JP6011458B2 - ステアリング制御装置 - Google Patents
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Description
操舵状態量生成手段は、操舵部材に加わる操作を表す操舵状態量を生成する。剛性調整トルク生成手段は、操舵状態量に従って、操舵軸で検出される操舵トルクと操舵角の関係を規定する機械インピーダンスの剛性係数を調整するための操舵トルクの目標値である剛性調整トルクを生成する。粘性調整トルク生成手段は、操舵状態量に従って、機械インピーダンスの粘性係数を調整するための操舵トルクの目標値である粘性調整トルクを生成する。指令値生成手段は、剛性調整トルクおよび粘性調整トルクから、モータを制御するための指令値を生成する。但し、粘性調整トルク生成手段は、剛性係数の変化に対して期待される剛性感と実際に得られる剛性感との差が補償されるように、剛性調整トルク生成手段での調整内容に連動して粘性係数を変化させる。
特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、本発明は、前述したステアリング制御装置の他、ステアリング制御装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム、ステアリング制御方法など、種々の形態で実現することができる。
<全体構成>
本実施形態の電動パワーステアリングシステム1は、図1に示すように、ドライバによるハンドル(操舵部材)2の操作をモータ6によってアシストするものである。ハンドル2は、ステアリングシャフト3の一端に固定され、ステアリングシャフト3の他端にはトルクセンサ4が接続されており、このトルクセンサ4の他端には、インターミディエイトシャフト5が接続されている。なお、以下の説明では、ステアリングシャフト3からトルクセンサ4を経てインターミディエイトシャフト5に至る軸体全体を、まとめて操舵軸ともいう。また、以下では、操舵軸の回転角を舵角、操舵軸の回転角速度を操舵速度、操舵軸の回転角加速度を操舵加速度ともいう。
このような構成により、ドライバがハンドル2を回転(操舵)させると、その回転がステアリングシャフト3、トルクセンサ4、およびインターミディエイトシャフト5を介してステアリングギアボックス7に伝達される。そして、ステアリングギアボックス7内で、インターミディエイトシャフト5の回転がタイロッド8の左右移動に変換され、タイロッド8が動くことによって、左右の両タイヤ10が操舵される。
次に、ECU15の概略構成(制御機構)を図2のブロック図に示す。なお、図2に示したECU15の制御機構のうち、電流フィードバック(FB)部42を除く各部、および電流FB部42の機能の一部は、実際には、ECU15が備える図示しないCPUが所定の制御プログラムを実行することによって実現されるものである。つまり、CPUによって実現される各種機能を機能ブロック毎に分けて図示したものが図2である。但し、これら各図に示した制御機構がソフトウェアにて実現されることはあくまでも一例であり、図2等に示した制御機構全体または一部を例えばロジック回路等のハードウェアにて実現するようにしてもよいことはいうまでもない。
ベースアシスト部20は、図3に示すように、負荷推定器21と、基本負荷量演算部22と、ドライバ仕事率演算部23と、剛性調整量演算部24と、粘性調整量演算部25と、慣性調整量演算部26と、微分器261と、目標演算器27と、偏差演算器28と、コントローラ部29とを備えている。
剛性調整量演算部24は、ドライバ仕事率Wと推定負荷Txと車速Vに基づいて、目標操舵トルクTs*に含まれる調整成分(調整トルク)の一つであり、操舵時にドライバに与える操舵系メカ100の剛性感を調整するための剛性調整トルクTk*を生成する。粘性調整量演算部25は、ドライバ仕事率Wとモータ速度ωと車速Vに基づいて、目標操舵トルクTs*に含まれる調整成分の一つであり、操舵時にドライバに与える操舵系メカ100の粘性感を調整するための粘性調整トルクTc*を生成する。慣性調整量演算部26は、ドライバ仕事率Wとモータ加速度αに基づいて、目標操舵トルクTs*に含まれる調整成分の一つであり、操舵時にドライバに与える操舵系メカ100の慣性感を調整するための慣性調整トルクTi*を生成する。
粘性補正量演算部25cは、期待する剛性感と実際の剛性感との差を補償する第1補正量ΔC1と、剛性相当係数Kの変化に伴う操舵部材の粘性変化分を補償する第2補正量ΔC2とを、それぞれ第1マップ及び第2マップを用いて求め、その加算値を粘性補正量ΔC(=ΔC1+ΔC2)として出力する。
以上説明したように、電動パワーステアリングシステム1では、機械インピーダンスの剛性係数の調整内容に連動して、期待する操舵感と実際の操舵感とのずれが補償されるように粘性係数を補正している。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。例えば、一つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を一つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。
上記実施形態では、基本トルクTf*と、機械インピーダンス調整用のトルクTk*,Tc*,Ti*を別々に求めた後、これらを加算して目標操舵トルクTs*を生成しているが、特許文献1に記載されているように、機械インピーダンスを反映した規範操舵モデルを用いて操舵角から目標操舵トルクTs*を求めるように構成されたシステムに本発明を適用してもよい。
25d…加算器 26…慣性調整量演算部 26a…慣性係数演算部 27…目標演算器 28…偏差演算器 29…コントローラ部 30…補正部 41…加算器 42…電流FB部 261…微分器
Claims (6)
- 操舵部材(2)に連結された操舵軸(3.5)に加わる操舵トルクに応じたアシストトルクをモータ(6)によって出力することで操舵特性を制御するステアリング制御装置(15)であって、
前記操舵軸で検出される操舵トルクと操舵角の関係を規定する機械インピーダンスの剛性係数を調整するための前記操舵トルクの目標値である剛性調整トルクを生成する剛性調整トルク生成手段(24)と、
前記機械インピーダンスの粘性係数を調整するための前記操舵トルクの目標値である粘性調整トルクを生成する粘性調整トルク生成手段(25)と、
前記剛性調整トルクおよび前記粘性調整トルクから、前記モータを制御するための指令値を生成する指令値生成手段(27,28,29,41,42)と、
を備え、
前記粘性調整トルク生成手段は、前記剛性係数の変化に対して期待される剛性感と実際に得られる剛性感との差が補償されるように、前記剛性調整トルク生成手段での調整内容に連動して前記粘性係数を変化させることを特徴とするステアリング制御装置。 - 前記操舵部材に加わる操作を表す操舵状態量を生成する操舵状態量生成手段(23)を備え、
前記粘性調整トルク生成手段は、
前記操舵状態量から粘性係数を求める粘性係数演算手段(25a)と、
前記剛性係数から粘性係数の補正量を求める粘性補正量演算手段(25c)と、
前記粘性係数演算手段にて求められた粘性係数に前記粘性補正量演算手段にて求められた補正量を反映させる補正量反映手段(25d)と、
前記補正量反映手段の出力に操舵速度を乗じることで前記粘性調整トルクを求めるトルク演算手段(25b)と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。 - 前記補正量には、前記剛性係数の変化に伴う前記粘性係数の変化分を補償する成分を含むことを特徴とする請求項2に記載のステアリング制御装置。
- 前記操舵部材に加わる操作を表す操舵状態量を生成する操舵状態量生成手段(23)を備え、
前記剛性調整トルク生成手段および前記粘性調整トルク生成手段は、前記操舵状態量に従って、前記剛性調整トルクおよび前記粘性調整トルクを生成することを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。 - 前記指令値生成手段は、前記剛性調整トルクおよび前記粘性調整トルクを含んだ目標操舵トルクを生成し、前記指令値は、前記目標操舵トルクに前記操舵トルクを追従させるためのものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のステアリング制御装置。
- 前記剛性係数は、前記アシストトルクから推定される路面負荷に対する調整ゲインであり、前記粘性係数は、操舵速度に対する調整ゲインであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のステアリング制御装置。
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