JP6032428B2 - ガラスフィルム切断装置及びガラスフィルム切断方法 - Google Patents

ガラスフィルム切断装置及びガラスフィルム切断方法 Download PDF

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Description

本発明は、可撓性を有する薄肉のガラス板であるガラスフィルムを切断予定線に沿って切断するための技術に関する。
周知のように、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(サーフェイスエミッションディスプレイを含む)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、及び有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(以下、FPDという)に用いられる板ガラス、有機EL照明に用いられる板ガラス、タッチパネルの構成要素である強化ガラス等の製造に用いられるガラス板、更には太陽電池のパネル等に用いられるガラス板は、薄肉化が推進されているのが実情である。
このような実情に対処するため、近年においては、これらのガラス板を、可撓性を有する薄肉のガラスフィルムとして使用できるように開発を進めているのが現状である。この種のガラスフィルムを切断するに際しては、従来より、ガラスフィルムの切断予定線にスクライブラインを刻設し、このスクライブラインに沿って折割りを行うという手法が採用されていた(特許文献1参照)。しかしながら、このような手法による切断端面には、スクライブラインを刻設する際に生じた微小クラックが切断端面に存在することなどに起因して、切断端面の強度低下を招くばかりでなく、スクライブラインの刻設時に生じた微小なガラス粉がガラスフィルム表面に付着してガラスフィルムの汚染を招いていた。そこで、このような不具合を回避するために、特許文献2及び特許文献3には、スクライブラインを刻設することなく、ガラスフィルムを切断する手法が開示されている。
詳述すると、特許文献2に開示されたガラスフィルムの切断機構(分割機構)は、移動しているガラスフィルムが相互間を通過するローラ対を備え、このローラ対が、湾曲面を有する第1ローラと、平坦面を有する第2ローラとを有し、該第2ローラの平坦面が、移動しているガラスフィルムの表面に対して傾斜し且つ該ガラスフィルムに作用して、該ガラスフィルム内に応力プロファイルを生成するものである。そして、この応力プロファイルが、ガラスフィルムの規定の位置にクラックを生成することにより、スクライブラインを刻設することなく、ガラスフィルムを切断する構成とされている。
また、特許文献3に開示されたガラスフィルムの切断装置は、ガラスフィルムの表面側が凸となって切断予定線に曲げ応力(引張り応力)が発生するように該ガラスフィルムを撓ませた状態で、支持部材がガラスフィルムの裏面側を支持すると共に、該支持部材の両側の離隔した位置にガラスフィルムを定位置に保持する保持部材を備えたものである。そして、このような状態の下で、クラック付与手段が切断予定線の一部に初期クラックを形成して、該初期クラックを進展させることにより、スクライブラインを刻設することなく、ガラスフィルムを切断する構成とされている。
特開平4−228438号公報 特表2012−507466号公報 特開2011−121791号公報
しかしながら、上述の特許文献2に開示された手法は、ガラスフィルムに過度の力を加えながら切断をしなければならないため、剛性の大きい高価な装置が必要になり、且つ、耐久性などに問題があるばかりでなく、ガラスフィルムに大きなダメージを与えるために損傷等のおそれがあり、しかもガラスフィルムの切断の成功率が低いという問題を有している。
一方、特許文献3に開示されている手法は、ガラスフィルムに曲げ応力を作用させるための支持部材の両側に存する保持部材が、定位置に設置されているため、ガラスフィルムの厚みに応じて、曲げ応力を要求される適正な大きさにすることが困難或いは不可能となり、切断の成功率が低くなり、これに起因して生産効率の悪化を余儀なくされるという問題を有している。
また、この手法では、既述のように保持部材が定位置に設置されている関係上、ガラスフィルムの切断直後に、切断端面同士が干渉するという事態が生じるため、切断端面に割れや損傷が生じて品質低下を招くと共に、切断端面の強度が低下するという問題をも有している。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ガラスフィルムをスクライブラインを形成せずに切断する場合に、ガラスフィルムの厚みに応じて支持部材と保持部材とで曲げ応力の適正な管理が行えるようにすると共に、切断直後における切断端面同士の干渉を回避できるようにすることを課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る装置は、ガラスフィルムを切断予定線に沿って切断するガラスフィルム切断装置であって、前記ガラスフィルムの裏面または表面に対して突出動及び後退動可能とされ且つ頂部が前記ガラスフィルムの切断予定線に接触及び離反可能な支持部材と、前記ガラスフィルムを前記切断予定線の両側に離隔した位置でそれぞれ保持する保持部材と、前記支持部材が前記ガラスフィルムを突出動させ且つ前記両保持部材が前記ガラスフィルムの表面側または裏面側が凸状になるように保持することにより、前記ガラスフィルムの切断予定線に曲げ応力を発生させた状態で、前記切断予定線の一部に初期クラックを形成して該初期クラックを前記切断予定線に沿って進展させるクラック付与部材とを備え、前記両保持部材を、前記ガラスフィルムの面に沿う方向で且つ前記切断予定線と直交する方向に移動可能としたことに特徴づけられる。
このような構成によれば、第1に、支持部材の突出動によって、ガラスフィルムの表面側または裏面側が凸状になるようにして曲げ応力(引張り応力)を発生させる場合に、支持部材の両側に離隔した位置でガラスフィルムを保持(摺動不能に保持)している保持部材が、従来のように定位置に設置されていると、ガラスフィルムの厚みに応じて要求される曲げ応力を得ることができない。しかし、本発明では、上記の両保持部材が、ガラスフィルム面に沿う方向で且つ切断予定線と直交する方向に移動可能とされているので、支持部材が突出動してガラスフィルムの表面側または裏面側を凸状にすることにより曲げ応力を発生させていく過程で両保持部材が適宜移動することにより、ガラスフィルムの切断予定線に、該ガラスフィルムの厚みに応じた適正な大きさの曲げ応力を発生させることが可能となる。従って、ガラスフィルムの切断予定線に沿う安定した切断が可能となり、生産性の向上が図られる。
また、第2に、上記の曲げ応力が発生している状態で、クラック付与部材が切断予定線の一部に初期クラックを形成し、この初期クラックが切断予定線の全長に亘って進展することで、ガラスフィルムを切断した直後に、支持部材の両側に離隔した位置でガラスフィルムを保持している保持部材が、従来のように定位置に設置されていると、ガラスフィルムの切断端面同士が干渉(接触)するという事態を招き得る。しかし、本発明では、上記の両保持部材が、ガラスフィルム面に沿う方向で且つ切断予定線と直交する方向に移動可能とされているので、ガラスフィルムの切断端面同士の干渉を回避できることになり、切断端面における割れや損傷の発生が生じ難くなると共に、切断端面の強度も向上し、品質面で有利となる。
上記の構成を備えたガラスフィルム切断装置の前者(第1)の具体的な作用を伴う構成としては、前記支持部材が突出動して前記ガラスフィルムの表面側または裏面側を凸状にして曲げ応力を発生させていく過程で前記両保持部材が相互に接近するように移動した後に、前記クラック付与部材が前記切断予定線の一部に初期クラックを形成して該初期クラックを前記切断予定線に沿って進展させることが好ましい。
すなわち、支持部材とその両側に配置された保持部材とによって、ガラスフィルムの厚みに応じて適正な曲げ応力を管理する場合には、支持部材が突出動してガラスフィルムの表面側または裏面側を凸状にすることにより曲げ応力を発生させていく過程で、その凸状の進行に追随して、両保持部材が相互に接近するように移動すればよい。詳述すると、ガラスフィルムの厚みが大きい場合には、上記の凸状の進行に際して当該ガラスフィルムが撓み難い特性を有するため、両保持部材の相互間の隙間寸法が長い状態であっても、その厚みの大きいガラスフィルムには初期クラックを確実に進展させるために必要な大きさの曲げ応力が発生する。また逆に、ガラスフィルムの厚みが小さい場合には、上記の凸状の進行に際して当該ガラスフィルムが撓み易い特性を有しているため、両保持部材の相互間の隙間寸法が長い状態から短い状態とすることで、その厚みの小さいガラスフィルムには初期クラックを確実に進展させるために必要な大きさの曲げ応力を発生させることができる。従って、ガラスフィルムの厚みの差異に応じて、両保持部材の接近移動量を変えることによって、曲げ応力が好適に管理されることになる。
また、上記の構成を備えたガラスフィルム切断装置の後者(第2)の具体的な作用を伴う構成としては、前記クラック付与部材が前記切断予定線の一部に初期クラックを形成して該初期クラックを前記切断予定線の全長に亘って進展させた時点で、前記両保持部材が相互に離反するように移動することが好ましい。
すなわち、初期クラックが切断予定線の全長に亘って進展してガラスフィルムが切断された直後においては、切断後の両ガラスフィルムの切断端面同士が干渉し得る状態にあるが、その切断直後に両保持部材が相互に離反するように移動すれば、ガラスフィルムの切断端面同士も離反するため、両切断端面同士の干渉が確実に回避される。
以上の構成において、前記支持部材の頂部は、前記切断予定線と同一長さまたはそれよりも長尺で一直線状に延び、断面が角張っていることが好ましい。
このようにすれば、ガラスフィルムの切断予定線の全長に亘って初期クラックを確実に進展させることができると共に、頂部の断面が角張っていることにより、適切な曲げ応力を発生させることができ、且つ、頂部に沿って蛇行することなく一直線状に初期クラックが進展していくことになる。
以上の構成において、前記両保持部材は、先端にガラスフィルムの裏面を負圧吸引する吸着部を備えていてもよい。
このようにすれば、ガラスフィルムの裏面のみが保持部材の吸着部と接触することになるため、ガラスフィルムの表面には接触傷等が付かなくなり、高品質性を確保することが可能となる。
以上の構成において、前記両保持部材は、前記ガラスフィルムの表裏面を挟持するように構成されていてもよい。
このようにすれば、挟持力を適切に高めることにより、ガラスフィルムを確実に保持することが可能となる。
また、上記課題を解決するために創案された本発明に係る方法は、ガラスフィルムを切断予定線に沿って切断するガラスフィルム切断方法であって、前記ガラスフィルムの裏面または表面に対して突出動及び後退動可能とされ且つ頂部が前記ガラスフィルムの切断予定線に接触及び離反可能な支持部材と、前記ガラスフィルムを前記切断予定線の両側に離隔した位置でそれぞれ保持する保持部材と、前記支持部材が前記ガラスフィルムを突出動させ且つ前記両保持部材が前記ガラスフィルムの表面側または裏面側が凸状になるように保持することにより、前記ガラスフィルムの切断予定線に曲げ応力を発生させた状態で、前記切断予定線の一部に初期クラックを形成して該初期クラックを前記切断予定線に沿って進展させるクラック付与部材とを備え、前記切断予定線に曲げ応力を発生させる過程と、前記切断予定線の全長に亘って初期クラックが進展した直後との双方の時期に、前記両保持部材を、前記ガラスフィルムの面に沿う方向で且つ前記切断予定線と直交する方向に移動させることに特徴づけられる。
この方法は、各構成要件が冒頭で述べた本発明に係る装置と実質的に構成が同一であると共に、作用効果についても、前者(第1)と後者(第2)との双方を奏することになるので、ここではその説明を省略する。
以上のように本発明によれば、ガラスフィルムをスクライブラインを形成せずに切断する場合に、ガラスフィルムの厚みに応じて支持部材と保持部材とで曲げ応力の適正な管理が行えると共に、切断直後における切断端面同士の干渉が回避される。
(a)は、本発明の第1実施形態に係るガラスフィルム切断装置が適用される搬送経路の全体構成を示す平面図、(b)は、その正面図である。 本発明の第1実施形態に係るガラスフィルム切断装置の初期状態を示す概略斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るガラスフィルム切断装置の切断過程を示す概略斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るガラスフィルム切断装置の初期状態を示す概略正面図である。 本発明の第1実施形態に係るガラスフィルム切断装置の切断過程を示す概略正面図である。 本発明の第1実施形態に係るガラスフィルム切断装置の切断過程を示す概略正面図である。 本発明の第1実施形態に係るガラスフィルム切断装置の切断直後の状態を示す概略正面図である。 本発明の第1実施形態に係るガラスフィルム切断装置を厚みの大きいガラスフィルムに適用した場合の切断過程を示す概略正面図である。 本発明の第1実施形態に係るガラスフィルム切断装置を厚みの小さいガラスフィルムに適用した場合の切断過程を示す概略正面図である。 本発明の第1実施形態に係るガラスフィルム切断装置を厚みの異なるガラスフィルムに適用した場合の特性を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るガラスフィルム切断装置の切断過程を示す概略正面図である。 本発明の第3実施形態に係るガラスフィルム切断装置の切断過程を示す概略正面図である。
以下、本発明の実施形態に係るガラスフィルム切断装置(以下、単に切断装置という)について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る切断装置1が適用される一例を示すもので、連続処理が行われる場合の態様を例示している。同図に示すように、この連続処理は、上流端に配備されたガラスロール2から帯状のガラスフィルム3を巻き出しながら、多数のローラを備えたローラコンベア4上を搬送させる。そして、搬送経路の途中に設けられた第1切断ステージ5で、先ず、単一の切断装置1によって、長手方向と直交する方向に延びる切断予定線6に沿って帯状のガラスフィルム3を切断する。これにより、平行な2辺に切断端面を有する矩形のガラスフィルムを得る。この後は、第1切断ステージ5の直下流側に設けられた第2切断ステージ7で、2つの切断装置1によって他の2つの辺縁部の切断予定線6に沿って当該ガラスフィルム3を切断する。これにより、4辺に切断端面を有する矩形のガラスフィルム3が得られ、このガラスフィルム3は最下流側のローラコンベア4によって搬送される。なお、ガラスフィルム3の厚みは、例えば、300μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下である。
図2及び図3は、切断装置1の要部についての概略構成を例示している。これら各図に示すように、切断装置1は、主たる構成要素として、断面が正三角形または二等辺三角形であって、その頂部8aがガラスフィルム3の切断予定線6よりも長尺な支持部材8と、該支持部材8の両側に対照的に離隔して配置されて、ガラスフィルム3の切断予定線6よりも長尺な一対の保持部材9と、ガラスフィルム3の切断予定線6の一部(本実施形態では一端面の上部)に初期クラックを形成するクラック付与部材10とを備えている。
支持部材8は、表面が硬質樹脂(例えば、金属表面に樹脂コーティングされたもの)やPEEK等で形成されており、頂部8aの角度α(図4参照)は、60度〜120度または60度〜90度に設定されていることが好ましい。なお、支持部材8の頂部8aは、断面が完全な角形である必要はなく、僅かな湾曲面とされていてもよい。保持部材9は、先端(上端)にガラスフィルム3の裏面を負圧吸引する多孔状の吸着部が設けられ、先端面は平面とされている。従って、ガラスフィルム3の表面は、他部材と接触していない。クラック付与部材10は、金属、ダイヤモンド砥石、或いは基材にダイヤモンド砥粒を付着させたもの等で形成されており、先端(下端)が鋭利な形状とされている。
支持部材8は、図外のエアシリンダ等の流体圧シリンダやボールねじ機構などからなる駆動手段によって、ガラスフィルム3の裏面に対して突出動及び後退動可能(本実施形態では、上下動可能)とされている。保持部材9は、同じく図外のエアシリンダ等の流体圧シリンダやボールねじ機構などからなる駆動手段によって、ガラスフィルム3の面に沿う方向で且つ切断予定線6と直交する方向(a−b方向)に移動可能とされている。また、クラック付与部材10は、図外のエアシリンダ等の流体圧シリンダやボールねじ機構あるいはソレノイドアクチュエータなどからなる駆動手段によって、ガラスフィルム3の表面における切断予定線6の一端部に対して接近動及び離反動可能(本実施形態では、上下動可能)とされている。
上記構成からなる切断装置1は、以下に示す作用を伴って、ガラスフィルム3を切断する。なお、以下の説明に際して使用する各図は、切断装置1を正面から視た概略図である。
図4は、切断装置1による切断に際して、ガラスフィルム3をセットした状態での初期位置関係を示すものである。同図に示すように、ガラスフィルム3は平坦な状態で、支持部材8の両側に離隔して存する保持部材9の吸着部(吸着面)9aに、負圧吸引力Fによって吸着保持されている。この時点では、支持部材8は、後退動端(下動端)で待機すると共に、クラック付与部材10は、離反動端(上動端)で待機している。
このような状態から、図5に示すように、支持部材8が突出動(上動)して、ガラスフィルム3を裏面側から押し上げる。この場合、支持部材8の頂部8aは、ガラスフィルム3の切断予定線6の全長に亘って接触した状態となる。そして、支持部材8の突出動によるガラスフィルム3の押し上げと同時に、2つの保持部材9は、ガラスフィルム3を保持した状態で、相互に接近するように矢印b方向に移動する。この過程では、ガラスフィルム3は、切断予定線6が最上位置となるように湾曲した状態になると共に、切断予定線6に沿って曲げ応力(ガラスフィルム3の表面側に引張応力)Mが発生する。
そして、図6に示すように、支持部材8が上動端に達して停止すると共に、2つの保持部材9が接近動端に達して停止した時点で、クラック付与部材10が、ガラスフィルム3の切断予定線6に接近動(下動)し、切断予定線6に所定の押圧力で接触することにより、切断予定線6の一端部に初期クラックが形成される。そして、この初期クラックは、切断予定線6に沿うガラスフィルム3の表面側の引張応力に沿って進展し、その全長に亘って進展した時点で、ガラスフィルム3の切断が完了する。
この直後においては、ガラスフィルム3をそのまま移動させたり、或いは支持部材8の下動等をさせたりすると、ガラスフィルム3の相対する2つの切断端面3aが干渉して、切断端面3aに接触傷やクラック等の発生を招き、切断端面3aの強度が低下する。そこで、図7に示すように、クラック付与部材10が上動した直後に、2つの保持部材9を相互に離反するように矢印a方向に移動させる。これにより、上記のような不具合が回避される。
図8及び図9は、ガラスフィルム3の厚みが相違する場合における2つの保持部材9の移動量の相違を例示するものである。図8に示すように、ガラスフィルム3の厚みが大きい場合には、2つの保持部材9の矢印b方向への移動量が少ない場合でも、切断予定線6には、初期クラックを全長に亘って進展させるに足る十分な曲げ応力Mが発生する。これに対して、図9に示すように、ガラスフィルム3の厚みが小さい場合には、2つの保持部材9の矢印b方向への移動量を多くすることによって、切断予定線6には、初期クラックを全長に亘って進展させるに足る十分な曲げ応力Mが発生する。従って、2つの保持部材9の矢印b方向への移動量は、ガラスフィルム3の厚みに応じて変える必要がある。そして、この場合には、ガラスフィルム3の厚みが大きい場合よりも、それが小さい場合の方が、支持部材8を高い位置まで上動させる必要がある。
図10は、ガラスフィルム3の厚みが50μm、100μm、150μm、200μmの場合のそれぞれについて、ガラスフィルム3を切断する場合における支持部材8の高さ位置と、2つの保持部材9の相互間隔との関係を示すものである。なお、図中、支持部材高さ(H)とは、保持部材9の上端の高さを0mmとした場合の支持部材8の上端の高さを意味している。
この図10によれば、ガラスフィルム3の厚みが50μmの場合には、細い実線で囲まれた範囲、つまり支持部材高さが6〜17mm程度で且つ保持部材間隔が35〜150mm程度の範囲内にあれば、切断が可能であり、太い実線で囲まれた範囲、つまり支持部材高さが9.5〜13mm程度で且つ保持部材間隔が50〜75mm程度の範囲内にあれば、最適な切断が可能である。また、ガラスフィルム3の厚みが100μmの場合には、細い点線で囲まれた範囲、つまり支持部材高さが4〜13mm程度で且つ保持部材間隔が60〜180mm程度の範囲内にあれば、切断が可能であり、太い点線で囲まれた範囲、つまり支持部材高さが8〜10mm程度で且つ保持部材間隔が80〜100mm程度の範囲内にあれば、最適な切断が可能である。更に、ガラスフィルム3の厚みが150μmの場合には、細い一点鎖線で囲まれた範囲、つまり支持部材高さが4〜9mm程度で且つ保持部材間隔が95〜170mm程度の範囲内にあれば、切断が可能であり、太い一点鎖線で囲まれた範囲、つまり支持部材高さが5〜8mm程度で且つ保持部材間隔が110〜125mm程度の範囲内にあれば、最適な切断が可能である。また、ガラスフィルム3の厚みが200μmの場合には、細い二点鎖線で囲まれた範囲、つまり支持部材高さが3〜7.5mm程度で且つ保持部材間隔が130〜195mm程度の範囲内にあれば、切断が可能であり、太い二点鎖線で囲まれた範囲、つまり支持部材高さが4〜6mm程度で且つ保持部材間隔が145〜165mm程度の範囲内にあれば、最適な切断が可能である。
図11は、本発明の第2実施形態に係る切断装置1の要部概略を示す正面図である。同図に示すように、この第2実施形態に係る切断装置1が、既述の第1実施形態と相違しているところは、2つの保持部材9がそれぞれ、ガラスフィルム3を挟持する表面側部材9aと裏面側部材9bとで構成されている点である。この場合、表面側部材9aは、ガラスフィルム3の表面と接触する部位に緩衝部材9aaが装着され、この緩衝部材9aaによってガラスフィルム3の表面が保護される。そして、この第2実施形態に係る切断装置1によっても、既述の第1実施形態に係る切断装置1と同様の作用が行われる。
図12は、本発明の第3実施形態に係る切断装置1の要部概略を示す正面図である。同図に示すように、この第3実施形態に係る切断装置1が、既述の第1実施形態と相違しているところは、支持部材8がガラスフィルム3の表面に突出動及び後退動可能とされて、ガラスフィルム3の裏面側を凸状とするとで、曲げ応力を発生させるようにした点と、クラック付与部材10を、ガラスフィルム3の裏面に接近動及び離反動可能(上下動可能)とした点とである。従って、クラック付与部材10は、裏面側に凸状となって曲げ応力が発生しているガラスフィルム3の切断予定線6の一端部に、上動して接触することで、初期クラックを形成するようになっている。このような構成は、上記第2実施形態(図11に示す切断装置1)についても同様に適用可能である。
なお、上記第1、2実施形態では、クラック付与部材10がガラスフィルム3の表面側から下動することで、また上記第3実施形態では、クラック付与部材10がガラスフィルム3の裏面側から上動することで、初期クラックを形成するようにしたが、これとは逆に、上記第1、2実施形態では、クラック付与部材10がガラスフィルム3の裏面側から上動することで、また上記第3実施形態では、クラック付与部材10がガラスフィルム3の表面側から下動することで、初期クラックを形成するようにしてもよい。更に、クラック付与部材10は、支持部材8の頂部8aの長手方向と平行な方向に移動することで、初期クラックを形成するようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、搬送経路の途中でガラスフィルムの辺縁部を切断する連続処理に本発明を適用したが、多数枚の矩形のガラスフィルムについて切断をバッチ処理で行う場合や、ガラスフィルムの辺縁部以外の部位を切断する場合等についても、同様に本発明を適用することが可能である。
更に、以上の実施形態では、支持部材の上部の断面を三角形としたが、頂部の角度が既述の場合と同等であれば、その断面の形状は三角形に限定されるものではない。
また、以上の実施形態では、支持部材の両側に保持部材を一個ずつ配設したが、複数個ずつ配設するようにしても良い。
1 ガラスフィルム切断装置
3 ガラスフィルム
6 切断予定線
8 支持部材
8a 支持部材の頂部
9 保持部材
9a 保持部材の吸引部
10 クラック付与部材

Claims (5)

  1. ガラスフィルムを切断予定線に沿って切断するガラスフィルム切断装置であって、前記ガラスフィルムの裏面または表面に対して突出動及び後退動可能とされ且つ頂部が前記ガラスフィルムの切断予定線に接触及び離反可能な支持部材と、前記ガラスフィルムを前記切断予定線の両側に離隔した位置でそれぞれ保持する保持部材と、前記支持部材が前記ガラスフィルムを突出動させ且つ前記両保持部材が前記ガラスフィルムの表面側または裏面側が凸状になるように保持することにより、前記ガラスフィルムの切断予定線に曲げ応力を発生させた状態で、前記切断予定線の一部に初期クラックを形成して該初期クラックを前記切断予定線に沿って進展させるクラック付与部材とを備え、前記両保持部材を、前記ガラスフィルムの面に沿う方向で且つ前記切断予定線と直交する方向に移動可能とし
    前記切断予定線に曲げ応力を発生させる過程で、前記両保持部材が相互に接近するように移動し、
    前記初期クラックを前記切断予定線の全長に亘って進展させた時点で、前記両保持部材が相互に離反するように移動する
    ことを特徴とするガラスフィルム切断装置。
  2. 前記支持部材の頂部は、前記切断予定線と同一長さまたはそれよりも長尺で一直線状に延び、断面が角張っていることを特徴とする請求項1に記載のガラスフィルム切断装置。
  3. 前記両保持部材は、先端にガラスフィルムの裏面を負圧吸引する吸着部を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のガラスフィルム切断装置。
  4. 前記両保持部材は、前記ガラスフィルムの表裏面を挟持するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガラスフィルム切断装置。
  5. ガラスフィルムを切断予定線に沿って切断するガラスフィルム切断方法であって、前記ガラスフィルムの裏面または表面に対して突出動及び後退動可能とされ且つ頂部が前記ガラスフィルムの切断予定線に接触及び離反可能な支持部材と、前記ガラスフィルムを前記切断予定線の両側に離隔した位置でそれぞれ保持する保持部材と、前記支持部材が前記ガラスフィルムを突出動させ且つ前記両保持部材が前記ガラスフィルムの表面側または裏面側が凸状になるように保持することにより、前記ガラスフィルムの切断予定線に曲げ応力を発生させた状態で、前記切断予定線の一部に初期クラックを形成して該初期クラックを前記切断予定線に沿って進展させるクラック付与部材とを備え、
    前記切断予定線に曲げ応力を発生させる過程前記両保持部材が相互に接近するように移動し、
    前記初期クラックを前記切断予定線の全長に亘って進展させた直後に、前記両保持部材が相互に離反するように移動し、
    前記両保持部材の前記移動は、前記ガラスフィルムの面に沿う方向で且つ前記切断予定線と直交する方向において行われることを特徴とするガラスフィルム切断方法。
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