JP2016093978A - 液体吐出ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出口及び圧力室を高密度な二次元配置が可能な液体吐出ヘッドにおいて、吐出性能向上及び電圧低減のため、圧力室の収縮量を増大させる必要がある。【解決手段】圧力室701の側壁に隣接する空気室702の内側に支持部材としての金属膜502を設けることで、電圧印加時において圧力室701の外周の膨らみを抑え、圧力室701の収縮量を増大させる。【選択図】図10

Description

本発明は、圧電素子を利用して吐出口より液体を吐出する液体吐出ヘッド及びその製造方法に関する。
被記録媒体にインク等の液体を吐出して画像を記録するインクジェット記録装置が知られており、当該記録装置には、一般的に、液体を吐出する液体吐出ヘッドが搭載されている。液体吐出ヘッドが液体を吐出する機構の一例としては、液体が収容されている圧力室の容積を圧電素子によって収縮させる機構が知られている。この機構では、電圧印加により圧電素子を変形させることによって圧力室が収縮し、圧力室内の液体が、圧力室の一端に形成されている吐出口から吐出される。
このような圧電素子を利用した液体吐出ヘッドの一つとして、圧力室の1つまたは2つの壁面が圧電素子で構成され、その圧電素子を電圧印加によりせん断変形させることによって、圧力室を収縮させる“シェアモードタイプ”が知られている。
一方、工業用途のインクジェット装置では、高粘度の液体を使用したいという要求がある。高粘度の液体を吐出するためには、液体吐出ヘッドに大きな吐出力が求められる。この求めに対し、断面形状が円形や矩形からなる筒形状の圧電部材で圧力室を構成した“グールドタイプ”と呼ばれる液体吐出ヘッドが提案されている。
グールドタイプの液体吐出ヘッドでは、電圧印加により圧電部材が圧力室の中心に対して周方向に縮むとともに、径方向に膨張する。つまり、筒形状の圧力室を構成する圧電部材の内周が縮み、外周が広がる。グールドタイプの液体吐出ヘッドは、圧力室の壁面が全て変形し、その変形が液体の吐出力に寄与するので、1つまたは2つの壁面が圧電素子で形成されたシェアモードタイプと比較して、大きな液体吐出力を得ることができる。
グールドタイプの液体吐出ヘッドにおいて、より高い解像度の画像を記録するためには、複数の吐出口をより高密度に配置する必要がある。これに伴い、各々の吐出口に対応する圧力室も高密度に配置する必要がある。
そこで、特許文献1は、複数の溝が形成された圧電材料のプレートを積層することで、複数の吐出口及び圧力室を高密度に配置したグールドタイプの液体吐出ヘッドの製造方法を開示している。
また、グールドタイプでなくベンドモードタイプの特許であるが、特許文献2には、より大きな吐出力が発生するように圧力室の収縮量を増大させられる方法が提案されている。この方法では、圧電材料の基板に複数の溝を形成し、溝の内側に電極膜を形成した後、溝が形成された基板の面に絶縁膜を載せて圧力室を形成している。そして、圧力室とスリットが交互に配置されるように、圧力室間の基板にスリット加工を施し、このスリットに導電塗料を形成することで、バイモルフ効果により圧力室の収縮量を増大させることが可能とされている。
特開2012−144038公報 特開平9−39244公報(段落[0072]~[0091])
特許文献1に開示されるグールドタイプの液体吐出ヘッドでは、上面に複数の溝が略平行に形成された複数の圧電材料プレートを上側に積み重ねて接合することで、各圧電材料プレートの複数の溝は複数の筒形状部となる。圧電材料プレート毎の複数の筒形状部は交互に配列された圧力室と空気室として使用されており、空気室は、圧力室を構成する複数の側壁の各々の外側に位置するようになっている。したがって、圧力室と空気室の間に介在する圧電部材はどちらの室の側からも押さえられていない。その一方で、各々の圧力室の側壁どうしは連結されているため、その連結部では拘束力が発生する。このような構成のため、圧電部材からなる圧力室の側壁に電圧を印加した場合、圧力室の外周の膨らみが生じやすく、圧力室が十分に収縮されにくいという問題がある。
一方、特許文献2に開示される液体吐出ヘッドは、溝が形成された基板の面に絶縁膜を載せて圧力室を形成した構成である。この構成では、圧力室を高密度に二次元配列するために基板を積層するとき、基板上の絶縁膜が積層の障害となる。また、絶縁膜が付いたまま基板を積層すると、圧力室の周囲の構造が絶縁膜で拘束されてしまい、圧力室が収縮しにくくなる。
そこで本発明の目的は、上記の問題点を鑑みなされたもので、吐出口を高密度に配置可能で、圧力室の剛性が高く、かつ、圧力室の外周の膨らみを抑えることで大きな液体吐出力が得られる液体吐出ヘッドを提供することである。
本発明の一態様は、液体を吐出するための吐出口と、吐出口から吐出される液体を貯留するための圧力室とを備え、該液体の供給方向に関して圧力室を構成する側壁は圧電素子で構成されている液体吐出ヘッドである。この態様の液体吐出ヘッドにおいて、本発明は、液体吐出ヘッドの、液体の供給方向と交差する断面において、複数の圧力室と、各圧力室の側壁の周囲に配置された複数の開口部とを備え、開口部の少なくとも一部の内側面に電極を備え、開口部の内側に側壁を支持する支持部材が設けられている。
また、本発明の他の態様は、液体吐出ヘッドを製造する方法であって、圧電体からなる複数の基板を用意し、各基板の表面に複数の溝を並列して形成する工程と、各溝の内側面に電極を形成する工程と、複数の溝の一つ置きに、該溝の側壁を支持する支持部材を充填する工程と、複数の溝のうちの、支持部材が充填されていない溝が圧力室となるように、複数の基板を積層する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、複数の圧力室と、各圧力室の側壁の周囲に配置された複数の開口部(空気室)とを備えた圧電体に対して、圧力室の側壁に隣接する開口部内に支持部材を設けることで、電圧印加時に圧力室の外周の膨らみを抑えることができ、圧力室の収縮量を大きくできるという効果がある。結果的に、吐出性能が良好な液体吐出ヘッドを提供することができる。
一実施形態の液体吐出ヘッドの全体構成図である。 インクジェットヘッドの製造工程を示すフローチャートである。 圧電基板の構造を示す図である。 圧電基板の加工手順を説明する図である。 リフトオフによる電極形成を説明する図である。 圧電基板の分極処理を説明する図である。 空気室内への支持部材形成を説明する図である。 圧電基板が積層された圧電ブロック体の構成図である。 圧電ブロック体の側面を切断しチップに分離する方法を説明する図である。 圧力室の収縮を説明する図である。 第二の実施形態の空気室内への支持部材形成を説明する図である。 第三の実施形態の空気室内への支持部材形成を説明する図である。 第四の実施形態の空気室内への支持部材形成を説明する図である。 第五の実施形態の空気室内への支持部材形成を説明する図である。 第五の実施形態の圧電基板が積層された圧電ブロック体の構成図である。
以下に図面を参照して、本発明を適用できる液体吐出ヘッドの実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態によって本発明は限定されるものではない。
[第一の実施形態]
(液体吐出ヘッドの構成)
図1は、本発明の第一の実施形態に係る液体吐出ヘッドの全体構成を示す斜視図と側面図であり、構成をわかりやすくするため、分解した状態を図示している。液体吐出ヘッドは、オリフィスプレート(吐出口プレートとも呼ばれる。)101、圧電ブロック体103、後方絞り板104、及び共通液室106を備える。
ノズルプレート101はシリコンやポリイミドなどで作られており、ノズルプレート101には、液体が吐出される吐出口102が開口している。圧電ブロック体103は、溝が加工された圧電基板を複数枚積層して形成され、内部に電極が形成され液体が充填される圧力室と、内部に電極が形成された開口部(空気室とも呼ばれる。)と、が設けられている。圧電ブロック体103には、圧電ブロック体103の共通電極を引き出すため、FPCなどの共通電極配線ケーブル109が設けられている。後方絞り板104はシリコン基板などで作られており、圧力室で発生した圧力を共通液室106側に逃がさないための絞り孔105と、圧力室106の内壁にある個別電極を引き出す配線と、が形成されている。後方絞り板104上に形成されている個別電極を引き出す配線には、FPCなどの個別電極配線ケーブル110が接続されている。インク等の液体107は、液体供給口108から共通液室106内に供給される。
以下に、本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法を説明する。製造方法の概要を図2のフローチャートに示す。本実施形態では1200dpi(dot per inch)相当の解像度の画像を記録可能な液体吐出ヘッドを例に説明するが、記録の解像度が異なる場合でも、溝の寸法や圧電基板の積層数を変更することで、同様の工程で作製が可能である。
「圧電ブロック体103の構成」
本実施形態の液体吐出ヘッドは、ノズルプレート101の長手方向に対して吐出口102が斜めに並んで二次元に配列されている(図1)。液体吐出ヘッドは、圧電ブロック体103の圧電基板が積層された方向に搬送される記録媒体(例えば紙、樹脂シート)に画像を形成する。
図3は、圧電ブロック体103を構成する圧電基板301を説明する図である。圧電基板301は図3(a)に示すように、第1の主面S1と第2の主面S2を有する圧電体の板であり、第1の主面S1に多数の第1の溝302と第2の溝303が交互に形成されている。第1の溝302は圧力室を構成し、第2の溝303は空気室を構成する。なお、図面において圧力室の部分を「P」で示し、空気室の部分を「A」で示している。
図3(b)は、圧電基板301の溝と電極の形状を示す断面図であり、溝の内側面と、溝が加工されている面の裏側に、溝と平行に帯状の電極が形成されている。具体的には、圧力室を構成する第1の溝302の内側面に個別電極304(第1の溝内電極)が形成され、第2の主面S2の、第2の溝303と対向する位置に個別電極307(第1の裏面電極)が形成されている。個別電極307は個別電極304と同一の電位に規定される。第2の溝303の内側面には共通電極305(第2の溝内電極)が形成され、第2の主面S2の第1の溝302と対向する位置に個別電極306(第2の裏面電極)が形成されている。共通電極305は共通電極306と同一の電位に規定される。
最適な圧力室の断面形状や、圧力室の周囲の圧電体の側壁の厚さは、吐出する液体の特性に合わせ、シミュレーションによって求められ、それを実現するように圧電基板301の各部の寸法が決められる。圧電基板301の厚さは約0.305mmである。溝の深さL1は0.12mm、圧力室を構成する第1の溝302と空気室を構成する第2の溝303の幅W1、W3はいずれも0.06mm、圧力室の周囲の側壁の厚さW2,W4はいずれも0.0669mmである。
圧力室を構成する第1の溝302の間隔は、解像度1200dpiに対応する記録ドット格子寸法=21.15μmのn倍(nは整数)にされている。n層(nは自然数)の圧電基板301を、格子寸法ずつ順次ずらしながら積層することで、必要な解像度を実現することができる。 実施形態では、n=12としている。
「圧電基板301の加工(図2参照)」
図4に、圧電基板301に溝加工と電極の形成を行う工程を説明する斜視図を示す。見やすいように、溝の幅と間隔、及び電極の幅と間隔を実際の数倍に拡大して図示している。圧電基板301としては、例えば、57mm×74mm×約0.305mmのPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)基板が挙げられる。
(裏面電極形成:図2)
まず、図4(a)の工程で、所望の厚さと形状を有する平板状の圧電基板301を準備する。
図4(b)の工程で、圧電基板301の第2の主面S2(裏面)に、金属膜で構成される裏面アライメントマーク401と、個別電極307と、共通電極306を同時に形成する。個別電極307と共通電極306のパターンは、第1の主面S1(表面)に形成する溝の長手方向に平行に形成されている。また、分極処理時にすべての電極に電圧を印加するため、端部の電極402ですべての共通電極306が接続され、反対側の端部の電極403ですべての個別電極307が接続されている。
裏面アライメントマーク401と両電極のパターニングは、フォトレジストのフォトリソグラフィを利用したリフトオフやエッチングといった方法や、レーザー、ダイシング、フライス加工などで不要部分を除去する方法によって実現することができる。この工程では基板表面に凹凸がないため、通常のスピンコートによるレジスト塗布でも、均一なレジスト膜を形成することができる。
次に、露光と現像によりレジストのパターニングを行う。リフトオフで電極パターンを残さない部分にレジストが残るように、フォトリソグラフィでレジストをパターニングする。次に、蒸着によって、電極となる金属層を、レジストのパターン上を含めた全面に形成する。蒸着はリフトオフでのパターニングのしやすさに優れている。次にレジストを除去することで、レジスト上部に成膜されていた金属膜がレジストと共に剥離して、最終的に所望の金属膜のパターンが得られる。
電極を形成するには、下地層としてCrを20nm程度、さらにPdを50nm程度成膜しておき、パターニングする。さらにPdをシード層としてNiめっきを1000nm程度成膜し、表面のNiをAuに置換めっきする。めっきによる方法はリフトオフ時の膜厚が薄いので、バリが残りにくくパターニング性が向上するうえ、表面のみにAuを使用するため低コストである。
(表面アライメントマーク形成:図2)
図4(c)の工程で、圧電基板301の溝形成面(第1の主面S1)に溝を加工するとともに、表面アライメントマーク404を形成する。表面アライメントマーク404は金属膜で構成され、溝加工時と積層時の位置合わせに使用される。パターニング方法や金属膜の形成方法は、個別電極307及び共通電極306の場合と同じである。
(圧力室溝加工:図2)
溝加工は、先の工程で形成した表面のアライメントマーク404を基準に、溝の位置決めをして行う。具体的には、図4(d)の工程で、平板状の圧電基板301に、複数の第1の溝302を並列して形成する。圧電基板301に形成された第1の溝302が、上述した液体吐出ヘッドの圧力室の一部を構成する。本実施形態では、切削加工の際、超砥粒ホイールを圧電基板301上の途中で引き上げることによって、溝形成方向に対向する2側面のうちの片方の側面が開口しない溝を形成する。具体的には、図4(d)で示すように、第1の溝302は第1の端面405を貫通し、第2の端面406を貫通しない。圧力室となる溝に加え、その両外側に溝を形成することで、後の圧電基板接合工程における接着剤の逃げ溝として機能させることができる(図4には不図示)。
(開口部(空気室)溝加工:図2)
図4(e)の工程では、第1の溝302を形成した圧電基板301に、複数の第2の溝303を並列して形成する。圧電基板301に形成された第2の溝303が、上述した液体吐出ヘッドの空気室の一部を構成する。第2の溝303は隣り合う第1の溝302の間に形成される。第2の溝303も、切削加工の際に超砥粒ホイールを圧電基板上の途中で引き上げることによって、溝形成方向に対向する2側面のうちの片方の側面が開口しない溝となる。但し、第2の溝303の長手方向一端の開口は、第1の溝302の開口している端部の方向とは逆になっている。具体的には、図4(e)で示すように、第2の溝303は第2の端面406と貫通し、第1の端面405を貫通しない。
(表面電極形成:図2)
図4(f)の工程で、形成された第1の溝302の内側面に個別電極304を、第2の溝303の内側面に共通電極305を形成する。電極のパターニングは、リフトオフ、レーザーや研磨でのパターニングなどで形成することができる。一例として、リフトオフによる電極パターニング方法を図5に示す。図5(a)〜(d)は図4(e)のA−A’断面である。これらの断面図は液体吐出ヘッドにおいて液体の供給方向と交差する断面を示している。図5(e)は図4(e)のB−B’断面である。溝加工により基板表面に凹凸が生じているため、通常のスピンコーターによる塗布方法では、均一なレジスト膜を形成することが難しい。そこで、フィルムレジストのラミネートやスプレーコータによる塗布が好適に利用される。溝の内部を均一に露光することは困難であるため、溝の外部だけを露光すればよいネガタイプのレジストを用いるのが好ましい。
まず、図5(a)の工程で、フィルムレジスト501を圧電基板301上にラミネートする。圧電基板301は焼結体であるため、10μm程度のボイドが点在する。そのため、フィルムレジスト501が薄すぎると、ボイド上部のフィルム部分にパターン欠損が生じてしまう。そこで、フィルムレジスト501には、十分な厚さ、例えば40μm以上のものを用いることが好ましい。
次に、図5(b)の工程で、露光と現像によりフィルムレジスト501のパターニングを行う。リフトオフで電極パターンを残さない部分にレジストが残るように、フォトリソグラフィでレジストパターンを形成する。この際、後の工程で溝側壁に金属層が全域にわたって成膜されるように、レジストのパターン幅を壁幅よりも若干小さくしておくことが好ましい。図5(c)の工程で、スパッタリングや蒸着によって、電極となる金属層をレジストのパターンを含めて全面に形成する。スパッタは溝側壁への成膜性が優れており、蒸着はリフトオフでのパターニングのしやすさに優れている。
そして、図5(d)の工程で、レジストを除去することで、レジスト上部に成膜されていた金属膜がレジストと共に剥離し、最終的に所望の金属膜のパターンが得られる。電極の下地層として、例えばCrを20nm程度成膜し、さらに電極層としてAuを1000nm程度成膜することができる。あるいは、下地層としてCrを20nm程度、さらにPdを50nm程度成膜し、パターニングし、さらにPdをシード層としてNiめっきを1000nm程度成膜し、表面のNiをAuに置換めっきすることもできる。特に、後者のめっきによる方法は、リフトオフ時の膜厚が薄いので、バリが残りにくくパターニング性が向上するうえ、表面のみにAuを使用するため低コストである。
レーザーや研磨を用いる場合は、まず全面にスパッタリング、蒸着、無電解めっきなどで金属膜を成膜する。そして、成膜された金属膜の不要な部分、つまり溝形成面の上面部分の金属膜をレーザーや研磨によって除去することで、所望の電極パターンが得られる。
すべての個別電極304と個別電極307は、第1の端面405に成膜された金属膜を介して導通した状態である。また、すべての共通電極305と共通電極306は、第2の端面406に成膜された金属膜を介して導通した状態である。
(分極:図2)
図6(a)に示すように、共通電極305,306を接地電位とし、個別電極304,307にプラス電圧をかけることにより、圧電基板301の分極処理を行う。図6(b)に圧電基板301に加えられる電界を示している。分極は、100〜150℃程度に加熱した状態で、圧電体に1〜2kV/mm程度の高電界を所定の時間印加することによって行われる。
側壁上での電極の間隔は0.0669mm以下と狭く、空気中で1〜2kV/mmの高電界を印加すると空中放電や沿面放電を生じる可能性が高い。そのため、例えばシリコーンオイル(絶縁破壊電圧:10kV/mm以上)のような絶縁性の高いオイルなどの中で分極処理を行うことが望ましい。シリコーンオイルは分極後にキシレン、ベンゼン、トルエンといった炭化水素系溶剤や塩化メチレン、1.1.1−トリクロロエタン、クロロベンゼンといった塩素化炭化水素系溶剤によって除去可能である。
分極後、必要に応じてエージング処理を行う。具体的には、分極処理が施された圧電基板301を昇温した状態で一定の時間に保持することによって、その圧電特性を安定化させる。エージングは、例えば、100℃のオーブンに、分極処理が施された圧電基板301を10時間放置することによって行われる。
(空気室溝内支持部材形成)
図7に、空気室となる溝303へ支持部材を充填する工程を説明する図を示す。図7(a)〜(d)は図4(e)のA−A’断面である。
まず、図5(a)と同様に、図7(a)の工程で、フィルムレジスト501を圧電基板301上にラミネートする。次に、図7(b)の工程で、露光と現像によりフィルムレジスト501のパターニングを行う。圧力室を形成する溝302を覆うフィルムレジスト501が残るように、フォトリソグラフィでレジストパターンを形成する。図7(c)の工程で、圧電基板全面にスパッタリング、蒸着、無電解めっきなどを実施して、溝303を金属材料で埋め込むと同時に、金属膜502を成膜する。ここで、溝303の内側への金属の埋め込み量は完全でなくてもよい。そして、図7(d)の工程で、研磨またはレーザー照射により、圧電基板301の表面の余分な金属を除去する。
「圧電体ブロック体103の組立(図2参照)」
以上の様に加工した圧電基板301を複数枚用意して積層し、圧電ブロック体103を形成する。
図8(a)を用いて、圧電基板301同士を接合する際の位置関係、及び接合により形成される圧力室701と空気室702の位置関係を説明する。空気室702は金属が埋め込められている。
本実施形態では第1の溝302のx方向のピッチを記録ドット格子寸法の12倍として、圧電基板301を12層積層して液体吐出ヘッドを構成するので、y方向に隣接する圧電基板301の第1の溝302を、x方向にL2=0.1269mmずらして積層する。このように積層することで、第1の溝302で形成される圧力室701が、y方向に隣接する圧電基板301の第2の溝303で形成される空気室702の中央付近になる。
圧電ブロック体103を形成する際、図8(b)に示すように圧電基板301をn+1=13枚を積層し、この積層体の1層目の圧電基板301−1の下に空気室702となる溝を形成した下補強板703を接合し、13層目の圧電基板301−13の上に溝の無い上補強板704を接合する方法がある。この場合13層目の圧電基板301−13は空気室702だけが利用され圧力室701は駆動されない。
その他、図8(c)に示すように圧電基板301をn=12枚を積層し、この積層体の1層目の圧電基板301−1の下に空気室702となる溝を形成した下補強板703を接合し、12層目の圧電基板301の上に0.185mmの電極を形成し分極した溝加工の無い圧電素子705を積層する。さらに、圧電素子705の上に空気室702となる溝を形成した上補強板706を接合する方法がある。この場合は圧電ブロック体103の最上部と最下部には溝を形成した同じ形状の補強板701、706を上下逆にして使用することができる。圧電ブロック体103の上下に形成される、駆動されない圧力室は、液体を循環させる回収流路707として使用することも可能である。
なお、図中の符号301にハイフンを介して続く数字は、複数層の圧電基板301のうちの何番目の層であるかを示している。
(圧電基板の積層:図2)
圧電基板301の接合には、例えばエポキシ系の接着剤を用いることができる。この際、溝内が接着剤で埋まってしまうのを防ぐために接着剤量を適切にコントロールする必要がある。接着剤の塗布方法としては、別の平坦な基板上にスピンコートやスクリーン印刷などで薄い均一な接着剤層を形成しておき、当該平坦な基板に、圧電基板301の接着する面を押し付けた後、その平坦な基板から離すことで、圧電基板301上に薄く均一な接着剤層を形成することができる。接着剤塗布後、微小な間隔がある状態で、圧電基板301の位置決めを行い、加圧接着する。接着剤の厚さの目安としては、接着前の接着層の厚さが4μm程度、接着後の厚さが2μm程度となることが適切である。
圧力室701や空気室702への接着剤の侵入を抑制するために、第1の溝302の複数列と第2の溝303の複数列の外側に溝を形成し、接着剤の逃がし溝として使用することも有効である。
積層時には、カメラによるアライメントを行う。アライメントに用いる目印としては、チップのエッジ、溝、電極形成時にパターニングした裏と表のアライメントマークなどを使用することができる。以上の様に複数の圧電基板301を積層及び接合して積層体を形成した後、この積層体を上下から挟むように補強板を接合することで、圧電ブロック体103が作製される。補強板は圧電体である必要はないが、接合時に加熱を要する場合には、熱膨張率が圧電基板301と近い材料によって形成されることが望ましい。
圧電基板301を積層することで、第1の溝302の上に、空気室を構成する第2の溝303の底部の裏面が接合され、閉じた圧力室701が形成され、その内側面には個別電極304,307が形成される。第2の溝303の上に、圧力室を構成する第1の溝302の底部の裏面が接合され、閉じた空気室702が形成され、その内側面には共通電極305,306が形成される。個別電極304,307は圧電ブロック体103の端部の配線部分で導通され、必ずしもこの接合によって導通するわけではない。このため、個別電極307の幅と第1の溝302の幅が同じである必要はない。個別電極307の幅は第1の溝302の幅より多少狭くてもよいが、接着時の位置ずれなどを考慮すると、個別電極307の幅の方が広い方が好ましい。同様に、共通電極306の幅は第2の溝303の幅よりも多少狭くてもよいが、接着時の位置ずれなどを考慮すると、共通電極306の幅の方が広い方が好ましい。
(側面切断:図2)
上記のように、圧電ブロック体103は圧電基板301をずらしながら積層して形成されているため、側面が平坦でない。そこで側面を平坦にするため、図9(a)に示すように両側面を切り取る。切り取る方法としては切削加工が一般的である。
(チップ分離:図2)
圧電ブロック体103の両側面を切り取った後、図9(b)に示すように、必要な圧力室の長さを持つ複数個の圧電ブロック体103のチップに切り分ける。切り分ける方法としては切削加工が一般的である。圧力室の長さは、長いほど駆動電圧を加えた時の圧力室の体積変化が増え吐出力が増すが、駆動電圧波形に対する圧力の応答性は低下するので、吐出する液体の粘度や吐出液滴量によって最適値を決める。本実施形態では小液滴を吐出するため応答性を優先し、圧力室の長さが3mmになるように圧電ブロック体103を切り分けた。液体の粘度が高く吐出力を優先する場合には、圧力室の長さを4〜10mmと長くする方が好ましい。
圧力室の長さ方向における圧電ブロック体103の両端を切り離したことで、分極のために裏面の個別電極間をつないでいた端部電極403(図4)と、第1の端面405(図4)に成膜された金属膜と、第1の溝302の形成時に超砥粒ホイールを引き上げたことにより生じた溝未形成部分と、が切り離される。同様に、裏面の共通電極間をつないでいた端部電極402と、第2の端面406に成膜された金属膜と、第2の溝の304を形成時に超砥粒ホイールを引き上げたことにより生じた溝未形成部分と、が切り離される。これにより、圧力室701と空気室702は、上記した圧電ブロック体103の両端で開口する貫通孔になる。この段階で、第1の溝内電極と第1の裏面電極とが内側面に形成された圧力室であって、液体の入口開口と出口開口とを備えた圧力室が形成される。同様に、第2の溝内電極と第2の裏面電極とが内側面に形成された空気室が形成される。
(端面研磨:図2)
圧電ブロック体103の圧力室701と空気室702が露出している両側端面を研磨により平坦にする。研磨には砥石を用いることができる。後の電極形成工程のために、表面粗さは算術平均粗さRaを0.4μm程度とするのが好ましい。また、ノズルプレート101と後方絞り板106を圧電ブロック体103の両側端面に精度よく貼りつけるために、各端面の平面度は10μm以内、端面間の平行度は30μm以内とすることが好ましい。
(電極形成・接着:図2)
次に、圧電ブロック体103の前端面に、空気室702に設けられた共通電極305,306の配線を引き出す電極を形成する。
次に、圧電ブロック体103の後端面に、各圧力室701に設けられた個別電極304,307の配線を引き出す後端面電極を形成する。圧力室701や空気室702などの凹凸があるため、後端面の電極パターニングは、前端面と同様に、フィルムレジストのラミネートを用いたリフトオフで形成する。電極パターニングでは、フィルムレジスト501をラミネートし、次に露光と現像により圧力室701周辺を露出させる。その後の電極生成は、圧電基板301の表面の電極形成や前端面電極712の形成と同様である。
完成した圧電ブロック体103の前端面にはノズルプレート101が接着され、後端面には後方絞り板106が接着され、液体吐出ヘッドが完成する。
(液体吐出駆動)
圧電ブロック体103が圧電効果により変形することで、圧力室701が収縮し、圧力室701に貯留されている液体は吐出口102から吐出される。図10(a)に駆動電圧が印加された状態を示す。圧力室701内の「+」の表示は圧力室701内の個別電極304,307にプラスの駆動電圧が印加されていることを示す。同様に空気室702内の「GND」の表示は、空気室701内の共通電極305,306に接地電位の0Vが印加されていることを示す。
図10(b)は図10(a)の破線枠の拡大図で、駆動電圧の印加により圧力室701が変形した状態を示している。上記のようにして作製された液体吐出ヘッドでは、空気室702内に金属を充填することにより、金属が圧力室701の側壁部を外側から支持する支持部材として働く。これにより、個別電極と共通電極間への駆動電圧の印加によって圧力室701の側壁を伸長及び収縮させたとき、図10(b)中の破線で示すように、圧力室701の外周の膨らみが抑えられ、圧電基板からなる側壁が圧力室701を収縮する方向へ偏るように変形する。結果的に圧力室701を収縮させる変位量を大きくすることができる。なお、理解を容易にするため、変位量の倍率を高くしてある。
表1に、空気室702内に充填された部材の充填量の違いによる、圧力室の収縮のシミュレーション結果の比較表を示す。この比較表は、空気室702内に充填部材を100%充填したとき(図10(b))と、92%充填したとき(図10(c))と、50%充填したとき(図10(d))の、圧力室701の収縮量を比較した結果である。空気室702内に充填しない場合と比べたときの圧力室の収縮増大率は、それぞれ、0.4%、3.0%、6.2%であった。充填率が低い方、即ち、隙間がある方が、圧力室の収縮量が大きいことが分かる。したがって、充填率が低い方が、圧力室701の外周の膨らみを抑えるとともに、圧力室701の周方向の縮みを妨げない効果が高い。このため、空気室702内の充填率は100%でない方が望ましいと言える。
以上説明したように、空気室702内に支持部材を充填しておくことで、個別電極と共通電極間の電圧印加時において圧力室701の外周の膨らみを抑えることができ、その結果として、圧力室701の大きな収縮量を発現でき、大きな吐出力を実現できる。
なお、圧力室701に設けられる支持部材のヤング率は10GPa以上であることが望ましい。
[第二の実施形態]
本発明の第二の実施形態に係る液体吐出ヘッドの構成について説明する。
第一の実施形態との相違点は、空気室702となる溝303に支持部材を充填する工程であり、その工程について説明する。その他のところは第一の実施形態と同じであるため、省略する。
(空気室溝内支持部材形成)
図11に、第二の実施形態における、空気室となる溝に支持部材を充填する工程を説明する図を示す。図11(a)〜(c)は図4(e)のA−A’断面である。
図11(a)の工程で、レジストインク503を分注する。そこで、空気室702を形成する溝303にレジストインク503が半分になるように、圧力室701を形成する溝302にレジストインク503がいっぱいになるようにする。次に、図11(b)の工程で、圧電基板全面にスパッタリング、蒸着、無電解めっきなどで金属膜502を成膜すると同時に、金属膜502を溝303に埋め込む。そして、図11(c)の工程で、研磨またはレーザー照射により、圧電基板の表面の余分な金属を除去し、圧力室となる溝302内のレジスト503を除去する。
以上説明したように、空気室を形成する溝303に金属を充填しておく。第一の実施形態と同様、このように充填処理を施した圧電基板を積層してなる液体吐出ヘッドでは、圧力室を収縮させる変位量を大きくすることができ、その結果として大きな吐出力を出力できる。
[第三の実施形態]
本発明の第三の実施形態に係る液体吐出ヘッドの構成について説明する。
第一の実施形態との相違点は、空気室702となる溝303に支持部材を充填する工程であり、その工程について説明する。その他のところは第一の実施形態と同じであるため、省略する。
(空気室溝内支持部材形成)
図12に、第三の実施形態における、空気室となる溝303に支持部材を充填する工程を説明する図を示す。図12(a)〜(c)は図4(e)のA−A’断面である。
図12(a)の工程で、レジストインク503を分注する。そこで、空気室を形成する溝303にレジストインク503が3分の1程度になるように、圧力室を形成する溝302にレジストインク503がいっぱいになるようにする。次に、図12(b)の工程で、圧電基板全面にスパッタリング、蒸着、無電解めっきなどで金属膜502を成膜すると同時に、金属膜502を溝303に埋め込む。そして、図12(c)の工程で、研磨またはレーザー照射により、圧電基板の表面の余分な金属を除去し、圧力室となる溝302内のレジスト503を除去する。
以上説明したように、空気室を形成する溝303に金属を充填しておく。第一の実施形態と同様、このように充填処理を施した圧電基板を積層してなる液体吐出ヘッドでは、圧力室を収縮させる変位量を大きくすることができ、その結果として大きな吐出力を出力できる。
[第四の実施形態]
本発明の第四の実施形態に係る液体吐出ヘッドの構成について説明する。
第一の実施形態との相違点は、空気室702となる溝303に支持部材を充填する工程であり、その工程について説明する。その他のところは第一の実施形態と同じであるため、省略する。
(空気室溝内支持部材形成)
図13に、第四の実施形態における、空気室となる溝303に支持部材を充填する工程を説明する図を示す。図13(a),(b)は図4(e)のA−A’断面である。
図13(a)の工程で、空気室を形成する溝303に水ガラス504が半分程度になるように、水ガラス504を分注する。次に、図13(b)の工程で、水ガラス504が注入された溝303に塩酸など強酸を注入して、水ガラス504をゲル化させる。そして、加熱により、ゲル化された水ガラス505を硬化させる。なお、加熱工程は、充填処理された圧電基板を積層した後に施されてもよい。
以上説明したように、空気室を形成する溝303にガラスを充填しておく。第一の実施形態と同様、このように充填処理を施した圧電基板を積層してなる液体吐出ヘッドでは、圧力室を収縮させる変位量を大きくすることができ、その結果として大きな吐出力を出力できる。
[第五の実施形態]
本発明の第五の実施形態を示す液体吐出ヘッドの構成について説明する。
第一の実施形態との違いは空気室を形成する溝内に支持部材を形成する工程であり、その工程について説明する。その他のところは第一の実施形態と同じであるため、省略する。
(空気室溝内支持部材形成)
図14に、第五の実施形態における、空気室となる溝303に支持部材を充填する工程を説明する図を示す。当該工程の一部を図14(a)〜(c)に斜視図で示し、当該工程の残りを図14(d)〜(f)に、図4(e)のA−A’断面で示す。
図14(a)の工程で、2枚の第一の圧電基板601、及び、エッチング液に溶ける1枚の金属基板603(例えば、Cu)の各々の両面に、スパッタリング、蒸着、無電解めっきなどで、エッチング液に溶けない金属膜604(例えば、Au)を成膜する。
次に、図14(b)の工程で、金属膜604が成膜された1枚の金属基板603を、金属膜604が成膜された2枚の圧電基板601で挟み込むように、1枚の金属基板603と2枚の圧電基板601を積層し接着する。このように積層された積層基板605を、図14(c)に示した工程のように短冊状に切断加工する。
さらに、図14(d)の工程では、積層基板605が短冊状にされてなる積層体606の2つの切断面にエッチング液を少しだけ浸けて、切断面の金属基板603を少しだけ溶かす。次いで、図14(e)の工程で、図4(b)の工程と同様に、第二の圧電基板602の両面に電極のパターニングを実施する。そして、図14(f)の工程で、例えば、組立治具(不図示)に複数の短冊状積層体606を嵌め込んで位置決めし、接着剤が塗布された第二の圧電基板602に接着する。
以上のようにして作製された複数枚の圧電基板301(第二の圧電基板602上に複数の短冊状積層体606を並列して配置したもの)を積層し、図15(a)に示すような圧電ブロック体103を形成する。構成に関して、空気室内に充填された充填物の形状以外は、図8(c)と同様である。
このような製法では、圧力室701内の上側及び下側の電極、ならびに空気室702内の上側及び下側の電極を長くできるため、圧力室701の上壁と下壁の駆動力を大きくすることができる。つまり、別個に作製された短冊状積層体606と第二の圧電基板602を接着させる方法であるため、第二の圧電基板602の両面の電極607の幅を変更して各室701,702内の上側及び下側の電極を長くすることができる。
また、図15(b)に示すように、圧力室701及び空気室702内の上側及び下側の電極を形成せず、圧力室701内の電極を共通電極にし、空気室702内の電極を個別電極にする構成にして、圧力室701の左右の側壁のみ駆動することも可能である。結果、圧力室701内の共通電極とインクの電位差がないので、インクによる電極の腐食を少なくできる。
以上説明したように、空気室を形成する溝303に支持部材を形成する。第一の実施形態と同様、このように充填処理を施した圧電基板を積層してなる液体吐出ヘッドでは、圧力室を収縮させる変位量を大きくすることができ、その結果として大きな吐出力を出力できる。
「産業上の利用可能性」
本発明は、液滴を吐出する印刷装置や塗布装置あるいは造形装置に適用可能である。
102 吐出口
301 圧電基板
302 第1の溝
303 第2の溝
502 金属膜(支持部材)
505 ゲル化された水ガラス(支持部材)
603 金属基板(支持部材)
701 圧力室
702 空気室

Claims (10)

  1. 液体を吐出するための吐出口と、前記吐出口から吐出される液体を貯留するための圧力室とを備え、該液体の供給方向に関して前記圧力室を構成する側壁は圧電体で構成されている液体吐出ヘッドであって、
    前記液体吐出ヘッドの、前記供給方向と交差する断面に関して、複数の前記圧力室と、各前記圧力室の前記側壁の周囲に配置された複数の開口部とを備え、前記開口部の内側面に電極を備え、
    前記開口部の内側に前記側壁を支持する支持部材が設けられている、液体吐出ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記断面に関して、第1の方向と、該第1の方向と交差する第2の方向のそれぞれにおいて、前記圧力室と前記開口部が交互に配列されている、液体吐出ヘッド。
  3. 請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記圧力室の一部を構成する第1の溝と前記開口部の一部を構成する第2の溝とが一の面に交互に並列して形成された、圧電体からなる複数の基板が積層されている、液体吐出ヘッド。
  4. 請求項3に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記基板は、第一の圧電基板と、該第一の圧電基板上に並列して配置された複数の積層体とを備えており、各前記積層体は、前記支持部材となる金属基板と、該金属基板を間に挟んで配置された、前記側壁となる第二の圧電基板とを有する、液体吐出ヘッド。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記圧力室の内側面に第1の電極が設けられ、かつ、前記開口部の内側面に第2の電極が設けられており、前記第1の電極と前記第2の電極とを結ぶ方向に分極されており、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧が印加されることにより、前記側壁を伸長及び収縮させることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記支持部材が前記開口部の前記側壁から該側壁に対向する壁にわたって形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  7. 請求項6に記載の液体吐出ヘッドであって、
    前記開口部の内側に隙間があることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記支持部材のヤング率が10GPa以上であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記支持部材は前記開口部に充填された充填物であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 液体を吐出するための吐出口と、前記吐出口から吐出される液体を貯留するための圧力室とを備え、該液体の供給方向に関して前記圧力室を構成する側壁は圧電体で構成されている液体吐出ヘッドを製造する方法であって、
    圧電体からなる複数の基板を用意し、各前記基板の表面に複数の溝を並列して形成する工程と、
    各前記溝の内側面に電極を形成する工程と、
    前記複数の溝の一つ置きに、該溝の側壁を支持する支持部材を充填する工程と、
    前記複数の溝のうちの前記支持部材が充填されていない溝が前記圧力室となるように複数の前記基板を積層する工程と、を有する、液体吐出ヘッドの製造方法。
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