JP5999342B2 - メタクリル酸グリシジルの製造方法 - Google Patents

メタクリル酸グリシジルの製造方法 Download PDF

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本発明はメタクリル酸(以下、MAAと記す)とアルカリ金属化合物から得られたMAAのアルカリ金属塩とエピクロルヒドリン(以下、EpCHと記す)からメタクリル酸グリシジル(以下、GMAと記す)を合成する方法に関する。GMAは耐候性塗料や各種樹脂の原料として有用である。
GMAを始めとするメタクリル酸エステルは、製造工程や、貯蔵、輸送中に熱等の要因により、しばしば重合し、配管やストレーナーで閉塞トラブルを引き起こすことがある。このためGMAを製造するにあたっては、p−メトキシフェノール等のフェノール類や、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)等のビスフェノール類、4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等のN−オキシル化合物、およびフェノチアジン等を添加し重合防止を行うのが一般的である。
例えば特開昭55−17307号公報には、GMAを製造する際の重合禁止剤としてp−メトキシフェノールを使用することが記載され、特開2011−46626にはアクリル酸グリシジル製造時の重合禁止剤としてアルキルフェノール類やN―オキシル化合物が例示されている。また、特開平2−193944号公報にはフェノチアジン化合物とキノン化合物を用いる(メタ)アクリル酸エステルの重合抑制方法が記載されている。また、特開2002−338611号公報にはフェノール系化合物を用いた低着色性の硬化性組成物の製法が記載されている。
このうち、4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等のN−オキシル化合物やフェノチアジンはフェノール類やビスフェノール類に比べて高い重合禁止能を示すことが知られているが、製品に混入した際に着色の原因となったり、GMAの用途によっては重合禁止剤由来の窒素原子の混入を避ける必要があり、使用方法や使用量が限定されることがある。
その一方で、ビスフェノール系重合禁止剤は蒸気圧が低いために、製品への混入が殆どなく、また着色性も無いことから、合成段階から使用する重合禁止剤として好ましい特徴を持っている。
しかしながら、これらのビスフェノール系重合禁止剤を添加していても、反応条件によっては合成時にGMAの重合物が発生することがあり、安定的な運転生産に支障をきたすことが問題となっている。このような背景から、合成時に重合物を発生させないGMAの製造法の出現が強く望まれている。
特開昭55−17307号公報 特開2011−46626号公報 特開平2−193944号公報 特開2002−338611号公報
本発明の目的は、従来技術における上記したような課題を解決し、重合物の生成を抑制したGMAの製造法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、2,2’−メチレンビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノ−ル)のように分子内にビスフェノール性水酸基を持つ重合禁止剤は、MAAのアルカリ金属塩とEpCHからGMAを合成する反応中に、第四級アンモニウム塩触媒の存在下で変質し、重合禁止能を喪失していることをつきとめた。
そこで本発明者らは、合成反応中にビスフェノール系重合禁止剤を連続的に投入し、系内の重合禁止剤濃度を一定の水準以上に保つことで、合成時の重合物の発生を抑制できると考え、鋭意検討した結果、当該目的に適った重合禁止剤の添加方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は下記工程(1)と工程(2);
工程(1):EpCHの存在下、MAAとアルカリ金属化合物を反応させ、MAAのアルカリ金属塩を合成する工程、
工程(2):工程(1)で得られた反応生成液に対して第四級アンモニウム塩触媒を混合し、さらにビスフェノール系重合禁止剤を連続的又は断続的に混合し、MAAのアルカリ金属塩とEpCHをエステル化反応させてGMAを合成する工程、
を含むGMAの製造方法であって、工程(2)におけるエステル化反応開始からエステル化反応終了までの間、反応液中のビスフェノール系重合禁止剤の濃度が100ppm以上であることを特徴とする、GMAの製造方法である。
本発明の製造方法によれば、GMA合成時の重合物の生成を抑制し、安定的かつ経済的な生産活動を可能とする。
以下に本発明のGMAの製造方法について詳細を説明する。本発明のGMAの製造方法は、
工程(1)EpCHとMAAとアルカリ金属化合物と、を含む組成物においてMAAとアルカリ金属化合物を反応させ、MAAのアルカリ金属塩を合成する工程、
工程(2)MAAのアルカリ金属塩とEpCHをエステル化反応させてGMAを合成する工程であって、前記工程(1)で得られたMAAのアルカリ金属塩とEpCHを含む反応生成液に対して第四級アンモニウム塩触媒を混合し、ビスフェノール系重合禁止剤を連続的又は断続的に混合する工程、
からなることを特徴とする。
工程(1)において、EpCHとMAAとアルカリ金属化合物を含む組成物を調整する方法は特に限定されない。EpCHとMAA存在下にアルカリ金属化合物を添加しても良いし、逆に、EpCHとアルカリ金属化合物存在下にMAAを添加しても良い。EpCHは工程(1)において反応溶媒として作用する。
工程(1)において、MAAとアルカリ金属化合物とを反応させてMAAのアルカリ金属塩を合成する際の反応温度や圧力は特に限定されず、公知の方法で行うことができる。
MAAのアルカリ金属塩と反応させるEpCHの量は、MAAのアルカリ金属塩の1〜10倍モル、好ましくはMAAのアルカリ金属塩との反応量を上回る3〜8倍モルが望ましい。EpCHが少ないと副生成物が増加してGMA収率が低下し、多すぎると釜効率が下がって非経済的である。
アルカリ金属化合物は特に限定されないが、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム等のナトリウム化合物、或いは水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等のカリウム化合物等が挙げられる。アルカリ金属化合物はMAAより過剰に使用され、その使用量はMAAの1〜10倍当量、好ましくは1〜2倍当量である。MAAをアルカリ金属塩となすこの工程は無溶媒で行っても良いが溶媒や分散媒(以下、媒体と記す)を使用しても良く、次工程を考慮するとEpCH存在下で行うのが好ましい。
工程(1)において、EpCHとMAAとアルカリ金属化合物を含む組成物中に重合禁止剤を含んでいてもよい。重合禁止剤を含むことにより主としてMAAの重合反応を抑制する効果がある。重合禁止剤としては、着色性が無い点、蒸気圧が低く製品への混入可能性が低い点から、ビスフェノール系重合禁止剤(A1)を使用することができる。
ビスフェノール系重合禁止剤(A1)は紛体やペレット等の固体状態で随時混合してもよいが、操作が煩雑になるため、溶液として連続的に系内に混合するのが好ましい。その際に使用する溶媒は反応を阻害するようなものを除き、特に限定されない。前記溶媒は、その後の操作を考慮するとEpCHあるいはGMAが好ましい。
ビスフェノール系重合禁止剤(A1)を前記溶媒に溶解させて混合する場合、溶液中のビスフェノール系重合禁止剤の濃度は、1〜50wt%が好ましく、より好ましくは5〜30wt%程度である。濃度が1wt%未満の場合、溶媒の量が増加し、反応温度の低下や生産効率の悪化を招くため好ましくない。濃度が50wt%を超えると、溶解度の観点から溶媒に十分溶解しなくなる場合があり好ましくない。
ビスフェノール系重合禁止剤(A1)としては、具体的には2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(例えば、「アンテージW−400」、川口化学工業社製)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(例えば、「アンテージW−500」、川口化学工業社製)、4,4−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(例えば、「アデカスタブAO40」、ADEKA社製)、トリ−エチレングリコール−ビス−3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(例えば、「アデカスタブAO70」、ADEKA社製)、3,9−ビス[1,1−ジ−メチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(例えば、「アデカスタブAO80」、ADEKA社製)、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン(例えば、「IRGANOX 1098」、BASFジャパン社製)が挙げられる。ビスフェノール系重合禁止剤(A1)として上記化合物から選ばれる少なくとも1つ以上を使用してよく、単独または複数を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(アンテージW−400)と2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(アンテージW−500)が特に好ましい。
工程(1)において、EpCHとMAAとアルカリ金属化合物を含む組成物に対してビスフェノール系重合禁止剤(A1)を混合する時期について特に制限はない。例えば段落0014に記載のように工程(1)における原料(EpCHとアルカリ金属化合物、あるいは、EpCHとMAA)を仕込む時と同時に混合してもよい。上記原料に対してMAAあるいはアルカリ金属化合物を混合する時と同時や、前記MAAあるいはアルカリ金属化合物の混合前、混合後に混合してもよい。続いて行われる工程(2)の第四級アンモニウム塩触媒を混合する操作の直前であってもよい。また、混合する方法にも制限はなく、一度に全量を混合してもよく、連続的又は断続的に混合してもよい。連続的又は断続的に混合する方法としては、一度に全量を混合する方法でなければよい。例えば一定の時間をかけて滴下する方法、複数回に分けて投入する方法などの公知の方法が挙げられ、これらを組み合わせてもよい。中でも、原料を仕込む時と同時に全量を混合する方法が好ましい。
工程(2)において、まず前記工程(1)で得られたMAAのアルカリ金属塩とEpCHを含む反応生成液に対して第四級アンモニウム塩触媒を混合する。
第四級アンモニウム塩については公知の化合物が使用でき、例えばテトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチルエチルアンモニウムクロライド、ジメチルジエチルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルエチルアンモニウムブロマイド、ジメチルジエチルアンモニウムブロマイド、メチルトリエチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、トリメチルエチルアンモニウムアイオダイド、ジメチルジエチルアンモニウムアイオダイド、メチルトリエチルアンモニウムアイオダイド等が例示される。第四級アンモニウム塩の使用量については特に限定されない。
工程(2)において、前記反応生成液と第四級アンモニウム塩とビスフェノール系重合禁止剤からなる反応液中のビスフェノール系重合禁止剤の濃度を100ppm以上に維持することが好ましい。ビスフェノール系重合禁止剤の濃度が100ppm未満の場合、GMA、MMAアルカリ金属塩等が有する2重結合の重合を抑制する効果が低下し、重合物が生成する場合がある。
しかしながら、ビスフェノール系重合禁止剤は第四級アンモニウム塩の存在下で変質し重合禁止剤としての機能が喪失する。工程(2)においては、反応液中のビスフェノール系重合禁止剤の濃度を100ppm以上に維持するため、前記反応液中にビスフェノール系重合禁止剤(A2)を連続的又は断続的に添加する。
ビスフェノール系重合禁止剤(A2)としては、具体的には2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(例えば、「アンテージW−400」、川口化学工業社製)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(例えば、「アンテージW−500」、川口化学工業社製)、4,4−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(例えば、「アデカスタブAO40」、ADEKA社製)、トリ−エチレングリコール−ビス−3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(例えば、「アデカスタブAO70」、ADEKA社製)、3,9−ビス[1,1−ジ−メチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(例えば、「アデカスタブAO80」、ADEKA社製)、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン(例えば、「IRGANOX 1098」、BASFジャパン社製)が挙げられる。ビスフェノール系重合禁止剤(A2)として上記化合物から選ばれる少なくとも1つ以上を使用してよく、単独または複数を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(アンテージW−400)と2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(アンテージW−500)が特に好ましい。
ビスフェノール系重合禁止剤(A2)を連続的又は断続的に混合する時期は、エステル化反応開始からエステル化反応が終了するまでの期間である。具体的には、第四級アンモニウム塩の混合時と同時、第四級アンモニウム塩の混合後、エステル化反応中、エステル化反応が終了するまでの期間である。エステル化反応の終了は後述するようにMAAのアルカリ金属塩がほぼ消費された時点である。
連続的又は断続的に混合する方法としては、一度に全量を混合する方法でなければよい。連続的又は断続的に混合する方法は特に限定されないが、例えば一定の時間をかけて滴下する方法、複数回に分けて投入する方法といった公知の方法が挙げられ、これらを組み合わせた方法でもよい。
工程(2)においてMAAのアルカリ金属塩とEpCHを反応させる際の温度や圧力は特に限定されない。通常は常圧、EpCHの沸点である116℃前後で反応を行い、MAAのアルカリ金属塩がほぼ消費された時点で反応終了とする。
本発明において、工程(1)と工程(2)において使用するビスフェノール系重合禁止剤の合計重量(すなわちビスフェノール系重合禁止剤(A1)とビスフェノール系重合禁止剤(A2)の合計重量)の、MAAの重量に対する割合は、好ましくは1wt%〜10wt%、より好ましくは1wt%〜3wt%である。1wt%未満であるとMAAの重合を抑制する効果が十分得られず、10wt%を超えると非経済的である。
本発明において、工程(1)と工程(2)において重合を防止する目的で系内に空気を吹き込んでもよい。
工程(2)においてエステル化反応が終了した時点でGMA含有反応生成液(B)が得られる。GMA含有反応生成液(B)は、主生成物であるGMAの他にグリシドールのような副生成物と未反応のEpCHが含まれ、また生成したGMAとほぼ同当量のアルカリ金属塩化物がスラリーとして含まれる。GMA含有反応生成液(B)から上記スラリーを除去する方法としては、例えば濾過により除去する方法、遠心分離により除去する方法、水洗により除去する方法といった公知の方法が挙げられる。中でも水洗により除去する方法が好ましい。
スラリーを水洗によって除去する場合、GMA含有反応生成液(B)を冷却し、液温が下がった後に水を添加し、その後分液操作を行うことが好ましい。上記において、好ましくはGMA含有反応生成液(B)の液温が80℃以下において水を添加することが好ましく、より好ましくは65℃以下である。80℃を超える液温において水を添加すると副反応に伴う副生成物が増加する場合があり好ましくない。
本発明では、前述したように工程(2)のエステル化反応開始からエステル化反応終了までの期間において、反応液中のビスフェノール系重合禁止剤の濃度が100ppm以上であることが好ましい。工程(2)のエステル化反応開始からエステル化反応終了後の冷却開始までの期間において、前記反応液およびGMA含有反応生成液(B)中のビスフェノール系重合禁止剤の濃度が100ppm以上であることが、より好ましい。
また本発明では、GMA含有反応生成液(B)の冷却終了時点とは、水を添加する直前の時点である。工程(2)のエステル化反応開始からGMA含有反応生成液(B)の冷却終了時点までの期間において、反応液およびGMA含有反応生成液(B)中のビスフェノール系重合禁止剤の濃度が100ppm以上であることが、更に好ましい。
上記のGMA含有反応生成液(B)を冷却する期間においてビスフェノール系重合禁止剤の濃度を100ppm以上に維持するため、GMA含有反応生成液(B)に対してビスフェノール系重合禁止剤(A3)を混合してもよい。ビスフェノール系重合禁止剤(A3)としては、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(例えば、「アンテージW−400」、川口化学工業社製)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(例えば、「アンテージW−500」、川口化学工業社製)、4,4−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(例えば、「アデカスタブAO40」、ADEKA社製)、トリ−エチレングリコール−ビス−3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(例えば、「アデカスタブAO70」、ADEKA社製)、3,9−ビス[1,1−ジ−メチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(例えば、「アデカスタブAO80」、ADEKA社製)、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン(例えば、「IRGANOX 1098」、BASFジャパン社製)が挙げられる。ビスフェノール系重合禁止剤(A3)として上記化合物から選ばれる少なくとも1つ以上を使用してよく、単独または複数を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(アンテージW−400)と2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(アンテージW−500)が特に好ましい。
ビスフェノール系重合禁止剤(A3)はビスフェノール系重合禁止剤(A1)と同様に、紛体やペレット等の固体状態で随時混合してもよいが、操作が煩雑になるため、溶液として連続的に混合するのが好ましい。その際に使用する溶媒は特に限定されないが、EpCHあるいはGMAが好ましい。
ビスフェノール系重合禁止剤(A3)を前記溶媒に溶解させて混合する場合、溶液中のビスフェノール系重合禁止剤の濃度は、1〜50wt%が好ましく、より好ましくは5〜30wt%程度である。濃度が1wt%未満の場合、溶媒の量が増加し、反応温度の低下や生産効率の悪化を招くため好ましくない。濃度が50wt%を超えると、溶解度の観点から溶媒に十分溶解しなくなる場合があり好ましくない。
スラリーの除去後に得られた反応液中の重合物の有無は、10ccのメタノールに対して反応液0.5ccを添加し、メタノール中に白濁が生じるか否かで見分けることが出来る。白濁した場合には重合物が生成しており、白濁していない場合は重合物は生成していないと判定する。
以下、本発明を実施例および比較例をもってさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。実施例にて説明したGMAの製造条件、製造方法は例示であり、適宜変更することができるし、使用した各種の装置も例示であり、適宜変更することができる。なお、反応液中の2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)の分析にはガスクロマトグラフ(島津製作所社製GC−1700)を使用した。
実施例1
攪拌機、還流冷却器およびデカンタ−を備えた内容積1Lの丸底フラスコにEpCH648g、炭酸ナトリウム58g、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)0.5gを量り採り、重合防止のために系内に空気を吹き込み、攪拌しながら加熱した。EpCHの還流を確認後、MAA86gを1時間かけて滴下し、その後、触媒であるテトラメチルアンモニウムクロライド0.25gを加えて60分間エステル化反応を行った。その際、エステル化反応開始と同時に、10wt%の2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)のEpCH溶液5.0gをエステル化反応中および、反応後冷却工程の間、系内に滴下し続けた。冷却後はイオン交換水240gを添加し、水洗後、分液操作を行った。得られた油相を0.5ccサンプリングし、10ccのメタノールに加えたが、メタノール中に白濁せず、重合物の生成が無いことを確認した。エステル化反応時、および水洗後の抽出液中の重合禁止剤濃度を表1に示す。
実施例2
反応開始前に仕込む2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を0.25gとし、エステル化反応中および反応後冷却工程の間に10wt%の2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)のEpCH溶液7.5gを滴下したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた油相を0.5ccサンプリングし、10ccのメタノールに加えると、メタノール中に白濁せず、重合物の生成が無いことを確認した。エステル化反応時、および水洗後の抽出液中の重合禁止剤濃度を表1に示す。
実施例3
反応開始前に仕込む2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)を0.5gとし、エステル化反応中および反応後冷却工程の間に5wt%の2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)のEpCH溶液15gを滴下したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた油相を0.5ccサンプリングし、10ccのメタノールに加えると、メタノール中に白濁せず、重合物の生成が無いことを確認した。エステル化反応時、および水洗後の抽出液中の重合禁止剤濃度を表1に示す。
比較例1
反応開始前に仕込む2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を1.5gとし、エステル化反応中および反応後冷却工程の間に2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)のEpCH溶液を滴下しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた油相を0.5ccサンプリングし、10ccのメタノールに加えると、メタノール中に白濁が生じ、重合物の生成を確認した。エステル化反応時、および水洗後の抽出液中の重合禁止剤濃度を表1に示す。
比較例2
反応開始前に仕込む2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を0.5gとし、エステル化反応中および反応後冷却工程の間に5wt%の2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)のEpCH溶液5.0gを滴下したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた油相を0.5ccサンプリングし、10ccのメタノールに加えると、メタノール中に白濁が生じ、重合物の生成を確認した。エステル化反応時、および水洗後の抽出液中の重合禁止剤濃度を表1に示す。
Figure 0005999342

Claims (1)

  1. 下記工程(1)と工程(2);
    工程(1):エピクロロヒドリンの存在下、メタクリル酸とアルカリ金属化合物を反応させ、メタクリル酸のアルカリ金属塩を合成する工程、
    工程(2):工程(1)で得られた反応生成液に対して第四級アンモニウム塩触媒を混合し、さらにビスフェノール系重合禁止剤を連続的又は断続的に混合し、メタクリル酸のアルカリ金属塩とエピクロロヒドリンをエステル化反応させてメタクリル酸グリシジルを合成する工程、
    を含むメタクリル酸グリシジルの製造方法であって、
    工程(2)におけるエステル化反応開始からエステル化反応終了までの間、反応液中のビ
    スフェノール系重合禁止剤の濃度が110ppm以上であることを特徴とし、
    前記ビスフェノール系重合禁止剤が、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)から選ばれる少なくとも1つ以上である、 メタクリル酸グリシジルの製造方法。
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