JP6004779B2 - 局所清浄システム - Google Patents

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Description

本発明は、局所の空気清浄を行う局所清浄システムに関する。
近年、液晶や半導体等の製造施設では、その製造過程においてこれら製造物の品質管理を行うことを目的として、製造環境のクリーンルーム化が行われている。
ここで、製造施設では製造を行うまでの各工程毎に要求される清浄度が異なる。例えば積層工程等では最も高い清浄度が要求され、その他の原料投入工程や押出工程等では、積層工程のような高い清浄度は要求されない。したがって、このようなクリーンルームでは、要求される清浄度に応じて各工程を間仕切り壁等で区画分けし、それぞれの区画に対して必要最低限の清浄空気を送風することで省エネ効果を得ていた。
例えば、特許文献1には、クリーンルームの内部空間の一部を局所的にパーティションで区画することで局所クリーンスペースを形成し、この局所クリーンスペースを高清浄度とすることが開示されている。
特開2001−263748号公報
しかし、このようなクリーンルームをフィルム製品製造施設に採用する場合、フィルム製品は通常、上述した積層工程、原料投入工程、押出工程等の各工程において分離されることの無い一連の帯状体として形成されているため、上記各工程毎に間仕切り壁で区画化することができない。そこで、フィルム製品製造施設では、上記各工程を含む全工程を内在させることが可能な大部屋式のクリーンルームを形成し、その大部屋式のクリーンルームに上記各工程を含む全工程を区画化することなく内在させていた。
ここで、このような大部屋式のクリーンルーム全体の清浄度は、最も高い清浄度が要求される積層工程等に合わせることとなるため、積層工程等と同等の清浄度を要求されない原料投入工程や押出工程等についても、積層工程等と同等の清浄度が保たれることとなり無駄が生じ、省エネ性能が低下してしまう。
また、従来のクリーンルームでは、天井面に設けられた清浄空気送風口から室内の床に向けて清浄空気を送風していたため、架台の陰となってしまう架台下部やフィルムの陰となってしまうフィルム下部は天井から送風された清浄空気が到達せず、清浄対象とする領域の全体に清浄空気を供給することができないという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、必要最低限の清浄空気を供給することが可能であり、かつ、清浄対象とする領域の全体に清浄空気を供給することが可能な局所清浄システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の局所清浄システムは、水平面に沿って配置された帯状体の周囲の清浄対象領域に対して清浄空気を供給する局所清浄システムであって、前記帯状体の少なくとも一部を挟んで水平方向に沿って対向配置された一対の送風手段であって、前記帯状体の帯状面に沿った方向に向けて清浄空気を吹出すことで、少なくとも当該対向配置された一対の送風手段の間に清浄領域を生成する送風手段と、前記送風手段の上下又は側方のいずれかの端部の送風方向を、前記送風手段を基点として当該送風手段から離れる程、前記帯状体から遠ざかる向きに所定角度だけ傾けるように制御することで、前記清浄対象領域の外部の汚染物が当該清浄対象領域の内部に流入することを防止するバリア気流を生成するバリア気流生成手段と、前記対向配置された送風手段の相互間における前記帯状体の上方に、水平面に沿って配置される天板、又は前記対向配置された送風手段の相互間における前記帯状体の下方に、水平面に沿って配置される底板と、を備え、前記一対の送風手段から送風された気流が前記清浄対象領域で相互に衝突した後の当該気流の進行方向と、前記バリア気流生成手段にて生成された前記バリア気流が相互に衝突した後の当該バリア気流の進行方向とが相互に一致し、前記天板又は前記底板は、前記天板又は前記底板と前記帯状体との間の清浄空気を、前記天板又は前記底板を介して前記清浄対象領域の外側に排出する排出手段を備える。
また、請求項2に記載の局所清浄システムは、請求項1に記載の局所清浄システムにおいて、前記バリア気流生成手段を、前記送風手段の上端部及び下端部に配置した。
また、請求項3に記載の局所清浄システムは、請求項1又は2に記載の局所清浄システムにおいて、前記清浄対象領域の上方又は下方に配置された吸気手段であって、少なくとも、前記清浄対象領域に対して吸気を行うことで前記清浄領域を上方又は下方に拡張する吸気手段を備える。
また、請求項4に記載の局所清浄システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の局所清浄システムにおいて、前記バリア気流生成手段を、前記天板又は前記底板が配置された端部と逆側の端部に設け、前記送風手段の前記天板又は前記底板が配置された端部の近辺における送風速度を、前記送風手段の前記バリア気流生成手段が配置された端部の近辺における送風速度よりも小さくした。
また、請求項5に記載の局所清浄システムは、請求項1から4のいずれか一項に記載の局所清浄システムにおいて、前記天板又は前記底板は、前記清浄対象領域の内部のいずれかの位置又は前記清浄対象領域に接する位置に配置され、前記帯状体を、前記天板と前記清浄対象領域の底面との中間地点よりも前記天板寄りに配置した、あるいは、前記帯状体を、前記底板と前記清浄対象領域の上面との中間地点よりも前記底板寄りに配置した。
また、請求項6に記載の局所清浄システムは、請求項1から5のいずれか一項に記載の局所清浄システムにおいて、前記送風手段は、ファンフィルタユニットである。
また、請求項7に記載の局所清浄システムは、請求項1から6のいずれか一項に記載の局所清浄システムにおいて、前記バリア気流生成手段は、前記送風手段の上下又は側方のいずれかの端部の送風方向を、前記送風手段を基点として当該送風手段から離れる程、前記帯状体から遠ざかる向きに所定角度だけ傾けるように配置されたノズルを備える。
請求項1に記載の局所清浄システムによれば、クリーンルームを区画化することなく、帯状体に対して局所的に清浄化を行うことが可能であるため、クリーンルームのみによって清浄化を行う場合と比べて省エネ性能が向上する。また、クリーンルームでは清浄空気を行き渡すことが出来なかった範囲についても清浄空気を送風することが可能である。また、バリア気流生成手段を備えることによって、清浄対象領域の上方又は下方を開放しつつ清浄対象領域の局所清浄を行うことが可能であるため、ユーザが帯状体に対して上方又は下方からアクセスしやすい状態において帯状体の局所清浄を行うことが可能である。
また、帯状体の上方に設置された天板又は帯状体の下方に設置された底板によって、清浄対象領域の内部と外部の気流を遮蔽することが可能であり、より精度の高い局所清浄を行うことが可能となる。また、送風手段から送風された清浄空気が当該天板または底板に沿って移動することにより、清浄空気の到達距離を延長することが可能である。
また、天板と帯状体の上面との間に蓄積した清浄空気あるいは底板と帯状体の下面との間に蓄積した清浄空気を、当該天板あるいは底板を介して清浄対象領域の外部に排出することが可能であり、これによって、天板と帯状体の上面との間の空間あるいは底板と帯状体の下面との間の空間が極端に正圧となることを防止することが可能であり、当該空間に蓄積した清浄空気が帯状体を下方あるいは上方に押し付けてしまうことによって帯状体が変形してしまうことを防止することが可能である。
請求項2に記載の局所清浄システムによれば、バリア気流生成手段を送風手段の上端部及び下端部の両方に備えることによって、清浄対象領域の上方及び下方が開放されているため、ユーザが帯状体に対してより一層アクセスしやすい状態において帯状体の局所清浄を行うことが可能である。
請求項3に記載の局所清浄システムによれば、清浄対象領域に対して下方又は上方から吸気を行うことによって、より精度の高い局所清浄を行うことが可能となる。また、清浄領域を吸気方向に拡張することが可能である。
請求項4に記載の局所清浄システムによれば、天板又は底板が配置された端部の近辺における送風速度を低減させることが可能であるため、省エネ性能が向上する。また、天板又は底板が配置された端部の近辺における送風速度を低減した分のエネルギーを、前記送風手段の端部のうち前記バリア気流生成手段が配置された端部の近辺における送風速度を増高させることに費やすことが可能となる。
請求項5に記載の局所清浄システムによれば、清浄領域の中でも特に清浄度の高い位置である、天板近辺の位置あるいは底板近辺の位置に帯状体を配置することで、帯状体に対する清浄度を向上させることが可能となる。
請求項6に記載の局所清浄システムによれば、清浄空気を送風する送風手段として一般的に公知であるFFUを用いるという極めて容易な構成によって、帯状体の帯状面に沿った方向に向けて清浄空気を吹出す事が可能である。
請求項7に記載の局所清浄システムによれば、バリア気流生成手段としてFFUの端部に所定角度だけ傾けて配置されたノズルを備えるという極めて容易な構成によって、清浄対象領域の外部の汚染物が当該清浄対象領域の内部に流入することを防止することが可能である。
本発明の実施の形態1に係る局所清浄システムを設置した状態を示す斜視図である。 図1のA−A矢視断面図である。 付加的な構成要素を備えた局所清浄システムを配置したクリーンルームの側断面図である。 本発明の実施の形態2に係る局所清浄システムを配置したクリーンルームの側断面図である。 本発明の実施の形態3に係る局所清浄システムを配置したクリーンルームの側断面図である。 実施例の実験結果を示す図である。 本発明の変形例に係る局所清浄システムを配置したクリーンルームの側断面図である。 本発明の他の変形例に係る局所清浄システムを配置したクリーンルームの側断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る局所清浄システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態に係る局所清浄システムは、水平面に沿って配置された帯状体の周囲の清浄対象領域に対して清浄空気を供給する局所清浄システムである。ここで、「帯状体」とは、帯状に形成された物体であって、局所清浄システムの清浄対象となる製品であり、例えばフィルムなどを含む概念である。以下では、帯状体がフィルムであることとし、このフィルムがフィルム製造施設において製造される場面を想定して説明する。なお、フィルム製造施設内の全ての位置においてフィルムが水平方向に沿って配置されるわけではないが、本願では、水平方向に沿って配置された一部分に対して当該局所清浄システムを設置するものとして説明する。「清浄対象領域」とは、局所清浄システムの清浄対象となる領域のことであり、具体的には、後述するFFUの相互間に形成された空間である。なお、後述する「清浄領域」とは、局所清浄システムによって実際に清浄が行われている領域のことであり、この点で「清浄対象領域」と「清浄領域」とは異なる概念である。「清浄空気」とは、後述するFFUから吹出される空気であり、一定基準の清浄度を満たす空気である。
なお、本実施の形態に係る局所清浄システムは、クリーンルームの内部におけるフィルムの周囲に配置されるものとして説明する。このように、フィルムに対して局所清浄を行う上で、さらに、クリーンルームによって部屋全体の清浄度を保つことによって、清浄対象領域の清浄度をより一層高く保つことが可能であり、また、クリーンルームの送風量を大幅に低減させることが可能であるため、省エネ性能が向上する。なお、局所清浄システムはクリーンルーム以外の空間に設置するものとしても構わないが、ある程度の清浄度が保たれた空間に対して設置することが望ましい。
〔II〕各実施の形態の具体的内容
次に、本発明に係る各実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この形態は、FFUの下端部にバリア気流生成板を備え、上端部に天板を備えている形態である。
(構成)
図1は、本実施の形態に係る局所清浄システムを設置した状態を示す斜視図である。この図1に示すように、局所清浄システムはフィルムを挟むように配置され、この局所清浄システムがフィルムの長手方向に沿って複数配置されることで、フィルムの複数の位置においてフィルムに対して清浄空気を供給することが可能である。なお、図1では、各局所清浄システムの間に隙間を設けているが、これはこの隙間から人間がフィルムに対してアクセスすることを可能にしたものである。実際にはこの隙間を設けずに、各局所清浄システム同士を互いに密着させて配置しても良い。この場合には、隙間を設けた場合と比較して設置する局所清浄システムの台数が増大してしまうこととなるが、より清浄対象領域の外部の汚染物が清浄対象領域に流入しにくい状態において局所清浄を行うことが可能であり、清浄領域の清浄度が一層向上する。なお、後述するように、各局所清浄システムを相互に隙間を設けて設置したとしても、この隙間の間隔が所定間隔以下であれば、当該隙間に位置するフィルムの清浄度が著しく低下するわけではない。以下では、図1におけるX方向を幅方向、Y方向を長さ方向、Z方向を高さ方向と必要に応じて称して、局所清浄システムの各構成について詳細に説明する。
(構成−局所清浄システム)
図2は、図1のA−A矢視断面図である。図2に示すように、本実施の形態1に係る局所清浄システム1は、概略的に、ファンフィルタユニット(以下、FFU)10、バリア気流生成板20、天板30、及び排気ファン40を備えて構成される。
(構成−局所清浄システム−FFU)
FFU10は、フィルム100の帯状面に沿った方向に向けて清浄空気を吹出すことで、少なくとも対向配置された一対のFFU10の間に清浄領域を生成する送風手段である。このFFU10は、長手方向が長さ方向に沿った向きに配置される直方体形状として形成され、クリーンルーム110に配置されたフィルム100の幅方向の両側方に一対で設けられ、フィルム100の少なくとも一部を挟んで幅方向に沿って対向配置されている。そして、FFU10の外面のうちフィルム100と対向する面には吹出し面11を備え、反対側の面には吸込み面12を備え、その内部には図示しないフィルター(HEPAフィルターやULPAフィルター等)を備える。そして、吸込み面12から吸い込んだ空気を当該フィルターを介することによって清浄空気に変え、吹出し面11から送風することで、フィルム100の周囲の清浄対象領域に対して清浄空気を供給することが可能である。
ここで、FFU10は、床面に対して垂直に設置されたFFU支柱13によって、所定の高さにおいて固定されている。なお、この所定の高さは、対向配置されたFFU10が少なくともフィルム100の一部を挟むことが可能な高さであれば構わない。なお、後述する天板30は清浄対象領域の内部のいずれかの位置又は清浄対象領域に接する位置に配置され、フィルム100が、後述する天板30と清浄対象領域の底面との中間地点よりも後述する天板30寄りに配置されるように、FFU10の位置を決定することが望ましい。何故ならば、天板30が清浄対象領域の内部のいずれかの位置又は清浄対象領域に接する位置に配置されている場合においては、清浄領域の中でも天板30に近い位置は特に清浄度が高いからであり、FFU10とフィルム100とをこのような位置関係にすることで、清浄対象領域の中でも特に清浄度の高い位置にフィルム100を配置することが可能となるからである。
FFU10の送風速度は、送風速度が遅すぎると清浄空気を清浄対象領域全体に到達させることができず、送風速度が速すぎると、周囲の空気を誘引する気流が生じ、結果として粒子が侵入する問題が生じてしまう。したがって、送風速度を適当な値に調整することを要する。この調整した値は、例えば実験等により求めることが可能である。なお、後述する天板30の近辺の送風速度と、同じく後述するバリア気流生成板20の近辺の送風速度をそれぞれ異なるものとしても良いが、この点についてはそれぞれの構成の記載において後述する。
(構成−局所清浄システム−バリア気流生成板)
バリア気流生成板20は、清浄対象領域の外部の汚染物が清浄対象領域の内部に流入することを防止するバリア気流生成手段である。このバリア気流生成板20はFFU10の長さと略同一の長さを有する長板形状として形成され、その側面がFFU10の吹出し面11の下端部から所定距離上方の位置に設置されている。そしてこの設置点を基点として、FFU10から離れるほどフィルムから遠ざかる向きに所定角度だけ傾けて配置されている。バリア気流生成板20がこのように傾きを持って設置されていることにより、当該バリア気流生成板20の設置点より下方に位置するFFU10の吹出し面11から吹出された清浄空気が、バリア気流生成板20の傾きに沿って斜め下方向に吹出されることとなる。そして左右のFFU10の吹出し面11からバリア気流生成板20を介して吹出された清浄空気は、フィルム100の幅方向における中央位置の下方で衝突し、これにより図2に示すようなバリア気流が発生する。このようにしてバリア気流を発生させることによって、清浄対象領域の外部の粒子が清浄対象領域の内部に流入することを防止することが可能である。
なお、このようにバリア気流生成板20を用いてバリア気流を発生させるために、バリア気流生成板20の設置点より下方に位置するFFU10の吹出し面11から吹出される清浄空気の送風速度を大きくすることとしても良い。この場合において、バリア気流生成板20近辺のFFU10の送風速度を大きくする分だけ多くのエネルギーを消費する事となるが、後述するように、天板30近辺のFFU10の送風速度を小さくすることが可能であるため、局所清浄システム1全体として省エネ性能が低下することはない。
なお、バリア気流生成板20の設置点のより上方であり、かつフィルム100より下方の高さにおけるFFU10の吹出し面11から吹出される清浄空気は、バリア気流生成板20によって斜め下に向けて吹出されることは無く、直進する。そして、両側方のFFU10から吹出された清浄空気は、フィルム100の幅方向中央の真下近辺で互いに衝突し、鉛直下方向に吹出されることとなる。この衝突気流によっても、清浄対象領域の外部の汚染物が清浄対象領域の内部に流入することを防止することが可能である。
なお、上述した通り、各局所清浄システム1は所定間隔の隙間を設けて設置されている。ここで、FFU10から吹出された清浄空気は、幅方向に沿って正確に直線的に進むわけではなく、実際には長さ方向に拡散しつつ進むこととなる。したがって、清浄領域も、局所清浄システム1の長さ方向に沿って局所清浄システム1から離れる方向に多少拡がっている。よって、各局所清浄システム1を相互に隙間を設けて設置したとしても、この隙間の間隔が所定間隔以下であれば、当該隙間に位置するフィルム100の清浄度が著しく低下するわけではない。なお、この所定間隔は、例えば実験等によって求めることが可能である。
(構成−局所清浄システム−天板)
天板30は、対向配置されたFFU10の相互間におけるフィルム100の上方に、水平面に沿って配置される天板30であり、例えば樹脂製やプラスチック製の板状体として形成される。この天板30は、その両端部においてFFU10の上面に載置されており、フィルム100の上部の清浄空気が清浄対象領域の外部に漏出することを防止する。また、FFU10から送風された清浄空気がコアンダ効果により天板30の底面に沿って清浄対象領域を移動するため、清浄空気の移動距離を延長することが可能である。これによりFFU10の天板30近辺の送風速度を低減することが可能であり、省エネ性能が向上する。
ここで、天板30とフィルム100上面との間の空間に、両側方のFFU10から送風された清浄空気が蓄積してしまうことで当該空間が極端に正圧となり、当該空間に蓄積した清浄空気がフィルム100を下方に押し付けてしまうことによって、フィルム100が歪曲してしまう可能性がある。そこで、この問題点を解消するために、図3に示すように、天板30に排出孔31を設けても良い。図3は、付加的な構成要素を備えた局所清浄システム1を配置したクリーンルーム110の側断面図(図1のA−A断面に対応する断面図である。以下、図4以降も同様)である。この排出孔31は、天板30とフィルム100との間の清浄空気を、天板30を介して清浄対象領域の外側に排出する排出手段であり、天板30の中央付近に複数設けられている。そして、天板30とフィルム100上面との間に蓄積した清浄空気を天板30の上面に排出することが可能であり、これによって、天板30とフィルム100上面との間の空間が極端に正圧となることを防止することが可能であり、当該空間に蓄積した清浄空気がフィルム100を下方に押し付けてしまうことによってフィルム100が変形してしまうことを防止することが可能である。
なお、天板30はFFU10の上方に配置されるものであれば、FFU10の上面に載置されていなくても良い。例えば、FFU10の上面よりさらに上方のFFU10と接することのない位置に配置しても良い。また、天板30の両側端がFFU10の吹出し面11に接する位置に配置しても良い。
(構成−局所清浄システム−排気ファン)
図2に戻り、排気ファン40は、清浄対象領域に対して吸気を行うことで清浄領域を下方に拡張する吸気手段である。この排気ファン40は、フィルム100の下方の床面に設けられたファンであり、排気ファン40の上部の空気を吸込み、床下に設けられたダクトへと送風する。このように、排気ファン40が清浄対象領域に対して空気の吸込みを行うことで、清浄領域を下方に拡張することが可能であり、さらに、清浄対象領域の清浄度をより高く保つことが可能である。なお、この排気ファン40によって清浄対象領域が下方に拡張される点、及び、清浄対象領域の清浄度が向上する点については、実施例において後述する。
排気ファン40に加えて、あるいは、排気ファン40に換えて、図3に示すような、床面と直交する長板面を有する衝立41をフィルム100の幅方向の中央位置の下方の床面に設置しても良い。この衝立41によって、FFU10の下端部から送風された清浄空気がこの衝立41に沿って下方に移動することとなり、鉛直下向きのバリア気流を生成して、清浄領域を下方に拡張することが可能となる。
(効果)
このように本実施の形態によれば、クリーンルーム110を区画化することなく、フィルム100に対して局所的に清浄化を行うことが可能であるため、クリーンルーム110のみによって清浄化を行う場合と比べて省エネ性能が向上する。また、クリーンルーム110では清浄空気を行き渡すことが出来なかった範囲についても清浄空気を送風することが可能である。また、バリア気流生成板20を備えることによって、清浄対象領域の下方を開放しつつ清浄対象領域の局所清浄を行うことが可能であるため、ユーザがフィルム100に対して下方からアクセスしやすい状態においてフィルム100の局所清浄を行うことが可能である。
また、清浄対象領域に対して下方から吸気を行うことによって、より精度の高い局所清浄を行うことが可能となる。また、清浄領域を吸気方向に拡張することが可能である。
また、フィルム100の上方に設置された天板30によって、清浄対象領域の内部と外部の気流を遮蔽することが可能であり、より精度の高い局所清浄を行うことが可能となる。また、FFU10から送風された清浄空気が当該天板30に沿って移動することにより、清浄空気の到達距離を延長することが可能である。
また、天板30が配置された端部の近辺における送風速度を低減させることが可能であるため、省エネ性能が向上する。また、天板30が配置された端部の近辺における送風速度を低減した分のエネルギーを、FFU10の端部のうちバリア気流生成板20が配置された端部の近辺における送風速度を増高させることに費やすことが可能となる。
また、清浄領域の中でも特に清浄度の高い位置である、天板30近辺の位置にフィルム100を配置することで、フィルム100に対する清浄度を向上させることが可能となる。
また、天板30とフィルム100の上面との間に蓄積した清浄空気を、当該天板30を介して清浄対象領域の外部に排出することが可能であり、これによって、天板30とフィルム100の上面との間の空間が極端に正圧となることを防止することが可能であり、当該空間に蓄積した清浄空気がフィルム100を下方に押し付けてしまうことによってフィルム100が変形してしまうことを防止することが可能である。
また、清浄空気を送風する送風手段として一般的に公知であるFFU10を用いるという極めて容易な構成によって、フィルム100の帯状面に沿った方向に向けて清浄空気を吹出す事が可能である。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、FFUの上端部にバリア気流生成板を備え、下端部に底板を備えている形態である。なお、実施の形態2の構成や処理は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成や処理と略同一であり、実施の形態1の構成や処理と略同一の構成や処理についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成)
最初に、実施の形態2に係る局所清浄システム2の構成について説明する。図4は、本発明の実施の形態2に係る局所清浄システム2を配置したクリーンルーム110の側断面図である。この図4に示すように、この局所清浄システム2は、概略的に、バリア気流生成板50、底板60、及び排気ファン70を備えて構成されている。
(構成−局所清浄システム−バリア気流生成板)
バリア気流生成板50は、清浄対象領域の内部と清浄対象領域の外部との気流を遮蔽するバリア気流生成手段である。なお、その構成は、単に実施の形態1におけるバリア気流生成板20を上下反転させただけであるため、その詳細な説明を省略する。
(構成−局所清浄システム−底板)
底板60は、対向配置されたFFU10の相互間におけるフィルム100の下方に、水平面に沿って配置される底板60であり、例えば樹脂製やプラスチック製の板状体として形成される。この底板60は、その両端部においてFFU10の下面に載置されており、フィルム100の下部の清浄空気が清浄対象領域から清浄対象領域の外部に漏出することを防止する。なお、底板60には、実施の形態1と同様に排出孔61を設けても良く、この排出孔61によって、底板60とフィルム100下面との間に蓄積した清浄空気を底板60の下方に排出することが可能であり、これによって、底板60とフィルム100下面との間の空間が極端に正圧となることを防止することが可能であり、当該空間に蓄積した清浄空気がフィルム100を上方に押し付けてしまうことによってフィルム100が変形してしまうことを防止することが可能である。なお、その他の点において、底板60は、実施の形態1における天板30と同様に構成することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。
(構成−局所清浄システム−排気ファン)
排気ファン70は、清浄対象領域に対して吸気を行うことで清浄領域を上方に拡張する吸気手段である。この排気ファン70は、フィルム100の上方の天井面に設けられたファンであり、排気ファン70の下部の空気を吸込み、天井裏に設けられたダクトへと送風する。なお、その他の点において、排気ファン70は、実施の形態1における排気ファン40と同様に構成することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。
(効果)
このように本実施の形態によれば、クリーンルーム110を区画化することなく、フィルム100に対して局所的に清浄化を行うことが可能であるため、クリーンルーム110のみによって清浄化を行う場合と比べて省エネ性能が向上する。また、クリーンルーム110では清浄空気を行き渡すことが出来なかった範囲についても清浄空気を送風することが可能である。また、バリア気流生成板50を備えることによって、清浄対象領域の上方を開放しつつ清浄対象領域の局所清浄を行うことが可能であるため、ユーザがフィルム100に対して上方からアクセスしやすい状態においてフィルム100の局所清浄を行うことが可能である。
また、清浄対象領域に対して上方から吸気を行うことによって、より精度の高い局所清浄を行うことが可能となる。また、清浄領域を吸気方向に拡張することが可能である。
また、フィルム100の下方に設置された底板60によって、清浄対象領域の内部と外部の気流を遮蔽することが可能であり、より精度の高い局所清浄を行うことが可能となる。また、FFU10から送風された清浄空気が当該底板60に沿って移動することにより、清浄空気の到達距離を延長することが可能である。
また、底板60が配置された端部の近辺における送風速度を低減させることが可能であるため、省エネ性能が向上する。また、底板60が配置された端部の近辺における送風速度を低減した分のエネルギーを、FFU10の端部のうちバリア気流生成板50が配置された端部の近辺における送風速度を増高させることに費やすことが可能となる。
また、清浄領域の中でも特に清浄度の高い位置である、底板60近辺の位置にフィルム100を配置することで、フィルム100に対する清浄度を向上させることが可能となる。
また、底板60とフィルム100の下面との間に蓄積した清浄空気を、当該底板60を介して清浄対象領域の外部に排出することが可能であり、これによって、底板60とフィルム100の下面との間の空間が極端に正圧となることを防止することが可能であり、当該空間に蓄積した清浄空気がフィルム100を上方に押し付けてしまうことによってフィルム100が変形してしまうことを防止することが可能である。
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、FFUの上端部及び下端部の両方にバリア気流生成板を備えている形態である。なお、実施の形態3の構成や処理は、特記する場合を除いて実施の形態1及び2の構成や処理と略同一であり、実施の形態1及び2の構成や処理と略同一の構成や処理についてはこの実施の形態1及び2で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その詳細な説明を省略する。
(構成)
最初に、実施の形態3に係る局所清浄システム3の構成について説明する。図5は、本発明の実施の形態3に係る局所清浄システム3を配置したクリーンルーム110の側断面図である。この図5に示すように、この局所清浄システム3は、概略的に、FFU10の上端部に設置されたバリア気流生成板50、FFU10の下端部に設置されたバリア気流生成板20、天井面に設けられた排気ファン70、及び床面に設けられた排気ファン40を備えて構成されている。なお、FFU10の上端部に設置されたバリア気流生成板50は、実施の形態2におけるバリア気流生成板50と同様に構成することが可能であり、また、FFU10の下端部に設置されたバリア気流生成板20は、実施の形態1におけるバリア気流生成板20と同様に構成することが可能であり、また、天井面に設けられた排気ファン70は実施の形態2における排気ファン70と同様に構成することが可能であり、また、床面に設けられた排気ファン40は実施の形態1における排気ファン40と同様に構成することが可能であるため、その構成の詳細な説明を省略する。
このように、FFU10の上端部及び下端部の両方にバリア気流生成板を備えることによって、天板30及び底板60を備えることなくフィルム100の局所清浄が可能となる。このことによって、ユーザは局所清浄システム3の上方及び下方からフィルム100に対してアクセスすることが可能となる。
(効果)
本実施の形態によれば、バリア気流生成板をFFU10の上端部及び下端部の両方に備えることによって、清浄対象領域の上方及び下方が開放されているため、ユーザがフィルム100に対してより一層アクセスしやすい状態においてフィルム100の局所清浄を行うことが可能である。
(実施例)
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。しかしながら、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
本例では、一般空調室に局所清浄システム1を用いて、フィルム100近傍の清浄化を行い、フィルム100近傍の複数地点において清浄度を測定した。なお、局所清浄システム1としては、(1)FFU10のみを配置した場合(単純対向型)、(2)FFU10及び天板30を配置した場合(+天板型)、(3)FFU10、天板30、及びバリア気流生成板20を配置した場合(+バリア気流生成板型)、(4)FFU10、天板30、バリア気流生成板20、及び排気ファン40を配置した場合(+排気ファン型)、の計4パターンについて実験を行った。なお、フィルム100の幅は2mであり、対向配置されたFFU10間の距離は4mであるとする。
そして、図6は、実施例の実験結果を示す図である。このうち、図6の上方の棒グラフは、4パターンのそれぞれのフィルム100上面及び下面の清浄度を測定した結果を表した図であり、各パターンの左側の棒グラフがフィルム100上面の清浄度を示すグラフであり、右側の棒グラフがフィルム100下面の清浄度を示すグラフである。なお、この棒グラフは、具体的には、フィルム100近傍の粉塵濃度を周辺環境の粉塵濃度で除した値を視覚的に表したグラフであり、この値が1/100以下である場合には、目標となる清浄度に達成しているものとする。一方、図6の下方の分布図は、図1のA−A矢視方向から見た局所清浄システム1の近辺における空気の清浄度の分布を示す図であり、各分布図がその上方にある各棒グラフと相互に対応している。
図6の結果より、単にFFU10を対向配置したのみの構成である「単純対向型」に比べて、この「単純対向型」にさらに天板30を設置した構成である「+天板型」の方が、より高い清浄度を保つことが可能であることが分かった。また、この「+天板型」にさらにバリア気流生成板20を設置した構成である「+バリア気流生成板型」の方が、「+天板型」に比べてより高い清浄度を保つことが可能であることが分かった。なお、この「+バリア気流生成板型」では、フィルム100下面の清浄度はほぼ目標値である1/100に近づくことが分かった。
また、この「+バリア気流生成板型」にさらに排気ファン40を設置した構成である「+排気ファン型」の方が、「+バリア気流生成板型」に比べてより高い清浄度を保つことが可能であることが分かった。なお、図6の分布図を参照すると、この「+排気ファン型」では、清浄領域が下方に拡張されていることが分かる。また、図6の棒グラフを参照すると、フィルム100上面及びフィルム100下面の両面の清浄度が目標値をクリアした値になることが分かった。なお、本実施例では清浄度の目標値を、フィルム100近傍の粉塵濃度を周辺環境の粉塵濃度で除した値が1/100以下であることと設定したが、この値は適宜定めることとして構わない。
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、少なくとも、従来と異なるシステムにより局所清浄化が可能となっている場合には、本発明の課題は解決されている。
(寸法や材料について)
発明の詳細な説明や図面で説明した局所清浄システムの各部の寸法、形状、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、比率等とすることができる。また、各部を構成する材料については、金属や樹脂を含む任意の材料を用いることができる。
(局所清浄システムの配置について)
図7は、本発明の変形例に係る局所清浄システム4を配置したクリーンルーム110の側断面図である。この図7に示すように、局所清浄システム4を上下段の二重構造としても良い。この場合は、下段の局所清浄システム4の天板30の代わりに、人間の加重に耐えうる架台80を設置することとしても良い。このように、架台80の上を人間が通行可能な構成とすることで、上方の局所清浄システム4に対してもアクセスすることが可能となる。また、架台80の上面に排気ファン40を設けることとしても良い。このような構成とすることで、架台80の上面に設けられた排気ファン40から上段の局所清浄システム4の清浄対象領域に対して吸気を行うことが可能となる。なお、上段の局所清浄システム4のさらに上方にも同様の局所清浄システム4を配置することで、局所清浄システム4を多重構造とすることも可能である。
(天板について)
天板30にはその他の付加的な機能を持たせてもよい。例えば天板30に冷却機能を付加することで、フィルム100の直近において、フィルム100の冷却を行うことが可能であるため、クリーンルーム110全体の冷房の温度を上げることが可能であり、省エネ性能が向上する。他にも、例えば天板30に除電機能を付加することで、フィルム100の直近において、フィルム100に付随した電荷を除去することが可能である。
(送風手段について)
本実施の形態では、送風手段としてFFUを例に挙げて説明したが、送風手段は、フィルムの面に沿った方向に向けて清浄空気を吹出すことが可能なものであればどのようなものを用いて構わない。
(FFUの配置について)
本実施の形態では、フィルム100の長手方向と直交する向きに沿ってFFU10が対向配置されるものとして説明したが、フィルム100の長手方向に沿ってFFU10が対向配置されるものとしても良い。この場合、フィルム100の端部を鉛直下方向に折り返してしまうと、その折り曲げられたフィルム100の面によって、FFU10からバリア気流生成板20を介して送風される清浄空気が遮蔽されてしまい、バリア気流を生成することができなくなってしまう。したがって、この場合には、折り曲げられたフィルム100の面が清浄空気を遮蔽しないように、フィルム100の端部を水平方向に沿って折り返すことが好ましい。図8は、本発明の他の変形例に係る局所清浄システム5を配置したクリーンルーム110の側断面図である。このようにフィルム100を水平方向に沿って折り返すための構成としては、水平方向に沿って設置され、かつ、フィルム100の長手方向に対して所定角度傾けて設置される円筒形状の支軸90を清浄対象領域の内部に配置し、フィルム100を当該支軸90の円周部に対して略沿うように巻きつけて折り返す構成が考えられる。
(バリア気流生成手段について)
本実施の形態では、バリア気流生成手段としてバリア気流生成板20を例示して説明したが、バリア気流生成手段は、清浄対象領域の外部の汚染物が当該清浄対象領域の内部に流入することを防止することが可能な構成であればその他の構成を採用しても構わない。例えば、FFU10の下端部の幅方向に沿ってノズルを設置しても良い。このノズルは、FFU10の下方の端部の送風方向を、FFU10を基点として当該FFU10から離れる程、フィルム100から遠ざかる向きに所定角度だけ傾けるように配置されたノズルである。そしてFFU10から吹出された清浄空気がこのノズルを介することによって斜め下方向に向けて高速で吹出され、対向するFFU10から同様に吹出された清浄空気と衝突することで、清浄対象領域の下方にバリア気流を生成することが可能である。このように、バリア気流生成手段としてFFU10の端部に所定角度だけ傾けて配置されたノズルを備えるという極めて容易な構成によって、清浄対象領域の外部の汚染物が当該清浄対象領域の内部に流入することを防止することが可能である。
他にも、例えばFFU10の下端部のみを、所定角度だけ下方に傾ける構成としても良い。また、この下端部の送風速度を、その他の部分の送風速度よりも高速にしても良い。このような構成によって、下端部のFFU10の送風方向が、FFU10を基点として当該FFU10から離れる程、フィルム100から遠ざかる向きに所定角度だけ傾けられるため、FFU10から吹出された清浄空気が斜め下方向に向けて高速で吹出され、対向するFFU10から同様に吹出された清浄空気と衝突することで、清浄対象領域の下方にバリア気流を生成することが可能である。
(バリア気流生成板について)
本実施の形態では、バリア気流生成板は、FFU10の上方又は下方の端部に設置されるものとして説明したが、FFU10の側方の端部(すなわちFFU10の長さ方向の端部)に設置されるものとしても良い。このようにすることで、清浄対象領域の側方から清浄対象領域の内部に汚染物が侵入することをより一層防止することが可能となり、清浄領域の清浄度をより一層向上させることが可能となる。なお、同様に上述したノズルをFFU10の側方に設置することとしても構わない。
(排気ファンについて)
本実施の形態では、排気ファン40を清浄対象領域の幅方向の中央真下位置に一つ設けることとしたが、清浄対象領域の下方であれば、その他の位置であっても構わない。例えば、当該中央真下位置から幅方向に所定距離離れた位置に一つずつ設けても良い。また、FFU支柱13を直方体形状として形成してFFU10の下方に配置し、FFU支柱13の側面のうちフィルム100が存在する側の面に排気ファン40を設け、フィルム100の両側方から吸い込みを行う事としてもよい。
また、本実施の形態では、床面の上にダクトが挿通するスペースを設け、排気ファン40によって吸い込んだ空気を、このスペースに挿通するダクトを介して排気することとして説明したが、床面の下にダクトが挿通するスペースを設けることとしても良い。
また、排気ファン40と接続されるダクトを、クリーンルーム110の送風口に接続することで、クリーンルーム110の送風口から再度清浄空気として送風することとしても良い。
(付記)
付記1の局所清浄システムは、水平面に沿って配置された帯状体の周囲の清浄対象領域に対して清浄空気を供給する局所清浄システムであって、前記帯状体の少なくとも一部を挟んで水平方向に沿って対向配置された一対の送風手段であって、前記帯状体の帯状面に沿った方向に向けて清浄空気を吹出すことで、少なくとも当該対向配置された一対の送風手段の間に清浄領域を生成する送風手段と、前記送風手段の上下又は側方のいずれかの端部の送風方向を、前記送風手段を基点として当該送風手段から離れる程、前記帯状体から遠ざかる向きに所定角度だけ傾けるように制御することで、前記清浄対象領域の外部の汚染物が当該清浄対象領域の内部に流入することを防止する気流を生成するバリア気流生成手段と、を備える。
また、付記2の局所清浄システムは、付記1に記載の局所清浄システムにおいて、前記バリア気流生成手段を、前記送風手段の上端部及び下端部に配置した。
また、付記3の局所清浄システムは、付記1又は2に記載の局所清浄システムにおいて、前記清浄対象領域の上方又は下方に配置された吸気手段であって、少なくとも、前記清浄対象領域に対して吸気を行うことで前記清浄領域を上方又は下方に拡張する吸気手段を備える。
また、付記4の局所清浄システムは、付記1又は3に記載の局所清浄システムにおいて、前記対向配置された送風手段の相互間における前記帯状体の上方に、水平面に沿って配置される天板、又は前記対向配置された送風手段の相互間における前記帯状体の下方に、水平面に沿って配置される底板を備える。
また、付記5の局所清浄システムは、付記4に記載の局所清浄システムにおいて、前記バリア気流生成手段を、前記天板又は前記底板が配置された端部と逆側の端部に設け、前記送風手段の前記天板又は前記底板が配置された端部の近辺における送風速度を、前記送風手段の前記バリア気流生成手段が配置された端部の近辺における送風速度よりも小さくした。
また、付記6の局所清浄システムは、付記4又は5に記載の局所清浄システムにおいて、前記天板又は前記底板は、前記清浄対象領域の内部のいずれかの位置又は前記清浄対象領域に接する位置に配置され、前記帯状体を、前記天板と前記清浄対象領域の底面との中間地点よりも前記天板寄りに配置した、あるいは、前記帯状体を、前記底板と前記清浄対象領域の上面との中間地点よりも前記底板寄りに配置した。
また、付記7の局所清浄システムは、付記4から6のいずれか一項に記載の局所清浄システムにおいて、前記天板又は前記底板は、前記天板又は前記底板と前記帯状体との間の清浄空気を、前記天板又は前記底板を介して前記清浄対象領域の外側に排出する排出手段を備える。
また、付記8の局所清浄システムは、付記1から7のいずれか一項に記載の局所清浄システムにおいて、前記送風手段は、ファンフィルタユニットである。
また、付記9の局所清浄システムは、付記1から8のいずれか一項に記載の局所清浄システムにおいて、前記バリア気流生成手段は、前記送風手段の上下又は側方のいずれかの端部の送風方向を、前記送風手段を基点として当該送風手段から離れる程、前記帯状体から遠ざかる向きに所定角度だけ傾けるように配置されたノズルを備える。
(付記の効果)
付記1に記載の局所清浄システムによれば、クリーンルームを区画化することなく、帯状体に対して局所的に清浄化を行うことが可能であるため、クリーンルームのみによって清浄化を行う場合と比べて省エネ性能が向上する。また、クリーンルームでは清浄空気を行き渡すことが出来なかった範囲についても清浄空気を送風することが可能である。また、バリア気流生成手段を備えることによって、清浄対象領域の上方又は下方を開放しつつ清浄対象領域の局所清浄を行うことが可能であるため、ユーザが帯状体に対して上方又は下方からアクセスしやすい状態において帯状体の局所清浄を行うことが可能である。
付記2に記載の局所清浄システムによれば、バリア気流生成手段を送風手段の上端部及び下端部の両方に備えることによって、清浄対象領域の上方及び下方が開放されているため、ユーザが帯状体に対してより一層アクセスしやすい状態において帯状体の局所清浄を行うことが可能である。
付記3に記載の局所清浄システムによれば、清浄対象領域に対して下方又は上方から吸気を行うことによって、より精度の高い局所清浄を行うことが可能となる。また、清浄領域を吸気方向に拡張することが可能である。
付記4に記載の局所清浄システムによれば、帯状体の上方に設置された天板又は帯状体の下方に設置された底板によって、清浄対象領域の内部と外部の気流を遮蔽することが可能であり、より精度の高い局所清浄を行うことが可能となる。また、送風手段から送風された清浄空気が当該天板または底板に沿って移動することにより、清浄空気の到達距離を延長することが可能である。
付記5に記載の局所清浄システムによれば、天板又は底板が配置された端部の近辺における送風速度を低減させることが可能であるため、省エネ性能が向上する。また、天板又は底板が配置された端部の近辺における送風速度を低減した分のエネルギーを、前記送風手段の端部のうち前記バリア気流生成手段が配置された端部の近辺における送風速度を増高させることに費やすことが可能となる。
付記6に記載の局所清浄システムによれば、清浄領域の中でも特に清浄度の高い位置である、天板近辺の位置あるいは底板近辺の位置に帯状体を配置することで、帯状体に対する清浄度を向上させることが可能となる。
付記7に記載の局所清浄システムによれば、天板と帯状体の上面との間に蓄積した清浄空気あるいは底板と帯状体の下面との間に蓄積した清浄空気を、当該天板あるいは底板を介して清浄対象領域の外部に排出することが可能であり、これによって、天板と帯状体の上面との間の空間あるいは底板と帯状体の下面との間の空間が極端に正圧となることを防止することが可能であり、当該空間に蓄積した清浄空気が帯状体を下方あるいは上方に押し付けてしまうことによって帯状体が変形してしまうことを防止することが可能である。
付記8に記載の局所清浄システムによれば、清浄空気を送風する送風手段として一般的に公知であるFFUを用いるという極めて容易な構成によって、帯状体の帯状面に沿った方向に向けて清浄空気を吹出す事が可能である。
付記9に記載の局所清浄システムによれば、バリア気流生成手段としてFFUの端部に所定角度だけ傾けて配置されたノズルを備えるという極めて容易な構成によって、清浄対象領域の外部の汚染物が当該清浄対象領域の内部に流入することを防止することが可能である。
1、2、3、4、5 局所清浄システム
10 FFU
11 吹出し面
12 吸込み面
13 FFU支柱
20、50 バリア気流生成板
30 天板
31、61 排出孔
40、70 排気ファン
41 衝立
60 底板
80 架台
90 支軸
100 フィルム
110 クリーンルーム

Claims (7)

  1. 水平面に沿って配置された帯状体の周囲の清浄対象領域に対して清浄空気を供給する局所清浄システムであって、
    前記帯状体の少なくとも一部を挟んで水平方向に沿って対向配置された一対の送風手段であって、前記帯状体の帯状面に沿った方向に向けて清浄空気を吹出すことで、少なくとも当該対向配置された一対の送風手段の間に清浄領域を生成する送風手段と、
    前記送風手段の上下又は側方のいずれかの端部の送風方向を、前記送風手段を基点として当該送風手段から離れる程、前記帯状体から遠ざかる向きに所定角度だけ傾けるように制御することで、前記清浄対象領域の外部の汚染物が当該清浄対象領域の内部に流入することを防止するバリア気流を生成するバリア気流生成手段と、
    前記対向配置された送風手段の相互間における前記帯状体の上方に、水平面に沿って配置される天板、又は前記対向配置された送風手段の相互間における前記帯状体の下方に、水平面に沿って配置される底板と、を備え、
    前記一対の送風手段から送風された気流が前記清浄対象領域で相互に衝突した後の当該気流の進行方向と、前記バリア気流生成手段にて生成された前記バリア気流が相互に衝突した後の当該バリア気流の進行方向とが相互に一致し、
    前記天板又は前記底板は、前記天板又は前記底板と前記帯状体との間の清浄空気を、前記天板又は前記底板を介して前記清浄対象領域の外側に排出する排出手段を備える、
    局所清浄システム。
  2. 前記バリア気流生成手段を、前記送風手段の上端部及び下端部に配置した、
    請求項1に記載の局所清浄システム。
  3. 前記清浄対象領域の上方又は下方に配置された吸気手段であって、少なくとも、前記清浄対象領域に対して吸気を行うことで前記清浄領域を上方又は下方に拡張する吸気手段を備える、
    請求項1又は2に記載の局所清浄システム。
  4. 前記バリア気流生成手段を、前記天板又は前記底板が配置された端部と逆側の端部に設け、
    前記送風手段の前記天板又は前記底板が配置された端部の近辺における送風速度を、前記送風手段の前記バリア気流生成手段が配置された端部の近辺における送風速度よりも小さくした、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の局所清浄システム。
  5. 前記天板又は前記底板は、前記清浄対象領域の内部のいずれかの位置又は前記清浄対象領域に接する位置に配置され、
    前記帯状体を、前記天板と前記清浄対象領域の底面との中間地点よりも前記天板寄りに配置した、あるいは、前記帯状体を、前記底板と前記清浄対象領域の上面との中間地点よりも前記底板寄りに配置した、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の局所清浄システム。
  6. 前記送風手段は、ファンフィルタユニットである、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の局所清浄システム。
  7. 前記バリア気流生成手段は、前記送風手段の上下又は側方のいずれかの端部の送風方向を、前記送風手段を基点として当該送風手段から離れる程、前記帯状体から遠ざかる向きに所定角度だけ傾けるように配置されたノズルを備える、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の局所清浄システム。
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