JP6021463B2 - 液体吐出ヘッド、および液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド、および液体吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧電素子を用いた液体吐出ヘッド、および液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
インクを吐出して記録媒体に画像を記録する液体吐出記録装置には、一般的にインクを吐出する液体吐出ヘッドが搭載されている。液体吐出ヘッドの機構として、圧電素子によって容積が収縮可能な圧力室を用いる機構が知られている。このような液体吐出ヘッドの構造が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示された液体吐出ヘッドでは、複数の溝が形成されたPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)板と各溝を覆う天板とが重ね合わせて接着される。その後、PZT板と天板との接着物を所定の厚さにスライスする。これによりPZT板・天板複合体が形成される。複数の溝は、圧力室となる溝と、ダミー圧力室となる溝とに分けられる。その複合体の後面側には、圧力室に連通する開口を有するバックプレートが接着される。各溝の内面には電極が形成される。複合体の前面には、ダミー圧力室となる溝に形成された電極と電気的に接続された電極層が接続される。複合体の側面には、その電極層をバックプレートに電気的に接続させるために共通電極パターンが形成された構成となっている。
特許第4089957号公報
特許文献1に開示された液体吐出ヘッドでは、複合体の前面には、圧力室と連通するオリフィス孔が形成されたオリフィスプレートが接合される。そのため、複合体の前面に形成された電極層は外部に露出しない。一方、複合体の側面に形成された共通電極パターンは外部に露出してしまう。そのため、共通電極パターンを絶縁層で覆う工程が必要になる。この工程によって、生産性の向上が妨げられる可能性がある。
本発明は、生産性の高い液体吐出ヘッド、及び液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出する吐出口が形成されたオリフィスプレートと、各々が前記オリフィスプレートに接合され、かつ層状に重なり合った一対の圧電基板と、を有する液体吐出ヘッドであって、前記一対の圧電基板は、前記オリフィスプレートに面する前面から前記前面とは反対の後面に向かって延びる複数の溝であって、前記複数の溝のうち一部の溝が前記吐出口に連通する複数の溝と、各溝の内壁に形成された電極と、前記前面に形成され、前記複数の溝のうち前記一部の溝を除く溝に形成された電極と電気的に接続された共通電極連結層と、互いに対向する面の少なくとも一方に形成され、前記共通電極連結層と電気的に接続された共通電極引き出し配線と、を有する。
上記目的を達成するため、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、液体を吐出する吐出口が形成されたオリフィスプレートと、一対の圧電基板と、を用いる液体吐出ヘッドの製造方法であって、各圧電基板の一面から前記一面とは反対の面に向かって延びる複数の溝を形成する工程と、各溝の内壁に電極を形成するとともに、前記一面に直交する面に共通電極引き出し配線を形成し、その後、一方の圧電基板に他方の圧電基板を積層する工程と、積層された前記一対の圧電基板の前記一面に、前記複数の溝の中で一部の溝を除く溝に形成された電極と電気的に接続される共通電極連結層を形成する工程と、前記共通電極連結層が形成された前記一面に、前記一部の溝が前記吐出口に連通するように前記オリフィスプレートを接合する工程と、を有する。
本発明によれば、生産性の高い液体吐出ヘッド、及び液体吐出ヘッドの製造方法を提供することが可能となる。
実施形態1の液体吐出ヘッドの斜視図である。 図1に示す液体吐出ヘッドの分解斜視図である。 図2に示す圧電材積層体をオリフィスプレート側から見た正面図である。 図3に示す圧電材積層体を構成する一対の圧電基板の斜視図である。 図4(a)に示す第1の圧電基板の電極構造を説明するための図である。 図4(b)に示す第2の圧電基板の電極構造を説明するための図である。 圧電材積層体の積層工程を説明するための図である。 圧電材積層体の積層工程を説明するための図である。 電極連結層が形成された積層体の全体斜視図である。 図9に示す積層体の一部を切断して示した断面斜視図である。 図9に示す積層体の拡大図および断面図である。 共通電極連結層を有する積層体を後面側から見た斜視図である。 図12に示す配線構造を説明するための部分拡大図である。 図13に示す圧電材積層体に絞りプレートおよびオリフィスプレートを接合する工程を説明するための斜視図である。 実施形態2の第2の圧電基板を示す図である。 実施形態3の第1の圧電基板を示す図である。 実施形態4の第1の圧電基板を示す図である。
(実施形態1)
本発明の実施形態1について説明する。図1は、本実施形態の液体吐出ヘッドの斜視図である。図2は、図1に示す液体吐出ヘッドの分解斜視図である。
本実施形態の液体吐出ヘッド101は、圧電材積層体303を有する。圧電材積層体303の前面には、吐出口309を有するオリフィスプレート304が接着されている。一方、圧電材積層体303の後面(インク供給口側)には、絞りプレート302(図2参照)およびフレキシブルケーブル310が接着されている。絞りプレート302には、共通液室301とインク供給口305を有する部材が接着されている。
図3は、圧電材積層体303をオリフィスプレート側から見た正面図である。図3(a)は、圧電材積層体303の全体を示す正面図である。図3(b)は、図3(a)に示す領域Aの拡大図である。図3(b)に示すように、圧電材積層体303には、複数の圧力室307と複数の空気室308が行列状に配列されている。圧力室307と空気室308は行方向および列方向に交互に配列されている。圧力室307の内壁及び空気室308の内壁には電極が形成されている。
以下、圧電材積層体303の製造方法について説明する。
(溝工程)
圧電材積層体303は、層状に重なり合った一対の圧電基板で構成されている。図4は、圧電材積層体303を構成する一対の圧電基板の斜視図である。図4(a)は、一方の圧電基板である第1の圧電基板501の斜視図である。図4(b)は、他方の圧電基板である第2の圧電基板502の斜視図である。第1の圧電基板501、第2の圧電基板502には、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)基板が使用される。
第1の圧電基板501には、図4(a)に示すように、前面から後面に向かって延びた凹状の第1の溝503および第2の溝504が形成されている。各溝の形成方法には超砥粒ホイールを用いた研削加工が用いられる。第1の溝503が前述の圧力室307として機能し、第2の溝504は前述の空気室308として機能する。
第2の溝504は共通液室301(図2参照)に連通しないように加工されている。具体的には、第2の溝504は、第1の圧電基板501の一面(前面)からその一面の反対の面(後面)に到達する途中で終端している。これは第2の溝504を空気室308として機能させるためには共通液室301からの液体が第2の溝504に流れ込まないように分離する必要があるからである。
第2の圧電基板502には、図4(b)に示すように第3の溝507が第1の溝503および第2の溝504と同様の方法により形成される。第3の溝507は前述の空気室308として機能する。第3の溝507も第2の溝504と同様に共通液室301に連通しないように加工される。
(電極工程)
図5は、第1の圧電基板501の電極構造を説明するための図である。図5(a)は上面図である。図5(b)はオリフィスプレート304側から見た正面図である。図5(c)は下面図である。第1の圧電基板501において、第1の溝503に第1の電極505が形成され、第2の溝504に第2の電極506が形成される。この時、共通電極引き出し配線521も同時に第1の圧電基板501の上面に形成される。第1の圧電基板501の上面において、共通電極引き出し配線521は、前面側の縁部から後面側の縁部まで延びている。図5(c)に示すように、第1の圧電基板501の下面には、第3の電極508が形成される。第3の電極508は、第1の溝503の底壁を駆動する為の電極として機能する。そのため、第3の電極508は、第1の溝503に対応する位置に形成されている。
第1の電極505、第2の電極506、第3の電極508及び共通電極引き出し配線521のパターニングは、感光性レジストを用いたリフトオフ法やレーザー除去により形成される。具体的には、下地層としてCrを成膜し、Crの上に電極層としてAuを成膜することで形成される。あるいは、下地層としてCrを成膜し、Crの上にPdを成膜してパターニングしてもよい。さらにPdをシード層としてNiめっきを行い、表面のNiをAuに置換めっきすることによって形成してもよい。特に、めっきによる方法はリフトオフ時の膜厚が薄いので、バリが残りにくくパターニング性が向上する。さらに、表面のみにAuを使用するため低コストである。
図6は、第2の圧電基板502の電極構造を説明するための図である。図6(a)は上面図である。図6(b)はオリフィスプレート304側から見た正面図である。図6(c)は下面図である。第2の圧電基板502の第3の溝507には第4の電極509が形成される。第4の電極509は、前述の第1の電極505〜第3の電極508と同様の方法により形成できる。第2の圧電基板502の上面には共通電極引き出し配線522が形成されている。第2の圧電基板502の上面において、共通電極引き出し配線522は、前面側の縁部から後面側の縁部まで延びている。本実施形態では、共通電極引き出し配線522は、第4の電極509と同時に形成される。図6(c)に示すように、第2の圧電基板502の下面には、第5の電極512が形成されている。第5の電極512は、第3の溝507に対応する位置に形成されている。第2の圧電基板502が第1の圧電基板501に積層されたときに、第5の電極512は、第1の圧電基板501に形成された第1の溝503の上部開口を塞ぐ。
共通電極引き出し配線521と、共通電極引き出し配線522は、後に電気的に接続されて同じ役割を果たす。その為、共通電極引き出し配線521または共通電極引き出し配線522のいずれか一方のみを形成した構成であってもよい。この構成では、配線抵抗を低くするために配線の幅を広くすることが望ましい。
(分極工程)
次に、第1の圧電基板501と第2の圧電基板502をそれぞれ分極処理する。第1の圧電基板501は、第1の溝503の内壁を異なる3方向に分極処理する。第1の電極505を正電位として第2の電極506および第3の電極508をグランド電位として、両電極間に高電界を印加する。分極処理は、100〜150℃程度に加熱した状態で、第1の電極505と第2の電極506の間に1〜2kV/mm程度の高電界を所定の時間印加することによって行われる。分極処理は、例えばシリコーンオイル(絶縁破壊電圧:10kV/mm以上)のような絶縁性の高いオイルの中で行うことが望ましい。シリコーンオイルは分極後にキシレン、ベンゼン、トルエンといった炭化水素系溶剤や塩化メチレン、クロロベンゼンといった塩素化炭化水素系溶剤によって除去可能である。
分極後、必要に応じてエージング処理を行う。分極処理が施された第1の圧電基板501を昇温した状態で一定の時間に保持することによって、その圧電特性を安定化させる。エージング処理は、例えば、100℃のオーブンに、分極処理が施された第1の圧電基板501を10時間放置する。
第2の圧電基板502についても上述した分極処理と同様の方法で分極処理する。第2の圧電基板502においては、第4の電極509をグランド電位として第5の電極512を正電位とする。両電極間に1〜2kV/mm程度の高電界を所定の時間印加することによって分極処理される。
(積層工程)
次に、図7、8を用いて積層工程を説明する。図7(a)に示すように、第1の圧電基板501には、第1の溝503と、第1の溝503の両隣に配置された第2の溝504が形成されている。第1の溝503は、吐出口309と連通する圧力室307として機能する。第2の溝504は、空気室308として機能する。第1の溝503の内壁には第1の電極505(図7(a)では不図示)が形成され、第2の溝504の内壁には第2の電極506(図7(a)では不図示)が形成されている。第1の溝503および第2の溝504が形成されている面の裏面には、第3の電極508(図7(a)では不図示)が形成されている。
第2の圧電基板502には、圧電基板501の第1の溝503に対応する位置に空気室308として機能する第3の溝507が形成されている。第3の溝507の内壁には第4の電極509(図7(a)では不図示)が形成されている。第3の溝507が形成されている面(上面)の裏面(下面)には、第5の電極512(図7(a)では不図示)が形成されている。
図7(b)に示すように、第1の圧電基板501は、第2の圧電基板502に積層されて接合される。接合には、例えばエポキシ系の接着剤が用いられる。このとき、各溝内が接着剤で埋まってしまうのを防ぐために接着剤量を適切にコントロールする必要がある。接着剤の塗布方法としては、別の平坦な基板上にスピンコートやスクリーン印刷などで薄い均一な接着剤層を形成しておく。これに第1の圧電基板501もしくは第2の圧電基板502の接着面を押し付けて離すことで、圧電基板上に薄く均一な接着剤層を形成することができる。接着剤塗布後、第1の基板501と第2の基板502の間に微小な間隔がある状態で位置決めを行い、その後加圧接着する。
積層時のアライメントには、各圧電基板の端面を位置決めピンに突き当てることによって行うこともできるし、さらに位置決め精度を向上させるには、カメラによるアライメントを行ってもよい。カメラによるアライメントに用いる目印としては、チップのエッジ、溝、電極形成時にパターニングしたアライメントマークなどを使用することができる。
図7(b)に示すように第1の圧電基板501と第2の圧電基板502を1ユニットとする積層体は、図7(c)に示すように、複数層状に重ね合わせて接合される。
図7(c)に示す積層体の最下層には、図8に示すように基板510が接合される。積層体の最上層には図8に示すように基板511が接合される。基板511の上には、図8に示すように基板523が接合される。基板510、基板511、および基板523は、圧電基板である必要はない。接合時に加熱を要する場合には、各基板の材料は、第1の圧電基板501および第2の圧電基板502と熱膨張率が同等の特性を有することが望ましい。
(研磨工程)
図8に示す積層体の前面および後面(圧力室307が露出している両面)は研磨工程により平坦化される。研磨には砥粒が用いられる。後の電極形成工程のために表面粗さはRa0.4μm程度が好ましい。また、オリフィスプレート304や後方絞りプレート302を精度よく貼りつけるために各面の平面度は10μm以内、端面間の平行度は30μm以内とすることが好ましい。
(共通電極連結層の形成工程)
前面および後面が研磨された積層体に共通電極連結層817を形成する工程について図9、図10、図11を参照して説明する。図9は、前面および後面が研磨された積層体に共通電極層817を形成した全体斜視図である。図10は、図9に示す積層体の一部を切断して示した断面斜視図である。図11は、図9に示す積層体の拡大図および断面図である。図11(a)は、図9に示す共通電極連結層817の拡大図である。図11(b)は、図11(a)に示す切断線C−Cに沿った断面図である。図11(c)は、図11(a)に示す切断線D−Dに沿った断面図である。
共通電極連結層817は、積層体の前面806(図10参照)に形成される。共通電極連結層817は、図11(a)、(b)に示すように第2の電極506、第3の電極508、および第4の電極509を連結して共通電極とする。共通電極連結層817は、図10に示すように共通電極引き出し配線521および共通電極引き出し配線522に電気的に接続される。これにより、共通電極連結層817によって共通電極とされた各電極に電気的に接続された配線が積層体の後面807(絞りプレート貼付面)へ引き出される。共通電極連結層817は、第1の電極505および第5の電極512には電気的に接続されない。具体的には、共通電極連結層817は、第1の電極505および第5の電極512から離して形成される。
共通電極連結層817の形成方法を以下に説明する。
積層体の前面806には圧力室307や空気室308などの凹凸があるため、通常のスピンコーターによる方法では、均一なレジスト膜を形成することが難しい。そこで、フィルムレジストのラミネートが適している。フィルムにはネガタイプのレジストを用いる。
リフトオフでは電極パターンを残したくない部分にレジストが残るようにフォトリソグラフィで形成し、その上部からスパッタリングや蒸着によって電極となる金属層をレジストのパターンを含めて全面に形成する。そして、レジストを除去することでレジスト上部に成膜されていた金属膜がレジストと共に剥離して、最終的に所望の金属膜のパターンが得られる。
共通電極連結層817は、例えば下地層としてCrを成膜し、Crの上に電極層としてAuを成膜することで形成される。あるいは、下地層としてCrを成膜し、Crの上にPdを成膜しパターニングしてもよい。さらにPdをシード層としてNiめっきを行い、表面のNiをAuに置換めっきすることによって形成してもよい。成膜方法にはスパッタリング法や蒸着法を採用できる。特に、めっきによる方法はリフトオフでの膜厚が薄いので、パターニング性が向上するうえに、表面のみにAuを使用するため低コストである。
(後面配線および接続端子形成工程)
図12、図13を参照して共通電極連結層817を有する積層体の後面に配線パターンを形成する工程について説明する。図12は、共通電極連結層817を有する積層体を後面側から見た斜視図である。図13は、図12に示す配線構造を説明するための部分拡大図である。図13(a)は後面図である。図13(b)は図13(a)に示す切断線E−Eに沿った断面図である。
図13(a)に示すように積層体の後面には個別電極配線816が形成されている。個別電極配線816は、第1の電極505および第5の電極512(図13(a)では不図示)に電気的に接続されている。積層体の後面には、個別電極配線816の他に配線820が形成されている(図13(a)参照)。配線820は、図13(b)に示すように、共通電極引き出し配線521、522に電気的に接続される。
個別電極配線816の上側には、図12に示すように個別電極接続端子814が形成されている。個別電極接続端子814は、個別電極配線816に電気的に接続される。配線820の上側には、図12に示すように共通電極接続端子821が形成されている。共通電極接続端子821は、配線820に電気的に接続される。これで圧電材積層体303が完成する。
上述した個別電極配線816には、例えば下地層としてCrを成膜し、Crの上に電極層としてAuを成膜することで形成される。あるいは、下地層としてCrを成膜し、Crの上にPdを成膜してパターニングし、その後、Pdをシード層としてNiめっきを行い、表面のNiをAuに置換めっきして形成してもよい。
上記のように、個別電極接続端子814と、共通電極接続端子821が同じ工程によって形成できるのは、各圧電基板の積層面(前面および後面に直交し、かつ互いに対向する面)に共通電極引き出し配線520、521が形成されているからである。
図14は、図13に示す圧電材積層体303に絞りプレート302およびオリフィスプレート309を接合する工程を説明するための斜視図である。
(絞りプレート接着工程)
圧電材積層体303の後面には絞りプレート302が接着される。絞りプレート302には、開口部809が各圧力室307に対応した位置に設けられている。開口部809は、駆動によって生じるインクの流動が吐出口309側に強く生じるようにインクの逆流を制限するものである。開口部809は、シリコン基板のエッチング加工などで形成可能である。開口部809の口径は圧力室307の開口端の口径よりも小さい。接着には、例えばエポキシ系の接着剤が用いられる。
後方絞りプレート302は、個別電極接続端子814および共通電極接続端子821を露出させるように圧電材積層体303に接着される。
(オリフィスプレート接合工程)
圧電材積層体303の前面には、オリフィスプレート304が接合される。オリフィスプレート304は、圧電材積層体303の各圧力室307に対応する位置に円孔の吐出口309が形成された板状部材である。オリフィスプレート304の作製方法としては、例えば、ニッケルの電鋳加工が挙げられる。オリフィスプレート304の前面(圧電材積層体303と面する面の裏面)には撥インク処理が施される。撥インク材料には、シラン系、フッ素系の材料が挙げられる。これらの材料を蒸着などでコーティング処理をすることによって撥インク処理が施される。
オリフィスプレート304は、例えば接着剤を用いて圧電材積層体303と接合される。接着には、例えばエポキシ系の接着剤を用いられる。
(フレキシブルケーブル配線実装工程)
図14に示すように個別電極接続端子814および共通電極接続端子821にはフレキシブルケーブル310が圧着される。個別電極接続端子814および共通電極接続端子821は同一面上に列状に形成されている。そのため、1枚のフレキシブルケーブルにより一括して接続できる。接続方法としては異方性導電フィルム(ACF;anisotoropic conductive film)による接続方法がある。圧着後、各端子とフレキシブルケーブル310との接合部付近は接着剤で補強される。
(共通液室接着工程)
その後、インク供給口305を有する共通液室301を用意し、図1、図2に示すように後方絞りプレート302に接合する。共通液室301は、例えば、SUS(Steel Use Stainless)基板に機械加工を施すことで作成される。共通液室301は接着剤を用いて絞りプレート302と接合される。
最後に、その他の必要な部品をさらに組み立てて、液体吐出ヘッドが完成する。
上述した本実施形態の液体吐出ヘッドでは、共通電極引き出し配線521、522が、圧電材積層体303の側面ではなく、第1の圧電基板501と第2の圧電基板502の積層面に形成されている。そのため、共通電極引き出し配線521、522は外部に露出しない。これにより、共通電極引き出し配線521、522を絶縁膜で覆う工程は不要になる。よって、生産性を高めることが可能となる。
さらに、本実施形態では、共通電極引き出し配線521、522が、各圧電基板の溝の内壁に形成される電極と同時に形成される。そのため、共通電極配線521、522だけを形成する工程が不要になる。そのため、製造工程の短縮により生産性がより一層向上する。
なお、本実施形態では、圧力室307及び吐出口309を5行5列に配列した構成を説明している。しかし、本発明では、吐出口309の配列形態および圧力室307の配列形態(溝の数、圧電基板の積層数)は特に限定されない。
また、本実施形態では、圧力室307を構成する4面の壁を変形させる所謂グールドタイプの液体吐出ヘッドを説明している。しかし、本発明は、圧力室の側壁のせん断変形により吐出させる所謂シェアモードタイプの液体吐出ヘッドにも適用できる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2について説明する。以下、上述した実施形態1と異なる点を中心に説明する。図15は、実施形態2の第2の圧電基板を示す図である。図15(a)は上面図である。図15(b)は正面図である。
図15に示す第2の圧電基板502では、共通電極引き出し配線522は、溝530(他の溝)の内壁に形成されている。共通電極引き出し配線522を溝530の内壁に形成することで、共通電極引き出し配線522の後に形成される共通電極連結層817及び各配線との接続工程において、スパッタリングや蒸着による金属膜の付きまわり性が向上する。
本実施形態では、第2の圧電基板502を例に挙げて説明しているが、第1の圧電基板501も同様の構造であってよい。すなわち、共通電極引き出し配線521が形成された溝を第1の圧電基板501に形成してもよい。
(実施形態3)
本発明の実施形態3について説明する。以下、上述した実施形態1、2と異なる点を中心に説明する。図16は、実施形態3の第1の圧電基板を示す図である。図16(a)は上面図である。図16(b)は正面図である。
本実施形態の第1の圧電基板501では、共通電極引き出し配線522は、第1の圧電基板501に形成された複数の溝のうち最も外側に位置する溝504nに形成される。溝504nは、第1の溝503と同様に前面806から後面807まで延びている。
本実施形態によれば、第2の実施形態に比べて共通電極引き出し配線521の形成領域が低減する。よって、液体吐出ヘッドの小型化が可能となる。
(実施形態4)
本発明の実施形態4について説明する。以下、上述した実施形態1〜3と異なる点を中心に説明する。図17は、実施形態4の第1の圧電基板を示す図である。図17(a)は上面図である。図17(b)は正面図である。図17(c)は下面図である。
本実施形態の第1の圧電基板501では、図17(c)に示すように、第1の溝503および第2の溝504の形成面の裏面に共通電極530が形成されている。共通電極530は、実施形態1で説明した第3の電極508(図5(c)参照)と同様の機能であり、複数の第3の電極508を一体化したような形状である。共通電極530の一端は、前面806側の縁部で共通電極連結層817と電気的に接続されている。一方、共通電極530の他端は、後面807側の縁部まで到達することなく途中で終端している。
共通電極530の他端には、共通電極引き出し配線523が電気的に接続されている。共通電極引き出し配線523は、図17(c)に示すように領域Dの外側に形成されている。領域Dは、図17(b)に示す領域Wに対応している。領域Wは、第1の圧電基板501の上面で第1の溝503が配列された配列領域を示す。すなわち、本実施形態では、領域Wよりも外側に共通電極引き出し配線523が形成される。そのため、各圧電基板の後面807に形成される個別電極配線816(図13(a)参照)の形成領域を十分に確保することが可能となる。
501 第1の圧電基板
502 第2の圧電基板
521 共通電極引き出し配線
817 共通電極連結層

Claims (5)

  1. 液体を吐出する吐出口が形成されたオリフィスプレートと、前記オリフィスプレートに接合され、かつ層状に重なり合った一対の圧電基板と、を有する液体吐出ヘッドであって、
    前記一対の圧電基板は、前記オリフィスプレートに面する前面から前記前面とは反対の後面に向かって延びる複数の溝であって、前記複数の溝のうち一部の溝が前記吐出口に連通する複数の溝と、各溝の内壁に形成された電極と、前記前面に形成され、前記複数の溝のうち前記一部の溝を除く溝に形成された電極と電気的に接続された共通電極連結層と、互いに対向する面の少なくとも一方に形成され、前記共通電極連結層と電気的に接続された共通電極引き出し配線と、を有する液体吐出ヘッド。
  2. 前記一対の圧電基板は、前記共通電極引き出し配線が形成された他の溝をさらに有する、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記共通電極引き出し配線が、前記複数の溝のうち最も外側に形成された溝に形成されている、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 一方の圧電基板において、前記一部の溝が前記前面に直交する面に配列され、該面の裏面に前記共通電極連結層と電気的に接続された共通電極と、前記共通電極連結層と電気的に接続された前記共通電極引き出し配線とが形成され、
    前記共通電極引き出し配線が、前記一部の溝の配列領域よりも外側に形成されている、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記一対の圧電基板を1ユニットとする積層体が複数層状に重なり合っている、請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
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