JP6021936B2 - スライドファスナー用の引手後付けスライダー - Google Patents

スライドファスナー用の引手後付けスライダー Download PDF

Info

Publication number
JP6021936B2
JP6021936B2 JP2014545539A JP2014545539A JP6021936B2 JP 6021936 B2 JP6021936 B2 JP 6021936B2 JP 2014545539 A JP2014545539 A JP 2014545539A JP 2014545539 A JP2014545539 A JP 2014545539A JP 6021936 B2 JP6021936 B2 JP 6021936B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slider
closing member
handle
groove
dovetail groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014545539A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014073111A1 (ja
Inventor
嘉一 濱田
嘉一 濱田
槻 慶一
慶一 槻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YKK Corp
Original Assignee
YKK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YKK Corp filed Critical YKK Corp
Publication of JPWO2014073111A1 publication Critical patent/JPWO2014073111A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6021936B2 publication Critical patent/JP6021936B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A44HABERDASHERY; JEWELLERY
    • A44BBUTTONS, PINS, BUCKLES, SLIDE FASTENERS, OR THE LIKE
    • A44B19/00Slide fasteners
    • A44B19/24Details
    • A44B19/26Sliders
    • A44B19/262Pull members; Ornamental attachments for sliders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A44HABERDASHERY; JEWELLERY
    • A44BBUTTONS, PINS, BUCKLES, SLIDE FASTENERS, OR THE LIKE
    • A44B19/00Slide fasteners
    • A44B19/24Details
    • A44B19/26Sliders
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16BDEVICES FOR FASTENING OR SECURING CONSTRUCTIONAL ELEMENTS OR MACHINE PARTS TOGETHER, e.g. NAILS, BOLTS, CIRCLIPS, CLAMPS, CLIPS OR WEDGES; JOINTS OR JOINTING
    • F16B45/00Hooks; Eyes
    • F16B45/04Hooks with sliding closing member
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T24/00Buckles, buttons, clasps, etc.
    • Y10T24/25Zipper or required component thereof
    • Y10T24/2561Slider having specific configuration, construction, adaptation, or material
    • Y10T24/2586Slider having specific configuration, construction, adaptation, or material including pull tab attaching means

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Slide Fasteners (AREA)

Description

本発明は、スライドファスナーに用いられるスライダーに関し、特に、スライダー胴体を作製した後に、同スライダー胴体に引手を後から取り付けるタイプのスライドファスナー用スライダーに関する。
スライドファスナー用のスライダーは、上翼板と、下翼板と、上下翼板の間にエレメントの通過間隙をもたせて上下翼板の一端部を連結する案内柱と、上翼板の案内柱側の一端部の上面に立ち上がり、他端部に向けて延在する引手取付杆と、同引手取付杆に取り付けられる引手とを備えている。この引手は、引手取付杆と上翼板上面との間の引手収容空間に引手の取付軸部を挿通させることにより引手取付杆に取り付けられる。一般のスライダーでは、引手取付杆と上翼板上面との間の引手収容空間の領域に引手の取付軸部をセットしてから、引手取付杆の両端をスライダー胴体の上翼板上面の所定位置に不動に固定する。そのため、このようなスライダーでは、顧客の要求や好みに応じて、色や模様、形態などの異なる各種の引手をスライダー胴体に自由に取り付けることができず、スライダー胴体に一旦取り付けられた引手は任意に交換することができない。
こうした従来の一般的なスライダーに代わる、スライダー胴体に引手を後から取り付けるスライダーの提案も多くなされている。その代表的な提案が、例えば、WO2010/058465A1(特許文献1)及びWO2011/086703A1(特許文献2)などに開示されている。特許文献1及び2によれば、胴体の上翼板上面の前端部である案内柱側端部に引手保持体(引手取付杆)の一端が固着され、他端を自由端として上翼板上面に片持状に引手保持体(引手取付杆)が固設されている。ここで、特許文献1に開示されたスライダーは、引手保持体とスライダー胴体とが別個に製作され、スライダーの組み付け時に引手保持体をスライダー胴体に組み付け固定する。一方、特許文献2に開示されたスライダーでは、その引手取付杆の一端がスライダー胴体の一端部に片持ち状に一体成形されている。いずれのスライダーも、引手取付杆の自由端と上翼板との間には引手の取付軸部を挿通できる挿通間隙が形成されており、この間隙に引手の取付軸部の挿通後、別途用意した閉鎖体や閉塞部材により閉鎖される。
特許文献1に記載された後付けタイプのスライダーでは、前記閉鎖体が前記上翼板の案内柱側とは反対側の後ろ口側の前記挿通間隙から案内柱側の引手収容空間の途中まで、上翼板の上面に設けられたスライダーの幅方向の左右及び上翼板に直交する上下方向の移動を規制する摺動路に沿って前後方向へと摺動案内される。因みに、特許文献1における前記摺動路は上翼板の左右端部に沿って形成される開口縁を対向させて形成されたアリ溝である。一方、前記引手保持体の左右後端部にも断面コ字状の摺動溝が、その開口縁を対向させて形成されている。閉鎖体の下端縁に沿って形成されたガイド片と閉鎖体の左右上端縁部に沿ってフランジ状に形成されたガイド片とを前記アリ溝及び摺動溝にそれぞれ挿入して、閉鎖体をもって引手保持体と上翼板との間の挿通間隙を閉鎖すると同時に、閉鎖体を引手保持体及び上翼板に上下、左右から固定保持する。ここで本明細書においては、スライダーについて上側とは引手が取り付けられた上翼板の側をいう。上翼板の上面における後端側半部には後部凹陥部が形成されている。
かかる構成にあって、前記閉鎖体を上翼板の上面後端部にセットし、スライダー胴体の上翼板の左右後端部に立設された突出短片を加締め加工して上翼板上面とほぼ平行になるまで予め折り曲げておく。ここで、引手をスライダー胴体に取り付けるには、引手保持体の前端部を上翼板の前端部に嵌着固定すると同時に、当該引手保持体における後端部に配された摺動溝に閉鎖体の上ガイド片を嵌め込む。このとき、上翼板の上面に形成された後部凹陥部には予めコイルスプリングが配されており、このコイルスプリングの弾力に抗して、閉鎖体を前方の所定位置まで移動させ、引手保持体の自由端と上翼板との間の引手挿通間隙を通して前記引手の取付軸部を挿通させ、前記閉鎖体の前方に形成された引手保持体との間の引手収容空間の一部に収容したのち、所定位置にセットする。このセットが終了すると、前記閉鎖体を前記コイルスプリングによる前方から後方に向けて働く弾力により上記後部凹陥部に沿って挿通間隙の入口まで移動させる。このとき、左右突出短片の案内柱側の前端面に前記閉鎖体の左右下端縁に沿って外側に突出するガイド片の後端面が衝接し、突出短片がストッパーとして機能し、閉鎖体はそれ以上後退することがない。
こうして引手が組み付けられたスライダーは、引手をスライダー胴体から取り外すこともできる。引手を取り外すには、まず閉鎖体の上面と引手保持体の内面との間に引手が通過可能な空間が形成された位置まで、コイルスプリングの弾力に抗して閉鎖体を一旦前進させる。ここで、前記閉鎖体を停止状態としてその場に留め、引手の取付軸部を前記引手収容空間の引手保持体と上翼板との間の引手収容空間の一部から抜き出し、引手をスライダー胴体から取り外す。その後、引手収容空間の途中に留めた閉鎖体の拘束を開放すると、上記コイルスプリングの弾力により閉鎖体は上記突出短片との衝接位置まで容易に戻すことができ、続いて引手を引っ張って挿通間隙から引き出す。このように、この特許文献1により提案されたスライダーは、引手の後付けと取り外しが自由にできるため、顧客の好みに合わせて、その場で引手を交換することができる。
一方、上記特許文献2が提案する後付けスライダーによれば、初めからスライダー胴体と引手取付杆とが成形一体化されている。この文献2に記載されたスライダーにあっても、特許文献1と同様、引手取付杆の一端がスライダー胴体の上翼板における案内柱側端部に固設され、他端が自由端部となって片持ち状で一体化されており、その自由端部と上翼板との間に引手の取付軸部が挿通可能な挿通間隙を有する。上翼板における上面の幅方向中央部の後端側半部には、後端まで延びる矩形状の凹溝が形成されており、この凹溝には前記挿通間隙を閉塞する閉塞部材が嵌め込まれる。また、引手取付杆の自由端部先端は下方に湾曲したフック状を呈しており、そのフック状先端部の下面には閉塞部材との係着段部が形成されている。
この特許文献2に開示された代表的な閉塞部材の第1番目の例では、本体幅方向左右の肩部から平行に後方に向けて水平に延びる左右腕部を有し、前記左右肩部の間には同じく左右腕部と同一方向に平行に延びる弾性片部を有している。前記左右肩部及び左右腕部は剛体からなり、前記弾性片部は縦断面が倒伏L字状を呈し、その先端部が屈曲基端部を中心として上下に弾性変形する。前記左右肩部を含む前記弾性片部の前端面は案内柱側である前方に向けて下傾斜する傾斜面に形成され、弾性片部の上面中央部には引手取付け片の先端係着段部と係脱する係脱段部を有している。前記左右肩部を含む左右腕部の外側側面間の寸法は、上記矩形状の前記凹溝の左右内壁面間の寸法に等しく、前記肩部の前端面と前記左右腕部の後端面との間の寸法は、前記凹溝の前端と後端との間の寸法に等しい。前記弾性片部の上下高さは、前記上翼板の前記凹溝の底面から前記引手取付杆における前記係脱段部の上面までの間の寸法に等しい。前記傾斜面は、引手取付杆と上翼板との間の引手取付空間を大きく取るとともに、スライドファスナーを閉じようとして引手を後方に引っ張ったとき、引手の停止位置が引手取付杆の先端フック状湾曲部に納まるように案内する案内面となる。
かかる構成を備えた前記スライダーにあって、スライダー胴体に引手を取り付けるには、上記引手取付杆の自由端部と前記上翼板との間の挿通間隙に引手の取付軸部を挿入し、次いで前記閉塞部材を上翼板の上面に形成された上記凹溝の入口に肩部から挿入して奥へと押し込む。この押込み時、引手取付杆の先端が上記弾性片部の上面を上から押圧して弾性片部を下方に弾性変形させる。弾性片部の係脱段部が前記変形状態を維持しながら引手取付杆の係着段部との係着位置に達すると、引手取付杆の先端面による上方からの押圧が解かれて、弾性片部が原形に弾性復帰し、弾性片部の係脱段部が引手取付杆の係着段部に係止され、引手の取付けが完了する。引手が取り付けられたスライダーから、引手を取り外すには、前記弾性片部の後端上面を押圧して弾性変形させて前記係脱段部と係着段部との係着を外し、閉塞部材を上翼板上面に形成された上記凹溝に沿って手前に移動させ、引手の取付軸部を引手取付杆の自由端と上翼板との間の挿通間隙から抜き出す。
また、この特許文献2に示された閉塞部材の第2番目の例によれば、スライダー胴体における上翼板の肩口側端部(前端部)上面に引手取付杆を片持ち状に固設され、その後端と上翼板との間に引手の取付軸部を挿脱可能な挿通間隙を有している。また、引手取付杆の先端には後方に水平に突出する1本の有頭ピン部を有している。前記上翼板の後端部表面を所要の高さ欠落させて欠落部を形成し、その残部の幅方向中央部に上方に開口し左右にアリ溝を有する、閉塞部材の後述する本体部が挿入される本体挿入空間が形成されている。前記本体挿入空間の底面は前記欠落部の床面と同一平面上に配されている。この本体挿入空間の底面及び前記欠落部の表面幅方向中央には、前記閉塞部材の前記本体部の一部を嵌合して前後に案内する案内溝が形成されている。更に、前記欠落部の前記床面には左右の前記アリ溝部の後端面と対峙して起立する左右突部が配されている。
一方、特許文献2に記載された前記第2の例による閉塞部材は、上翼板の左右の上記アリ溝部に嵌挿して水平に装着される矩形平板状の本体部と、該本体部の前端から上方に側面視でS字状に湾曲して立ち上がる上下方向に弾性変形が可能な弾性片部と、この弾性片部の自由端中央部に形成された前後に貫通する孔部と、前記本体部から後方に向けて二股に分岐して末広がりに水平に延びる左右一対の脚部と、各脚部の先端に設けられ互いに離間する左右の方向に突出する係着突片と、前記本体部の下面幅方向中央部に直線的に突出して延びる突出条部とを有している。この突出条部は、上翼板の幅方向中央部床面に形成された上記案内溝に嵌め込まれて前後方向に摺動案内される。前記孔部は、引手取付杆の先端に形成された上記有頭ピン部の頭部に抜脱可能に係脱する。左右一対の前記脚部は、左右方向(スライダー幅方向)に弾性変形が可能である。
かかる構成にあって、スライダー胴体に引手を取り付けるには、引手取付杆の自由端と上翼板との間の挿通間隙を通して引手の取付軸部を引手収容空間に挿入し、上翼板上面の上記アリ溝部に閉塞部材の本体部と左右脚部とを嵌め込み前方へと移動させる。その移動の途中で閉塞部材の弾性片部上端の孔部に、引手取付杆の自由端部先端から突出する上記有頭ピン部を挿通して係着させる。前記アリ溝に案内されて前方へと移動する左右一対の脚部は、前進するにつれて弾性変形して左右の間隔が狭まり、S字状の弾性片部の前方湾曲面が上翼板の上記本体挿入空間の奥壁面に衝接するまでの間に、左右脚部の先端に設けられた上記係着突片の先端間の間隔を、上翼板の欠落部上面に起立する左右突部の対向間隙よりも狭まるよう強制的に弾性変形させる。この弾性変形の状態で閉塞部材の送りを続けて、左右の前記係着突片が上翼板の左右アリ溝の後端面近傍と前記左右突部との間の隙間位置に達すると、その弾性変形力が解除されて前記係着突片が前記隙間に自動的に侵入し、閉塞部材のそれ以上の前進及び後退が阻止される。一方、引手をスライダー胴体から取り外すには逆の煩雑な操作をしなければならず、先に述べた第1の例と比較すると簡単には引手が取り外しにくいものの、取り外すことは可能である。
ところで、特定の用途に使われる特殊な構造を有するスライダーに、例えば実開昭53−36903号公報(特許文献3)に開示された施錠スライダーがある。このスライダーは、例えば引手に強い力が掛かりやすい鞄類に多く使われており、一対の施錠スライダーの肩口を向かい合わせの状態でスライドファスナーチェーンに装着している。この一対の各施錠スライダーの上翼板肩口側の中央端部に錠挿通孔が形成された半円状の金属リングからなる施錠金具の半部を上翼板から外側に突出させた形態で、上翼板に一体的に取り付けられている。いざ施錠するにあたっては、前記一対の施錠金具の各錠挿通孔を重ね合わせて、各錠挿通孔に錠杆を挿通させて施錠する。
前記特許文献3に記載されたスライダーも特許文献1〜2と同様、いずれもアルミ合金や銅合金、亜鉛合金などの金属材料で構成されている。その理由は、金属類は他の材料に比して剛性と強度が高く、しかも耐磨耗性に優れており、更には塑性変形することから、例えばダイキャスト成形とプレス加工や加締め加工、切削加工などの機械加工とを組み合わせて加工したり、あるいはそれらの単独加工により所望の製品が得られるためである。例えば上記特許文献1にあっても、スライダー胴体をダイキャストで成形したのち、引手の取り付けにあたっては上翼板の上面肩口側の左右隅部に起立する一対の短片を、その先端が接近する方向に押圧して屈曲させる、いわゆる加締め加工がなされている。
WO2010/058465A1 WO2011/086703A1 実開昭53−36903号公報
前記特許文献1又は2により提案されたスライダーでは、上述のように、スライダー胴体に閉鎖体又は閉塞部材を上下左右及び後方への移動を抑制して固設し、スライダー胴体の上翼板と引手保持体又は引手取付杆の自由端部との間に形成される挿通間隙を閉塞して引手の取り付けが終了する。また、こうしてスライダー胴体に取り付けられた引手を別の引手と交換しようとするときは、上述のとおり、スライダー胴体から先に取り付けられている引手を取り外して、新たな引手と交換して取り付けることが可能である。
しかして、例えば上記特許文献1により提案された全てのスライダーの構造例によれば、いずれも閉鎖体が後方に向かう移動は、スライダー胴体の上翼板上で90°加締められたストッパーとして機能する突出短片により阻止されるものの、コイルスプリングによる弾力に打ち勝つ強い力が閉鎖体の後方から前方に向けて働くと、閉鎖体は前方へと移動する。そのため、閉鎖体により閉鎖されているはずのスライダー胴体の上翼板と引手保持体の自由端部との間の挿通間隙が改めて形成されてしまい、そこから引手が抜け出るおそれがある。更に、スライダーの組み立て時に、突出短片の加締め加工を行う必要があるため、組み立て作業が煩雑になり易いという欠点もあった。
また、一方の特許文献2に開示された第1番目のスライダー構造例について見ると、閉塞部材を上翼板上面の上記凹溝に嵌め込んで同凹溝に固定する手段は、上翼板上面に形成された前記凹溝の左右の内壁面及び奥壁面と、凹溝の底面と、引手取付杆の先端フック状湾曲部の係着段部の段差面と、閉塞部材における弾性片部の係脱段部の頂部に形成された段差面である。すなわち、閉塞部材の上翼板への固定は、上翼板の凹溝の奥壁面、その左右内壁面の前面及び左右側面に密接による左右及び前方への移動規制と、前記係着段部及び係脱段部の段差面同士の係止による後方への移動規制と、凹溝の底面、引手取付杆の係着段部及び閉塞部材の係脱段部の係着による単なる上下方向の規制であるに過ぎない。
そのため、スライドファスナーを開くとき、例えば引手に後方に向かう斜め上方の強い力がかかったとき、引手の自由端部が持ち上がり、前記係着段部及び係脱段部の係止が外れてしまうと、閉塞部材の後方への移動規制が解かれ、閉塞部材が後方へと移動して、引手の自由端部と上翼板との間の挿通間隙から引手がスライダー胴体から脱落する懸念がある。また、同挿通間隙と閉鎖体との間に隙間ができて、布片や紐などのスライダー周辺の他部材を噛み込みかねない。更に、その押圧されたストッパー又は閉塞部材が元の閉塞状態に戻ろうとする力によって、ストッパー又は閉塞部材と引手取付杆の自由端部との間に他部材が挟み込まれることがあった。
また、上記特許文献2に開示された2番目のスライダー構造例では、閉塞部材は、上述のとおり、上翼板上面の上記アリ溝部に閉塞部材の本体部と左右脚部とが嵌め込まれ、閉塞部材の弾性片部上端の孔部が、引手取付杆の自由端部先端から突出する上記有頭ピン部に挿通係着されている。また、上記左右一対の脚部は、S字状の弾性片部の前方湾曲面が上翼板の上記本体挿入空間の奥壁面に衝接した状態で、左右脚部の先端に設けられた上記係着突片が上翼板の左右アリ溝の後端面近傍と前記左右突部との間の隙間に侵入し、閉塞部材のそれ以上の前進及び後退を阻止している。
しかるに、この状態にあって引手に後方に向かう斜め上方の強い力が加えられて、引手取付杆の自由端部が上方に持ち上げられると、本来が上下方向に弾性変形しやすいS字状の弾性片部も一緒になって弾性変形して上方に伸び上がる。この状態で引手に掛かっていた前記強い力が消去されると、引手取付杆の自由端部が元の位置に戻ると同時に弾性片部も元の姿に戻る。このとき,引手取付杆の自由端部と弾性片部の上端部との間にたまたま周辺の他部材が噛み込まれると、スライダーの円滑な摺動が妨げられる。更に、当該スライダー構造では、スライダーの組み立て作業が前述のように煩雑になるという欠点があった。また、閉塞部材が外力を受けたときに、閉塞部材の弾性片部上端の孔部が引手取付杆の有頭ピン部から外れて、引手取付杆から引手が脱落する虞もあった。
一方、例えば上記特許文献3に開示された金属製の施錠スライダーについて見ると、特許文献1及び2に記載された一般の金属製スライダーと異なり、一対のスライダーが使われるだけでなく、各スライダーの胴体にリング体からなる施錠金具が一体に取り付けられている。更には施錠時は前記一対のスライダーに加えて錠が取り付けられる。そのため錠付きスライドファスナー全体の重量が増え、更なる軽量化の要求に応えきれなくなってきている。
本発明は、こうした従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、スライダー胴体に配された引手取付杆に引手を後から容易に取り付けて、スライダーの組立作業を容易に行うことができ、且つ、薄手の布片のような他部材が、スライダー胴体の上翼板と引手取付杆の自由端部との間に挟み込まれることが防止でき、更には引手取付杆が引手を介して大きな力を受けても、上翼板と引手取付杆の自由端部との間の引手挿通間隙に介装される閉塞部材により前記上翼板と引手取付杆の自由端部とが強固に固定され、引手取付杆の自由端部の変形を最小限に抑えることができる引手後付けスライダーを提供することを目的としている。本発明の更なる目的は、材質の選択に自由度が大きく、構造が簡単で且つ軽量化が可能で、製造に当たって多様な加工手段が適用できる、スライドファスナー用引手後付けスライダーを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る引手後付けスライダーは、基本的な構成として、上下翼板を有するスライダー胴体の前記上翼板の上面に、引手を保持する引手取付杆が片持状に一体に形成され、前記引手取付杆は、前記上翼板から起立する固定端部と、前記上翼板との間に前記引手の一部が挿通可能な挿通間隙が形成された自由端部とを有し、前記挿通間隙を閉塞する閉塞部材が前記スライダー胴体に配されてなるスライドファスナーの引手後付けスライダーであって、前記スライダー胴体の前記上翼板は、前記閉塞部材を装着する第1装着部を有し、前記引手取付杆の前記自由端部は、前記閉塞部材を装着する第2装着部を有し、前記閉塞部材は、前記上翼板の前記第1装着部に装着される第1被着部と、前記自由端部の前記第2装着部に装着される第2被着部とを有し、前記第1装着部及び前記第1被着部のうちの何れか一方が、第1アリ溝部を有するとともに、他方が、前記第1アリ溝部に挿嵌されて係合する第1挿嵌係合構造を備えた第1挿嵌係合部を有し、前記第2装着部及び前記第2被着部のうちの何れか一方が、第2アリ溝部を有するとともに、他方が、前記第2アリ溝部に挿嵌されて係合する第2挿嵌係合構造を備えた第2挿嵌係合部を有してなり、前記第1アリ溝部は、前記上翼板の前記第1装着部に配され、前記第2アリ溝部は、前記自由端部の前記第2装着部に配されてなり、前記第2アリ溝部は、前記自由端部におけるスライダー幅方向に向いた左右側面から、スライダー幅方向の内側に向けて凹設され、且つ、上下内壁面と溝底面とを備えた一対の第2凹溝条を有し、各第2凹溝条の前記下内壁面は、前記第2凹溝条の溝底面の位置からスライダー幅方向の外側に向けて突出する突条部により構成されてなることを特徴とするものである。
特に本発明に係る引手後付けスライダーは、前記第1挿嵌係合構造及び第2挿嵌係合構造のうちの少なくとも一方は、前記閉塞部材の後退方向への移動を阻止する後退移動阻止手段を有し、前記後退移動阻止手段は、弾性部材を介した係着爪による係着を含んでいることを特徴としている。
この場合、前記第1アリ溝部は、前記上翼板の上面から下方に向けて凹設された凹陥部の周壁に、少なくともスライダー幅方向の外側に向けて凹設され、且つ、上下内壁面と溝底面とを備えた第1凹溝条を有し、前記第1凹溝条の前記上内壁面は、前記第1凹溝条の前記溝底面の位置から前記凹陥部側に向けて突出する突片部により構成されていることが特に好ましい。
この場合、前記閉塞部材は、基板部と、前記基板部から上方に向けて、スライダー幅方向に所定の間隔を空けて起立した一対の起立板片と、前記起立板片の上端部において、互いに接近する方向に伸びた左右翼板とを有し、前記左右翼板は、前記第2被着部として、前記第2アリ溝部の前記一対の第2凹溝条に挿嵌されて係合していることが更に好ましい。
更にこの場合、前記閉塞部材は、前記基板部からスライダー幅方向の外側に延設され、前記第1被着部として前記第1アリ溝部の前記第1凹溝条に挿嵌されて係合する一対の平板片部を有し、前記凹陥部と、前記第1アリ溝部の前記第1凹溝条とは、前記上翼板の後口側端部に開口を有し、前記閉塞部材の前記基板部及び前記一対の平板片部は、前記開口を介して、前記凹陥部及び前記第1アリ溝部の前記第1凹溝条に挿入されていることが特に好ましい。
特に、前記引手取付杆は、前記固定端部と前記自由端部との間に配された延設部を有し、前記延設部と前記上翼板の上面との間に、引手収容部が配され、前記閉塞部材は、前記左右翼板の対向側面から互いに近接する方向に突出する一対の係着爪を有し、前記第2アリ溝部の前記一対の第2凹溝条における前記引手収容部側の端部に、前記係着爪を収容して係着させる係着空間が配されていることが更に好ましい。
また本発明では、前記閉塞部材は、前記一対の平板片部からスライダー幅方向の外側に突出する一対の係着爪を有し、前記第1アリ溝部の前記第1凹溝条よりスライダー長さ方向の肩口側に、前記係着爪を収容して係着させる係着空間が配されていても良い。
更に本発明の引手後付けスライダーにおいて、前記第1アリ溝部の前記第1凹溝条、又は、前記第2アリ溝部の第2凹溝条は、スライダー長さ方向の肩口側に向けて下り傾斜して配されていることが好ましい。
本発明に係る引手後付けスライダーは、スライダー胴体の上翼板上面に引手取付杆が片持状に固設されており、スライダー胴体の上翼板と引手取付杆の自由端部との間に形成される引手挿通間隙が、閉塞部材により閉塞される構造を有している。また、スライダー胴体の上翼板は、閉塞部材を装着する第1装着部を有し、引手取付杆の自由端部は、前記閉塞部材を装着する第2装着部を有する。更に、閉塞部材は、上翼板の第1装着部に装着される第1被着部と、自由端部の第2装着部に装着される第2被着部とを有する。
また本発明において、第1装着部及び第1被着部のうちの何れか一方が、第1アリ溝部を有するとともに、他方が、第1アリ溝部に挿嵌されて係合する第1挿嵌係合構造を備えた第1挿嵌係合部を有している。その上、第2装着部及び第2被着部のうちの何れか一方が、第2アリ溝部を有するとともに、他方が、第2アリ溝部に挿嵌されて係合する第2挿嵌係合構造を備えた第2挿嵌係合部を有している。
このような構成を有する本発明の引手後付けスライダー(以下、単にスライダーと言うこともある)では、引手の取付軸部を上翼板と引手取付杆の自由端部との間に形成されている挿通間隙に挿通させた後、上翼板及び引手取付杆の第1及び第2装着部に閉塞部材を容易に装着することができる。特に本発明では、スライダー胴体の上翼板と引手取付杆の自由端部とに対して、加締め加工などの複雑な作業を行うことなく、閉塞部材を、第1及び第2挿嵌係合構造によって係合させて組み付けることができるため、引手を後から取り付けるタイプのスライダーが極めて簡単に組み立てられる。
また、上翼板と引手取付杆の自由端部との間に閉塞部材が介装されていることにより、上翼板と引手取付杆の自由端部とが閉塞部材を介して相互に強固に固定されている。このため、例えばスライダーの引手取付杆が引手を介して大きな力を受けても、上翼板に対する引手取付杆の自由端部の位置を閉塞部材で安定して保持でき、引手取付杆の変形を最小限に抑えることができる。
従って、本発明では、閉塞部材と、上翼板及び引手取付杆の自由端部とが第1及び第2挿嵌係合構造によって係合していることにより、係合した閉塞部材の上下・左右の動きが阻止される。このため、例えばスライドファスナーの開閉のため、引手を介して引手取付杆に斜め上方に向かう極めて大きな力が掛かることによって、引手取付杆を大きく変形させようとする力が加えられたとしても、閉塞部材が引手取付杆と上翼板とに強固に係合しているため、閉塞部材が第1及び第2装着部から容易に外れることがなく、スライダーを損傷させることもない。
しかも、組み立てられた本発明のスライダーは、閉塞部材が、自動的に上下方向の動作及び左右方向の動作が阻止された状態で、スライダー胴体の上翼板と引手取付杆の自由端部とに対してしっかりと係合又は固定された閉塞保持構造を備えている。このため、引手が取り付けられて閉塞部材がスライダー胴体に装着して不動に固定された後には、上翼板と引手取付杆の自由端部との間に設けられた挿通間隙の閉塞状態を保持することができる。これにより、たとえば薄手の布片のような他部材が、スライダー胴体の上翼板と引手取付杆の自由端部との間に侵入して挟み込まれることを防ぐことができる。
このため、本発明のスライダーを有するスライドファスナーが衣類や鞄類等の製品に取り付けられて使用された場合に、スライダーに他部材が挟み込まれることに起因する不具合、例えば衣類や鞄類が他部材によって引っ張られたり、スライダーの摺動操作が他部材によって妨げられたりすることを防止できる。ここで、本発明で言う挿通間隙の閉塞状態とは、閉塞部材がスライダー胴体の上翼板と引手取付杆の自由端部との間の挿通間隙に装着され、上翼板と引手取付杆との間に形成される引手の取付軸部の収容空間が閉塞部材によって隙間なく仕切られた状態を言う。
なお、本発明に係る引手後付けスライダーの材質は、金属材料に限らず合成樹脂材料も採用できるため、金属材料ではプレス加工や屈曲加工が必要な複雑な構造であっても、射出成形などによる製造が可能となり、また既述した構造を持つ金属製の施錠スライダーを、合成樹脂材料製とすれば大幅な軽量化が達成できる。
こうしたスライダーに好適な合成樹脂の代表的な材質としては、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などを挙げることができる。本発明の引手後付けスライダーにあっても、上記特許文献2に開示された後付けスライダーと同様に、閉塞部材がスライダー胴体の第1装着部に被着されたときに、挿通間隙の閉塞状態が保持され挿通間隙に他部材が侵入することはない。
また、本発明のスライダーにおいて、引手を引手取付杆に取り付ける方法は特に限定されるものではない。例えば、上述したように、引手を引手取付杆に保持させてから、スライダー胴体の装着部に閉塞部材を装着して固定することによって引手の取り付けを行うことができる。また例えば、引手を引手取付杆に保持させる前にスライダー胴体の第1及び第2装着部に閉塞部材を装着したのち、閉塞部材を僅かに前方に移動させ、上翼板の上面と引手取付杆の自由端との間に改めて引手の前記挿通間隙を形成し、その挿通間隙に引手の取付軸部を挿通したのち、閉塞部材を上翼板及び引手取付杆の第1及び第2装着部へと戻して、閉塞部材の第1及び第2被着部を前記第1及び第2装着部に係着させて閉塞状態にすることも可能である。このとき前記閉塞部材に前方から弾性部材により常に付勢するようにすれば、閉塞部材が妄りに前方へと移動することがない。また前述の閉塞部材を前方へ移動可能な構造を採用すれば、異種の引手と交換することも可能となる。
特に本発明のスライダーにおいて、第1挿嵌係合構造及び第2挿嵌係合構造のうちの少なくとも一方は、閉塞部材の後退方向への移動を阻止する後退移動阻止手段を有しており、その後退移動阻止手段は、弾性部材を介した係着爪による係着を含んでいる。これにより、閉塞部材をスライダー胴体の上翼板と引手取付杆の自由端部とに装着する際に、第1及び第2装着部と閉塞部材の第1及び第2被着部とに設けられた上下・左右方向の移動阻止手段及び後退阻止手段が機能し、移動阻止手段に対する格別の操作をすることなく自動的に上下・左右及び後退動作が阻止された状態で、閉塞部材を上翼板及び引手取付杆に装着(固定)できる。また、閉塞部材の装着後には、当該閉塞部材が後退すること(装着方向とは反対の方向に移動すること)を防ぎ、閉塞部材が上翼板及び引手取付杆の自由端部から脱落することを安定して防止できる。
このような本発明のスライダーにおいて、前記第1アリ溝部は、上翼板の第1装着部に配され、前記第2アリ溝部は、自由端部の第2装着部に配されている。これにより、スライダーを簡単な構造で構成できる。また、上翼板と引手取付杆の自由端部とに対する閉塞部材の装着を容易に、且つ、安定して行うことができる。
この場合、前記第1アリ溝部は、上翼板の上面から下方に向けて凹設された凹陥部の周壁に、少なくともスライダー幅方向の外側に向けて凹設され、且つ、上下内壁面と溝底面とを備えた第1凹溝条を有している。また、その第1凹溝条の上内壁面は、当該第1凹溝条の溝底面の位置から凹陥部側に向けて突出する突片部により構成されている。これにより、閉塞部材の第1被着部を上翼板の第1凹溝条にしっかりと嵌入できるため、第1アリ溝部に安定して係合させることができる。更に、第1アリ溝部に装着された閉塞部材の上下方向の移動を、第1凹溝条の上内壁面を形成する突片部によって規制することができる。このため、スライダーの引手が引っ張られて引手取付杆が強い力を受けても、閉塞部材と上翼板との係合(装着状態)を安定して維持でき、引手取付杆が変形することを効果的に防止できる。
また本発明のスライダーにおいて、前記第2アリ溝部は、引手取付杆の自由端部におけるスライダー幅方向に向いた左右側面から、スライダー幅方向の内側に向けて凹設され、且つ、上下内壁面と溝底面とを備えた一対の第2凹溝条を有している。また、各第2凹溝条の下内壁面は、当該第2凹溝条の溝底面の位置からスライダー幅方向の外側に向けて突出する突条部により構成されている。
これにより、引手取付杆の自由端部に設けた第2アリ溝部の第2凹溝条に、閉塞部材の第2被着部をしっかりと嵌入できるため、その第2被着部を第2アリ溝部に安定して係合させることができる。更に、第2アリ溝部に装着された閉塞部材の上下方向の移動を、第2凹溝条の下内壁面を形成する突条部によって規制することができる。このため、スライダーの引手が引っ張られて引手取付杆が強い力を受けても、閉塞部材と自由端部との係合(装着状態)を安定して維持でき、引手取付杆が変形することを効果的に防止できる。
この場合、前記閉塞部材は、基板部と、基板部から上方に向けて、スライダー幅方向に所定の間隔を空けて起立した一対の起立板片と、起立板片の上端部において、互いに接近する方向に伸びた左右翼板とを有している。また、前記左右翼板は、前記第2被着部として、引手取付杆の自由端部に設けた第2アリ溝部の一対の第2凹溝条に挿嵌されて係合している。これにより、閉塞部材の第2被着部となる左右翼板を、引手取付杆の自由端部に設けた第2アリ溝部に容易に挿入でき、且つ、安定して係合させることができる。
更に本発明において、前記閉塞部材は、当該閉塞部材の基板部からスライダー幅方向の外側に延設され、前記第1被着部として、上翼板の第1アリ溝部の第1凹溝条に挿嵌されて係合する一対の平板片部を有している。また、上翼板に配された凹陥部と、第1アリ溝部の第1凹溝条とは、上翼板の後口側端部に開口を有している。これにより、閉塞部材の基板部及び一対の平板片部を、前記開口を介して、上翼板の凹陥部及び第1アリ溝部の第1凹溝条に容易に挿入でき、且つ、安定して係合させることができる。
また本発明のスライダーにおいて、引手取付杆は、固定端部と自由端部との間に配された延設部を有しており、その引手取付杆の延設部と上翼板の上面との間には、引手収容部が配されている。また、前記閉塞部材は、左右翼板の対向側面から互いに近接する方向に突出する一対の係着爪を有しており、一方、引手取付杆に設けた第2アリ溝部の一対の第2凹溝条における引手収容部側の端部には、閉塞部材の係着爪を収容して係着させる係着空間が配されている。
これにより、閉塞部材をスライダー胴体の上翼板と引手取付杆の自由端部とに装着したときに、閉塞部材に設けた一対の係着爪を、第2アリ溝部に設けた係着空間に安定して係着させることができる。このため、上翼板と引手取付杆とに装着された閉塞部材が、係着爪の係着によって、引手収容部側とは反対の方向(後方)に移動することを防ぎ、閉塞部材の脱落を安定して防止できる。
より具体的に説明すると、上述のような構成を有するスライダーにあって引手を取り付けるには、まず引手の取付け軸部を上翼板の上面と引手取付杆の自由端部との間の挿通間隙に通して、その先の引手取付空間に挿通保持する。次いで、閉塞部材の第1被着部における一対の平板片部(フランジ状板片)の先端を、上翼板の第1装着部となる左右の第1アリ溝部に嵌挿する。このとき同時に、閉塞部材の第2被着部となる左右翼片を左右の起立部と一緒に左右方向に弾性的に拡張させながら、前記係着爪を引手取付杆の自由端部に形成した左右の第2アリ溝部に嵌挿させる。
この嵌挿操作を続け、第2被着部の左右の前記係着爪が第2装着部に設けた係着空間に達すると、閉塞部材における左右の起立部及び左右翼片が弾性復帰して、当該係着爪が係着空間を構成する壁面(係着面)に係着すると同時に左右翼片が第2アリ溝部内に挿嵌される。このとき、同時に閉塞部材の第1被着部となる一対の平板片部(フランジ状板片)も上翼板の第1装着部となる第1アリ溝部へと挿嵌される。
こうして閉塞部材がスライダー胴体及び引手取付杆に装着された後は、第1及び第2アリ溝部における閉塞部材との挿嵌結合は、第1及び第2アリ溝部の溝底が相手部材の左右の移動を阻止するとともに、第1及び第2アリ溝部の上下内壁面が相手部材の上下の移動を阻止する。
また、上記係着爪による引手取付杆の自由端部における引手収容部側の端部に対する係着は、閉塞部材の後方への移動を阻止することができる。その結果、スライドファスナーの開閉操作時に、例えば引手に後方に水平あるいは後方の斜め上方に強い力が加わり、閉塞部材を後方に向けて、あるいは引手取付杆の先端湾曲部を内面から斜め上方に向けて強い力が掛かっても、それぞれの力を閉塞部材の第1及び第2被着部と上翼板の第1装着部及び引手取付杆の第2装着部との上記強固な結合力で受けるため、閉塞部材の上下・左右の方向及び後方への移動が妨げられて、引手取付杆の破損を招くような変形は発生しない。
以上は、本発明における第1及び第2被着部と第1及び第2装着部との好適な1態様を例示したものであるが、後述するように、この他にも多様な変形が可能である。
例えば本発明のスライダーでは、前記閉塞部材が、一対の平板片部からスライダー幅方向の外側に突出する一対の係着爪を有しており、上翼板に設けた第1アリ溝部の第1凹溝条よりスライダー長さ方向の肩口側に、閉塞部材の係着爪を収容して係着させる係着空間が配されていても良い。
このようなスライダー構造によっても、閉塞部材をスライダー胴体の上翼板と引手取付杆の自由端部とに装着したときに、閉塞部材の一対の平板片部にそれぞれ設けた係着爪を、第1アリ溝部側に設けた係着空間に安定して係着させることができる。これにより、上翼板と引手取付杆とに装着された閉塞部材が後方に移動することを防ぎ、当該閉塞部材の脱落を安定して防止できる。
また本発明のスライダーにおいては、上翼板に設ける第1アリ溝部の第1凹溝条、又は、引手取付杆の自由端部に設ける第2アリ溝部の第2凹溝条は、スライダー長さ方向の肩口側に向けて下り傾斜して配されている。このような構成を有することにより、閉塞部材をスライダー胴体の上翼板と引手取付杆の自由端部とに装着した後に、引手が引っ張られて引手取付杆が強い力を受けても、閉塞部材がスライダー長さ方向の後口側に向けて移動し難くすることができる。従って、閉塞部材と上翼板及び引手取付杆の自由端部との係合(装着状態)を安定して維持できるため、閉塞部材の脱落をより効果的に防ぐとともに、引手取付杆の変形をより効果的に防止できる。
本発明の実施例1に係るスライドファスナー用の引手後付けスライダーの分解斜視図である。 閉塞部材装着前の同スライダーを一部切欠して示す部分側面図である。 閉塞部材装着完了時の同スライダーを一部切欠して示す部分側面図である。 閉塞部材装着完了後における同スライダーの要部を示す斜視図である。 図3のV−V 線に沿った矢視断面図である。 図3のVI−VI線に沿った矢視断面図である。 本発明の実施例2に係るスライドファスナー用の引手後付けスライダーの分解斜視図である。 閉塞部材装着前の同スライダーを一部切断して示す平面図である。 閉塞部材装着後の同スライダーを一部切断して示す平面図である。 同スライダー胴体に対して閉塞部材を係着する際における係着爪の挙動説明図である。 本発明の実施例3に係るスライドファスナー用の引手後付けスライダーの一部を省略して示す後方から見た背面図である。 同スライダーの閉塞部材を上部後方から見た斜視図である。 閉塞部材装着後の同スライダーの閉塞部材装着部の横断面図である。 同スライダーにおける引手取付杆の断面T字状のアリ溝に対する閉塞部材の挿嵌動作の説明図である。 本発明の実施例4に係るスライドファスナー用の引手後付けスライダーの分解斜視図である。 閉塞部材装着後の同スライダーの閉塞部材装着部の横断面図である。 装着部の前方の引手収容空間に前進させた閉塞部材をその装着部に戻したときの閉塞部材の挙動説明図である。 閉塞部材装着前の同スライダーの一部を切欠して示す側面図である。 閉塞部材装着後の同スライダーの一部を切欠して示す側面図である。 閉塞部材装着後の引手取付け及び取外し手順の説明図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら更に具体的に説明する。なお、本発明は、以下で説明する各実施例に限らず、本発明と実質的に同一の構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
例えば、以下の各実施例において説明するスライダーは、コイル状の連続エレメント列を有するスライドファスナーに使用されるものであるため、フランジが上翼板にのみ配されている。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば単独エレメントが射出成形によりファスナーテープに取着されたスライドファスナーに使用され、上下翼板の両方にフランジが配されたスライダー等についても同様に適用することができる。また、図示実施例にあっては、スライダーの材質について格別に言及しないが、金属及び合成樹脂の何れをも使うことができる。
図1〜図6は、本発明の実施例1に係るスライドファスナー用の引手後付けスライダー(以後、単にスライダーと称す。)に関し、図1は同スライダーの分解斜視図、図2〜図4は同スライダーの組立て時の説明図、図5は図3のV−V線に沿った矢視断面図、図6は図3のVI−VI線に沿った矢視断面図である。
なお、以下の説明において、スライダー摺動方向を前後方向と規定し、特に、スライダーがスライドファスナーのエレメント列を噛合させるために移動する方向を前方とし、コイル状のエレメント列を分離させるために移動する方向を後方とする。また、スライダーの高さ方向を上下方向と規定し、特に、スライダー胴体に対して引手が取り付けられる側の方向を上方とし、その反対側の方向を下方とする。更に、前方側から見たスライダーの幅方向の左右を左右方向とする。
本実施例1のスライダー1は、スライダー胴体10と、スライダー胴体10に片持状に一体に固定された引手取付杆20と、スライダー胴体10の上面と引手取付杆20の自由端部23との間の引手挿通間隙25に装着される閉塞部材30と、引手取付杆20に保持される引手5とを備えている。引手5は、指で摘むことが可能な平板状の引手本体部5aと、同引手本体部5aの一端に一体的に形成された環状の取付軸部5bとを有している。
本実施例1のスライダー1において、スライダー胴体10、引手取付杆20、閉塞部材30及び引手5は、アルミニウム合金、亜鉛合金などの金属材料や、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などを単独で又は組み合わせた合成樹脂材料を使用し、ダイキャスト成形や射出成形によって製造される。なお、本発明において、これらの部材の材質は特に限定されるものではなく、用途に応じて任意に変更することが可能である。
ただし、本実施例1における引手取付杆20は、図1に示すとおり、スライダー1の引手取付杆20の固定端部21における前端面右半部に、前方に向けて一体に突設されたリング状の施錠部材26を有している。この種のスライダーは、上記特許文献3にも記載されているとおり、通常は同一形状を有する2個のスライダーを、その施錠金具が形成された端部同士を向かい合わせにして、図示せぬファスナーチェーンに取付け、施錠金具の中心に形成された施錠孔を重ね合わせて、同施錠孔に図示せぬ錠を挿通して施錠する。従って、単一の金属製スライダーであればともかく、2個の金属製スライダーと錠とを用いるとなると、特に大型の旅行鞄などの重量増加に繋がるため、重量の問題を無視することはできない。
本発明に係る上記スライダー1は、金属材料に代わり、全てに合成樹脂材料を使って製造することができる。このように合成樹脂材料を用いてスライダー1を構成することにより、スライダー1の大幅な軽量化を図ることができる。勿論、金属材料で製造してもよいことはで言うまでもない。
図1によれば、スライダー1におけるスライダー胴体10は、互いに略平行に配された上下翼板11,12と、上下翼板11,12の前端部同士を連結する案内柱13と、上翼板11の左右側縁から下翼板12に向けて垂設されたフランジ11aとを有している。
同スライダー胴体10の前部には、案内柱13を間に挟んで左右に肩口が形成され、スライダー胴体10の後端には後口が形成されている。また、上下翼板11,12間には、左右の肩口と1つの後口とを連通するY字状のエレメント案内路14が形成されている。更に、スライダー胴体10における上翼板11の上面側には、上翼板11の後端(後口側の縁端)から前方に向けて、閉塞部材30が装着可能な矩形状凹陥部11bが形成されている。この矩形状凹陥部11bは、上翼板11の上面と平行な底面を有しており、また、本発明における閉塞部材30を装着する第1装着部の一部として機能する。前記矩形状凹陥部11bの左右壁面及び奥行き方向の前方壁面には連続する第1アリ溝部11cが形成されている。
この第1アリ溝部11cは、矩形状凹陥部11bの周りに形成されたコ字状の壁面を備える第1凹溝条を有している。すなわち、第1凹溝条は、矩形状凹陥部11bの周壁(すなわち、左右側壁及び前壁)となる部分に、矩形状凹陥部11bから外側に向けて矩形状凹陥部11bの底面と平行に凹設されている。また、第1凹溝条は、矩形状凹陥部11bの底面と同一の平面となる下内壁面と、下内壁面から連続して形成される溝底面と、溝底面から連続して形成され、下内壁面と平行に配される上内壁面とを有している。
この場合、第1凹溝条の空間部(内部空間)の上方に、第1凹溝条の溝底面の位置から凹陥部11b側に向けて庇状に張り出す突片部11dが配されている。この突片部11dにより、第1アリ溝部11cの第1凹溝条の上内壁面が形成されている。
第1アリ溝部11cが、突片部11dにより上内壁面が形成される第1凹溝条を有することにより、閉鎖部材30の後述するフランジ状板片(平板片部)32を第1アリ溝部11cの第1凹溝条にしっかりと嵌入して安定して係合させることができるため、上翼板11に対する閉鎖部材30の上下方向の動きを効果的に抑止できる。
なお本発明において、第1アリ溝部11cの第1凹溝条は、少なくとも凹陥部の左右側壁となる部分にスライダー幅方向の外側に向けて凹設されていれば良く、例えば凹陥部の前壁となる部分に第1凹溝条を設けずに(言い換えると、後方に向けて張り出す前方側突片部11dを設けずに)、スライダー胴体を構成することも可能である。当然、本実施例1のように矩形状凹陥部11bの三方の周壁に第1凹溝条を設けた方が、上翼板11と閉鎖部材30との間の係合力を増大できるため、好ましいことは言うまでもない。
前記スライダー胴体10に、上翼板11の前端部(スライダー1の前後方向中央よりも前方側)から起立する固定端部21と、同固定端部21から屈曲して後方に延びる延設部22と、同延設部22から上翼板11に向けて下方に屈曲する自由端部23とを有する引手取付杆20が一体に設けられている。本実施例1では、引手取付杆20の前記固定端部21がスライダー胴体10の成形と同時に上翼板11の上面に一体成形されている。
この引手取付杆20がスライダー胴体10に成形一体化されていることにより、引手取付杆20の固着強度を高めることができ、引手取付杆20に引手5が取着された後に同引手5が強く引っ張られたときに、その引張り力によって引手取付杆自体の変形を効果的に防止できる。
また本実施例1において、引手取付杆20は、図2に示すように、側面側から見たときに全体として下向きの横C字形状を呈しており、同引手取付杆20の上記延設部22における下端面と上翼板11の上面との間には、引手5の取付軸部5bを収容保持する収容空間24が形成されている。
同引手取付杆20の自由端部23は、図1に示すように、上翼板11の上面との間に引手5の取付軸部5bを挿通させることが可能な挿通間隙25を有するように形成されている。また、引手取付杆20における自由端部23の左右側面には、上翼板11の上面に対し、前方に向けて僅かに下り傾斜した第2アリ溝部23aが形成されている。換言すれば、第2アリ溝部23aは、引手収納空間24側に向けて下り傾斜している。
この第2アリ溝部23aは、自由端部23の左右側面から、スライダー幅方向の内側に向けて凹設された一対の第2凹溝条を有している。この第2凹溝条は、下内壁面と、下内壁面から連続して形成される溝底面と、溝底面から連続して形成され、下内壁面に対向して配される上内壁面とからなるコ字状の壁面を備えている。この場合、各第2凹溝条の空間部(内部空間)の下方に、当該第2凹溝条の溝底面の位置からスライダー幅方向の外側に突出する突条部23cが配されている。この突条部23cにより、第2アリ溝部23aの第2凹溝条の下内壁面が形成されている。
第2アリ溝部23aが、突条部23cにより下内壁面が形成される第2凹溝条を有することにより、閉鎖部材30の後述する左右翼片33aを第2アリ溝部23aの第2凹溝条にしっかりと嵌入して安定して係合させることができるため、自由端部23に対する閉鎖部材30の上下方向の動き(又は、閉鎖部材30に対する自由端部23の上下方向の動き)を効果的に抑止できる。
また、自由端部23における第2アリ溝部23aの引手収納空間24側端部(前端部)には、更に当該第2アリ溝部23aの深さを深くする方向に矩形状に切欠し、後述する閉塞部材30の係着爪33bが係着する段差部からなる係着空間23bに係着面を形成している。この第2アリ溝部23aと係着空間23bとが、閉塞部材30の後述する左右の翼片33が挿嵌して固定される第2装着部の一部となる。なお、前記引手取付杆20の前記自由端部23における第2アリ溝部23aと、前記上翼板11に形成された前記凹嵌部11bの第1アリ溝部11cとの各後端開放口や、これらの第1アリ溝部11c及び第2アリ溝部23aの挿嵌端の稜線部には面取りがなされている。
この面取りにより、第1アリ溝部11cと第2アリ溝部23aに相手方の結合部材(すなわち、閉塞部材30の後述する第1被着部及び第2被着部)を挿嵌するにあたって挿入しやすくできるとともに、上翼板11の上記凹嵌部11bに閉塞部材30を挿入するときに、同閉塞部材30の上端に形成された後述する左右の係着爪33bを水平方向に容易に弾性変形させることを可能にする。
この実施例1における前記閉塞部材30は、上翼板11の上記凹嵌部11bの内壁面に形成された上記第1アリ溝部11cに挿嵌して装着される基板部31と、矩形基板部31の左右側縁及び前端縁から外側に向けて三方に張り出すように平行に延設されるコ字型のフランジ状板片32と、前記基板部31の左右上面から互いに平行に立ち上がる左右一対の起立板片33と、同起立板片33の上端内側面から向き合う方向に延びる左右翼片33aと、その左右翼片33aの前端部の対向側面に向けて突出する係着爪33bとから構成されている。ここで、前記左右の起立板片33は、本発明の弾性部材にあたり、左右方向に弾性変形が可能である。本実施例1では、左右一対の係着爪33bにおける係着空間23bの係着面に対する係着により、閉塞部材30が後方へ移動する(後退する)ことを阻止する後退移動阻止手段が構成されている。
以上の構成部材を使って本実施例1のスライダー1を組み立てるには、図2に示すように、まず引手取付杆20の自由端部23と上翼板11の上面との間の引手挿通間隙25を通して、引手5の取付軸部5bを引手取付杆20の延設部22と上翼板11の上面との間の収容空間24に収容保持する。次いで、図3に示すように、閉塞部材30のコ字型のフランジ状板片32を上翼板11の凹陥部11bの内壁面(内周面)に形成された第1アリ溝部11cに挿嵌するとともに、閉塞部材30の起立板片上端の左右翼片33aを引手取付杆20の自由端部23に形成された左右の第2アリ溝部23aに挿嵌する。
引手取付杆20の左右の第2アリ溝部23aに閉塞部材30の左右翼片33aを挿嵌するとき、始めに左右の第2アリ溝部23aの溝底間のスライダー幅方向の寸法が左右の係着爪33bの先端間の間隙寸法よりも大きいため、左右の起立板片33は弾性変形して左右に拡がりながら挿嵌操作が行われる。このとき、前記係着爪33bの先端面が弧状に形成されているため、係着爪33bの先端面を第2アリ溝部23aに向けて押し付けるように閉塞部材30の挿嵌操作を行うと、係着爪33bの弧状面が第2アリ溝部23aによって左右へと導かれて、一対の起立板片33が自動的に左右へと弾性変形し、左右の係着爪33bの間隔が左右へと拡がる。
この状態で閉塞部材30の挿嵌操作を続ける間に、前記係着爪33bが第2アリ溝部23aの先端部に形成された段差部からなる爪係着部に達すると、左右に広げる力が失われて左右の起立板片33が原形に弾性復帰し、同時に前記左右の係着爪33bが段差部からなる爪係着部の係着空間23bに嵌まり込んで係着する。このとき同時に閉塞部材30の基板31から前方に延出するフランジ状板片32の前端面が上翼板11の凹陥部11bの三方壁面に形成された第1アリ溝部11cの奥壁面に密接し、閉塞部材30の第1アリ溝部11cに対する挿嵌操作が終了する。これにより、スライダー胴体10や引手取付杆20に加締め加工が行われることなく、図4〜図6に示すように、スライダー1を容易に組み立てることができる。
こうして組み立てられたスライダー1にあって、スライダー胴体10に配された第1装着部である凹嵌部11bの第1アリ溝部11cと、引手取付杆20に配された第2装着部である第2アリ溝部23a及び爪係着部の係着空間23bとに、閉塞部材30の基板部31から延出する第1被着部であるコ字型のフランジ状板片32と、閉塞部材30の第2被着部である起立片上端に形成された左右翼片33a及び係着爪33bとが、それぞれ強固に係着し、閉塞部材30とスライダー胴体10の上翼板11及び引手取付杆20との間で、上下・左右及び後方への相対的な動きが阻止された状態で結合固定される。
すなわち、本実施例1における閉塞部材30とスライダー胴体10及び引手取付杆20の主たる結合が、スライダー胴体10及び引手取付杆20の第1アリ溝部11c及び第2アリ溝部23aと、当該第1アリ溝部11c及び第2アリ溝部23aに挿嵌結合される閉塞部材30との結合部であるため、上下左右の動きが阻止され、また引手取付杆20の第2アリ溝部23a内に形成された係着面と閉塞部材30の係着爪33bとの係着により閉塞部材30の後方への動きも同時に阻止される。
このため、閉塞部材30がスライダー胴体10及び引手取付杆20の双方を強固に連結して、例えば引手5に閉塞部材30をスライダー胴体10及び引手取付杆20から外そうとする強い力がかかったとしても、閉塞部材30はその固定位置に不動のままとなり、特に引手取付杆20に大きな変形をもたらすことがなくなる。しかも、第2アリ溝部23aが前方に下り傾斜しているため、引手取付杆20に上述のような強い力が加えられたときに、閉塞部材30に前進方向への力が与えられるため、閉塞部材30の脱落をより効果的に防止できる。
図7〜図10は、本発明の実施例2に係るスライドファスナー用の引手後付けスライダーの説明図である。図7は、当該スライダーの分解斜視図であり、図8は、同スライダーの引手取付杆における固定端部を水平に切断して示す組立て前の上面図、図9は同スライダーにおける引手取付杆の固定端部と閉塞部材の起立板片とを水平に切断して示す組立て後の上面図である。
なお、以降に述べる実施例の説明において使用する図面の引出符号は、実質的に同一の構成及び機能を有する部材及び部位については、既述した実施例1と同一の符号と名称を用い、その詳細な説明は省略する。
本実施例2のスライドファスナー用の引手後付けスライダー(以降、単にスライダーと称す。)2は、スライダー胴体40と、スライダー胴体40に片持状に一体に形成された引手取付杆50と、スライダー胴体40に装着される閉塞部材60と、引手取付杆50に保持される、図示を省略した引手5とを備えている。
同スライダー2におけるスライダー胴体40は、図7に示すように、互いに平行に配された上下翼板41,42と、上下翼板41,42の前端部同士を連結する案内柱40aと、上翼板41の左右側縁から下翼板42に向けて垂設された左右フランジ41aとを有している。
このスライダー胴体40における上翼板41の後半部上面には、図7及び図8に示すように、本発明の第1装着部である略矩形状の凹陥部41bが形成されており、この凹陥部41bの左右及び前方の内壁面には、断面コ字状の壁面を備えた第1アリ溝部41c〜41eが形成されている。
本実施例2における第1アリ溝部41c〜41eは、前述の実施例1における第1アリ溝部11cと同様に、凹陥部41bの周りに形成された第1凹溝条と、その第1凹溝条の空間部(内部空間)の上方に配され、第1凹溝条の溝底面の位置から凹陥部41b側に向けて庇状に張り出す突片部41h〜41jとを有している。
また、同凹陥部41bの前端部における左右隅部には扇形の切欠き部41fが連設されている。この切欠き部41fのスライダー幅方向(左右方向)における外側の位置は、前記左右の第1アリ溝部41c,41dの溝底面の位置よりもスライダー幅方向の外側に設定されており、前方の第1アリ溝部41eの底面までの溝深さは左右の第1アリ溝部41c,41dの溝深さより深く形成されている。なお、前記扇形の切欠き部41fは射出成形が容易で且つ確実になされるため形成されている。
このスライダー胴体40の上翼板41に片持ち状に固設された引手取付杆50は、上翼板41の前端部から起立する固定端部51と、同固定端部51から屈曲して後方に延びる延設部52と、同延設部52から上翼板41側に屈曲して形成された自由端部53とを有している。引手取付杆50の延設部52における下面と上翼板41の上面との間には、引手5の取付軸部5bを収容する収容空間54が形成されている。
また、同引手取付杆50の自由端部53は、図7に示すように、上翼板41の上面との間に引手5の取付軸部5bを挿通させることが可能な挿通間隙55が形成されている。更に、引手取付杆50における自由端部53の後端屈曲下端部には左右一対の第2装着部としての断面コ字状の壁面を備えた第2アリ溝部53bが前後に貫通して形成されている。
本実施例2の第2アリ溝部53bは、前述の実施例1における第2アリ溝部23aと同様に、自由端部53の左右側面から、スライダー幅方向の内側に向けて凹設された一対の第2凹溝条と、各第2凹溝条の空間部よりも下方に配され、且つ、一対の第2凹溝条の溝底面の位置からスライダー幅方向の外側に突出する一対の突条部53cとを有している。なお、この実施例2のスライダー2にあっても、図7及び図8に示すとおり、前述の実施例1と同様に、施錠部材56を備えている。
本実施例2における閉塞部材60は、図7及び図8に示すように、上翼板41の前記第1アリ溝部41cに挿嵌されるU字型の水平基板61と、水平基板61の後端部から前部まで平行に延びて起立する左右一対の起立板片63と、同起立板片63の各上端から互いに接近する方向に水平に延びる左右翼片63aとを有している。
本実施例2において、上記実施例1と異なる点は2点あり、その一つは、実施例1では引手取付杆20の自由端部23に形成された左右の第2アリ溝部23aに挿嵌されて前端係着空間23bに係着する左右の係着爪33bが起立板片33の上端翼片33aから内側に突出しているが、本実施例2では、左右の係着爪61bが起立板片63の上端ではなく、前記U字型の水平基板61の前方及び左右外側に平行に且つ水平に延びる左右平板部分61aの前端部から互いに離間する外側方向に水平に突出させている点にある。
また、相違する2点目は、前述のとおり、前記起立板片63の上端に形成された第2被着部である左右翼片63aに係着爪が形成されていないことから、左右翼片63aが挿嵌される引手取付杆50の自由端部53に形成された第2装着部としての第2アリ溝部53bの前端部にも係着爪の係着する係着空間が形成されていない。
前記閉塞部材60を前記スライダー胴体40と引手取付杆50に装着固定するには、スライダー胴体40の上翼板41と引手取付杆50の自由端部53との間の引手挿通間隙55に引手5の取付軸部5bを挿通させて、引手取付杆50の延設部52と上翼板41の上面との間に形成された収容空間54に、引手5の取付軸部5bを収容保持させる。そのあと、図8に示すように、まずスライダー胴体40の上翼板41に形成された左右の第1アリ溝部41c,41dに、閉塞部材60のU字型の水平基板61における左右平板部分61aの先端部に形成された左右の係着爪61bを対峙させる。次いで、各係着爪61bを前記第1アリ溝部41c,41dに挿嵌させる。
ここで、前記係着爪61bの形状は上翼板41に形成された扇形の上記切欠き部41fに対応するような形状をもつ扇形に形成してある。この切欠き部41fの高さ位置と凹陥部41bの底部の高さ位置との間に形成される空間部分が、前記係着爪61bが係着する係着空間41gを構成する。また、この左右係着爪61bの左右側縁間の間隔(幅方向の端縁間の間隔)は、上翼板41における左右の第1アリ溝部41c,41dの溝底間の寸法よりも大きくされている。一方、前記U字型の水平基板61、その水平基板61から水平に前方側及び左右外側に延びる左右平板部分61a、及び前記起立板片63は、左右に弾性変形が可能であって、水平基板61の前端部(先端部)間の左右間隔を拡縮することが可能である。
そのため、左右一対の前記係着爪61bを凹陥部41bの第1アリ溝部41c,41dに挿嵌させるとき、始めは係着爪61bの突出端が第1アリ溝部41c,41dの各溝底と干渉するが、係着爪61bの円弧面が前記溝底に案内されて、図10に仮想線で示すように、左右の水平基板61及び平板部分61aが互いに接近する方向(内側)へと横からの押圧力を受けて弾性変形した状態で前方へと押し込まれる。
この押し込み操作を続けて、左右の係着爪61bが左右の上記扇形切欠き部41fの下方に形成された係着空間41gの位置に達すると、第1アリ溝部41c,41dの溝底による横からの前記押圧力が解かれるため、図9及び図10に示すように、左右の係着爪61bがU字型の水平基板61、平板部分61a及び起立板片63とともに原形に弾性復帰して、前記左右の係着空間41gの係着面に係着すると同時に、左右の平板部分61aの前端部及び扇形の左右係着爪61bの前端部が、前方側の第1アリ溝部41e内に挿嵌される。これにより、閉塞部材60は上下・左右方向の動きと後退動とが確実に止められる。
以上のように、本実施例2のスライダー2は、実施例1と同様に構造が簡単であり、加締め加工等の煩わしい作業を行うことなく、スライダー胴体40に引手5を後から容易に取り付けることができる。このため、例えばスライダー胴体40、閉塞部材60及び多種の引手5をセットにして衣服や鞄のメーカー側に引き渡すことによって、衣服や鞄のメーカー側でスライダーの組立作業を容易に行うことができるので、所望のデザインを有する引手5を選択してスライダー胴体40に自由に取り付けることが可能となる。
更に、本実施例2のスライダー2では、閉塞部材60を介して引手取付杆50の自由端部53とスライダー胴体40の上翼板41とが強固に固定されるため、たとえ引手5に前方の斜め上方に向かう強力な力が加わって、閉塞部材60はスライダー胴体40の上翼板41及び引手取付杆50の自由端部53に形成されたアリ溝結合により、閉塞部材60の上下・左右の動きが確実に阻止される。
また同時に、閉塞部材60の水平基板61の左右平板部分61aの前端部から左右外側に突出する扇形の係着爪61bと、上翼板41に形成された係着空間41gの係着面(左右の第1アリ溝部41c,41dの先端に配される係着面)との係着により閉塞部材60の後方への移動が確実に阻止される。
図11〜図14は、実施例3に係るスライドファスナー用の引手後付けスライダーの説明図面である。これらの図において、スライダーの下翼板は図示を省略している。図11は、スライダーのスライダー胴体と同スライダー胴体に固設された引手取付杆とを後口側から見た背面図であり、図12は閉塞部材を後方斜め上方から見た斜視図、図13はスライダー胴体及び引手取付杆に閉塞部材を装着したスライダーの一部横断面図、図14は図13のXIV-XIV 線に沿った矢視断面において閉塞部材の挿嵌動作を説明する説明図である。
本実施例3のスライドファスナー用の引手後付けスライダー(以降、単にスライダーと称す。)3は、図13を参照して、スライダー胴体70と、スライダー胴体70の上翼板71の一端部に片持状に一体に固設された引手取付杆80と、スライダー胴体70の上翼板71と引手取付杆80の自由端部83との間に装着され上下・左右方向及び後方への動きを阻止して介装される閉塞部材90と、図示を省略した引手5とを備えている。
同スライダー3におけるスライダー胴体70は、互いに略平行に配された上翼板71及び図示しない下翼板と、上下翼板の前端部同士を連結する案内柱72と、上翼板71の左右側縁から下翼板に向けて垂設されたフランジ73とを有している。
このスライダー胴体70における上翼板71の後端部の上面には、図11に示すように、前方に向けて平行に延びる、後口から見てL字断面及び逆L字断面の左右一対の第1アリ溝部71c,71dが所定の間隔をおいて形成されている。一方、上記引手取付杆80は、上翼板71の前端部から起立する固定端部81と、同固定端部81から屈曲して後方に延びる延設部82と、同延設部82から上翼板41の上面に向けて屈曲する自由端部83とを有している。その自由端部83の下半部中央には、同じく図11に示すように、断面T字状の第2アリ溝部83aが前後に貫通して形成されている。この実施例3では、上記上翼板71に形成された左右一対の第1アリ溝部71c,71dが第1装着部であり、引手取付杆80に形成された断面T字状の第2アリ溝部83aが第2装着部である。
上記閉塞部材90は、図12に示すとおり、直方体からなるブロック状本体91と、同ブロック状本体91の上面中央から上方に立ち上がり、左右外方に延びるT字断面の起立部92とを有している。このT字断面の起立部92は、ブロック状本体91の前端から後端にかけて形成されており、所定の幅寸法を有する基部と、基部の上部に配され、基部よりも大きな幅寸法を有する上部平板部92aとを備える。
また、起立部92における上部平板部92aの前端側面には、幅方向外側に突出する左右の係着爪92bが配されている。前記ブロック状本体91の下端部中央には、T字断面の空間部が形成されることにより、上記上翼板71のL字断面及び逆L字断面の左右一対の上記第1アリ溝部71c,71dに挿嵌される左右の挿嵌部93が配されている。本実施例3では、閉塞部材90におけるT字断面の前記起立部92が第2被着部に当たり、前記左右一対の挿嵌部93が第1被着部に当たる。
以上の構成部材からなる実施例3に係るスライダー3を組み立てるには、まず引手5の取付軸部5bを引手取付杆80の自由端部83と上翼板71の上面との間の引手挿通間隙85に挿入させて、引手取付杆80の上記延設部82と上翼板71の上面との間の引手収容空間に収容保持させる。ここで、閉塞部材90を引手取付杆80の自由端部83と上翼板71の上面との間の引手挿通間隙85に装着固定するには、閉塞部材90のT字断面をもつ前記起立部92(第2被着部)を、引手取付杆80の自由端部83に形成されたT字断面をもつ第2アリ溝部83a(第2装着部)に対峙させるとともに、閉塞部材90のブロック状本体91の下端部に配された左右一対の前記挿嵌部93(第1被着部)を上翼板71に形成されたL字断面及び逆L字断面の左右一対の上記第1アリ溝部71c,71d(第1装着部)に対峙させる。
次いで、閉塞部材90を前進させて、前記挿嵌部93,93を前記L字断面及び逆L字断面の左右一対の第1アリ溝部71c,71dに当てがうとともに、閉塞部材90のT字断面をもつ第2被着部である前記起立部92における上部平板部92a及び左右の係着爪92bの前端部を引手取付杆83のT字断面をもつ前記第2アリ溝部83aに当てがい、閉塞部材90を第1アリ溝部71c,71d及び第2アリ溝部83aの溝内に挿嵌させて摺動前進させる。
このとき、引手取付杆80の自由端部83におけるT字断面をもつ前記第2アリ溝部83aの開放端部側の左右側縁部分(突条部)83bは、図14に仮想線で示すように、内部から左右外側へと押圧力を受けて外側に弾性変形しながら係着爪92bを前方へと案内する。前記係着爪92bの先端が引手取付杆80の自由端部83における前記第2アリ溝部83aの奥部終端面を越えて前方に進出すると、図14に実線で示すように、前記自由端部83の左右側縁部分83bが上部平板部92aの下側に入り込み、前記押圧力が解除されて原形に弾性復帰する。これにより、自由端部83の左右側縁部分83b間の左右間隔が縮まると同時に係着爪92bが前記第2アリ溝部83aの奥部終端面に係着して組立てが終了する。
本実施例3におけるスライダー3にあっては、上述のとおり極めて構造が簡単であって組立操作が容易であるにも関わらず、第1アリ溝部71c,71d及び第2アリ溝部83aと閉塞部材90との結合により、スライダー胴体70及び引手取付杆80に対する閉塞部材90の上下・左右方向への相対的な動きが確実に抑えられると同時に、係着爪92bにより閉塞部材90の後退動作が阻止されるため、閉塞部材90がスライダー胴体70から脱落することがなく、同時引手に対して強力な力が加わった場合も、引手に大きな変形をもたらすことがない。
なお、本実施例3におけるスライダー3では、上翼板71に設けられる第1装着部が、左右一対の第1アリ溝部71c,71dにより構成され、引手取付杆80に設けられる第2装着部が、断面T字状の第2アリ溝部83aにより構成されている。しかし、当該スライダー3では、例えば、上翼板71に設けられる第1装着部が、左右の第1アリ溝部71c,71d間に配される断面T字状の突出部により構成され、その第1装着部に装着される閉塞部材90の第1被着部が、ブロック状本体91の下端部中央に形成されたT字断面の空間部(アリ溝部)により構成されている表現することも可能である。
また同様に、引手取付杆80の自由端部83に設けられる第2装着部が、第2アリ溝部83aの左右に配された左右側縁部分83bにより構成され、その第2装着部に装着される閉塞部材90の第2被着部が、ブロック状本体91と起立部92の上部平板部92aとの間に形成される凹溝状の空間部(アリ溝部)により構成されている表現することも可能である。
図15〜図20は、本発明の実施例4に係るスライドファスナー用の引手後付けスライダー(以後、単にスライダーと称す。)に関し、図15は同スライダーの分解斜視図、図16は組立後における同スライダーの横断面図、図17は図16のXVII-XVII 線に沿った矢視図、図18〜図20は同スライダーの組立て説明図である。
本実施例4のスライダー4は、スライダー胴体110と、スライダー胴体110に片持状に一体に形成された引手取付杆120と、スライダー胴体110の上面と引手取付杆120の自由端部123との間の引手挿通間隙125に装着される閉塞部材130と、この閉塞部材130と前記スライダー胴体110との間に介装されるコイルスプリング140と、引手取付杆120に保持される図示せぬ引手とを備えている。引手は、上記実施例1と実質的に同一の構造を有しているが、本実施例4のスライダー4は、図15に示すように、閉塞部材130と上翼板111との間にコイルスプリング140を介装している点と、引手取付杆120の前端部に施錠部材が付設されていない一般の引手後付けスライダーである点で上記実施例1とは異なっている。
図15及び図18によれば、スライダー胴体110は、互いに略平行に配された上下翼板111,112と、上下翼板111,112の前端部同士を所定の間隔をおいて連結する案内柱113と、上翼板111の左右側縁から下翼板112に向けて垂設された左右一対のフランジ111aとを有している。同スライダー胴体110の前部には、案内柱113を間に挟んで左右に肩口が形成され、スライダー胴体110の後端には後口が形成されている。また、上下翼板111,112の間には、左右の肩口と1つの後口とを連通するY字状のエレメント案内路114が形成されている。
更に、スライダー胴体110における上翼板111の上面側には、上翼板111の後端(後口側の縁端)から前方に向けて、閉塞部材130が装着可能な第1装着部を構成する矩形状の凹陥部111bが形成されている。この矩形状凹陥部111bは、前述の実施例1の凹陥部11bよりも長辺部(前後方向の長さ)が長く設定され、上記案内柱113の近くまで延びている。
この凹陥部111bの左右壁面及び奥行き方向の前方壁面には手前が開放されて連続するコ字状の壁面を備えた第1アリ溝部111cが形成されている。その奥壁面(溝底面)には、図18に示すとおり、上記案内柱113の前後長さの約半部にまで延びる有底状のスプリング挿入孔111dが形成されている。
本実施例4において、第1アリ溝部111cは、矩形状の凹陥部111bの周りに形成された第1凹溝条と、その第1凹溝条の空間部(内部空間)の上方に配され、第1凹溝条の溝底面の位置から凹陥部111b側に向けて庇状に張り出す突片部111eとを有している。
上記引手取付杆120は、上記上翼板111の前端部から立ち上がる固定端部121と、同固定端部121から屈曲して後方に延びる延設部122と、同延設部122から上翼板11の上面に向けて下方に屈曲する自由端部123とを有している。本実施例4でも、引手取付杆120の前記固定端部121がスライダー胴体110の成形と同時に上翼板111の上面に一体に成形されている。また本実施例4における引手取付杆120は、側面側から見たときに全体として下向きの横C字形状を呈しており、同引手取付杆120の上記延設部122における下面と上翼板111の上面との間には、図示せぬ引手の取付軸部を収容保持する収容空間124が形成されている。
同引手取付杆120の自由端部123は、図15に示すように、上翼板111の上面との間に引手5の取付軸部5bを挿通させることができる挿通間隙125を有している。また、引手取付杆120における前記自由端部123の左右側面には、前後方向に延びる第2アリ溝部123aがスライダー幅方向内側に向けて凹設されている。
この第2アリ溝部123aは、自由端部23の左右側面から、スライダー幅方向の内側に向けて凹設された一対の第2凹溝条と、各第2凹溝条の空間部よりも下方に配され、且つ、一対の第2凹溝条の溝底面の位置からスライダー幅方向の外側に突出する一対の突条部123cとを有している。
また、本実施例4における第2アリ溝部123aは、図18に示すように、上翼板111の上面に対して、案内柱113に向けて僅かに下傾斜させて設けられている。このように下傾斜させることにより、上記閉塞部材130が前記挿通間隙125に装着固定された後は、閉塞部材130の後述する左右翼片133aが前傾姿勢で装着されるため、後方へとより滑落しにくくなる。
本実施例4において、前記第2アリ溝部123aにおける先端側の半部領域の左右端縁(溝底面)が、図17に示すように内側に切り欠かれており、それによって、前記第2アリ溝部123aの溝深さを深くし、後述する閉塞部材130の係着爪133bを安定して係着する係着空間123bが構成されている。この第2アリ溝部123aと係着空間123bとが、閉塞部材130の後述する左右の翼片133を挿嵌する第2装着部の一部となる。
なお、引手取付杆120の自由端部123における第2アリ溝部123aと、上翼板111に形成された前記凹嵌部111bの第1アリ溝部111cとにあって、その後部開放端の稜線部には面取りがなされている。これにより、第1アリ溝部111c及び第2アリ溝部123aに閉塞部材130の一部を挿嵌するにあたって、その挿入操作が行い易くなるとともに、上翼板111の上記凹嵌部111bに閉塞部材130の挿入時に、同閉塞部材130の上端に形成された後述する左右の起立板片133を水平方向(特に、スライダー幅方向)に容易に弾性変形させることを可能にする。
この実施例4における前記閉塞部材130は、上翼板111の上記凹嵌部111bの内壁面に形成された第1アリ溝部111cに挿嵌して装着される矩形状の基板部131と、基板部131の左右側縁及び前端縁から外側に向けて三方に連続して平行に延設されるコ字型のフランジ状板片132と、前記基板部131上面の左右端縁から平行に立ち上がる一対の起立板片133と、同起立板片133の上端内側面から向き合って延びる左右翼片133aと、その左右翼片133aの前端部の対向側面に向けて突出する係着爪133bとを有している。ここで、前記左右の起立板片133は左右方向に弾性変形が可能である。
以上の構成部材から本発明のスライダー4を組み立てるには、上翼板111の後端と閉塞部材130の前端との間に配される上記コイルスプリング140を、上翼板111の上記凹陥部111bの前方側の第1アリ溝部111cに形成されたスプリング挿入孔111dに挿入されて収容する。
次いで、閉塞部材130の基板部131の前端から前方に向けて延設されたフランジ状板片132の先端をコイルスプリング140の後端にあてがい、コイルスプリング140を圧縮しながら、閉塞部材130のフランジ状板片132をスライダー胴体110の上翼板111に形成された左右の第1アリ溝部111cに挿嵌すると同時に、閉塞部材130の左右翼片133aの係着爪133bを引手取付杆120の自由端部123に形成された上記第2アリ溝部123aに挿嵌して、閉塞部材130を前進させる。この前進時、起立板片133の上端から内側に突出する係着爪133bが前記第2アリ溝部123aの溝底面により左右外側へと押し広げられる。閉塞部材130が第2アリ溝部123aの半部係着空間123bに達すると、図19に示すように、起立板片133に対する押し拡げ力が解除され、起立板片133が原形に弾性復帰して左右の係着爪133bが各係着空間123bに係着して組立てが終了する。
このとき、コイルスプリング140は圧縮された状態にあり、閉塞部材130を後方へと付勢している。ここで閉塞部材130をコイルスプリング140の付勢に抗して、凹陥部111bの底面上を更に前方へと移動させて、図20に示すように、引手取付杆120の延設部122の下方で停止させる。ここで引手取付杆120の自由端部123と上翼板111の上面との間には、改めて引手挿通間隙125が形成され、同時に前記閉塞部材130の周辺と前記延設部122の下面との間に引手5の取付軸部5bが通過できる通過空間141が形成される。
そこで、本実施例4にあっては、引手5を取り付けるには、図20に示すように、閉塞部材130を前記引手取付杆120における延設部122の下方の位置に来るよう前方へ移動させた後、図示せぬ前記引手の取付軸部5bを引手挿通間隙125から挿入し、前記延設部122と前記閉塞部材30の周辺との間に形成された取付軸部5bの通過空間141を通して収容空間124へと挿入する。
このあとで、前記閉塞部材130に加えられているコイルスプリング140に対する圧縮力を解除すると、コイルスプリング140は伸長して閉塞部材130を第1及び第2装着部へと戻そうとするが、前記係着爪133bが引手取付杆120の第2アリ溝部123a内に形成された係着空間123bの係着面に係着して、閉塞部材130が停止する。これにより、引手5の取付けが終了する。
本実施例4では、前述のように、まず閉塞部材130をコイルスプリングの弾性力に抗して引手取付杆120の自由端部123と上翼板111の上面との間の引手挿通間隙125に第1及び第2装着部を介して仮装着させた後に閉塞部材130を前方へ移動させてから、引手5の取付軸部5bを取り付けているが、上記実施例1と同様に、引手5の取付けをスライダー4の組立時の最初に取り付けたのちに閉塞部材130を第1及び第2装着部に取り付けることも可能である。かかる構造によって、本実施例4のスライダー4にあっては、前述の引手取付け手順とは逆の手順で操作を行うことにより、引手5を引手取付杆12と上翼板111の上面との間に形成される引手挿通空間141を介して取り外すことも可能である。
上述のようにして組み立てられるスライダー4は、スライダー胴体10に配された第1装着部である凹嵌部111bの第1アリ溝部111cと、引手取付杆120に配された第2装着部である第2アリ溝部123a及び爪係着部の係着空間123bとに、閉塞部材30の基板31から延出する第1被着部であるコ字型のフランジ状板片132と、閉塞部材130の第2被着部である起立片上端に形成された左右翼片133a及び係着爪133bとを、単にコイルスプリング140の付勢力に抗して挿入して押し込むだけで、閉塞部材130の挿嵌部分が強固に挿嵌されるとともに、係着爪133bが係着空間123bの係着面に係着して、閉塞部材130とスライダー胴体110及び引手取付杆120との結合が自動的に且つ簡単になされる。
この結合によって、閉塞部材130とスライダー胴体110及び引手取付杆120とにおける上下・左右方向及び後退方向の相対的動きが確実に阻止され、たとえ引手5に斜め上方に向かう強大な引っ張り力が働いたとしても、引手5が大きく変形したり破損することを効果的に減少させることができる。また、本実施例4にあっては、閉塞部材130と上翼板111の第1アリ溝部111cとの間に圧縮状態にあるコイルスプリング140を介装したため、閉塞部材130を常に後方へと付勢している。
それにより、例えば上述のようにして、引手取付け時の操作と逆の操作を行うとき、すなわち図17に仮想線で示すように、閉塞部材130を第1及び第2装着部から前方へとコイルスプリング140の付勢に抗して前方へと移動させた後、引手5を引手取付杆120の延設部122と閉塞部材130の周辺との間に形成された挿通空間141を通して、引手取付杆120の自由端部123と上翼板111との間の挿通間隙125から外すことができるため、好みの引手との交換が可能である。引手5を前記挿通間隙125から外したのち、図17に実線で示すように、閉塞部材130はコイルスプリングの弾性力により元の第1及び第2装着部の位置に戻る。
本実施例4における閉塞部材130とスライダー胴体110及び引手取付杆120の主たる結合が、スライダー胴体110及び引手取付杆120の第1アリ溝部111c及び第2アリ溝部123aと、同第1アリ溝部111c及び第2アリ溝部123aに挿嵌結合される閉塞部材130との結合部によりなされるため、上下左右の動きが阻止され、また引手取付杆120の一部に形成された係着空間123bの係着面と閉塞部材130の係着爪133bとの係着により閉塞部材130の後方への動きも同時に阻止されるため、閉塞部材130がスライダー胴体110及び引手取付杆120の双方を強固に連結して、例えば引手5に閉塞部材130をスライダー胴体110及び引手取付杆120から外そうとする強い力がかかったとしても、閉塞部材130はその固定位置に不動のままとなり、特に引手取付杆120に大きな変形をもたらすことがなくなる。
以上、本発明の代表的な実施例を挙げて詳しく説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。例えば上記実施例4における上翼板111では、上面凹陥部111bにおける奥壁に形成された第1アリ溝部111cの溝底面に、コイルスプリング140の一端が挿入可能な有底状のスプリング挿入孔111dを設けてコイルスプリング140を収容し保持しているが、本発明では、コイルスプリング140の位置決め固定をすることができるその他の構造又は構成を採用することも可能である。
また、上記実施例1では、閉塞部材30の第2被着部となる左右翼片33aに係着爪33bを備えている。一方、上記実施例2では、閉塞部材60の第1被着部となる左右平板部分61aに係着爪61bを備えている。実施例3及び4では、各閉塞部材90,130の第2被着部に係着爪92b,133bがそれぞれ配されている。
しかし、本発明において、後退移動阻止手段となる係着爪は、閉塞部材に設けられる第1及び第2被着部、上翼板に設けられる第1装着部、並びに引手取付杆の自由端部に設けられる第2装着部のうちの少なくとも1つに形成されていれば良い。従って、例えば、閉塞部材に設けられる第1被着部と第2被着部の両方に係着爪を形成することが可能である。また、上翼板に設けられる第1装着部(又は引手取付杆の自由端部に設けられる第2装着部)に係着爪を形成するとともに、閉塞部材に設けられる第1被着部(又は第2被着)に、その係着爪が係着する係着空間(係着面)を形成することも可能である。
1,2,3,4 引手後付けスライダー(スライダー)
5 引手
5a 引手本体部
5b 取付軸部
10,40,70,110 スライダー胴体
11,41,71,111 上翼板
11a,41a,73,111a 左右のフランジ
11b,41b,111b 凹陥部
11c,41c〜41e 第1アリ溝部
71c,71d,111c 第1アリ溝部
12,42,112 下翼板
11d,41h〜41j,111e 突片部
13,72 案内柱
14,114 エレメント案内路
20,50,80,120 引手取付杆
21,51,81,121, 固定端部
22,52,82,122 延設部
23,53,83,123 自由端部
23a,53b,83a,123a 第2アリ溝部
23b,41g,123b (係着爪の)係着空間
23c,53c,83b,123c 突条部
24,54,124 (引手)収容空間
25,55,85,125 (引手)挿通間隙
26,56 施錠部材
30,60,90,130 閉塞部材
31,131 (矩形) 基板部
32 (コ字型) フランジ状板片
33 起立板片
33a,63a,133a 左右翼片
33b,61b,92b,133b 係着爪
41f 切欠き部
61 (U字型) 水平基板
61a 左右平板部分
91 ブロック状本体
92 (T字断面) 起立部
92a 上部平板部
93 挿嵌部
111d スプリング挿入孔
140 コイルスプリング
141 (引手) 通過空間

Claims (8)

  1. 上下翼板(11,12,41,42,71,111,112)を有するスライダー胴体(10,40,70,110)の前記上翼板(11,41,71,111)の上面に、引手(5) を保持する引手取付杆(20,50,80,120)が片持状に一体に形成され、前記引手取付杆(20,50,80,120)は、前記上翼板(11,41,71,111)から起立する固定端部(21,51,81,121)と、前記上翼板(11,41,71,111)との間に前記引手(5) の一部が挿通可能な挿通間隙(25,55,85,125)が形成された自由端部(23,53,83,123)とを有し、前記挿通間隙(25,55,85,125)を閉塞する閉塞部材(30,60,90,130)が前記スライダー胴体(10,40,70,110)に配されてなるスライドファスナーの引手後付けスライダー(1,2,3,4) であって、
    前記スライダー胴体(10,40,70,110)の前記上翼板(11,41,71,111)は、前記閉塞部材(30,60,90,130)を装着する第1装着部を有し、
    前記引手取付杆(20,50,80,120)の前記自由端部(23,53,83,123)は、前記閉塞部材(30,60,90,130)を装着する第2装着部を有し、
    前記閉塞部材(30,60,90,130)は、前記上翼板(11,41,71,111)の前記第1装着部に装着される第1被着部と、前記自由端部(23,53,83,123)の前記第2装着部に装着される第2被着部とを有し、
    前記第1装着部及び前記第1被着部のうちの何れか一方が、第1アリ溝部(11c,41c〜41e,71c,71d,111c) を有するとともに、他方が、前記第1アリ溝部(11c,41c〜41e,71c,71d,111c) に挿嵌されて係合する第1挿嵌係合構造を備えた第1挿嵌係合部(32,61a,93,132) を有し、
    前記第2装着部及び前記第2被着部のうちの何れか一方が、第2アリ溝部(23a,53b,83a,123a)を有するとともに、他方が、前記第2アリ溝部(23a,53b,83a,123a)に挿嵌されて係合する第2挿嵌係合構造を備えた第2挿嵌係合部(33a,63a,92a,133a)を有してなり、
    前記第1アリ溝部(11c,41c〜41e,71c,71d,111c) は、前記上翼板(11,41,71,111)の前記第1装着部に配され、
    前記第2アリ溝部(23a,53b,83a,123a)は、前記自由端部(23,53,83,123)の前記第2装着部に配されてなり、
    前記第2アリ溝部(23a,53b,83a,123a)は、前記自由端部(23,53,83,123)におけるスライダー幅方向に向いた左右側面から、スライダー幅方向の内側に向けて凹設され、且つ、上下内壁面と溝底面とを備えた一対の第2凹溝条を有し、
    各第2凹溝条の前記下内壁面は、前記第2凹溝条の溝底面の位置からスライダー幅方向の外側に向けて突出する突条部(23c,53c,83b,123c)により構成されてなる、
    ことを特徴とする引手後付けスライダー。
  2. 前記第1挿嵌係合構造及び第2挿嵌係合構造のうちの少なくとも一方は、前記閉塞部材(30,60,90,130)の後退方向への移動を阻止する後退移動阻止手段を有し、
    前記後退移動阻止手段は、弾性部材を介した係着爪(33b,61b,92b,133b)による係着を含んでなる、
    請求項1記載の引手後付けスライダー。
  3. 前記第1アリ溝部(11c,41c〜41e,111c) は、前記上翼板の上面から下方に向けて凹設された凹陥部(11b,41b,111b)の周壁に、少なくともスライダー幅方向の外側に向けて凹設され、且つ、上下内壁面と溝底面とを備えた第1凹溝条を有し、
    前記第1凹溝条の前記上内壁面は、前記第1凹溝条の前記溝底面の位置から前記凹陥部(11b,41b,111b)側に向けて突出する突片部(11d,41h〜41j,111e) により構成されてなる、請求項1又は2記載の引手後付けスライダー。
  4. 前記閉塞部材(30,60,130) は、基板部(31,61,131) と、前記基板部(31,61,131) から上方に向けて、スライダー幅方向に所定の間隔を空けて起立した一対の起立板片(33,63,133) と、前記起立板片(33,63,133) の上端部において、互いに接近する方向に伸びた左右翼板(33a,63a,133a)とを有し、
    前記左右翼板(33a,63a,133a)は、前記第2被着部として、前記第2アリ溝部(23a,53b,123a)の前記一対の第2凹溝条に挿嵌されて係合してなる、
    請求項1又は2記載の引手後付けスライダー。
  5. 前記閉塞部材(30,60,130) は、前記基板部(31,61,131) からスライダー幅方向の外側に延設され、前記第1被着部として前記第1アリ溝部(11c,41c〜41e,111c) の前記第1凹溝条に挿嵌されて係合する一対の平板片部(32,61a,132)を有し、
    前記凹陥部(11b,41b,111b)と、前記第1アリ溝部(11c,41c〜41e,111c) の前記第1凹溝条とは、前記上翼板(11,41,111) の後口側端部に開口を有し、
    前記閉塞部材(30,60,130) の前記基板部(31,61,131) 及び前記一対の平板片部(32,61a,132)は、前記開口を介して、前記凹陥部(11b,41b,111b)及び前記第1アリ溝部(11c,41c〜41e,111c) の前記第1凹溝条に挿入されてなる、
    請求項3又は4記載の引手後付けスライダー。
  6. 前記引手取付杆(20,120)は、前記固定端部(21,121)と前記自由端部(23,123)との間に配された延設部(22,122)を有し、
    前記延設部(22,122)と前記上翼板(11,111)の上面との間に、引手収容部(24,124)が配され、
    前記閉塞部材(30,130)は、前記左右翼板(33a,133a)の対向側面から互いに近接する方向に突出する一対の係着爪(33b,133b)を有し、
    前記第2アリ溝部(23a,123a)の前記一対の第2凹溝条における前記引手収容部(24,124)側の端部に、前記係着爪(33b,133b)を収容して係着させる係着空間(23b,123b)が配されてなる、
    請求項4又は5記載の引手後付けスライダー。
  7. 前記閉塞部材(60)は、前記一対の平板片部(61a) からスライダー幅方向の外側に突出する一対の係着爪(61b) を有し、
    前記第1アリ溝部(41c,41d) の前記第1凹溝条よりスライダー長さ方向の肩口側に、前記係着爪(61b) を収容して係着させる係着空間(41g) が配されてなる、
    請求項5記載の引手後付けスライダー。
  8. 前記第1アリ溝部(11c,41c〜41e,111c) の前記第1凹溝条、又は、前記第2アリ溝部(23a,53b,83a,123a)の第2凹溝条は、スライダー長さ方向の肩口側に向けて下り傾斜して配されてなる請求項1〜7のいずれかに記載の引手後付けスライダー。
JP2014545539A 2012-11-12 2012-11-12 スライドファスナー用の引手後付けスライダー Active JP6021936B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2012/079288 WO2014073111A1 (ja) 2012-11-12 2012-11-12 スライドファスナー用の引手後付けスライダー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2014073111A1 JPWO2014073111A1 (ja) 2016-09-08
JP6021936B2 true JP6021936B2 (ja) 2016-11-09

Family

ID=50684248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014545539A Active JP6021936B2 (ja) 2012-11-12 2012-11-12 スライドファスナー用の引手後付けスライダー

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9220323B2 (ja)
JP (1) JP6021936B2 (ja)
CN (1) CN104780801B (ja)
DE (1) DE112012007120B4 (ja)
TW (1) TWI516220B (ja)
WO (1) WO2014073111A1 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112014006963B4 (de) 2014-09-19 2023-04-27 Ykk Corporation Schieber für Reißverschluss
CN107072357B (zh) * 2014-09-30 2019-11-08 Ykk株式会社 拉链用的拉头
ITUB20161222A1 (it) * 2016-03-01 2017-09-01 Ykk Europe Ltd Cursore per una cerniera lampo.
US11006703B2 (en) 2016-04-01 2021-05-18 Shah Technologies, LLC Metal one piece slide and pull for slide fastener
US11432621B2 (en) * 2016-04-01 2022-09-06 Shah Technologies, LLC Metal one piece security slide and pull for slide fastener
US10064455B2 (en) * 2016-04-01 2018-09-04 Shah Technologies, LLC Metal one piece slide and pull for slide fastener
CN108053526A (zh) * 2016-04-08 2018-05-18 大使公司 包括锁定模块的且具有闭合拉链的箱包单元
JP3206107U (ja) * 2016-06-17 2016-09-01 Ykk株式会社 スライドファスナーのスライダーカバーおよびスライダーセット
CN106213695B (zh) * 2016-08-29 2018-11-30 福建晋江浔兴拉链科技有限公司 一种双拉鼻拉链头结构
CN106360889A (zh) * 2016-08-30 2017-02-01 福建浔兴拉链科技股份有限公司 一种拉链用拉头
CN110536622B (zh) * 2017-04-07 2022-04-15 Ykk株式会社 拉链用拉头
US11617424B2 (en) * 2017-07-25 2023-04-04 Delsey Secure slider for a zip fastener
WO2019159331A1 (ja) * 2018-02-16 2019-08-22 Ykk株式会社 スライドファスナー用のスライダー
WO2019159329A1 (ja) * 2018-02-16 2019-08-22 Ykk株式会社 スライドファスナー用のスライダー
CN108783768B (zh) * 2018-07-18 2021-04-27 福建晋江浔兴拉链科技有限公司 一种改良的锌合金yg拉头
CN109027129A (zh) * 2018-10-19 2018-12-18 无锡市新华起重工具有限公司 一种带有开口的绳套
CN111660220A (zh) * 2019-03-06 2020-09-15 北京长征天民高科技有限公司 一种油气弹簧挂装机构
CN110200358A (zh) * 2019-05-27 2019-09-06 江苏驰马拉链科技股份有限公司 一种用于不对称牙型的拉头
CN110731583B (zh) * 2019-11-05 2022-04-19 山东轻工职业学院 可穿戴服装配饰

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2160160A (en) * 1937-01-06 1939-05-30 Whitehall Patents Corp Slider for separable fasteners
JPS5620971Y2 (ja) 1976-09-02 1981-05-18
JPS5336903A (en) 1976-09-17 1978-04-05 Iori Kikuchi Afforesting block built retaining wall
JPS6172209U (ja) * 1984-10-16 1986-05-16
JPH0432971Y2 (ja) * 1986-12-19 1992-08-07
JPH0432974Y2 (ja) * 1986-12-19 1992-08-07
JPH0755161B2 (ja) * 1989-03-31 1995-06-14 ワイケイケイ株式会社 自動停止装置付きスライドファスナー用スライダーの仮引手
US5551129A (en) * 1995-12-07 1996-09-03 Chu; Tino Slider of a zipper
JP4149369B2 (ja) * 2003-12-10 2008-09-10 Ykk株式会社 自動停止装置付スライドファスナー用スライダー
JP4109618B2 (ja) * 2003-12-16 2008-07-02 Ykk株式会社 自動停止装置付スライドファスナー用スライダー
GB0516442D0 (en) * 2005-08-10 2005-09-14 Ykk Europ Ltd A slider for a slide fastener
JP2008173344A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Ykk Corp 自動停止装置付スライドファスナー用スライダー
JP4726820B2 (ja) * 2007-02-20 2011-07-20 Ykk株式会社 スライドファスナー用スライダー
JP4799452B2 (ja) 2007-03-16 2011-10-26 Ykk株式会社 スライドファスナー用スライダー
CN102076239B (zh) * 2008-11-20 2012-12-19 Ykk株式会社 拉攀能够装拆的滑动拉链用拉头
ES2547564T3 (es) * 2010-01-18 2015-10-07 Ykk Corporation Cursor para un cierre de cremallera
KR20130133868A (ko) * 2011-04-15 2013-12-09 와이케이케이 가부시끼가이샤 슬라이드 파스너용 슬라이더
JP5647730B2 (ja) * 2011-04-27 2015-01-07 Ykk株式会社 スライドファスナー用スライダー
TWI489955B (zh) * 2012-05-29 2015-07-01 Chung Chwan Entpr Co Ltd 可換拉片的拉頭結構及其拉片更換方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE112012007120T5 (de) 2015-07-30
JPWO2014073111A1 (ja) 2016-09-08
DE112012007120B4 (de) 2019-06-27
US9220323B2 (en) 2015-12-29
CN104780801A (zh) 2015-07-15
US20150335107A1 (en) 2015-11-26
TW201420036A (zh) 2014-06-01
CN104780801B (zh) 2017-07-11
TWI516220B (zh) 2016-01-11
WO2014073111A1 (ja) 2014-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6021936B2 (ja) スライドファスナー用の引手後付けスライダー
JP5106629B2 (ja) 自動停止装置付スライドファスナー用スライダー
JP5501252B2 (ja) スライドファスナー用スライダー
JP5832522B2 (ja) 開離嵌挿具付きスライドファスナー
JP4632924B2 (ja) 自動停止装置付スライドファスナー用スライダー
JP6161708B2 (ja) ファスナーチェーン及びスライドファスナー、並びにファスナーエレメントの製造方法
JP5450659B2 (ja) スライドファスナー用スライダー
JP4628227B2 (ja) 自動停止装置付スライドファスナー用スライダー
EP2564720B1 (en) Metal double-sided tooth and slide fastener
US20130025092A1 (en) Slider for Slide Fastener
EP2904922B1 (en) Slide fastener
JPH11155616A (ja) 隠しスライドファスナーの開離嵌挿具
JP5957091B2 (ja) スライドファスナー用スライダー
JP3927922B2 (ja) スライドファスナー用スプリング体及び同スプリング体が装着されたスライダー
WO2016051538A1 (ja) スライドファスナー用のスライダー
WO2012042602A1 (ja) スライドファスナー用開離嵌挿具
JP5496301B2 (ja) スライドファスナー用スライダー
WO2018185928A1 (ja) スライドファスナー用スライダー
WO2016147262A1 (ja) スライダー及びスライドファスナー
WO2013099017A1 (ja) スライドファスナー用スライダー
JP2013006083A (ja) スライドファスナー用スライダー
JP3164407U (ja) スライドファスナー用止具
WO2022118404A1 (ja) スライダー
KR100603114B1 (ko) 슬라이드 패스너
JP2015151783A (ja) 引手

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161004

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6021936

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150