JP2018044131A - ジグリシジル化合物の製造方法 - Google Patents

ジグリシジル化合物の製造方法 Download PDF

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正基 濱口
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邦代 柳川瀬
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Abstract

【課題】高耐熱性の一般式(I)で表されるジグリシジル化合物の製造方法を提供すること。【解決手段】6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸と、低エポキシ当量の一般式(I)で表されるジグリシジル化合物を所定量反応させることによって、高エポキシ当量かつ高耐熱性のジグリシジル化合物が得られる。【選択図】なし

Description

本発明は、ジグリシジル化合物の製造方法に関する。
ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに代表されるジグリシジル化合物は、エポキシ樹脂の原料として用いられており、また、様々な樹脂の劣化防止や耐加水分解性向上のための添加剤としての用途が提案されている。
例えば、特許文献1には、芳香族ポリエステル樹脂に特定のジグリシジル化合物を配合することにより、熱劣化特性および耐加水分解性に優れた難燃性芳香族ポリエステル樹脂組成物が提案されている。
このようなジグリシジル化合物を含むジグリシジル化合物の製造方法としては、触媒として四級アンモニウム塩および/または塩基性化合物の存在下、オキシナフトエ酸とエピハロヒドリンを反応せしめる方法が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、このような方法で得られたジグリシジル化合物は、耐熱性が低いため、溶融混合等に際して高温状態に曝された場合に熱分解する等の問題点があった。
特開平1−201357号公報 特開昭62−45582号公報
本発明の目的は、高耐熱性の一般式(I)で表されるジグリシジル化合物の製造方法を提供することにある。
Figure 2018044131
(式中、nは0または1〜10の整数を示す)
本発明者らは高耐熱性の一般式(I)で表されるジグリシジル化合物の製造方法について鋭意検討した結果、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸と、低エポキシ当量の一般式(I)で表されるジグリシジル化合物を所定量反応させることによって、高エポキシ当量かつ高耐熱性のジグリシジル化合物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸100重量部に対して、エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物を200〜800重量部反応させる工程を含む、エポキシ当量が320〜2000である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物の製造方法を提供する。
Figure 2018044131
(式中、nは0または1〜10の整数を示す)
本発明によれば、一般式(I)で表される、高エポキシ当量かつ高耐熱性のジグリシジル化合物を得ることができる。
本発明で使用される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸は、市販のものを用いてもよく、また当業者に知られた方法で製造したものを用いてもよい。
本発明で使用されるエポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物は、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸100重量部に対して200〜800重量部の量で反応させる。エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物が6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸100重量部に対して200重量部未満である場合、反応物が固化し、撹拌不良を引き起こす。6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸100重量部に対して800重量部超である場合、得られるジグリシジル化合物のエポキシ当量が低下し、耐熱性が低下する。
本発明では、例えば6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸100重量部に対してエポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物を300重量部反応させることは、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸100重量部に対しエポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物が300重量部となるような量で存在させて反応させることを意味する。
本発明において、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸と、エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物を反応させることで、一般式(I)で表されるジグリシジル化合物における高分子化合物の割合が増加し、エポキシ当量が320〜2000のジグリシジル化合物が得られる。また、本発明の製造方法で得られるジグリシジル化合物は高耐熱性を示し、示差熱分析による20%重量減少時の温度が350℃以上であるものが好ましく、370℃以上であるものがより好ましい。
エポキシ当量とは、JIS K7236に準拠した方法により測定したエポキシ基1個あたりの分子量のことをいう。
本発明において、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸と、エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物を反応させる反応温度は、150〜250℃が好ましく、170〜230℃がより好ましい。反応温度が150℃未満である場合、反応が十分に進行しない傾向があり、250℃を超える場合、副反応が進行し、副生物が生成する傾向がある。
本発明の製造方法において、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とエポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物との反応は、不活性ガス気流下またはバブリング下で行うのが好ましい。このような条件下で反応させることによって、酸素による反応阻害や触媒失活を回避し、反応を円滑に進行させることが可能となる。
不活性ガスとしては、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とエポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物との反応を阻害しないガスであればよく、具体的には、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンおよびクリプトンからなる群から選択される1種以上が挙げられる。これらの中で、入手容易性および経済性に優れる点で、窒素が好ましい。
不活性ガスは、原料である6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸およびエポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物を収容する反応容器の反応液上部の空間部に吹き込んでもよく、あるいは、反応液中に直接吹き付けてもよい。
本発明の製造方法では無溶媒下で反応が進行するが、反応時間の調整や副反応の抑制等を目的に溶媒を用いることができる。溶媒としては、トルエン、キシレンおよびベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンおよびアセトン等のケトン類、およびジエチレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン等のエーテル類からなる群から選択される一種以上が挙げられる。
本発明の製造方法では無触媒下で反応が進行するが、反応時間の調整や副反応の抑制等を目的に触媒を用いることができる。触媒としては、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミンおよび1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン(DBU)等の三級アミン類、2−メチルイミダゾールおよび2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、テトラメチルアンモニウムブロマイドおよびベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド等の四級アンモニウム塩類、およびトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンおよびn−ブチルトリフェニルホスホニウムブロミド等のリン系化合物類からなる群から選択される一種以上が挙げられる。
触媒の使用量としては、通常、すべての原料の合計重量に対して10〜5000ppmの範囲内が好ましい。
本発明の製造方法で使用される、エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物は、四級アンモニウム塩の存在下、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とエピハロヒドリンとを反応させる工程、次いで、塩基性化合物を添加する工程によって得られるものが好ましい。
エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物の製造に使用されるエピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリンおよびエピブロモヒドリンが挙げられる。
エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物の製造に使用されるエピハロヒドリンは、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1モル当量に対し、2.6モル当量以上反応させるのが好ましく、4.0モル当量以上反応させるのがより好ましく、7.0モル当量以上反応させるのがさらに好ましい。エピハロヒドリンの量が2.6モル当量未満であると、反応物が固化し、撹拌不良を引き起こす。
エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物の製造に使用される四級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミドおよびベンジルトリメチルアンモニウムアセテートからなる群から選択される1種以上が挙げられ、反応性および入手容易性から、テトラメチルアンモニウムクロリドが特に好ましい。
四級アンモニウム塩の使用量は、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1モル当量に対し0.01〜0.75モル当量が好ましく、0.03〜0.20モル当量がより好ましい。
四級アンモニウム塩の使用量が6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1モル当量に対し0.01モル当量を下回る場合、反応が進行し難くなる傾向があり、0.75モル当量を上回る場合、副反応を引き起こす傾向がある。
四級アンモニウム塩は、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とエピハロヒドリンとの混合物中に四級アンモニウム塩水溶液として滴下するのがよく、その場合の水溶液の濃度は特に限定されないが、通常30〜70重量%であるのがよい。
四級アンモニウム塩水溶液の滴下時間は、特に限定されないが、通常2〜3時間である。
エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物の製造に使用される塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウムからなる群から選択される1種以上が挙げられ、反応性および入手容易性から、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
塩基性化合物の使用量は、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1モル当量に対し1.2〜3.5モル当量が好ましく、1.5〜3モル当量がより好ましい。
塩基性化合物は、急激な反応による発熱を抑えるために水溶液として滴下して加えるのがよく、その場合の水溶液の濃度は特に限定されないが、通常30〜70重量%であるのがよい。
塩基性化合物の水溶液の滴下時間は、特に限定されないが、通常2〜3時間である。
エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物の製造において、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とエピハロヒドリンとの反応および塩基性化合物の添加の際の反応温度はエピハロヒドリンの種類によって異なるため特に限定されないが、70〜100℃が好ましい。反応温度が70℃未満である場合、反応が進行し難くなるとともに、得られるジグリシジル化合物のエポキシ当量が低下する傾向があり、100℃を超える場合、エピハロヒドリンの突沸や分解を引き起こす傾向がある。
エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物の製造において、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とエピハロヒドリンとの反応時間は、反応温度や触媒の滴下時間などの条件によって変動するため特に限定されないが、1〜20時間、好ましくは2〜14時間、より好ましくは4〜8時間の間で適宜選択される。
エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物の製造に使用される一般式(I)で表されるジグリシジル化合物の製造において、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とエピハロヒドリンとの反応および塩基性化合物の添加は、不活性ガス気流下またはバブリング下で行うのが好ましい。このような条件下で反応させることによって、酸素による反応阻害や触媒失活を回避し、反応を円滑に進行させることが可能となる。
不活性ガスとしては、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とエピハロヒドリンとの反応を阻害しないガスであればよく、具体的には、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンおよびクリプトンからなる群から選択される1種以上が挙げられる。これらの中で、入手容易性および経済性に優れる点で、窒素が好ましい。
不活性ガスは、原料である6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸およびエピハロヒドリンを収容する反応容器の反応液上部の空間部に吹き込んでもよく、あるいは、反応液中に直接吹き付けてもよい。
このようにして6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とエピハロヒドリンとから、エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物を含む粗組成物が得られる。この粗組成物を、精製することにより、高純度のジグリシジル化合物を取得することができる。
エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物を含む粗組成物とは、目的物であるエポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物の他に、未反応の反応原料(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸およびエピハロヒドリン)や触媒および式(II)や式(III)で表されるような化合物を含む組成物を意味する。
Figure 2018044131
Figure 2018044131
精製は、例えば、過剰量のエピハロヒドリンの留去後、芳香族系有機溶媒による抽出、洗浄および溶媒の除去等によって行われる。
過剰量のエピハロヒドリンの留去は、加熱および/または減圧によって容易に留去される。加熱および減圧は、それぞれ単独で行ってもよく、また、併用して行ってもよい。
加熱温度は、留去されるエピハロヒドリンの種類や量によって異なるため特に限定されないが、好ましくは50〜150℃、より好ましくは50〜120℃である。
また、減圧によってエピハロヒドリンを留去する場合、減圧時の圧力は、留去されるエピハロヒドリンの種類や量によって異なるため特に限定されないが、通常1〜100Torrで行うのがよい。
芳香族系有機溶媒としては、トルエン、キシレンおよびベンゼンからなる群から選択される一種以上が挙げられ、低エポキシ当量の化合物の除去効率に優れる点で、トルエンが特に好ましい。
芳香族系有機溶媒の添加量は特に限定されないが、通常、原料である6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸100重量部に対して400〜800重量部である。
抽出した有機層は、さらに塩基性化合物を加えてもよく、有機層中に含まれる式(III)で表されるような反応中間体を再環化させ、ジグリシジル化合物を得ることができる。
Figure 2018044131
塩基性化合物としては、前の反応で用いたものと同じものを使用することが好ましく、ここでの塩基性化合物の使用量は、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1モル当量に対し0.3〜0.7モル当量が好ましい。
塩基性化合物は、急激な反応による発熱を抑えるために水溶液として滴下して加えるのがよく、その場合の水溶液の濃度は特に限定されないが、通常30〜70重量%であるのがよい。
抽出した有機層は、さらに原料である6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸や触媒を除去するために、洗浄するのがよい。
洗浄は、有機層に水を添加し、5〜10分撹拌した後15〜45分静置し、分液した後、水層を除去することにより行われる。
分液性向上のために、別途、飽和塩化ナトリウム水溶液を添加してもよい。
洗浄に際し、原料や触媒の除去効率を向上させる目的で、水にリン酸や塩酸等の添加剤を含有していてもよく、通常それらの添加剤の含有量は、水100重量部に対して1〜10重量部であるのがよい。
洗浄は、精製効果を高めるために複数回繰返して行ってもよい。
洗浄で使用される水の量は、原料である6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸100重量部に対して100重量部以上であるのが好ましい。6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸100重量部に対して100重量部を下回る場合、原料の6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸や触媒が残存する傾向がある。
洗浄後の有機層は、芳香族系有機溶媒を留去するのがよい。
芳香族系有機溶媒の留去は、有機層を加熱および/または減圧することによって行われる。加熱および減圧は、それぞれ単独で行ってもよく、また、併用して行ってもよい。
加熱温度は、留去される溶媒の種類や量によって異なるため特に限定されないが、好ましくは50〜180℃、より好ましくは70〜150℃である。
また、減圧によって溶媒を留去する場合、減圧時の圧力は、留去される溶媒の種類や量によって異なるため特に限定されないが、通常1〜100Torrで行うのがよい。
このようにして得られたエポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物を本発明の製造方法に供することによって、エポキシ当量が320〜2000である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物を得ることができる。
本発明のジグリシジル化合物は、エポキシ当量が320〜2000であり、かつ示差熱分析による20%重量減少時の温度が350℃以上である、一般式(I)で表されるジグリシジル化合物である。本発明のジグリシジル化合物は、上記範囲のエポキシ当量を有し、かつ20%重量減少時の温度が350℃以上であることから、優れた耐熱性を発揮する。
本発明のジグリシジル化合物は、エポキシ当量が好ましくは400以上1900未満である。また、本発明のジグリシジル化合物は、示差熱分析による20%重量減少時の温度が高いほど良好な耐熱性を示すこととなるため、その上限は特に限定されないが、通常500℃以下である。
本発明のジグリシジル化合物は、エポキシ当量が高く、耐熱性に優れるため、様々な樹脂の劣化防止や耐加水分解性向上のための添加剤として使用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
エポキシ当量および耐熱性の測定は以下の方法で行った。
[エポキシ当量]
JIS K7236に準拠して、エポキシ当量を測定した。
[耐熱性]
示唆熱分析による20%重量減少時の温度を測定し、耐熱性の指標とした。測定温度が高いほど耐熱性に優れることを意味する。測定は、島津製DTG−60A型を用いて下記条件で行った。
セル:アルミニウム
雰囲気ガス:窒素(流量:50mL/min)
加熱速度:10℃/min
参考例1[一般式(I)で表されるジグリシジル化合物の合成]
1Lの4口コルベンに6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸95.0gとエピクロロヒドリン467g(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1モル当量に対して10.0モル当量)とを加え、窒素気流下80℃に昇温した。次いで、テトラメチルアンモニウムクロリドの50%水溶液11.0g(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1モル当量に対して0.1モル当量)を80℃で2時間かけて滴下し、同温度で1時間撹拌した。さらに、48%水酸化ナトリウム水溶液87.1g(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1モル当量に対して2.0モル当量)を80℃で3時間かけて滴下し、同温度で30分間撹拌した後、エピクロロヒドリンを加熱および減圧により留去した。残渣にトルエン560gを加えて10分撹拌した後、析出物を濾過した。ろ液を水250gで洗浄した後、48%水酸化ナトリウム水溶液19g(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1モル当量に対して0.46モル当量)を加えて、1時間還流した。さらに水250gで洗浄した後、5%リン酸水溶液250gで洗浄し、再び水250gで洗浄した。トルエンを加熱および減圧により留去し、一般式(I)で表されるジグリシジル化合物105gを得た。得られたジグリシジル化合物のエポキシ当量および耐熱性の分析結果を表1に示す。
実施例1
300mLの4口コルベンに6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸20.7gと参考例1で得られたエポキシ当量が168.0のジグリシジル化合物99.0gを加え、窒素気流下200℃に昇温した。同温度で1.5時間撹拌後、反応を終了し、ジグリシジル化合物113.7gを得た。得られたジグリシジル化合物のエポキシ当量および耐熱性の分析結果を表1に示す。
実施例2
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を31.3g、参考例1で得られたエポキシ当量が168.0のジグリシジル化合物を99.8gとした以外は実施例1と同様にしてジグリシジル化合物123.8gを得た。得られたジグリシジル化合物のエポキシ当量および耐熱性の分析結果を表1に示す。
実施例3
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を47.0g、参考例1で得られたエポキシ当量が168.0のジグリシジル化合物を112.4gとした以外は実施例1と同様にしてジグリシジル化合物143.3gを得た。得られたジグリシジル化合物のエポキシ当量および耐熱性の分析結果を表1に示す。
比較例1
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を7.0g、参考例1で得られたエポキシ当量が168.0のジグリシジル化合物を112.4gとした以外は実施例1と同様にしてジグリシジル化合物115.9gを得た。得られたジグリシジル化合物のエポキシ当量および耐熱性の分析結果を表1に示す。
比較例2
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を62.1g、参考例1で得られたエポキシ当量が168.0のジグリシジル化合物を99.0gとした以外は実施例1と同様にしたが、反応途中に固化し、撹拌不良を引き起こしたため、目的物を得ることが出来なかった。
Figure 2018044131
表1に示すように、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とエポキシ当量が320未満の一般式(I)で表されるジグリシジル化合物を所定量(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸100重量部に対して200〜800重量部)反応させることで、エポキシ当量が320〜2000のジグリシジル化合物が得られ、エポキシ当量が320未満の一般式(I)で表されるジグリシジル化合物と比較して高耐熱性を示す。

Claims (4)

  1. 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸100重量部に対して、エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物を200〜800重量部反応させる工程を含む、エポキシ当量が320〜2000である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物の製造方法。
    Figure 2018044131
    (式中、nは0または1〜10の整数を示す)
  2. 反応温度が150〜250℃である、請求項1に記載の製造方法。
  3. エポキシ当量が320未満である一般式(I)で表されるジグリシジル化合物が、四級アンモニウム塩の存在下、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とエピハロヒドリンとを反応させる工程、次いで、塩基性化合物を添加する工程によって得られたものである、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. エポキシ当量が320〜2000であり、かつ示差熱分析による20%重量減少時の温度が350℃以上である、一般式(I)で表されるジグリシジル化合物。
    Figure 2018044131
    (式中、nは0または1〜10の整数を示す)
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