JP6022714B2

JP6022714B2 - 旭光文字板及び当該旭光文字板を備えた自動車用メータ

Info

Publication number: JP6022714B2
Application number: JP2015550919A
Authority: JP
Inventors: 順雄藤田; 厚介須藤
Original assignee: Yazaki Corp
Current assignee: Yazaki Corp
Priority date: 2013-11-26
Filing date: 2014-11-25
Publication date: 2016-11-09
Anticipated expiration: 2034-11-25
Also published as: DE112014005403B4; US20160238418A1; DE112014005403T5; JPWO2015080074A1; US10365129B2; WO2015080074A1

Description

本発明は、旭光文字板及び当該旭光文字板を備えた自動車用メータに関する。

車両用計器等の文字板における一部の平坦な面に、放射状に延びる複数の溝により旭光模様を形成して高級感を付与した自動車用メータが知られている。
例えば、特許文献１に開示される計器装置の文字板は、金属からなる円板状の板部材の中央から放射状に延びる複数の溝からなる旭光目付が施されている（同文献の段落００３５、００４０参照）。
ところが、金属からなる文字板は、金属板を一枚一枚、ブラシにより旭光目付処理する必要があり、均一な品質を得る点、製造コストの点で問題がある。また、金属であるために重量が重く、特に車両では軽量化に不利となる。
そこで、特許文献２及び３に開示された車両用表示装置や指針計器のように、合成樹脂を使用して金属感を演出する金属調文字板が提案されている。このような金属調文字板の表面にも、表示器の指針の回動中心に対応した中心位置から放射状に延びる複数の溝からなる旭光模様が形成されている。

特開２００３−４４９５号公報特開２００６−２７５４６号公報特開２００９−４２００１号公報

しかしながら、図８Ａ、図８Ｂに示す金属調文字板のように、合成樹脂製の旭光文字板５０１は、表面に形成された旭光模様５０３の中心５０５が、速度計や燃料計などの指示計における軸貫通穴５０２の中心５０７とほぼ一致している。即ち、全ての溝５０９が、軸貫通穴５０２の中心５０７に向っている。そのため、旭光模様５０３が作為的に感じられ、見栄えに違和感が生じるという問題があった。
これは、金属板に旭光目付を施すヘアライン加工では、髪の毛のように細かいラインが直線的に付与されるので、一般的にこのラインは交差する。例えば、金属板のヘアライン目付は、ヘアラインの目付をつけるハケ（幅約２ｍｍ）を、文字板を微小回転させながらストロークさせることによって行う。したがって、幅を持った目付は、隣り合うストロークの目付の一部と交差することとなる。これに対し、合成樹脂製の旭光文字板５０１における旭光模様５０３は、成形金型に切削加工された一点を中心とした放射状に延びる複数の溝が表面に転写して形成されるので、放射状のラインは交差しない。このことが、合成樹脂製の旭光文字板５０１における金属的な質感に違和感を生じさせるものと考えられる。

本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、作為的にならず、金属調文字板として違和感の無い見栄えの旭光模様を安定して付与できる旭光文字板及び当該旭光文字板を備えた自動車用メータを提供することにある。

本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
（１）合成樹脂製の文字板と、計器ユニットの回転軸が貫通するように前記文字板に設けられた軸貫通穴と、を備え、前記軸貫通穴の開口縁から外方に向って放射状に延びるように前記文字板に設けられる旭光模様を形成する複数の溝が、前記軸貫通穴の中心軸と異なる位置を中心として放射状に設けられることを特徴とする旭光文字板。

（２）合成樹脂製の文字板と、計器ユニットの回転軸が貫通するように前記文字板に設けられた軸貫通穴と、を備え、前記軸貫通穴の開口縁から外方に向って延びるように前記文字板に設けられる旭光模様を形成する複数の溝のうち少なくとも数本の溝が、他の溝と交差するように設けられていることを特徴とする旭光文字板。

（３）合成樹脂製の文字板と、計器ユニットの回転軸が貫通するように前記文字板に設けられた軸貫通穴と、を備え、前記軸貫通穴の開口縁から外方に向って延びるように前記文字板に設けられる旭光模様を形成する複数の溝が、前記軸貫通穴の中心軸を中心として放射状に設けられる第１溝と、前記中心軸を通らない直線上に沿って設けられる第２溝と、を有することを特徴とする旭光文字板。

（４）合成樹脂製の文字板と、計器ユニットの回転軸が貫通するように前記文字板に設けられた軸貫通穴と、を備え、前記軸貫通穴の開口縁から外方に向って延びるように前記文字板に設けられる旭光模様を形成する複数の溝が、前記軸貫通穴の中心軸と異なる位置を中心として放射状に設けられる第１溝と、前記中心を通らない直線上に沿って設けられる第２溝と、を有することを特徴とする旭光文字板。

（５）上記（１）〜（４）の何れか１つの構成の旭光文字板を備えたことを特徴とする自動車用メータ。

本発明に係る旭光文字板及び当該旭光文字板を備えた自動車用メータによれば、作為的にならず、金属調文字板として違和感の無い見栄えの旭光模様を安定して付与できる。

以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態（以下、「実施形態」という。）を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。

図１は、本発明の第１実施形態に係る旭光文字板の図２Ｂに示すＤ部の要部拡大図である。図２Ａは、図１に示した旭光文字板が用いられる車両用コンビネーションメータの正面図である。図２Ｂは、図２Ａに示した速度計の拡大図である。図３は、図２ＡのＡ−Ａ断面図である。図４は、旭光文字板の旭光模様を形成する溝の一例を説明する模式的な断面図である。図５は、本発明の第２実施形態に係る旭光文字板の要部拡大図である。図６は、本発明の第３実施形態に係る旭光文字板の要部拡大図である。図７は、本発明の第４実施形態に係る旭光文字板の要部拡大図である。図８Ａは、従来の旭光文字板を表す図である。図８Ｂは、図８Ａ中の一点鎖線による囲み線内の要部拡大図である。

以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図１に示す本発明の第１実施形態に係る旭光文字板１１は、例えば図２Ａ、図２Ｂに示す車両用コンビネーションメータ１３に用いることができる。

車両用コンビネーションメータ１３は、ケース１５（図３参照）と、速度計１７と、燃料計１９と、回転計２１と、水温計２３と、シフト表示部２５と、ターン表示部２７と、マルチ表示部２９と、を備える。図３に示すように、例えば速度計１７及び回転計２１は、配線板３１に内機（計器ユニット）３３が固定される。車両用コンビネーションメータ１３は、内機３３に指針３５の回転軸３７が突出される。車両用コンビネーションメータ１３は、ケース１５に見返し３９が取り付けられ、見返し３９は、配線板３１や内機３３等を覆い、開口から上記の各種メータ類を表出させている。見返し３９の表側は、ケース１５に取り付けられる透明カバー４１によって更に覆われる。

速度計１７及び回転計２１は、図３に示す本体樹脂基板４３を有する。本体樹脂基板４３は、図２Ｂ、図３等に示すように、軸孔が穿設される円板状の中央円板部４５の外側に、円環状の環状領域が連設される。本体樹脂基板４３は、環状領域に、円周方向に所定間隔で目盛突起４７が突設される。本体樹脂基板４３は透明であり、導光板として作用する。目盛突起４７の突出端面からは、導光された光が出射される。環状領域の外側は、目盛付き傾斜面４９となる。本体樹脂基板４３は、目盛付き傾斜面４９の外側に、急傾斜してリング状となる枠壁部５１が連設される。本体樹脂基板４３は、枠壁部５１の更に外側に、外側に下り傾斜する逆傾斜面が連設される。逆傾斜面は、速度文字５３が所定間隔で設けられた外周文字板５５となる。

本第１実施形態に係る旭光文字板１１は、上記車両用コンビネーションメータ１３における自動車用メータとしての水温計２３及び燃料計１９に使用されている。以下、各実施形態においては燃料計１９における旭光文字板を例に説明する。
本第１実施形態に係る旭光文字板１１は、図１に示すように、成形金型（図示せず）で一体成形された円板状の合成樹脂製の文字板５７と、燃料計１９における図示しない内機（計器ユニット）の回転軸が貫通するように文字板５７に設けられた軸貫通穴５９と、を備える。旭光文字板１１は、文字板５７に、旭光模様６１を形成する複数の溝６３が設けられている。

なお、図１中などには、溝６３を誇張して大きく記載している。実際の溝６３は、その幅と深さと間隔などが非常に小さく、視認することは困難であると共に、文字板５７に図１などに示した例より多く形成されている。文字板５７に設けられる旭光模様６１を形成する複数の溝６３は、典型的には、文字板５７において、当該車両用コンビネーションメータ１３が適用された車両の運転者等によって視認される側、言い換えれば、当該車両の車室内側に形成される（なお、後述する文字板７３、８５、９５、溝７７、７９、８１、８９、９１もほぼ同様の構成である。）。

ここで、図４を参照して、文字板５７に設けられる旭光模様６１を形成する複数の溝６３の構成の一例について説明する（なお、後述する文字板７３、８５、９５、溝７７、７９、８１、８９、９１もほぼ同様の構成である。）。

図４に例示する文字板５７は、少なくとも合成樹脂製の樹脂基材（基板本体）５７ａと金属薄膜５７ｂとの２層構造を含んで構成されている。文字板５７は、樹脂基材５７ａの表面に旭光模様６１を形成する複数の溝６３が設けられる。樹脂基材５７ａは、後述するように成形金型等によって、旭光模様６１を形成する複数の溝６３が一体成形される。ここでは、樹脂基材５７ａは、光透過性を有する透明の合成樹脂製（例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート）の本体樹脂基板４３によって兼用されるものとして説明するがこれに限らず、本体樹脂基板４３とは別体に形成されるものであってもよい。複数の溝６３は、溝深さがランダムであることが好ましいがこれに限らない。そして、文字板５７は、溝６３が設けられた樹脂基材５７ａの表面に金属薄膜５７ｂが施されている。金属薄膜５７ｂは、少なくとも樹脂基材５７ａの表面に設けられた旭光模様６１を形成する複数の溝６３を含む領域に、当該溝６３の凹凸を残した状態で被着されて反射面を形成する。金属薄膜５７ｂは、例えば、スパッタリング、蒸着、メッキ、塗装、印刷などにより樹脂基材５７ａの表面に被着される。ここで、樹脂基材５７ａの表面とは、樹脂基材５７ａにおいて、車両用コンビネーションメータ１３が適用された車両の運転者等によって視認される側に位置する面、言い換えれば、当該車両の車室内側に位置する面に相当する。

本第１実施形態において、溝６３は、軸貫通穴５９の開口縁６５から外方に向って放射状に延びるように軸貫通穴５９の中心軸６７と異なる位置を中心として放射状に設けられる。この多数本の溝６３は、旭光模様６１となる。つまり、軸貫通穴５９の中心軸６７と異なる位置の中心は、旭光模様６１の放射中心６９となる。多数本の溝６３は、例えば、成形金型（図示略）の金型目付成形面から文字板５７を構成する樹脂材の成形面（上述の文字板５７では樹脂基材５７ａの表面）に転写されることで一体成形される。

そして、旭光文字板１１を成形する成形金型は、各生産拠点用として複数のものが製造される。この際、成形金型を製作する加工情報は、共通の加工データとして加工機械に記憶される。この加工機械としては、例えばＮＣ（ＮｕｍｅｒｉｃａｌＣｏｎｔｒｏｌ）フライス盤を用いることができる。加工データは、金型素材の位置や主軸の動き等を数値化したものとなる。これにより、文字板５７における溝６３は、任意の成形金型の金型目付成形面から転写されても、均一な形状で形成される。

また、旭光文字板１１の文字板５７を成形する合成樹脂には、転写性に優れる流動性を備えたものが使用される。転写性に優れた合成樹脂としては、シクロオレフィンポリマー樹脂（ＣＯＰ）等の熱可塑性プラスチックを好適に用いることができる。これにより、文字板５７を成形する合成樹脂は、金型目付成形面に形成されている旭光模様を、文字板５７の旭光模様６１に忠実に転写することができる。

なお、旭光模様６１は、インモールド成形によって得てもよい。インモールド成形では、金型内に転写シートを配置して旭光模様６１を形成する。加飾された転写シートを送り装置により射出成形の金型内に送り、樹脂材の成形面（上述の文字板５７では樹脂基材５７ａの表面）に転写する。このインモールド成形は、工程数が少ないことから、自動化、高速化が可能で成形品の大量生産に適する。勿論、ここで使用される転写シートの目付加工情報は共通のものとなる。

次に、上記構成を有する旭光文字板１１の作用を説明する。
本第１実施形態に係る旭光文字板１１によれば、軸貫通穴５９の中心軸６７と旭光模様６１の中心（放射中心６９）とが一致しない。文字板５７は、輪郭が円形となる。文字板５７の中心は中心軸６７であるから、この中心軸６７に対して放射中心６９がずれていることで、旭光模様６１が文字板５７の輪郭に対し片寄せられて（即ち、偏芯して）見える。このため、旭光文字板１１は、文字板５７と旭光模様６１の関連性が打ち消される。これにより、旭光文字板１１は、作為的にならず、違和感の無い見栄えの旭光模様６１を有する金属調文字板である旭光文字板１１を安定して製造できる。

次に、本発明の第２実施形態に係る旭光文字板７１を説明する。
なお、図５に示す第２実施形態に係る旭光文字板７１は、図１〜図４に示した第１実施形態に係る旭光文字板１１と同様の部材および部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
第２実施形態に係る旭光文字板７１は、成形金型（図示せず）で一体成形された円板状の合成樹脂製の文字板７３と、燃料計１９の回転軸が貫通するように文字板７３に設けられた軸貫通穴５９と、を備える。旭光文字板７１は、文字板７３に、軸貫通穴５９の開口縁６５から外方に向って延びるように文字板７３に設けられる旭光模様７５を形成する複数の溝６３のうち少なくとも数本の溝６３が、他の溝（交差溝７７）と交差するように設けられている。

本第２実施形態に係る旭光文字板７１では、円形の輪郭を有する文字板７３の中心に軸貫通穴５９が穿設される。旭光文字板７１は、文字板７３に、少なくとも一端がこの軸貫通穴５９に接する直線状の溝６３が複数形成されて旭光模様７５が付与される。即ち、一端が軸貫通穴５９に接して形成される旭光模様７５は、軸貫通穴５９の中心軸６７を通る放射状の旭光模様よりも若干ラフ（無造作）な略旭光模様となる。これは、放射点が一定とならないためである。

また、旭光文字板７１は、文字板７３において、略旭光模様を形成するこれら軸貫通穴５９に接する多数の溝６３のうち、少なくとも数本の溝６３が他の溝（交差溝７７）と交差する。即ち、交差溝７７は、軸貫通穴５９を通り、且つ少なくとも１本の溝６３と交差する。交差溝７７は、複数の溝６３と交差するものであってもよい。このように、本構成による文字板７３は、旭光模様７５が若干ラフになることに加え、少なくとも数本の溝６３が、交差溝７７と交差するので、整然さが適度に打ち消される。これにより、旭光文字板７１は、作為的にならず、違和感のない見栄えの旭光模様７５を有する旭光文字板７１を得ることができる。

次に、本発明の第３実施形態に係る旭光文字板８３を説明する。
図６に示す第３実施形態に係る旭光文字板８３は、成形金型（図示せず）で一体成形された円板状の合成樹脂製の文字板８５と、燃料計１９の回転軸が貫通するように文字板８５に設けられた軸貫通穴５９と、を備える。旭光文字板８３は、軸貫通穴５９の開口縁６５から外方に向って延びるように文字板８５に設けられる旭光模様８７を形成する複数の溝が、軸貫通穴５９の中心軸６７を中心として放射状に設けられる第１溝７９と、中心軸６７を通らない直線上に沿って設けられる第２溝８１と、を有する。

本第３実施形態に係る旭光文字板８３によれば、旭光文字板８３は、文字板８５に、中心軸６７を中心として放射状に第１溝７９が設けられることで、旭光模様８７が付与される。また、旭光文字板８３は、文字板８５に、中心軸６７を通らず、この軸貫通穴５９の開口縁６５から外方に向って延びる第２溝８１が形成される。従って、第２溝８１は、第１溝７９と交差することも可能となる。旭光文字板８３は、文字板８５に、中心軸６７を中心とする放射方向の整然とした旭光模様８７と、開口縁６５から外方に向って第２溝８１が延びて形成される若干ラフ（無造作）な略旭光模様とが重なって付与される。このように、本構成による文字板８５は、整然とした旭光模様８７に、若干ラフな略旭光模様が重ねられることで、整然さが適度に打ち消される。これにより、旭光文字板８３は、作為的にならず、違和感のない見栄えの旭光模様８７を有する旭光文字板８３を得ることができる。

次に、本発明の第４実施形態に係る旭光文字板９３を説明する。
図７に示す第４実施形態に係る旭光文字板９３は、成形金型（図示せず）で一体成形された円板状の合成樹脂製の文字板９５と、燃料計１９の回転軸３７が貫通するように文字板９５に設けられた軸貫通穴５９と、を備え、軸貫通穴５９の開口縁６５から外方に向って延びるように文字板９５に設けられる旭光模様９７を形成する複数の溝が、軸貫通穴５９の中心軸６７と異なる位置を中心（他中心９９）として放射状に設けられる第１溝８９と、他中心９９を通らない直線上に沿って設けられる第２溝９１と、を有する。

本第４実施形態に係る旭光文字板９３によれば、旭光文字板９３は、文字板９５に、開口縁６５から外方に向って延びる複数の溝によって、旭光模様９７が形成される。この溝のうち、第１溝８９は、中心軸６７と異なる他中心９９から放射状に設けられる。他中心９９は、例えば軸貫通穴５９の内側に設けることができる。また、第２溝９１は、他中心９９を通らない。そこで、旭光文字板９３は、旭光模様９７が文字板９５の輪郭に対し片寄せられて（偏芯して）見え、文字板９５と旭光模様９７の関連性が打ち消される。これに加え、旭光文字板９３は、第２溝９１が、旭光模様９７の他中心９９を通らないので、偏芯した旭光模様の整然さが更に適度に打ち消される。これにより、旭光文字板９３は、作為的にならず、違和感のない見栄えの旭光模様９７を有する旭光文字板９３を得ることができる。

従って、合成樹脂製の旭光文字板１１，７１，８３，９３における金属的な質感に違和感を生じさせることがなく、高級感を持たせた自動車用メータとしての燃料計１９を得ることができる。

ここで、上述した本発明に係る旭光文字板及び当該旭光文字板を備えた自動車用メータの実施形態の特徴をそれぞれ以下に簡潔に纏めて列記する。
［１］合成樹脂製の文字板５７と、計器ユニット（内機）の回転軸３７が貫通するように前記文字板５７に設けられた軸貫通穴５９と、を備え、前記軸貫通穴５９の開口縁６５から外方に向って放射状に延びるように前記文字板５７に設けられる旭光模様６１を形成する複数の溝６３が、前記軸貫通穴５９の中心軸６７と異なる位置を中心（放射中心）６９として放射状に設けられることを特徴とする旭光文字板１１。
［２］合成樹脂製の文字板７３と、計器ユニット（内機）の回転軸３７が貫通するように前記文字板７３に設けられた軸貫通穴５９と、を備え、前記軸貫通穴５９の開口縁６５から外方に向って延びるように前記文字板７３に設けられる旭光模様７５を形成する複数の溝６３のうち少なくとも数本の溝６３が、他の溝（交差溝）７７と交差するように設けられていることを特徴とする旭光文字板７１。
［３］合成樹脂製の文字板８５と、計器ユニット（内機）の回転軸３７が貫通するように前記文字板８５に設けられた軸貫通穴５９と、を備え、前記軸貫通穴５９の開口縁６５から外方に向って延びるように前記文字板８５に設けられる旭光模様８７を形成する複数の溝が、前記軸貫通穴５９の中心軸６７を中心として放射状に設けられる第１溝７９と、前記中心軸６７を通らない直線上に沿って設けられる第２溝８１と、を有することを特徴とする旭光文字板８３。
［４］合成樹脂製の文字板９５と、計器ユニット（内機）の回転軸３７が貫通するように前記文字板９５に設けられた軸貫通穴５９と、を備え、前記軸貫通穴５９の開口縁６５から外方に向って延びるように前記文字板９５に設けられる旭光模様９７を形成する複数の溝が、前記軸貫通穴５９の中心軸６７と異なる位置を他中心（中心）９９として放射状に設けられる第１溝８９と、前記他中心（中心）９９を通らない直線上に沿って設けられる第２溝９１と、を有することを特徴とする旭光文字板９３。
［５］上記［１］〜［４］の何れか１つの構成の旭光文字板１１，７１，８３，９３を備えたことを特徴とする自動車用メータ（燃料計）１９。

従って、本実施形態に係る旭光文字板１１、旭光文字板７１、旭光文字板８３、旭光文字板９３及びこれらを備えた自動車用メータとしての燃料計１９によれば、作為的にならず、金属調文字板として違和感の無い見栄えの旭光模様を安定して付与できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。

以上で説明した複数の溝６３、７７、７９、８１、８９、９１の構成は、図４で説明したものに限られない。

文字板５７、７３、８５、９５（以下、「文字板５７」の場合を例に挙げて説明する。）は、例えば、少なくとも光透過性を有する透明の合成樹脂製（例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート）の樹脂基材（基板本体）とインク層との２層構造を含んで構成されてもよい。インク層は、例えば、印刷等により樹脂基材に施される。この場合、文字板５７は、樹脂基材の表面に旭光模様６１、７５、８７、９７（以下、単に「旭光模様６１」の場合を例に挙げて説明する。）を形成する複数の溝６３、７７、７９、８１、８９、９１（以下、単に「溝６３」の場合を例に挙げて説明する。）が設けられてもよいし、樹脂基材の裏面に旭光模様６１を形成する複数の溝６３が設けられてもよい。ここで、樹脂基材の表面とは、上述したように、樹脂基材において、運転者等によって視認される側に位置する面、言い換えれば、当該車両の車室内側に位置する面に相当する一方、樹脂基材の裏面とは、樹脂基材において、車運転者等によって視認される側とは反対側に位置する面、言い換えれば、当該車両の車室内側とは反対側に位置する面に相当する。

文字板５７は、樹脂基材の表面に旭光模様６１を形成する複数の溝６３を設けた場合、例えば、当該樹脂基材の裏面がフラットに形成され、当該樹脂基材の裏面側に接するようにしてインク層が形成される。この場合、インク層は、例えば、光を吸収し易い黒色インクが用いられる。これにより、文字板５７は、当該文字板５７の表面側に入射した光が樹脂基材の表面の複数の溝６３で反射することで旭光模様６１が形成され、複数の溝６３で反射しなかった光が黒インクによるインク層のフラットな表面（樹脂基材の裏面と接する黒面）に吸収される。

また、文字板５７は、樹脂基材の裏面に旭光模様６１を形成する複数の溝６３を設けた場合、例えば、当該複数の溝６３が設けられた樹脂基材の裏面に接するようにしてインク層が形成される。この場合、例えば、樹脂基材の表面は、フラットに形成され、インク層は、光を反射し易い反射インク（ミラーインク）が用いられる。これにより、文字板５７は、当該文字板５７の表面側に入射した光が樹脂基材の裏面に形成され当該裏面側で反射インクによるインク層と接する複数の溝６３で反射することで旭光模様６１が形成される。なおこの場合、文字板５７は、さらに、反射インクによるインク層の裏面に接するようにして、いわゆるピンホール見えを防止するための抑えインク層が形成されてもよい。

また、以上の説明では、文字板５７は、図４の例では、溝６３が設けられた樹脂基材５７ａの表面に金属薄膜５７ｂが施されるものとして説明したが、溝６３が設けられた樹脂基材５７ａの裏面に金属薄膜５７ｂが施されてもよく、この場合であっても当該文字板５７の表面側に入射した光が複数の溝６３で反射することで旭光模様６１が形成される。

また、以上の説明では、文字板５７は、成形金型等によって、樹脂基材５７ａに旭光模様６１を形成する複数の溝６３が一体成形され、即ち、当該成形金型から樹脂基材５７ａに複数の溝６３が転写されるものとして説明したがこれに限らない。例えば、文字板５７は、樹脂基材５７ａの表面に金属調の印刷を施し、当該印刷された金属調のインクによって旭光模様６１を形成する複数の溝６３を印刷するようにしてもよい。つまり、文字板５７は、例えば、樹脂基材５７ａの表面にインクを印刷し旭光模様６１に応じて積層させ硬化させることで、凹状の部分と凸状の部分とを形成し、当該凹状の部分によって複数の溝６３を形成するようにしてもよい。この場合、文字板５７は、例えば、樹脂基材５７ａの表面に第１の金属調印刷層を印刷し、当該第１の金属調印刷層の表面にスモーク印刷層を印刷し、当該スモーク印刷層の表面に該スモーク印刷層より線幅が狭い第２の金属調印刷層を印刷することで、旭光模様６１を形成する複数の溝６３が形成されてもよい。第１の金属調印刷層、第２の金属調印刷層は、例えば、アルミニウム紛、ブロンズ紛などの金属粉や雲母に酸化チタンや酸化鉄をコーティングして作られたパール顔料を用いたメタリックインクの印刷層からなる。スモーク印刷層としては、例えば、メジウムと墨インク等を混練して光沢や透明度を増したクリア系塗料やマット剤と墨インク等を混練して光沢を抑えたマット系塗料が用いられる。

その他、旭光模様６１を形成する複数の溝６３、７７、７９、８１、８９、９１は、上記に限らず、種々の方法によって形成されてもよい。また、溝６３、７７、７９、８１、８９、９１は、例えば、樹脂基材５７ａに対してケガキ加工等によって施されてもよいし、透明の樹脂系のインクによって描かれてもよい。また、文字板５７、７３、８５、９５は、樹脂基材５７ａの表面側に各種の保護層を備えていてもよい。

１１、７１、８３、９３…旭光文字板
１９…燃料計（自動車用メータ）
３７…回転軸
５７、７３、８５、９５…文字板
５９…軸貫通穴
６１、７５、８７、９７…旭光模様
６３…溝
６５…開口縁
６７…中心軸
６９…放射中心（中心）
７９…第１溝
８１…第２溝
８９…第１溝
９１…第２溝

Claims

合成樹脂製の文字板と、計器ユニットの回転軸が貫通するように前記文字板に設けられた軸貫通穴と、を備え、
前記軸貫通穴の開口縁から外方に向って放射状に延びるように前記文字板に設けられる旭光模様を形成する複数の溝が、前記軸貫通穴の中心軸と異なる位置を中心として放射状に設けられることを特徴とする旭光文字板。
合成樹脂製の文字板と、計器ユニットの回転軸が貫通するように前記文字板に設けられた軸貫通穴と、を備え、
前記軸貫通穴の開口縁から外方に向って延びるように前記文字板に設けられる旭光模様を形成する複数の溝のうち少なくとも数本の溝が、他の溝と交差するように設けられていることを特徴とする旭光文字板。
合成樹脂製の文字板と、計器ユニットの回転軸が貫通するように前記文字板に設けられた軸貫通穴と、を備え、
前記軸貫通穴の開口縁から外方に向って延びるように前記文字板に設けられる旭光模様を形成する複数の溝が、前記軸貫通穴の中心軸を中心として放射状に設けられる第１溝と、前記中心軸を通らない直線上に沿って設けられる第２溝と、を有することを特徴とする旭光文字板。
合成樹脂製の文字板と、計器ユニットの回転軸が貫通するように前記文字板に設けられた軸貫通穴と、を備え、
前記軸貫通穴の開口縁から外方に向って延びるように前記文字板に設けられる旭光模様を形成する複数の溝が、前記軸貫通穴の中心軸と異なる位置を中心として放射状に設けられる第１溝と、前記中心を通らない直線上に沿って設けられる第２溝と、を有することを特徴とする旭光文字板。
請求項１〜４の何れか１項に記載の旭光文字板を備えたことを特徴とする自動車用メータ。