方向に沿って片持ち状に突出する部分として設けられている。そして、片持ち状に突出する保持突起部69の端部には、上面部15側に向かって凸状に設けられた突起69aが設けられている。
導電部材装着部68に装着される導電部材109は、導電部材100と同様に構成される。しかし、導電部材109は、その端部109aにおいて、保持突起部69の突起69aの位置に対応した貫通孔109bが設けられている点において、導電部材100と異なっている。具体的には、導電部材109の端部109aには、導電部材109の幅方向の中央部分において、導電部材109の厚み方向に導電部材109を貫通する貫通孔109bが設けられている。貫通孔109bの縁部分は、保持突起部69の突起69aが係合する部分として設けられている。
導電部材装着部68の挿入口19に導電部材109の端部109aが挿入されると、導電部材109の端部109aが保持突起部69の突起69aに当接し、保持突起部69が一旦撓む。そして、導電部材109の端部109aが挿入口19に対して更に挿入されると、保持突起部69が弾性回復し、貫通孔109bに保持突起部69の突起69aが係合した状態となる。これにより、図46に示すように、導電部材装着部68に装着された導電部材109の端部109aが導電部材装着部68に保持された状態となる。
上記のように、挿入口19に挿入されて導電部材装着部68に装着された導電部材109の端部109aは、保持突起部69の突起69aと貫通孔109bとの係合によって、導電部材装着部68に保持される。このように、導電部材装着部68においては、導電部材装着部68に装着された導電部材109の端部109aを保持する保持機構が、保持突起部69として、設けられている
第7の変形例の導電部材装着部68を備えるコネクタによると、導電部材109の端部109aが導電部材装着部68において保持機構によって保持されるため、導電部材109が装着された導電部材装着部68を保持部14に嵌め込む作業が容易となる。このため、導電部材109をコネクタに接続する作業が容易となり、作業性を向上させることができる。
尚、第7の変形例の導電部材装着部68及び保持部14を有するコネクタとして構成される第1コネクタと、前述の実施形態の第2コネクタ12と、を備えた形態の電気的接続装置が、実施されてもよい。
(8)図48は、変形例に係る導電部材110の一部を示す図であって、図48(A)はコネクタ11に接続された状態をコネクタ11とともにコネクタ11の断面を含む状態で示す図であり、図48(B)は平面図である。
変形例に係る導電部材110は、前述の実施形態で説明した導電部材100と同様に構成されているが、保持部14の被係合部30に係合する係合部110bの形状において、前述の導電部材100とは異なっている。以下、変形例の導電部材110について、前述の導電部材100と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の符号を引用して説明することで、重複する説明を適宜省略する。
導電部材110には、幅方向両端部のそれぞれの一部において、係合部110bが設けられている。係合部110bは、導電部材110の端部110aにおいて、一対で設けられている。そして、各係合部110bは、導電部材110の端部110aにおいて、幅方向の両端部のそれぞれにて、幅方向の外側に向かって段状に広がった部分として設けられている。導電部材110は、幅方向の外側に向かって段状に広がる一対の係合部110bが設けられていることで、導電部材110における端部110a以外の部分よりも端部110aの部分が、幅方向の寸法が大きくなるように設定されている。各係合部110bは、導電部材110がコネクタ11に接続された際に、コネクタ11における被係合部30に対して係合する部分として設けられている(図48(B)を参照)。
上述した変形例のように、導電部材110の端部110aにおいて幅方向の外側に向かって段状に広がる一対の係合部110bが設けられた導電部材110がコネクタ11に接続される形態が実施されてもよい。
(9)図49は、他の変形例に係る導電部材111の一部を示す図であって、図49(A)はコネクタ11に接続された状態をコネクタ11とともにコネクタ11の断面を含む状態で示す図であり、図49(B)は平面図である。
他の変形例に係る導電部材111は、前述の実施形態で説明した導電部材100と同様に構成されているが、保持部14の被係合部30に係合する係合部111bの形状において、前述の導電部材100とは異なっている。以下、他の変形例の導電部材111について、前述の導電部材100と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の符号を引用して説明することで、重複する説明を適宜省略する。
導電部材111には、幅方向両端部のそれぞれの一部において、係合部111bが設けられている。係合部111bは、導電部材111の端部111aにおいて、一対で設けられている。そして、各係合部111bは、導電部材111の端部111aにおいて、幅方向の両端部のそれぞれにて、幅方向の内側に向かって切欠き状に切り欠かれて凹み形成された部分として設けられている。各係合部111bは、導電部材111がコネクタ11に接続された際に、コネクタ11における被係合部30に対して係合する部分として設けられている(図49(B)を参照)。
上述した他の変形例のように、導電部材111の端部111aにおいて幅方向の内側に向かって切欠き状に切り欠かれて凹み形成された一対の係合部111bが設けられた導電部材111がコネクタ11に接続される形態が実施されてもよい。
(10)前述したような変形例に限らず、更に種々の変形例が実施されてもよい。例えば、前述の実施形態では、導電部材装着部の閉塞部が保持部の挿通孔に嵌り込んだ状態で挿通孔の一部を塞ぐ形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。導電部材装着部の閉塞部が、保持部の内部にて、挿通孔が嵌合孔に連通する領域であって嵌合孔から挿通孔へと至る経路における挿通孔への入口の領域において、挿通孔の一部に蓋をするような状態で挿通孔の一部を塞ぐように構成されてもよい。
また、前述の実施形態では、先端露出部の形態として、ハウジングに設けられた切欠き状の部分として構成された形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。導電部材装着部が嵌合して導電部材における複数の導体に複数の端子が電気的に接続された状態で、導電部材装着部の先端部分の一部を外部に露出させるように窓状の部分として構成された形態の先端露出部が、ハウジングに設けられてもよい。