JP6015617B2 - 車両用3点式シートベルト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用3点式シートベルト装置に関し、とくに、オフセット前面衝突や斜突のように車両前後方向および車幅方向に加速度が作用する衝突時に、ラップベルトのアウタアンカポイントを車幅方向内側に移して乗員の車幅方向外側への移動を抑制するようにした車両用3点式シートベルト装置に関する。ただし、衝突における乗員の挙動は、ニアサイド衝突における乗員の挙動、すなわち、運転席側に衝突した場合の運転者の挙動、および助手席側に衝突した場合の助手席乗員の挙動を前提とする。
図13は、従来の車両用3点式シートベルト装置110の、車両前後方向および車幅方向に加速度が作用する衝突における、(イ)が初期(衝突時刻ゼロ)の、(ロ)が斜突後、乗員の横ずれが起きた時刻bの、ラップベルトパスを示している。従来では、ラップベルト120のアウタアンカポイント122の位置Aは、車幅方向に移動不能であり、かつ、乗員Pの幅より車幅方向外側(図13で車幅方向内側Wと反対側)にある。
特許文献1は、3点式シートベルトを装着した状態で、ウエビングに滑動可能に取り付けられたガイド部材がガイドアンカに係止されてバックルの近傍に位置し、側面衝突時にリトラクタがベルトを巻き取ることでガイド部材をガイドアンカと共に車幅方向外側にかつ乗員の背後に移動してベルトパスを変更し、乗員の車幅方向内側への移動を抑制するシートベルト装置を開示している。
特開2004−042694号公報
しかし、図13の従来装置には、つぎの問題がある。
正面からの衝突時、乗員が前方に移動する場合には、ラップベルトは乗員の前方移動抑制の効果を発揮する。しかし、斜突時のように、乗員Pがシートに対して車幅方向にも移動する場合には十分な乗員の側方移動抑制の効果を発揮しない。その理由は、ラップベルト120のアウタアンカポイント122が乗員Pの腰部の幅に対して車幅方向外側に位置し、乗員Pの車幅方向外側への移動に対して、その動きを抑制するための張力を発揮しにくいためである。
また、特許文献1の技術は乗員の車幅方向内側への移動を抑制するものであるため、図13の装置に適用しても、乗員の車幅方向外側への移動を抑制できない。
本発明の目的は、オフセット前面衝突や斜突のように車両前後方向および車幅方向に加速度が作用する衝突時に、乗員の車幅方向外側への移動を抑制できる車両用3点式シートベルト装置を提供することにある。
本発明の車両用3点式シートベルト装置は、つぎの第1−第5の構成をとる。つぎの第1−第5の構成において、括弧付きの符号は図面の部品番号に対応する。
第1の構成では、車両用3点式シートベルト装置(10)は、ラップベルト(20)の車幅方向外側のアンカポイントを構成するラップアウタアンカポイント(22)と、車両前後方向および車幅方向に加速度が作用する衝突においてラップベルト(20)に張力(T)が作用した時にラップアウタアンカポイント(22)の位置を位置Aから該位置Aよりも車両方向内側にある位置Bに変えるシフト構造(30)と、を有する。
第1の構成は本発明の全実施例に適用可能である。
第2の構成では、第1の構成において、シフト構造(30)がワンウエイ機構(32)を含む。ワンウエイ機構(32)は、一端部に位置Aを有し他端部に位置Bを有し、位置Bが位置Aよりも車幅方向内側になるように車両に取り付けられ、ラップアウタアンカポイント(22)を位置Aから位置Bに向かっての移動のみを許容するように支持する。
衝突時にラップベルト(20)に作用する張力(T)が衝突時に乗員(P)が前方に移動する力によってラップベルト(20)に生じる張力を含む。
第2の構成は本発明の第1実施例に適用可能である。
第3の構成では、第1の構成において、シフト構造(30)が、位置Aを構成するスリップリング(50)と、スリップリング(50)を車両側部材に連結し衝突時ラップベルト(20)に張力(T)が作用した時にスリップリング(50)の車両側部材との連結を解除する連結機構(52)と、位置Bを構成するアンカ(54)と、衝突時に位置Bにてラップベルト(20)に車幅方向内側引き込み力(F)をかける引込み部材(56)と、を含む。
第3の構成は本発明の第2、第3実施例に適用可能である。
第4の構成では、第3の構成において、引込み部材(56)がプリテンショナ(56A)である。
衝突時にラップベルト(20)に作用する張力(T)が衝突時にプリテンショナ(56A)によってラップベルト(20)に生じる張力を含む。
第4の構成は本発明の第2実施例に適用可能である。
第5の構成では、第3の構成において、引込み部材(56)がスプリング(56B)である。
衝突時にラップベルト(20)に作用する張力(T)が衝突時に乗員(P)が前方に移動する力によってラップベルト(20)に生じる張力とスプリング(56B)によってラップベルト(20)に生じる張力を含む。
第5の構成は本発明の第3実施例に適用可能である。
第1の構成によれば、車両前後方向および車幅方向に加速度が作用する衝突時に、ラップアウタアンカポイントが車幅方向内側にシフトされるため、乗員が車幅方向外側に移動した時にラップベルトに乗員を車幅方向内側に引き戻す方向の引張力が働き、ラップベルトにより乗員の車幅方向外側への移動を抑制できる。
第2の構成によれば、車両前後方向および車幅方向に加速度が作用する衝突時における乗員の前方への慣性力を利用して、ラップアウタアンカポイントを車幅方向内側に移動させることができ、単純な構造でかつ低コストで、乗員の車幅方向外側への移動を抑制できる。
第3の構成によれば、衝突時ラップベルトに所定値以上の張力が作用した時に連結機構が破断または外れてスリップリングの車両側部材との連結を解除するので、ラップアウタアンカポイントをスリップリングの位置Aからアンカの位置Bに移すことができる。しかも、通常時はラップアウタアンカポイントがスリップリングの位置Aにあるので、通常時のベルト着脱時の操作性が良く、かつ、ベルト着用時の違和感がない。
第4の構成によれば、プリテンショナの作動によってスリップリングの車両側部材との連結が解除される。プリテンショナの作動時期を制御することによってラップアウタアンカポイントの位置Aから位置Bへのシフトのタイミングを制御することが可能である。
第5の構成によれば、ラップベルトにスプリング力がかかるので、位置Aにおける連結機構による連結が外れた際にラップベルトにたるみが発生してもスプリング力で吸収することができる。
本発明の全実施例に適用可能な車両用3点式シートベルト装置(以下、単に「シートベルト装置」ともいう)の、ベルトパスを示す平面図で、(イ)は車両前後方向および車幅方向に加速度が作用する衝突の初期(衝突時刻ゼロ、以下同じ)における状態を示し、(ロ)は乗員がほぼまっすぐに前方に進んだ衝突後時刻aにおける状態を示し、(ハ)はその後乗員が車幅方向へ横ずれした衝突後時刻bにおける状態を示す。 ラップアウタアンカポイントの位置違いによる乗員挙動比較を示す、ラップアウタアンカポイントと乗員腰部の平面図で、(a)はラップアウタアンカポイントを車幅方向内側に配置した場合の衝突後時刻bにおける状態を示し、(b)はラップアウタアンカポイントを車幅方向外側に配置した場合の衝突後時刻bにおける状態を示す。 衝突の初期、衝突後時刻a、衝突後時刻bのそれぞれの時刻での乗員腰部とシートバックとの関係を示す平面図である。 衝突における衝突後時刻bでの乗員腰部とシートの正面図である。 本発明の第1実施例に係るシートベルト装置とそれを装着したシートの車幅方向外側から見た側面図である。 図5のシートベルト装置のうちワンウエイ機構の模式的拡大図である。 本発明の第2、第3実施例に適用可能なシートベルト装置の平面図で、(イ)は衝突における初期の状態を示し、(ロ)は乗員がほぼまっすぐに前方に進んだ衝突後時刻aにおける状態を示す。 図7のシートベルト装置が取り付けられるシートの骨格部材の斜視図である。 本発明の第2実施例に適用可能なシートベルト装置におけるスリップリングとそれを挿通するラップベルト部分の模式的拡大正面図である。 本発明の第3実施例に適用可能なシートベルト装置のスリップリングと連結部材の模式的拡大正面図である。 図10の模式的側面図である。 図10でラップベルト端とスプリングとの結合部の模式的平面図で、(イ)は衝突の初期における状態を示し、(ロ)は乗員がほぼまっすぐに前方に進んだ衝突後時刻aにおける状態を示す。 従来のシートベルト装置の、ベルトパスを示す平面図で、(イ)は衝突の初期における状態を示し、(ハ)は乗員が車幅方向へ横ずれした衝突後時刻bにおける状態を示す。
本発明の実施例に係る車両用3点式シートベルト装置を図1−図12を参照して説明する。図1−図4は本発明の全実施例に適用可能であり、図5、図6は本発明の第1実施例に適用可能であり、図7、図8は本発明の第2、第3実施例に適用可能であり、図9は本発明の第2実施例に適用可能であり、図10−図12は本発明の第3実施例に適用可能である。
本発明の全実施例にわたって同じまたは類似の構成をもつ部品には、本発明の全実施例にわたって同じ符号を付してある。また、図中、Wは車幅方向内側を示し、FRは車両前後方向における前方を示す。
〔第1実施例〕
まず、構成を図1−図4を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の車両用3点式シートベルト装置10は、ラップベルト20の車幅方向外側のアンカポイントを構成するラップアウタアンカポイント22と、オフセット前面衝突や斜突のように車両前後方向および車幅方向に加速度が作用する衝突においてラップベルト20に張力Tが作用した時に、ラップアウタアンカポイント22の位置を通常の位置Aから位置Aよりも車両方向内側にある衝突時の位置Bに変えるシフト構造30と、を有する。位置Aはラップアウタアンカポイント22のシフト前位置であり、位置Bはラップアウタアンカポイント22のシフト後位置である。車両前後方向には、位置Bは位置Aより前方にあってもよいし、あるいは後方にあってもよい。シフト構造30は本発明の実施例に応じて後述する種々の構成をとる。
オフセット前面衝突や斜突のように車両前後方向および車幅方向に加速度が作用する衝突(以下、単に「衝突」ともいう)時、乗員P(図は乗員を乗員モデルで示している)は最初ほぼまっすぐ前方に進み、その後、車幅方向へとずれる。衝突の時刻をゼロとすると、衝突後時刻aまで乗員Pはほぼまっすぐ前方に進み、時刻a後時刻bまで車幅方向へとずれる。図3は衝突初期(時刻ゼロ)から衝突後時刻bまでの乗員位置を示しており、P0が衝突初期での乗員位置を示し、Paが衝突後時刻aでの乗員位置を示し、Pbが衝突後時刻bでの乗員位置を示す。図4は衝突後時刻bでの、シートバック24に対する、乗員Pの車幅方向外側への横ずれを示す。
ラップアウタアンカポイント22の位置(シフト前位置)Aから位置(シフト後位置)Bへのシフトにより、ラップベルト20のベルトパス(ベルト経路)は、図1の(イ)衝突時刻ゼロである「初期」の状態から、(ロ)の衝突後「時刻a」の状態に変化する。図1の(ハ)に示すベルトパスは、衝突後時刻aよりも後の衝突後「時刻b」での状態を示す。図1の(ハ)の状態では、乗員Pの腰部の車幅方向外側端部から位置Bまで延びるラップベルト部分は、車両前後方向後方かつ車幅方向内側に延びているので、このラップベルト部分の張力は乗員Pの腰部を車幅方向内側に引き戻す力成分を有する。
図2は、衝突における、ラップアウタアンカポイント22が車幅方向にシフトせず、ラップアウタアンカポイント22が上記位置Aにある、「アンカ外側配置」の場合と、ラップアウタアンカポイント22が車幅方向内側にシフトし、ラップアウタアンカポイント22が上記位置Bにある、「アンカ内側配置」の場合、における乗員腰部の移動後位置およびベルトパスに係るコンピュータによる演算結果を示している。図2で、細線は乗員腰部中心の車幅方向外側への移動後位置を示しており、乗員腰部の車幅方向外側への横ずれ量が、「アンカ内側配置」により「アンカ外側配置」に比べて、間隔d分、軽減することを示している。
図1−図4に係る以上の構成は、本発明の全実施例に適用可能である。
本発明の第1実施例では、シフト構造30は、図5、図6に示すつぎの構成をとる。図5、図6の構成は本発明の第1実施例のみに適用される。
シフト構造30がワンウエイ機構32を含む。ワンウエイ機構32は、一端部に位置Aを有し、他端部に位置Bを有する。ワンウエイ機構32は、位置Bが位置Aよりも車幅方向内側になるように、車両に取り付けられる。ワンウエイ機構32は、ラップアウタアンカポイント22の位置Aから位置Bに向かう移動のみを許容するように、ラップアウタアンカポイント22を支持する。
衝突時にラップベルト20に作用する張力Tは、衝突時に乗員Pが前方に移動する力によってラップベルト20に生じる張力Tを含む。
シフト構造30は、衝突時に乗員Pが前方に移動する力によってラップベルト20に生じる張力Tにより、ラップアウタアンカポイント22を位置Aから位置Bに移動する。
ワンウエイ機構32は、図6に示すように、位置Aから位置Bまでにわたって延びる長孔32aと、長孔32aの長手方向と直交する方向に長孔32aに進退可能に突出する複数の爪32bを有する。各爪32bは、位置Aから位置Bに向かっては緩やかな傾斜を有し、それと反対方向には急な傾斜を有する。この構造により、ラップアウタアンカポイント22、またはラップアウタアンカポイント22と共に移動する部材は、位置Aから位置Bに向かう方向のみに移動可能に長孔32aに案内される。ラップベルト端部36は、ラップアウタアンカポイント22に、またはラップアウタアンカポイント22と共に移動する部材にピンジョイント結合される。衝突時にラップベルト20に張力Tが作用すると、ラップアウタアンカポイント22に前方への引張力がかかり、ラップアウタアンカポイント22が位置Aから位置Bに向かって、移動する。ラップアウタアンカポイント22は、位置Bまで移動してもよいし、あるいは、位置Aから位置Bへの途中位置まで移動してもよい。途中位置まで移動してそこで止まる場合は、その途中位置が位置Bを構成する。
各爪32bが長孔32aに突出する方向にばね付勢されており、ラップアウタアンカポイント22が長孔32に沿って一方向に移動する時に、ワンウエイ機構32はラップアウタアンカポイント22に対してエネルギ吸収(EA)機能を果たす。
ワンウエイ機構32は、図5に示すように、アーム34に支持されている。アーム34の一端側(図の下端側)は、シートスライドする部分(たとえば、アッパレール38)にブラケット40を追加し、ブラケット40にピン42にてピンジョイント結合されている。アッパレール38に代えて、ロッカやBピラー等のボデーへの取付けも可能である。アーム34の他端側(図の上端側)は、シート配置に応じてフレキシブルに稼働するよう、ピン46と長孔48を介して、シートクッションフレーム44にスライド可能にかつ回動可能にピンジョイント結合されている。
つぎに、作用および効果を、図1−図4を参照して説明する。
車両前後方向および車幅方向に加速度が作用する衝突時に、ラップアウタアンカポイント22が車幅方向内側にシフトされるため、シートベルト20のうち、乗員腰部の車幅方向外側端から位置Bまで延びる部分は、車両前後方向後方にかつ車幅方向外側から内側に延びるようになる。そのため、乗員Pが慣性力によって車幅方向外側に移動された時に、ラップベルト20に乗員Pを車幅方向内側に引き戻す方向の引張力が働き、ラップベルト20により乗員Pの車幅方向外側への移動を抑制できる。これによって、車両前後方向および車幅方向に加速度が作用する衝突時に、乗員Pは車幅方向外側かつ前方にある車体部分に当たることが抑制され、乗員Pは効果的に保護される。
なお、ラップアウタアンカポイント22を最初から車幅方向内側に設定することも考えられるが、ベルト着脱時の作業性に支障を与えたり、ベルト着用時に不快感が発生するおそれがある。この点、衝突前はラップアウタアンカポイント22が車幅方向内側に変位されていないので、従来どおり、ベルト着脱時の作業性に支障を与えることもないし、ベルト着用時に不快感が発生するおそれもない。
以上の作用、効果は、本発明の全実施例に適用できる。
本発明の第1実施例は、さらに、図5および図6の構成による、つぎの作用、効果を有する。つぎの作用、効果は本発明の第1実施例のみに適用される。
シフト構造30がワンウエイ機構32を含むので、車両前後方向および車幅方向に加速度が作用する衝突時における乗員Pの前方への慣性力を利用して、ラップアウタアンカポイント22を車幅方向内側に移動させることができ、単純な構造でかつ低コストで、乗員Pの車幅方向外側への移動を抑制できる。
また、ワンウエイ機構32がエネルギ吸収機構を持つ場合には、衝突時に乗員腰部にかかる衝撃の一部を吸収でき、衝突時のラップベルト20から乗員への衝撃を低減できる。
〔第2実施例〕
本発明の第2実施例は、上記の第1実施例において本発明の全実施例に適用可能とした、図1−図4の構成と、その作用、効果に加えて、図7−図9の構成と、その作用、効果を有する。
まず、構成を説明する。
本発明の第2実施例においては、図7および図8に示すように、シフト構造30が、位置Aを構成するスリップリング50と、スリップリング50を車両側部材に連結し衝突時ラップベルト20に張力Tが作用した時にスリップリング50の車両側部材との連結を解除する連結機構52と、位置Bを構成するアンカ54と、衝突時に位置Bにてラップベルト20に車幅方向内側引き込み力Fをかける引込み部材56と、を含む。スリップリング50(連結機構52でもよい)は、アッパレール38(ロアレールでもよい)、または、ロッカやBピラー等の車両側部材に取り付けられる。引込み部材56は、シートのリヤロッド58に、リヤロッド58に平行に、取り付けられることが好ましい。その場合は、引込み部材56はラップベルト20の端部をリヤロッド58に平行に引き込む。
本発明の第2実施例に係る構成のうち、図7および図8に示した、以上までの構成は、本発明の第2実施例のみでなく、本発明の第3実施例にも適用可能である。
本発明の第2実施例は、さらにつぎの構成を有する。つぎの構成は本発明の第2実施例のみに適用される。
第2実施例では、引込み部材56が、プリテンショナ56Aからなる。
衝突時にラップベルト20に作用する張力Tは、衝突時にプリテンショナ56Aによってラップベルト20に生じる張力を含む。この張力は、ラップベルト20の端部に車幅方向内側への引張力をかけ、スリップリング50に車幅方向内側への引張力をかける。
シフト構造30は、衝突時にプリテンショナ56Aによってラップベルト20に生じる張力により、連結機構52によるスリップリング50の車両側部材との連結を解除し、かつ、ラップアウタアンカポイント22を位置Aから位置Bにシフトする。
ラップベルト20の端部とプリテンショナ56Aとの連結部がプリテンショナ56Aの作動時に車幅方向内側に移動する場合は、位置Bは車幅方向内側に移動してもよい。
ラップベルト20が位置Bに配置されたスリップリング(スリップリング50とは別のもの)を挿通してラップベルト20の端部がプリテンショナ56Aと連結される場合は、位置Bはスリップリング(スリップリング50とは別のもの)から構成され、位置Bは車幅方向に移動しない。ただし、ラップベルト20には車幅方向内側に向かう引込み力はかかる。
スリップリング50は、図9に示すように、ラップベルト20が摺動可能に挿通するベルト挿通孔50aと、ピンが挿通するピン孔50bを含む。
連結機構52は、(i)ピン孔50bを挿通する破断可能な(たとえば、樹脂製の)ピン52a、または(ii)スリップリング50のピン孔50bを設けた棒状部分、またはピン孔50bを挿通する棒を、外れ可能に保持するクリップ52b(たとえば、図10に示すような部材)、を含む。連結機構52がピン52aを含む場合、衝突時ラップベルト20にプリテンショナ56Aからの張力Tが作用した時に、ピン52aが破断することにより、連結機構52はスリップリング50の車両側部材との連結を解除する。連結機構52がクリップ52bを含む場合、衝突時ラップベルト20に張力Tが作用した時に、スリップリング50の棒状部分またはピン孔50bを挿通する棒がクリップ52bから外れることにより、シフト構造30の連結機構52はスリップリング50の車両側部材との連結を解除する。
つぎに、作用、効果を有する。
衝突時ラップベルト20に所定値以上の張力が作用した時に、スリップリング50に車幅方向内側への、または車両前後方向前方への、引張力がかかり、連結機構52が破断して、または外れて、スリップリング50の車両側部材との連結を解除する。この結果、ラップアウタアンカポイント22を、初期の図7(イ)のスリップリングの位置Aから、衝突後時刻aである図7(ロ)のアンカ54の位置Bに移すことができる。これによって、本発明の実施例1の作用、効果と同様の、ラップアウタアンカポイント22の車幅方向内側へのシフト作用、効果が得られる。
しかも、衝突前の通常時には、ラップアウタアンカポイント22がスリップリング50の位置Aにあるので、通常時のベルト着脱時の操作性が良く、かつ、ベルト着用時の違和感がない。
本発明の第2実施例に係る作用、効果のうち、以上までの作用、効果は、本発明の第3実施例にも適用可能である。
本発明の第2実施例は、さらにつぎの作用、効果を有する。
第2実施例では、プリテンショナ56Aの作動によってスリップリング50の車両側部材との連結が解除され、かつ、車幅方向内側への引込みが行われる。プリテンショナ56Aの作動時期を制御することによって、乗員からラップベルト20にかかる張力のタイミングとは独立に、ラップアウタアンカポイント22の位置Aから位置Bへのシフトのタイミングを制御することが可能である。
〔第3実施例〕
本発明の第3実施例は、上記の第1実施例において本発明の全実施例に適用可能とした、図1−図4の構成と、その作用、効果、および、上記の第2実施例において本発明の第3実施例にも適用可能とした、図7および図8の構成と、その作用、効果に加えて、つぎの図10−図12の構成と、その作用、効果を有する。
まず、構成を説明する。
第3実施例では、図7および図8に示す引込み部材56が、スプリング56Bからなる。スプリング56Bは、位置Bを構成するアンカ54部位に配置され、ラップベルト20の端部と連結され、ラップベルト20の端部にスプリング56Bによる車幅方向内側への引張力をかける。
衝突時にラップベルト20に作用する張力Tは、衝突時に乗員Pの慣性力によってラップベルト20に生じる前方への引張力と、スプリング56Bによってラップベルト20に生じる張力とを含む。
シフト構造30は、衝突時に乗員が前方に移動する力によってラップベルト20に生じる張力により、連結機構52によるスリップリング50の車両側部材との連結を解除し、かつ、スプリング56Bによってラップベルト20に生じる張力により、ラップアウタアンカポイント22が位置Aから位置Bにシフトするように、ラップベルト20のベルトパスを変える。
アンカ54が位置Bに配置されたスリップリング54a(スリップリング50とは別のもの)から構成される。ラップベルト20がスリップリング54aを挿通し、ラップベルト20の端部がスプリング56Bと連結される。この場合は、位置Bは車幅方向に移動しない。ラップベルト20には、スプリング56Bからの車幅方向内側に向かう引込み力がかかる。スプリング56Bの引込み力は、ラップベルト20に常時かかる。
衝突時、乗員Pに前方への慣性力が働いた時に、ラップベルト20に作用する前方への引張力によって連結機構52を破断しまたは外すことができるように、連結機構52の構造が図10に示すようになっており、スリップリング50とラップベルト20との連結構造が図11に示すようになっている。
図10では、スリップリング50の棒状部分またはスリップリング50の孔50bに挿通された棒がクリップ52bで外れ可能に保持されている。ただし、クリップ52bに代えて、樹脂製ピンをスリップリング50の棒状部分に設けた孔50bに挿通してスリップリング50を支持し、スリップリング50に前方への引張力がかかった時に樹脂製ピンが破断するようにしてもよい。
図11ではラップベルト20に輪20aを作り、輪20aにスリップリング50を通すことにより、ラップベルト20とスリップリング50を連結し、ラップベルト20に前方への引張力がかかった時に、輪20aを介してスリップリング50に前方への引張力がかかるようにしてもよい。
つぎに、作用、効果を説明する。
図10−図12の装置では、ラップベルト20にスプリング56Bの引込力がかかるので、衝突時、位置Aにおける連結機構52による連結が外れた際にラップベルト20にたるみが発生しても、スプリング力でたるみを吸収することができる。たるみが無くなることによって、衝突時における乗員Pの横ずれを効果的に抑制することができる。
10 車両用3点式シートベルト装置
20 ラップベルト
22 ラップアウタアンカポイント
30 シフト構造
32 ワンウエイ機構
50 スリップリング
52 連結機構
54 アンカ
56 引込み部材
56A プリテンショナ
56B スプリング
A ラップアウタアンカポイントのシフト前位置
B ラップアウタアンカポイントのシフト後位置 T 張力
P 乗員

Claims (5)

  1. ラップベルトの車幅方向外側のアンカポイントを構成するラップアウタアンカポイントと、
    車両前後方向および車幅方向に加速度が作用する衝突においてラップベルトに張力が作用した時に前記ラップアウタアンカポイントの位置を位置Aから該位置Aよりも車両方向内側にある位置Bに変えるシフト構造と、
    を有する車両用3点式シートベルト装置。
  2. 前記シフト構造が、一端部に位置Aを有し他端部に位置Bを有し、位置Bが位置Aよりも車幅方向内側になるように車両に取り付けられ、前記ラップアウタアンカポイントを位置Aから位置Bに向かっての移動のみを許容するように支持する、ワンウエイ機構を含み、
    衝突時にラップベルトに作用する前記張力が衝突時に乗員が前方に移動する力によってラップベルトに生じる張力を含む、請求項1記載の車両用3点式シートベルト装置。
  3. 前記シフト構造が、位置Aを構成するスリップリングと、該スリップリングを車両側部材に連結し衝突時ラップベルトに張力が作用した時にスリップリングの車両側部材との連結を解除する連結機構と、位置Bを構成するアンカと、衝突時に位置Bにてラップベルトに車幅方向内側引き込み力をかける引込み部材と、を含む請求項1記載の車両用3点式シートベルト装置。
  4. 前記引込み部材がプリテンショナであり、
    衝突時にラップベルトに作用する前記張力が衝突時に前記プリテンショナによってラップベルトに生じる張力を含む請求項3記載の車両用3点式シートベルト装置。
  5. 前記引込み部材がスプリングであり、
    衝突時にラップベルトに作用する前記張力が衝突時に乗員が前方に移動する力によってラップベルトに生じる張力と前記スプリングによってラップベルトに生じる張力を含む請求項3記載の車両用3点式シートベルト装置。
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