以下、本発明の各実施形態における充電装置につき、図面を適宜参照して、詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態における充電装置の構成について、詳細に説明する。
図1は、本実施形態における充電装置100の構成を示すブロック図である。なお、図1では、充電装置100と共に交流電源1及び車両150をも示す。
図1に示すように、本実施形態における充電装置100は、複数の充電ケーブル14の各々の先端に設けられている充電コネクタCWと、車両150側の複数の充電コネクタCVの内の対応するものと、が接続されることにより、車両150に搭載されている32kWhから48kWh程度の大容量で単一のバッテリ151に対して電気的に接続される。充電装置100は、バッテリ151を急速に充電すると共に、このように充電するにあたり、典型的には樹脂製の外皮中に互いに絶縁された正極側及び負極側の一対の導線を有し、充電コネクタCVを介して車両150側の充電コネクタCVと電気的に接続される充電ケーブル14の絶縁試験を行うものである。ここで、単一のバッテリとは、単一の収容容器内に電極板等の構成要素が収容されたバッテリを意味する。
かかる充電装置100は、交流電源1に電気的に接続されて、単一のコントローラであ
る制御回路101及び複数の充電ユニット102を備え、これらは単一の筐体C内に収容されている。複数の充電ユニット102の各々の充電ケーブル14は、筐体C外に延出する。車両150側の複数の充電コネクタCVからの各電気配線は、纏められてバッテリ151における図示を省略する正の電極端子及び負の正極端子に電気的に接続される。なお、以下、電気的に接続という文言は、単に接続と簡略化して表記する場合がある。
制御回路101は、複数の充電ユニット102の各々に接続し、複数の充電ユニット102のバッテリ151に対する充電動作及び充電ケーブル14に対する絶縁試験動作を含む充電装置100全体の動作を制御するためのもので、かかる制御に関し充電装置100における単一のコントローラである。なお、通信線に関しては、制御回路101と複数の充電ユニット102の各々とは対応する通信線で接続され、制御回路101と車両150側とは、少なくとも1本の充電ケーブル14内に配策される通信線で接続される。制御回路101の具体的な構成については後述する。
複数の充電ユニット102の各々は、8kWhから24kWh程度の容量を有する2次電池の充電用に同一構成を有するもので、制御回路101の制御に従って動作する。
次に、図2を参照して、本実施形態における各充電ユニット102の構成について、詳細に説明する。
図2は、本実施形態における各充電ユニット102の構成を示す回路図である。なお、図2では、かかる充電ユニット102と共に、交流電源1、並びに車両150側のコンタクタ15、バッテリ151及び充電コネクタCVをも示す。
図2に示すように、本実施形態における充電ユニット102は、交流電源1に電気的に接続されて、コンタクタ2、リアクトル3、PWM(Pulse Wwidth Modulation)コンバータ4、コンデンサ5、インバータブリッジ6、変圧器7、ダイオードブリッジ8、リアクトル9、電流計10、コンデンサ11、抵抗12、ダイオード13、充電ケーブル14、電圧制御回路17、PWM制御回路18、電流制御回路21、PWM制御回路22、抵抗23、リレー24、及びダイオード25を備えている。なお、電圧制御回路17、PWM制御回路18、電流制御回路21、及びPWM制御回路22は、構成の簡便上は単一基板上に配設されることが好ましい。
制御回路101(図2では、図示省略)は、PWMコンバータ4の駆動制御用の基準電圧値を含む制御信号を電圧制御回路17に入力すると共に、ダイオードブリッジ8の駆動制御用の基準電流値を含む制御信号を電流制御回路21に入力することにより、対応して電圧制御回路17、PWM制御回路18、電流制御回路21及びPWM制御回路22の動作を制御することを介してPWMコンバータ4のスイッチング動作及びダイオードブリッジ8のスイッチング動作を制御するのみならず、コンタクタ2の断続切り換え動作及びリレー24の断続切り換え動作を制御して、充電ユニット102における充電動作及び絶縁試験動作を制御する。
交流電源1は、典型的には商用の3相交流電源であり、U相の入力線LU、V相の入力線LV及びW相の入力線LWを介して、U相、V相及びW相の3相からなる3相交流電流を充電ユニット102に入力する。
U相の入力線LU、V相の入力線LV及びW相の入力線LWの各々においては、コンタクタ2U、2V、2W及びリアクトル3が順次設けられ、これらを介して、その後段に設けられたPWMコンバータ4に3相交流電流が入力される。
コンタクタ2は、3相の交流電源1に対応して、コンタクタ2U、2V、2Wを有する。コンタクタ2U、2V、2Wは、各々、交流電源1からの3相交流電流における対応する相の交流電流を断続する断続器であり、典型的には電磁接触器である。
リアクトル3は、各々、AC(Alternate Current)リアクトルであり、コンタクタ2を介して入力される3相交流電流における対応する相の交流電流に含まれる高周波成分を低減してPWMコンバータ4に入力し、その交流電流における力率の改善をする。
PWMコンバータ4は、リアクトル3を介して入力される3相交流電流を直流電流に変換するコンバータであり、典型的にはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)とダイオードとの組み合わせによって構成され、PWM制御回路18からの駆動信号に従ってPWM駆動制御されてスイッチング動作することによってかかる交流電流を直流電流に変換する。
具体的は、PWMコンバータ4は、いずれも同じ回路構成であるスイッチング回路4U、4V及び4Wを、対応して前段回路、中段回路及び後段回路として備える。スイッチング回路4U、4V及び4Wは、各々、いずれも逆電流防止用のダイオードを伴って直列に接続された2つのIGBTを備える。
スイッチング回路4Uにおいては、2つのIGBTのエミッタ及びコレクタ間にリアクトル3を介したU相交流電流が入力され、かかるIGBTのゲートには、各々、PWM制御回路18が接続される。同様に、スイッチング回路4Vにおいては、2つのIGBTのエミッタ及びコレクタ間にリアクトル3を介したV相交流電流が入力され、かかるIGBTのゲートには、各々、PWM制御回路18が接続される。スイッチング回路4Wにおいては、2つのIGBTのエミッタ及びコレクタ間にリアクトル3を介したW相交流電流が入力され、かかるIGBTのゲートには、各々、PWM制御回路18が接続される。
コンデンサ5は、典型的には電解コンデンサである大容量の平滑コンデンサであり、コンデンサ5の正電位側は、スイッチング回路4U、4V及び4Wにおける一方のIGBTのコレクタに各々接続されると共に、コンデンサ5の負電位側は、スイッチング回路4U、4V及び4Wにおける他方のIGBTのエミッタに各々接続されて、PWMコンバータ4からの直流電流を平滑化して一定にする。
併せて、コンデンサ5の正電位側は、電圧制御回路17に接続され、対応して電圧制御回路17は、コンデンサ5の正電位側の電圧を検出する。
よって、PWMコンバータ4においては、その駆動制御用の基準電圧値を含む制御信号を電圧制御回路17に入力する制御回路101の制御の下で、電圧制御回路17及びPWM制御回路18により、所定の直流電流を出力するように制御回路101から与えられた基準電圧値及びコンデンサ5の検出電圧値に応じたフィードバックPWM駆動制御がなされる。つまり、電圧制御回路17は、コンデンサ5の検出電圧値を制御回路101から与えられた基準電圧値に収束させるような制御信号をPWM制御回路18に入力し、対応してPWM制御回路18は、かかる制御信号に従ってPWMコンバータ4をスイッチング動作させる駆動信号をPWMコンバータ4に入力する。そして、PWMコンバータ4は、かかる駆動信号に従ってスイッチング動作して、コンデンサ5の検出電圧値、つまりPWMコンバータ4の出力電圧値を基準電圧値に収束させていく。
インバータブリッジ6は、コンデンサ5を介して入力される直流電流を交流電流に変換するインバータであり、典型的にはIGBTとダイオードとの組み合わせによって構成さ
れる。インバータブリッジ6は、PWM制御回路22からの駆動信号に従ってPWM駆動制御されてスイッチング動作することにより、かかる直流電流を所定の高周波の交流電流に変換する。
具体的には、インバータブリッジ6は、いずれも同じ回路構成であるスイッチング回路6F及び6Rを、対応して前段回路及び後段回路として備える。スイッチング回路6F及び6Rは、各々、いずれも逆電流防止用のダイオードを伴って直列に接続された2つのIGBTを備える。スイッチング回路6F及び6RのIGBTのゲートには、各々、PWM制御回路22が接続される。
変圧器7は、典型的には絶縁トランスである変圧器であり、インバータブリッジ6を介して入力される交流電流を所定の電圧に変圧する。変圧器7は、インバータブリッジ6からの交流電流は所定の高周波に変換されているので、小型の変圧器として構成される。
具体的には、変圧器7は、1次コイル7F及びこれに対向した2次コイル7Sを備える。1次コイル7Fの一端は、スイッチング回路6Fの2つのIGBTのエミッタ及びコレクタ間に接続されると共に、1次コイル7Fの他端は、スイッチング回路6Rの2つのIGBTのエミッタ及びコレクタ間に接続される。
ダイオードブリッジ8は、変圧器7を介して入力される交流電流を直流電流に変換するコンバータであり、典型的には複数のダイオードの組み合わせによって構成され、2次コイル7Sからの交流電流を直流電流に変換する。
具体的には、ダイオードブリッジ8は、いずれも同じ回路構成であるダイオード回路8F及び8Rを、対応して前段回路及び後段回路として備える。ダイオード回路8F及び8Rは、各々、いずれも直列に接続された2つのダイオードを備える。ダイオード回路8Fの2つのダイオードのカソードとアノードとの間には、2次コイル7Sの一端が接続されると共に、ダイオード回路8Rの2つのダイオードのカソードとアノードとの間には、2次コイル7Sの他端が接続される。
リアクトル9は、平滑リアクトルであり、ダイオードブリッジ8からの直流電流に含まれる高周波成分を低減する。リアクトル9の一端は、ダイオード回路8F及び8Rにおける一方のダイオードのカソードに各々接続される。
電流計10は、リアクトル9の他端とコンデンサ11の正電位側との間に接続され、ダイオードブリッジ8から出力されてリアクトル9によって平滑化された直流電流の電流値を計測して、その計測信号を電流制御回路21に出力する。対応して電流制御回路21は、ダイオードブリッジ8からの平滑化された直流電流の電流値を検出する。また、スイッチング回路6F及び6RのIGBTのゲートには、各々、PWM制御回路22が接続されている。
よって、インバータブリッジ6においては、その駆動制御用の基準電流値を含む制御信号を電流制御回路21に入力する制御回路101の制御の下で、電流制御回路21及びPWM制御回路22により、ダイオードブリッジ8からリアクトル9を介して所定の直流電流が出力されるように、制御回路101から与えられた基準電流値及び電流計10が計測した計測電流値に応じたフィードバックPWM駆動制御がなされる。つまり、電流制御回路21は、電流計10が計測する計測電流値を制御回路101から与えられた基準電流値に収束させるような制御信号をPWM制御回路22に入力し、対応してPWM制御回路22は、かかる制御信号に従ってインバータブリッジ6をスイッチング動作させる駆動信号をインバータブリッジ6に入力する。そして、インバータブリッジ6は、かかる駆動信号
に従ってスイッチング動作して、電流計10が計測する計測電流値、つまりダイオードブリッジ8から出力されてリアクトル9によって平滑化された直流電流の電流値を基準電流値に収束させていく。かかるPWM制御回路22によるインバータブリッジ6のPWM駆動制御は、ダイオードブリッジ8から出力されてリアクトル9によって平滑化された直流電流の電流値を基準電流値という所定の一定値に収束させるフィードバック制御であるので、バッテリ151に流れる直流充電電流の電流値も実質所定の一定値となる。
コンデンサ11は、典型的には電解コンデンサであり、主としてバッテリ151の充電に先立つ充電ケーブル14の絶縁試験時に機能させることを意図して設けられたもので、一旦充電された後に放電して充電ケーブル14に絶縁試験用の電流を流す。つまり、コンデンサ11は、かかる絶縁試験用の電流を充電ケーブル14に流すものであれば足りるから、コンデンサ5の静電容量よりも小さい静電容量を有している。コンデンサ11の正電位側は、電流計10を介してリアクトル9の他端に接続される。コンデンサ11の負電位側は、ダイオード回路8F及び8Rにおける他方のダイオードのアノードに各々接続されると共に、充電ケーブル14の負極側の導線に接続される。
併せて、コンデンサ11の正電位側は、制御回路101に接続される。対応して制御回路101は、バッテリ151の充電に先立つ充電ケーブル14の絶縁試験時に、コンデンサ11の放電によるその正電位側の電圧の経時変化特性を検出する。
抵抗12は、コンデンサ11に並列に接続され、バッテリ151の充電に先立つ充電ケーブル14の絶縁試験時に、コンデンサ11が放電する際の時定数を規定するための抵抗値を有している。つまり、抵抗12の抵抗値は、バッテリ151の充電に先立つ充電ケーブル14の絶縁試験時に、コンデンサ11の放電時間を規定するに足りる値に設定されている。
ダイオード13は、コンデンサ11及び抵抗12の後段であって、かつ充電ケーブル14の前段に設けられて、コンタクタ15がオフ状態からオン状態に切り替わる際の充電ケーブル14を介して流れる逆電流を阻止する。ダイオード13のアノードは、コンデンサ11の正電位側に接続されると共に、ダイオード13のカソードは、充電ケーブル14の正極側の導線に接続される。
コンタクタ15は、充電ケーブル14を介して充電ユニット102から入力されてくる直流電流を断続する車両150側の断続器である。コンタクタ15は、バッテリ151の充電時にはオン状態に維持され、バッテリ151の充電に先立つ充電ケーブル14の絶縁試験時にはオフ状態に維持される。
更に、本実施形態の充電ユニット102には、バッテリ151の充電に先立つ充電ケーブル14の絶縁試験時に、コンデンサ11と協働して機能する抵抗23、リレー24及びダイオード25が設けられているが、以下、これらの構成要素について詳細に説明する。
抵抗23は、コンデンサ11及び抵抗12の前段でそれらに並列に接続され、バッテリ151の充電に先立つ充電ケーブル14の絶縁試験時のリレー24がオン状態のときに通電されて、コンデンサ11に印加される電圧を規定する素子である。かかる充電ケーブル14の絶縁試験時にはバッテリ151を充電する必要はないのであるから、充電電流よりも小さな電流を流した方が電力消費上は効率的である。よって、例えば、充電ケーブル14に500Vの電圧を印加してその絶縁試験をする際には、抵抗23の抵抗値を500Ω程度の相対的に大きな値に設定して、その際に流す必要のある直流電流の電流値を、充電電流よりも2桁程度小さい1A程度の微小電流値に抑えることとする。抵抗23の一端は、電流計10を介してリアクトル9の他端とコンデンサ11の正電位側との間に接続され
ると共に、抵抗23の他端は、リレー24を介してダイオード回路8F及び8Rにおける他方のダイオードのアノードとコンデンサ11の負電位側との間に各々接続される。
リレー24は、電磁継電器であってそれに起因する断続切り換え時の応答遅れを有しており、コンデンサ11及び抵抗12の前段で抵抗23に直列に接続される。
ダイオード25は、抵抗23及びリレー24の後段であって、かつコンデンサ11及び抵抗12の前段に設けられて、バッテリ151の充電に先立つ充電ケーブル14の絶縁試験時のリレー24がオン状態からオフ状態に切り替わる際の応答遅れに起因するコンデンサ11から抵抗23への放電電流の流入を防止すべく逆電流を阻止する。ダイオード25のアノードは、抵抗23の一端に接続されると共に、ダイオード13のカソードは、コンデンサ11の正電位側に接続される。なお、ダイオード25は、リレー24が比較的迅速に断続動作をして、コンデンサ11から抵抗23へ流入する放電電流が比較的小さい場合には、必ずしも設けなくともよい。
以上のような構成を有する本実施形態の充電装置100は、以下に詳細に説明するように動作して、バッテリ151を充電すると共に、バッテリ151を充電するにあたり充電ケーブル14の絶縁試験を行う。
バッテリ151の充電時には、まず、充電ケーブル14を車両150側の充電コネクタCVに手動で接続して、コンタクタ15を手動でオン状態に切り換えると共に、制御回路101が、コンタクタ2をオン状態及びリレー24をオフ状態に各々切り換える。ここで、制御回路101は、PWM制御回路18の駆動制御用の基準電圧値を含む制御信号を電圧制御回路17に入力し、対応して電圧制御回路17は、コンデンサ5の検出電圧値を制御回路101からの基準電圧値に収束させるような制御信号をPWM制御回路18に入力する。対応してPWM制御回路18は、かかる制御信号に従ってPWMコンバータ4に駆動信号を入力する。同時に、制御回路101は、PWM制御回路22の駆動制御用の基準電流値を含む制御信号を電流制御回路21に入力し、対応して電流制御回路21は、ダイオードブリッジ8からの平滑化された出力電流の検出電流値を制御回路101からの基準電流値に収束させるような制御信号をPWM制御回路22に入力する。対応してPWM制御回路22は、かかる制御信号に従ってインバータブリッジ6に駆動信号を入力する。
つまり、PWM制御回路18は、制御回路101及び電圧制御回路17の制御に従って、コンデンサ5の検出電圧値を基準電圧値に収束させるようにPWMコンバータ4をPWM駆動制御してスイッチング動作させると共に、PWM制御回路22は、制御回路101及び電流制御回路21の制御に従って、ダイオードブリッジ8からの平滑化された出力電流の検出電流値を基準電流値に収束させるようにインバータブリッジ6をPWM駆動制御してスイッチング動作させる。
併せて、変圧器7が、インバータブリッジ6から入力される交流電流を所定の電圧に変圧し、ダイオードブリッジ8が、変圧器7から入力される交流電流を直流電流に変換し、更にリアクトル9が、ダイオードブリッジ8から入力される直流電流を平滑化した後に、かかる直流電流が充電ケーブル14を介してバッテリ151に流れて、この結果、バッテリ151が充電される。この際、PWM制御回路22によるインバータブリッジ6のPWM駆動制御は、ダイオードブリッジ8からの平滑化された出力電流値を基準電流値という所定の一定値に収束させるフィードバック制御であるので、バッテリ151に流れる直流充電電流の電流値も実質所定の一定値となる。また、リレー24はオフ状態であるので、ダイオードブリッジ8からの直流電流は抵抗23に流れることはない。
一方で、バッテリ151の充電に先立って、充電ケーブル14の絶縁試験を行う際には
、まず、充電ケーブル14を、充電コネクタCWを介して車両150側の充電コネクタCVに手動で接続して、コンタクタ15を手動でオフ状態に切り換えると共に、制御回路101が、コンタクタ2をオン状態及びリレー24をオフ状態に各々切り換える。ついで、PWM制御回路18が、制御回路101及び電圧制御回路17の制御に従って、電圧制御回路17からのコンデンサ5の検出電圧値を制御回路101からの基準電圧値に収束させるようにPWMコンバータ4をPWM駆動制御してスイッチング動作させる。この際、制御回路101は、電流制御回路21に対してインバータブリッジ6のスイッチング動作を停止状態に維持する制御信号を入力するため、対応してPWM制御回路22は、インバータブリッジ6に駆動信号を入力することはなく、インバータブリッジ6のスイッチング動作は停止状態に維持される。
次に、制御回路101が、リレー24をオフ状態からオン状態に所定期間(例えば1秒間程度)切り換えると共に、その期間だけ、PWM制御回路22の駆動制御用の基準電流値を含む制御信号を電流制御回路21に入力し、対応して電流制御回路21は、ダイオードブリッジ8からの平滑化された出力電流の検出電流値を基準電流値に収束させるような制御信号をPWM制御回路22に入力すると共に、対応してPWM制御回路22は、ダイオードブリッジ8からの平滑化された出力電流の検出電流値を基準電流値に収束させるような駆動信号をインバータブリッジ6に入力する。
つまり、かかる所定期間だけ、PWM制御回路22が、制御回路101及び電流制御回路21の制御に従って、ダイオードブリッジ8からの平滑化された出力電流の検出電流値を基準電流値に収束させるように、インバータブリッジ6をPWM駆動制御してスイッチング動作させると共に、変圧器7が、インバータブリッジ6から入力される交流電流を所定の電圧に変圧し、かつ、ダイオードブリッジ8が、変圧器7から入力される交流電流を直流電流に変換してリアクトル9にその直流電流を出力する。この結果、その期間だけ抵抗23に直流電流が流れる。ここで、PWM制御回路22によるインバータブリッジ6のPWM駆動制御は、ダイオードブリッジ8からの平滑化された出力電流の検出電流が基準電流値という一定値に収束するフィードバック制御であるので、抵抗23に流れる直流電流の電流値も実質一定値となる。これにより、抵抗23にはその抵抗値に起因した一定の電圧降下が発生する。具体的には、基準電流値を1Aに設定し、かつ抵抗23の抵抗値を500Ωに設定した場合には、抵抗23においては、1Aの電流が流れることによって500Vの電圧降下が正確に発生する。そして、この電圧降下によって発生した電圧に対応して、抵抗23に並列接続されているコンデンサ11が、かかる所定期間において正確に充電される。
次に、かかる所定時間経過後、制御回路101は、リレー24をオン状態からオフ状態に切り換えると共に、電流制御回路21に対してインバータブリッジ6のスイッチング動作を停止状態に維持する制御信号を入力し、対応してPWM制御回路22は、インバータブリッジ6に対する駆動信号の入力を停止し、インバータブリッジ6のスイッチング動作は停止される。これにより、コンデンサ11の充電電圧がダイオード13を介して充電ケーブル14に印加され、コンデンサ11に蓄積された電荷は抵抗12と充電ケーブル14の絶縁抵抗とで消費される。
この際、制御回路101は、コンデンサ11の放電によるその正電位側の電圧経時変化特性を検出していき、検出されたコンデンサ11の電圧の経時変化特性と図示を省略するメモリに格納された基準経時変化特性とを比較することにより、充電ケーブル14の絶縁状態が正常であるか否かを判別する。かかる判別の仕方としては、検出されたコンデンサ11の電圧の経時変化特性における単数又は複数の所定時刻の電圧値と基準経時変化特性における対応する時刻の電圧値とを比較に用いてもよいし、検出されたコンデンサ11の電圧の経時変化特性における所定期間の変化プロフィールと基準経時変化特性における対
応する期間の変化プロフィールとを比較に用いてもよい。そして、充電ケーブル14の絶縁が正常である場合、制御回路101は、バッテリ151の充電を開始することになる。
以上の本実施形態における充電装置100では、制御回路101により、各充電ユニット102のリレー24をオフ状態に切り換えて、複数の充電ユニット102を用いて大容量のバッテリ151を充電する。このような構成によれば、1つの制御回路101の制御により、複数の充電ユニット102を用いて同時に充電できるので、高価にならず、車両150に搭載された大容量のバッテリ151を、簡単な操作で急速に充電することができる。
また、本実施形態における充電装置100では、制御回路101により、充電ユニット102の各々において、充電ケーブル14の絶縁試験を行う一方、バッテリ151を充電する。このような構成によれば、バッテリ151を充電する機能と、充電装置100側とバッテリ151側とを電気的に接続する充電ケーブル14の絶縁試験を行う機能とを、両立することができる。
また、本実施形態における充電装置100では、制御回路101により、各充電ユニット102のリレー24をオフ状態に切り換えて、複数の充電ユニット102を用いて大容量のバッテリ151を充電する。このような構成によれば、バッテリ151を充電する際に、1つの制御回路101により各充電ユニット102における充電動作を制御するので、安定した充電を行うことができる。
また、本実施形態における充電装置100では、充電ケーブル14の一対の導線間に接続されたコンデンサ11と並列に接続された抵抗23と抵抗23に直列に接続されたリレー24とを備え、充電ケーブル14の絶縁試験を行う際には、制御回路101が、一旦、インバータブリッジ6のスイッチング動作を行わせながらリレー24をオン状態に切り換えることによって抵抗23に通電し、その通電に伴って抵抗23により生じる電圧降下分の電圧をコンデンサ11に印加してコンデンサ11を蓄電しておき、その後インバータブリッジ6のスイッチング動作を停止しながらリレー24をオフ状態に切り換えることによって、コンデンサ11を放電させてその電圧を充電ケーブル14の極間に印加する。このような構成によれば、抵抗23の抵抗値を相対的に大きな値に設定して抵抗23に相対的に微小な電流を流すと共に、充電ケーブル14の極間に絶縁試験に適した電圧を印加することができるので、充電ケーブル14の絶縁試験を安価で簡素な構成でもって効率的かつ確実に行うことができる。
また、本実施形態における充電装置100では、放電時の時定数を調整する抵抗12が付加されたコンデンサ11の放電によるその正電位側の電圧経時変化特性を検出していき、検出されたコンデンサ11の電圧の経時変化特性と図示を省略するメモリに格納された基準経時変化特性とを比較することにより、充電ケーブル14の絶縁状態が正常であるか否かを判別する。このような構成によれば、コンデンサ11に放電時の時定数を調整する抵抗12を付加するという簡便な構成で、充電ケーブル14の絶縁試験を正確に行うことができる。
また、本実施形態における充電装置100では、ダイオード25が、抵抗23及びリレー24の後段であって、かつコンデンサ11及び抵抗12の前段に設けられる。このような構成によれば、バッテリ151の充電に先立つ充電ケーブル14の絶縁試験時のリレー24がオン状態からオフ状態に切り替わる際の応答遅れに起因するコンデンサ11から抵抗23への放電電流の流入を防止することができ、充電ケーブル14の絶縁試験を正確に行うことができる。
(第1の実施形態の変形例)
図3は、本実施形態の変形例における充電装置100により車輌300のバッテリ301、302、303を充電する状態を示す図である。ここで、図3(a)は、1台の車両300に搭載された複数のバッテリ301、302、303を、充電装置100により各々充電する状態を示す。また、図3(b)は、複数の車両350、360、370の各々に搭載されたバッテリ351、361、371を、充電装置100により各々充電する状態を示す。なお、図3において、図1及び図2と同一構成である部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
詳しくは、以上説明した本実施形態における充電装置100は、車両150に搭載される大容量の単一のバッテリ151を充電する構成になっているが、図3(a)に示すように、車両300に搭載されて典型的には互いに並列に接続される複数のバッテリ301、302、303の各々を充電するようにしてもよい。かかる複数のバッテリ301、302、303は、これらの容量を合わせるとバッテリ151のものと等しくなるもので、バッテリ151が複数のバッテリ301、302、303に分割されものに相当する。
つまり、図3(a)に示すように、車輌300は、複数のバッテリ301、302、302を有している。充電装置100では、異なる充電ユニット102の各々が充電ケーブル14を介して対応するバッテリ301、バッテリ302及びバッテリ303と接続される。従って、充電装置100は、車輌300に設けられた複数のバッテリ301、302、303を同時に充電することができる。なお、車両150側の充電コネクタCVからの電気配線は、バッテリ301、バッテリ302及びバッテリ303の対応するものにおける図示を省略する正の電極端子及び負の正極端子にそのまま電気的に接続される。
また、本実施形態における充電装置100は、車両150に搭載される大容量のバッテリ151を充電する構成になっているが、図3(b)に示すように、複数の車両350、360、370の各々に搭載されるバッテリ351、361、371の各々を充電するようにしてもよい。かかるバッテリ351、361、371は、各々が8kWhから24kWh程度の容量を有する2次電池である。
つまり、図3(b)に示すように、車両350は、バッテリ351を有し、車両360は、バッテリ361を有し、及び車両370は、バッテリ371を有している。充電装置100では、異なる充電ユニット102の各々が充電ケーブル14を介して、対応する車両350、360、370のバッテリ351、バッテリ361及びバッテリ371と各々接続される。従って、充電装置100は、車両350に設けられたバッテリ351、車両360に設けられたバッテリ361及び車両370に設けられたバッテリ371を同時に充電することができる。
このように、本実施形態における充電装置100は、1台の車両150に搭載されている大容量のバッテリ151を急速に充電することができると共に、1台の車両300に搭載されている複数のバッテリ301、302、303の各々または複数の車両350、360、370の各々に搭載されているバッテリ351、361、371の各々を、同時に充電することができるという高い汎用拡張性を有するものである。
(第2の実施形態)
次に、図4を参照して、本発明の第2の実施形態における充電装置の構成について、詳細に説明する。本実施形態における充電装置は、第1の実施形態(その変形例を含む)における充電装置100と比較して、複数の充電ユニット102の代わりに複数の充電ユニット402を有するものである。
図4は、本実施形態における充電ユニット402の構成を示す回路図である。
詳しくは、図4に示すように、本実施形態における充電ユニット402は、第1の実施形態における充電ユニット102と比較して、リレー24が半導体スイッチング素子31に置き換わって、かつ、ダイオード25が省略されている構成を有する点で相違する。
つまり、第1の実施形態における充電ユニット102においては、バッテリ151の充電に先立つ充電ケーブル14の絶縁試験時には、電磁継電器であるリレー24を断続するものであるから、リレー24の断続時の応答遅れによってコンデンサ11から抵抗23に放電電流が流入することを抑制する必要があり、このため逆電流阻止用のダイオード25を付加的に設けることにより構成が煩雑化していた。そこで、かかる事態をも考慮して、本実施形態における充電ユニット402においては、リレー24の代わりに半導体スイッチング素子31を備える構成を採用したものである。本実施形態の残余の構成は第1の実施形態のものと同一であり、同一な構成要素には同一の符号を付して、適宜説明を簡略化又は省略する。
具体的には、半導体スイッチング素子31は、コンデンサ11及び抵抗12の前段で抵抗23に直列に接続され、MOSFET(Metal−Oxi・de Semiconductor Field−Effect Transistor)やIGBTなどの半導体素子であって、その断続切り換え時の応答が電磁継電器に比較して相対的に迅速である。制御回路101は、半導体スイッチング素子31の断続切り換え動作を制御する。
よって、バッテリ151の充電時には、制御回路101は、インバータブリッジ6のスイッチング動作を維持しながら半導体スイッチング素子31をオフ状態に切り換える。一方で、バッテリ151の充電に先立って、充電ケーブル14の絶縁試験を行う際には、制御回路101は、インバータブリッジ6のスイッチング動作を維持しながら半導体スイッチング素子31をオフ状態からオン状態に所定時間切り換えて、コンデンサ11を充電し、かかる所定時間が経過したならば、インバータブリッジ6のスイッチング動作を停止すると共に半導体スイッチング素子31をオン状態からオフ状態に切り換えて、コンデンサ11の充電電圧を充電ケーブル14に印加する。この際、半導体スイッチング素子31の断続時の応答遅れは、実質無視し得るレベルであるから、コンデンサ11の放電時においては、第1の実施形態における充電ユニット102において設けた逆電流阻止用のダイオード25を省略しても、抵抗23に流入する放電電流は極めて小さくなって実質無視し得るレベルになると共に、充電ケーブル14に印加されるコンデンサ11の放電量を絶縁試験に充分なレベルに確保する。
以上の本実施形態における充電ユニット402では、電磁継電器であるリレーの代わりに設けた半導体スイッチング素子31の応答速度が電磁継電器であるリレーの応答速度よりも格段に速いために、特に充電ケーブル14の絶縁試験を行う際に、インバータブリッジ6のスイッチング動作を停止すると共に半導体スイッチング素子31をオン状態からオフ状態に切り換えても、抵抗23に流入する放電電流を極めて小さくでき、付加的に設けられるべき逆電流阻止用のダイオードを不要にすることができる。
(第3の実施形態)
次に、図5を参照して、本発明の第3の実施形態における充電装置の構成について、詳細に説明する。
図5は、本実施形態における充電装置500の構成を示す回路図である。
図5に示すように、本実施形態における充電装置500は、第1の実施形態(その変形
例を含む)における充電装置100と比較して、制御回路101が更に電圧制御回路41を備える構成を有する点で相違する。
つまり、第1の実施形態における充電装置100においては、バッテリ151の充電に先立つ充電ケーブル14の絶縁試験時には、電流計10の定格の1/100程度を使ってダイオードブリッジ8からの直流電流を計測しながら、充電ケーブル14に例えば500Vの電圧を正確に印加することが必要となるから、電流計10の計測特性に発生するドリフトが無視し得ないことに起因して、ダイオードブリッジ8からの直流電流を計測する際に誤差が発生する事態が考えられる。そこで、かかる事態をも考慮して、本実施形態における充電装置500においては、制御回路101が電圧制御回路41を備える構成を採用したものである。本実施形態の残余の構成は第1の実施形態のものと同一であり、同一な構成要素には同一の符号を付して、適宜説明を簡略化又は省略する。なお、電圧制御回路41は、制御回路101の前段にそれから独立した回路として設けられていてもよい。
具体的には、コンデンサ11の正電位側は、制御回路101中の電圧制御回路41に接続され、電圧制御回路41は、コンデンサ11の正電位側の電圧値を検出する。
よって、制御回路101は、PWM制御回路22の駆動制御用の基準電流値及びコンデンサ11の検出電圧値を含む制御信号を電流制御回路21に出力し、対応して電流制御回路21は、ダイオードブリッジ8からの平滑化された出力電流の検出電流値を基準電流値に収束させると共にコンデンサ11の検出電圧値を例えば500Vに収束させるように制御する制御信号をPWM制御回路22に出力する。対応してPWM制御回路22は、かかる制御信号に従った駆動信号をインバータブリッジ6に出力する。この結果、インバータブリッジ6においては、ダイオードブリッジ8からの平滑化された出力電流の検出電流値を基準電流値に収束させると共にコンデンサ11の検出電圧値を例えば500Vに収束させるようにフィードバックPWM駆動制御がなされる。
以上の本実施形態における充電装置では、ダイオードブリッジ8からの平滑化された出力電流の検出電流値を用いたインバータブリッジ6の制御ループに加えて、電圧制御回路41がコンデンサ11の電圧値を検出したその検出電圧値にも基づいたインバータブリッジ6の制御ループを構成する。このような構成によれば、特に充電ケーブル14の絶縁試験を行う際に、電流計10の計測特性にドリフトが発生したとしても、電流制御回路21の制御動作を微調整しながらインバータブリッジ6をスイッチング動作させることができ、抵抗23に流れる電流をより正確に制御してコンデンサ11の放電電圧をより正確に設定することができる。
(第3の実施形態の変形例)
第3の実施形態における充電装置500は、第1の実施形態(その変形例を含む)における充電装置100の制御回路101において電圧制御回路41を設けた構成になっているが、同様に、第2の実施形態における充電装置の制御回路101において電圧制御回路41を設けるようにしてもよい。これにより、特に充電ケーブル14の絶縁試験を行う際に、電流計10の計測特性にドリフトが発生したとしても、電流制御回路21の制御動作を微調整しながらインバータブリッジ6をスイッチング動作させることができ、抵抗23に流れる電流をより正確に制御してコンデンサ11の放電電圧をより正確に設定することができると共に、半導体スイッチング素子31をオン状態からオフ状態に切り換える際に、抵抗23に流入する放電電流を極めて小さくでき、付加的に設けられるべき逆電流阻止用のダイオードを不要にすることができる。
(第4の実施形態)
次に、図6を参照して、本発明の第4の実施形態における充電装置の構成について、詳
細に説明する。本実施形態における充電装置は、第1の実施形態(その変形例を含む)における充電装置100と比較して、複数の充電ユニット102の代わりに複数の充電ユニット602を有するものである。
図6は、本実施形態における充電ユニット602の構成を示す回路図である。なお、説明の便宜上、制御系の図示は省略している。
図6に示すように、本実施形態における充電ユニット602は、第1の実施形態における充電ユニット102に対して、コンタクタ2、リアクトル3及びPWMコンバータ4の代わりに、これらと同様の機能を有するPFC(Power Factor Correction)回路51を備えた単相用充電回路50を採用すると共に、交流電源1を、互いに並列に接続された3つの単相交流用の単相用充電回路50の各々に接続した構成を有する点で相違する。
つまり、第1の実施形態における充電ユニット102においては、バッテリ151の充電に先立つ充電ケーブル14の絶縁試験時には、電流計10の定格の1/100程度を使ってダイオードブリッジ8からの直流電流を計測しながら、充電ケーブル14に例えば500Vの電圧を正確に印加することが必要となるから、電流計10の計測特性にドリフトが発生することに起因して、ダイオードブリッジ8からの直流電流を計測する際に誤差が発生する事態が考えられる。そこで、かかる事態をも考慮して、本実施形態における充電ユニット602においては、3つの単相用充電回路50にバッテリ151の充電を分担させて各単相用充電回路50に流れる電流を小電流化し、電流計10の定格自体を下げることにより、充電ケーブル14の絶縁試験時において電流計10の計測特性におけるドリフトを無視し得る構成を採用したものである。本実施形態の残余の構成は第1の実施形態のものと同一であり、同一な構成要素には同一の符号を付して、適宜説明を簡略化又は省略する。なお、説明の便宜上、本実施形態では、バッテリ151の充電時には3つの単相用充電回路50を用いているが、原理的には複数の単相用充電回路50であればよく、充電ケーブルの絶縁試験時には、1つのみの単相用充電回路50を用いているが、原理的には複数の単相用充電回路50の一部を用いればよい。また、交流電源1として単相交流電源を用いているが、単相用充電回路50等を適宜バランスよく組み合わせれば、原理的には3相交流電源にも適用可能である。
具体的には、バッテリ151の充電時には、3つの単相用充電回路50の全てを利用してバッテリ151を充電するが、バッテリ151の充電に先立つ充電ケーブル14の絶縁試験時には、3つの単相用充電回路50の内の1つのみを利用して、コンデンサ11の充電電圧を充電ケーブル14に印加する。つまり、図4中では、上段に示す回路構成が、充電ケーブル14の絶縁試験時に、コンデンサ11の充電電圧を充電ケーブル14に印加するためのものであり、そこには、抵抗23、リレー24及びダイオード25が設けられる。また、コンデンサ11、抵抗12、ダイオード13及び充電ケーブル14は、3つの単相用充電回路50の各々について共通である。
よって、バッテリ151の充電時には、制御回路は、3つの単相用充電回路50の各々のインバータブリッジ6のスイッチング動作を維持しながらリレー24をオフ状態に切り換えて、バッテリ151を充電する。
一方で、バッテリ151の充電に先立って、充電ケーブル14の絶縁試験を行う際には、制御回路は、3つの単相用充電回路50の内の1つのみのインバータブリッジ6のスイッチング動作を維持しながらリレー24をオフ状態からオン状態に所定時間切り換えて、コンデンサ11を充電し、かかる所定時間が経過したならば、インバータブリッジ6のスイッチング動作を停止すると共にリレー24をオン状態からオフ状態に切り換えて、コン
デンサ11の充電電圧を充電ケーブル14に印加する。
ここで、3つの単相用充電回路50の各々には、相対的な小電流(3台の場合は、典型的には125A/3又は100A/3の電流値を呈するような電流)が流れるから、これらに対して定格の小さい電流計10が各々適用されている。対応して充電ケーブル14の絶縁試験に用いる1つのみの単相用充電回路50に対しても定格の小さい電流計10が適用されているから、特に充電ケーブル14の絶縁試験を行う場合にコンデンサ11を充電するときであっても、電流計10の計測特性におけるドリフトは無視し得るレベルとなる。
また、PFC回路51は、バッテリ151の充電時及び充電ケーブル14の絶縁試験時において、制御回路の制御の下で、交流電源1からの交流電流を断続すると共に、その交流電流に含まれる高周波成分を低減して力率改善をしながら、スイッチング動作することによってかかる交流電流を直流電流に変換する。
以上の本実施形態における充電装置では、3つの単相用充電回路50の各々に相対的な小電流が流れることに対応して、これらに対して定格の小さい電流計10が各々適用されている。これにより、特に充電ケーブル14の絶縁試験を行う際にコンデンサ11を充電するときであっても、充電ケーブル14の絶縁試験に用いる単相用充電回路50に適用された電流計10の計測特性におけるドリフトを無視し得るレベルとすることができ、ダイオードブリッジ8からの直流電流をより正確に計測しながら抵抗23に流れる電流をより正確に制御して、コンデンサ11の放電電圧をより正確に設定することができる。併せて、PFC回路51を用いることにより、3つの単相用充電回路50を用いる場合であっても構成を簡素化することができる。
(第4の実施形態の変形例)
第4の実施形態における充電ユニット602においても、第2の実施形態における充電ユニット402と同様に、リレー24を半導体スイッチング素子に置き換えてもよい。これにより、付加的に設けられるべき逆電流阻止用のダイオード25を不要にすることができる。
また、第4の実施形態における充電装置においても、第3の実施形態における充電装置と同様に制御回路101に電圧制御回路41を設けるようにしてもよい。これにより、特に充電ケーブル14の絶縁試験を行う際に、定格の小さい電流計10を用いたとしてもその計測特性においてもある程度のドリフトが発生した場合、電流制御回路21の制御動作を微調整しながらインバータブリッジ6をスイッチング動作させることができ、抵抗23に流れる電流をより正確に制御してコンデンサ11の放電電圧をより正確に設定することができる。
また、第4の実施形態における充電ユニット602において用いたPFC回路51は、第1の実施形態(その変形例を含む)における充電ユニット102、第2の実施形態における充電ユニット402及び第3の実施形態における充電ユニット102に対して適宜適用可能であることはもちろんである。
(第5の実施形態)
図7を参照して、本発明の第5の実施形態における充電装置の構成について、詳細に説明する。
図7は、本実施形態における充電装置700の構成を示すブロック図である。なお、図7では、充電装置700と共に直流電源750及び車両150をも示す。
図7に示すように、本実施形態における充電装置700は、第1の実施形態(その変形例を含む)における充電装置100と比較して、制御回路101、充電ユニット102及び交流電源1の代わりに制御回路701、充電ユニット702及び直流電源750を備える構成を有する点で相違する。
詳しくは、図7に示すように、本実施形態における充電装置700は、充電ケーブル14の先端に設けられている充電コネクタCWと、車両150側の充電コネクタCVとが接続されることにより、バッテリ151と電気的に接続される。充電装置700は、車両150に搭載されている大容量のバッテリ151を充電すると共に、バッテリ151を充電するにあたり、典型的には樹脂製の外皮中に互いに絶縁された正極側及び負極側の一対の導線を有して充電装置700側と車両150側の充電コネクタCVとを電気的に接続する充電ケーブル14の絶縁試験を行うものである。かかる充電装置700は、直流電源750に電気的に接続されて、単一の制御回路701、及び複数の充電ユニット702を備えている。
制御回路701は、充電ユニット702の各々、及び直流電源750に接続し、バッテリ151の充電動作及び充電ケーブル14の絶縁試験動作を含む充電装置700全体の動作、及び直流電源750への接続状態を、図示を省略するコンタクタを介して制御する制御回路である。なお、制御回路701の具体的な構成については後述する。
充電ユニット702の各々は、同一構成であり、制御回路701の制御に従って動作する。
次に、図8を参照して、本発明の第5の実施形態における充電ユニット702の構成について、詳細に説明する。
図8は、本実施形態における充電ユニット702の構成を示す回路図である。なお、図8では、充電ユニット702と共に、直流電源750、並びに車両150側のコンタクタ15、バッテリ151及び充電コネクタCVをも示す。
図8に示すように、本実施形態における充電ユニット702は、直流電源750に電気的に接続されて、インバータブリッジ6、変圧器7、ダイオードブリッジ8、リアクトル9、電流計10、コンデンサ11、抵抗12、ダイオード13、充電ケーブル14、電流制御回路21、PWM制御回路22、抵抗23、リレー24、及びダイオード25を備えている。
図8に示すように、本実施形態における充電ユニット702は、第1の実施形態における充電ユニット102と比較して、コンタクタ2、リアクトル3、PWMコンバータ4、コンデンサ5、電圧制御回路17、PWM制御回路18を除く構成を有する点で相違する。本実施形態の残余の構成は第1の実施形態のものと同一であり、同一な構成要素には同一の符号を付して、適宜説明を簡略化又は省略する。
インバータブリッジ6は、直流電源750から入力される直流電流を交流電流に変換するインバータであり、典型的にはIGBTとダイオードとの組み合わせによって構成される。なお、本実施形態において、インバータブリッジ6における上記以外の構成は第1の実施形態と同一構成であるので、その説明を省略する。
以上本実施形態における充電装置700では、直流電源を用いる場合であっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第5の実施形態の変形例)
第5の実施形態における充電ユニット702においても、第2の実施形態における充電ユニット402と同様に、リレー24を半導体スイッチング素子に置き換えてもよい。これにより、付加的に設けられるべき逆電流阻止用のダイオード25を不要にすることができる。
また、第5の実施形態における充電装置においても、第3の実施形態における充電装置と同様に制御回路701に電圧制御回路41を設けるようにしてもよい。これにより、特に充電ケーブル14の絶縁試験を行う際に、定格の小さい電流計10を用いたとしてもその計測特性においてもある程度のドリフトが発生した場合、電流制御回路21の制御動作を微調整しながらインバータブリッジ6をスイッチング動作させることができ、抵抗23に流れる電流をより正確に制御してコンデンサ11の放電電圧をより正確に設定することができる。
なお、本発明は、部材の形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。