以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(チャンネル設定制御:配置ルールに基づいてチャンネルを設定する例)
2.第2の実施の形態(チャンネル設定制御:音声データおよび字幕データのそれぞれを異なる形式により送信する例)
3.第3の実施の形態(チャンネル設定制御:WiFi干渉を考慮して入替対象となるチャンネルを設定する例)
4.第4の実施の形態(チャンネル設定制御:チャンネルアサインとして、A、B、Cを用いる例)
5.第5の実施の形態(チャンネル設定制御:複数階の各フロアに配置されている各空間についてチャンネルを設定する例)
6.変形例
<1.第1の実施の形態>
[通信システムの構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における通信システム100のシステム構成を示すシステム構成図である。
通信システム100は、例えば、区切られた空間が多数集まっている場所であって、それぞれの空間において個別に無線通信を同時に行う場所において設置されるシステムである。なお、区切られた空間は、例えば、壁により仕切られている空間であり、壁により完全に閉じられている空間または壁の一部が空いている空間を含む。また、これらの場所は、例えば、シネプレックス(いわゆる、複合型映画館(例えば、複数のスクリーンが存在して同時に興業される映画館))、同一施設内に複数設けられている会議室、カラオケボックスである。
本技術の第1の実施の形態では、通信システム100がシネプレックス30に設置されている場合を例にして説明する。なお、シネプレックス30の施設内には、Nの映画館(第1映画館10乃至第N映画館20)が存在するものとし、各映画館には、映写機11、21およびスクリーン12、22が設置されているものとする。また、第1映画館10および第N映画館20以外の映画館については、その図示を省略する。
通信システム100は、情報処理装置200と、送信機300、311と、受信機400乃至404とを備える。送信機300、311は、映写機11、21の近くに映画館毎に設置されている。また、受信機400乃至404は、映画鑑賞を行う観客が所持する。情報処理装置200は、例えば、パーソナルコンピュータにより実現される。なお、情報処理装置200と、送信機300、311と、受信機400乃至404との関係については、図2を参照して詳細に説明する。
図2は、本技術の第1の実施の形態における通信システム100のシステム構成を示すシステム構成図である。図2では、図1に示す通信システム100のうち、第1映画館10に関する構成のみを示すが、第1映画館10以外の映画館に関する構成についても同様である。
通信システム100において、情報処理装置200および送信機300は、有線回線または無線回線を介して接続される。ただし、情報処理装置200および送信機300を無線回線を介して接続する場合には、送信機300と受信機400乃至402との間で無線通信が行われている間には、情報処理装置200および送信機300の間では無線通信を行わないようにすることが好ましい。
受信機400乃至402には、ヘッドホン120、121または字幕表示メガネ130が接続されている。例えば、映写機11から投射されてスクリーン12に映し出される映像を座席15に座って見る場合に、受信機400を所持する観客141は、ヘッドホン120を装着してヘッドホン120からの音を聞くことができる。また、例えば、映写機11から投射されてスクリーン12に映し出される映像を座席13に座って見る場合に、受信機401を所持する観客142は、字幕表示メガネ130を装着して字幕表示メガネ130に表示される字幕を見ることができる。なお、ヘッドホン120、字幕表示メガネ130については、図3を参照して詳細に説明する。
[受信機に接続されるヘッドホンおよび字幕表示メガネの構成例]
図3は、本技術の第1の実施の形態における受信機400、401に接続されるヘッドホン120および字幕表示メガネ130の外観を簡略化して示す外観構成図である。
図3のaには、受信機400に接続されるヘッドホン120の外観を示す。ヘッドホン120は、音声出力制御部122を備える。
音声出力制御部122は、有線回線を介して受信機400と接続され、受信機400から出力される音声データを順次取得する。そして、音声出力制御部122は、受信機400から出力される音声データに基づいて、ヘッドホン120から出力される音声出力の制御を行う。なお、受信機400から出力される音声データは、送信機300から送信された音声データである。
図3のbには、受信機401に接続される字幕表示メガネ130の外観を示す。字幕表示メガネ130は、表示出力制御部131を備える。なお、字幕表示メガネ130は、レンズ132および133の下部に字幕表示領域134および135が設けられている。すなわち、字幕表示メガネ130を装着している観客142は、レンズ132および133を介してスクリーン12に映し出される映像を見ることができるとともに、字幕表示領域134および135に表示される字幕を見ることができる。
表示出力制御部131は、有線回線を介して受信機401と接続され、受信機401から出力される字幕データを順次取得する。そして、表示出力制御部131は、受信機401から出力される字幕データに基づいて、字幕表示メガネ130の字幕表示領域134および135に表示される字幕の表示制御を行う。なお、受信機401から出力される字幕データは、送信機300から送信された字幕データである。
[IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.15.4標準規格]
ここで、本技術の実施の形態で用いるIEEE802.15.4標準規格について説明する。IEEE802.15.4標準規格は、低速かつ短距離のネットワーク通信をターゲットとしており、電力消費を小さくすることができることを特徴とする。また、ZigBeeは、IEEE802.15.4規格をMAC層として採用している。
また、IEEE802.15.4方式では、周波数2.4GHz帯においてはRFデータレートとして250kbpsが定義されている。一方、IEEE802.15.4準拠としては、さらに高速な500kbps、667kbps、1Mbps等を設定することができる。ただし、高速の場合には、IEEE802.15.4規格外となるため、IEEE802.15.4準拠となる。
また、IEEE802.15.4方式は、短距離のネットワークをターゲットとしているが、長距離通信もサポートしているものが存在する。
[情報処理装置の機能構成例]
図4は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置200の機能構成例を示すブロック図である。
情報処理装置200は、操作受付部210と、チャンネル情報記憶部220と、配置情報記憶部230と、決定部240と、制御部250と、通信部260と、検出部270とを備える。
操作受付部210は、各種入力操作を受け付けるものであり、受け付けられた操作内容を制御部250に出力する。例えば、映画館の配置に関する情報や、受信機に妨害波が発生している旨の情報が入力される。例えば、映画館の配置に関する情報が入力された場合には、その情報が決定部240によるチャンネル配置の決定に用いられる。
チャンネル情報記憶部220は、各空間に配置されるチャンネルに関する情報(チャンネル情報)を記憶する記憶部であり、記憶されているチャンネル情報を決定部240に供給する。例えば、チャンネル情報記憶部220には、チャンネルアサインに関する情報(例えば、図9に示す)が記憶される。
配置情報記憶部230は、決定部240により決定されたチャンネル配置に関する情報(配置情報)を記憶する記憶部であり、記憶されている配置情報を制御部250および決定部240に供給する。例えば、配置情報記憶部230に記憶される配置情報は、例えば、図10のa乃至fに示す配置に関する情報である。すなわち、複数の空間の配置と、これらの各空間に配置されたチャンネルとが関連付けて配置情報記憶部230に記憶される。
決定部240は、所定規則(基本配置ルールおよび推奨配置ルール)に基づいて各空間(例えば、第1映画館10、…、第N映画館20)において使用すべきチャンネルを空間毎に決定するものであり、決定された配置情報を配置情報記憶部230に記憶させる。これらの決定は、制御部250の指示に基づいて行われる。また、その決定に用いられる所定規則は、図10および図11を参照して詳細に説明する。
例えば、決定部240は、同一チャンネル(第1チャンネル)を複数の空間において使用する場合には、第1チャンネルが使用される空間(第1空間および第2空間)が所定距離だけ離れるようにチャンネルを決定する。この例については、図10および図11を参照して詳細に説明する。
ここで、例えば、複数の空間の数が近距離無線通信に用いることが可能なチャンネル数を超える場合を想定する。この場合には、決定部240は、複数の空間において使用すべきチャンネルを空間毎に決定するとともに、近距離無線通信に用いられる通信速度として複数の通信速度をチャンネル毎に設定する。この例については、図20乃至図23を参照して詳細に説明する。
また、例えば、決定されたチャンネルを使用して近距離無線通信を行う無線通信装置(例えば、送信機300、受信機400)のうちから所定の妨害波を受信する無線通信装置が存在する空間(第1空間)が検出部270により検出された場合を想定する。この場合に、決定部240は、その第1空間において所定の妨害波からの影響を受けにくいチャンネルを候補チャンネルとして所定規則に基づいて決定する。ここで、候補チャンネルは、複数の空間の何れかの空間において使用すべきチャンネルとして決定されているチャンネル、または、複数の空間の何れの空間においても未使用となっているチャンネルである。そして、決定部240は、その第1空間について決定されたチャンネル(第1チャンネル)が決定されている全ての空間について、その候補チャンネルを新たに使用すべきチャンネルとして決定する。この例については、図12、図13を参照して詳細に説明する。なお、その第1空間の検出は、ユーザによる入力操作により行うようにしてもよい。
また、例えば、決定部240は、各空間において使用すべきチャンネルおよびその通信速度として1つの空間に複数の通信速度を決定する。この例については、図20乃至図23を参照して詳細に説明する。
また、例えば、決定部240は、各空間において使用すべきチャンネルとして1つの空間に複数のチャンネルを決定する。この例については、図20乃至図23を参照して詳細に説明する。
このように、決定部240は、複数の空間における各空間内において、複数の無線通信装置を使用して近距離無線通信を同時に空間毎に行う場合に、所定規則に基づいて各空間において使用すべきチャンネルを空間毎に決定する。また、決定部240は、複数の空間の数に基づいて必要となる近距離無線通信に係るチャンネル数が、設定可能な近距離無線通信に係るチャンネル数を超える場合に、これらの決定を行うようにしてもよい。この場合には、例えば、複数の空間のうちの少なくとも2つの空間に設置されている各送信機に、同一周波数となるチャンネルが所定規則に基づいて設定される。
制御部250は、無線通信装置が使用される空間に応じて、決定部240により決定されたチャンネルを、その無線通信装置に設定するための制御を行う。例えば、制御部250は、配置情報記憶部230に記憶されている配置情報(決定部240により決定されたチャンネル配置に関する情報)に基づいて、所定のチャンネルの設定を各受信機に通信部260を介して行う。また、制御部250は、例えば、所定のチャンネルの設定を行うための指示情報(例えば、図10に示す配置情報)を出力して、ユーザに所定のチャンネルの設定を行わせるようにしてもよい。また、受信機の設定については、通信部260を介して接続することにより制御部250が自動で行うようにしてもよく、ユーザに行わせるようにしてもよい。
通信部260は、制御部250の制御に基づいて、送信機300、…、311との間で各種情報の送受信を行うものである。また、通信部260は、各受信機との間で各種情報の送受信を行うようにしてもよい。
検出部270は、決定部240により決定されたチャンネルを使用して近距離無線通信を行う無線通信装置のうちから所定の妨害波を受信する無線通信装置が存在する空間を検出するものであり、検出結果を制御部250に出力する。例えば、送信機(送信機300、…、311)は、受信機により取得された推定結果(妨害電波の推定結果)を、同一空間内の各送信機から定期的または不定期に受信する。また、送信機(送信機300、…、311)は、その受信により取得された推定結果(配置されている空間に関する情報(空間を特定するための情報)を含める)を、情報処理装置200に送信する。また、検出部270は、送信機(送信機300、…、311)から送信された推定結果(妨害電波の推定結果)を通信部260を介して取得して、所定の妨害波を受信する無線通信装置を特定する。そして、検出部270は、所定の妨害波を受信する無線通信装置の推定結果を出力した送信機を特定し、この送信機が配置されている空間を検出する。なお、検出方法(妨害電波の推定方法)については、以下に、推定方法(1)および推定方法(2)として示す。また、ユーザによる操作入力(ユーザ観察により発見した旨の入力)に基づいて、その検出を行うようにしてもよい。この場合には、制御部250が、操作受付部210により受け付けられた操作入力に基づいて、その検出を行う。
[送信機の内部構成例]
図5は、本技術の第1の実施の形態における送信機300の内部構成例を示すブロック図である。なお、他の送信機(送信機311等)については、送信機300の内部構成と同様であるため、ここでの説明を省略する。また、図5では、2つの独立した情報(例えば、音声データおよび字幕データ)を無線伝送するため、RF(Radio Frequency)モジュールを2つ備える送信機の例を示す。
送信機300は、CPU(Central Processing Unit)301と、SRAM(Static Random Access Memory)302と、操作受付部303と、PHY(物理層)トランシーバ304とを備える。また、送信機300は、イーサネット(登録商標)インターフェース305と、デジタルオーディオレシーバ306と、DAC(D/Aコンバータ)307と、オーディオコーデックADC(A/Dコンバータ)308とを備える。また、送信機300は、第1RFモジュール309と、第2RFモジュール310とを備える。
CPU301は、各種プログラムに基づいて、送信機300の各部を制御するものである。例えば、CPU301は、操作受付部303により受け付けられたチャンネル切替入力や速度切替入力に基づいて、第1RFモジュール309および第2RFモジュール310について切替処理を行う。この場合には、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter(非同期シリ・パラ変換送受信インターフェース))により制御される。
SRAM302は、バスを介してCPU301に接続されるメモリであり、CPU301が各種制御を行うファームウエア等を格納する。
操作受付部303は、無線チャンネルの選択操作や各種入力操作を受け付けるものであり、受け付けられた操作内容をCPU301に出力する。
PHY(物理層)トランシーバ304は、イーサネットインターフェース(例えば、Ethernet(登録商標) rj-45)305を介してデータ(例えば、字幕データ)を受け付けるものであり、受け付けられたデータをCPU301に出力する。なお、CPU301およびPHY(物理層)トランシーバ304は、RMII(Reduced Media Independent Interface(イーサネットにおける物理層と論理層を繋ぐインターフェース))を介して接続される。また、CPU301は、受け付けられたデータをGPIO(汎用入出力)により第2RFモジュール310に出力する。
デジタルオーディオレシーバ306は、音声データ(デジタル信号)を受け付けるものであり、受け付けられた音声データ(デジタル信号)をDAC307を介してオーディオコーデックADC308に出力する。
DAC307は、デジタルオーディオレシーバ306から出力された音声データ(デジタル信号)をアナログ信号に変換するD/Aコンバータであり、変換後の音声データ(アナログ信号)をオーディオコーデックADC308に出力する。
オーディオコーデックADC308は、音声データ(アナログ信号)を受け付け、その音声データ(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/Dコンバータであり、変換後の音声データ(デジタル信号)を第1RFモジュール309に出力する。なお、オーディオコーデックADC308および第1RFモジュール309は、I2S(Inter-IC Sound(音声データ通信用のシリアルインターフェース)通信により接続される。
第1RFモジュール309および第2RFモジュール310は、CPU301の制御に基づいて無線通信処理を行うRFモジュールである。具体的には、第1RFモジュール309は、音声データに関する送信処理を行い、第2RFモジュール310は、字幕データに関する送信処理を行う。なお、第1RFモジュール309および第2RFモジュール310と、CPU301とは、UARTを介して接続される。また、字幕データは、PHY(物理層)トランシーバ304により受け付けられた字幕データが、CPU301から第1RFモジュール309に出力される。
なお、送信機300に入力されるデータ(例えば、音声データおよび字幕データ)は、例えば、映写機11から出力される。また、送信機300に入力される制御データは、有線回線を介して情報処理装置200から出力される。
[送信機の機能構成例]
図6は、本技術の第1の実施の形態における送信機300の機能構成例を示すブロック図である。なお、他の送信機(送信機311等)については、送信機300の機能構成と同様であるため、ここでの説明を省略する。また、図6では、図5に示す送信機300に対応するRFモジュールを2つ備える送信機の例を示す。
送信機300は、制御部320と、入力処理部321と、第1RFモジュール実行部330と、第2RFモジュール実行部340とを備える。また、第1RFモジュール実行部330は、パケット構成部332と、ID付加部333と、再送制御部334と、RFチャンネル設定部335と、送信部336とを備える。また、第2RFモジュール実行部340は、パケット構成部342と、ID付加部343と、再送制御部344と、RFチャンネル設定部345と、送信部346とを備える。なお、第1RFモジュール実行部330および第2RFモジュール実行部340は、略同様であるため、以下では、共通する部分の説明の一部を省略する。
制御部320は、入力処理部321と、パケット構成部332、342と、ID付加部333、343と、再送制御部334、344と、RFチャンネル設定部335、345と、送信部336、346とのそれぞれを制御するものである。
入力処理部321は、制御部320からの制御情報に基づいて、字幕データ、デジタル音声データ、アナログ音声データの何れかを出力するために、入力の切り替え等を行う処理を行うものである。
パケット構成部332と、ID付加部333と、再送制御部334とは、無線伝送を行う際に必要な形式のパケットを生成するものである。具体的には、パケット構成部332は、入力処理部321から供給されるデータ列を、所定の大きさのパケットサイズにまとめる。また、ID付加部333は、パケット構成部332により生成されたパケットについて必要なヘッダ情報を付加する。このヘッダ情報は、例えば、IEEE802.15.4準拠のヘッダ情報である。また、ヘッダ情報として、完全同一チャンネル(同一周波数かつ同一速度)を識別することができるID情報が付加される。このように、各データのそれぞれには、識別情報が付与される。このため、各受信機は、データ毎に付与されている識別情報によりそのデータを識別する。
再送制御部334は、パケット構成部332によりパケット化されたデータについて、必要に応じてパケットの再送処理を行うものである。ここで、再送回数は、例えば、伝送路の転送速度を考慮して決定される。例えば、設定される速度が250kbpsである場合を想定する。この場合において、構成されたパケットが音声データの60kbpsサイズである場合には、再送回数として、最大3回(最初の送信1+再送3=合計4回同一パケットが送られる)を設定することができる。また、字幕データは、一般に、さらに小さなパケットサイズで構成することができるため、その速度の範囲(250kbps)で再送回数を調整することができる。なお、この際に、パケットを送付する際に必要な時間(すなわち、送信することができない時間)を考慮する場合がある。これは、ハードウエアとしてモジュール性能に依存する部分等のためである。なお、送信機300は、音声データについては再送処理を行わず、字幕データについてのみ再送処理を行うようにしてもよい。
RFチャンネル設定部335は、制御部320からの制御情報に基づいて、所定のRFチャンネルを設定するものである。
送信部336は、再送制御部334により再送回数が制御されたパケットを、アンテナを通して出力される。この場合に、RFチャンネル設定部335により設定されたチャンネルが選択され、所定の速度が選択されてパケットがアンテナを介して送信される。
ここで、チャンネルは、例えば、IEEE802.15.4準拠のチャンネルであり、11〜26までのチャンネルの何れか1つが設定される。また、速度は、例えば、250kbps、500kbps、667kbps、1Mbps、2Mbps等である。ここで、速度が異なる2つについて、これに伴って受信側においても検出回路を変更することより、お互いを検出することができない関係とすることができる。
ここで、制御部320は、イーサネットインターフェース305(図5に示す)を介して入力された制御情報に基づいて、チャンネルおよび速度を切り替える形式とすることができる。例えば、図1に示すように、複数の映画館が存在する場合に、これらに設置されている複数の送信機をイーサネットを通して相互に接続して、配置に関する情報を相互交換して設定することができる。
また、制御部320は、操作受付部303(図5に示す)により受け付けられた操作内容に基づいてチャンネルおよび速度を切り替える形式としてもよい。
このように、本技術の第1の実施の形態では、音声データと字幕データの異なる2方式のデータを送信する。すなわち、送信機300は、音声データおよび所定データのうちの少なくとも一方を受信機に送信する。また、図5、図6に示す構成とすることにより、音声データと字幕データの異なる2方式のデータを同時に送信することができる。すなわち、同一周波数・異なる方式を有するチャンネルを含み、同時に複数通りのデータ(異なる2方式のデータ)を送信することが可能な送信機を構成することができる。ただし、音声データと字幕データの異なる2方式のデータを切り替えることにより、順次送信するようにしてもよい。この例については、変形例で示す。
また、音声データの入力として、アナログ信号の入力およびデジタル信号の入力を行う例を示したが、デジタル信号の入力については、イーサネットインターフェース305を介して入力するようにしてもよい。このように、イーサネットインターフェース305を介して音声データ(デジタル信号)を入力する場合には、PHYトランシーバ304およびCPU301を介して音声データを得ることができる。この場合には、CPU301から第1RFモジュール309へのデータ線を介して所定の形式(例えば、I2Sインターフェースの形式)で接続することができる。なお、そのデータ線は、例えば、GPIO(General Purpose Input/Output:CPUからの一般入出力インターフェース)とすることができる。また、CPU301から所定の形式でDAC307に信号を接続するようにしてもよい。
ここで、送信機および受信機間の接続は、例えば、通常のIEEE802.15.4規格に従って行うようにする。また、本技術の第1の実施の形態では、送信機300は、ブロードキャスト送信を行う。このブロードキャスト送信は、受信機からのACK情報を返すことなく、送信機から一方通行でデータ通信を行う送信である。このように、ブロードキャスト送信を行うことにより、ある空間内における送信機からのデータを、多数の受信機が個別かつ同時に受信することができる。なお、受信機が多数存在しないような場合には、ブロードキャスト送信ではなく、ACK等で双方が通信確認を行うようにしてもよい。
[受信機の内部構成例]
図7は、本技術の第1の実施の形態における受信機400の内部構成例を示すブロック図である。なお、他の受信機(受信機401等)については、受信機400の内部構成と同様であるため、ここでの説明を省略する。また、図7では、RFモジュールを1つ備える送信機の例を示す。
受信機400は、CPU411と、操作受付部413と、RFモジュール414と、オーディオコーデックDAC415と、インターフェース416、421、422とを備える。また、受信機400は、FPGA(Field Programmable Gate Array)417と、LVDS(Low voltage differential signaling)420と、表示部423と、表示装置425とを備える。また、受信機400は、PHY(物理層)トランシーバ426と、イーサネットインターフェース427とを備える。
CPU411は、各種プログラムに基づいて、受信機400の各部を制御するものである。例えば、CPU411は、変換テーブル412を備え、表示に関する各変換に必要となる変換テーブル412の情報に基づいて表示形式の変換を行う。また、CPU411は、表示に関する各変換情報をFPGA417のRAM419に供給する。ただし、必要に応じてFPGA417によるデータ変換処理が行われる。なお、CPU411およびFPGA417は、SPI(Serial Peripheral Interface:同期式シリアル通信インターフェース)により接続される。
操作受付部413は、各種入力操作を受け付けるものであり、受け付けられた操作内容をCPU411に出力する。
オーディオコーデックDAC415は、RFモジュール414から音声データ(デジタル信号)を受け付け、その音声データ(デジタル信号)をアナログ信号に変換するD/Aコンバータである。そして、オーディオコーデックDAC415は、変換後の音声データ(アナログ信号)をインターフェース416を介して外部に出力する。例えば、図3のaに示す音声出力制御部122に出力される。
RFモジュール414は、CPU411の制御に基づいて無線通信処理を行うRFモジュールである。また、RFモジュール414およびCPU411は、UARTにより接続される。また、RFモジュール414は、I2S通信により音声データ(デジタル信号)をオーディオコーデックDAC415に出力する。
FPGA417は、データ変換部418を備え、表示に関する各データ変換処理を行うものであり、変換後の情報をLVDS420、424を介して表示装置425に出力する。なお、LVDS420、424は、短距離用デジタル有線伝送差動インターフェースである。また、このLVDSインターフェースは、表示装置が一体されていない場合における伝送例であり、有線での表示部423への接続を実現する例である。
表示装置425は、所定の表示方法により各種情報を表示するものである。なお、表示に関するデータ(字幕データ)を、例えば、図3のbに示す表示制御部131に出力するようにしてもよい。
PHYトランシーバ426は、イーサネットインターフェース(例えば、Ethernet rj-45)427を介してデータ(例えば、制御データ)を受け付けるものであり、受け付けられたデータをCPU411に出力する。なお、CPU411、PHYトランシーバ426およびイーサネットインターフェース427については、図5に示すCPU301、PHYトランシーバ304およびイーサネットインターフェース305に対応するため、ここでの詳細な説明を省略する。例えば、PHYトランシーバ426は、イーサネットインターフェース427を介して情報処理装置200に接続され、情報処理装置200から出力される制御データ(例えば、チャンネル切替信号)を受け付ける。なお、本技術の実施の形態では、PHYトランシーバ426およびイーサネットインターフェース427を備える受信機400を例にして説明するが、PHYトランシーバおよびイーサネットインターフェースを省略するようにしてもよい。この場合には、受信機400は、ユーザ操作によりチャンネル切替を行うようにしてもよく、また、情報処理装置200からの制御データを送信機300を介して取得して、その制御データに基づいてチャンネル切替を行うようにしてもよい。
[受信機の機能構成例]
図8は、本技術の第1の実施の形態における受信機400の機能構成例を示すブロック図である。なお、他の受信機(受信機401等)については、受信機400の機能構成と同様であるため、ここでの説明を省略する。また、図8では、図7に示す受信機400に対応するRFモジュールを1つ備える送信機の例を示す。
受信機400は、制御部430と、RFモジュール実行部440と、デコード部446と、表示部447と、出力部448とを備える。また、RFモジュール実行部440は、受信部441と、RFチャンネル設定部442と、ID識別部443と、再送制御部444と、バッファ処理部445とを備える。
制御部430は、各部を制御するものであり、例えば、図7に示すCPU411およびFPGA417に対応する。例えば、制御部430は、RFチャンネル設定、ID、再送制御に関する情報を保持して、これらの各情報を各部に出力する。
受信部441は、アンテナから受信される信号から、RFチャンネル設定部442により設定されたRFチャンネルに基づいてその周波数およびその方式により受信を検出する。ただし、受信対象とは異なる方式または速度における送信信号を受信検出することはできない。また、同一周波数であって、他の異なる速度の送信信号は妨害波となって、その送信信号は妨害波として影響を及ぼすおそれがある。
また、受信部441により検出された受信信号は、所定の復調処理によりパケット情報に復元される。そして、ID識別部443は、そのIDを参照して、それが指定されたIDであるか否かを判断する。指定されたIDである場合には、バッファ処理部445は、その受信したデータをバッファメモリに格納する。ここで、パケット再送処理がある場合には、複数回送信された同一パケットのうち、どれか1つのパケットが正しく読み取れていれば、バッファメモリへの格納が行われる。なお、バッファメモリは、送信部と受信部441のクロックが製造誤差の微小範囲でずれている場合があるため、必要に応じてオーバーランやアンダーランの処理を行うために十分な大きさを有しておく。このようにして、音声データ等の連続した情報の送受信を好適に行うことができる。
デコード部446は、各データについてデコードを行い、デコードされた各データを表示部447や出力部448に出力する。
このように、送信のために分解されたデータが復元され、アナログ音声出力や表示部447への表示等が行われる。
ここで、受信機400は、RFモジュールが1つであるため、字幕データの無線を受信するか、音声データの無線を受信するかを切り替える必要がある。この切り替え制御は、例えば、CPU411で行うようにしてもよく、RFモジュール414のメモリに保持させるようにしてもよい。さらに、他の例として、インターフェース421をコネクタにより分離できるようにしておき、コネクタが差し込まれたことを検出したときに字幕データを選択するようにしてもよい。
[混信と妨害の定義]
ここで、混信と妨害について説明する。本技術の第1の実施の形態では、上述したように、多数同時運用を想定している。
ここで、IEEE802.15.4準拠である場合(すなわち、IEEE802.15.4が必須ではなく、無線方式として互いが検出しない同一チャンネルを有するものであれば、規格を問わない)を想定する。この場合には、ZigBee(以下、ZBと称することもある。)のZB11〜ZB26となるため、例えば、配置すべき空間が20を超える場合等には、完全同一のチャンネルとなることがある。ここで完全同一とは、ZBチャンネルが同一であり、かつ、速度が同一であり、互いが検出することのできる状態であることを意味する。
また、送信機および受信機を備える通信システムによっては、IDについても一致した状態で運用されることも想定される。この場合には、例えば、実際の動作として、自分と完全同一である送信機から、関係の無い音声が聞こえてくることも想定される。これを混信と定義する。この混信については、比較的短時間に発生するようにことがあっても、その発生自体が大きな問題となる。
一方、完全同一チャンネルであるがIDが異なっている場合、または、同一チャンネルであるが速度が異なるため、互いに検出することができない状態である場合を想定する。この場合には、設定されたチャンネルにおいて、関係無い音声が入ってくることは無い。しかしながら、IDを検出して除外する工程において、自己の検出信号を邪魔する電波が発生することがある。そこで、これらを妨害と定義する。
このように、本技術の第1の実施の形態では、完全に同一のチャンネルによって、他の空間からの音声等が聞こえてしまう状態を混信と定義する。また、所定のチャンネルにおける周波数帯を、不要な自らのまたは他の無線システムと共有し、何らかの影響を受けている状態を妨害と定義する。
[混信および妨害の影響の違いと壁透過3dB減衰について]
混信は、IDが同一となるものが多数運用システム内に存在する場合において、わずかな入力でも影響がある。例えば、モジュール仕様における感度を参考にすることができる。ただし、実際の使用時においては、周辺妨害波等の環境のため、モジュール仕様記載の感度よりは低下するが、例えば、−90dBm程度においては途切れながらでも検出することができることもある。すなわち、上述した程度の入力に対して混信問題が発生してしまう可能性がある。
例えば、送信パワーを0dBmとし、自由空間で320m距離の場所においては、感度は−90dBmとなる。すなわち、受信機から見て、相手ではない送信機からの距離が、見通しでは320mよりも近い場合に、混信の恐れがあると言える。なお、これらの経路計算については、以下の計算例で示す。
ここで、妨害は、上述したように、検出されることがない邪魔な電波である。このため、混信とは異なり、自らの電波が純粋に検出することができればよいことになる。例えば、5dB程度のレベル差がある場合に、他との識別が可能となる。これは、受信機から見て、自己の相手である送信機からの電波強度と、相手ではない送信機からの電波強度との必要な差である。
例えば、送信パワーを0dBmとし、自由空間で、自己の受信機が25mの位置にある場合に、相手ではない送信機が45mの位置よりも遠い場合には、通信可能となる。
ここで、本技術の第1の実施の形態は、多数同時運用システムであるが、それぞれが区切られた空間であることが前提である。上述したように、妨害では、送信機の距離関係により、妨害の発生が想定できるが、同一空間では、定義が困難である。
例えば、一般的な部屋の敷居が石膏ボードとする場合に、常識的な厚さである40mm時の透過減衰として、−3dB(ガラスの場合において、ほぼ−3dB)を考慮することとする。ここで、コンクリートの壁であったり、金属を含む壁であったりすれば、透過減衰はさらに大きい。
[経路品質係数を用いた到達距離の推定計算例]
混信および妨害の到達距離を推定するために、パスロス(Path Loss)の計算式について説明する。
一般に、無線LANのパスロス計算式として、実験的に求められた次の式が知られている。
PathLoss[dB]=20×log(f)+10×n×log(d)−28.0
なお、dは、伝搬距離(m)であり、fは、周波数(MHz)であり、nは、経路品質係数である。
ここにおいて、fは2.4GHz帯であるから、簡単のためにf=2450(2.45GHz)とすると、次の式1に示すように、nおよびdに基づいてパスロスを求めることができる。
PathLoss=39.78+10×n×log(d)…式1
ここで、通常使われる「到達距離」ではn=2である。以下では、経路品質係数の一例を示す。
2.0=見通しの良好な室外(自由空間とも言われる)
2.5=電波伝搬環境の良い室内
3.0=電波伝搬環境のあまり良くない室内
4.0=電波伝搬環境のかなり悪い室内
次に、最大到達距離(外来ノイズ(noise)を考慮しない場合)について説明する。例えば、受信電力は、次の式2により求めることができる。
受信電力[dBm]=送信pwr−PathLoss…式2
ここで、通常使われる経路品質係数は、n=2.0である。また、受信=−100dBm、送信pwr=0dBmとする場合には、式1、式2より、最大通信可能距離dを求めることができる。
100=39.78+10×n×log(d)
d=10^(100−39.78/(10×n))=10^(3.011)=1025[m]
すなわち、自由空間では、受信電力が−100dBmである場合には、最大通信可能距離が約1000mとなる。
また、例えば、石膏ボードについては、1枚当たりの透過減衰は、−3dBm(40mm厚)とすることができ、ガラス(フロート板ガラス)については、1枚当たりの透過減衰は、−2.7dBm(10mm厚)とすることができる。さらに、コンクリートについて、床を想定した100mm厚における透過減衰は、約15dBである。
[アサインテーブルの構成例]
図9は、本技術の第1の実施の形態における通信システム100において設定されるチャンネルの一例を示す図である。
本技術の第1の実施の形態では、チャンネルアサインは、IEEE802.15.4準拠のZB11チャンネルから26チャンネルに対して行うこととし、チャンネル設定を行う送信機および受信機の組み合わせは全部で32通りとする。なお、以下では、ZB11チャンネルをZB相当11ch等と称することもある。
ここで、ZigBeeアサインでは、16通りしか与えることができないため、図9に示すように、32通りを大きく2つに分け、それぞれをA1乃至A16、B1乃至B16と称する。
また、A系列(A1乃至A16)には速度Aを設定し、B系列(B1乃至B16)には速度B(ただし、速度B≠速度A)を設定する。ここで、速度A、Bとして、例えば、250kbps、500kbps、667kbps、1Mbps、2Mbpsのうちから2つを選択して設定することができる。
また、A系列(A1乃至A16)およびB系列(B1乃至B16)は、同一番号(例えば、A1とB1)では同一のZBチャンネルとなる。しかしながら、同一番号(例えば、A1とB1)のZBチャンネルであっても、互いに速度が異なるため、これらは互いを検出することができない関係となる。なお、図9に示すように、32通りのそれぞれにID(PAN−ID)を付与するようにしてもよい。図9では、各ZBチャンネルに2バイトからなるID番号を付与する例を示す。
[チャンネルの配置例]
図10および図11は、本技術の第1の実施の形態における通信システム100におけるチャンネルの配置例を示す図である。図10には、上述したように、複数の仕切られた空間が隣接している場合において、同一周波数でありながら互いに検出しあわない関係にあるチャンネルを含む場合における配置例を示す。また、これらの配置の決定については、決定部240による配置決定処理により行われる。
上述したように、隣接している複数の仕切られた空間に複数のチャンネルを配置する場合において、適切でないチャンネル配置を行うと、他の空間からのチャンネルの影響により、妨害または混信を受けるおそれがある。このため、隣接している複数の仕切られた空間に複数のチャンネルを配置する場合には、所定ルールに基づいてチャンネルを配置する必要がある。
ここで、設定可能なチャンネルは、図9に示すA1乃至A16、B1乃至B16の32通りであるものとする。また、使用していないチャンネルが存在しても構わないものとする。
また、次の(1)乃至(3)に、チャンネル配置の原則的なルール(基本配置ルール)を示す。
(1)完全に同一のチャンネル(例えば、A1とA1)は、できる限り使用しない。ただし、完全に同一のチャンネルを使用する必要がある場合には、完全に同一のチャンネルをできるだけ遠方に配置する。
(2)複数の仕切られた空間が一列に配置されている場合には、同一の数字(例えば、A1とA1、A1とB1)がすぐ隣に並ばないように配置する。このため、例えば、A1、A2、A3、A4、…のように、数字の順序でアサインすることが好ましい。
(3)複数の仕切られた空間が二列に配置されている場合には、同一の数字(例えば、A1とA1、A1とB1)がすぐ隣に並ばないように配置する点(上述した(2))以外に、前後または斜めにおいてもすぐ隣に並ばないように配置する。
ここで、二列に配置されている複数の仕切られた空間において、安定した無線システムのため、次の(4)乃至(7)に、推奨する配置ルール(推奨配置ルール)を示す。
(4)完全同一となるAnとAn(例えば、A1とA1)、または、BmとBm(例えば、B4とB4)を空間内に配置する場合には、なるべく離して配置する。また、二列に配置する場合には、完全同一となるAnとAn(例えば、A1とA1)、または、BmとBm(例えば、B4とB4)を異なる列になるように配置する。
(5)未使用チャンネルを確保しておく。この場合に、未使用チャンネルは、対の関係で確保しておく(例えば、A6とB6)。この対の関係で確保しておく未使用チャンネルの使用例については、図12を参照して詳細に説明する。
(6)AnとBmにおいて、(n=m)の関係にある場合(例えば、A1とB1)には、AnとBmは空間の左右、前後、斜め、または、上下階において近接させないように配置し、さらに、AnとBmが異なる列となるように配置する。
(7)二列に配置されている複数の仕切られた空間に配置する場合において、AnとBmのnとmの関係については、その値を3または4だけずらした対抗の配置で開始し、インクリメントしていく。さらに、その値について片方が設定値の上限に達したら、値=1に戻し、同様に進めていく。このようにすれば、完全に同一とならないAnとBmの配置を、一かたまりの群とすることができる。
なお、基本配置ルールおよび推奨配置ルールを合わせて、配置ルールと称する。
図11のaには、(1)乃至(3)の基本配置ルールを守っていない場合における無線チャンネルの配置例を示す。図11のaでは、複数の仕切られた空間が二列に配置されている場合における無線チャンネルの配置例を示す。なお、図11のaに示す矩形は、仕切られた1つの空間を簡略化して示すものである。また、各矩形内に示す符号は、その空間に配置された無線チャンネルの種類を示す。なお、内部に斜線を付した矩形は、(1)乃至(3)の基本配置ルールを守っていない空間を意味するものとする。
例えば、図11のaに示す上側の一列を構成する各空間のうち、真ん中の2つの空間(A2、B2)は、(3)の基本配置ルールを守っていない空間である。また、例えば、図11のaに示す下側の一列を構成する各空間のうち、左側の2つの空間(B2、B2)は、(3)の基本配置ルールを守っていない空間である。
ただし、例えば、実際運用において、斜め配置の関係となる2つの空間(空間(A2)に対して左下に配置される空間(B2))については、妨害が発生しないことも想定される。例えば、妨害の発生の有無については、その空間が存在する場所(例えば、シネプレックス)に大きく依存する。また、妨害の発生の有無については、送信機の位置、向き、構造等が影響することも想定される。そこで、図11のaに示す上側の一列を構成する空間(A2)と、図11のaに示す下側の一列を構成する左端の空間(B2)との関係については、実際の仕切り材の構成や2つの空間の距離等によっては、その配置を許すことができる場合がある。すなわち、(3)の基本配置ルールを守っていない空間であっても、送信機の位置、向き、構造等によっては、その配置を許すことができる場合がある。
図10には、配置ルールに基づく無線チャンネルの配置例を示す。図10のそれぞれにおいては、説明の容易のため、設定するAnとBmにおけるnとmの上限を、6または7として説明する。図10のaおよびbには、複数の仕切られた空間が一列に配置されている場合における無線チャンネルの配置例を示す。また、図10のc、図10のdおよび図10のeには、複数の仕切られた空間が二列に配置されている場合における無線チャンネルの配置例を示す。また、図10のfには、複数の仕切られた空間が二列であるとともに、L字型に配置されている場合における無線チャンネルの配置例を示す。
ここで、例えば、AnおよびBm(n=1乃至16)は、上述したように、同一周波数であるが、速度が異なる。このため、AnおよびBmについては、隣接することはできないものの、完全同一であるAnと他のAnとの位置関係よりも近傍に配置することができる。すなわち、配置をさらに容易に行うことができる。
具体的に、図10のaおよびbに示す配置例について説明する。図10のaおよびbに示す各空間は、例えば、シネプレックス内において、直線状の通路に沿って1列に配置されている8の映画館に該当する。
A1乃至A16、B1乃至B16については、不均衡に配置するようにしてもよい。しかしながら、上述したように、妨害の関係にあるチャンネル同士は、5dB以上の受信強度差を必要とする。ここで、各空間の仕切りの壁が石膏ボードで構成されているとして、壁1枚の透過減衰が−3dB程度であると想定すると、空間の損失を考慮しても、隣では妨害による影響が発生する場合がある。そこで、同一周波数であるAnおよびBmは、隣に配置せずに、2つ以上離した位置に配置して好適な構成を実現する。
次に、図10のc乃至fに示す配置例について説明する。図10のcおよびdに示す各空間は、例えば、シネプレックス内において、直線状の通路に沿って、その通路を挟むように二列に配置されている22の映画館に該当する。また、図10のeに示す各空間は、例えば、シネプレックス内において、直線状の通路に沿って、その通路を挟むように二列に配置されている20の映画館(ここで、通路の真ん中付近に映画館でない場所(例えば、休憩所)が存在する)に該当する。また、図10のfに示す各空間は、例えば、シネプレックス内において、L字状の通路に沿って、その通路を挟むように二列に配置されている22の映画館に該当する。
図10のc乃至fでは、各空間が対抗になる関係例を示す。AnおよびBm(n=m)の関係において、同一列よりも対抗な位置としている。例えば、送信機のアンテナが指向性を有している場合には、空間に広がる方向に放射することが想定される。この場合には、対抗の関係にある方が、電波としては、お互い逆に放射されるため、一層好適な構成を実現することができる。また、放射について、上記でない場合においても、同列に配置する場合と対向に配置する場合とでは、後者のほうがより距離を確保することができる。
ここで、図10のcを参照して、主に、配置ルール(6)および(7)について説明する。例えば、Anにより構成される一かたまり(A群)を点線の矩形71、74で示す。また、Bmにより構成される一かたまり(B群)を点線の矩形72、73で示す。また、この例では、設定値の上限を7とする。この場合に、上側のラインの左端からAnを数字順(1から7)で配置する(すなわち、A群71)。また、下側のラインの左端から、Bmを、3だけずらした数字順(4から7)で配置する(すなわち、B群72)。ここで、Bmの値(m)について設定値の上限(m=7)に達したら(矢印75で示す)、m=1に戻し、同様に進めていく。これにより、14からなる一群(点線の矩形76)が形成される。また、A群71およびB群72の後には、AnおよびBmのラインをそれぞれ入れ替えて配置する。すなわち、一群76が配置されたら、横列を入れ替えて配置を再スタートする。具体的には、A群71の左側の4つと、A群74とは同一の配列となる。また、B群72の左側の4つと、B群73とは同一の配列となる。このようにすれば、完全に同一とならないAnとBmの配置を、一かたまりの群とすることができる。また、一ラインの数が増えた場合についても同様に配置することができる。
このほか、図10のcと図10のdとの違いについては、図10のdでは、未使用チャンネルとして、対の関係であるA6とB6を確保している。この結果、図10のcでは、14で一群76を形成するに対して、図10のdでは12で一群(点線の矩形77で示す)を形成する。また、図10のdの場合において、完全同一となるチャンネルは可能な限り遠方に配置している。例えば、A1は、上側ラインの左端の位置と、下側ラインの右端から5番目の位置に配置される。このため、A1は、6つ離れた位置に配置されるとともに、異なる列に配置される。
図10のeは、図10のcと同様の配置から、映画館でない場所となる部分のチャンネルを削除した形のものである。
ここで、完全同一チャンネルによる混信問題としては、図11のbを参照して説明する。例えば、矢印50に示すように、5つ隣の部屋について計算する場合を想定する。また、例えば、部屋の幅を10mとし、5つ隣であるため壁5枚とする。この場合には、出力0dBmでは、−(39.78+20×log50+5×3.0)=−88.8dBmとなる。ここで、上述したように、例えば、−90dBm程度においては途切れながらでも検出することができるため、混信問題が発生してしまう可能性がある。しかしながら、この環境は自由空間ではないため、係数nは、2.0以上となることが予想でき、さらに減衰する場合があると考えられる。このため、5つ隣の部屋まで離れたような場合には−88.8dBmとなった場合でも、影響が回避できる可能性が高い。
このように、複数の仕切られた空間のそれぞれにおける無線通信の多数同時運用において、混信および妨害の発生する可能性のある通信システムであっても、混信および妨害の発生を防止することができる。すなわち、基本配置ルールおよび推奨配置ルールに基づいて、複数の仕切られた空間のそれぞれに無線チャンネルを配置することにより、混信および妨害の発生を防止することができる。
[妨害および混信の回避例]
上述したように、基本配置ルールおよび推奨配置ルールに基づく無線チャンネルの配置により混信および妨害の発生を防止することができる。しかしながら、無線チャンネルの配置後に、個々の空間において動作を確認した場合に、混信または妨害が発生することも想定される。例えば、映画館において、その映画館に映し出されている映像以外の映像に関する音声や字幕が現れたり(混信)、音声途切れや字幕切れが発生したり(妨害)することも想定される。例えば、通常の視聴状態において、頻繁に音声途切れ等の問題が発生している場合は、妨害または混信による影響を受けている可能性があると判断することができる。
このように、混信または妨害が発生する場合には、主に次の2つの原因(1)および(2)が考えられる。
原因(1)実際の無線チャンネルの配置が、基本配置ルールおよび推奨配置ルールに沿った配置ではない場合。この場合には、基本配置ルールおよび推奨配置ルールに基づいて、再度、無線チャンネルを配置する必要がある。
原因(2)他の無線通信システムと干渉して影響が出た場合。通信システム100は、2.4GHz帯を利用する無線通信を行うため、同周波数帯を用いた他の無線通信システムが妨害波となり、音声や字幕への影響を受ける場合がある。
このように、混信または妨害が発生する場合には、原因(1)または(2)が考えられるため、次の回避方法(回避(1)乃至(3))を試みる必要がある。
ここで、例えば、図10のeに示す例において、チャンネルB4が配置された空間(矢印60で示す)において音声に問題が発生した場合を想定する。なお、詳しい回避方法については、図12、図13を参照して詳細に説明するため、ここでは、回避方法の手順を簡易的に示す。
回避(1)基本配置ルールおよび推奨配置ルールの確認
もう一度、基本配置ルールおよび推奨配置ルールを確認して、必要であれば、再配置をする。それでも解決しないときには、次の2つの回避ルールを試みる。
回避(2)A7またはB7に置き換える回避ルール
A7およびB7が、問題が発生する可能性の低い設定にしてあるとき、A7またはB7のチャンネルに置き換えることにより、問題を解決することができる。
回避(3)使用していないチャンネルに置き換える回避ルール
例えば、最初に、回避(2)を実行し、それでも解決しなかった場合には、回避(3)を適用する。未使用チャンネルが、問題の発生したチャンネルと異なる周波数を使用している場合には、そのチャンネルに置き換えることにより、問題を解決することができることがある。ここで、回避(2)と回避(3)の実行順番は必ずしも一方向ではない。例えば、回避(3)の実行後、それで解決できないときに回避(2)を実行するようにしてもよい。
図12は、本技術の第1の実施の形態における決定部240による混信または妨害の回避方法の流れを示す図である。図12では、アサインされているチャンネルの中から影響のないチャンネルを入れ替える回避例を示す。なお、図12のaに示すチャンネルの配置は、図10のeと同様である。
図12では、チャンネルB4が配置された空間(矢印60で示す)において、音声途切れが発生した場合を想定する。なお、字幕切れが発生した場合についても、回避処理は同様であるため、ここでの説明を省略する。
図12のaに示すように、回避対象となる空間に配置されているチャンネルがB系列(B4)の場合には、このB系列のチャンネル(B4)をB7に入れ替える。具体的には、最初に、B4と同一の数値となるA系列、B系列のチャンネルをマークする。また、入替対象となるB7と同一の数値となるA系列、B系列のチャンネルをマークする。すなわち、図12のbに示すように、内部に斜線が付された矩形に配置されたチャンネル(A4、B4、A7、B7)がマークされる。
続いて、図12のcの矢印に示すように、マークされたチャンネルのうち、B4とB7を入れ替える。また、マークされたチャンネルのうち、A4とA7を入れ替える。このように入替を行うことにより、基本配置ルールを自動的に保つことができる。すなわち、このように入替を行うことにより、予め配置されているそれぞれのチャンネルにおいて、お互いが邪魔をしあわない構成とすることができる。
これらの入替が終了した場合には、全てのシネプレックス内の電源を立ち上げた状態で、入替を行ったチャンネルについて、音声途切れや字幕切れが無いことを確認する。この場合には、受信機側では、設定するABが入れ替わった部分についてのみ、受信機設定を反映させる。そして、全ての映画館において、問題が無いことが確認された場合には、回避処理を終了する。
図13は、本技術の第1の実施の形態における決定部240による混信または妨害の回避方法の流れを示す図である。図13では、アサインされていないチャンネルが存在する場合に、そのチャンネルの中から影響のないチャンネルを入れ替える回避例を示す。なお、図13のaに示すチャンネルの配置は、図10のeと同様である。
図13では、チャンネルB4が配置された空間(矢印60で示す)において、音声途切れが発生した場合を想定する。また、使用していないチャンネル(A6、B6等)が存在する場合を想定する。なお、字幕切れが発生した場合についても、回避処理は同様であるため、ここでの説明を省略する。
図13のaに示すように、回避対象となる空間に配置されているチャンネルがB系列(B4)の場合には、使用していないB系列のチャンネル(B6)に入れ替える。具体的には、図13のbに示すように、内部に斜線が付された矩形に配置されたチャンネル(B4)と、使用していないB系列のチャンネル(B6)とを入れ替える。
ここで、使用していないB系列のチャンネルについては、何れの空間に配置するようにしてもよい。すなわち、使用していないB系列のチャンネル(B6)と対の関係となるチャンネル(A6)についても未使用であるため、使用していないB系列のチャンネル(B6)の自由度が増すことになる。
また、図13のaに示すように、混信または妨害が発生しているチャンネルB4(矢印60で示す)と完全同一のチャンネル(B4)が他の空間(矢印61で示す)に配置されている。このため、混信または妨害が発生しているチャンネルB4(矢印60で示す)と、使用していないB系列のチャンネル(B6)とを入れ替えることにより、未使用のチャンネルが減少することになる。
このように入替を行うことにより、基本配置ルールを自動的に保つことができる。すなわち、このように入替を行うことにより、予め配置されているそれぞれのチャンネルにおいて、お互いが邪魔をしあわない構成とすることができる。
これらの入替が終了した場合には、全てのシネプレックス内の電源を立ち上げた状態で、入替を行ったチャンネルについて、音声途切れや字幕切れが無いことを確認する。この場合には、受信機側では、設定するB4が入れ替わった部分についてのみ、受信機設定を反映させる。そして、全ての映画館において、問題が無いことが確認された場合には、回避処理を終了する。なお、この例においては未使用チャンネルとして対でB6とA6が設定されているが、上記B6の代わりにA6を用いても同様に回避することができる。
[情報処理装置の動作例]
次に、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置200の動作について図面を参照して説明する。
図14は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置200によるチャンネル配置制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
最初に、決定部240は、配置ルール(基本配置ルールおよび推奨配置ルール)に基づいて各空間に配置すべきチャンネルを決定する(ステップS901)。続いて、制御部250は、その決定されたチャンネルとなるように各送信機および各受信機のチャンネルを設定する(ステップS902)。この設定は、各送信機および各受信機を情報処理装置200に接続して自動で行うようにしてもよく、情報処理装置200から出力される指示情報に基づいて、ユーザが行うようにしてもよい。このように、各送信機および各受信機のチャンネルが設定された後に、各空間内(映画館内)において、各送信機および各受信機が使用される。なお、ステップS901は、特許請求の範囲に記載の決定手順の一例である。また、ステップS902は、特許請求の範囲に記載の設定手順の一例である。
続いて、決定部240は、問題発生の確認処理が終了していない1つの空間を確認対象空間として設定する(ステップS903)。例えば、配置情報記憶部230に記憶されている配置情報に基づいて、問題発生の確認処理が終了していない確認対象空間が設定される。続いて、制御部250は、検出部270による検出結果に基づいて、確認対象空間において問題(例えば、妨害波の発生)が発生しているか否かを判断する(ステップS904)。確認対象空間において問題が発生していない場合には(ステップS904)、全ての空間について確認処理が終了したか否かが判断され(ステップS905)、全ての空間について確認処理が終了した場合には、チャンネル配置制御処理の動作を終了する。一方、全ての空間について確認処理が終了していない場合には(ステップS905)、ステップS903に戻る。
また、確認対象空間において問題が発生している場合には(ステップS904)、決定部240は、配置情報記憶部230に記憶されている配置情報について、配置ルールを再確認する(ステップS906)。すなわち、直前に決定されたチャンネルの配置が適切であるか否かが確認される。その確認の結果、配置ルールに従っている場合には(ステップS907)、回避処理が行われる(ステップS910)。なお、この回避処理については、図15を参照して詳細に説明する。一方、配置ルールに従っていない場合には(ステップS907)、ステップS901に戻る。
図15は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置200によるチャンネル配置制御処理の処理手順のうちの回避処理(図14に示すステップS910の処理手順)を示すフローチャートである。
最初に、第1回避処理が行われる(ステップS920)。この第1回避処理については、図16を参照して詳細に説明する。
続いて、制御部250は、検出部270による検出結果に基づいて、第1回避処理によりチャンネルが変更された空間から問題が検出されたか否かを判断する(ステップS911)。第1回避処理によりチャンネルが変更された空間から問題が検出されない場合には(ステップS911)、問題が回避されため、図14に示すステップS905に戻る。
一方、第1回避処理によりチャンネルが変更された空間から問題が検出された場合には(ステップS911)、制御部250は、変更されたチャンネルを元に戻す処理を行う(ステップS912)。続いて、制御部250は、配置情報記憶部230に記憶されている配置情報に基づいて、未使用チャンネルが存在するか否かを判断する(ステップS913)。未使用チャンネルが存在しない場合には(ステップS913)、問題を回避することが困難であるため、配置エラーをユーザに通知する(ステップS916)。例えば、音声や表示によりその旨が通知される。この場合には、配置を見直す等を行い、ユーザが自ら問題の解決を試みることも可能である。
一方、未使用チャンネルが存在する場合には(ステップS913)、第2回避処理が行われる(ステップS930)。この第2回避処理については、図17を参照して詳細に説明する。
続いて、制御部250は、検出部270による検出結果に基づいて、第2回避処理によりチャンネルが変更された空間から問題が検出されたか否かを判断する(ステップS914)。第2回避処理によりチャンネルが変更された空間から問題が検出されない場合には(ステップS914)、問題が回避されため、図14に示すステップS905に戻る。
一方、第2回避処理によりチャンネルが変更された空間から問題が検出された場合には(ステップS914)、制御部250は、変更されたチャンネルを元に戻す処理を行う(ステップS915)。この場合には、問題を回避することが困難であるため、配置エラーをユーザに通知する(ステップS916)。
図16は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置200によるチャンネル配置制御処理の処理手順のうちの第1回避処理(図15に示すステップS920の処理手順)を示すフローチャートである。
最初に、決定部240は、問題があると検出された空間に配置されているチャンネルをPa(AaまたはBa)とする(ステップS921)。続いて、決定部240は、各空間に配置されているチャンネルのうちから、A7とB7とAaとBaとを抽出する(ステップS922)。例えば、配置情報記憶部230に記憶されている配置情報に基づいて、A7とB7とAaとBaとが抽出される。
続いて、決定部240は、A7およびB7のうちの少なくとも1つが使用されているか否かを判断する(ステップS923)。A7およびB7の何れも使用されていない場合には(ステップS923)、ステップS926に進む。
一方、A7およびB7のうちの少なくとも1つが使用されている場合には(ステップS923)、決定部240は、該当する空間について、抽出されたA7をAaに変更し、かつ、抽出されたB7をBaに変更する(ステップS924)。この場合には、制御部250は、その空間に配置されている送信機について、抽出されたA7をAaに変更し、かつ、抽出されたB7をBaに変更する(ステップS924)。続いて、制御部250は、その空間において使用される受信機について、それぞれ対応する変更を行う(ステップS925)。
続いて、決定部240は、該当する空間について、抽出されたAaをA7に変更し、かつ、抽出されたBaをB7に変更する(ステップS926)。この場合には、制御部250は、その空間に配置されている送信機について、抽出されたAaをA7に変更し、かつ、抽出されたBaをB7に変更する(ステップS926)。続いて、制御部250は、その空間において使用される受信機について、それぞれ対応する変更を行う(ステップS927)。
図17は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置200によるチャンネル配置制御処理の処理手順のうちの第2回避処理(図15に示すステップS930の処理手順)を示すフローチャートである。
最初に、決定部240は、問題があると検出された空間に配置されているチャンネルをPa(AaまたはBa)とする(ステップS931)。また、決定部240は、未使用のチャンネルのうちから入替対象となるチャンネルを1つ選択してこのチャンネルをFc(AcまたはBc)とする(ステップS931)。
続いて、決定部240は、その未使用のチャンネルは対(例えば、A5、B5のペア)で存在するか否かを判断する(ステップS932)。その未使用のチャンネルが対で存在する場合には(ステップS932)、決定部240は、該当する空間について、PaをFcに変更する(ステップS933)。この場合には、制御部250は、その空間に配置されている送信機について、PaをFcに変更する(ステップS933)。続いて、制御部250は、その空間において使用される受信機について、それぞれ対応する変更を行う(ステップS934)。
また、その未使用のチャンネルが対で存在しない場合には(ステップS932)、決定部240は、各空間に配置されているチャンネルのうちから、AaとBaとAcとBcとを抽出する(ステップS935)。続いて、決定部240は、該当する空間について、抽出されたAaをAcに変更し、かつ、抽出されたBaをBcに変更する(ステップS936)。この場合には、制御部250は、その空間に配置されている送信機について、抽出されたAaをAcに変更し、かつ、抽出されたBaをBcに変更する(ステップS936)。この場合には、Paが未使用チャンネルとなるため、この情報が配置情報記憶部230に記憶される(ステップS937)。続いて、制御部250は、その空間において使用される受信機について、それぞれ対応する変更を行う(ステップS938)。
ここで、ステップS933において、入替対象となるチャンネルPaについて、今後別の空間において「未使用チャンネルPa」とすることが、次の処理を同時に行うことにより可能となる。最初に、配置されているチャンネルの中から全てのPaを抽出する。続いて、抽出された全てのPaをFcに変更する。これにより、Paを未使用チャンネルとすることができる。
また、これらの処理手順は、情報処理装置200により行う例を示したが、例えば、これらの各処理手順の一部を人が行うようにしてもよい。すなわち、一部の処理手順において、人が各機器を操作することにより各処理手順を行うようにしてもよい。このほか、図15に示す回避処理の順序について、未使用チャンネルが存在する場合は、ステップS930の動作を最初に行うようにしてもよい。この場合には、ステップS930で問題解決しないとき、ステップS916、S920の回避処理を行う。このようにして問題解決を行うことができる。
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、影響しあう可能性が高い空間の集合体に、通常設定可能なch以上の数をアサインすることができる。すなわち、複数の空間において近距離無線通信を同時に行う場合に、使用すべきチャンネルを適切に設定することができる。
<2.第2の実施の形態>
本技術の第1の実施の形態では、配置ルールに基づいてチャンネルを配置する例を示した。ここで、送信機には、2つのRFモジュールが備えられているため、音声データおよび字幕データのそれぞれを異なる通信形式により送信することも可能である。
そこで、本技術の第2の実施の形態では、音声データおよび字幕データのそれぞれを異なる通信形式により送信する例を示す。なお、本技術の第2の実施の形態における通信システムの構成については、図1等に示す例と略同様である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
[WiFi(Wireless Fidelity)の影響がないチャンネルについて]
ここで、WiFiの影響がないチャンネルについて説明する。
最初に、IEEE802.15.4準拠のチャンネルにおいて、WiFiとかぶるチャンネルの推定方法について説明する。
妨害電波の推定方法として、例えば、次の方法(1)および(2)が知られている。
推定方法(1)送信と受信でチャンネル設定しておき、実際に送受信を行い、パケットロス(例えば、音声データについては、音切れ等の具体的な影響)を測定して判定する方法。
推定方法(2)送信前に、そのチャンネルにおける妨害電波を測定し、測定された妨害電波が一定以上となった場合に、妨害電波があると判定する方法。
次に、WiFiと影響のないZBチャンネルについて説明する。
日本において、802.11b/g/nの方式は、ch1からch13まで有しており、どのチャンネルが設定されているかによって影響するZBチャンネルが変わってくる。
例えば、1つのWiFiチャンネルにおけるZBチャンネルは、4区間影響がある可能性がある。例えば、使用帯域が22MHzであるWiFiの1chであれば、ZBの11、12、13、14に影響がある可能性がある。
一般的なWiFiの設定は、その帯域を有効に利用するため、1ch、6ch、11chを用いる場合が多い。そこで、WiFi設定として1ch、6ch、11chが用いられる場合には、ZB15、ZB20、ZB25、ZB26が影響を受けないチャンネルとすることができる。なお、WiFiは、特許請求の範囲に記載の特定の無線LANの一例である。
[アサインテーブルの構成例]
図18は、本技術の第2の実施の形態における通信システム100において設定されるチャンネルの一例を示す図である。図18に示す例では、1つの設定チャンネルで、2つの異なる無線通信を同時に行う例を示す。
ここで、2つの異なる無線通信は、一方が音声(Audio)データ等の連続的なデータ通信であり、他方が比較的離散的な字幕データ等のデータ通信である。
図18に示す例では、各チャンネル(例えば、A1における音声データのZB相当CH(13)と、字幕データのZB相当CH(18))は、単一の802.11無線方式におけるチャンネルでは同時に影響を及ぼさない関係により構成されるものとする。
ここで、ISM帯は、他からの妨害電波が多く存在する。特に、802.11無線方式は広く普及しており、802.11無線方式の無線システムからの妨害を考慮する必要がある。なお、802.11無線方式の中で認証が取れているものをWiFiと称する。
そこで、本技術の第2の実施の形態では、1つの802.11無線システムによる妨害があった場合でも、音声データに係るZB相当チャンネルと、字幕データに係るZB相当チャンネルとが、両方とも影響しないように配置するものである。
例えば、WiFi−1chが妨害波となっている場合には、影響を受ける場合があるZB相当チャンネルは「11、12、13、14」である。そこで、本技術の第2の実施の形態では、設定チャンネルA1において、音声データは、ZB相当13で影響を受ける可能性があるが、字幕データは、ZB18であるから影響を受けないように設定されている。
例えば、音声データが妨害により途切れた場合には、設定チャンネルA1において、ZB相当13とZB相当18を入れ替える。これにより、音声データのZB相当チャンネルは、妨害WiFiの影響を無くすことができる。ここで、字幕データは、容量が分散的であるため、比較的影響を受け難いことを利用する。このように、各チャンネルを設定し、妨害WiFiからの影響に応じて、音声データおよび字幕データのチャンネルを入れ替えることにより、妨害WiFiからの影響を回避することができ、さらに安定な通信システムを提供することができる。
このように、送信機は、音声データおよび所定データを異なる周波数で複数の通信経路により送信することができる。これにより、複数の空間のそれぞれにおける無線通信の多数同時運用において、WiFi等の他のISM帯電波妨害があった場合には、チャンネルの入れ替えを行うことができる。また、多数同時運用における支障の発生を防止し、好適に無線通信を行うことができる。
[使用しないアサインテーブルの構成例]
図19は、本技術の第2の実施の形態における通信システム100において使用しないチャンネルの一例を示す図である。
ここで、受信機に備えられている2つのアンテナ(2つのRFモジュールに接続されている2つのアンテナ)が比較的近接して設置されていることも想定される。すなわち、比較的近接して音声データおよび字幕データのためのアンテナが設置されていることも想定される。この場合には、図19に示すように、同一チャンネルをアサインすることは好ましくない。
例えば、音声データおよび字幕データの組み合わせが、同じZigBee相当CHである場合(例えば、ZB相当CHが11同士である場合)には、これらは、受信機側では、何れもパケット検出される。そして、ヘッダ情報のIDの違いによって識別される。
しかしながら、パケットが検出されると、その部分の時間がロスとなってしまい、連続的かつ通信容量の大きい音声データは、パケットロスを発生しやすい状況となってしまう。また、再送によりカバーすることも可能であるが、再送を増やして安定する分だけ相手にとって妨害電波となってしまうおそれがある。また、IEEE802.15.4規格に存在する方法(CCAとPAN−IDによる隙間伝送処理およびIDにより識別出力する方法)は、送信機の動作クロックのズレなどによって完全に制御することができないモジュールが存在する。このため、この方法を用いることは好ましくない。
すなわち、例えば、音声データ等の通信容量の大きいデータは、安定のため、十分な通信経路を確保することが望ましいため、図19に示すチャンネルアサインを用いないことが重要である。
[チャンネルアサインの他の例]
以下では、チャンネルアサインは、IEEE802.15.4準拠のZigBee(以下、ZBと称する。)相当チャンネルの11チャンネルから26チャンネルに対して行うこととし、設定を行う送信機および受信機の組合せは、全部で14通り設定する例を示す。また、その14通りは、それぞれが音声データおよび字幕データを独立して送信する。この場合に、相互は連動する必要はない。
また、アサインとして、上述した14通りを大きく2つに分け、速度が異なるAとBの2つに分類し、A速度の7つをA1乃至A7と称し、B速度の7つをB1乃至B7と称する。ここで、速度については、例えば、250kbps、500kbps、667kbps、1Mbps、2Mbpsの中から2つを選択して、A速度およびB速度として用いる。例えば、A速度を1Mbps、B速度を500kbpsとすることができる。また、例えば、A速度を250kbpsとし、B速度を500kbpsとすることができる。
また、A系列(A1乃至A7)のA1と、B系列(B1乃至B7)のB1は、同一のZB相当チャンネルとなっているが、上述したように、お互いは検出することができない関係となる。また、14通り×2(音声データおよび字幕データで2)には、それぞれIDを付加するようにしてもよい。この場合には、14通り×2のそれぞれには、完全に同一ではないチャンネルアサインを行うことができる。
なお、具体的な、チャンネルアサインの例については、図20乃至図23に示す。
図20乃至図23は、本技術の第2の実施の形態における通信システム100において設定されるチャンネルの一例を示す図である。図20乃至図23に示す例では、1つの設定チャンネルで、2つの異なる無線通信を同時に行う例を示す。
図20には、音声データおよび字幕データを別のZB相当チャンネルとする例を示す。この場合には、受信機は、受信チャンネルを切り替えることにより、音声データおよび字幕データを独立して受信することができる。
ここで、多数同時運用を行う場合には、単一の速度のみでは、14通りの別々の設定を行うことができない。例えば、完全同一のチャンネルをアサインしたとしたら、多数同時の運用に大きな制限が発生する。すなわち、完全同一であれば、必要ではない他の通信が検出再生されるおそれを回避するため、相当の距離を確保する必要がある。
そこで、図20に示す例では、異なる速度(速度Aおよび速度B)を用いて同一チャンネルを使用する。このようにすることにより、上述した制限は大幅に緩和される。すなわち、妨害電波として見ることができるため、妨害電波と識別再生することができる信号強度差を設ける。このように、図20に示すチャンネルアサインを行うことにより、多数同時運用時に安定した2つの情報伝送を実現することができる。
図21には、音声データおよび字幕データのZBチャンネルを離れてアサインする例を示す。
例えば、ISM帯は他からの妨害電波が多く存在する。特に、WiFiに代表される802.11無線方式は広汎に普及しており、同方式からの妨害を考慮することが重要である。そこで、図21に示す例では、1つの同方式による妨害があった場合には、音声データに係るチャンネルと、字幕データに係るチャンネルとが両方同時に影響しない配置とする。例えば、WiFi−1chが妨害する場合には、影響を受ける可能性があるZB相当チャンネルは「11、12、13、14」である。そこで、図21に示す例では、設定A1において、音声データは、ZB13で影響を受ける可能性があるが、字幕データは、ZB18で影響を受けないようにする。このように、図20に示すチャンネルアサインを行うことにより、より安定なシステムとすることができる。
図22には、字幕データにアサインするチャンネル(25、26)を7ずつ集約させた例を示す。このようにすることにより、例えば、B1では異なるZB相当チャンネルでの受信を行うことができる。
例えば、字幕データは、パケットサイズが音声データと比較して大幅に小さい。このため、例えば、安定のため、再送を複数回与えたとしても、通信容量としては数%程度と考えられる。そこで、図22に示すように、音声データおよび字幕データを同時個別に通信する場合において、速度を単一とし、字幕データのチャンネルを集約する。これにより、多数同時運用時に安定した無線通信を行うことができる。
図23には、各設定CHにおいて音声データおよび字幕データのアサインが同一チャンネルであるが、速度の違うものを組み合わせた例を示す。すなわち、図23に示す例では、例えば、AB1では、同一チャンネルであるZB相当11CHで音声データおよび字幕データの通信を行うこととなる。ただし、両者の速度を異なる速度とするため、お互いが検出されることはない。このため、音声データに係るZB相当11にとっては、字幕データに係るZB相当11は、妨害電波として見えており、ID識別もできない状態である。このように、図23に示す例では、IDの識別を行う必要がなく、音声データおよび字幕データの区別をすることができる。
このように、送信機は、音声データおよび所定データを異なる通信速度で複数の通信経路により送信することができる。
[送信機および受信機のチャンネルの設定例]
図24は、本技術の第2の実施の形態における送信機および受信機のチャンネル設定例を示す図である。なお、図24では、図21に示すチャンネルアサインを行う場合における設定例を示す。
図24のaには、送信機における設定例を示し、図24のbには、受信機における設定例を示す。図24のaおよびbに示すように、送信機および受信機が同じ組み合わせとなるように、各チャンネルが設定される。
ここで、本技術の第1の実施の形態で示したように、1つのRFモジュール(無線部)が受信機に設けられている場合を想定する。この場合には、音声データおよび字幕データの切替部を受信機に設けておき、1つのRFモジュールにより受信されるデータをその切替部により切り替えることができる。具体的には、例えば、音声を必要とするアプリケーションと、独立してデータ(例えば、字幕)だけを必要とするアプリケーションとを切り替えるようにする。
なお、変形例(図45、図46に示す)で示すように、2つのRFモジュール(無線部)を受信機に設けるようにしてもよい。この場合には、音声データおよび字幕データの両方を用いたアプリケーションを実現することができる。
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、ch1つ分の通信路の容量では足りないようなひっ迫した場合でも、2通りの通信路を使用してchアサインを適切に行うことができる。すなわち、複数の空間において近距離無線通信を同時に行う場合に、使用すべきチャンネルを適切に設定することができる。
<3.第3の実施の形態>
本技術の第1の実施の形態では、問題が発生した空間におけるチャンネルを入れ替える例を示した。ここで、例えば、WiFiの規格は各国で異なるため、WiFi干渉が発生した空間について、入替対象となるチャンネルを適切に設定することが重要である。
そこで、本技術の第3の実施の形態では、WiFi干渉を考慮して入替対象となるチャンネルを設定する例を示す。なお、本技術の第3の実施の形態における通信システムの構成については、図1等に示す例と略同様である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
[アサインテーブルの構成例]
図25は、本技術の第3の実施の形態における通信システム100において設定されるチャンネルの一例を示す図である。図25に示す例は、図21の一部を変形した変形例である。
具体的には、音声データについて、問題が発生している空間に割り当てられるA6、B6のペアには、A1乃至A5、B1乃至B5のグループから離れているZBチャンネル23を設定する。また、A5、B5のペアには、ZBチャンネル19を割り当てる。なお、ZBチャンネル21については、割り当てないものとする。
ここで、図21に示すアサインテーブルを用いて、図13のaに示すチャンネルB5が配置された空間(矢印60で示す空間の右隣)において音声に問題が発生した場合を想定する。図21に示すアサインテーブルでは、B5は、音声データがCH21であり、入替対象となるB6は、CH23である。この場合に、妨害波がWiFiであり、そのチャンネルがWiFi−11だとすると、B6に置き換えても問題が解決しない場合がある。このような場合でも、図25に示すアサインテーブルを用いて、特別な未使用チャンネルにより置き換えることにより、その問題を解決することができる。この例を図26に示す。
[妨害および混信の回避例]
図26は、本技術の第3の実施の形態における決定部240による混信または妨害の回避方法の流れを示す図である。なお、図26に示す例は、図13の変形例であるため、図13と共通する部分には、同一の符号を付して、これらの説明を省略する。
図26では、チャンネルB5が配置された空間(矢印62で示す)において、音声途切れが発生した場合を想定する。また、使用していないチャンネル(A6、B6等)が存在する場合を想定する。なお、字幕切れが発生した場合についても、回避処理は同様であるため、ここでの説明を省略する。
図26のaに示すように、回避対象となる空間に配置されているチャンネルがB系列(B5)の場合には、使用していないB系列のチャンネル(B6)に入れ替える。具体的には、図26のbに示すように、内部に斜線が付された矩形に配置されたチャンネル(B5)と、使用していないB系列のチャンネル(B6)とを入れ替える。
ここで、使用していないB系列のチャンネルについては、何れの空間に配置するようにしてもよい。なぜならば、使用していないB系列のチャンネル(B6)と対の関係となるチャンネル(A6)についても未使用であるため、使用していないB系列のチャンネル(B6)と異なる速度であってかつ同一のZBチャンネルが、存在しないからである。
また、図26のaに示すように、混信または妨害が発生しているチャンネルB5(矢印62で示す)と完全同一のチャンネル(B5)が他の空間(矢印63で示す)に配置されている。このため、混信または妨害が発生しているチャンネルB5(矢印62で示す)と、使用していないB系列のチャンネル(B6)とを入れ替えることにより、未使用のチャンネルが減少することになる。なお、B6の入替は、矢印62空間に加えて、矢印63空間において行うこともできる。すなわち、図26のaにおいて、混信または妨害が発生しているチャンネルがB5であるから、図26のaの空間内で全てのB5を抽出し、B6と入れ替えるようにしてもよい。
このように入替を行うことにより、基本配置ルールを自動的に保つことができる。すなわち、このように入替を行うことにより、予め配置されているそれぞれのチャンネルにおいて、お互いが邪魔をしあわない構成とすることができる。
これらの入替が終了した場合には、全てのシネプレックス内の電源を立ち上げた状態で、入替を行ったチャンネルについて、音声途切れや字幕切れが無いことを確認する。この場合には、受信機側では、設定するB5が入れ替わった部分についてのみ、受信機設定を反映させる。そして、全ての映画館において、問題が無いことが確認された場合には、回避処理を終了する。
このように、問題が発生したB5は、音声データがCH19であり、入替対象となるB6は、CH23である。ここで、上述したように、1つのWiFiチャンネルにおけるZBチャンネルは、WiFiの使用帯域が22MHzの時においては4区間影響がある可能性がある。しかしながら、図26に示す例では、4区間よりも大きな間隔となるため、CH19とCH23が同時にWiFi干渉することはない。具体的に、CH19を含む4区間はCH19乃至22であり、また、CH23を含む4区間はCH20乃至23となるから、CH19とCH23が同時にWiFi干渉することはない。
次に、図25に示すアサインテーブルを用いて、他のチャンネルの置き換えを行う場合について説明する。例えば、B1乃至B5において、WiFi干渉しているときには、当該空間と未使用チャンネルB6を入れ替えることにより、WiFi干渉を回避することができる。なお、未使用チャンネルとして対でA6も設定されているが、A6を用いても同様に回避することができる。
また、例えば、A1乃至A5において、WiFi干渉しているときは、当該空間と未使用チャンネルA6を入れ替えることにより、WiFi干渉を回避することができる。なお、未使用チャンネルとして対でB6も設定されているが、B6を用いても同様に回避することができる。
ここで、本技術の参考となる各国規格の一部を以下の(a)乃至(h)に示す。
(a)日本(TELEC(財団法人テレコムエンジニアリングセンター)、ほか認定機関あり)
2.412〜2.472GHz、13チャネル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing))
2.412〜2.484GHz、14チャネル(CCK(Complementary Code Keying) ただし、ch14=11bのみ利用可能)
(b)米州(FCC) FCC(米国連邦通信委員会)
2.412〜2.462GHz、11チャネル
(c)北米(FCCを除く)IC(カナダ)
2.412〜2.462 GHz、11チャネル
(d)ETSI(欧州通信規格協会)
2.412〜2.472 GHz、13チャネル
(e)中国
2.412〜2.472GHz、13チャネル
(f)韓国
2.412〜2.472GHz、13チャネル
(g)シンガポール
2.412〜2.472GHz、13チャネル(ETSI)
(h)台湾
2.412〜2.462GHz、11チャネル(FCC)
次に、図25に示すアサインテーブルにおけるA7およびB7について説明する。図25に示すように、A7およびB7の音声データは、CH25である。ここで、上述したように、各国で許可されている周波数は異なっており、米州FCC規格、北米カナダIC規格、台湾規格では、WiFiは11チャンネルである。このため、そもそもA7およびB7のCH25は、WiFi干渉を受けないチャンネルとなる。
また、図25に示すアサインテーブルにおいて、上述した各国規格に示すように、米州、カナダ、台湾において、未使用チャンネルB6、A6は、WiFi干渉が発生したどの空間でも、入れ替えることにより、干渉を回避することができる。
[日本、欧州等での適用例]
次に、日本、欧州等での適用例について説明する。
[アサインテーブルの構成例]
図27は、本技術の第3の実施の形態における通信システム100において設定されるチャンネルの一例を示す図である。図27に示す例は、図21の一部を変形した変形例である。
具体的には、音声データについて、問題が発生している空間に割り当てられるA7、B7のペアには、A1乃至A6、B1乃至B6のグループから離れているZBチャンネル25を設定する。また、A6、B6のペアには、ZBチャンネル21を割り当てる。なお、ZBチャンネル23については、割り当てないものとする。
[チャンネルの配置例]
図28は、本技術の第3の実施の形態における通信システム100におけるチャンネルの配置例を示す図である。なお、図28に示す例は、図10のdおよびeの変形例であるため、図10と共通する部分については、その説明の一部を省略する。また、これらの配置の決定については、決定部240による配置決定処理により行われる。
図28に示す例は、未使用チャンネルにA7およびB7を設定するため、図10のdおよびeに示すA7およびB7を、A6およびB6に変更したものである。具体的には、図10のdおよびeに示すA7がA6に変更され、図10のdおよびeに示すB7がB6に変更される。なお、図28のaに示す点線の矩形78は、図10のdに示す点線の矩形77に対応する。また、図28のaに示す矢印64は、図10のeに示す矢印60に対応する。
[妨害および混信の回避例]
図29は、本技術の第3の実施の形態における決定部240による混信または妨害の回避方法の流れを示す図である。なお、図29のaに示すチャンネルの配置は、図28のbと同様である。また、図29に示す例は、図13の変形例であるため、図13と共通する部分には、同一の符号を付して、これらの説明を省略する。
図29では、チャンネルB4が配置された空間(矢印64で示す)において、音声途切れが発生した場合を想定する。また、使用していないチャンネル(A7、B7等)が存在する場合を想定する。なお、字幕切れが発生した場合についても、回避処理は同様であるため、ここでの説明を省略する。
図29のaに示すように、回避対象となる空間に配置されているチャンネルがB系列(B4)の場合には、使用していないB系列のチャンネル(B7)に入れ替える。具体的には、図29のbに示すように、内部に斜線が付された矩形に配置されたチャンネル(B4)と、使用していないB系列のチャンネル(B7)とを入れ替える。
ここで、使用していないB系列のチャンネルについては、何れの空間に配置するようにしてもよい。すなわち、使用していないB系列のチャンネル(B7)と対の関係となるチャンネル(A7)についても未使用であるため、使用していないB系列のチャンネル(B7)の自由度が増すことになる。なぜならば、使用していないB系列のチャンネル(B7)と対の関係となるチャンネル(A7)についても未使用であるため、使用していないB系列のチャンネル(B7)と異なる速度であってかつ同一のZBチャンネルが、存在しないからである。
また、図29のaに示すように、混信または妨害が発生しているチャンネルB4(矢印64で示す)と完全同一のチャンネル(B4)が他の空間(矢印65で示す)に配置されている。このため、混信または妨害が発生しているチャンネルB4(矢印64で示す)と、使用していないB系列のチャンネル(B7)とを入れ替えることにより、未使用のチャンネルが減少することになる。なお、B7の入替は、矢印64空間に加えて、矢印65空間において行うこともできる。すなわち、図29のaにおいて、混信または妨害が発生しているチャンネルがB4であるから、図29のaの空間内で全てのB4を抽出し、B7と入れ替えるようにしてもよい。
このように入替を行うことにより、基本配置ルールを自動的に保つことができる。すなわち、このように入替を行うことにより、予め配置されているそれぞれのチャンネルにおいて、お互いが邪魔をしあわない構成とすることができる。
これらの入替が終了した場合には、全てのシネプレックス内の電源を立ち上げた状態で、入替を行ったチャンネルについて、音声途切れや字幕切れが無いことを確認する。この場合には、受信機側では、設定するB4が入れ替わった部分についてのみ、受信機設定を反映させる。そして、全ての映画館において、問題が無いことが確認された場合には、回避処理を終了する。なお、この例においては未使用チャンネルとして対でB7とA7が設定されているが、上記B7の代わりにA7を用いても同様に回避することができる。
ここで、A1乃至A6のうちで、未使用のA7(すなわち、CH25)に最も近いチャンネルは、A6のCH21である。また、B1乃至B6のうちで、未使用のB7(すなわち、CH25)に最も近いチャンネルは、B6のCH21である。その最も近いA6で問題が発生したとすれば、音声データがCH21であり、入替対象となるA7は、CH25である。ここで、上述したように、1つのWiFiチャンネルにおけるZBチャンネルは、WiFiの使用帯域が22MHzの時においては4区間影響がある可能性がある。しかしながら、図29に示す例では、4区間よりも大きな間隔となるため、CH21とCH25が同時にWiFi干渉することはない。具体的に、CH21を含む4区間はCH21乃至24であり、また、CH25を含む4区間はCH22乃至25となるから、CH21とCH25が同時にWiFi干渉することはない。結局、図29に示す各空間においてWiFi干渉しているときには、未使用のチャンネルA7、B7を入れ替えることにより、WiFi干渉を回避することができる。
このように、図27に示すアサインテーブルを用いることにより、未使用のチャンネルB7、A7は、WiFi干渉が発生したどの空間についても、入れ替えることにより、干渉を回避することができる。
ここで、グループから離れたCHとして、CH=11とする変形例を図30に示す。
[アサインテーブルの構成例]
図30は、本技術の第3の実施の形態における通信システム100において設定されるチャンネルの一例を示す図である。図30に示す例は、図21の一部を変形した変形例である。
具体的には、音声データについて、問題が発生している空間に割り当てられるA1、B1のペアには、A2乃至A7、B2乃至B7のグループから離れているZBチャンネル11を設定する。なお、ZBチャンネル13については、割り当てないものとする。なお、図30に示すアサインテーブルを用いた場合における妨害および混信の回避については、図27に示すアサインテーブルを用いた場合における妨害および混信の回避例を適用することができる。
[情報処理装置の動作例]
次に、本技術の第3の実施の形態における情報処理装置200の動作について図面を参照して説明する。
図31は、本技術の第3の実施の形態における情報処理装置200によるチャンネル配置制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図31は、図14の変形例であるため、図14と共通する部分については、同一の符号を付して、その説明の一部を省略する。
最初に、決定部240は、特別未使用チャンネルを設定する(ステップS941)。例えば、図25に示すアサインテーブルを用いる場合には、A6、B6のペアが特別未使用チャンネルとして設定される。また、例えば、図27に示すアサインテーブルを用いる場合には、A7、B7のペアが特別未使用チャンネルとして設定される。また、例えば、図30に示すアサインテーブルを用いる場合には、A1、B1のペアが特別未使用チャンネルとして設定される。
また、配置ルールに従っている場合には(ステップS907)、回避処理が行われる(ステップS950)。なお、この回避処理については、図32を参照して詳細に説明する。
図32は、本技術の第3の実施の形態における情報処理装置200によるチャンネル配置制御処理の処理手順のうちの回避処理(図31に示すステップS950の処理手順)を示すフローチャートである。なお、図32は、図15の変形例であるため、図15と共通する部分については、同一の符号を付して、その説明の一部を省略する。
変更されたチャンネルを元に戻す処理を行った後に(ステップS912)、制御部250は、配置情報記憶部230に記憶されている配置情報に基づいて、特別未使用チャンネルのうちで、未使用のチャンネルが存在するか否かを判断する(ステップS951)。
未使用のチャンネルが存在しない場合には(ステップS951)、問題を回避することが困難であるため、配置エラーをユーザに通知する(ステップS916)。一方、未使用のチャンネルが存在する場合には(ステップS951)、第2回避処理が行われる(ステップS960)。この第2回避処理については、図33を参照して詳細に説明する。
図33は、本技術の第3の実施の形態における情報処理装置200によるチャンネル配置制御処理の処理手順のうちの第2回避処理(図32に示すステップS960の処理手順)を示すフローチャートである。なお、図33は、図17の変形例であるため、図15と共通する部分については、同一の符号を付して、その説明の一部を省略する。
最初に、決定部240は、問題があると検出された空間に配置されているチャンネルをPa(AaまたはBa)とする(ステップS961)。また、決定部240は、特別未使用チャンネル(未使用のチャンネル)のうちから入替対象となるチャンネルを1つ選択してこのチャンネルをFc(AcまたはBc)とする(ステップS961)。
続いて、決定部240は、その未使用のチャンネルは対(例えば、A7、B7のペア)で存在するか否かを判断する(ステップS962)。その未使用のチャンネルが対で存在する場合には(ステップS962)、決定部240は、該当する空間について、PaをFcに変更する(ステップS933)。また、その未使用のチャンネルが対で存在しない場合には(ステップS962)、決定部240は、各空間に配置されているチャンネルのうちから、AaとBaとAcとBcとを抽出する(ステップS935)。
このように、本技術の第3の実施の形態によれば、ch初期設定の前段階となる周波数とchの割り当てを適切に設定することができる。すなわち、チャンネル割り当てに関し、受信機の仕様上、14のチャンネルを割り当てる際に、スクリーンアサイン時の未使用チャンネル(特別未使用チャンネル)を予め決めておく。また、その特別未使用チャンネルの割り当ては、他の使用チャンネル群と周波数を離して決定する。具体的には、ZigBee相当CHのアサインにおいて、中間で「一つ飛ばし」を与える。例えば、図25に示す例において、CH21を外し、CH23を割り当てCHとして使用する。また、中間でなくとも、端のチャンネルであって、自身と隣のチャンネルに割り当てが無いchを用いて、入替対象となる未使用チャンネル(特別未使用チャンネル)とすることができる。例えば、図30に示す例において、CH13を外し、CH11を割り当てCHとして使用することができる。このように、全ての置き換えに影響がないchを未使用ch(特別未使用チャンネル)として設定する。
このように、本技術の第3の実施の形態では、使用chとWiFiの所定チャンネルとが重ならない組み合わせを適切に設定することができる。すなわち、設定した後、WiFiによって良好な品質が保てないような場合でも適切に対応することができる。これにより、使用チャンネルの何れかにおいて、WiFiの影響による問題が発生した場合でも、特別未使用チャンネルを用いて置き換えることにより、確実にそのWiFiの干渉を回避することができる。すなわち、複数の空間において近距離無線通信を同時に行う場合に、使用すべきチャンネルを適切に設定することができる。
<4.第4の実施の形態>
本技術の第1乃至第3の実施の形態では、チャンネルアサインとして、AおよびBを用いる例を示した。ただし、AおよびB以外についても同様に適用することができる。例えば、チャンネルアサインとして、AとBとCを用いても同様に適用することができる(ここで、A、B、Cは、それぞれ通信速度が異なる)。例えば、21のアサインであれば、Aを7つとし、Bを7つとし、Cを7つとすることができる。また、12のアサインであれば、Aを4つとし、Bを4つとし、Cを4つとすることができる。なお、A、BおよびCについては、必ずしも一致したアサイン数である必要はない。
そこで、本技術の第4の実施の形態では、チャンネルアサインとして、A、B、Cを用いる例を示す。なお、本技術の第4の実施の形態における通信システムの構成については、図1等に示す例と略同様である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
[アサインテーブルの構成例]
図34は、本技術の第4の実施の形態における通信システム100において設定されるチャンネルの一例を示す図である。図34に示す例では、設定CHの数が14の条件下で、ABCをアサインした例を示す。
音声データについて、A1、B1およびC1には、同じCH(11)がアサインされている。同様に、アルファベットが異なっても付される数字が同一であれば、同じCHがアサインされるようにする。
このとき、WiFiからの干渉を受ける可能性のある音声データのアサインについては、CH19、21、23を開けている。これにより、上述したように、少なくともWiFiのch−8、9、10、11については、図34に示すアサインチャンネルと重なって妨害を受けることがない。具体的には、WiFiのch−8は、CH18、19、20、21の4区間であり、WiFiのch−9は、CH19、20、21、22の4区間である。また、WiFiのch−10は、CH20、21、22、23の4区間であり、WiFiのch−11は、CH21、22、23、24の4区間である。すなわち、WiFi干渉を適切に回避することができる。
[チャンネルの配置例]
図35は、本技術の第4の実施の形態における通信システム100におけるチャンネルの配置例を示す図である。なお、図35に示す例は、図10のcおよびdの変形例であるため、図10と共通する部分については、その説明の一部を省略する。また、これらの配置の決定については、決定部240による配置決定処理により行われる。
ここで、図35のaを参照して、主に、配置ルールについて説明する。例えば、A、B、Cにより構成される一かたまり(第1群)を点線の矩形81、84で示す。また、A、B、Cにより構成される一かたまり(第2群)を点線の矩形82、83で示す。これにより、12からなる一群(点線の矩形85)が形成される。また、第1群81および第2群82の後には、第1群および第2群のラインをそれぞれ入れ替えて配置する。
次に、図35のbを参照して、主に、配置ルールについて説明する。例えば、A、Cにより構成される一かたまり(第1群)を点線の矩形91、94で示す。また、B、Cにより構成される一かたまり(第2群)を点線の矩形92、93で示す。これにより、12からなる一群(点線の矩形95)が形成される。また、第1群91および第2群92の後には、第1群および第2群のラインをそれぞれ入れ替えて配置する。
このように、図35のaおよびbに示す配置例は、基本配置ルール(1)乃至(3)を守っている配置となっている。また、図11のbに示す条件もクリアした配置となっている。
[アサインテーブルの構成例]
図36は、本技術の第4の実施の形態における通信システム100において設定されるチャンネルの一例を示す図である。図36では、図34の応用例を示す。
音声データについて、使用chをCH15、17、19、21および25とした場合に、WiFiのch−1において、お互いに影響しあうことはない。また、図36では、字幕データについても、WiFiと重ならないようにしたものである。具体的には、WiFiのch−1は、CH11、12、13、14の4区間と影響しあう。すなわち、図36に示す応用例では、字幕データおよび音声データの何れについても、Wi−Fiのch−1からの影響を全くうけない。
なお、図34乃至図36に示す例において、未使用CHとしてA5、B5、C4の組合せを設定している。この場合に、本技術の第1の実施の形態で示した混信・妨害発生時の回避例(図12、図13に示す)を適用することができる。
このように、本技術の第4の実施の形態では、異なる3つの速度でのチャンネル割当てと、これらのチャンネルの標準配置例とを示した。これにより、上述した基本配置ルールを守ることができ、かつ、WiFiの所定チャンネルとの間で共存させることができる。すなわち、チャンネル数がとても少ないときでも、A、B、Cの3つの速度を選択することができる。また、3つの速度を用いることによって、WiFiの所定チャンネルとの間でお互いに干渉せずに同時運用することができる。
例えば、劇場等の同一構内で複数同時運用するシステムにおいて、複数のチャンネルアサインとして、3以上の同一周波数チャンネルを用いる場合に、互いに認識し合わない(A、BおよびCの関係)場合を想定する。この場合に、本技術の第4の実施の形態では、ZigBee相当のCHアサインにおいて、まとまった周波数エリアでアサインを行い、使用しない周波数エリアを設定する。これにより、チャンネルアサインとして、A乃至C(A、B、Cは、それぞれ通信速度が異なる)を用いることによって、WiFiとの同時運用を可能とすることができる。すなわち、複数の空間において近距離無線通信を同時に行う場合に、使用すべきチャンネルを適切に設定することができる。
<5.第5の実施の形態>
本技術の第1乃至第4の実施の形態では、同一階における各空間において使用すべきチャンネルを設定する例を示した。ここで、大規模なシネプレックスの中には、複数階の各フロアに映画館(劇場)が配置されているシネプレックスも存在する。このように、複数階の各フロアに映画館(劇場)が配置されている場合についても、各空間において使用すべきチャンネルを適切に設定することが重要である。
そこで、本技術の第5の実施の形態では、複数階の各フロアに配置されている各空間において使用すべきチャンネルを適切に設定する例を示す。なお、本技術の第5の実施の形態における通信システムの構成については、図1等に示す例と略同様である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
[映画館(劇場)の構造例]
図37は、本技術の第5の実施の形態における通信システム100が設置される映画館(劇場)の構造を簡略化して示す図である。図37では、3階建てのビル800内において、それぞれのフロアに映画館(第1映画館801乃至第3映画館803)が設置されている場合における断面図を示す。なお、図37では、説明の容易のため、1フロアに1つの映画館のみを図示するが、1フロアには、複数の映画館が設置されているものとする。
第1映画館801乃至第3映画館803には、スクリーン804乃至806が設置され、座席807乃至809が設置されている。
ここで、上下階の間の床(天井)と、同一階(同一フロア)における複数の空間の間の壁との違いについて説明する。一般に、上下階の方向においては、下部は上部を支えなければならないため、上下階の床(天井)の厚みや構造は、空間の左右の壁よりも強固であり、厚みもある。例えば、矢印810乃至812に示すように、第1映画館801乃至第3映画館803は、垂直方向(上下方向)に高く距離が確保されている。また、矢印813、814に示すように、上下階の床(天井)は、強固で厚い。
また、一般に、映画館(劇場)においては、各座席から観賞ができるようにするために、スクリーンに対して座席が傾斜していることが多い。すなわち、一般に、映画館(劇場)においては、座席がせりあがる形状となっていることが多い。この場合には、後方が高床となり、劇場の床面は、多層構造となる。このため、劇場内部の高さ(各上下階の長さ)は、通常よりも距離が確保され、同一階の垂直方向も長い距離となることが多い。また、劇場という性格上、広い床面積を確保する必要があり、従って、上下階の強度は、通常以上に必要となることが考えられる。
例えば、座席807乃至809は、矢印815乃至817に示すように、スクリーン804乃至806から離れるのに応じてせりあがるように設置されている。すなわち、第1映画館801乃至第3映画館803では、後方が高床となり、床面は、多層構造となる。
このように、上下階の間の床(天井)は、より厚いコンクリート構造である等により、電波の減衰が大きくなることが多い。
ここで、第2映画館802における送信機(例えば、図1、図2に示す送信機300)の設置場所について説明する。送信機は、例えば、第2映画館802における後方の位置(点線の矩形Aの位置)、前方の位置(点線の矩形Bの位置)、側面の位置等のように、第2映画館802の内部に設置することが好ましい。ただし、第2映画館802の内部において、これら以外の位置に設置するようにしてもよい。また、第2映画館802の外部に送信機を設置するようにしてもよい。例えば、第2映画館802における後方に存在する映写室内の映写機の近傍の位置(点線の矩形Cの位置)に送信機を設置することができる。ただし、第2映画館802の外部に送信機を設置する場合には、送信機のアンテナを第2映画館802の内部に向けることが好ましい。なお、第1映画館801、第3映画館803についても同様である。
ここで、同一階に配置されている複数の空間の壁構造は、強度を要求されないことが多く、防音の目的等により厚みがあることが多い。このため、例えば、図11のbに示すように、5つ隣の部屋まで離れることにより影響を回避することができる可能性が高い。
しかしながら、上下階に配置されている複数の空間について、同一階における複数の空間と同様の定義をすると、複雑さが増していく。また、平面だけでなく、垂直方向にも同様なルールを適用すると、影響を回避することはできるが、チャネルアサインに当たりチャネル種類が不足してしまうおそれがある。
そこで、2.4GHz付近の減衰について説明する。例えば、上下階において、2階上方(または、2階下方)の部屋についての計算例を示す。
例えば、上下階の空間の床(天井)の構造と厚さについては、上述したように、一定以上の強度が必要である。そこで、例えば、上下階の空間の床(天井)の構造をコンクリート100mm厚さとし、上下階の各空間の高さ(各フロアの高さ)を3mとする。この場合に、2つ上階(または、2つ下階)の空間について減衰量を計算する。床(天井)は2となり、空間も2となることから、計算式は、−(39.78+20×log(3×2)+2×15.0)=−85.3dBmとなる。ここで、上述したように、例えば、−90dBm程度においては途切れながらでも検出することができため、混信問題が発生してしまう可能性がある。しかしながら、この環境は自由空間ではないため、係数nは、2.0以上となることが予想でき、さらに減衰する場合があると考えられる。このため、垂直方向に2階だけ離れたような場合には−85.3dBmとなった場合でも、影響が回避できる可能性が高い。
なお、建物の構造によっては、例えば、床(天井)1枚は、壁2乃至3枚に相当すると考えて計算することも可能である。
ここで、垂直方向における真上、真下ではなく、垂直方向に対して斜め上や斜め下となる場合を想定する。この場合においても、コンクリート厚さが真上(または、真下)を通る場合よりも斜めに横切る分だけ厚さが実質増えたり、係数nも大きくなったりすることが予想でき、さらに減衰する可能性が高いと考えられる。さらに、空間が映画館(劇場)である場合には、フロアの高さ方向がさらに長い場合が一般的であり、そのうえ、床は一層強固であるからコンクリート厚さは増す等により減衰量はさらに増すと考えられる。
以上から、上下階において、2階上方(または、2階下方)の部屋でも混信が発生しない場合がある。なお、混信と妨害の定義については、上述した定義と同様である。すなわち、完全に同一のチャンネルによって、他の空間からの音声等が聞こえてしまう状態を混信と定義する。また、所定のチャンネルにおける周波数帯を、不要な自らのまたは他の無線システムと共有し、何らかの影響を受けている状態を妨害と定義する。
[チャンネルの配置例]
図38乃至図41は、本技術の第5の実施の形態における通信システム100におけるチャンネルの配置例を示す図である。これらの配置の決定については、決定部240による配置決定処理により行われる。
ここで、複数階に配置されている複数の仕切られた空間に複数のチャンネルを配置する場合において、適切でないチャンネル配置を行うと、他の空間からのチャンネルの影響により、妨害または混信を受けるおそれがある。このため、複数階における複数の仕切られた空間に複数のチャンネルを配置する場合(例えば、図37に示すように、劇場が上階、下階に及ぶ場合に複数のチャンネルを配置する場合)には、所定ルールに基づいてチャンネルを配置する必要がある。
そこで、次の(11)乃至(13)に、チャンネル配置の原則的なルール(基本配置ルール)を示す。
(11)完全に同一のチャンネル(例えば、A1とA1)は、できる限り使用しない。ただし、完全に同一のチャンネルを使用する必要がある場合には、完全に同一のチャンネルをできるだけ遠方に配置する。
(12)複数の仕切られた空間が上階と下階の列に配置されている場合には、同一のch(例えば、A1とA1)が、垂直方向において隣接する上下階に並ばないように配置する。
(13)上述した(12)以外に、垂直方向の斜め方向において隣接する上下階に並ばないように配置する。
ここで、垂直方向において隣接する上下階に二列に配置されている複数の仕切られた空間において、安定した無線システムのため、次の(14)乃至(17)に、推奨する配置ルール(推奨配置ルール)を示す。
(14)複数の仕切られた空間が上階と下階の列に配置されている場合には、同一の番号で異なる記号(例えば、A1とB1)が、垂直方向において隣接する上下階に並ばないように配置する。
(15)完全同一となるAnとAn(例えば、A1とA1)、または、BmとBm(例えば、B4とB4)を、上下階における空間内に配置する場合には、なるべく離して配置する。また、上下階において二列に配置する場合(すなわち、上階に一列、下階に一列として配置する)には、完全同一となるAnとAn(例えば、A1とA1)、または、BmとBm(例えば、B4とB4)を異なる列になるように配置する。
(16)未使用チャンネルを確保しておく。この場合に、未使用チャンネルは、対の関係で確保しておく(例えば、A6とB6)。この対の関係で確保しておく未使用チャンネルの使用例については、図42を参照して詳細に説明する。
(17)AnとBmにおいて、(n=m)の関係にある場合(例えば、A1とB1)には、AnとBmは空間の左右、前後、斜め、または、上下階において近接させないように配置し、さらに、AnとBmが異なる列となるように配置する。
なお、基本配置ルールおよび推奨配置ルールを合わせて、配置ルールと称する。
図38には、(11)乃至(17)の配置ルール(基本配置ルールおよび推奨配置ルール)を守っていない場合における無線チャンネルの配置例を示す。具体的には、図38には、同一階において複数の仕切られた空間が二列に配置されていて、これらが4階層になっている場合における無線チャンネルの配置例を示す。なお、同一階において二列に配置されている空間の数は、6つである。なお、図38のa乃至dに示す各矩形は、同一階において仕切られた1つの空間を簡略化して示すものである。また、各矩形内に示す符号は、その空間に配置された無線チャンネルの種類を示す。なお、内部に斜線を付した矩形は、(11)乃至(17)の配置ルールを守っていない空間を意味するものとする。
図38のaには、1階における各空間を示し、図38のbには、2階における各空間を示し、図38のcには、3階における各空間を示し、図38のdには、4階における各空間を示す。
図38のbに示す上側の一列を構成する各空間のうち、左隅の空間(A1)は、1階下のフロアにおける真下の位置の空間(図38のaに示すA1の空間)に対して、(12)の基本配置ルールを守っていない空間である。
また、図38のbに示す下側の一列を構成する各空間のうち、真中の空間(A4)は、1階下のフロアにおける斜め方向の位置(図38のaに示すA4の空間)に対して、(13)の基本配置ルールを守っていない空間である。
また、図38のbに示す上側の一列を構成する各空間のうち、右隅の空間(B3)は、1階下のフロアにおける真下の位置(図38のaに示すA3の空間)に対して、(14)の推奨配置ルールを守っていない空間である。
ここで、図38のcに示す上側の一列を構成する各空間のうち、真中の空間(A2)は、2階下のフロアにおける真下の位置(図38のaに示すA2の空間)に対して、真下の関係となる。しかしながら、上述したように、上下階において、2階だけ真下(または、2階だけ下方)の空間でも混信が発生しない可能性が高い。このため、図38のcに示す空間(A2)については、実際の上下階の構造等によっては、その配置を許すことができる可能性が高い。
なお、図38のdに示す上側の一列を構成する各空間のうち、右隅の空間(A3)については、配置ルール(基本配置ルールおよび推奨配置ルール)を守っている配置例である。
ここで、例えば、実際運用において、上下階の垂直方向に対して斜め配置の関係となる空間や、上下階の垂直方向に対して同一の番号で異なる記号となる空間については、妨害が発生しないことも想定される。なお、上下階の垂直方向に対して斜め配置の関係となる空間は、例えば、図38のbに示す空間(A4)であり、上下階の垂直方向に対して同一の番号で異なる記号となる空間は、例えば、図38のbに示す空間(B3)である。例えば、上下階について、妨害の発生の有無については、その空間が存在する場所(例えば、シネプレックス)に大きく依存する。また、妨害の発生の有無については、送信機の位置、向き、構造等が影響することも想定される。
このために、例えば、図38のbに示す空間(A4)、図38のbに示す空間(B3)については、実際の上下階の構造等によっては、その配置を許すことができる場合がある。すなわち、(13)の基本配置ルール、または、(14)の推奨配置ルールを守っていない空間であっても、送信機の位置、向き、構造等によっては、その配置を許すことができる場合がある。
以上から、上下階の配置において、例えば、同一ch(例えば、A1とA1、B1とB1)については、垂直方向における1つ真上または1つ真下と、斜め隣とに配置することを避けることが好ましい。また、例えば、同一ch(例えば、A1とA1、B1とB1)について、垂直方向における2つ真上または2つ真下と、対抗な位置の1つ真上と1つ真下とに配置する場合には、送信機の位置、向き、建物の構造等によっては、その配置を許すようにしてもよい。なお、同一番号ch(例えば、A1とB1、A2とB2)については、完全に禁止するものはなく、送信機の位置、向き、建物の構造等によっては、その配置を許すようにしてもよい。
図39には、同一階において、複数の仕切られた32の空間が二列に配置されている場合における無線チャンネルの配置例を示す。なお、図39に示す例は、図10のcおよびdに示す例と略同様であり、例えば、シネプレックス内において、直線状の通路に沿って、その通路を挟むように二列に配置されている32の映画館に該当する。また、図39では、未使用チャンネルとして、対の関係であるA6とB6を確保している。
また、図10のcおよびdに示す例と同様に、例えば、Anにより構成される一かたまり(A群)が、上側のラインの左端から矢印821の位置まで配置される。同様に、Bnにより構成される一かたまり(B群)が、下側のラインの左端から矢印822の位置まで配置される。ただし、未使用チャンネル(A6とB6)以外のチャンネルが配置される。また、A群およびB群の後(矢印821、822の後)には、AnおよびBmのラインがそれぞれ入れ替えて配置される。すなわち、A群については、矢印822から矢印824の位置まで配置され、B群については、矢印821から矢印823の位置まで配置される。また、矢印823、824の後についても同様に、AnおよびBmのラインがそれぞれ入れ替えて配置される。
図40には、複数階において、複数の仕切られた32の空間が二列に配置されている場合における無線チャンネルの配置例を示す。すなわち、図40のaには、1階のフロアにおいて、8の空間が二列に配置されている場合における無線チャンネルの配置例を示す。図40のbには、2階のフロアにおいて、8の空間が二列に配置されている場合における無線チャンネルの配置例を示す。図40のcには、3階のフロアにおいて、8の空間が二列に配置されている場合における無線チャンネルの配置例を示す。図40のdには、4階のフロアにおいて、8の空間が二列に配置されている場合における無線チャンネルの配置例を示す。
ここで、図40のa乃至dでは、複数階のフロアに配置されている空間に無線チャンネルをアサインする例として、図39に示す無線チャンネルの配置を利用する例を示す。具体的には、図39に示す各空間の無線チャンネルを分割して、分割後の無線チャンネルの配置を、図40のa乃至dに示す各フロアに適用する例を示す。
例えば、図39に示す各空間の無線チャンネルを8つの空間毎に分割する。例えば、点線の矩形825乃至828で囲まれている8つの空間の無線チャンネルを1つの群として分割する。そして、分割後の無線チャンネルの配置を、図40のa乃至dに示す各フロアに適用する。具体的には、点線の矩形825で囲まれている8つの空間の無線チャンネルの配置を、図40のaに示す1階のフロアの配置とし、点線の矩形826で囲まれている8つの空間の無線チャンネルの配置を、図40のbに示す2階のフロアの配置とする。また、点線の矩形827で囲まれている8つの空間の無線チャンネルの配置を、図40のcに示す3階のフロアの配置とし、点線の矩形828で囲まれている8つの空間の無線チャンネルの配置を、図40のdに示す2階のフロアの配置とする。また、上下階のアサインを入れ替えるようにしてもよい。
なお、実際の劇場において多層階となっている場合には、1フロアについて6つのスクリーンが配置されることが多く、この場合において、図40のa乃至dに示すアサイン例を用いることが可能である。
ここで、複数階のフロアに無線チャンネルを配置する場合であっても、同一階については、本技術の第1乃至第4の実施の形態で示した配置ルールを守る必要がある。同一階の壁は、図37の矢印813、814に示すような壁が強固で厚い構造ではない場合が一般的だからである。すなわち、例えば、同一ch(例えば、A1とA1、B5とB5)については、同一ラインにおいて5つ以上遠方に置く必要がある。このため、図40のa乃至dに示すように、同一階に8つの空間が二列で配置される場合には、同一階に同一chを配置することができない。
また、同一番号ch(すなわち、A、Bの違い)については、例えば、すぐ隣とすぐ向かい(または、実用的に斜め向かいと2つ隣)を避ける必要があるが、3つ斜め対抗に配置することは可能である。このため、図40のaに示す1階のフロアでは、A1とB1を3つ斜め対抗に配置することができる。
また、上述したように、異なる階層のフロアであっても、真上方向、真下方向は同一chを配置することができない。なお、実用的には、2階真上、2階真下、1階真上の隣、1階真下の隣については、配置しないようにすることが好ましい。ただし、3階真上、3階真下、2階真上の隣、2階真下の隣については、配置することが可能である。例えば、図40のaに示す1階のフロアと、図40のdに示す4階のフロアとは、3階真上、3階真下の関係となるため、同一の配置とすることができる。また、図40のaに示す1階のフロアにおけるB1と、図40のcに示す3階のフロアにおけるB1とは、2つの上下階層の関係となるが、2つ斜めずれの関係となる。このため、図40のaに示す1階のフロアにおけるB1と、図40のcに示す3階のフロアにおけるB1とを配置することができる。
このように、図39に示す同一階における各空間の無線チャンネルを利用することにより、複数階における各空間の無線チャンネルについて、容易に、配置ルールを守った配置とすることができる。
図40では、複数階の各フロアに配置されている8つの空間について無線チャンネルを配置する例を示した。ただし、図40に示す配置例については、各フロアに配置されている空間が8でない場合についても適用することができる。例えば、各フロアに配置されている空間が8未満である場合には、図40に示す各配置のうちの不要となる空間の無線チャンネルを削除することにより、無線チャンネルの配置を決定することができる。そこで、3階の各フロアに5つの空間が配置されている場合における無線チャンネルの配置例を図41に示す。
図41には、3階の各フロアに5つの空間が配置されている場合における無線チャンネルの配置例を示す。なお、図41のa乃至dには、図40のa乃至dのそれぞれに対応する空間を示す矩形を示し、この例で不要となる空間を示す矩形を点線で示す。
すなわち、図41のaには、1階のフロアにおいて、5の空間が二列に配置されている場合における無線チャンネルの配置例を示す。図41のbには、2階のフロアにおいて、5の空間が二列に配置されている場合における無線チャンネルの配置例を示す。図41のcには、3階のフロアにおいて、5の空間が二列に配置されている場合における無線チャンネルの配置例を示す。なお、図41に示す例では、3階の各フロアに5つの空間が配置されている例であるため、4階のフロアは存在しない。そこで、図41のdには、点線の矩形のみを示す。
このように、各フロアに配置されている空間が8未満である場合には、各フロアに配置されている空間が8である場合における無線チャンネルの配置例を適用して、無線チャンネルの配置を容易に決定することができる。
図42は、本技術の第5の実施の形態における決定部240による混信または妨害の回避方法の流れを示す図である。図42では、アサインされていないチャンネルが存在する場合に、そのチャンネルの中から影響のないチャンネルを入れ替える回避例を示す。なお、図42のa乃至cの左側には、回避前の配置状態を示し、図42のa乃至cの右側には、回避後の配置状態を示す。また、図42のa乃至cの左側に示すチャンネルの配置は、図41のa乃至cと同様である。また、図42に示す回避方法は、図13に示す回避方法を適用するものである。
図42では、図42のbに示すチャンネルB3、B7が配置された空間において、何らかの問題(例えば、音声途切れ)が発生した場合を想定する。また、使用していないチャンネル(A6とB6)が存在する場合を想定する。なお、他の問題(例えば、字幕切れ)が発生した場合についても、回避処理は同様であるため、ここでの説明を省略する。
例えば、図42のbに示すチャンネルB7が配置された空間において、何らかの問題(例えば、音声途切れ)が発生した場合には、未使用チャンネル(A6またはB6)に置き換えることができる。また、例えば、図42のbに示すチャンネルB3が配置された空間において、何らかの問題(例えば、音声途切れ)が発生した場合についても同様に、未使用チャンネル(A6またはB6)に置き換えることができる。
また、例えば、図42のbに示すチャンネルB3およびB7が配置された各空間において、何らかの問題(例えば、音声途切れ)が発生した場合には、未使用チャンネル(A6またはB6)に置き換えることができる。ただし、この場合には、同一階における推奨配置ルール(6)を守るように注意する必要がある。
このように入替を行うことにより、基本配置ルールを自動的に保つことができる。すなわち、このように入替を行うことにより、予め配置されているそれぞれのチャンネルにおいて、お互いが邪魔をしあわない構成とすることができる。
これらの入替が終了した場合には、全てのシネプレックス内の電源を立ち上げた状態で、入替を行ったチャンネルについて、音声途切れや字幕切れが無いことを確認する。この場合には、受信機側では、設定するB3、B7が入れ替わった部分についてのみ、受信機設定を反映させる。そして、全ての映画館において、問題が無いことが確認された場合には、回避処理を終了する。
このように、本技術の第5の実施の形態によれば、ひっ迫したchが、同一階だけではなく上下階まで及んだ場合においても、適切にチャンネルアサインを行うことができる。これにより、複数階の各フロアに配置されている各空間において使用すべきチャンネルを適切に設定することができる。
<6.変形例>
本技術の第1乃至第5の実施の形態では、2つのRFモジュールを備える送信機と、1つのRFモジュールを備える受信機とを例にして示した。ただし、1つのRFモジュールを備える送信機や、複数のRFモジュールを備える受信機についても、本技術の実施の形態を適用することができる。
そこで、この変形例では、1つのRFモジュールを備える送信機と、複数のRFモジュールを備える受信機とについて説明する。
[送信機の内部構成例]
図43は、本技術の実施の形態の変形例における送信機600の内部構成例を示すブロック図である。なお、送信機600は、図5に示す送信機300の一部を変形したものであるため、送信機300と共通する部分については、共通の符号を付して示す。
具体的には、送信機600は、2つの独立した情報(例えば、音声データおよび字幕データ)を無線伝送するためのRFモジュール(RFモジュール601)を1つ備える送信機の一例である。
RFモジュール601は、CPU301の制御に基づいて、2つの独立した情報(例えば、音声データおよび字幕データ)の無線伝送を順次切り替えて行う。
[送信機の機能構成例]
図44は、本技術の実施の形態の変形例における送信機600の機能構成例を示すブロック図である。なお、送信機600は、図6に示す送信機300の一部を変形したものであるため、送信機300と共通する部分については、共通の符号を付して示す。
RFモジュール実行部611は、制御部320の制御に基づいて、2つの独立した情報(例えば、音声データおよび字幕データ)の無線伝送を順次切り替えて行う。
このように、送信機600は、音声データおよび所定データを1つの通信経路により順次送信することができる。
[受信機の内部構成例]
図45は、本技術の実施の形態の変形例における受信機700の内部構成例を示すブロック図である。なお、受信機700は、図7に示す受信機400の一部を変形したものであるため、受信機400と共通する部分については、共通の符号を付して示す。
具体的には、受信機700は、2つの独立した情報(例えば、音声データおよび字幕データ)をそれぞれ受信するための2つのRFモジュール(第1RFモジュール701、第2RFモジュール702)を備える送信機の一例である。また、第1RFモジュール701、第2RFモジュール702は、図7に示すRFモジュール414に対応する。
[受信機の機能構成例]
図46は、本技術の実施の形態の変形例における受信機700の機能構成例を示すブロック図である。なお、受信機700は、図8に示す受信機400の一部を変形したものであるため、受信機400と共通する部分については、共通の符号を付して示す。
具体的には、受信機700は、2つの独立した情報(例えば、音声データおよび字幕データ)をそれぞれ受信するための2つのRFモジュール実行部(第1RFモジュール実行部711、第2RFモジュール実行部712)を備える送信機の一例である。また、第1RFモジュール実行部711、第2RFモジュール実行部712は、図8に示すRFモジュール実行部440に対応する。
ここで、デコード部446は、制御部430からの指示に基づいて、第1RFモジュール実行部711および第2RFモジュール実行部712から出力されるデータについて、デコード対象となるデータを切り替える。
このように、本技術の実施の形態における通信システム100において、上述した各受信機および各送信機を用いることができる。すなわち、通信システム100を構成する受信機は、隣接する空間の間に仕切りが存在する複数の空間における各空間内において使用される受信機とすることができる。また、通信システム100を構成する送信機は、各空間内に設置され、同一空間に存在する複数の受信機との間で近距離無線通信(例えば、IEEE802.15.4方式)を同時に行う送信機とすることができる。また、通信システム100において、複数の空間の数に基づいて必要となる近距離無線通信に係るチャンネル数が、設定可能な近距離無線通信に係るチャンネル数を超える場合が想定される。このような場合でも、本技術の実施の形態では、複数の空間のうちの少なくとも2つの空間に設置されている各送信機に、同一周波数となるチャンネルが所定規則に基づいて設定される。
また、その同一周波数となるチャンネルは、同一の通信速度とされ、受信機において同時に識別することができるチャンネル(例えば、A1とA1、B1とB1)とすることができる。また、その同一周波数となるチャンネルは、異なる通信速度となる複数種類のチャンネルからなり、受信機においてその複数種類のチャンネルを互いに検出することができないチャンネル(例えば、A1とB1、A2とB2)とすることができる。
また、通信システム100において、各空間内において近距離無線通信に係る2種類のチャンネル(例えば、A1とB1、A2とB2)をアサインするようにしてもよい。この場合に、各受信機は、各空間内においてその2種類のチャンネルに係るデータ(例えば、音声データおよび字幕データ)を受信するようにしてもよい。また、各受信機は、2種類のチャンネルを切り替えて、何れか一方のチャンネルに係るデータを受信するようにしてもよい。
このように、本技術は、以下のような構成(構成例1乃至5)をとることができる。
[構成例1]
隣接する空間の間に仕切りが存在する複数の空間における各空間内において使用される受信機と、
前記各空間内に設置され、同一空間に存在する複数の前記受信機との間で近距離無線通信を同時に行う送信機とを具備し、
前記複数の空間の数に基づいて必要となる前記近距離無線通信に係るチャンネル数が、設定可能な前記近距離無線通信に係るチャンネル数を超えている場合に、前記複数の空間のうちの少なくとも2つの空間に設置されている各送信機に、同一周波数となるチャンネルが所定規則に基づいて設定される
通信システム。
[構成例2]
前記同一周波数となるチャンネルは、同一の通信速度とされ、前記受信機において同時に識別することができる構成例1記載の通信システム。
[構成例3]
前記同一周波数となるチャンネルは、異なる通信速度となる複数種類のチャンネルからなり、前記受信機において前記複数種類のチャンネルを互いに検出することができない構成例1記載の通信システム。
[構成例4]
前記各空間内において前記近距離無線通信に係る2種類のチャンネルがアサインされ、
前記受信機は、各空間内において前記2種類のチャンネルに係るデータを受信する
構成例1記載の通信システム。
[構成例5]
前記受信機は、前記2種類のチャンネルを切り替えて、何れか一方のチャンネルに係るデータを受信する構成例4記載の通信システム。
ここで、複数のスクリーンが集まった総合映画館において、それぞれのスクリーンにおいて個別に無線方式を用いて音声等の情報伝送を行う場合、ワールドワイドで運用するには周波数2.4GHz帯(2.4GHz〜2.5GHz)を用いれば共通としやすい。このISMバンド(Industrial, Scientific and Medical band)は、無線免許不要で利用することができる周波数帯である。また、国際電気通信連語(ITU)によって取り決められている。なお、日本では、10mW以下の出力であれば無線免許が不要である。
2.4GHz帯を用いる無線方式としては、WiFi(IEEE802.11 b/g/n)、Bluetooth(登録商標)(IEEE802.15.1)、そしてZigBee(IEEE802.15.4)などが上げられる。
IEEE802.11は、11bが1ch−14ch(日本のみ。外国は13chまで)を有し、11g(11n)が1−13chを有する。しかし、ch間隔は5MHzしかなく、一方で同通信1つのチャネル幅は22MHzであることから、電波干渉を起こさないためには5つ離したチャンネル(例えば、1、6、11chの3チャネル)しか選ぶことができない。また、そのチャンネル当たりの安定した通信は、一般に16台程度であるとされている。
また、IEEE802.15.1は、79のRFチャンネル(1MHz間隔)をランダムにホッピングする通信方式であり、干渉に対して強いとされている。また、送信電力がアップされた規格によって、見通し100m程度の通信を行うことができる。一方で、同方式は、1台のマスター機器に対して同時接続可能なスレーブは最大7台である。
また、IEEE802.15.4は、26のRFチャンネル(5MHz間隔)に対して2MHzの帯域を使用するため、26全てのチャンネルを使用して同時に通信することができる。また、同方式は、最大で65535台の端末接続が可能であり、1台のコーディネーターから複数のエンドデバイスにデータを送信することができる。また、同方式は省電力を特徴として近距離通信をターゲットとしているが、送信電力レベルは、10〜100mW(国の規格による)まで許容されており、100m通信システムも構築は可能である。
このように、802.11方式は、干渉が無いチャンネルは3つしか選択できない上、各チャンネル安定送信は、16台程度である。また、802.15.1方式は、1つのシステムには7台までしか接続できない。
ここで、例えば、映画館のような、多数の観客が受信対象となる場合での使用を考える。それぞれのスクリーンにおいて、例えば、20人の観客が同時に使用することができることを想定した場合、802.11方式においては、安定した台数を超えた運用となるので不安定になる恐れがある。また、802.15.1方式は、1つのシステムでは必要接続数が足りないために少なくとも3つのシステムをスクリーン内に持つ必要がある。このような不安定さや複雑さといった問題がある。
IEEE802.15.4方式(例えば、ZigBee)方式では、1つのネットワーク当たりの接続可能なノード数は、最大65535(2^16−2)である。さらに、ブロードキャスト方式を運用することもできる。
しかし、IEEE802.15.4方式(@2400MHz帯)のチャンネル数(ch11からch26までの16チャンネル)を超えて運用を行う場合には、同一のchを使用するほかなく、近傍での同時運用にはお互いに干渉して不安定となるおそれがある。さらに、CSMA−CA方式は有効な回避手段だが、干渉する送信機同士の送信クロックの規定内のずれに起因する検出タイミングで不安定となるおそれがある。
ここで、IEEE802.15.4方式を用いた運用を行う場合を想定する。例えば、映画館の10スクリーンにおいて多数のユーザが同時使用するため、ブロードキャスト送信している場合を想定する。
各スクリーンでは、字幕データおよび音声データを独立に無線伝送するため、IEEE802.15.4方式の2つのチャンネルを利用している場合に、16チャンネルは8スクリーン分までは個々にアサインすることができる。ただし、残る2スクリーンは、どこか共通のチャンネルを選択する必要がある。ここで、選択したチャンネルが近傍にある場合には、良好な無線通信が行えない場合がある。
例えば、同一チャンネルでIDが同一である場合には、遠方にある共通して選択したチャンネルから受信してしまうことがある(混信)。
ここで、IEEE802.15.4方式に定義されているPAN−IDを別にし、同一チャンネルでも識別することができるようにした場合でも、そのパケットを受信してPAN−ID識別を行う処理において、時間軸で受信しない区間が発生する。すなわち、受信したパケットが必要外のパケットであると判断して処理しない区間に、本来必要なパケットが非同期にかかってくると、そのパケットはロスされることになる。この場合には、音声データの無線伝送のような伝送(例えば、通信容量の数10%を占める伝送)においては、上述した回避処理や再送処理を行っても、関係のないそれらが「妨害波」となって良好に通信することができないおそれもある。この場合には、例えば、音声データは音切れとなって現れる(妨害)。
また、PAN−ID識別で述べた非同期なパケットの関係において、IEEE802.15.4方式はCSMA−CA方式が定義されており、これによってお互いが重複しないで通信することが可能となる方法がある。ただし、他の送信機からの妨害電波が識別しきい値以下で動作しないのに、受信機位置では両者が見えているために非同期となる場合がある。また、CSMA−CA方式が動作していた場合でも、その少なくとも2つの受信機のそれぞれが持つ動作周波数の微小なずれに起因する非同期性が、一例として30分サイクルで波形の重なりとして発生する場合がある。これは音声データでは、問題となり得る。
ここで、例えば、通信システム100の無線方式は、2.4GHz帯を用いているため、WiFi等の2.4GHz帯を使用する他の無線システムが妨害波となって影響を及ぼすおそれがある。また、通信システム100は、シネマコンプレックスで運用されることから、複数同時に稼働することになる。そのため、システム同士がお互いに影響しあわないようにする必要がある。
そこで、本技術の実施の形態では、エリア内に複数同時にシステムを構築する場合において、自身の混信を防ぎながら、設定チャンネルを超えた場合の配置を実現して好適に通信を行うことができる。
また、本技術の実施の形態では、他のWiFi等による妨害が発生した場合でも、これを有効に回避し、好適な通信を行うことができる。
さらに、本技術の実施の形態では、音声データおよび字幕データ等の別の情報をそれぞれ独立して無線送信する場合でも、安定した通信を行うことができる。
このように、本技術の実施の形態によれば、例えば、シネマコンプレックスに通信システム100を導入する際に無線チャンネルを適切に設定することができる。また、無線チャンネルの設定後に、音声途切れや字幕途切れ等が発生した場合でもそれらを適切に回避することができる。すなわち、複数の空間において近距離無線通信を同時に行う場合に、使用すべきチャンネルを適切に設定することができる。
ここで、本技術は、上述した実施の形態および変形例以外にも適用することができる。以下では、本技術の実施の形態の適用例を示す。
[字幕データと音声データ以外のものを伝送するシステムとして]
本技術の実施の形態では、字幕データおよび音声データを伝送する劇場システムの例を示したが、劇場システム以外にも適用することができる。例えば、字幕データおよび音声データ以外のものを伝送する場合についても、本技術の実施の形態を適用することができる。例えば、音声データの代わりに、伝送容量としてビジーなデータ(例えば、映像データ)を伝送し、字幕データの代わりに、伝送容量として比較的余裕あるデータ(例えば、離散的な伝送情報データ)を伝送する場合に本技術の実施の形態を適用することができる。
[通信速度の選択について]
本技術の実施の形態では、2つの方式で、2つの通信速度(例えば、250kbpsと500kbps)を選択する例を示したが、選択肢の中で250kbpsを意図的に除外するようにしてもよい。このとき、250kbpsは、他のIEEE802.15.4の規格とかぶるので混信を引き起こす場合があるが、500kbps、667kbps、1Mbps、2Mbpsから2つを選択すると、他のIEEE802.15.4は妨害電波となる。このため、他のIEEE802.15.4の影響をいっそう少なくすることができる。したがって、好適な通信を実現することができる。
[囲われたスペースと送信出力との関係について]
囲われたスペースに応じて送信出力を変更するようにしてもよい。例えば、劇場のような大きなスペース単位であれば、ハイパワーとし、カラオケ部屋のように小さいスペース単位であれば、パワーを少なくすることにより、それぞれの場合において同時運用することができる。このとき、必要なエリアで十分な受信電波強度を確保しつつ、他から見れば妨害電波を少なくすることができる。すなわち、そのスペース内で通信しながら他のスペースでは混信・妨害が無いようにすることができる。
[IEEE802.15.4準拠以外の適用について]
同様に、同じ周波数チャンネルであっても、お互いに識別し合わない関係となっている無線チャンネルがあるシステムであれば、本技術の実施の形態を適用することができる。
[送信機の位置について]
図1および図2においては、送信機の位置をスクリーンの後方にする例を示した。しかし、送信機の位置は、スクリーンが設置されている側に設置するようにしてもよく、または、映画館内の左右や天井に設置するようにしてもよい。
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)
複数の空間における各空間内において、複数の無線通信装置を使用して近距離無線通信を同時に空間毎に行う場合に、所定規則に基づいて各空間において使用すべきチャンネルを空間毎に決定する決定部と、
前記無線通信装置が使用される空間に応じて前記決定されたチャンネルを当該無線通信装置に設定するための制御を行う制御部と
を具備する情報処理装置。
(2)
前記決定部は、前記複数の空間の数が前記無線通信装置のチャンネル数を超える場合には、前記複数の空間において使用すべきチャンネルを空間毎に決定するとともに、前記近距離無線通信に用いられる通信速度として複数の通信速度をチャンネル毎に設定する前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記決定部は、同一チャンネルである第1チャンネルを複数の空間において使用する場合には、前記第1チャンネルが使用される空間である第1空間および第2空間が所定距離だけ離れるように前記チャンネルを決定する前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記決定されたチャンネルを使用して前記近距離無線通信を行う無線通信装置のうちから所定の妨害波を受信する無線通信装置が存在する空間である第1空間を検出する検出部をさらに具備し、
前記決定部は、前記第1空間について決定されたチャンネルを第1チャンネルとし、前記第1空間において前記所定の妨害波からの影響を受けにくいチャンネルを候補チャンネルとして前記所定規則に基づいて決定して、前記第1チャンネルが決定されている全ての空間について前記候補チャンネルを新たに使用すべきチャンネルとして決定する
前記(1)から(3)のいずれかに記載の情報処理装置。
(5)
前記候補チャンネルは、前記複数の空間の何れかの空間において使用すべきチャンネルとして決定されているチャンネル、または、前記複数の空間の何れの空間においても未使用となっているチャンネルである前記(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記候補チャンネルは、特定の無線LANによる妨害波の影響を受けないチャンネルである前記(4)に記載の情報処理装置。
(7)
前記複数の無線通信装置は、送信機および受信機により構成され、
前記送信機は、音声データおよび所定データのうちの少なくとも一方を前記受信機に送信する
前記(1)から(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8)
前記送信機は、音声データおよび所定データを1つの通信経路により順次送信する前記(7)に記載の情報処理装置。
(9)
前記送信機は、音声データおよび所定データを異なる周波数で複数の通信経路により送信し、
前記決定部は、前記各空間において使用すべきチャンネルとして1つの空間に複数のチャンネルを決定する
前記(7)に記載の情報処理装置。
(10)
前記送信機は、音声データおよび所定データを異なる通信速度で複数の通信経路により送信し、
前記決定部は、前記各空間において使用すべきチャンネルおよびその通信速度として1つの空間に複数の通信速度を決定する
前記(7)に記載の情報処理装置。
(11)
前記送信機は、前記音声データについては再送処理を行わず、前記所定データについてのみ再送処理を行う前記(9)または(10)に記載の情報処理装置。
(12)
前記所定データのそれぞれには、識別情報が付与され、
前記受信機は、前記所定データ毎に付与されている識別情報により前記所定データを識別する
前記(1)から(11)のいずれかに記載の情報処理装置。
(13)
前記近距離無線通信の周波数は、2.4GHz帯である前記(1)から(12)のいずれかに記載の情報処理装置。
(14)
前記近距離無線通信の無線方式は、IEEE802.15.4準拠である前記(1)から(13)のいずれかに記載の情報処理装置。
(15)
前記複数の空間のうちの隣接する空間の間には仕切りが存在する前記(1)から(14)のいずれかに記載の情報処理装置。
(16)
近距離無線通信を行う複数の無線通信装置と、
隣接する空間の間に仕切りが存在する複数の空間における各空間内において、前記複数の無線通信装置を使用して前記近距離無線通信を同時に空間毎に行う場合に、所定規則に基づいて各空間において使用すべきチャンネルを空間毎に決定する決定部と、前記無線通信装置が使用される空間に応じて前記決定されたチャンネルを当該無線通信装置に設定するための制御を行う制御部とを具備する情報処理装置と
を具備する通信システム。
(17)
隣接する空間の間に仕切りが存在する複数の空間における各空間内において使用される受信機と、
前記各空間内に設置され、同一空間に存在する複数の前記受信機との間で近距離無線通信を同時に行う送信機とを具備し、
前記複数の空間の数に基づいて必要となる前記近距離無線通信に係るチャンネル数が、設定可能な前記近距離無線通信に係るチャンネル数を超えている場合に、前記複数の空間のうちの少なくとも2つの空間に設置されている各送信機に、同一周波数となるチャンネルが所定規則に基づいて設定される
通信システム。
(18)
前記同一周波数となるチャンネルは、同一の通信速度とされ、前記受信機において同時に識別することができる前記(17)に記載の通信システム。
(19)
前記同一周波数となるチャンネルは、異なる通信速度となる複数種類のチャンネルからなり、前記受信機において前記複数種類のチャンネルを互いに検出することができない前記(17)に記載の通信システム。
(20)
隣接する空間の間に仕切りが存在する複数の空間における各空間内において、複数の無線通信装置を使用して近距離無線通信を同時に空間毎に行う場合に、所定規則に基づいて各空間において使用すべきチャンネルを空間毎に決定する決定手順と、
前記無線通信装置が使用される空間に応じて前記決定されたチャンネルを当該無線通信装置に設定する設定手順と
を具備するチャンネル設定方法。