JP6034650B2 - 回転角検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気抵抗効果素子を用いて、回転体の回転軸周りの回転角を検出する回転角検出装置に関する。
従来から、磁気抵抗効果素子を用いて、回転体の回転軸周りの回転角を検出する回転角検出装置として、下記特許文献1,2に記載された回転角検出装置が知られている。下記特許文献1に示された回転角検出装置は、回転体に固定されて回転体の回転軸に直交するとともに前記回転軸を中心とする円形平面を有する円柱状に形成されていて、前記回転軸を含む平面の両側をN極とS極に分極した磁石と、磁石の前記円形平面に対向して配置された磁気センサとを備えている。磁気センサは、回転体の回転軸に直交する平面内にて回転軸で直交する2つの直線上であって回転軸位置から等距離にある4箇所にて基板上にそれぞれ設けられて、回転軸に直交する平面内における磁界強度に応じて抵抗値がそれぞれ変化する磁気抵抗効果素子と、基板に対向するように配置されて前記回転軸を中心に放射状の磁界を発生するバイアス磁石とからなる。
磁気抵抗効果素子は、Fe−Ni合金からなる長尺状の異方性磁気抵抗効果素子(以下、AMR素子という)を折り返して、いわゆるすだれ状(くし歯状)に基板上にそれぞれ形成されており、それらの延伸方向が、前記回転軸を挟む1対のAMR素子を結ぶ一つの直線に対して45度の角度となるようにそれぞれ配置されている。これらのAMR素子はブリッジ接続されており、回転体を回転軸周りに回転させると、ブリッジ回路から、回転体の1回転当たり1周期の正弦波信号であって、互いにπ/2の位相差を有するA相及びB相信号からなる正弦波信号が出力され、これらのA相及びB相信号からなる正弦波信号から、回転体の回転軸周りの回転角が検出される。
下記特許文献2に示された回転角検出装置は、前記AMR素子に代えて、基板上に設けられた異方性磁気抵抗効果素子であるスピンバルブ磁気抵抗効果素子(以下、SV−GMR素子という)を用いて、下記引用文献1の場合と同様に、基板と平行な磁界の回転角を検出するものである。これらのSV−GMR素子は、外部磁界に対して回転可能な強磁性膜である自由層と、スペーサとなる非磁性層と、外部磁界によって磁化の動かない強磁性膜である固定層と、固定層の磁化の向きを固定する反強磁性層と、反強磁性層を保護するキャップ層とからなる。そして、これらのSV−GMR素子は、回転体の回転軸に直交する2つの直線上であって、回転軸から等距離の位置にそれぞれ配置されているが、これらのSV−GMRの延伸方向はそれぞれ回転体の回転における接線方向に設定されるとともに、各固定層の磁化の向きはそれぞれ回転体の回転軸に向かう方向に設定されている。なお、このSV−GMR素子を用いた回転角検出装置においては、前記AMR素子の場合のようなバイアス磁石は存在しない。
SV−GMR素子は、前記特許文献1の場合と同様に、ブリッジ接続されており、外部磁界を前記中心軸線周りに回転させると、ブリッジ回路から、回転軸の1回転当たり1周期の正弦波信号であって、互いにπ/2の位相差を有するA相及びB相信号からなる正弦波信号が出力され、これらのA相及びB相信号からなる正弦波信号から、回転体の回転角が検出される。この場合、SV−GMR素子は、前記特許文献1のAMR素子に比べ、磁界強度の変化に対して数倍の磁気抵抗変化率を有し、ブリッジ回路から大きな出力信号を得ることができる。
また、近年、磁界強度の変化に対して大きな磁気抵抗変化率を有する等方性磁気抵抗効果素子も登場してきている。下記特許文献3には、Coを主成分とする磁性薄膜層と、Ni−Coを主成分とする磁性薄膜層とを、Cuを主成分とする金属非磁性薄膜層を介して交互に積層した磁気抵抗効果素子、いわゆる人工格子型の磁気抵抗効果素子が示されている。下記特許文献4には、強磁性金属原子であるFe原子を、Fe原子とは非固溶の関係にある非磁性金属原子であるAg内に散在させたFeAg合金からなる磁気抵抗効果素子、いわゆるグラニュラ薄膜型の磁気抵抗効果素子が示されている。これらの人工格子型及びグラニュラ薄膜型の磁気抵抗効果素子は、異方性ではなく、磁化されると等方的に抵抗値が小さくなる、いわゆる等方性磁気抵抗効果素子である。また、これらの人工格子型及びグラニュラ薄膜型の磁気抵抗効果素子は、AMR素子に比べ、磁界強度の変化に対して数倍の磁気抵抗変化率を有する。
特開2006−208025号公報 特開2001−159542号公報 特開平04−329683号公報 特開平06−169117号号公報
上記特許文献1に記載の回転角検出装置においては、バイアス磁石の磁極面からの放射状の磁界を利用しているために、異方性磁気抵抗効果素子である複数のAMR素子を1つの基板上で簡単に構成できるという利点があるが、AMR素子の磁気抵抗変化率が小さいためにブリッジ回路からの出力信号が小さいという問題と、磁気センサ側にバイアス磁石を設けなければならないという問題がある。これに対して、上記特許文献2に記載の回転角検出装置においては、SV−GMR素子がAMR素子の数倍の磁気抵抗変化率を有しているためにブリッジ回路からの出力信号が大きくなるという利点があるが、異方性磁気抵抗効果素子である複数のSV−GMR素子の固定層の磁化の方向をそれぞれ異ならせるために、複数のSV−GMR素子を1つの成膜基板上で同時に構成することは困難で、複数のSV−GMR素子を形成後に並び換えてリードフレーム、ガラスエポキシなどの固定基板上に配置する必要があり、磁気センサの製造に手間がかかるという問題がある。さらに、上記特許文献3,4は、材料としての等方性磁気抵抗効果素子である人工格子型及びグラニュラ薄膜型の磁気抵抗効果素子を示すのみで、等方性磁気抵抗効果素子の特性を踏まえた回転角検出装置を示すものではない。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、大きな出力信号を得ることが可能であり、かつ磁気センサを簡単に製造できる回転角検出装置を提供するものである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
上記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、回転軸周りに回転する回転体(11)に固定された磁石(10)と、回転体の回転軸に直交する平面内にて回転軸位置で直交する2つの直線上であって回転軸位置から等距離にある4箇所にて基板上にそれぞれ設けられて、回転軸に直交する平面内における磁界強度に応じて抵抗値をそれぞれ変化させる磁気抵抗効果素子(21〜24,21a〜24a,21b〜24b)を有する磁気センサとを備え、回転体の回転軸周りの回転角を検出する回転角検出装置において、磁気抵抗効果素子を、それぞれ等方性磁気抵抗効果素子で構成し、磁石は、円柱体を回転体の回転軸に平行な平面に沿って切取った方形状の切取り平面(10a)と、回転軸に直交する断面形状が円弧状である円弧状曲面(10b)とを有する形状を有し、回転軸方向に分極されており、かつ回転体の回転軸に直交する平面内の磁界強度が、回転軸を含む一つの第1平面に対して非対称となるとともに、回転軸を含み第1平面に直交する第2平面に対して対称となる磁界を発生することにある。
上記のように構成した本発明においては、回転体及び磁石を回転軸周りに回転させると、各磁気抵抗効果素子の位置における磁界強度の変化により、磁気抵抗効果素子の抵抗値が変化し、この磁気抵抗効果素子の抵抗値の変化に応じて変化する電圧を取出すことによって、回転体の回転角が検出される。そして、この本発明によれば、磁気抵抗効果素子として、人工格子型、グラニュラ薄膜型などの等方性磁気抵抗効果素子を用いているので、磁界強度の変化に応じた磁気抵抗効果素子の抵抗変化率が大きくなり、回転角の検出のために大きな出力電圧を取得できて、回転角の検出が良好となる。また、等方性磁気抵抗効果素子を用いたことにより、上記「発明が解決しようとする課題」の項で説明した、磁気抵抗効果素子としてAMR素子を用いた場合のようにバイアス磁石を必要とすることもなく、磁気抵抗効果素子としてSV−GMR素子を用いた場合のように固定層の磁化方向の問題もなくなるので、磁気センサを簡単に製造でき、ひいては回転角検出装置を簡単に構成できて、回転角検出装置を安価に製造できる。
そして、本発明の他の特徴は、回転体の回転軸に直交する平面内において、回転軸から磁気抵抗効果素子までの距離が、回転軸から磁石の円弧状曲面までの距離にそれぞれほぼ等しいことにある。これによれば、磁気抵抗効果素子により構成されるブリッジ回路から大きな出力電圧を得ることができるとともに、回転軸から切取り平面までの垂直距離が異なっていても、磁界強度差のピーク位置は変化せずに磁石の外径位置に維持されるので、前記垂直距離の誤差を許容できて、回転体の回転角を精度よく測定できる。
また、本発明の他の特徴は、回転体の回転軸に直交する平面内において、回転軸から磁気抵抗効果素子までの距離が、回転軸から磁石の切取り平面までの垂直距離にそれぞれほぼ等しいことにある。これによれば、磁気抵抗効果素子及び基板の外形を小さくでき、回転角検出装置を小型にすることができる。また、この場合には、径方向に沿った磁界強度差の曲線は緩慢になるので、基板と、磁石及び回転体との面方向での設置誤差に対して許容範囲を大きくすることができる。
また、本発明の他の特徴は、回転体の回転軸は、磁石における前記回転軸に直交する断面内に位置していることにある。これによれば、磁気抵抗効果素子で構成されるブリッジ回路からの出力電圧の振幅を大きくすることができ、回転角の測定精度が向上する。
また、本発明の他の特徴は、磁石を非磁性体で構成した円柱状のホルダ(12)で覆ったことにある。これによれば、磁石による回転むらが是正され、回転体の回転角を精度よく測定できる。
また、本発明の他の特徴は、磁気抵抗効果素子は、非磁性金属の母相中に、強磁性体からなる微粒子を分散させたグラニュラ薄膜でそれぞれ構成したことにある。これによれば、磁化飽和し難いことによって、磁界強度に応じた磁気抵抗効果素子の抵抗変化率をより大きくでき、回転角の検出のためにより大きな出力電圧を取得できて、回転角の検出がより良好となる。
本発明の一実施形態に係る回転角検出装置の斜視図である。 (A)は図1の回転角検出装置の平面図であり、(B)は図1の回転角検出装置の正面図である。 図1の回転角検出装置のブリッジ回路を示す電気回路図である。 前記ブリッジ回路からの出力信号の波形図である。 (A)は図1の回転角検出装置の磁石による磁界分布図であり、(B)は(A)の磁界分布図のP枠内の拡大図である。 各種磁気抵抗効果素子における磁界強度に応じた抵抗値の変化を測定するための電気回路図である。 前記抵抗値の変化の測定結果を示すグラフである。 (A)〜(C)は。基板上における磁気抵抗効果素子の感磁面のレイアウト図である。 (A)はフルブリッジ回路を構成する磁気抵抗効果素子の配置例を示す図であり、(B)は(A)の磁気抵抗効果素子を用いたフルフルブリッジ回路を示す電気回路図である。 (A)は磁石の斜視図であり、(B)〜(D)は磁石の切取り平面の位置を説明するための説明図である。 直径5mmである磁石における中心軸線を通り、切取り平面に直交する方向の磁界強度を表すグラフである。 直径7mmである磁石における中心軸線を通り、切取り平面に直交する方向の磁界強度を表すグラフである。 図11の磁界強度に基づく中心軸線から等距離位置の磁界強度差を表すグラフである。 図12の磁界強度に基づく中心軸線から等距離位置の磁界強度差を表すグラフである。 (A)〜(D)は、磁気抵抗効果素子を磁石の外径位置に配置した状態で、磁石が反時計回りに1回転する状態を説明するための説明図である。 (A)〜(D)は、磁気抵抗効果素子を磁石の切取り平面位置に配置した状態で、磁石が反時計回りに1回転する状態を説明するための説明図である。 (A)は前記実施形態の変形例に係る磁石部分の概略斜視図であり、(B)は同磁石部分の正断面図である。 (A)〜(D)は、他の変形例に係る磁石の概略斜視図である。
a.実施形態
以下、本発明の一実施形態について、図1及び図2を用いて説明する。図1は一実施形態に係る回転角検出装置の斜視図であり、図2(A)は回転角検出装置の平面図であり、図2(B)は回転角検出装置の正面図である。
この回転角検出装置は、円柱状に形成されて中心軸線(回転軸)Lz周りに回転する回転体11の先端部に固定された磁石10と、磁石10の回転に伴う磁界の変化を検出する磁気センサ20とを有する。磁石10は、円柱体を中心軸線Lzに平行な平面に沿って切取った(いわゆるDカットした)方形状の切取り平面10aと、中心軸線Lzに直交する断面形状が円弧状である円弧状曲面10bとを有する形状を有し、中心軸線Lzを同一にして回転体11の先端部に固定されている。なお、前記円柱体を平行な平面に沿って切取ったという表現は、磁石10の形状を説明するもので、円柱体の側面部を実際に切削して磁石10を前記形状に形成してもよいし、前記形状に対応した金型を用いて磁石10を前記形状に一体成形してもよい。なお、切取り平面10a及び円弧状曲面10bから中心軸線Lzまでの距離については、実験結果を混じえて詳しく後述する。
この磁石10は、中心軸線Lzの軸線方向にN極とS極に分極されていて、中心軸線Lzに直交する平面内の磁界強度が、中心軸線Lzを含み切取り平面10aに平行な平面(図1の中心軸線Lzを含むY−Z平面)に対して非対称となり、中心軸線Lzを含み切取り平面10aと直交する平面(図1の中心軸線Lzを含むX−Z平面)に対称となる磁界を発生する。言い換えれば、磁石10は、中心軸線Lzに直交する平面内の磁界強度が、中心軸線Lzを含む一つの第1平面に対して非対称となり、中心軸線Lzを含み第1平面と直交する第2平面に対して対称となる磁界を発生する。なお、図示では、下側をN極とするとともに、上側をS極としているが、これらの上下関係は逆でもよい。
図5(A)は、磁石10及び後述する基板25部分において、この中心軸線Lzに直交する平面内の磁界の方向及び強度を矢印で表す磁界分布を示している。図5(B)は、図5(A)の磁界分布図のP枠内の拡大図である。図5(A)(B)は、磁石10の半径が2.5mmで、切取り平面10aから直線Lyまでの距離が1mmであり、磁石10の底面(軸線方向の先端面)から中心軸線Lz方向の距離が1mmである中心軸線Lzに直交する平面内の磁界のシミュレーション図である。このシミュレーション図から、平面内の磁界の向きが一定でないことが理解できる。特に、図5(B)より、任意の面積をもつ感磁面内では、磁界方向が揃っていないことが分かる。異方性磁気抵抗効果素子を用いた場合、感磁面内で磁界方向が異なり、効率的な抵抗変化率を得ることができない。本発明は、等方性磁気抵抗効果素子の「得られる抵抗変化は磁界と電流の相対角度にならず、磁界強度の大きさが同じであれば磁気抵抗変化率は一定となる」という性質を利用することで、効率的な抵抗変化率を得ることができる。
磁気センサ20は磁気抵抗効果素子21,22,23,24を備え、これらの磁気抵抗効果素子21,22,23,24は、シリコン又はガラスで構成した基板25上に薄膜状に形成されている。磁気抵抗効果素子21,22,23,24は、強磁性薄膜層(Ni−Co、Ni−Fe−Co)と、金属非磁性薄膜層(Cu)とを繰返し成膜した数10層の磁性薄膜層及び金属非磁性薄膜層からなる等方性磁気抵抗効果素子(以下、人工格子型の磁気抵抗効果素子という)、又は非磁性金属(Ag)である母体中に強磁性金属(Fe−Co)を分散させた等方性磁気抵抗効果素子(以下、グラニュラ薄膜型の磁気抵抗効果素子という)である。人工格子型の磁気抵抗効果素子の場合、例えば、強磁性薄膜層は、Ni,Coをそれぞれ50原子%の割合で混合したNi−Co合金、又はNi,Fe,Coをそれぞれ85原子%、15原子%、5原子%の割合で混合したNi−Fe−Co合金である。また、グラニュラ薄膜の磁気抵抗効果素子の場合、例えば、強磁性金属はFe,Coを同比率で混合したFe−Co合金であり、母体であるAgと、母体中に散在されるFe,Coの割合は、Agが70原子%であり、Feが15原子%であり、かつCoが15原子%である。なお、これらの比率は、前述した値近傍の値であればよい。
これらの等方性の磁気抵抗効果素子21,22,23,24は、薄膜長尺状の素子を小さな隙間を隔てて複数回折り返して、平面視にてすだれ状(くし歯状)に基板25上に構成されており、薄膜の平面内における方向とは無関係に同平面内の磁界強度が大きくなると、等方的に抵抗値が小さくなる性質を有する。なお、これらの等方性の人工格子型又はグラニュラ薄膜型の磁気抵抗効果素子の選択と、磁気抵抗効果素子21,22,23,24の形状及び延伸方向とについては、実験結果を混じえて詳しく後述する。
基板25は、回転体11の中心軸線Lzが基板25に対して垂直になるように、磁石10の先端下端面から所定距離(例えば、1mm程度)だけ隔てて、図示しない支持体に支持されて磁石10の先端下端面に対向して配置されている。磁気抵抗効果素子21,22,23,24は、基板25の上面にて中心軸線Lz位置にて直交する2つの直線Lx,Ly、すなわち中心軸線Lzに直交する平面内にて中心軸線Lz位置で直交する2つの直線Lx,Ly上であって、中心軸線Lz位置から等距離の位置にて基板25上に板状の面を平行にして形成されている。なお、磁気抵抗効果素子21,22,23,24の位置とは板状平面の中心位置(重心位置)を意味し、距離に関してはこの中心位置と他の位置との距離を意味する(以降の説明においても同じ)。これにより、磁気抵抗効果素子21,22,23,24の抵抗値は、それらの位置における基板25の上面に平行な任意の方向の磁界強度が大きくなるに従って小さくなる。中心軸線Lzから磁気抵抗効果素子21,22,23,24までの距離については、実験結果を混じえて詳しく後述する。
また、磁気抵抗効果素子21,22,23,24は、基板25上に設けた図示しない配線により、図3に示すように、ブリッジ接続されてブリッジ回路を構成している。このブリッジ回路においては、磁気抵抗効果素子21,24の接続点には一定電圧Vccが印加されるとともに磁気抵抗効果素子22,23の接続点は接地されており、磁気抵抗効果素子21,23の接続点からA相電圧OutAが出力されるとともに、磁気抵抗効果素子22,24の接続点からB相電圧OutBが出力されるようになっている。そして、回転体11が中心軸線Lz周りに回転すると、磁石10も中心軸線Lz周りに回転し、ブリッジ回路からはA相電圧OutA及びB相電圧OutBが出力される。これらのA相電圧OutA及びB相電圧OutBは、磁石10の1回転当たり正弦波状に変化する1周期の信号であり、互いにπ/2の位相差を有する。これにより、上記説明した回転角検出装置によれば、A相電圧OutA及びB相電圧OutBを用いて、周知の方法により、回転体11の中心軸線周りの回転角θを0〜2πにわたって検出することができる。
このように構成した上記実施形態による回転角検出装置においては、磁気抵抗効果素子21〜24として、人工格子型、グラニュラ薄膜型などの等方性磁気抵抗効果素子を用いているので、磁界強度の変化に応じた磁気抵抗効果素子21〜24の抵抗変化率を大きくでき、回転角の検出のために大きな出力電圧を取得できて、回転角の検出が良好となる。また、等方性磁気抵抗効果素子を用いたことにより、上記「発明が解決しようとする課題」の項で説明した、磁気抵抗効果素子としてAMR素子を用いた場合のようにバイアス磁石を必要することもなく、磁気抵抗効果素子としてSV−GMR素子を用いた場合のように固定層の磁化方向の問題もなくなるので、磁気センサ20を簡単に製造でき、ひいては回転角検出装置を簡単に構成できて、回転角検出装置を安価に製造できる。
b.人工格子型又はグラニュラ薄膜型の磁気抵抗効果素子の選択について
次に、上記磁気抵抗効果素子21,22,23,24を人工格子型で構成するか、グラニュラ薄膜型で構成するかの選択について説明する。ここで、上記実施形態で説明した
強磁性薄膜層であるNi−Fe−Co合金と金属非磁性薄膜層であるCuとを積層した人工格子膜型の等方性磁気抵抗効果素子と、上記実施形態で説明した非磁性金属Agである母体中に強磁性金属合金Fe−Coを分散させたグラニュラ薄膜型の等方性磁気抵抗効果素子と、上記「背景技術」の項で説明した異方性磁気抵抗効果素子であるAMR素子とを用意した。この場合、いずれの磁気抵抗効果素子も、100μm×5μmのアスペクト比20の長尺状かつ薄膜状に形成されている。
そして、これらの磁気抵抗効果素子の磁界強度に応じて抵抗値の変化量を測定するために、図6に示すように、これらの磁気抵抗効果素子Rを、磁気抵抗効果素子Rと同等の抵抗値をもつ各固定抵抗r1に直列に接続し、両端に電圧5Vを印加するとともに、磁気抵抗効果素子Rの薄膜状の面に平行な磁界Hの強度を変化させて、磁気抵抗効果素子Rと固定抵抗r1との接続点の出力電圧Voutを測定した。なお、固定抵抗r1として磁気抵抗効果素子Rと同等の抵抗値を有するものを利用した理由は、磁気抵抗効果素子Rの抵抗値が、人工格子膜型の等方性磁気抵抗効果素子、グラニュラ薄膜型の等方性磁気抵抗効果素子及び異方性磁気抵抗効果素子であるAMR素子の抵抗値とそれぞれ異なるためである。また、AMR素子の場合には、磁界Hの方向を磁気抵抗効果素子Rの延伸方向と直交する方向(図示、実線矢印方向)とし、人工格子膜型及びグラニュラ薄膜型の磁気抵抗効果素子Rの場合には、磁界Hの方向を磁気抵抗効果素子Rの延伸方向と直交する方向(図示、実線矢印方向)と、前記延伸方向に平行である方向(図示、破線矢印方向)との2種類で測定した。また、磁界Hの強度は、磁界Hの方向が矢印方向である場合を正とし、その逆を負とする。そして、測定結果を、図7のグラフに示す。
このグラフによれば、人工格子膜型及びグラニュラ薄膜型の磁気抵抗効果素子Rの場合には、等方性であるために、磁界Hの方向とは無関係に、抵抗値が磁界強度に応じて変化することが確認された。また、AMR素子に比べて、人工格子型の等方性磁気抵抗効果素子では5kA/m以上の磁界強度、及びグラニュラ薄膜型の等方性磁気抵抗効果素子では20kA/m以上の磁界強度で、異方性のAMR素子の2倍以上の出力が得られることが分かる。したがって、異方性のAMR素子を使用する場合に比べて、等方性磁気抵抗効果素子を使用することでブリッジ回路から大きな出力電圧が得られ、等方性磁気抵抗効果素子を磁気センサ20に使用することが好ましい。また、人工格子型の等方性磁気抵抗効果素子は10kA/m程度の磁界強度で飽和するのに対して、グラニュラ薄膜型の等方性磁気抵抗効果素子は35kA/mの磁界強度でも飽和し難しい点を有しており、人工格子型の等方性磁気抵抗効果素子よりも、グラニュラ薄膜型の等方性磁気抵抗効果素子を磁気センサ20に使用することがより好ましい。
c.磁気抵抗効果素子の形状及び延伸方向について
次に、磁気抵抗効果素子21,22,23,24の形状及び延伸方向について説明する。図8は、基板25上における磁気抵抗効果素子21,22,23,24の感磁面のレイアウト図である。図8(A)(B)(C)においては、所定のアスペクト比もって延伸する4つの磁気抵抗効果素子21,22,23,24の感磁面は、それぞれ同じ形状及び大きさを有し、中心軸線Lzに直交するとともに互いに直交する2つの直線Lx(X軸線),Ly(Y軸線)上であって中心軸線Lzから等距離位置に配置されている。そして、図8(A)に示す磁気抵抗効果素子21,22,23,24においては、直線Ly上の磁気抵抗効果素子21,23に関しては直線Lyに平行に延伸させ、直線Lx上の磁気抵抗効果素子21,23に関しては直線Lxに直角に延伸させている。一方、図8(B)に示す磁気抵抗効果素子21,22,23,24においては、直線Ly上の磁気抵抗効果素子21,23に関しては直線Lyに直角に延伸させ、直線Lx上の磁気抵抗効果素子21,23に関しては直線Lxに直角に延伸させている。また、図8(C)に示す磁気抵抗効果素子21,22,23,24においては、図8(B)の磁気抵抗効果素子21,22,23,24の延伸方向の中心から両側部分を内側に向けて湾曲させている。
図8(A)(B)(C)に示した磁気抵抗効果素子21,22,23,24のレイアウトにおいては、図8(B)(C)の場合のレイアウトは中心軸線Lzに対して点対称となる形状であり、図8(A)の場合には中心軸線Lzに対して点対称とならない形状である。すなわち、図8(B)(C)の場合には、基板25を45度回転させたとき、磁気抵抗効果素子21,23及び磁気抵抗効果素子22,24は回転前の磁気抵抗効果素子24,22及び磁気抵抗効果素子21,23にそれぞれ重なるようなレイアウトである。一方、図8(A)の場合には、そのようにはならないレイアウトである。
そして、図8(B)(C)のように中心軸線Lzに対して点対称であるレイアウトの場合には、ブリッジ回路から出力される出力電圧OutA、OutB(図3参照)の波形は、位相がπ/2異なる点以外でほぼ同じであるのに対して、図8(A)のように中心軸線Lzに対して点対称でないレイアウトの場合には、ブリッジ回路から出力される出力電圧OutA、OutBの波形には若干の差が生じる。したがって、図8(B)(C)のレイアウトの場合には、図8(A)の場合に比べて、オフセット電圧、出力電圧OutA、OutBの信号比などの諸特性で有利に働く。具体的には、例えば、回転角を求めるためのtan-1(OutA/OutB)からも理解できるように、出力電圧OutA、OutBの差が少ない図8(B)(C)の点対称のレイアウトの方が、図8(A)の点対称でないレイアウトの場合よりも好ましい。
なお、図8(B)においては、直線Ly上の磁気抵抗効果素子21,23を直線Lyに直角に延伸させ、直線Lx上の磁気抵抗効果素子21,23を直線Lxに直角に延伸させているが、磁気抵抗効果素子21,22,23,24は等方性であるので、直線Ly上の磁気抵抗効果素子21,23を直線Lyに平行に延伸させ、直線Lx上の磁気抵抗効果素子21,23を直線Lxに平行に延伸させるようにしてもよい。また、図8(C)に示す磁気抵抗効果素子21,22,23,24においては、図8(B)の磁気抵抗効果素子21,22,23,24の延伸方向の中心から両側部分を内側に向けて湾曲させているが、図8(B)の磁気抵抗効果素子21,22,23,24の延伸方向の中心から両側部分を外側に向けて湾曲させてもよい。このような、図8(B)(C)の変形例においても、磁気抵抗効果素子21,22,23,24のレイアウトは中心軸線Lzに対して点対称となるので、前記図8(B)(C)と同様な効果が期待できて、図8(A)の点対称でない場合よりも好ましい。
また、前述した磁気抵抗効果素子21,22,23,24のレイアウトにおいては、ハーフブリッジを構成する4つの磁気抵抗効果素子21,22,23,24のレイアウトについて説明した。しかし、本発明は、フルブリッジ回路を構成する8つの磁気抵抗効果素子を用いた場合にも適用されるものである。この場合、図9(A)に示すように、磁気抵抗効果素子21a,21bを直線Lyに対して対称近傍位置に配置し、磁気抵抗効果素子23a,23bを直線Lyに対して対称近傍位置に配置し、磁気抵抗効果素子22a,22bを直線Lxに対して対称近傍位置に配置し、かつ磁気抵抗効果素子24a,24bを直線Lxに対して対称近傍位置に配置する。これらの磁気抵抗効果素子21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24aの場合も、それらの形状及び大きさはそれぞれ同じであり、中心軸線Lzからの距離もそれぞれ等しい。そして、これらの磁気抵抗効果素子21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24aにおいては、それらの延伸方向を中心軸線Lzに対して点対称にするために、それらの長尺状の直線部分を中心軸線Lzを通る径方向に延伸させている。また、この場合も、前記図8(C)に示すように、それらの長尺状の延伸部分を湾曲させて、中心軸線Lzを円の中心とする円周方向に延伸させるようにしてもよい。
このように配置される磁気抵抗効果素子21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24aも、上述した実施形態と同様に、基板25上に形成されており、図示しない基板25上に設けた図示しない配線により、図9(B)に示すように、フルブリッジ接続されてフルブリッジ回路を構成している。このフルブリッジ回路においては、磁気抵抗効果素子21a,23aの直列回路と、磁気抵抗効果素子23b,21bの直列回路とが並列に接続され、磁気抵抗効果素子21a,23bの接続点には一定電圧Vccが印加されるとともに、磁気抵抗効果素子23a,21bの接続点は接地されており、磁気抵抗効果素子21a,23aの接続点及び磁気抵抗効果素子23b,21bの接続点からA相電圧+OutA,−OutAがそれぞれ出力される。また、磁気抵抗効果素子24a,22aの直列回路と、磁気抵抗効果素子22b,24bの直列回路とが並列に接続され、磁気抵抗効果素子24a,22bの接続点には一定電圧Vccが印加されるとともに、磁気抵抗効果素子22a,24bの接続点は接地されており、磁気抵抗効果素子24a,22aの接続点及び磁気抵抗効果素子22b,24bの接続点からB相電圧+OutB,−OutBがそれぞれ出力される。
そして、図示しない基板25上に設けた図示しない配線により、一対のA相電圧+OutA,−OutAの差電圧と、一対のB相電圧+OutB,−OutBの差電圧とを用いて、上記実施形態の同様に、回転体11の中心軸線周りの回転角θを0〜2πにわたって検出することができる。これによれば、ハーフブリッジの場合に比べて、回転角の検出の際に、ノイズが低減されるとともに、出力電圧を2倍にできるという効果がある。
d.各種距離について
次に、切取り平面10a及び円弧状曲面10bから中心軸線Lzまでの距離、中心軸線Lzから磁気抵抗効果素子21,22,23,24までの距離の決定について説明する。これらの距離の決定のために、上述した図1と同様な切取り平面10aを有する形状の第1群及び第2群からなる2群の磁石10を用意する。第1群の磁石10は半径(中心軸線Lzから円弧状曲面10bまでの距離)が2.5mmであり、第2群の磁石10は半径が3.5mmである。以下、第1群の磁石10をφ5の磁石と呼び、第2群の磁石10をφ7の磁石と呼ぶ。そして、図10(A)に示すように、中心軸線Lzから切取り平面10aまでの距離をDカット寸法dとし、第1群及び第2群の磁石10において、それぞれDカット寸法dを種々に変更した複数種類の磁石10を用意する。この場合、Dカット寸法dに関しては、図10(B)に示すように、中心軸線Lzが磁石10の平断面外部にあって切取り平面10aに平行に対向している場合(すなわち、円弧状曲面10bから切取り平面10aまでの最大垂直距離が半径より小さい場合)には、Dカット寸法dを負で表す。図10(C)に示すように、中心軸線Lzが切取り平面10a上にある場合(すなわち、円弧状曲面10bから切取り平面10aまでの最大垂直距離が半径に等しい場合)には、Dカット寸法dは「0」とする。図10(D)に示すように、中心軸線Lzが磁石10の平断面内部にあって切取り平面10aに平行に対向している場合(すなわち、円弧状曲面10bから切取り平面10aまでの最大垂直距離が半径より大きい場合)には、Dカット寸法dを正で表す。
この場合、第1群の磁石10(φ5の磁石)においては、Dカット寸法dが−0.5mm、0mm、0.5mm、1.0mm、1.5mmの5種類の磁石を用意した。また、第2群の磁石10(φ7の磁石)においては、Dカット寸法dが−1.0mm、−0.5mm、0mm、0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mmの7種類の磁石を用意した。そして、磁石10の下面(先端面)より1mm隔てた中心軸線Lzに直交する平面内で、切取り平面10aに直交する方向すなわち直線Lxに沿った複数の位置で、中心軸線Lzと直交する平面内の磁界強度(mT)をシミュレーションにて取得した。
その結果を、第1群の磁石10(φ5の磁石)に関しては図11のグラフに示し、第2群の磁石10(φ7の磁石)に関しては図12のグラフに示す。なお、図11及び図12のグラフにおいて、横軸は前記直線Lxに沿った中心軸線Lzからの距離(mm)であり、この距離は、正により図10(A)(B)(C)における中心軸線Lzの右側位置の距離を表し、負により図10(A)(B)(C)における中心軸線Lzの左側位置の距離を表し、「0」により中心軸線Lz位置を表している。また、縦軸における磁界強度は、磁界の方向を考慮すると、図10(A)(B)(C)における中心軸線Lzの右側と左側では実際には正負で表すべきところであるが、本発明で利用する磁気抵抗効果素子21,22,23,24(又は21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24b)においては、抵抗値の変化は磁界の方向には影響しないので、磁界強度を絶対値で表している。図11及び図12のグラフから、磁界強度の絶対値は、切取り平面10a及び円弧状曲面10b位置にてピークとなることが分かる。
次に、磁気抵抗効果素子21,22,23,24(又は21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24b)の感磁面は、前述の説明のように、中心軸線Lzに直交する平面内にて中心軸線Lzから等距離に位置する。そして、磁気センサ20においては、この中心軸線Lzに対して点対称位置にある磁気抵抗効果素子21,22,23,24(又は21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24b)の抵抗値の差に応じてA相電圧OutA及びB相電圧Out(又はA相電圧+OutA,−OutAの差電圧、及びB相電圧+OutB,−OutBの差電圧)が取出されるので、図11及び図12の0位置より正側及び負側で同距離の磁界強度差を算出した。そして、中心軸線Lzからの絶対距離(センサ感磁面位置)(mm)を横軸にして、前記磁界強度差(mT)を縦軸として、第1群の磁石10(φ5の磁石)に関するグラフを図13に示すとともに、第2群の磁石10(φ7の磁石)に関するグラフを図14に示す。図13及び図14のグラフから、Dカット寸法dが「0」である場合を除いて、磁界強度差は、円弧状曲面10b位置及び切取り平面10a位置にてピークとなることが分かる。
これらの円弧状曲面10b位置(外径位置)及び切取り平面10a位置(すなわちDカット寸法絶対位置)における磁界強度差を、第1群の磁石10(φ5の磁石)に関して下記表1に示すとともに、第2群の磁石10(φ7の磁石)に関して下記表2に示す。なお、下記表1,2においては、Dカット寸法dが「0」である位置を一対の感磁面とすることは不能であるので、「−」でこの場合を除外していることを示している。
Figure 0006034650
Figure 0006034650
このような図13及び図14のグラフ、並びに上記表1及び表2から、磁気抵抗効果素子21,22,23,24(又は21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24b)の感磁面位置を、中心軸線Lzに直交する平面内にて、中心軸線Lzから円弧状曲面10bまでの距離に等しい位置(外径位置)、又は中心軸線Lzから切取り平面10aまでの垂直距離に等しい位置(Dカット寸法絶対位置)に設定することが好ましいことが分かる。
d1.第1の具体的な配置例
磁気抵抗効果素子21,22,23,24の第1の具体的な配置例としては、磁気抵抗効果素子21,22,23,24の位置を磁石10の外径位置(円弧状曲面10b位置)に設定する。磁石10及び磁気抵抗効果素子21,22,23,24を含む磁気センサ20は、上記実施形態のように構成されている。そして、図15(A)(B)(C)(D)に、磁気抵抗効果素子21,22,23,24を磁石10の外径位置に配置した状態で、磁石10が紙面上にて反時計回りに1回転する状態を90度ごとに示す。また、図15(A)(B)(C)(D)においては、磁気抵抗効果素子21,22,23,24の感磁面の磁界強度を、強度の大中小を順に黒、灰、白の色の濃淡で表した。黒い領域では磁気抵抗効果素子21,22,23,24の抵抗値は大きく低下し、灰色領域では磁気抵抗効果素子21,22,23,24の抵抗値は中程度に低下し、白い領域では磁気抵抗効果素子21,22,23,24の抵抗値はほとんど変化しない。そして、他の領域では磁気抵抗効果素子21,22,23,24の抵抗値の変化は連続的である。したがって、これによれば、ブリッジ回路(図3参照)から出力される出力電圧OutA,OutBは、図4の波形図に示すように変化し、上述のように回転体11の回転角が測定される。
このように磁気抵抗効果素子21,22,23,24を配置することにより、図13及び図14のグラフ、並びに上記表1及び表2から明らかなように、ブリッジ回路から大きな出力電圧OutA,OutBを得ることができる。また、図13及び図14に示すように、Dカット寸法dが異なっていても、磁界強度差のピーク位置は変化せずに磁石10の外径位置に維持されるので、Dカット寸法dの誤差を許容できて、回転体11の回転角を精度よく測定できる。ただし、この場合には、磁気抵抗効果素子21,22,23,24及び基板25が磁石10の円弧状曲面10bの外側に張出すことになるので、回転角検出装置が大型化するという欠点を有する。
また、第1群の磁石10(φ5の磁石)においては、Dカット寸法dが負の場合(磁石10及び回転体11の中心軸線Lzが磁石10の水平面外部にある場合)には、Dカット寸法dが正の場合(磁石10及び回転体11の中心軸線Lzが磁石10の水平面内部にある場合)よりも、磁界強度差が小さく、ブリッジ回路からの出力電圧OutA,OutBの振幅が小さくなる。したがって、回転角の測定精度の向上のために、Dカット寸法dが0より大きい、すなわち磁石10及び回転体11の中心軸線Lzが磁石10における中心軸線Lxに直交する断面内に位置するように、磁石10を形成することが好ましい。
なお、この第1の具体的な配置例の場合も、上記図9(A)で示すように、8個の磁気抵抗効果素子21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24bを基板25上に配置し、磁気抵抗効果素子21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24bを用いて図9(B)に示すようなフルブリッジ回路を構成して、出力電圧+OutA,−OutA,+OutB,−OutBを取出すようにしてもよい。
d2.第2の具体的な配置例
磁気抵抗効果素子21,22,23,24の第2の具体的な配置例としては、磁気抵抗効果素子21,22,23,24の位置をDカット寸法絶対位置(切取り平面10a位置)に設定する。この場合も、磁石10及び磁気抵抗効果素子21,22,23,24を含む磁気センサ20は、上記実施形態のように構成されている。そして、図16(A)(B)(C)(D)に、磁気抵抗効果素子21,22,23,24を磁石10のDカット寸法絶対位置に配置した状態で、磁石10が紙面上にて反時計回り1回転する状態を90度ごとに示す。また、図16(A)(B)(C)(D)においても、磁気抵抗効果素子21,22,23,24の感磁面の磁界強度を、強度の大中小を順に黒、灰、白の色の濃淡で表した。黒い領域では磁気抵抗効果素子21,22,23,24の抵抗値は大きく低下し、灰色領域では磁気抵抗効果素子21,22,23,24の抵抗値は中程度に低下し、白い領域では磁気抵抗効果素子21,22,23,24の抵抗値はほとんど変化しない。そして、他の領域では磁気抵抗効果素子21,22,23,24の抵抗値の変化は連続的である。したがって、これによれば、ブリッジ回路(図3参照)から出力される出力電圧OutA,OutBは、図4の波形図に示すように変化し、上述のように回転体11の回転角が測定される。なお、この場合には、図15及び図16からも明らかなように、上記第1の具体的な配置例の場合とは、出力電圧OutA,OutBの正負が逆になる。
このように磁気抵抗効果素子21,22,23,24を配置することにより、図13及び図14のグラフ、並びに上記表1及び表2から明らかなように、ブリッジ回路から大きな出力電圧OutA,OutBを得ることができる。また、この場合、磁気抵抗効果素子21,22,23,24を磁石10の円弧状曲面10bの内側に設けることができるので、回転角検出装置を小型にすることができる。さらに、図13及び図14から分かるように、前記第1の具体的な配置例である磁気抵抗効果素子21,22,23,24を磁石10の外径位置に配置した場合に比べて、磁界強度差の曲線は緩慢であるので、基板25上の原点(中心軸線Lz)と、磁石10及び回転体11との面方向での設置誤差に対して許容範囲を大きくすることができるというメリットもある。
また、この場合も、前記第1の具体的な配置例の場合と同様に回転角の測定精度の向上のために、、Dカット寸法dが0より大きい、すなわち磁石10及び回転体11の中心軸線Lzが磁石10における中心軸線Lxに直交する断面内に位置するように磁石10を形成して、ブリッジ回路からの出力電圧OutA,OutBの振幅を大きくすることが好ましい。
なお、この第2の具体的な配置例の場合も、上記図9(A)で示すように、8個の磁気抵抗効果素子21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24bを基板25上に配置し、磁気抵抗効果素子21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24bを用いて図9(B)に示すようなフルブリッジ回路を構成して、出力電圧+OutA,−OutA,+OutB,−OutBを取出すようにしてもよい。
e.変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
次に、上記実施形態の各種変形例について説明する。この種の回転角検出装置は、モータのエンコーダにも使用され、エンコーダの回転スピードは60.000rpm以上に達す場合もある。このように磁石10及び回転体11を高速で回転させると、上記実施形態の磁石10は中心軸線Lzに対して点対称でない形状を有しているので、磁石10による回転むらが発生する可能性がある。このために、図17(A)の概略斜視図及び図17(B)の正断面図に示すように、磁石10を円柱状のホルダ12内に収容するようにするとよい。
ホルダ12は、PPS、ビニール系のプラスチックなどの非磁性材料で円柱状に形成されている。ホルダ12内には、磁石10が埋め込まれている。この場合、磁石10を上記実施形態と同様に構成してもよいが、上記実施形態の磁石10と同様な形状の穴内に、PPS又はビニール系のプラスチックに磁石粉末を混ぜ合わせたものを埋め込むようにしてもよい。そして、ホルダ12の磁石10の設置面とは逆側の面から内部に向かって円柱状の勘合穴12aを設けておき、勘合穴12aに円柱状の回転体(回転軸)11を挿入して、回転体11をホルダ12に圧入固定したり、接着固定するようにする。これによれば、磁石10による回転むらが是正され、回転体11の回転角を精度よく測定できるようになる。
なお、ホルダ12の製作においては、磁石10の部分をPPS又はビニール系のプラスチックに磁石粉末を混ぜ合わせたもので構成し、ホルダ12の部分をPPS又はビニール系のプラスチックのみで構成するような2色成形の工法で製作することで、この構造を安価に製作することができる。
また、磁石10は上記実施形態の形状に限定されるものではなく、回転体11の回転軸(中心軸線Lz)に直交する平面内の磁界強度が、前記回転軸を含む一つの第1平面に対して非対称となるとともに、前記回転軸を含み前記第1平面に直交する第2平面に対して対称となる磁界を発生することが可能であればよいので、磁石10の形状を次のように変形させることもできる。
上記実施形態では、磁石10を構成する円柱体の上面から下面まで円柱体を中心軸線に平行な平面に沿って切り取った形状にした。しかし、これに代えて、図18(A)に示すように、円柱体の下面から下面と上面の中間位置まで、円柱体を中心軸線に平行な平面に沿って切り取った形状にしてもよい。磁石10の分極化に関しては、上記実施形態の場合と同様に、円柱体の軸線方向にN極とS極に分極されている。この場合、切取り平面10aの軸線方向の長さを充分に取れば、上記実施形態とほぼ同様な磁界分布を得ることができ、上記実施形態と同様な効果が期待される。
また、図18(B)に示すように、磁石10を構成する円柱体の下面を円柱体の中心軸線に対して傾斜した平面で構成するようにし、円柱体の軸線方向にN極とS極に分極するようにしてもよい。そして、基板25を、円柱体の上面に対して平行、すなわち円柱体の下面に対して傾斜するように配置する。これによれば、磁石10の下面と基板25の上面の各位置までの距離が、磁石10の中心軸線Lzを含む一つの第1平面に対して非対称となるとともに、中心軸線Lzを含み第1平面に直交する第2平面に対して対称となるので、基板25上において、上記実施形態と同様な磁界分布を得ることができ、上記実施形態と同様な効果が期待される。
また、図18(C)に示すように、磁石10を中心軸線Lzに対して点対称となる円柱状に形成するとともに、中心軸線Lzに対して直交する方向にN極とS極に磁石10を分極するようにしてもよい。この場合、N極とS極との分極の境界位置を中心軸線Lzから離れた位置に設定し、基板25を磁石10の下面に平行に設ける。これによっても、基板25上の磁界強度が、中心軸線Lzを含む一つの第1平面に対して非対称となるとともに、中心軸線Lzを含み第1平面に直交する第2平面に対して対称となるので、上記実施形態と同様な効果が期待される。
さらに、図18(D)に示すように、磁石10を中心軸線Lzに対して点対称となる円柱状に形成するとともに、磁石10の上面及び下面に対して傾斜した傾斜面を境にN極とS極に磁石10を分極するようにしてもよい。これによっても、基板25上の磁界強度が、中心軸線Lzを含む一つの第1平面に対して非対称となるとともに、中心軸線Lzを含み第1平面に直交する第2平面に対して対称となるので、上記実施形態と同様な効果が期待される。
10…磁石、10a…切取り平面、10b…円弧状曲面、11…回転体、12…ホルダ、20…磁気センサ、21〜24,21a〜24a,21b〜24b…磁気抵抗効果素子、25…基板

Claims (6)

  1. 回転軸周りに回転する回転体に固定された磁石と、前記回転体の回転軸に直交する平面内にて前記回転軸位置で直交する2つの直線上であって前記回転軸位置から等距離にある4箇所にて基板上にそれぞれ設けられて、前記回転軸に直交する平面内における磁界強度に応じて抵抗値をそれぞれ変化させる磁気抵抗効果素子を有する磁気センサとを備え、前記回転体の回転軸周りの回転角を検出する回転角検出装置において、
    前記磁気抵抗効果素子を、それぞれ等方性磁気抵抗効果素子で構成し
    前記磁石は、円柱体を前記回転体の回転軸に平行な平面に沿って切取った方形状の切取り平面と、前記回転軸に直交する断面形状が円弧状である円弧状曲面とを有する形状を有し、前記回転軸方向に分極されており、かつ
    前記回転体の回転軸に直交する平面内の磁界強度が、前記回転軸を含む一つの第1平面に対して非対称となるとともに、前記回転軸を含み前記第1平面に直交する第2平面に対して対称となる磁界を発生することを特徴とする回転角検出装置。
  2. 前記回転体の回転軸に直交する平面内において、前記回転軸から前記磁気抵抗効果素子までの距離が、前記回転軸から前記磁石の円弧状曲面までの距離にそれぞれほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の回転角検出装置。
  3. 前記回転体の回転軸に直交する平面内において、前記回転軸から前記磁気抵抗効果素子までの距離が、前記回転軸から前記磁石の切取り平面までの垂直距離にそれぞれほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の回転角検出装置。
  4. 前記回転体の回転軸は、前記磁石における前記回転軸に直交する断面内に位置していることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載の回転角検出装置。
  5. 前記磁石を非磁性体で構成した円柱状のホルダで覆ったことを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか一つに記載の回転角検出装置。
  6. 前記磁気抵抗効果素子は、非磁性金属の母相中に、強磁性体からなる微粒子を分散させたグラニュラ薄膜でそれぞれ構成した等方性磁気抵抗効果素子であることを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか一つに記載の回転角検出装置。
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