JP6024040B2 - 非水性インクジェットインクおよびインクセット - Google Patents

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Description

本発明は、特にポリ塩化ビニルシート等の表面に画像や文字等を印刷するのに適した非水性インクジェットインク、および前記非水性インクジェットインクを含むインクセットに関するものである。
従来、インクジェットインクを、インクジェットプリンタのノズルを通して微小な液滴として吐出させて画像や文字を印刷するインクジェット印刷は、主に紙等の吸水性の表面への印刷に好適に利用されてきた。また前記表面への印刷に適したインクジェットインクとしては、水に水溶性染料等の着色剤を加えた水性のインクジェットインクが広く一般的に用いられてきた。
しかし近年、特に業務用用途の様々な分野において、様々な表面への印刷にインクジェット印刷が利用されるようになってきている。そして前記様々な表面に、それに見合う良好な耐水性、耐光性、耐摩擦性等を有する上、画質の良好な画像や文字を印刷するために、従来の水性のインクジェットインクに代えて、溶媒として実質的に水を含まず有機溶媒のみを用いた非水性インクジェットインク、およびそれを用いるインクジェットプリンタが実用化され、普及しつつある。
例えば屋外の広告等の媒体として多用されている、ターポリンなどのポリ塩化ビニルシート等の表面に画像や文字を印刷するために、前記非水性インクジェットインクを用いた大型のインクジェットプリンタが開発され、実用化されている。
前記大型のインクジェットプリンタ用の非水性インクジェットインクとしては、耐光性に優れた顔料等の着色剤と、前記着色剤をポリ塩化ビニルシート等の表面に良好に定着させるためのバインダ樹脂と、前記バインダ樹脂を良好に溶解ないしは分散するとともに、前記着色剤を良好に分散しうる有機溶媒とを含むものが主に用いられる。
またバインダ樹脂としては、ポリ塩化ビニルシート等の表面に対する定着性に優れた各種の樹脂が用いられ、中でも最も定着性のよいポリ塩化ビニル系樹脂が好適に使用される。また前記ポリ塩化ビニル系樹脂としては、特に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が好適に用いられる。
塩化ビニルに酢酸ビニルを共重合させると、有機溶媒による溶解性を向上させたり、ポリ塩化ビニルシート等の表面に印刷される画像や文字の可撓性を高めて印刷の耐擦過性を向上したりできるためである。
また有機溶媒として、従来は、N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素複素環化合物や、あるいはラクトン等の含酸素複素環化合物などの、いわゆる非プロトン性極性有機溶媒に、それよりも沸点の高いアルキレングリコール誘導体等を併用して、非水性インクジェットインクの表面張力や粘度等を調整するのが一般的であった。
しかし前記従来の有機溶媒の組み合わせでは、非水性インクジェットインクの保存安定性が低く、バインダ樹脂や着色剤が凝集したり沈降したりしやすいという問題があった。
そこで特許文献1において、非水性インクジェットインクの保存安定性を高めるとともに、印刷の定着性を高め、前記バインダ樹脂や着色剤をポリ塩化ビニルシート等の表面に強固に固着させて、前記表面に、耐水性、耐光性、耐摩擦性等に優れた画質の良好な文字や画像を印刷するために、下記2種以上のポリアルキレングリコールアルキルエーテル類を併用することが提案されている。
すなわちポリアルキレングリコールアルキルエーテル類を、下記(a)の溶解性、および(b)の膨潤性の有無に基づいて、
第1の有機溶媒:(a)の溶解性および(b)の膨潤性の両方を有する、
第2の有機溶媒:(a)の溶解性は有しないが(b)の膨潤性は有する、
第3の有機溶媒:(a)の溶解性も(b)の膨潤性も有しない、
の3種に分類し、このうち第1および第2の2種の有機溶媒を併用するか、または第1ないし第3の3種の有機溶媒を併用して前記の効果を得ることが提案されている。
(a) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体〔数平均分子量Mn=22,000、酢酸ビニル含量14質量%〕0.2gを、20mlの有機溶媒に加えて25℃で1時間かく拌することで、全量を溶解させることができる溶解性。
なお溶解性試験の詳細な手順は下記のとおり。
評価する有機溶媒20mlをビーカーに入れ、表面がテフロン(登録商標)でコートされたかく拌子を投入し、25±1℃に設定した恒温槽中で静置して液温を安定させる。
次いでマグネチックスターラを動作させ、かく拌子を回転させて、回転速度500rpm以上、1,000rpm以下の条件でかく拌する。
かく拌を続けながら、粉末状の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体0.2gを加えて1時間、さらにかく拌を続けた後、溶液を目視にて観察する。
そして、先に説明したように溶液が透明になったものを溶解性あり、溶液が濁っていたり固形物が沈殿したりしたものを溶解性なしとして評価する。
(b) 日本工業規格JIS K6742:2004に規定された、外径の基準寸法が32.0mm、内径の呼び径が25mmの水道用硬質塩化ビニル管(VP)を、有機溶媒に浸漬させて、60℃で3日間静置した際に、内径の変化率が1%以上となるように膨潤させることができる膨潤性。
なお膨潤性試験の詳細な手順は下記のとおり。
評価する有機溶媒300mlをビーカー中に入れ、60±1℃に設定した恒温槽中で静置して液温を安定させる。
次いで前記液中に、あらかじめ長さ80mmに切断すると共に内径を実測した水道用硬質塩化ビニル管(VP)を浸漬して3日間静置した後、液中から引き上げて直ちに内径を実測する。
そして、浸漬前後の内径の変化率が1%以上のものを膨潤性あり、1%未満のものを膨潤性なしとして評価する。
特開2009−74034号公報 特開2007−169492号公報
前記非水性インクジェットインクを用いて、例えば垂れ幕、横断幕等の、長尺のポリ塩化ビニルシート等の表面に連続して印刷をする場合、印刷後の前記ポリ塩化ビニルシート等をロール状に巻き取ったり、あるいは印刷面が互いに接するように、いわゆるつづら折り状に重ねたりするのが一般的である。
しかし後者のようにポリ塩化ビニルシート等をつづら折り状に重ねる場合には、重ねる前の印刷が、見かけ上では乾燥していても、重ねた状態で静置すると重ねられた印刷同士が貼り付いて、再び拡げた際に、いずれか一方または両方の印刷が剥がれてしまうという問題を生じるおそれがある。
またポリ塩化ビニルシート等が2層以上の積層構造を有する場合に前記貼り付きが発生すると、つづら折り状に重ねて静置した後に拡げようとした際に印刷が剥がれずに、前記ポリ塩化ビニルシート等が層間はく離してしまうおそれもある。
これらの原因としては、前記2種または3種の有機溶媒のうち、印刷の内部、さらにはポリ塩化ビニルシート等の内部に速やかに浸透して、非水性インクジェットインクによる印刷を見かけ上は速やかに乾燥状態とする、いわゆる浸透乾燥性を担う第2の有機溶媒が、それ自体が揮発して前記印刷を本質的に乾燥状態とする揮発乾燥性の点では不十分で、前記印刷やポリ塩化ビニルシート等の内部に残留しやすいことが考えられる。
すなわち、見かけ上は乾燥状態になった印刷中や、その下のポリ塩化ビニルシート等の内部に残留した前記第2の有機溶媒が、ポリ塩化ビニルシート等を重ねた際に加えられる荷重等によって前記印刷の表面に染み出して、相手側の印刷を構成するバインダ樹脂を膨潤させたり、部分的に溶解させたりする結果、印刷同士を貼り付かせるのである。
そこで、かかる貼り付きを抑制するため、特許文献1においては、バインダ樹脂として、前記ポリ塩化ビニル系樹脂とともに、重量平均分子量Mwが8,000ないし40,000のアクリル系樹脂を併用することが検討されている。
前記アクリル系樹脂は、ポリ塩化ビニル系樹脂との相溶性、親和性の差に基づいて、印刷の乾燥過程で前記印刷の表面に集中して、前記表面に、アクリル系樹脂の濃度が高い領域を形成し、当該領域が、印刷やポリ塩化ビニルシート等の内部に残留した第2の有機溶媒の染み出しによる膨潤や部分的な溶解等を抑制するために機能すると考えられている。
ところが発明者が検討したところによると、前記の重量平均分子量Mwを有する従来のアクリル系樹脂を使用した場合、前記特許文献1に記載の条件よりもさらにシビアな条件下、例えば印刷後の静置時間を短縮して、より短時間でつづら折り状に重ねた際等に、貼り着きを防止する効果が未だ十分ではないことが明らかとなった。
静置時間を短縮できるということは、ポリ塩化ビニルシート等を用いた垂れ幕、横断幕等の生産性を向上する上で極めて重要である。
また前記非水性インクジェットインクを用いて、例えば蛍光マーカのような蛍光色の印刷をすることは、未だ実用化されていない。
蛍光色の印刷をするための、蛍光色の着色剤としては、例えば無機または有機の蛍光顔料や蛍光染料等が挙げられる。
しかし、このうち無機の蛍光顔料は粒径が10〜100μm程度と大きいため、インクジェットプリンタのノズルから吐出させることができず、非水性インクジェットインクの着色剤として使用することはできない。
一方、有機の蛍光顔料は、例えば樹脂の微細な粒子を蛍光染料で染色するか、または前記蛍光染料のコアを樹脂のシェルで被覆する等して構成され、水性のインクジェットインク用の着色剤としては好適に使用できる。
ところが前記有機の蛍光顔料を、前記有機溶媒を含む非水性のインクジェットインクに配合すると、前記蛍光顔料を構成する樹脂の一部が溶解または膨潤して、蛍光顔料が、非水性インクジェットインク中で凝集し易くなる。そのため非水性インクジェットインクの保存安定性が低下したり、インクジェットプリンタのノズルから安定して吐出できなくなったりするという問題がある。
蛍光染料は分子レベルで非水性インクジェットインク中に相溶するため、前記保存安定性や吐出安定性等の問題は生じないものの、ポリ塩化ビニルシート等の表面に印刷をすると、その多くの部分が前記表面に留まらず、有機溶媒の浸透とともにポリ塩化ビニルシート等の内部に移行(マイグレート)してしまうため、前記表面に、十分な濃度を有する良好な蛍光色の印刷をすることができないという問題がある。
本発明は、保存安定性に優れるとともに、印刷の定着性に優れ、ポリ塩化ビニルシート等の表面に、耐水性、耐光性、耐摩擦性等に優れた画質の良好な画像や文字を印刷できる上、長尺のポリ塩化ビニルシート等の表面に印刷をしてつづら折り状に重ねる際に印刷同士の貼り付きを防止する効果に特に優れた非水性インクジェットインクを提供することにある。
また本発明の目的は、保存安定性や吐出安定性、そして貼り付きを防止する効果に優れる上、ポリ塩化ビニルシート等の表面に、十分な濃度を有する良好な蛍光色を印刷できる非水性インクジェットインクを提供することにある。
また本発明の目的は、前記非水性インクジェットインクを含むインクセットを提供することにある。
本発明は、着色剤、バインダ樹脂、および有機溶媒を含む非水性インクジェットインクであって、前記バインダ樹脂としては、あらかじめ重合体の状態で配合された、ガラス転移温度Tgが60℃以上、95℃以下で、かつ重量平均分子量Mwが50,000以上、140,000以下のアクリル系樹脂、およびポリ塩化ビニル系樹脂を併用し、前記アクリル系樹脂の配合割合は、前記ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の10質量%以上、35質量%以下であるとともに、前記有機溶媒としては、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類のみを用いるか、または前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類と、式(1):
Figure 0006024040
〔式中、R 、R 、およびR は同一または異なるアルキル基を示す。〕
で表されるアミド系溶媒とを、前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合が、有機溶媒の総量の70質量%以上となるように併用することを特徴とするものである。
本発明によれば、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類を前記の割合で配合した有機溶媒を選択的に用いることにより、先に説明したように、前記非プロトン性極性有機溶媒を含む従来の混合溶媒を用いる場合に比べて、非水性インクジェットインクの保存安定性を向上することができる。
また前記有機溶媒と、バインダ樹脂としてのポリ塩化ビニル系樹脂とを併用することにより印刷の定着性を高めて、ポリ塩化ビニルシート等の表面に、耐水性、耐光性、耐摩擦性等に優れた画質の良好な画像や文字を印刷することができる。
しかも前記ポリ塩化ビニル系樹脂とともに、バインダ樹脂として、前記のように従来のものに比べて重量平均分子量Mwが大きい上、所定のガラス転移温度Tgを有するアクリル系樹脂をあらかじめ重合体の状態で配合することにより、従来に比べてよりシビアな条件でも、ポリ塩化ビニルシート等をつづら折り状に重ねた際に、印刷同士の貼り付きを防止することが可能となる。
これは、前記の重量平均分子量Mw、およびガラス転移温度Tgを有するあらかじめ重合体の状態で使用するアクリル系樹脂が化学的に安定でかつ物理的に高強度であるため、先に説明した、印刷の表面近傍に形成される領域による、印刷やポリ塩化ビニルシート等の内部に残留した第2の有機溶媒の染み出しによる膨潤や部分的な溶解等を抑制する機能を、さらに強化できるためと考えられる。
前記アクリル系樹脂の配合割合は、前記ポリ塩化ビニル系樹脂とアクリル系樹脂との総量の10質量%以上、35質量%以下である必要がある。
アクリル系樹脂の配合割合を前記範囲内とすることにより、前記アクリル系樹脂をポリ塩化ビニル系樹脂と併用することによる前記効果をより一層良好に発現させて、印刷後のポリ塩化ビニルシート等をつづら折り状に重ねた際に印刷同士の貼り付きを防止する効果をさらに向上することができる。
前記有機溶媒としては、前記のようにポリアルキレングリコールアルキルエーテル類のみを単独で用いるか、あるいは前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類と、前記式(1)で表されるアミド系溶媒とを前記の割合で併用す
このうち前者の場合には、印刷の貼りつきを防止する効果や、印刷の定着性を高めて、ポリ塩化ビニルシート等の表面に、耐水性、耐光性、耐摩擦性等に優れた画質の良好な画像や文字を印刷する効果を実用的なレベルに維持しながら、特に非水性インクジェットインクの保存安定性を向上することができる。
また後者の場合には、前記式(1)で表されるアミド系溶媒が、速やかに揮発して印刷を実質的に乾燥させる揮発乾燥性に優れるため、印刷の貼り付きをより一層良好に防止することができる。しかも前記アミド系溶媒は非プロトン性極性有機溶媒の一種であるが、従来の非プロトン性極性有機溶媒と比べてポリアルキレングリコールアルキルエーテル類との相溶性、親和性に優れているため、保存安定性を損なうおそれもない。
したがって後者の場合には、印刷の定着性を高めて、ポリ塩化ビニルシート等の表面に、耐水性、耐光性、耐摩擦性等に優れた画質の良好な画像や文字を印刷する効果や、非水性インクジェットインクの保存安定性を実用的なレベルに維持しながら、特に印刷の貼り付きを防止する効果を向上することができる。
前記本発明の非水性インクジェットインクを用いて蛍光色の印刷をする場合には、前記着色剤として蛍光染料を用いるとともに、前記非水性インクジェットインクに、さらに前記有機溶媒に可溶で、かつ前記蛍光染料が前記媒体の表面から内部に移行するのを抑制する機能を有する第3の樹脂を配合する。
前記第3の樹脂の機能により、前記蛍光染料が、前記ポリ塩化ビニルシート等の表面から、有機溶媒の浸透とともに内部に移行するのを抑制することができる。
そのため前記有機溶媒が、従来の含窒素複素環化合物等に比べて、一般的にポリ塩化ビニルシート等に対する浸透性が低く、蛍光染料を伴ってポリ塩化ビニルシート等の内部に浸透しにくいことと相まって、前記ポリ塩化ビニルシート等の表面に、十分な濃度を有する良好な蛍光色の印刷をすることが可能となる。
なお前記第3の樹脂の機能は、例えばポリ塩化ビニルシート等との、蛍光染料に対する親和性、相溶性の差異等に基づいて発現させることができる。
例えば第3の樹脂として、ポリ塩化ビニルシート等の少なくとも表層を構成するポリ塩化ビニル系樹脂よりも蛍光染料に対する親和性、相溶性に優れた樹脂を用いる。そうすると前記第3の樹脂は、有機溶媒の浸透に伴って内部に浸透せずに、ポリ塩化ビニルシート等の表面に残留するため、蛍光染料は、ポリ塩化ビニルシート等の内部に浸透するものよりも、前記第3の樹脂とともに、前記ポリ塩化ビニルシート等の表面に残留するものの方が多くなり、結果としてポリ塩化ビニルシート等の表面に、十分な濃度を有する良好な蛍光色の印刷をすることができる。
本発明は、複数色の非水性インクジェットインクを含むインクセットであって、前記複数色のうち少なくとも1色の非水性インクジェットインクは、前記本発明の非水性インクジェットインクであることを特徴とするものである。
本発明によれば、例えばインクジェットプリンタを用いた印刷で、少なくとも最後にポリ塩化ビニルシート等の表面に印刷される非水性インクジェットインクを本発明の構成とすることにより、前記ポリ塩化ビニルシート等をつづら折り状に重ねた際の、印刷同士の貼り付きをより確実に防止することが可能となる。
なおインクセットのうち、本発明の非水性インクジェットインクの構成とするのは、前記1色のみには限定されず、インクセットのうち2色以上の非水性インクジェットインクを本発明の構成としてもよいし、インクセットを構成する全ての非水性インクジェットインクを本発明の構成としてもよい。
なお特許文献2には、非水性インクジェットインクを構成する有機溶媒中でアクリルモノマを溶液重合させてなるアクリル樹脂を、バインダ樹脂として含む非水性インクジェットインクが記載されている。前記アクリル樹脂のガラス転移温度Tgは80℃以上、重量平均分子量Mwは10,000〜100,000であるのが好ましいとされている。またバインダ樹脂としては、前記アクリル樹脂とともにポリ塩化ビニル系樹脂を併用してもよいとされている。
しかし、前記のように有機溶媒中で溶液重合によって生成されたアクリル樹脂は、特許文献2にも記載されているように、前記有機溶媒に対する溶解性、親和性に優れており、バインダ樹脂として併用するポリ塩化ビニル系樹脂に対しても高い相溶性、親和性を有している。
そのため前記アクリル樹脂は、本発明で使用している、あらかじめ重合体の状態で非水性インクジェットインクの製造に使用されるアクリル系樹脂と違い、印刷の乾燥過程で前記印刷の表面に十分に集中させることができず、前記表面の近傍に、十分に濃度の高い領域を形成することができない。
したがって、たとえそのガラス転移温度Tgや重量平均分子量Mwが本発明で規定した範囲と重複していたとしても、前記特許文献2に記載のアクリル系樹脂では、印刷やポリ塩化ビニルシート等の内部に残留した第2の有機溶媒の染み出しによる膨潤や部分的な溶解等を抑制する効果が得られない。
本発明によれば、保存安定性に優れるとともに、印刷の定着性に優れ、ポリ塩化ビニルシート等の表面に、耐水性、耐光性、耐摩擦性等に優れた画質の良好な画像や文字を印刷できる上、長尺のポリ塩化ビニルシート等の表面に印刷をしてつづら折り状に重ねる際に印刷同士の貼り付きを防止する効果に特に優れた非水性インクジェットインクを提供することができる。
また本発明によれば、保存安定性や吐出安定性、そして貼り付きを防止する効果に優れる上、ポリ塩化ビニルシート等の表面に、十分な濃度を有する良好な蛍光色を印刷できる非水性インクジェットインクを提供することができる。
さらに本発明によれば、前記非水性インクジェットインクを含むインクセットを提供することができる。
《非水性インクジェットインク》
本発明の非水性インクジェットインクは、着色剤、バインダ樹脂、および有機溶媒を含み、前記バインダ樹脂としては、あらかじめ重合体の状態で配合された、ガラス転移温度Tgが60℃以上、95℃以下で、かつ重量平均分子量Mwが50,000以上、140,000以下のアクリル系樹脂、およびポリ塩化ビニル系樹脂を併用し、前記アクリル系樹脂の配合割合は、前記ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の10質量%以上、35質量%以下であるとともに、前記有機溶媒としては、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類のみを用いるか、または前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類と、前記式(1)で表されるアミド系溶媒とを、前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合、有機溶媒の総量の70質量%以上となるように併用することを特徴とするものである。
〈アクリル系樹脂〉
本発明において、アクリル系樹脂のガラス転移温度Tgが前記範囲に限定されるのは、下記の理由による。
すなわちアクリル系樹脂のガラス転移温度Tgが60℃未満では、前述した、長尺のポリ塩化ビニルシート等の表面に印刷をしてつづら折り状に重ねる際に印刷同士の貼り付きを防止する効果が得られない。
一方、アクリル系樹脂のガラス転移温度Tgが95℃を超える場合には、非水性インクジェットインクからなる印刷が硬く、かつ脆くなりすぎて、軟らかいポリ塩化ビニルシート等に十分に追従することができなくなり、前記ポリ塩化ビニルシート等を折り畳んだり曲げたり、あるいはその後に拡げたり伸ばしたりした際にポリ塩化ビニルシート等の表面からはく離しやすくなるという問題がある。
またアクリル系樹脂の重量平均分子量Mwが前記範囲内に限定されるのは、下記の理由による。
すなわちアクリル系樹脂の重量平均分子量Mwが50,000未満では、前述した、長尺のポリ塩化ビニルシート等の表面に印刷をしてつづら折り状に重ねる際に印刷同士の貼り付きを防止する効果が得られない。
一方、アクリル系樹脂の重量平均分子量Mwが140,000を超える場合には、非水性インクジェットインクの保存安定性が低下して、バインダ樹脂や着色剤が凝集したり沈降したりしやすいという問題を生じる。
これに対し、ガラス転移温度Tg、および重量平均分子量Mwがいずれも前記範囲内であるアクリル系樹脂を用いることにより、前記はく離や保存安定性等の問題を生じることなしに、従来に比べてよりシビアな条件でも、ポリ塩化ビニルシート等をつづら折り状に重ねた際に、印刷同士の貼り付きを防止することが可能となる。
おアクリル系樹脂のガラス転移温度Tgを本発明では、常法にしたがって、示差走査熱量測定によって測定した値でもって表すこととする。
またアクリル系樹脂の重量平均分子量Mwや、あるいは後述するポリ塩化ビニル系樹脂の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnを、いずれも本発明では、TSKgelsuper HZM−Nカラム〔東ソー(株)製〕を2連で用いて、ゲル浸透クロマトグラフ装置〔東ソー(株)製のHLC−8220GPC〕により、流量:0.35ml/分、展開溶媒:THFの条件で測定した結果から、ポリスチレン換算で求めた重量平均分子量でもって表すこととする。
前記アクリル系樹脂としては、前記ガラス転移温度Tg、および重量平均分子量Mwの範囲を満足する種々のアクリル系樹脂がいずれも使用可能である。
すなわちアクリル酸、メタクリル酸、これらの塩、またはアルキル、ポリエステル、ポリエーテル等とのエステル等のアクリル系モノマのうちのいずれか1種からなるホモポリマや、2種以上からなるコポリマ、あるいは1種または2種以上のアクリル系モノマと他のモノマとのコポリマ等で、なおかつガラス転移温度Tg、および重量平均分子量Mwが前記範囲内であるものの1種または2種以上がアクリル系樹脂として挙げられる。
アクリル系樹脂は、あらかじめ重合体の状態で非水性インクジェットインクの製造に使用される。モノマを、非水性インクジェットインクを構成する有機溶媒中で溶液重合して得られるアクリル樹脂では、先に説明したように本願発明の効果が得られないためである。
前記アクリル系樹脂の具体例としては、これに限定されないが、例えばローム アンド ハース社製のPARALOID(パラロイド、登録商標)シリーズのうちA−11〔ガラス転移温度Tg:100℃、重量平均分子量Mw:125,000、基本組成:MMA〕、A−14〔ガラス転移温度Tg:100℃、重量平均分子量Mw:70,000、基本組成:MMA〕、B−44〔ガラス転移温度Tg:60℃、重量平均分子量Mw:140,000、基本組成:MMA/EA〕、B−60〔ガラス転移温度Tg:75℃、重量平均分子量Mw:50,000、基本組成:MMA/BMA〕、B−64〔ガラス転移温度Tg:60℃、重量平均分子量Mw:140,000、基本組成:MMA/EA〕等の1種または2種以上が挙げられる。
〈ポリ塩化ビニル系樹脂〉
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルのホモポリマや、前記塩化ビニルと他のモノマとのコポリマ等の1種または2種以上が挙げられる。
中でもポリ塩化ビニル系樹脂としては、溶液重合法のように多量の有機溶媒を使用しないため、かかる有機溶媒を大気中に揮散させずに排気処理、廃液処理等によって回収する設備等を必要としない、懸濁重合法や乳化重合法によって合成されたポリ塩化ビニル系樹脂が好ましい。
また、特に塩化ビニルに酢酸ビニルを共重合させると、先に説明したように、有機溶媒による溶解性を向上させたり、ポリ塩化ビニルシート等の表面に印刷される画像や文字の可撓性を高めて印刷の耐擦過性を向上したりできる。そのため、ポリ塩化ビニル系樹脂としては塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が好適に用いられる。
前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の分子量や酢酸ビニル含量は任意に設定できるが、懸濁重合法によって合成される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、数平均分子量Mnが5,000以上、特に10,000以上であるのが好ましく、100,000以下、特に30,000以下であるのが好ましい。
数平均分子量Mnが前記範囲未満では、ポリ塩化ビニルシート等に対する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の定着性が低下して、前記ポリ塩化ビニルシート等の表面に、耐水性、耐光性、耐摩擦性等に優れた画質の良好な画像や文字を印刷する効果が十分に得られないおそれがある。
また前記範囲を超える場合には、非水性インクジェットインクの粘度が高くなりすぎて、インクジェットプリンタのヘッドのノズルから液滴として良好に吐出できないおそれがある。
また懸濁重合法によって合成される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含量は1質量%以上、中でも10質量%以上、特に13質量%以上であるのが好ましく、36質量%以下、中でも22質量%以下、特に15質量%以下であるのが好ましい。
酢酸ビニル含量が前記範囲未満では、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の溶解性が低下して、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が非水性インクジェットインク中に析出しやすくなり、当該非水性インクジェットインクの保存安定性が低下するおそれがある。
また前記範囲を超える場合には、ポリ塩化ビニルシート等に対する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の定着性が低下して、前記ポリ塩化ビニルシート等の表面に、耐水性、耐光性、耐摩擦性等に優れた画質の良好な画像や文字を印刷する効果が十分に得られないおそれがある。
前記懸濁重合法によって合成される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、例えば日信化学工業(株)製のSOLBIN(ソルバイン、登録商標)シリーズの塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のうち品番CL(数平均分子量Mn:25,000、酢酸ビニル含量:14質量%、ガラス転移温度Tg:70℃)、CNL(数平均分子量Mn:12,000、酢酸ビニル含量:10質量%、ガラス転移温度Tg:76℃)、C5R(数平均分子量Mn:27,000、酢酸ビニル含量:21質量%、ガラス転移温度Tg:68℃)、AL(数平均分子量Mn:22,000、酢酸ビニル含量:2質量%、ガラス転移温度Tg:76℃)、TA5R(数平均分子量Mn:28,000、酢酸ビニル含量:1質量%、ガラス転移温度Tg:78℃)、TAO(数平均分子量Mn:15,000、酢酸ビニル含量:2質量%、ガラス転移温度Tg:77℃)、TA3(数平均分子量Mn:24,000、酢酸ビニル含量:4質量%、ガラス転移温度Tg:65℃)等の1種または2種以上が挙げられる。
また乳化重合法によって合成される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、重量平均分子量Mwが5,000以上、中でも30,000以上、特に45,000以上であるのが好ましく、100,000以下、中でも60,000以下、特に55,000以下であるのが好ましい。
重量平均分子量Mwが前記範囲未満では、ポリ塩化ビニルシート等に対する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の定着性が低下して、前記ポリ塩化ビニルシート等の表面に、耐水性、耐光性、耐摩擦性等に優れた画質の良好な画像や文字を印刷する効果が十分に得られないおそれがある。
また前記範囲を超える場合には非水性インクジェットインクの粘度が高くなりすぎて、インクジェットプリンタのヘッドのノズルから液滴として良好に吐出できないおそれがある。
また乳化重合法によって合成される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含量は1質量%以上、中でも10質量%以上、特に14質量%以上であるのが好ましく、36質量%以下、中でも20質量%以下、特に16質量%以下であるのが好ましい。
酢酸ビニル含量が前記範囲未満では、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の溶解性が低下して、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が非水性インクジェットインク中に析出しやすくなり、当該非水性インクジェットインクの保存安定性が低下するおそれがある。
また前記範囲を超える場合には、ポリ塩化ビニルシート等に対する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の定着性が低下して、前記ポリ塩化ビニルシート等の表面に、耐水性、耐光性、耐摩擦性等に優れた画質の良好な画像や文字を印刷する効果が十分に得られないおそれがある。
前記乳化重合法によって合成される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、例えばワッカーケミー社製のVINNOL(ビンノール、登録商標)シリーズの塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のうち品番E15/45(重量平均分子量Mw:45,000〜55,000、酢酸ビニル含量:15.0±1.0質量%、ガラス転移温度Tg:75℃)、H14/36(重量平均分子量Mw:30,000〜40,000、酢酸ビニル含量:14.4±1.0質量%、ガラス転移温度Tg:69℃)、H15/42(重量平均分子量Mw:35,000〜50,000、酢酸ビニル含量:14.0±1.0質量%、ガラス転移温度Tg:70℃)、H40/43(重量平均分子量Mw:40,000〜50,000、酢酸ビニル含量:34.3±1.0質量%、ガラス転移温度Tg:58℃)、E15/45M(重量平均分子量Mw:50,000〜60,000、酢酸ビニル含量:15.0±1.0質量%、ガラス転移温度Tg:76℃)等の1種または2種以上が挙げられる。
〈バインダ樹脂の配合割合〉
前記アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂とアクリル系樹脂との総量の10質量%以上、35質量%以下に限定される
アクリル系樹脂の配合割合が前記範囲未満では、当該アクリル系樹脂を配合することによる、先に説明した、従来に比べてよりシビアな条件でも、ポリ塩化ビニルシート等をつづら折り状に重ねた際に、印刷同士の貼り付きを防止する効果が十分に得られな
また前記範囲を超える場合には、相対的にポリ塩化ビニル系樹脂の配合割合が少なくなり、当該ポリ塩化ビニル系樹脂を配合することによる定着性が不足して、ポリ塩化ビニルシート等の表面に、耐水性、耐光性、耐摩擦性等に優れた画質の良好な画像や文字を印刷する効果が十分に得られな
また、前記アクリル系樹脂とポリ塩化ビニル系樹脂の合計の配合割合は、非水性インクジェットインクの総量の1質量%以上、特に3質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下、特に7質量%以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、バインダ樹脂を配合することによる定着性が不足して、ポリ塩化ビニルシート等の表面に、耐水性、耐光性、耐摩擦性等に優れた画質の良好な画像や文字を印刷する効果が十分に得られないおそれがある。
また前記範囲を超える場合には非水性インクジェットインクの粘度が高くなりすぎて、インクジェットプリンタのヘッドのノズルから液滴として良好に吐出できないおそれがある。
〈有機溶媒〉
有機溶媒としては、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類のみを用いるか、または前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類と、前記式(1)で表されるアミド系溶媒とを、前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合が、有機溶媒の総量の70質量%以上となるように併用する。
後者の併用系において、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合が前記範囲未満では、非水性インクジェットインクの保存安定性が低く、バインダ樹脂や着色剤が凝集したり沈降したりしやすいという問題がある。
これに対し、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類を前記の割合で配合した有機溶媒を選択的に用いることにより、先に説明した従来の混合溶媒を用いる場合に比べて、非水性インクジェットインクの保存安定性を向上することができる。
なおポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合の上限は90質量%である。この範囲より式(1)で表されるアミド系溶媒の配合割合が少ない場合には、併用の効果が十分に得られないおそれがある。
前記のうち前者の、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類のみを単独で用いる場合には、印刷の貼りつきを防止する効果や、印刷の定着性を高めて、ポリ塩化ビニルシート等の表面に、耐水性、耐光性、耐摩擦性等に優れた画質の良好な画像や文字を印刷する効果を実用的なレベルに維持しながら、特に非水性インクジェットインクの保存安定性を向上することができる。
また後者の併用の場合に、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類と併用することができる他の有機溶媒としては、前述した従来の非プロトン性極性有機溶媒等も考えられる。
しかし、非水性インクジェットインクの保存安定性等を実用的なレベルに維持することを考慮して、本発明では、前記他の有機溶媒が、式(1):
Figure 0006024040
〔式中、R、R、およびRは同一または異なるアルキル基を示す。〕
で表されるアミド系溶媒に限定される
前記式(1)で表されるアミド系溶媒は、ポリ塩化ビニルシート等に対する浸透乾燥性に優れるとともに、速やかに揮発して印刷を実質的に乾燥させる揮発乾燥性にも優れるため、印刷の貼り付きをより一層良好に防止することができる。しかも前記アミド系溶媒は非プロトン性極性有機溶媒の一種であるが、従来の非プロトン性極性有機溶媒と比べてポリアルキレングリコールアルキルエーテル類との相溶性、親和性に優れているため、保存安定性を損なうおそれもない。
したがって前記式(1)で表されるアミド系溶媒を、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類と併用することにより、印刷の定着性を高めて、ポリ塩化ビニルシート等の表面に、耐水性、耐光性、耐摩擦性等に優れた画質の良好な画像や文字を印刷する効果や、非水性インクジェットインクの保存安定性を実用的なレベルに維持しながら、特に印刷の貼り付きを防止する効果を向上することができる。
有機溶媒全体の配合割合は、その他の成分の残量である。すなわち着色剤やバインダ樹脂等に有機溶媒を加えた総量が100質量%となるように、有機溶媒の合計の配合割合を設定すればよい。
(ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類)
前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類は、先に説明したように第1ないし第3の3種に分類することができ、このうち第1および第2の2種の有機溶媒を併用するか、または第1ないし第3の3種の有機溶媒を併用するのが好ましい。
前記のうち第1の有機溶媒としては、例えばエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびジエチレングリコールエチルメチルエーテル等の1種または2種以上が挙げられる。中でも特に、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルが好ましい。
また第2の有機溶媒としては、例えばジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、およびプロピレングリコールジメチルエーテル等の1種または2種以上が挙げられる。中でも特に、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、およびプロピレングリコールジメチルエーテルのうちの1種または2種以上が好ましい。
さらに第3の有機溶媒としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、イソプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、およびトリプロピレングリコールジメチルエーテル等の1種または2種以上が挙げられる。
中でも特に、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、およびトリプロピレングリコールジメチルエーテルのうちの1種または2種以上が好ましい。
前記第1および第2の2種の有機溶媒を併用した混合系において、第1の有機溶媒の配合割合は、前記混合系の総量の5質量%以上、特に8質量%以上であるのが好ましく、50質量%以下、特に40質量%以下であるのが好ましい。
一方、第1ないし第3の3種の有機溶媒を併用した混合系においては、第1の有機溶媒の配合割合は、前記混合系の総量の5質量%以上、特に8質量%以上であるのが好ましく、50質量%以下、特に40質量%以下であるのが好ましい。また第3の有機溶媒の配合割合は、混合系の総量の1質量%以上、特に2質量%以上であるのが好ましく、50質量%以下、特に40質量%以下であるのが好ましい。
また着色剤が蛍光染料である場合は、特に前記第1ないし第3の3種の有機溶媒を併用するのが好ましい。
かかる3種の併用系において、前記第1の有機溶媒は、含窒素複素環化合物等の非プロトン性極性有機溶媒ほどではないもののポリ塩化ビニルシート等、およびバインダ樹脂としてのポリ塩化ビニル系樹脂に対する溶解性を有しているのに対し、第3の有機溶媒は、前記ポリ塩化ビニルシート等、およびポリ塩化ビニル系樹脂に対する溶解性を有していない。また第2の有機溶媒も含めて、前記3種の有機溶媒は非常に相溶性に優れている。
そのため前記3種の有機溶媒を併用すると、第1の有機溶媒が、蛍光染料を伴ってポリ塩化ビニルシート等の内部に移行しようとするのを第3の有機溶媒が抑制して、前記ポリ塩化ビニルシート等の表面に留まらせる働きをする。
また第3の有機溶媒は、分子中に含まれる水酸基の作用によってポリ塩化ビニルシート等の表面に対する表面張力が高いため、前記表面に到達した非水性インクジェットインクの液滴の、当該表面に対する接触角を大きくする働きをする。そのため、前記表面でのインクの面方向への広がりを抑制することもできる。
また第2の有機溶媒は、前記第1及び第3の有機溶媒との相溶性に優れるとともに、ポリ塩化ビニルシート等、およびバインダ樹脂としてのポリ塩化ビニル系樹脂に対する良好な潤性を有する。そのため前記第2の有機溶媒は、前記バインダ樹脂としてのポリ塩化ビニル系樹脂の、第1の有機溶媒による溶解性、並びに非水性インクジェットインクの安定性向上に寄与するとともに、前記非水性インクジェットインクの、ポリ塩化ビニルシート等の表面に対する定着性向上にも寄与する。
したがって前記3種の有機溶媒を併用することにより、ポリ塩化ビニルシート等の表面に、より一層高い濃度を有する良好な蛍光色の印刷をすることができる。
蛍光色の印刷をする場合、前記3種の併用系において、第3の有機溶媒の配合割合は、前記併用系の総量の1質量%以上、特に2質量%以上であるのが好ましく、7質量%以下、特に6質量%以下であるのが好ましい。
前記範囲より配合割合が少ない場合には、前記の効果が十分に得られず、ポリ塩化ビニルシート等の表面に、高い濃度を有する良好な蛍光色の印刷をすることができないおそれがある。
一方、前記範囲より配合割合が多い場合には、ポリ塩化ビニルシート等の表面に対する非水性インクジェットインクの定着性が低下したり、バインダ樹脂であるポリ塩化ビニル系樹脂の溶解性不足に起因してインクの安定性が低下したりするおそれがある。
また第1の有機溶媒の配合割合は、前記併用系の総量の10質量%以上、中でも15質量%以上、特に20質量%以上であるのが好ましく、35質量%以下、中でも30質量%以下、特に27質量%以下であるのが好ましい。
前記範囲より配合割合が少ない場合には、ポリ塩化ビニルシート等の表面に対する非水性インクジェットインクの定着性が低下したり、バインダ樹脂であるポリ塩化ビニル系樹脂の溶解性不足に起因してインクの安定性が低下したりするおそれがある。
一方、前記範囲より配合割合が多い場合には、前記の効果が十分に得られず、ポリ塩化ビニルシート等の表面に、高い濃度を有する良好な蛍光色の印刷をすることができないおそれがある。
第2の有機溶媒の配合割合は、前記第1および第3の有機溶媒の配合割合の残量である。すなわち第2の有機溶媒を加えて3種の有機溶媒の総量が100質量%となるように配合割合を設定すればよい。
(式(1)のアミド系溶媒)
前記式(1)で表されるアミド系溶媒において、式中のR〜Rに相当するアルキル基としては、それぞれ個別に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の、炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。
中でも、R〜Rの炭素数の合計が3〜6の範囲内であるのが好ましく、特に式(1)中のR、Rがともにメチル基で、かつRが炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせが好ましい。
前記アミド系溶媒(1)の具体的化合物としては、例えば式(2):
Figure 0006024040
で表されるアミド系溶媒〔分子量:131.2、沸点:216℃〕、および式(3):
Figure 0006024040
で表されるアミド系溶媒〔分子量:173.3、沸点:252℃〕からなる群より選ばれた少なくとも1種が挙げられ、特に式(2)で表されるアミド系溶媒が好ましい。
前記式(1)のアミド系溶媒は、先の(a)の溶解性、および(b)の膨潤性で分類すると、第1の有機溶媒に相当する。そのため、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類と、式(1)のアミド系溶媒とを併用する場合は、前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類のうち第1の有機溶媒の少なくとも一部を、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合が前記70質量%以上となる範囲内で、式(1)のアミド系溶媒で置換するのが好ましい。
ただし第2または第3の有機溶媒の少なくとも一部を、式(1)のアミド系溶媒で置換してもよいし、第1ないし第3の3種の有機溶媒の少なくとも2種の一部ずつを、式(1)のアミド系溶媒で置換してもよい。
〈着色剤(その1)〉
着色剤としては、耐光性等に優れた顔料が好ましい。また顔料としては、任意の無機顔料および/または有機顔料が挙げられる。
このうち無機顔料としては、例えば酸化チタン、酸化鉄等の金属化合物や、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造された中性、酸性、塩基性等の種々のカーボンブラックが挙げられる。
また有機顔料としては、例えばアゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、およびアニリンブラック等が挙げられる。
アゾ顔料としては、例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、およびキレートアゾ顔料等が挙げられる。
多環式顔料としては、例えばフタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、およびキノフタロン顔料等が挙げられる。
さらに染料キレートとしては、例えば塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等が挙げられる。
顔料は、非水性インクジェットインクの色目に応じて、1種または2種以上を、任意の割合で配合することができる。また顔料は、非水性インクジェットインク中での分散安定性を向上するために表面を処理してもよい。
顔料の具体例としては、下記の各種顔料が挙げられる。
(シアン顔料)
C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:3、15:4、15:6、15:34、16、22、60
(マゼンタ顔料)
C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48(Ca)、48(Mn)、49、52、53、57(Ca)、57:1、97、112、122、123、149、168、177、178、179、184、202、206、207、209、242、254、255
(イエロー顔料)
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、14C、16、17、20、24、73、74、75、83、86、93、94、95、97、98、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185、213、214
(ブラック顔料)
C.I.ピグメントブラック7
(オレンジ顔料)
C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、74
(グリーン顔料)
C.I.ピグメントグリーン7、36
(バイオレット顔料)
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50
顔料の配合割合は、非水性インクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.4質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下、特に8質量%以下であるのが好ましい。
顔料は、任意の溶媒に分散させて調製した顔料分散液の状態で、非水性インクジェットインクの製造原料として使用するのが好ましい。
顔料分散液を構成する溶媒としては、非水性インクジェットインクを構成する有機溶媒に可溶性で、しかも顔料を良好に分散させることができる種々の溶媒が使用可能である。特に、前記第1〜第3の3種の有機溶媒のうちの1種または2種以上が、顔料分散液を構成する溶媒として好ましい。
また顔料分散液には、顔料を良好に分散させるために、分散剤等の種々の添加剤を配合してもよい。
〈着色剤(その2)〉
本発明の非水性インクジェットインクを用いて蛍光色の印刷をする場合には、着色剤として蛍光染料を用いる。
蛍光染料としては、前記有機溶媒に可溶である種々の蛍光染料がいずれも使用可能である。かかる蛍光染料としては、下記の各種染料の1種または2種以上が挙げられる。
(油溶性染料)
C.I.ソルベントイエロー44、82、116、C.I.ソルベントレッド43、44、45、49、60、C.I.ソルベントブルー5、C.I.ソルベントグリーン7
(分散染料)
C.I.ディスパーズイエロー82、83、121、124、C.I.ディスパーズオレンジ11、C.I.ディスパーズレッド58、60、C.I.ディスパーズブルー7
(塩基性染料)
ローダミンB、C.I.ベーシックレッド1:1、C.I.ベーシックイエロー40、44、C.I.ベーシックバイオレット7、11、C.I.ベーシックブルー45
(蛍光増白剤、Fluor Bright Agent)
C.I.FBA184
(その他の蛍光染料)
サリチル酸、フルオレセイン、エオシン、チオフラビン、ヘリオドンレッド
〈第3の樹脂〉
前記蛍光染料とともに併用する第3の樹脂としては、前記蛍光染料が前記媒体の表面から内部に移行するのを抑制する機能を有する種々の樹脂が、いずれも使用可能である。
特にポリ塩化ビニルシート等の少なくとも表層を構成するポリ塩化ビニル系樹脂よりも蛍光染料に対する親和性、相溶性に優れた樹脂が、第3の樹脂として好ましい。
かかる第3の樹脂は、有機溶媒の浸透に伴って内部に浸透せずに、ポリ塩化ビニルシート等の表面に残留するため、蛍光染料は、ポリ塩化ビニルシート等の内部に浸透するものよりも、前記第3の樹脂とともに、前記ポリ塩化ビニルシート等の表面に残留するものの方が多くなり、結果としてポリ塩化ビニルシート等の表面に、十分な濃度を有する良好な蛍光色の印刷をすることができる。
前記第3の樹脂としては、例えばベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂等のベンゾグアナミン系樹脂;メラミン−ホルムアミド−スルホンアミド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド−スルホンアミド樹脂、メラミン−トルエンスルホンアミド−ホルムアルデヒド樹脂、アリルスルホアミド−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等のメラミン系樹脂;ユリア−ホルムアルデヒド樹脂等のユリア系樹脂;スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸の共重合体等のアクリル系樹脂;スチレン−ジビニルベンゼン共重合物のソディウムスルホン化物等のスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;アミノ樹脂;ホルムアルデヒド−p−トルエンスルホンアミド樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。前記樹脂の中から、使用する蛍光染料に対する親和性、相溶性が、前記のようにポリ塩化ビニルシート等の少なくとも表層を構成するポリ塩化ビニル系樹脂よりも優れたものを選択して使用すればよい。
〈蛍光顔料〉
前記蛍光染料と第3の樹脂とは別個に配合してもよいが、例えば樹脂の微細な粒子を蛍光染料で染色するか、または前記蛍光染料のコアを樹脂のシェルで被覆する等して構成された有機の蛍光顔料を、前記蛍光染料と第3の樹脂の出発原料として用い、当該蛍光顔料を有機溶媒に溶解して使用するのが好ましい。
かかる蛍光顔料としては、例えば
日本蛍光化学(株)製の、NKP−4000、NKP−8300、NKP−9200、NKP−9500C、NKP−9600、NKV−S、NKW−2000、NKW−2100、NKW−3000、NKW−3600、MPI−500C、NKS−1000の各シリーズの各色の蛍光顔料、
シンロイヒ(株)製のFZ−2000、FZ−2800、FZ−3040、FZ−5000、FZ−6000、FA−40、FA−200、FX−300、FA−000、SX−1000、SF−5000、SX−1000、SEL−100、FM−10、FM−100、FNPの各シリーズの各色の蛍光顔料、
デイグロ(DayGlo)社製のT、TM、GT、Z、ZQ、LFY、GPL、AGL、AGR、Phantomの各シリーズの各色の蛍光顔料、
(株)日本触媒製のエポカラーFPシリーズの各色の蛍光顔料、
御国色素(株)製のビクトリアカラーGシリーズの各色の蛍光顔料、
東ソー(株)製のコスモカラーS−1000Fシリーズの各色の蛍光顔料、および
スターリングカラー社製の各色の蛍光顔料、
の1種または2種以上が挙げられる。
前記蛍光顔料は、非水性インクジェットインクの色目に応じて1種または2種以上を、任意の割合で配合することができる。
蛍光顔料の配合割合は、非水性インクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.4質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下、特に8質量%以下であるのが好ましい。
また、蛍光染料と第3の樹脂とを別個に配合する場合は、両者の合計の配合割合が前記範囲内となるようにすればよい。
〈その他〉
非水性インクジェットインクには、前記各成分に加えてさらに、ポリ塩化ビニル系樹脂の脱塩酸反応によって生じる塩素を捕捉するためのエポキシ化物や、あるいは高分子分散剤、界面活性剤、可塑剤、帯電防止剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、ラジカル重合禁止剤、pH調整剤、金属配位化合物、紫外線吸収剤、光安定化剤、防かび剤、殺生剤等の種々の添加剤を、必要に応じて任意の割合で配合してもよい。
(エポキシ化物)
前記のうちエポキシ化物は、バインダ樹脂としてのポリ塩化ビニル系樹脂が脱塩酸反応を生じて、非水性インクジェットインクのpHが酸性側に移行するのを抑制し、それによってインクジェットプリンタのヘッドの損傷や腐食、顔料の凝集や沈降等を生じにくくするために添加される。
前記エポキシ化物としては、分子中にエポキシ基を有し、かつ、非水性インクジェットインク中に良好に溶解することができる種々の化合物が使用可能である。
かかるエポキシ化物としては、例えばエポキシグリセリド、エポキシ脂肪酸モノエステル、エポキシヘキサヒドロフタレート、エポキシ樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。中でもエポキシグリセリド、エポキシ脂肪酸モノエステル、エポキシヘキサヒドロフタレート等が好ましい。
前記各種のエポキシ化物は、バインダ樹脂としてのポリ塩化ビニル系樹脂や、あるいはエポキシ化物の一方の代表例であるエポキシ樹脂に比べて分子量が小さいにも拘らず、多数のエポキシ基を含有している。
そのため、ポリ塩化ビニルシート等の表面へのポリ塩化ビニル系樹脂の定着を妨げて印刷の定着性を低下させたり、非水性インクジェットインクの粘度を上昇させて良好な吐出安定性を阻害したりすることなしに、前記ポリ塩化ビニル系樹脂から発生した塩酸をより確実に、分子中に取り込むことができる。
前記のうちエポキシ脂肪酸モノエステルとしては、例えばエポキシ化オレイン酸ブチル、エポキシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化大豆脂肪酸ブチル、エポキシ化大豆脂肪酸オクチル、エポキシ化亜麻仁油脂肪酸ブチル、エポキシ化亜麻仁油脂肪酸オクチル等の1種または2種以上が挙げられる。
またエポキシグリセリドとしては、例えば大豆油、亜麻仁油、綿実油、紅花油、サフラワー油、ひまわり油、桐油、ひまし油、とうもろこし油、なたね油、ごま油、オリーブ油、パーム油、グレープシード油、魚油等の油類のエポキシ化物の1種または2種以上が挙げられる。
中でもエポキシグリセリドとしてのエポキシ化大豆油、および/またはエポキシ化亜麻仁油は、前記各種エポキシ化物の中でも、より多数のエポキシ基を分子中に含有しており、先に説明した効果に特に優れることから、エポキシ化物として特に好適に使用される。
エポキシ化物の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂の総量の3質量%以上、特に10質量%以上であるのが好ましく、100質量%以下、特に40質量%以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、エポキシ化物を配合することによる、ポリ塩化ビニル系樹脂の脱塩酸反応によって発生した塩酸を分子中に取り込んで、非水性インクジェットインクのpHが酸性側に移行するのを抑制する効果が十分に得られないおそれがある。
また前記範囲を超える場合には、過剰のエポキシ化物が、ポリ塩化ビニル系樹脂の、ポリ塩化ビニルシート等の表面への定着を妨げて印刷の定着性を低下させたり、非水性インクジェットインクの粘度を上昇させて良好な吐出安定性を阻害したりするおそれがある。
前記各成分を含む本発明の非水性インクジェットインクは、例えばサーマル方式〔サーマルジェット(登録商標)方式、バブルジェット(登録商標)方式〕、ピエゾ方式等の、いわゆるオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用できる他、インクを循環させながらインクの液滴を形成して印刷を行う、いわゆるコンティニュアス型のインクジェットプリンタにも使用可能である。
《インクセット》
本発明は、複数色の非水性インクジェットインクを含むインクセットであって、前記複数色のうち少なくとも1色の非水性インクジェットインクは、前記本発明の非水性インクジェットインクであることを特徴とするものである。
本発明によれば、例えばインクジェットプリンタを用いた印刷で、少なくとも最後にポリ塩化ビニルシート等の表面に印刷される非水性インクジェットインクを本発明の構成とすることにより、前記ポリ塩化ビニルシート等をつづら折り状に重ねた際の、印刷同士の貼り付きをより確実に防止することが可能となる。
なおインクセットのうち、本発明の非水性インクジェットインクの構成とするのは、前記1色のみには限定されず、インクセットのうち2色以上の非水性インクジェットインクを本発明の構成としてもよいし、インクセットを構成する全ての非水性インクジェットインクを本発明の構成としてもよい。
前記複数色の非水性インクジェットインクの組み合わせとしては、例えばフルカラー画像等を形成するための、少なくともシアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)の各色の非水性インクジェットインクを含む組み合わせが挙げられる。具体的には、前記C、M、Yの3色、または前記3色にブラック(K)を組み合わせた4色、あるいは前記3色または4色に、さらにライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、グレー(GY)等の淡色を組み合わせた多色のインクセットが挙げられる。このうち少なくとも1色の非水性インクジェットインクを本発明の構成とすればよい。
以下の実施例、比較例の非水性インクジェットインクの調製、測定、および試験を、特記した以外は温度25±1℃、相対湿度55±1%の環境下で実施した。
〈実施例1〉
バインダ樹脂のうちアクリル系樹脂としては、前出の、ローム アンド ハース社製のPARALOID(登録商標)B−60〔ガラス転移温度Tg:75℃、重量平均分子量Mw:50,000、基本組成:MMA/BMA〕を用いた。
またポリ塩化ビニル系樹脂としては、前出の、ワッカーケミカル社製のVINNOL(登録商標)E15/45M〔塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、重量平均分子量Mw:50,000〜60,000、酢酸ビニル含量:15.0±1.0質量%、ガラス転移温度Tg:76℃〕を用いた。
第3の有機溶媒としてのジエチレングリコールモノエチルエーテル(2EG−1E)5質量部、第2の有機溶媒としてのジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)30.5質量部、およびテトラエチレングリコールジメチルエーテル(4EG−2M)10質量部をかく拌しながら、前記アクリル系樹脂1質量部、およびポリ塩化ビニル系樹脂3質量部を加えて分散させるとともに前記両バインダ樹脂を膨潤させた。
次いで、かく拌を続けながら第1の有機溶媒としてのジエチレングリコールエチルメチルエーテル(2EG−EM)20質量部を加えて前記両バインダ樹脂を溶解させた後、エポキシ化物としてのエポキシ化大豆油〔(株)ADEKA製のアデカサイザー(登録商標)O−130P〕0.5質量部を加えた。
次に、顔料としてのカーボンブラック〔三菱化学(株)製のMA8〕を15.0質量%の濃度で、前記第2の有機溶媒としてのジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)に分散させた分散液30質量部を調製し、当該分散液を、かく拌下、先の混合物70質量部に加えたのち、均一相を形成するようにさらにかく拌して非水性インクジェットインクを製造した。
各成分の配合割合は下記のとおりであった。またアクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の25質量%であった。さらにポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
Figure 0006024040
〈実施例2〉
アクリル系樹脂として、前記B−60に代えて、同社製のPARALOID B−64〔ガラス転移温度Tg:60℃、重量平均分子量Mw:140,000、基本組成:MMA/EMA〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の25質量%であった。またポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
〈実施例3〉
アクリル系樹脂として、前記B−60に代えて、同社製のPARALOID A−14〔ガラス転移温度Tg:95℃、重量平均分子量Mw:70,000、基本組成:MMA〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の25質量%であった。またポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
〈実施例4〉
アクリル系樹脂としてのB−60の配合量を0.4質量部、ポリ塩化ビニル系樹脂の配合量を3.6質量部としたこと以外は実施例1と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の10質量%であった。またポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
〈実施例5〉
アクリル系樹脂としてのB−60の配合量を1.4質量部、ポリ塩化ビニル系樹脂の配合量を2.6質量部としたこと以外は実施例1と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の35質量%であった。またポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
比較例1
アクリル系樹脂としてのB−60の配合量を0.2質量部、ポリ塩化ビニル系樹脂の配合量を3.8質量部としたこと以外は実施例1と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の5質量%であった。またポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
比較例2
アクリル系樹脂としてのB−60の配合量を1.6質量部、ポリ塩化ビニル系樹脂の配合量を2.4質量部としたこと以外は実施例1と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の40質量%であった。またポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
〈実施例
第1の有機溶媒としてのジエチレングリコールエチルメチルエーテル(2EG−EM)に代えて、前記式(2)で表されるアミド系溶媒〔出光興産(株)製のエクアミド(登録商標)M100、分子量:131.2、沸点:216℃〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の25質量%であった。またポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の78質量%であった。
比較例3
第1の有機溶媒としてのジエチレングリコールエチルメチルエーテル(2EG−EM)に代えて、従来の非プロトン性極性有機溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の25質量%であった。またポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の78質量%であった。
比較例4
アクリル系樹脂として、前記B−60に代えて、DSM NeoResins+社製のNeoCryl(ネオクリル、登録商標)B−813〔ガラス転移温度Tg:64℃、重量平均分子量Mw:40,000、基本組成:EMA〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の25質量%であった。またポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
〈比較例
アクリル系樹脂として、前記B−60に代えて、同社製のPARALOID B−66〔ガラス転移温度Tg:50℃、重量平均分子量Mw:70,000、基本組成:MMA/BMA〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の25質量%であった。またポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
〈比較例
アクリル系樹脂として、前記B−60に代えて、同社製のPARALOID A−21〔ガラス転移温度Tg:105℃、重量平均分子量Mw:120,000、基本組成:MMA〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の25質量%であった。またポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
〈比較例
アクリル系樹脂を配合せず、ポリ塩化ビニル系樹脂の配合量を4質量部とし、また第1の有機溶媒としてのジエチレングリコールエチルメチルエーテル(2EG−EM)に代えて、前記式(2)で表されるアミド系溶媒を35質量部配合するとともに、第2の有機溶媒としてのジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)の量を41質量部としたこと以外は実施例1と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の0質量%であった。またポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の61.5質量%であった。
〈比較例
アクリル系樹脂として、前記B−60に代えて、同社製のPARALOID B−48N〔ガラス転移温度Tg:50℃、重量平均分子量Mw:250,000、基本組成:MMA/BA〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の25質量%であった。またポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
〈比較例
アクリル系樹脂として、前記B−60に代えて、DSM NeoResins+社製のNeoCryl(ネオクリル、登録商標)B−818〔ガラス転移温度Tg:60℃、重量平均分子量Mw:38,000、基本組成:EA/EMA〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の25質量%であった。またポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
〈比較例10
100℃に保持したジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)300g中に、メタクリル酸メチル200gとt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.8gの混合物を1.5時間かけて滴下し、次いで100℃で2時間反応させたのち冷却して、無色透明のポリメタクリル酸メチルの重合体溶液を得た。
前記重合体溶液中のポリメタクリル酸メチルのガラス転移温度Tgは105℃、重量平均分子量Mwは50,000であった。
次いで前記重合体溶液に、当該重合体溶液中のポリメタクリル酸メチル1質量部あたり、実施例1で使用したのと同じポリ塩化ビニル系樹脂3質量部、ジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)29質量部、およびテトラエチレングリコールジメチルエーテル(4EG−2M)10質量部を加え、かく拌して前記ポリ塩化ビニル系樹脂を膨潤させた。
次いでかく拌を続けながら、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(2EG−EM)20質量部を加えてポリ塩化ビニル系樹脂を溶解させた後、実施例1で使用したのと同じエポキシ化大豆油0.5質量部を加えた。
そして前記混合物70質量部に、かく拌下、実施例1で調製したのと同じカーボンブラックの分散液30質量部を加えたのち、均一相を形成するようにさらにかく拌して非水性インクジェットインクを製造した。
アクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の25質量%であった。またポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
この比較例10は、特許文献2に記載の、有機溶媒中で溶液重合によって生成されたアクリル系樹脂を用いた非水性インクジェットインクを再現したものである。アクリル系樹脂の重合は、特許文献2の重合体2の合成に従った。
〈貼り付き試験〉
前記各実施例、比較例の非水性インクジェットインクを、ポリ塩化ビニル製ターポリンの表面に、ワイヤーバー(直径0.60mmのピアノ線を、金属の棒に巻きつけたもの)を用いて塗布し、25℃で1時間静置して乾燥させ、次いで2つ折りにして塗膜同士を重ね合わせて上から1kgの荷重をかけた状態でさらに3時間静置した後、2つ折りにしていたターポリンを拡げた際の状態を観察して、下記の基準で、貼り付きの有無を評価した。
◎:塗膜を、ターポリンの表面から剥がれさせることなく、またターポリンを層間はく離させることなく、重ね合わされていた界面できれいに分離させることができた。貼り付きは全くなし。
○:塗膜を、ターポリンの表面から剥がれさせることなく、重ね合わされていた界面で分離させることができたが、その際にターポリンの一部に層間はく離が生じた。貼り付きは殆どなし。
×:塗膜が、ターポリンの表面から剥がれたり、貼り付きを生じたりした
前記1時間の乾燥は、特許文献1の実施例における2時間の乾燥に比べてよりシビアな条件であり、かかるシビアな条件で以上の評価が得られるということは、特許文献1記載の発明に比べて、貼り付きの防止効果がより一層優れていることを意味している。
〈はく離試験〉
前記貼り付き試験で2つ折りにしたのち拡げたターポリンの折り目の部分の塗膜の上に、セロハンテープを貼り付け、引き剥がして塗膜の状態を観察して、下記の基準で、塗膜のはく離の有無を評価した。
○:はく離なし。
×:はく離あり。
〈保存安定性試験〉
前記各実施例、比較例の非水性インクジェットインクを50℃で2週間、保存する前と保存した後の、それぞれの時点での粘度を、R型粘度計〔東機産業(株)製のRE500〕を用いて測定して、下記の基準で保存安定性を評価した。
◎:保存前後での粘度の変化率が±8%以内であった。保存安定性きわめて良好。
○:粘度の変化率が±8%を超え、±10%以内であった。保存安定性良好。
×:粘度の変化率が±10%を超えていた。保存安定性不良。
〈定着性試験〉
前記各実施例、比較例の非水性インクジェットインクを、ポリ塩化ビニル製ターポリンの表面に、ワイヤーバー(ドクター0.25、直径0.25mmのピアノ線を、金属の棒に巻きつけたもの)を用いて塗布し、1.2kWのドライヤーを用いて1分間、熱風乾燥させた後、塗膜を、綿棒を用いて50gの荷重で擦って、下記の基準で定着性を評価した。
○:変化なし。定着性良好。
×:コーティングに擦過痕が残ったり、擦り取られてしまったりした。定着性不良。
以上の結果を表2〜表5に示す。
Figure 0006024040
Figure 0006024040
Figure 0006024040
Figure 0006024040
の比較例の結果より、バインダ樹脂として、ポリ塩化ビニル系樹脂とともにアクリル系樹脂を併用せず、かつポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合を、有機溶媒の総量の70質量%未満とした場合には、他の有機溶媒として乾燥性に優れる式(2)のアミド系溶媒を用いているため、貼り付きの発生は僅かであったものの、特に非水性インクジェットインクの保存安定性が不良になることが判った。
また表、表の比較例の結果より、アクリル系樹脂を併用したとしても、当該アクリル系樹脂のガラス転移温度Tgが60℃未満では印刷の貼り付きを生じ、95℃を超える場合には、印刷のはく離を生じることが判った。
また表の比較例9、4の結果より、アクリル系樹脂を併用したとしても、当該アクリル系樹脂の重量平均分子量Mwが50,000未満では印刷の貼り付きを生じ、140,000を超える場合には、非水性インクジェットインクの保存安定性が不良になることが判った。
さらに表の比較例10の結果より、有機溶媒中で溶液重合によって生成されたアクリル系樹脂を用いた場合には、当該アクリル系樹脂のガラス転移温度が60℃以上で、かつ重量平均分子量Mwが40,000以上であるにも拘らず印刷の貼り付きを生じ、しかも前記アクリル系樹脂のガラス転移温度が95℃を超えるため印刷のはく離も生じることが判った。
これに対し、表2、表3の実施例1〜の結果より、バインダ樹脂として、ガラス転移温度Tgが60℃以上、95℃以下で、かつ重量平均分子量Mwが50,000以上、140,000以下のアクリル系樹脂を、ポリ塩化ビニル系樹脂と併用するとともに、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合を、有機溶媒の総量の70質量%以上とすることにより、良好な保存安定性を維持し、かつ印刷のはく離を防止しながら、前記シビアな条件下での印刷の貼り付きを防止できることが判った。
ただし実施例1、4、5、および表5の比較例1、2の結果より、印刷の貼り付きを防止する効果、および印刷の定着性を向上する効果の点で、前記アクリル系樹脂の配合割合、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の10質量%以上、35質量%以下とする必要があることが判った。
また、特に実施例1〜5の結果より、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合を100質量%とすると、印刷の貼りつきを防止する効果や、印刷の定着性を向上する効果を実用的なレベルに維持しながら、特に非水性インクジェットインクの保存安定性を向上できることが判った。
また実施例比較例3の結果より、印刷の定着性を向上する効果や、非水性インクジェットインクの保存安定性を実用的なレベルに維持しながら、特に印刷の貼り付きを防止する効果を向上するためには、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類と併用してもよい他の有機溶媒、式(1)で表されるアミド系溶媒である必要があることが判った。
実施例
着色剤としては、第3の樹脂としてのスチレン−ジビニルベンゼン共重合物のソディウムスルホン化物の粒子を、蛍光染料としてのC.I.ディスパーズイエロー82で染色してなる蛍光顔料〔シンロイヒ(株)製のFNP−35、レモンイエロー〕を用いた。
またバインダ樹脂のうちアクリル系樹脂としては、前出の、ローム アンド ハース社製のPARALOID(登録商標)B−60〔ガラス転移温度Tg:75℃、重量平均分子量Mw:50,000、基本組成:MMA/BMA〕を用いた。
またポリ塩化ビニル系樹脂としては、前出の、ワッカーケミカル社製のVINNOL(登録商標)E15/45M〔塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、重量平均分子量Mw:50,000〜60,000、酢酸ビニル含量:15.0±1.0質量%、ガラス転移温度Tg:76℃〕を用いた。
第3の有機溶媒としてのジエチレングリコールモノエチルエーテル(2EG−1E)5質量部、第2の有機溶媒としてのジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)30.5質量部、およびテトラエチレングリコールジメチルエーテル(4EG−2M)10質量部をかく拌しながら、前記アクリル系樹脂1質量部、およびポリ塩化ビニル系樹脂3質量部を加えて分散させるとともに前記両バインダ樹脂を膨潤させた。
次いで、かく拌を続けながら第1の有機溶媒としてのジエチレングリコールエチルメチルエーテル(2EG−EM)20質量部を加えて前記両バインダ樹脂を溶解させた後、エポキシ化物としてのエポキシ化大豆油〔(株)ADEKA製のアデカサイザー(登録商標)O−130P〕0.5質量部を加えた。
また前記蛍光顔料を15質量%の濃度で、第2の有機溶媒としてのジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)に加え、40℃で2時間かく拌して前記蛍光顔料を溶解させて、前記蛍光染料と第3の樹脂とを含む溶液(蛍光顔料の濃度15質量%)30質量部を調製し、当該溶液を、かく拌下、先の混合物70質量部に加えたのち、均一相を形成するようにさらにかく拌して非水性インクジェットインクを製造した。
各成分の配合割合は下記のとおりであった。またアクリル系樹脂の配合割合は、ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の25質量%であった。さらにポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
Figure 0006024040
〈実施例
蛍光顔料に代えて、第3の樹脂としてのスチレン−ジビニルベンゼン共重合物のソディウムスルホン化物1質量部と、蛍光染料としてのC.I.ディスパーズイエロー82 3.5質量部とを別個に配合したこと以外は実施例と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
〈実施例
第1の有機溶媒としてのジエチレングリコールエチルメチルエーテル(2EG−EM)に代えて、前記式(2)で表されるアミド系溶媒〔出光興産(株)製のエクアミド(登録商標)M100、分子量:131.2、沸点:216℃〕を同量配合したこと以外は実施例と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の78質量%であった。
〈実施例10
第3の有機溶媒としてのジエチレングリコールモノエチルエーテル(2EG−1E)を配合せず、第2の有機溶媒としてのジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)の配合量を61質量部としたこと以外は実施例と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
〈比較例11
蛍光顔料に代えて、蛍光染料としてのC.I.ディスパーズイエロー82 3.5質量部を配合したこと以外は実施例と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
〈比較例12
蛍光顔料とジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)とを、蛍光顔料が溶解しないようにチラーで冷却しながら混合して、前記蛍光顔料が溶解せずに分散した分散液を調製し、前記分散液を、バインダ樹脂の溶液に配合したこと以外は実施例と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の100質量%であった。
〈比較例13
アミド系溶の量を32質量部、ジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)の量を合計で44質量部としたこと以外は実施例と同様にして非水性インクジェットインクを製造した。
ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合は、有機溶媒の総量の64.8質量%であった。
前記各実施例、比較例の非水性インクジェットインクについて、先の貼り付き試験、はく離試験、保存安定性試験、定着性試験と、下記の蛍光濃度評価、吐出安定性試験とを実施した。
〈蛍光濃度評価〉
前記各実施例、比較例の非水性インクジェットインクを、ポリ塩化ビニル製ターポリンの表面に、ワイヤーバー(ドクター0.1、直径0.1mmのワイヤーを金属の棒に巻きつけたもの)を用いて塗布し、乾燥させたのち、日本電色工業(株)製のハンディ型分光色差計NF−999を用いて、分光反射率と波長450nmでのOD値とを測定した。そして下記の基準で蛍光濃度を評価した。
×:波長500〜550nmの間に分光反射率の極大値がないか、または波長450nmでのOD値が0.9未満であった。蛍光濃度不良。
△:波長500〜550nmの間に分光反射率の極大値があり、なおかつ波長450nmでのOD値が0.9以上、1.1未満であった。蛍光濃度通常レベル。
○:波長500〜550nmの間に分光反射率の極大値があり、なおかつ波長450nmでのOD値が1.1以上、1.3未満であった。蛍光濃度良好。
○○:波長500〜550nmの間に分光反射率の極大値があり、なおかつ波長450nmでのOD値が1.3以上、1.5未満であった。蛍光濃度さらに良好。
◎:波長500〜550nmの間に分光反射率の極大値があり、なおかつ波長450nmでのOD値が1.5以上であった。蛍光濃度極めて良好。
〈吐出安定性試験〉
ピエゾ方式のインクジェットプリンタを用いて、前記各実施例、比較例の非水性インクジェットインクにより、ポリ塩化ビニル製ターポリンの表面に、幅1ポイントの罫線を印刷し、その状態を観察して、下記の基準で、インクジェットプリンタのノズルからの吐出の安定性を評価した。
○:罫線にかすれは見られなかった。吐出安定性良好。
×:印刷の全般にわたって罫線にかすれが見られた。吐出安定性不良。
以上の結果を表7、表8に示す。
Figure 0006024040
Figure 0006024040
表8の比較例11の結果より、着色剤として蛍光染料のみを配合した場合には、インクジェットプリンタのノズルからの吐出安定性は良好であるものの、前記蛍光染料の大部分が、ポリ塩化ビニル製ターポリンの表面から内部に移行してしまい、印刷の蛍光濃度が不十分になることが判った。
また比較例12の結果より、着色剤として蛍光染料と第3の樹脂とを含む蛍光顔料を使用して、それを有機溶媒に溶解させずに分散させた場合には分散させた蛍光顔料が凝集して、保存安定性が低下するとともに、吐出安定性が低下することが判った。
さらに比較例13の結果より、有機溶媒として、ポリアルキレングコールアルキルエーテル類の配合割合が70質量%未満であるものを使用するとともに、着色剤として蛍光顔料を使用して、それを前記有機溶媒に完全に溶解させた場合には、吐出安定性は改善されるものの、前記蛍光顔料起源の第3の樹脂を含んでいるにも拘らず、蛍光染料の大部分が、ポリ塩化ビニル製ターポリンの表面から内部に移行してしまい、印刷の蛍光濃度が不十分になることが判った。また保存安定性も低下した。
これに対し表7の実施例10の結果より、有機溶媒として、ポリアルキレングコールアルキルエーテル類の配合割合が70質量%以上であるものを使用するとともに、着色剤として蛍光顔料を使用してそれを有機溶媒に完全に溶解させるか、または蛍光染料と第3の樹脂とを併用した場合には、保存安定性や吐出安定性を改善しながら、蛍光染料の移行を抑制して、その大部分をポリ塩化ビニル製ターポリンの表面に残留させることができ、印刷の蛍光濃度を向上できることが判った。
また実施例10の結果より、前記印刷の蛍光濃度をより一層向上することを考慮すると、有機溶媒としては、ポリアルキレングコールアルキルエーテル類の配合割合が100%であるものを用いるとともに、前記ポリアルキレングコールアルキルエーテル類として第1〜第3の3種の有機溶媒を併用するのが好ましいこと、着色剤として蛍光顔料を使用してそれを有機溶媒に完全に溶解させるのが好ましいことが判った。

Claims (3)

  1. 着色剤、バインダ樹脂、および有機溶媒を含み、少なくとも表層がポリ塩化ビニル系樹脂からなる媒体の表面に印刷するための非水性インクジェットインクであって、前記バインダ樹脂としては、あらかじめ重合体の状態で配合された、ガラス転移温度Tgが60℃以上、95℃以下で、かつ重量平均分子量Mwが50,000以上、140,000以下のアクリル系樹脂、およびポリ塩化ビニル系樹脂を併用し、前記アクリル系樹脂の配合割合は、前記ポリ塩化ビニル系樹脂、およびアクリル系樹脂の総量の10質量%以上、35質量%以下であるとともに、前記有機溶媒としては、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類のみを用いるか、または前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類と、式(1):
    Figure 0006024040
    〔式中、R 、R 、およびR は同一または異なるアルキル基を示す。〕
    で表されるアミド系溶媒とを、前記ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類の配合割合、有機溶媒の総量の70質量%以上となるように併用することを特徴とする非水性インクジェットインク。
  2. 前記着色剤は蛍光染料であるとともに、前記有機溶媒に可溶で、かつ前記蛍光染料が前記媒体の表面から内部に移行するのを抑制する機能を有する第3の樹脂をも含んでいる請求項に記載の非水性インクジェットインク。
  3. 複数色の非水性インクジェットインクを含むインクセットであって、前記複数色のうち少なくとも1色の非水性インクジェットインクは、前記請求項1または2に記載の非水性インクジェットインクであることを特徴とするインクセット。
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