JP6034694B2 - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
従来、半導体ウェーハの第1主面側に素子を形成した後に第2主面側から半導体ウェーハを研削することによって、薄型化された半導体装置を製造する半導体装置の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
図12は、従来の半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。図12(a)〜図12(d)は各工程図である。図12中、符号910は半導体層を示し、符号950は酸化膜を示す。なお、図12中、素子の図示は省略している。
従来の半導体装置の製造方法は、半導体ウェーハWを準備する工程(図12(a))と、半導体ウェーハWの第1主面側に素子を形成する素子形成工程(図12(b)参照。)と、半導体ウェーハWの第2主面側から、半導体ウェーハWが所定の厚さとなるように半導体ウェーハWを研削する研削工程(図12(c)参照。)と、第2主面の表面に電極層940を形成する電極層形成工程(図12(d)参照。)と、半導体ウェーハWを半導体チップとなる領域ごとに分割するダイシング工程(図示せず)とをこの順序で含む。
なお、本明細書中、「素子」とは、半導体ウェーハにおいて、一方の主面(第1主面)側に形成された層又は領域をいう。また、「第1主面」とは、半導体装置のうち素子が形成される側の面をいい、「第2主面」とは、第1主面とは反対側の面をいう。
従来の半導体装置の製造方法によれば、半導体ウェーハWの第1主面側に素子を形成した後に第2主面側から半導体ウェーハWを研削することから、半導体ウェーハWが厚い状態で素子を形成することとなり、素子形成工程を実施することが容易となる。
また、従来の半導体装置の製造方法によれば、研削工程を含むことから、薄型化された半導体装置を製造することが可能となり、近年の電気機器に対する小型化及び薄型化の要求を満たす半導体装置を製造することが可能となる。
特開2011−222898号公報
しかしながら、従来の半導体装置の製造方法においては、研削工程中に第2主面側に割れが生じる場合があり、当該割れが第2主面側から半導体ウェーハ内部に伝播してしまうことに起因して高品質な半導体装置を製造することが困難となる場合があるという問題がある。このことは、半導体ウェーハがSiCウェーハなどの化合物半導体ウェーハである場合にはより顕著となる。
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、研削工程中に第2主面側に割れが生じた場合であっても、当該割れが第2主面から化合物半導体ウェーハ内部に伝播してしまうことを防ぐことが可能で、その結果、高品質な半導体装置を製造することが可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。また、そのような半導体装置の製造方法によって製造された半導体装置を提供することを目的とする。
[1]本発明の半導体装置の製造方法は、2以上の元素からなる化合物半導体ウェーハにおいて、前記化合物半導体ウェーハの第1主面側における素子形成深さより深い深さ領域に、前記化合物半導体ウェーハを構成する元素のうち第1元素を化学量論式で表されるよりも多く含有する第1元素過多領域及び前記第1元素とは別の第2元素を化学量論式で表されるよりも多く含有する第2元素過多領域を含む不均化層を形成する不均化層形成工程と、前記不均化層が所定の厚さとなるように、前記第1主面側とは反対側の第2主面側から前記化合物半導体ウェーハを研削する研削工程と、前記第2主面側における前記不均化層の表面に電極層を形成する電極層形成工程と、前記化合物半導体ウェーハをそれぞれが半導体チップとなる複数の領域に分割するダイシング工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
なお、本明細書中、「素子形成深さ」とは、化合物半導体ウェーハの第1主面側に形成する素子の深さ又は形成された素子の深さをいう。
[2]本発明の半導体装置の製造方法においては、前記化合物半導体ウェーハは、SiCウェーハであることが好ましい。
[3]本発明の半導体装置の製造方法においては、前記不均化層形成工程においては、前記化合物半導体ウェーハの前記第1主面側又は前記第2主面側からレーザ光を照射することによって前記不均化層を形成することが好ましい。
[4]本発明の半導体装置の製造方法においては、前記不均化層形成工程においては、紫外線レーザ光を照射することによって前記不均化層を形成することが好ましい。
[5]本発明の半導体装置の製造方法においては、不均化層形成工程においては、前記化合物半導体ウェーハの前記第2主面側で発生させたアーク放電によって前記不均化層を形成することが好ましい。
[6]本発明の半導体装置の製造方法においては、前記不均化層形成工程の前に、前記化合物半導体ウェーハの前記第1主面側に素子を形成する素子形成工程をさらに含むことが好ましい。
[7]本発明の半導体装置の製造方法においては、前記不均化層形成工程と前記研削工程との間に、前記化合物半導体ウェーハの前記第1主面側に素子を形成する素子形成工程をさらに含むことが好ましい。
[8]本発明の半導体装置の製造方法においては、前記不均化層形成工程においては、前記素子形成深さより深い深さ領域の一部に前記不均化層を形成することが好ましい。
[9]本発明の半導体装置の製造方法においては、前記不均化層形成工程においては、前記素子形成深さより深い深さ領域の全部に前記不均化層を形成することが好ましい。
[10]本発明の半導体装置は、化合物半導体ウェーハをダイシングにより分割して製造された半導体装置であって、半導体層と、前記半導体層の第1主面側に形成されている素子と、前記化合物半導体ウェーハの第1主面側における素子形成深さより深い深さ領域に、前記化合物半導体ウェーハを構成する元素のうち第1元素を化学量論式で表されるよりも多く含有する第1元素過多領域及び前記第1元素とは別の第2元素を化学量論式で表されるよりも多く含有する第2元素過多領域を含む不均化層と、前記第2主面における前記不均化層の表面に形成されている電極層とを備えることを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、不均化層形成工程で、第1元素過多領域及び第2元素過多領域を含み、割れが周囲に伝播しにくい性質を有する不均化層を形成し、それに続く研削工程で、不均化層が所定の厚さとなるように化合物半導体ウェーハを研削することとしているため、研削工程中に第2主面側に割れが生じた場合であっても、当該割れが第2主面側から化合物半導体ウェーハ内部に伝播してしまうことを防ぐことが可能となる。その結果、高品質な半導体装置を製造することが可能となる。
また、本発明の半導体装置の製造方法によれば、不均化層が化合物半導体における原子同士の結合を切断して形成されるため、研削工程を実施することにより不均化層の表面が荒れやすくなり、電極層形成工程において電極層を形成する際、不均化層と電極層との間の接触総面積を増大させることが可能となる。その結果、半導体層と電極層との間の電気抵抗が低下し、半導体層と電極層との良好なオーミック接続を実現することが可能な半導体装置を製造することが可能となる。
本発明の半導体装置によれば、第1元素過多領域及び第2元素過多領域を含み、割れが周囲に伝播しにくい性質を有する不均化層を備えるため、半導体装置を製造する過程において第2主面側に割れが生じた場合であっても、当該割れが第2主面側から化合物半導体ウェーハ内部に伝播してしまうことを防ぐことが可能となる。その結果、半導体層の割れや欠けが少ない高品質な半導体装置となる。
また、本発明の半導体装置によれば、化合物半導体の結合が切断された不均化層を備えるため、半導体装置を製造する過程において不均化層を研削したとき、不均化層の表面が荒れやすくなり、電極層を形成する際、不均化層と電極層との間の接触総面積を増大させることが可能となる。その結果、半導体層と電極層との間の電気抵抗が低下し、半導体層と電極層との良好なオーミック接続を実現することが可能な半導体装置となる。
実施形態1に係る半導体装置100を説明するために示す図である。 実施形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するために示すフローチャートである。 実施形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。 実施形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。 実施形態2における不均化層形成工程S30を説明するために示す図である。 実施形態3における不均化層形成工程S30を説明するために示す図である。 実施形態4における不均化層形成工程S30を説明するために示す図である。 実施形態5における不均化層形成工程S30を説明するために示す図である。 実施形態6に係る半導体装置200を説明するために示す図である。 試験例において形成された不均化層を示す写真である。 白い領域R1及び黒い領域R2における珪素(Si)及び炭素(C)の濃度を示す図表である。 従来の半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。
以下、本発明の半導体装置の製造方法及び半導体装置について、図に示す実施形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
1.実施形態1に係る半導体装置100の構成
まず、実施形態1に係る半導体装置100の構成を説明する。
図1は、実施形態1に係る半導体装置100を説明するために示す図である。
実施形態1に係る半導体装置100は、化合物半導体ウェーハWをダイシングにより分割して製造された半導体装置であって、図1に示すように、半導体層110と、半導体層110の第1主面側に形成されている素子120と、半導体層110の第2主面側に形成された不均化層130と、第2主面における不均化層130の表面に形成されている電極層140(カソード電極層)と、半導体層110の第1主面側に形成されたバリアメタル層150と、アノード電極層160と、保護絶縁層170とを備えるショットキーバリアダイオードである。
実施形態1に係る半導体装置100において、化合物半導体ウェーハWは、2以上の元素からなる半導体ウェーハである。実施形態1においては、化合物半導体ウェーハWとして、SiCウェーハを用いる。
半導体層110は、n型半導体層112と、n型半導体層112よりも低濃度のn型不純物を含有するn型半導体層114とを有する。
型半導体層114は、n型半導体層112の表面にエピタキシャル法を用いて結晶を成長させることによって形成されたものである。n型半導体層112の厚さは、例えば30μm〜100μmの範囲内にあり、n型半導体層112のn型不純物濃度は、例えば1×1019cm−3〜1×1020cm−3の範囲内にある。n型半導体層114の厚さは、例えば6μm〜70μmの範囲内にあり、n型半導体層114の不純物濃度は、例えば2×1014cm−3〜5×1016cm−3の範囲内にある。
素子120は、p型半導体からなるガードリングであり、半導体層110の第1主面側の所定の領域に形成されている。素子120のp型不純物濃度は、例えば1×1018cm−3〜1×1019cm−3の範囲内にある。素子120の深さは、n型半導体層114の第1主面から0.1μm〜5μmである。
不均化層130は、化合物半導体ウェーハWの第1主面側における素子形成深さより深い深さ領域の一部に、第1元素過多領域(Si過多領域)及び第2元素過多領域(C過多領域)を含む(後述する図10における白い領域R1(Si過多領域)及び白い領域R2(C過多領域)参照。)。具体的には、不均化層130においては、Si過多領域中の所々にC過多領域が点在している。不均化層130は、後述するように化合物半導体ウェーハWの第1主面側からレーザ光を照射することによって形成されている。
Si過多領域は、化合物半導体ウェーハWを構成する元素(Si,C)のうち第1元素(Si)を化学量論式で表されるよりも多く含有する。SiはSiCと比較して柔らかい(硬度が低い)ため、Si過多領域で割れが発生した場合には、Si過多領域においては割れが伝播することがあるが、SiC領域(半導体層110)においてまで割れが伝播しにくくなる。
C過多領域は、化合物半導体ウェーハWを構成する元素(Si,C)のうち第1元素(Si)とは別の第2元素(C)を化学量論式で表されるよりも多く含有する。CはSiCと比較して柔らかい(硬度が低い)ため、C過多領域で割れが発生した場合には、C過多領域においては割れが伝播することがあるが、SiC領域(半導体層110)においてまで割れが伝播しにくくなる。
従って、不均化層130は、割れが周囲の伝播しにくい性質を有する。
不均化層130の厚さは、0.1μm〜30μmである。なお、不均化層130を0.1μm以上の厚さとしたのは、研削工程S40中に化合物半導体ウェーハWの割れや欠けの発生を防ぐことを可能とし、高品質な半導体装置を高い歩留まりで製造することを可能とするためであり、不均化層130を30μm以下の厚さとしたのは、薄型化された半導体装置を製造することを可能とするためである。
電極層140は、不均化層130の第2主面側に形成されている。電極層140は、電極材料であるニッケルを不均化層130の第2主面側の表面に蒸着することにより形成されている。電極層140の厚さは、例えば0.1μm〜5μmである。
バリアメタル層150は、n型半導体層114との間でショットキー接合を形成する金属(例えばニッケル、チタンなど。)からなる。バリアメタル層150の厚さは、例えば2μmである。アノード電極層160は、バリアメタル層150の表面に形成されている。アノード電極層160の厚さは、例えば5μmである。アノード電極層160は、例えばアルミニウムからなる。保護絶縁層170は、バリアメタル層150及びアノード電極層160を取り囲むように形成されている。
2.実施形態1に係る半導体装置の製造方法
次に、実施形態1に係る半導体装置の製造方法を説明する。
図2は、実施形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するために示すフローチャートである。図3及び図4は、実施形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。図3(a)〜図3(d)及び図4(a)〜図4(d)は各工程図である。
実施形態1に係る半導体装置の製造方法は、図2に示すように、「化合物半導体ウェーハ準備工程S10」、「素子形成工程S20」、「不均化層形成工程S30」、「研削工程S40」、「電極層形成工程S50」及び「ダイシング工程S60」をこの順序で実施する。
(1)化合物半導体ウェーハ準備工程S10
まず、図3(a)に示すように、n型半導体層112と、n型半導体層112の表面にエピタキシャル法により形成されたn型半導体層114とがこの順序で積層された半導体層110を有する化合物半導体ウェーハWを準備する。化合物半導体ウェーハWは2以上の元素からなり、実施形態1においては、化合物半導体ウェーハWとして、SiCウェーハを用いる。
(2)素子形成工程S20
次に、図3(b)及び図3(c)に示すように、化合物半導体ウェーハWの第1主面側に素子120を形成する。具体的には、化合物半導体ウェーハWの第1主面側に、マスクMを形成し、所定の領域を開口した上で、当該開口を介してイオン注入法やデポジション法などの方法を用いてn型半導体層114にp型不純物(例えばボロン)を導入してp型不純物導入領域120’を形成する。その後、化合物半導体ウェーハWに熱処理(例えば1000℃)を施してp型不純物を拡散させることにより素子120を形成する。
(3)不均化層形成工程S30
次に、図3(d)に示すように、化合物半導体ウェーハWの第1主面側における素子形成深さより深い深さ領域に、化合物半導体ウェーハWを構成する元素(Si,C)のうち第1元素(Si)を化学量論式で表されるよりも多く含有する第1元素過多領域(Si過多領域)及び第1元素(Si)とは別の第2元素(C)を化学量論式で表されるよりも多く含有する第2元素過多領域(C過多領域)を含む不均化層130を形成する。不均化層形成工程S30においては、素子形成深さより深い深さ領域の一部に不均化層130を形成する。
具体的には、化合物半導体ウェーハWの第1主面側からレーザ光照射装置によって照射したレーザ光を微小スポットに集光することによって不均化層130を形成する。不均化層形成工程S30においては、レーザ光を2次元的にスキャンする。照射したレーザ光は、波長が266nm〜355nmである紫外線レーザ光である。レーザ光のスキャン速度は、例えば10〜100mm/秒である。レーザ光の加工出力は、3W以下で、例えば2.2Wである。なお、出力3W以下のレーザ光を照射するのは、半導体層110そのものを蒸発させることとなく、不均化層130を形成するためである。
(4)研削工程S40
次に、図4(a)に示すように、不均化層130が所定の厚さとなるように、第2主面側から化合物半導体ウェーハWを研削する。具体的には、化合物半導体ウェーハWをグラインダ装置に設置し、化合物半導体ウェーハWの第1主面側をチャックテーブルに真空吸着した後、第2主面側からドライポリッシュ法を用いて化合物半導体ウェーハWを研削する。なお、ドライポリッシュ法に代えて、CMP法やケミカルエッチング法を用いて研削工程S40を実施してもよい。
(5)電極層形成工程S50
次に、図4(b)に示すように、第2主面における不均化層130の表面に電極層140を形成する。具体的には、不均化層130の表面を洗浄した後、不均化層130の表面上に、例えばスパッタリングなどの物理気相成長法(PVD)により、電極層140の材料であるニッケルを堆積させる。次に、真空中において800℃で10分間の熱処理を行うことで不均化層130と堆積させたニッケルとをシリサイド化して電極層140を形成する。
次に、図4(c)に示すように、半導体層110の第1主面側に、保護絶縁層170、バリアメタル層150及びアノード電極層160を形成する。
(6)ダイシング工程S60
次に、化合物半導体ウェーハをダイシングにより分割することにより、実施形態1に係る半導体装置100を製造することができる(図4(d)参照。)。
3.実施形態1に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法の効果
次に、実施形態1に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法の効果を説明する。
実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、不均化層形成工程S30で、第1元素過多領域及び第2元素過多領域を含み、割れが周囲に伝播しにくい性質を有する不均化層130を形成し、それに続く研削工程S40で、不均化層130が所定の厚さとなるように化合物半導体ウェーハWを研削することとしているため、研削工程S40中に第2主面側に割れが生じた場合であっても、当該割れが第2主面側から化合物半導体ウェーハW内部に伝播してしまうことを防ぐことが可能となる。その結果、高品質な半導体装置を製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、不均化層130が化合物半導体の結合を切断して形成されることになるため、研削工程S40を実施することにより不均化層130の表面が荒れやすくなり、電極層形成工程S50において電極層140を形成する際、不均化層130と電極層140との間の接触総面積を増大させることが可能となる。その結果、半導体層110と電極層140との間の電気抵抗が低下し、半導体層110と電極層140との良好なオーミック接続を実現することが可能な半導体装置を製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、化合物半導体ウェーハWがSiCウェーハであるため、電極層形成工程S50中に不均化層130と電極層140とを低い温度でシリサイド化することが可能となり、このことによっても良好なオーミック接続を容易に実現することが可能となる。
また、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、SiCウェーハのように硬く割れや欠けが発生しやすい化合物半導体ウェーハを用いた場合であっても、上記した効果を有する半導体装置を製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、化合物半導体ウェーハWがSiCウェーハであり、かつ、不均化層形成工程S30で形成された不均化層130がCを多く含有するC過多領域を含むことから、電極層形成工程S50において不均化層130と電極層140とをシリサイド化する際に、半導体層110と電極層140との間の剥離の原因となるおそれがあるCを取り除きやすくなる。
また、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、不均化層形成工程S30においては、化合物半導体ウェーハWの第1主面側からレーザ光を照射することによって不均化層130を形成することから、不均化層130を形成する深さ位置において微小スポットを形成することができ、素子形成領域に悪影響を与えることを防ぎつつ不均化層を形成することが可能となる。
また、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、紫外線レーザ光を照射することによって不均化層130を形成することから、所定の深さ位置に精度良く不均化層130を形成することが可能となる。
また、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、素子形成工程を実施した後に不均化層形成工程を実施した場合であっても、本発明の半導体装置を製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、不均化層形成工程S30においては、素子形成深さより深い深さ領域の一部(深さ方向における一部)に不均化層130を形成することから、素子形成深さより深い深さ領域の全部に不均化層130を形成する場合と比較して、作業時間と手間とを少なくすることが可能となり、高い生産性で半導体装置を製造することが可能となる。
実施形態1に係る半導体装置100によれば、第1元素過多領域及び第2元素過多領域を含み、割れが周囲に伝播しにくい性質を有する不均化層130を備えるため、半導体装置を製造する過程において第2主面側に割れが生じた場合であっても、当該割れが第2主面側から化合物半導体ウェーハW内部に伝播してしまうことを防ぐことが可能となる。その結果、半導体層110の割れや欠けが少なく高品質な半導体装置となる。
また、実施形態1に係る半導体装置100によれば、化合物半導体における原子同士の結合が切断された不均化層130を備えるため、半導体装置を製造する過程において不均化層130を研削したとき、不均化層130の表面が荒れやすくなり、電極層140を形成する際、不均化層130と電極層140との間の接触総面積を増大させることが可能となる。その結果、半導体層110と電極層140との間の電気抵抗が低下し、半導体層110と電極層140との良好なオーミック接続を実現することが可能な半導体装置となる。
[実施形態2]
図5は、実施形態2における不均化層形成工程S30を説明するために示す図である。
実施形態2に係る半導体装置の製造方法は、基本的には実施形態1に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を含むが、素子形成深さより深い深さ領域の全部に不均化層を形成する点が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態2における不均化層形成工程S30においては、図5に示すように、素子形成深さ(素子120が形成された深さ)より深い深さ領域の全部に不均化層130を形成する。
実施形態2における不均化層形成工程S30においては、素子形成深さより深い深さ領域を2段階の深さに分けてそれぞれスキャンすることによって、素子形成深さより深い深さ領域の全部に不均化層130を形成する。なお、レーザ光をデフォーカスすることによって、素子形成深さより深い深さ領域の全部に不均化層130を形成してもよい。
このように、実施形態2に係る半導体装置の製造方法は、素子形成深さより深い深さ領域の全部に不均化層を形成する点が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なるが、実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合と同様に、不均化層形成工程S30で、第1元素過多領域及び第2元素過多領域を含み、割れが周囲に伝播しにくい性質を有する不均化層130を形成し、それに続く研削工程S40で、不均化層130が所定の厚さとなるように化合物半導体ウェーハWを研削することとしているため、研削工程S40中に第2主面側に割れが生じた場合であっても、当該割れが第2主面側から化合物半導体ウェーハW内部に伝播してしまうことを防ぐことが可能となる。その結果、高品質な半導体装置を製造することが可能となる。
また、実施形態2に係る半導体装置の製造方法によれば、不均化層130が化合物半導体の結合を切断して形成されることになるため、研削工程S40を実施することにより不均化層130の表面が荒れやすくなり、電極層形成工程S50において電極層140を形成する際、不均化層130と電極層140との間の接触総面積を増大させることが可能となる。その結果、半導体層110と電極層140との間の電気抵抗が低下し、半導体層110と電極層140との良好なオーミック接続を実現することが可能な半導体装置を製造することが可能となる。
また、実施形態2に係る半導体装置の製造方法によれば、素子形成深さより深い深さ領域の全部に不均化層130を形成するため、素子形成深さより深い深さ領域の一部に不均化層130を形成した場合と比較して、研削工程S40において研削効率を高めることが可能となる。さらにまた、不均化層130は、割れや欠けが周囲に伝播しにくい性質を有すため、化合物半導体ウェーハWの割れや欠けの発生を防ぐことが可能となり、ひいては、高品質な半導体装置を高い歩留まりで製造することが可能となる。
なお、実施形態2に係る半導体装置の製造方法は、素子形成深さより深い深さ領域の全部に不均化層を形成する点以外の点においては実施形態1に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を有するため、実施形態1に係る半導体装置の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態3]
図6は、実施形態3における不均化層形成工程S30を説明するために示す図である。
実施形態3に係る半導体装置の製造方法は、基本的には実施形態1に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を含むが、レーザ光を照射する方向が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態3おける不均化層形成工程S30においては、図6に示すように、化合物半導体ウェーハWの第2主面側からレーザ光を照射することによって不均化層130を形成する。
このように、実施形態3に係る半導体装置の製造方法は、レーザ光を照射する方向が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なるが、実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合と同様に、不均化層形成工程S30で、第1元素過多領域及び第2元素過多領域を含み、割れが周囲に伝播しにくい性質を有する不均化層130を形成し、それに続く研削工程S40で、不均化層130が所定の厚さとなるように化合物半導体ウェーハWを研削することとしているため、研削工程S40中に第2主面側に割れが生じた場合であっても、当該割れが第2主面側から化合物半導体ウェーハW内部に伝播してしまうことを防ぐことが可能となる。その結果、高品質な半導体装置を製造することが可能となる。
また、実施形態3に係る半導体装置の製造方法によれば、不均化層130が化合物半導体の結合を切断して形成されることになるため、研削工程S40を実施することにより不均化層130の表面が荒れやすくなり、電極層形成工程S50において電極層140を形成する際、不均化層130と電極層140との間の接触総面積を増大させることが可能となる。その結果、半導体層110と電極層140との間の電気抵抗が低下し、半導体層110と電極層140との良好なオーミック接続を実現することが可能な半導体装置を製造することが可能となる。
また、実施形態3に係る半導体装置の製造方法によれば、化合物半導体ウェーハWの第2主面側からレーザ光を照射することによって不均化層130を形成するため、第1主面側に形成された素子120にレーザ光が与える影響を低減することが可能となる。
なお、実施形態3に係る半導体装置の製造方法は、レーザ光を照射する方向以外の点においては実施形態1に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を有するため、実施形態1に係る半導体装置の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態4]
図7は、実施形態4における不均化層形成工程S30を説明するために示す図である。
実施形態4に係る半導体装置の製造方法は、基本的には実施形態3に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を含むが、素子形成深さより深い深さ領域の全部に不均化層130を形成する点が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態4における不均化層形成工程S30においては、図7に示すように、素子形成深さ(素子120が形成された深さ)より深い深さ領域の全部に不均化層130を形成する。
実施形態4における不均化層形成工程S30においては、素子形成深さより深い深さ領域を2段階の深さに分けてそれぞれスキャンすることによって、素子形成深さより深い深さ領域の全部に不均化層130を形成する。なお、レーザ光をデフォーカスすることによって、素子形成深さより深い深さ領域の全部に不均化層130を形成してもよい。
このように、実施形態4に係る半導体装置の製造方法は、素子形成深さより深い深さ領域の全部に不均化層130を形成する点が実施形態3に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なるが、実施形態3に係る半導体装置の製造方法の場合と同様に、不均化層形成工程S30で、第1元素過多領域及び第2元素過多領域を含み、割れが周囲に伝播しにくい性質を有する不均化層130をい形成し、それに続く研削工程S40で、不均化層130が所定の厚さとなるように化合物半導体ウェーハWを研削することとしているため、研削工程S40中に第2主面側に割れが生じた場合であっても、当該割れが第2主面側から化合物半導体ウェーハW内部に伝播してしまうことを防ぐことが可能となる。その結果、高品質な半導体装置を製造することが可能となる。
また、実施形態4に係る半導体装置の製造方法によれば、不均化層130が化合物半導体の結合を切断して形成されることになるため、研削工程S40を実施することにより不均化層130の表面が荒れやすくなり、電極層形成工程S50において電極層140を形成する際、不均化層130と電極層140との間の接触総面積を増大させることが可能となる。その結果、半導体層110と電極層140との間の電気抵抗が低下し、半導体層110と電極層140との良好なオーミック接続を実現することが可能な半導体装置を製造することが可能となる。
また、実施形態4に係る半導体装置の製造方法によれば、素子形成深さより深い深さ領域の全部に不均化層130を形成するため、素子形成深さより深い深さ領域の一部に不均化層130を形成した場合と比較して、研削工程S40において研削効率を高めることが可能となる。その一方で不均化層130は、割れや欠けが周囲に伝播しにくい性質を有すため、化合物半導体ウェーハWの割れや欠けの発生を防ぐことが可能となり、ひいては、高品質な半導体装置を高い歩留まりで製造することが可能となる。
なお、実施形態4に係る半導体装置の製造方法は、素子形成深さより深い深さ領域の全部に不均化層130を形成する点以外の点においては実施形態3に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を有するため、実施形態3に係る半導体装置の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態5]
図8は、実施形態5における不均化層形成工程S30を説明するために示す図である。
実施形態5に係る半導体装置の製造方法は、基本的には実施形態4に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を含むが、不均化層形成工程の内容が実施形態2に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態5における不均化層形成工程S30においては、図8に示すように、化合物半導体ウェーハWの第2主面側で発生させたアーク放電によって不均化層130を形成する。
不均化層形成工程S30において、アーク放電を発生させる方法は適宜の方法を用いることができるが、例えば、電源装置310と、当該電源装置と電気的に接続され所定の間隔で離間して配置された陰極及び陽極を有する放電部320とを備えるアーク放電装置300を用いてアーク放電を発生させることができる。当該陰極及び陽極に高電圧をかけることでアーク放電を発生させ、このアーク放電によって不均化層130を形成する。陽極及び陰極の間の電圧は数千Vである。
このように、実施形態5に係る半導体装置の製造方法は、不均化層形成工程の内容が実施形態4に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なるが、実施形態4に係る半導体装置の製造方法の場合と同様に、不均化層形成工程S30で、第1元素過多領域及び第2元素過多領域を含み、割れが周囲に伝播しにくい性質を有する不均化層130を形成し、それに続く研削工程S40で、不均化層130が所定の厚さとなるように化合物半導体ウェーハWを研削することとしているため、研削工程S40中に第2主面側に割れが生じた場合であっても、当該割れが第2主面側から化合物半導体ウェーハW内部に伝播してしまうことを防ぐことが可能となる。その結果、高品質な半導体装置を製造することが可能となる。
また、実施形態5に係る半導体装置の製造方法によれば、不均化層130が化合物半導体の結合を切断して形成されることになるため、研削工程S40を実施することにより不均化層130の表面が荒れやすくなり、電極層形成工程S50において電極層140を形成する際、不均化層130と電極層140との間の接触総面積を増大させることが可能となる。その結果、半導体層110と電極層140との間の電気抵抗が低下し、半導体層110と電極層140との良好なオーミック接続を実現することが可能な半導体装置を製造することが可能となる。
また、実施形態5に係る半導体装置の製造方法によれば、化合物半導体ウェーハWの第2主面側で発生させたアーク放電によって不均化層130を形成することから、レーザ光を照射することによって不均化層130を形成する場合と比較して、不均化層130を容易に形成することが可能となる。
なお、実施形態5に係る半導体装置の製造方法は、不均化層形成工程の内容が異なる点以外の点においては実施形態4に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を有するため、実施形態4に係る半導体装置の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態6]
図9は、実施形態6に係る半導体装置200を説明するために示す図である。
実施形態6に係る半導体装置200は、基本的には実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するが、パワーMOSFETである点が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なる。すなわち、実施形態6に係る半導体装置200は、図9に示すように、n型半導体層212及びn型半導体層214を有する半導体層210と、ボディ領域222及びソース領域224を有する素子220と、不均化層230と、電極層240(ドレイン電極層)と、ソース電極層250と、ゲート電極層260と、層間絶縁膜262と、ゲート絶縁膜264とを備えるパワーMOSFET(プレーナーゲート型のパワーMOSFET)である。
このように、実施形態6に係る半導体装置200は、パワーMOSFETである点が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なるが、実施形態1に係る半導体装置100の場合と同様に、第1元素過多領域及び第2元素過多領域を含み、割れが周囲に伝播しにくい性質を有する不均化層230を備えるため、半導体装置を製造する過程において第2主面側に割れが生じた場合であっても、当該割れが第2主面側から化合物半導体ウェーハW内部に伝播してしまうことを防ぐことが可能となる。その結果、半導体層210の割れや欠けが少ない高品質な半導体装置となる。
また、実施形態6に係る半導体装置200によれば、化合物半導体の結合が切断された不均化層230を備えるため、半導体装置を製造する過程において不均化層230を研削したとき、不均化層230の表面が荒れやすくなり、電極層240を形成する際、不均化層230と電極層240との間の接触総面積を増大させることが可能となる。その結果、半導体層210と電極層240との間の電気抵抗が低下し、半導体層210と電極層240との良好なオーミック接続を実現することが可能な半導体装置となる。
なお、実施形態6に係る半導体装置200は、パワーMOSFETである点以外の点においては実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る半導体装置100が有する効果のうち該当する効果を有する。
[試験例]
本試験例は、不均化層形成工程(例えばアーク放電工程)により、化合物半導体ウェーハ(SiCウェーハ)を構成する元素(Si,C)のうち第1元素(Si)を化学量論式で表されるよりも多く含有する第1元素過多領域及び第2元素(C)を化学量論式で表されるよりも多く含有する第2元素過多領域を含む不均化層を形成可能であることを確認するための試験例である。
1.不均化層の形成
化合物半導体ウェーハとしてのSiCウェーハの表面近傍でアーク放電をさせることによりSiCウェーハの表面に不均化層を形成し、その後、形成された不均化層を顕微鏡により観察した。図10は、試験例において形成された不均化層を示す写真である。図10に示すように、不均化層は、白い領域R1と、当該白い領域R1の中に点在する黒い領域R2とを含む。
2.評価方法
次に、エネルギー分散型X線分析(Energy Dispersive X-ray spectroscopy,EDX)を用いて、上記した白い領域R1及び黒い領域R2のそれぞれにおいて、珪素(Si)及び炭素(C)の濃度を測定した。
3.評価結果
図11は、白い領域R1及び黒い領域R2における珪素(Si)及び炭素(C)の濃度を示す図表である。図11からもわかるように、白い領域R1においては、Siの元素濃度が76.45mol%であり、Cの元素濃度が20.68mol%である。従って、白い領域R1においては、SiCウェーハを構成する元素(Si,C)のうち第1元素(Si)を化学量論式で表されるよりも多く含有することから、白い領域R1は、本発明における第1元素過多領域である。また、黒い領域R2においては、Siの元素濃度が14.78mol%であり、Cの元素濃度が82.18mol%である。従って、黒い領域R2においては、第1元素(Si)とは別の第2元素(C)を化学量論式で表されるよりも多く含有することから、黒い領域R2は、本発明における第2元素過多領域である。これらのことから、本試験例によれば、不均化層形成工程(アーク放電工程)により、化合物半導体ウェーハ(SiCウェーハ)を構成する元素(Si,C)のうち第1元素(Si)を化学量論式で表されるよりも多く含有する第1元素過多領域及び第2元素(C)を化学量論式で表されるよりも多く含有する第2元素過多領域を含む不均化層を形成可能であることが確認できた。
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記各実施形態においては、不均化層形成工程S30の前に素子形成工程S20を実施した場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、不均化層形成工程S30と研削工程S40との間に素子形成工程S20を実施した場合であっても本発明を適用可能である。
(2)上記各実施形態においては、素子形成深さより深い深さ領域の一部又は全部に不均化層130を形成した場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、化合物半導体ウェーハWの中心部においては素子形成深さより深い深さ領域の全部に不均化層130を形成し、化合物半導体ウェーハWの周辺部においては素子形成深さより深い深さ領域の一部に不均化層130を形成した場合であっても本発明を適用可能である。
(3)上記実施形態1〜5においては、半導体装置がショットキーバリアダイオードである場合を、上記実施形態6においては、半導体装置がパワーMOSFETである場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、半導体装置が、pnダイオード、IGBT又はサイリスターである場合であっても本発明を適用可能である。
(4)上記各実施形態においては、n型半導体層112と、n型半導体層112上にエピタキシャル法によって形成されたn型半導体層114とを有する半導体層110を有する化合物半導体ウェーハを用いる場合を例にとって本願発明の発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。n型半導体層と、n型半導体層にイオン拡散法によって形成されたn型半導体層とを有する半導体層を有する化合物半導体ウェーハを用いた場合であっても本発明を適用可能である。
(5)上記実施形態1〜4においては、紫外線レーザ光を照射することによって不均化層130を形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、可視光レーザ光(例えば、グリーンレーザ光)を照射することによって不均化層130を形成してもよい。
(6)上記各実施形態においては、化合物半導体ウェーハとして、SiCウェーハを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。化合物半導体ウェーハとして、2以上の元素からなる化合物半導体ウェーハを用いればよく、例えば、GaNウェーハ、GaAsウェーハ又はInPウェーハ等を用いてもよい。
(7)上記試験例においては、アーク放電工程によって第1元素過多領域及び第2元素過多領域を含む不均化層を形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。アーク放電工程以外の不均化層形成工程(例えばレーザ光照射工程)によっても第1元素過多領域及び第2元素過多領域を含む不均化層を形成することができる。
100,200…半導体装置、110,210,910…半導体層、112,222…n型半導体層、224,114…n型半導体層、120,220…素子、222…ボディ領域、224…ソース領域、130,230…不均化層、140,240,940…電極層、150…バリアメタル層、160…アノード電極、170…絶縁保護膜、250…ソース電極層、260…ゲート絶縁膜、262…層間絶縁膜、264…ゲート絶縁膜、300…アーク放電装置、310…電源装置、320…放電部、950…エミッタ電極、960…酸化膜、M…マスク、W…(化合物)半導体ウェーハ

Claims (10)

  1. 2以上の元素からなる化合物半導体ウェーハにおいて、前記化合物半導体ウェーハの第1主面側における素子形成深さより深い深さ領域に、前記化合物半導体ウェーハを構成する元素のうち第1元素を化学量論式で表されるよりも多く含有する第1元素過多領域及び前記第1元素とは別の第2元素を化学量論式で表されるよりも多く含有する第2元素過多領域を含む不均化層を形成する不均化層形成工程と、
    前記不均化層が所定の厚さとなるように、前記第1主面側とは反対側の第2主面側から前記化合物半導体ウェーハを研削する研削工程と、
    前記第2主面側における前記不均化層の表面に電極層を形成する電極層形成工程と、
    前記化合物半導体ウェーハをそれぞれが半導体チップとなる複数の領域に分割するダイシング工程とをこの順序で含み、
    前記不均化層形成工程においては、前記研削工程後の前記化合物半導体ウェーハの第2主面の表面に前記不均化層が残存することとなる深さ領域に前記不均化層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記化合物半導体ウェーハは、SiCウェーハであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記不均化層形成工程においては、前記化合物半導体ウェーハの前記第1主面側又は前記第2主面側からレーザ光を照射することによって前記不均化層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記不均化層形成工程においては、紫外線レーザ光を照射することによって前記不均化層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記不均化層形成工程においては、前記化合物半導体ウェーハの前記第2主面側で発生させたアーク放電によって前記不均化層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
    前記不均化層形成工程の前に、前記化合物半導体ウェーハの第1主面側に素子を形成する素子形成工程をさらに含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
    前記不均化層形成工程と前記研削工程との間に、前記化合物半導体ウェーハの第1主面側に素子を形成する素子形成工程をさらに含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
    前記不均化層形成工程においては、前記素子形成深さより深い深さ領域の一部に前記不均化層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
    前記不均化層形成工程においては、前記素子形成深さより深い深さ領域の全部に前記不均化層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 化合物半導体ウェーハをダイシングにより分割して製造された半導体装置であって、
    半導体層と、
    前記半導体層の第1主面側に形成されている素子と、
    前記化合物半導体ウェーハの第1主面側における素子形成深さより深い深さ領域であって、前記半導体層における前記第1主面の反対側の第2主面の表面からの厚さが所定の厚さとなる深さ領域に形成され、前記化合物半導体ウェーハを構成する元素のうち第1元素を化学量論式で表されるよりも多く含有する第1元素過多領域及び前記第1元素とは別の第2元素を化学量論式で表されるよりも多く含有する第2元素過多領域を含む不均化層と、
    前記第2主面側における前記不均化層の表面に形成されている電極層とを備えることを特徴とする半導体装置。
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