JP6015070B2 - 自動車内外装部品 - Google Patents
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Description
漆黒調の樹脂加飾部品は、近年、環境問題やコストなどの観点から、樹脂部品の着色に際しては、所謂、塗料による塗装から、樹脂に混合した着色剤( 染顔料) のみで製品に求められる色調を発現する方法が求められている。特に、製品に高級感、重厚感を持たせることから、深みと清澄感のある、漆塗りと同等の漆黒性への要求が近年、特に高まっており、それに伴い、染顔料着色性に優れた樹脂が求められている。
しかし、自動車内外装部品に要求される特性は、着色性だけでなく、例えば、日中屋外で紫外線を含んだ太陽光に常時さらされたり、また夏季の車内温度の上昇等、過酷な環境条件にさらされるため、耐候性が求められる。また、衝突時には乗員や歩行者を負傷させないため、部品の破壊面が延性破壊する様、耐衝撃性が求められる。さらに、自動洗車機等を使った洗車時やオーディオやナビゲーションシステム等のスイッチ操作時に爪やアクセサリー類により表面に傷が付きづらいことが望まれている。
本発明の目的は、上記従来の課題を解消し、深みと清澄感のある漆黒性があり、同時に耐熱性、耐候性及び耐衝撃性も兼ね備えた自動車内外装部品を提供することにある。
[1]下記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位及びシクロ
ヘキサンジメタノールに由来する構造単位を含むポリカーボネート樹脂と、着色剤と、ヒンダードアミン系光安定剤とを含む樹脂組成物からなる自動車内外装部品であって、
前記樹脂組成物における着色剤が、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.05重量部〜5重量部であり、ヒンダードアミン系光安定剤が0.001重量部〜5重量部である自動車内外装部品。
[3]前記ポリカーボネート樹脂における前記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位とシクロヘキサンジメタノールに由来する構造単位とのモル比率が50/50〜80/20である上記[1]または[2]に記載の自動車内外装部品。
[5]前記ヒンダードアミン系光安定剤が、分子量1000以下である上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の自動車内外装部品。
[6]前記樹脂組成物から成形された成形板(厚さ3mm)のJIS K7105によるL*値が30以下である上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の自動車内外装部品。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明に使用するポリカーボネート樹脂は、下記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位及びシクロヘキサンジメタノールに由来する構造単位を含むポリカーボネート樹脂である。
中でも植物由来の資源として豊富に存在し、容易に入手可能な種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが、入手及び製造のし易さ、成形性、耐熱性、耐衝撃性、表面硬度、カーボンニュートラルの面から最も好ましい。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂は、一般に用いられる製造方法で製造することができ、その製造方法は、ホスゲンを用いた溶液重合法、炭酸ジエステルと反応させる溶融重合法のいずれの方法でも良いが、重合触媒の存在下に、ジヒドロキシ化合物を、より環境への毒性の低い炭酸ジエステルと反応させる溶融重合法が好ましい。
溶融重合法で用いられる炭酸ジエステルとしては、通常、下記一般式(2)で表されるものが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、1種を単独で用いても良く、2種以上を
混合して用いても良い。
上記一般式(2)で表される炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びジ−t−ブチルカーボネート等が例示される。
前述した溶融重合法において、前記一般式(2)で表される炭酸ジエステルは、反応に用いる前記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物を少なくとも含む全ジヒドロキシ化合物に対し、0.90〜1.10のモル比率で用いることが好ましく、0.96〜1.04のモル比率で用いることがさらに好ましい。
重合反応の形式は、公知の形式を用いることができ、バッチ式、連続式、あるいはバッチ式と連続式の組み合わせのいずれの方法でもよい。
具体的には、第1段目の反応は140℃〜220℃、好ましくは150℃〜200℃の温度で0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜3時間実施される。第2段目以降は、反応系の圧力を第1段目の圧力から徐々に下げながら反応温度を上げていき、同時に発生するフェノール等の芳香族モノヒドロキシ化合物を反応系外へ除きながら、最終的には反応系の圧力が200Pa以下で、210℃〜280℃の温度範囲のもとで重縮合反応を行う。
例えば、ジヒドロキシ化合物としてイソソルビドと1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルを用いる場合は、全ジヒドロキシ化合物に対し、1,4−シクロヘキサンジメタノールのモル比が50モル%をこえる場合は、1,4−シクロヘキサンジメタノールがモノマーのまま留出しやすくなるので、反応系内の圧力が13kPa程度の減圧下で、温度を1時間あたり40℃以下の昇温速度で上昇させながら反応させ、さらに、6.67kPa程度までの圧力下で、温度を1時間あたり40℃以下の昇温速度で上昇させ、最終的に200Pa以下の圧力で、200℃から250℃の温度で重縮合反応を行うと、十分に重合度が上昇したポリカーボネート樹脂が得られるため、好ましい。
また、押出されたポリカーボネート樹脂を冷却しペレタイズする際は、空冷、水冷等の冷却方法を使用するのが好ましい。空冷の際に使用する空気は、ヘパフィルター等で空気中の異物を事前に取り除いた空気を使用し、空気中の異物の再付着を防ぐのが好ましい。水冷を使用する際は、イオン交換樹脂等で水中の金属分を取り除き、さらにフィルターにて、水中の異物を取り除いた水を使用することが好ましい。用いるフィルターの目開きは、99%除去の濾過精度として10μm〜0.45μmであることが好ましい。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂の分子量は、還元粘度で表すことができ、還元粘度は、通常0.30dL/g以上が好ましく、0.35dL/g以上がより好ましい。還元粘度の上限は、1.20dL/gが好ましく、1.00dL/gがより好ましく、0.80dL/gが更に好ましい。
なお、還元粘度は、溶媒として塩化メチレンを用い、ポリカーボネート濃度を0.6g/dLに精密に調製し、温度20.0℃±0.1℃でウベローデ粘度管を用いて測定する。
本発明に使用する着色剤としては、無機顔料、有機顔料及び有機染料等の有機染顔料が挙げられる。
無機顔料としては具体的には例えば、カーボンブラック;酸化チタン、亜鉛華、弁柄、酸化クロム、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等の酸化物系顔料等;が挙げられる。
前記無機顔料、有機顔料及び有機染料等の有機染顔料の中でも、無機顔料が好ましい。無機顔料を着色剤として使用することにより、自動車内外装品として屋外等で使用しても漆黒性等が長期間保持することができる。
本発明で使用する着色剤の量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.05重量部以上5重量部以下である。好ましくは0.05重量部以上3重量部以下、より好ましくは0.1重量部以上2重量部以下である。着色剤の量が0.05重量部未満では深みと清澄感のある漆黒が得られづらい。5重量部より多いと、自動車内外装品の表面粗さが大きくなり、深みと清澄感のある漆黒が得られづらい。
本発明で使用するヒンダードアミン系光安定剤の分子量は、1000以下が好ましく、900以下がより好ましい。分子量が1000を超えると、自動車内外装品としたときに耐候性が十分得られない可能性がある。また分子量は300以上が好ましく、400以上がより好ましい。分子量が300未満では、耐熱性に乏しく、自動車内外装品の成形時に金型を汚染し、優れた表面外観の成形品が得られないことがある。
特に、ピペリジン構造を複数有する化合物が好ましく、それら複数のピペリジン構造がエステル構造により連結されている化合物が好ましい。
オキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物 、1−[2−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、、ポリ[{6−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N‘−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミンポリマーと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,
10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−ジエタノールとの縮合物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン-−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物等が挙げられる。
本発明で使用する樹脂組成物は前記ポリカーボネート樹脂と、前記着色剤と、前記ヒンダードアミン系光安定剤とを少なくとも含むものである。
<酸化防止剤>
本発明で使用する樹脂組成物には、酸化防止剤を含んでも良い。酸化防止剤としては樹脂に使用される一般的な酸化防止剤が使用できるが、酸化安定性、熱安定性、漆黒性等の観点から、ホスファイト系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、およびフェノール系酸化防止剤が好ましい。
前記酸化防止剤の添加量が5重量部より多いと、成形時、金型を汚染し、優れた表面外観の成形品が得られないことがある。0.001重量部未満であると、耐候試験に対する十分な改良効果が得られない傾向がある。
ホスファイト系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく使用される。これらの化合物は、1種又は2種以上を併用することができる。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ビス[2−メチル−4−(3−ラウリルチオプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、オクタデシルジスルフィド、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,1’−チオビス(2−ナフトール)などをあげることができる。上記のうち、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、グリセロール−3−ステアリルチオプロピオネート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール等の化合物が挙げられる。
更に、深みと清澄感のある漆黒性を維持できる範囲において、中和剤、紫外線吸収剤、離型剤、帯電防止剤、滑剤、潤滑剤、可塑剤、相溶化剤、難燃剤等を添加することも出来
る。
その他、深みと清澄感のある漆黒性を維持できる範囲において、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、シリカ、アルミナ、酸化チタン、硫酸カルシウム粉体、石膏、石膏ウィスカー、硫酸バリウム、タルク、マイカ、ワラストナイト等の珪酸カルシウム;カーボンブラック、グラファイト、鉄粉、銅粉、二硫化モリブデン、炭化ケイ素、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素、窒化ケイ素繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、チタン酸カリウム繊維、ウィスカー等がの無機充填剤や木粉、竹粉、ヤシ澱粉、コルク粉、パルプ粉などの粉末状有機充填剤;架橋ポリエステル、ポリスチレン、スチレン・アクリル共重合体、尿素樹脂などのバルン状・球状有機充填剤;炭素繊維、合成繊維、天然繊維などの繊維状有機充填剤を添加することもできる。
本発明の自動車用内外装部品は、前記樹脂組成物からなる。本発明の自動車内外装部品は極めて漆黒性に優れており、明度が低いことが好ましい。すなわち、前記樹脂組成物から成形された成形体(厚み3mm)のJIS Z 8729に準拠したL*値が30以下が好ましく、20以下がより好ましく、25以下が更に好ましい。更に、本発明の自動車内外装部品は耐熱性、耐候性及び耐衝撃性を兼ね備えており、例えばフェンダー、バンパー、フェーシャ、ドアパネル、サイドガーニッシュ、ピラー、ラジエータグリル、サイドプロテクター、サイドモール、リアプロテクター、リアモール、各種スポイラー、ボンネット、ルーフパネル、トランクリッド、デタッチャブルトップ、ウインドリフレクター、ミラーハウジング、アウタードアハンドル等の自動車用外装部品、インストルメントパネル、センターコンソールパネル、メーター部品、各種スイッチ類、カーナビケーション部品、カーオーディオビジュアル部品、オートモバイルコンピュータ部品等に適用できる。
(1)還元粘度の測定
ポリカーボネート樹脂のサンプルを、溶媒として塩化メチレンを用いて溶解し、0.6g/dLの濃度のポリカーボネート溶液を調製した。森友理化工業社製ウベローデ型粘度管を用いて、温度20.0℃±0.1℃で測定を行い、溶媒の通過時間t0と溶液の通過時間tから次式より相対粘度ηrelを求め、
ηrel=t/t0
相対粘度から次式より比粘度ηspを求めた。
比粘度を濃度c(g/dL)で割って、還元粘度ηsp/cを求めた。この値が高いほど分子量が大きい。
(2)耐熱性(荷重たわみ温度)
樹脂組成物を射出成形機(東芝機械株式会社製EC−75SX)により引張試験用ダンベル型試験片を成形した。その後ダンベル型試験片より切削により荷重たわみ温度測定用試験片とした。該重たわみ温度測定用試験片を用いて、荷重たわみ温度をISO 75に準拠して測定した。荷重は1.80MPaで測定した。自動車内外装部品としては、荷重たわみ温度が少なくとも80℃以上必要で、より好ましくは90℃以上必要である。
樹脂組成物を射出成形機(東芝機械株式会社製EC−75SX)により100mm×100mm×2mmtのシートとした。該シートをISO 6603−2に準拠し、高速パンクチャー衝撃試験機(島津製作所社製 ハイドロショットHITS−P10)により、試験温度23℃及び−20℃において、衝撃エネルギーの測定及び破壊形態を観察した。尚、試験速度は4.4m/s、打ち抜きストライカーの径はΦ20mm、先端形状は半球状、ロードセル容量10kN、押え治具の穴径はΦ40mmのものを使用した。
樹脂組成物を射出成形機(東芝機械株式会社製EC−75SX)により引張試験用ダンベル型試験片を成形した。その後ダンベル型試験片より切削によりシャルピー衝撃試験用試験片とした。該シャルピー衝撃試験用試験片をJIS K−7111に準拠し、23℃にてノッチ付き試験片を用いて、シャルピー衝撃試験機により測定した(単位:kg−cm/cm2)。
樹脂組成物を射出成形機(東芝機械株式会社製EC−75SX)により100mm×100mm×2mmtのシートを成形した。該シートをJIS K 5600に準拠し、表面測定器(新東科学株式会社製:トライポギア タイプ14DR)により、下記条件で表面硬度を測定した。
測定スピード30mm/min
測定距離 7mm
鉛筆として三菱鉛筆製 UNI を用いた。
鉛筆硬度としては4H,3H,2H,H,F,HB,B、2B,3B,4Bを用いた。
5回測定し、2回以上、傷がついた鉛筆硬度のひとつ柔らかい硬度を測定物質の鉛筆硬度とした。
樹脂組成物を射出成形機(東芝機械株式会社製EC−75SX)により90mm×50mm×3mmtのシートを成形した。該シートを使用し、JIS Z 8729に準拠し、倉敷紡績社製分光色差計COLOR−7xにてL*値を測定した。この値が小さいほど黒色性が高いと言える。
樹脂組成物を射出成形機(東芝機械株式会社製EC−75SX)により90mm×50mm×3mmtのシートを成形した。樹脂組成物の反射率は、JIS Z 8729に準拠し、該シートを使用し、倉敷紡績社製分光色差計COLOR−7xにて測定した。反射
率は、波長400nmから700nmの10nm毎に測定し、平均値を求め反射率とした。
スガ試験機社製メタリングウェザーメーターM6Tを用いて、63℃、相対湿度50%の条件下、光源として水平式メタリングランプを、インナーフィルターとして石英を、またランプの周囲にアウターフィルターとして#500のフィルターを取り付け、波長300nm〜400nmの放射照度1.5kw/m2になるように設定し、得られた射出成形板(幅60mm×長さ60mm×厚さ3mm)の正方形の面に対して、100時間照射処理を行った。樹脂組成物の反射率は、JIS Z 8729に準拠し、平板状成形品(90mm×50mm×3mmt)を使用し、倉敷紡績社製分光色差計COLOR−7xにて測定した。反射率は、波長400nmから700nmの10nm毎に測定し、平均値を求めた。試験前後の反射率の差は、試験後の反射率から試験前の反射率を引いて求めた。
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置に、イソソルビド(ISB)と1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたジフェニルカーボネート(DPC)および酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.6/0.4/1.00/1.3×10−6になるように仕込み、十分に窒素置換した(酸素濃度0.0005体積%〜0.001体積%)。続いて熱媒で内容物の加温を行った。内温が100℃になった時点で撹拌を開始し、内温が100℃になるように制御しながら内容物を融解させ均一にした。その後、昇温を開始し、40分で内温を210℃にした。内温が210℃に到達した時点でこの温度を保持するように制御すると同時に、減圧を開始し、210℃に到達してから90分で13.3kPa(絶対圧力、以下同様)にして、この圧力を保持するようにしながら、さらに60分間保持した。重合反応とともに副生するフェノール蒸気を、還流冷却器に導いた。還流冷却器で凝縮した成分を重合反応装置に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は続いて45℃の温水を冷媒として用いた凝縮器に導いて回収した。
製造例1において、ISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物のモル比率を0.7/0.3/1.00/1.3×10−6に変えた以外は、製造例1と同様に行った。
[製造例3] ポリカーボネート樹脂(A−3)の製造
製造例1において、ISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物のモル比率を0.5/0.5/1.00/1.3×10−6に変えた以外は、製造例1と同様に行った。
ポリカーボネート樹脂(A−4):三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ノバレックス7022AR
ヒンダードアミン系光安定剤(C−1):BASF・ジャパン社製 チヌビン770DF
[実施例1]:
製造例1で得たポリカーボネート樹脂(A−1)100.45重量部と、着色剤としてPigment White 6を0.015重量部、Pigment Red 101を0.0.012重量部、Pigment Brown 24を0.005重量部、Pigment Blue 29を0.02重量部及びPigment Black 7を0.12重量部とヒンダードアミン系光安定剤(C−1)0.05重量部をスクリュー径20mmの単軸押出機に導入し、シリンダー温度220℃で混練し、ペレタイザーによりペレット化を行った。得られたペレットを、乾燥機で85℃、6時間乾燥した。
製造例2で得たポリカーボネート樹脂(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。
[実施例3]:
製造例3で得たポリカーボネート樹脂(A−3)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。
ポリカーボネート樹脂(A−4)100重量部と、着色剤としてPigment White 6を0.015重量部、Pigment Red 101を0.0.012重量部、Pigment Brown 24を0.005重量部、Pigment Blue 29を0.02重量部及びPigment Black 7を0.12重量部をスクリュー径20mmの単軸押出機に導入し、シリンダー温度220℃で混練し、ペレタイザーによりペレット化を行った。得られたペレットを、乾燥機で120℃、5時間乾燥した。
Claims (6)
- 前記ポリカーボネート樹脂における前記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位が50モル%〜70モル%であり、前記シクロヘキサンジメタノールに由来する構造単位が30モル%〜50モル%であることを特徴とする請求項1に記載の自動車内外装部品。
- 前記ポリカーボネート樹脂における前記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位とシクロヘキサンジメタノールに由来する構造単位とのモル比率が50/50〜80/20であることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車内外装部品。
- 前記着色剤が無機顔料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動車内外装部品。
- 前記ヒンダードアミン系光安定剤が、分子量1000以下であることを特徴とする請求
項1乃至4のいずれか1項に記載の自動車内外装部品。 - 前記自動車内外装部品が前記樹脂組成物を射出成形又は射出圧縮成形してなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の自動車内外装部品。
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