JP5992398B2 - チタン合金製品の鋳造方法、チタン合金及び物品 - Google Patents

チタン合金製品の鋳造方法、チタン合金及び物品 Download PDF

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Description

本発明はチタン合金に関する。
関連出願の相互参照
本願は、2010年4月30日に出願された米国仮特許出願第61/330,081号の利益を主張する。そのすべては本明細書に参照として組み入れられる。
連邦政府後援研究開発
本発明の主題の開発に関する活動は、少なくとも一部が米国政府陸軍契約第W15QKN−09−C−0144号及び第W15QKN−09−C−0026号による資金提供を受けている。すなわち、米国は本発明に所定の権利を有する。
チタン合金は、軽量の耐腐食性構造を与え得るので、様々な用途に使用されている。例えば、重量パーセントでTi−6Al−4Vは、航空宇宙及び医療用途に広く使用される商用合金である。防衛、エネルギー、化学処理、海洋、及び輸送のような様々な産業部門にも、産業チタン合金の使用から利益を受ける他の用途が存在する。しかしながら、かかる用途に対しては、チタンの材料及び処理コストが著しい負担となり得る。
チタン合金の材料コストが一般に高い理由の少なくとも一部は、鉄及び酸素のような微量元素の、当該溶融素材における含有量を厳しく制御しなければならないことにある。鉄及び酸素のような元素は、当該溶融物が凝固するときに偏析し、不均一な機械的特性につながる。この効果を排除するべく、超低侵入型不純物(ELI)グレード合金が開発されている。例えば、ELIグレードTi−6Al−4Vの航空宇宙材料仕様は、鉄を0.25重量パーセントまで、酸素を0.13重量パーセントまで制限する。
チタンの処理コストが一般に高い理由の少なくとも一部は、チタン合金が鍛造されるのが典型的であることにある。チタン合金を加工処理によってニアネットシェイプに形成することは、コストのかかるマシニングを含み得る。さらに、加工及びマシニングには著しい材料廃棄が生じ得る。
国際公開第2005/123976(A2)号パンフレット
一側面において、本開示は、約3.0から約6.0重量%のアルミニウム、0から約1.5重量%のスズ、約2.0から約4.0重量%のバナジウム、約0.5から約4.5重量%のモリブデン、約1.0から約2.5重量%のクロム、約0.20から約0.55重量%の鉄、0から約0.35重量%の酸素、0から約0.007重量%のホウ素、並びに0から約0.60重量%の他の偶発的元素及び不純物を含んで残りの重量パーセントはチタンを含む合金に関する。
一側面において、本開示は、約6重量%のアルミニウム及び約4重量%のバナジウムを含んで残りの重量パーセントはチタンを含む少なくとも50重量%のチタン系合金に基づく材料であって、0から約0.35重量%の酸素、0から約0.55重量%の鉄、並びに他の偶発的元素及び不純物をさらに含む材料を与えることと、当該材料を溶融して、約3.0から約6.0重量%のアルミニウム、0から約1.5重量%のスズ、約2.0から約4.0重量%のバナジウム、約0.5から約4.5重量%のモリブデン、約1.0から約2.5重量%のクロム、約0.20から約0.55重量%の鉄、0から約0.35重量%の酸素、0から約0.007重量%のホウ素、並びに0から約0.60重量%の他の偶発的元素及び不純物を含んで残りの重量パーセントはチタンを含む合金を与えることと、当該合金を約2気圧まで加圧されたガスで冷却することとを含む方法に関する。
さらなる側面において、本開示は、強度と延性との良好な組み合わせを実現する熱間加工の必要性を回避できるニアネットシェイプ又はインベストメント鋳造として当該合金を処理する方法に関する。対照的に、熱間加工は、チタン−6重量%アルミニウム−4重量%バナジウムのような、β変態温度未満からの鍛造及び冷却に起因する結晶粒微細化に依存する多くの従来型チタン合金の本質的側面である。鉄含有量の制御は、過剰な鉄含有量から生じ得る熱間割れなしで鋳放し粒径を最小限にするための、開示された側面の本質的側面である。さらに、本発明に係る合金及び方法によれば、β変態温度より上からの冷却に際し、粒内微細構造のαラスかご織りモルフォロジ(alpha lath basketweave morphology)が達成される。相互に組み合うかご織りモルフォロジは、本発明の一側面として達成され、Ti−6−4合金の平行又はラメラのαラスとは対照的である。
他の側面及び実施例が本開示の範囲内に包括され、以下の記載及び添付図面に照らして明らかとなる。
本開示の範囲内にある非限定的実施例に係る合金の、処理・構造・特性関係を示すシステム設計チャートである。 本明細書に記載の、例えば図1を含む本開示の範囲内にある合金設計に適した一セットの統合計算モデルを規定するチャートである。 本明細書に記載の、例えば図1を含む本開示の範囲内にある非限定的実施例に係る合金のα相の粗大化速度定数を、β変態温度に対してプロットするグラフである。 本明細書に記載の、本開示の範囲内にある非限定的実施例に係る合金のα相の粗大化速度定数を、β変態温度に対してプロットする図3に類似する拡大グラフである。 本明細書に記載の、例えば図1を含む本開示の範囲内にある非限定的実施例に係る合金の、α相の603℃における粗大化速度定数を、モリブデン含有量に対してプロットするグラフである。 本明細書に記載の、例えば図1を含む本開示の範囲内にある非限定的実施例に係る合金の、α相の粗大化速度定数の等高線を、603℃におけるモリブデン含有量とクロム含有量との関数としてプロットするグラフである。 本明細書に記載の、例えば図1を含む本開示の範囲内にある非限定的実施例に係る合金の、Scheil凝固温度範囲及び成長制限パラメータの等高線を、鉄含有量とホウ素含有量との関数としてプロットするグラフである。 本明細書に記載の、例えば図1を含む本開示の範囲内にある非限定的実施例に係る合金の、かご織りモルフォロジにあるα相ラスを示す走査型電子顕微鏡画像である。 950℃における焼き鈍しの後に約0.03℃/秒の冷却速度で冷却された非限定的実施例に対する、かご織りモルフォロジにあるα相ラスを示す図8に類似する光学顕微鏡写真である。 950℃における焼き鈍しの後に約0.5℃/秒の冷却速度で冷却された非限定的実施例に対する、かご織りモルフォロジにあるα相ラスを示す図9に類似する光学顕微鏡写真である。 950℃における焼き鈍しの後に約7.5℃/秒の冷却速度で冷却された非限定的実施例に対する、かご織りモルフォロジにあるα相ラスを示す図9に類似する光学顕微鏡写真である。 950℃における焼き鈍しの後に約150℃/秒の冷却速度で冷却された非限定的実施例に対する、マルテンサイト微細構造の高アスペクト比にあるα相プレートを示す光学顕微鏡写真である。 本明細書に記載の、例えば図8から11を含む本開示の範囲内にある非限定的実施例に係る合金の様々な焼き鈍し温度におけるビッカース硬さを、冷却速度に対してプロットするグラフである。 本明細書に記載の、例えば図8から11を含む本開示の範囲内にある非限定的実施例に係る合金のビッカース硬さを、α相の粗大化速度定数に対してプロットするグラフである。 本明細書に記載の、例えば図8から11を含む本開示の範囲内にある非限定的実施例に係る合金の強度及び延性をプロットするグラフである。
特許請求の範囲が、以下の記載に規定されるか又は本開示の非限定的実施例に示され及び図面に図示されるコンポーネントの詳細な構成及び配列への適用に限定されないことを理解されたい。以下の詳細な説明に照らし、他の側面及び実施例が明らかとなる。
本明細書に記載される任意の例示範囲は、明示的に記載する必要性なしに当該範囲内にあるすべての値を包括しかつ含むものと理解されたい。
一般的意味において、本発明者は意外にも、適切な処理、コスト、及び微細構造を有する組成物を選択することにより、低コストで高強度と高靱性との組み合わせを達成することができるチタン合金を発見した。本開示の合金は、かご織りモルフォロジにあるα相ラスを含む。かご織りモルフォロジにあるα相ラスは、高強度と高靱性との組み合わせを達成することができる。本開示の合金はコストが低くなり得る。これは、低コスト原料をニアネットシェイプ鋳造に使用した後、耐性かつ産業上実現可能性のある冷却速度で冷却できるからである。
低コスト原料の一つのソースはスクラップのチタン合金である。Ti6−4として周知のチタン合金は、再溶融を目的として最も広く入手可能な合金の一つである。Ti6−4は、約6重量%のアルミニウム及び約4重量%のバナジウムを含んで残りの重量パーセントはチタンを含む。本開示の合金に対する原料インプットは少なくとも50重量%又は少なくとも70重量%のTi6−4であり得る。本開示の合金はコストも低くなり得る。これは、当該合金が0から約0.35重量%の酸素、0から約0.55重量%の鉄、並びに他の偶発的元素及び不純物を許容することができるからである。鉄は、スポンジ処理中の汚染からもたらされ得る、チタン合金において普通の不純物元素である。鉄、酸素、並びに他の偶発的元素及び不純物を許容することにより、本開示の合金は、再利用の及びマシニングの削りくずのような低品質のスクラップを原料として使用することを可能とする。
本開示の合金はまた、製造コストが低くなり得る。これは、鍛造が不要であって、マシニングコストが低減され得るからである。鍛造及びマシニングのコストは、チタンコンポーネントのコストに対し、当該コンポーネントの幾何形状によっては約半分を占める。したがって、ニアネットシェイプ鋳造に適切な一方で良好な機械的特性を保持する合金を得ることが有利となり得る。本開示の合金の実施例には、鋳造されるものがある一方、鍛造及びマシニングされるものもある。本開示の合金はまた、処理コストも低くなり得る。これは、当該合金が、耐性かつ産業上実現可能性のある冷却速度で冷却できるからである。鋳造物の厚いセクションを薄いセクションよりも遅く冷却すると、当該冷却速度に極めて耐性があるというわけでなければ、当該微細構造はセクションごとに変化する。本開示の合金は、安価ではあるが耐性のある方法で処理することができる。
一側面において、本開示は、約3.0から約6.0重量%のアルミニウム、0から約1.5重量%のスズ、約2.0から約4.0重量%のバナジウム、約0.5から約4.5重量%のモリブデン、約1.0から約2.5重量%のクロム、約0.20から約0.55重量%の鉄、0から約0.35重量%の酸素、0から約0.007重量%のホウ素、0から約0.60重量%の他の偶発的元素及び不純物、並びにチタンを含む残りの重量パーセントを含む合金に関する。なお、本明細書に開示される実施例は、各成分において、例示される単数又は複数の値のプラス又はマイナス10パーセントの差異を含む。また、本明細書に開示される合金は、上述の成分のみから構成されるか、又は当該成分から本質的に構成され若しくは他実施例において付加的成分を含み得る。
複数実施例において、アルミニウム含有量は、約4.0から約5.5重量%であり、スズ含有量は0から約1.0重量%であり、バナジウム含有量は約2.5から約3.5重量%であり、モリブデン含有量は約1.0から約2.0重量%であり、クロム含有量は約1.0から約2.0重量%であり、鉄含有量は約0.30から約0.55重量%であり、酸素含有量は0から約0.20重量%であり、ホウ素含有量は0から約0.005重量%であり、他の偶発的元素及び不純物の含有量は0から約0.20重量%であり得る。
複数実施例において、当該合金は、かご織りモルフォロジにあるα相ラスを形成するべく所定冷却速度でβ相からα相に冷却される。高温において、チタン合金は、体心立方晶構造を有するβ相を形成し得る。約10℃/秒よりも高い冷却速度で冷却されると、所定チタン合金にあるβ相は、マルテンサイトα”相に変態し、強度は増すが同時に延性が低下する結果となる。しかしながら、約0.03℃/秒から約10℃/秒の冷却速度で冷却されると、所定チタン合金にあるβ相は、六方最密晶構造を有するα相を含む微細構造に変態し得る。これは、かご織りモルフォロジにあるラスを形成する。かご織り微細構造は、12個の結晶方位までのβ結晶粒に成長する粒内αバリアントの、向上した均一核形成に起因して生成される。対照的に、Ti6−4が、約10℃/秒までの産業上関連する冷却速度でβ相からα相まで冷却されると、粗いコロニーすなわち高度に平行なαラメラを有する微細構造を表すことが多い。一般に、鋳造処理を介して生成されるコンポーネントは、再結晶化を目的として引き続き、α及びβ相の二相場において鍛造又は焼き鈍しがされることがない。その結果、粗いラメラ微細構造を有するチタン合金から作られたコンポーネントは、最良の強度と延性との組み合わせを示すことがない。しかしながら、本開示の合金にあるようなかご織りモルフォロジの実質的α相ラスは、高強度と高靱性との組み合わせを達成することができる。すなわち、かご織りモルフォロジは典型的に、本開示の合金微細構造の約4分の3以上を占める。
複数実施例において、当該ラスは、最長寸法が約100ミクロン以下、約80ミクロン以下、約25ミクロン以下、又は約6ミクロン以下である。
複数実施例において、当該合金は、少なくとも約10%の引張伸びを有し、及び約960MPaを超える引張強さを有する。ここで、当該合金は鋳造され、900℃及び約100MPaのArにおいて2時間の熱間静水圧圧縮成形(HIP)を受け、並びに焼き鈍しがされる。他実施例において、当該合金は、少なくとも約4%の引張伸びを有し、及び約1170MPaを超える引張強さを有する。ここで、当該合金は鋳造され、900℃及び約100MPaのArにおいて2時間の熱間静水圧圧縮成形を受け、並びに焼き鈍しがされる。
一側面において、本明細書に記載される複数実施例に係る合金は、低コスト原料を使用しての鋳造が可能であり、熱間加工又は急な冷却速度を必要としない商業上実現可能性のある熱間処理によってかご織り微細構造を形成することができる。対照的に、表1は、不十分な鋳造性を示すか又は高コスト原料を利用するいくつかのチタン合金の組成を示す。かご織り微細構造を達成し得る複数のチタン合金は一般に不十分な鋳造性を有する。これは、その流動性がTi6−4よりも低いからである。これらのチタン合金は、鉄のようなβ安定剤として知られる合金元素を含む。β安定剤は、かご織り微細構造の達成に役立つが、当該鋳造物が凝固中に熱間割れ欠陥を受けやすくもなり得る。熱間割れは、液体と固体との著しい体積差に起因する。バナジウム、ニオブ、及びモリブデンのような他のβ安定剤は原料としては高価となり得る。例えば、Beta−CEZ(登録商標)及びTi−17のような合金は高コストなジルコニウムを使用する。表1にある合金のうち、SP−700のみが鋳造スクラップとして普通のTi6−4を利用することができる。これは、SP−700がTi6−4と同じアルミニウム対バナジウム重量比を有するからである。しかしながらSP−700は、2重量%の鉄を有する。この鉄含有量により、当該鋳造物が熱間割れを受けやすくなり得るので、SP−700は鋳造に不適合となり得る。対照的に、本開示の合金は、低コスト原料を使用しての鋳造が可能であり、商業上実現可能性のある冷却速度においてかご織り微細構造を形成し、強度と延性との、Ti6−4よりも良好な組み合わせを達成することができる。
Figure 0005992398
図1のシステム設計チャートを参照すると、適切な処理及び構造により、当該合金は、Ti6−4鋳造物よりも優れた、強度及び靱性又は伸びのような複数の特性の組み合わせを達成することができる。このシステム設計チャートに基づいて1セットの計算モデルが開発され、合金組成選択が可能となる。これは図2に示されている。コストを低減するべく当該合金は、Ti6−4に類似するアルミニウム対バナジウム重量比を有するので、その出発原料の少なくとも50重量%としてTi6−4の鋳造スクラップを再溶融することによって製造することができる。スクラップ材料由来の合金には、ニオブ及びジルコニウムのような高価な元素が少量存在し得るが、合金添加物として実質的に回避されるのが適切である。
適切な微細構造を有する組成を選択するべく、β変態温度が決定される。これは、Thermo−Calcソフトウェア社により提供されるThermo−Calc(登録商標)ソフトウェア・バージョンNのような熱力学計算パッケージを使用する熱力学平衡計算を介して行われる。Thermo−Calcは、Thermotech株式会社が提供するTi−Dataバージョン3熱力学データベース及びQuesTek Innovations有限責任会社が公表文献データに基づいて開発した移動度データベースとともに使用することができる。
凝固温度範囲を決定して熱間割れを回避するべく、Thermo−CalcのScheil凝固計算を使用することができる。大きな成長制限パラメータを有する組成を選択するべく、T.E. Quested, A.T. Dinsdale & A.L. Greer, Thermodynamic Modeling of Growth-Restriction Effects in Aluminum Alloys, 53 Acta Materialia 1323 (2005)(本明細書に参照として組み入れられる)に開示されている成長制限モデルを使用することができる。成長制限パラメータはまた、互換的に成長制限因子とも称する。大きな成長制限パラメータを有する組成は凝固中、溶質原子を排斥するので微細な鋳放し粒径を得ることができる。拡張された凝固温度範囲は、成長制限パラメータを増大させることにより当該結晶粒を微細化する一方、熱間割れももたらし得る。したがって、結晶粒微細化と熱間割れ耐性との適切なバランスを達成するべく、鉄のような合金元素が約0.55重量%未満まで最適化される。
合金組成を選択するには、Suresh Neelakantana, Prediction of the Martensite Start Temperature for β Titanium alloys as a Function of Composition, 60 Scripta Materialia 611 (2009)(本明細書に参照として組み入れられる)に開示されているマルテンサイト開始温度モデルを使用することができる。無拡散変態を介して形成されるマルテンサイトは延性が低くなり得る。すなわち、合金組成は、産業上関連する冷却速度でマルテンサイト変態を実質的に回避するように選択される。
β変態温度未満の260℃における粒内αラスに対する粗大化速度定数を計算するには、J.E. Morral & G.R. Purdy, Particle Coarsening in Binary and Multicomponent Alloys, 30 Scripta Metallurgica et Materialia 905 (1994)(本明細書に参照として組み入れられる)に開示されている多成分粗大化速度モデルを使用することができる。この温度は、時間・温度変態図におけるC曲線の鼻先の温度に近似する。粗大化速度定数は、拡散係数、モルGibbs自由エネルギーの二次偏導関数、及び溶質原子の分配比のような熱力学パラメータにより導出できる。これらの熱力学パラメータは次に、双方ともThermo−Calcソフトウェア社が提供するThermo−Calcソフトウェア・バージョンN及び動力学ソフトウェアDICTRA(登録商標)(DIffusion Controlled TRAnsformations)バージョン24のような熱力学データベース及びソフトウェアパッケージにより計算できる。表面エネルギー及びモル体積により正規化された粗大化速度定数を、以下Kαと称する。適切な低Kαを有する合金組成は、本明細書に開示される実施例に係る合金から選択される。αラスの成長速度を制限することにより、多方位の微細なαラスを核形成するべく多くの時間を利用することができようになる。これにより、高い強度及び靱性を有する微細構造が可能となる。モリブデンは低拡散性であり、αラス成長速度を低減するのに極めて有効となり得るが、モリブデンを添加することは高コストともなり得る。クロムは、β結晶粒と比べ、αラスへ分配される傾向がほとんどないので、モリブデンよりも低コストでαラス成長を遅延させることができる。すなわち、クロムとモリブデンとの組み合わせにより、相対的に低コストでKαを有効に低下させることができる。
粒内αラスの核形成速度を予測するべく、H.-J. Jou, P. Voorhees & G.B. Olson, Computer Simulations for the Prediction of Microstructure/Property Variation in Aeroturbine Disks, in Superalloys 2004, 877 (K.A. Green, T.M. Pollock, H. Harada, T.E. Howson, R.C. Reed, J.J. Schirra & S. Walston eds., 2006)(本明細書に参照として組み入れられる)に開示されている時間・温度変態モデルを使用することができる。多方位にあるαラスの高い核形成速度は、粒内かご織り微細構造を達成するのに役立つ。
望ましくなくかつ安定した金属間相のソルバス温度は、Thermo−Calcソフトウェア社が提供するThermo−Calc(登録商標)ソフトウェア・バージョンN、Thermotech株式会社が提供するTi−Dataバージョン3熱力学データベース、及びQuesTek Innovations有限責任会社が公表文献データに基づいて開発した移動度データベースのような熱力学データベース及び計算パッケージによる熱力学平衡計算を介して適切に決定される。また、高強度を達成する組成の選択を導くべく、実験モデル合金クーポン又はボタンに基づく固溶強化モデルが適切に使用される。
図3も参照すると、産業上実現可能性のある冷却速度でかご織り微細構造を達成するべく、Kα及びβ変態温度が、本明細書に記載される複数実施例に係る合金に対して最適化される。図3の水平軸はβ変態温度である。これは、かご織り微細構造が生じ得る温度範囲及び冷却速度を制御する。適切な微細構造を達成するべく、β変態温度は900℃未満に選択される。約900℃を超えるβ変態をともなうTi6−4のようなα及びβ相の二相合金は、かご織りラスではなくラメラαプレートのコロニーを形成する。ラメラ微細構造は、かご織り微細構造と比べ、低い強度及び靱性を与える。したがって、適切な合金組成は、約900℃未満のβ変態を有し得る。
図3の垂直軸は、時間・温度変態図におけるC曲線の鼻先の温度付近にある正規化された粗大化速度定数Kαである。本明細書に開示される実施例に係る合金は、粒界上の有害なα相の形成を制限するべくKαを制限することができるので、溶体化処理後のゆっくりとした冷却速度に対して固有の耐性を有する。制限されるKαにより、多方位の微細なαラスを核形成するべく多くの時間を利用することもできる。したがって、α相の粗大化速度定数は、約4×10−19・mol/J・s未満、約2×10−19・mol/J・s未満、又は約1.5×10−19・mol/J・s未満に制限することができる。図3及び4に示されるように、Kαはβ変態温度にほぼ正比例する。したがって、β変態温度を制限することによってKαを低減することができる。しかしながら、所定のβ変態温度におけるKαの差異は依然著しいままであり得る。Kαは、α相における固溶性が低い、例えばモリブデン及びクロムのような遅い拡散剤を添加することによりさらに低減することができる。しかしながら、低下されたKαの利点は、約0.5重量%のモリブデンを添加した後に弱められ得る。例えば図5は、非限定的実施例の、603℃におけるモリブデン含有量に対するKαを示す。この実施例に対しては、温度603℃は、β変態温度よりも約260℃低く、時間・温度変態図におけるC曲線の鼻先の温度に近似する図5は、Kαが約0.5重量%までのモリブデン含有量に強く依存することを示す。しかしながら、0.5重量%のモリブデンを添加した後は、付加的なモリブデンは著しくKαを低下させるわけではない。少なくともこの理由により、本明細書に開示される実施例の合金は、モリブデンをクロムと組み合わせて使用する。
図6も参照すると、クロムとモリブデンとの組み合わせがKαを有効に低下させ得る。クロムはモリブデンと比べ、β結晶粒へよりもαラスへ分配されない傾向があるので、αラス成長速度も低下させる。加えて、クロムは、モリブデンと比べて低密度かつ低コストである。したがって、本明細書に開示される実施例に係る合金は、クロムをモリブデンと組み合わせて使用する。しかしながら、過剰量のクロムは、望ましくない脆化TiCrラーベス相の析出を促す。すなわちクロム含有量は、Kαとラーベス相析出との適切なバランスを達成するべく最適化される。
図7も参照すると、本明細書に開示される実施例に係る合金は、成長制限パラメータ及びScheil凝固温度範囲を低減することによっても、さらなる熱間変形を受けない鋳造物と矛盾しない。Scheil凝固温度範囲はまた、互換的に凝固温度ΔT又は凝固温度範囲と称する。図7は、成長制限パラメータ及びScheil凝固温度範囲の算出等高線を、合金中の鉄含有量及びホウ素含有量の関数として示す。垂直軸は、本明細書に開示されている実施例に係る合金中の鉄含有量であり、水平軸は、本明細書に開示されている実施例に係る合金中のホウ素含有量である。実線は、凝固のScheil近似により計算された凝固温度範囲の等高線を示す。いくつかの実施例において、約200℃未満のScheil凝固温度範囲は、鋳造コンポーネントの熱間割れ欠陥を回避するのに役立つ。他実施例において、鋳造合金は、引き続いての熱間加工を受けて熱間割れ欠陥が治癒し得る。点線は、成長制限パラメータの等高線を示す。成長制限パラメータが大きな値であれば微細な結晶粒が促進される。大きな凝固温度範囲は一般に成長制限パラメータを増加させることにより結晶粒を微細化するが、大きな凝固温度範囲はまた、当該鋳造物を凝固中の熱間割れ欠陥を受けやすくし得る。すなわち、鉄及びホウ素のような合金元素は、本明細書に開示される実施例に係る合金において、熱間割れ耐性と結晶粒微細化との適切なバランスを達成するように最適化される。具体的には、鉄を約0.55重量%以下に制限し、ホウ素を約0.007重量%(70重量ppm)以下に制限することで、熱間割れ欠陥と、靱性を低減し得るホウ化物粒子とを回避することができる。
一側面において、本開示は、約6重量%のアルミニウム及び約4重量%のバナジウムを含んで残りの重量パーセントはチタンを含む25重量%、及び好ましくは少なくとも50重量%、のチタン系合金に基づく材料であって、0から約0.35重量%の酸素、0から約0.55重量%の鉄、並びに他の偶発的元素及び不純物をさらに含む材料を与えることと、当該材料を溶融して、約3.0から約6.0重量%のアルミニウム、0から約1.5重量%のスズ、約2.0から約4.0重量%のバナジウム、約0.5から約4.5重量%のモリブデン、約1.0重量%から約2.5重量%のクロム、約0.20重量%から約0.55重量%の鉄、0から約0.35重量%の酸素、0から約0.007重量%のホウ素、並びに0から約0.60重量%の他の偶発的元素及び不純物を含んで残りの重量パーセントはチタンを含む合金を与えることと、当該合金を約2気圧まで加圧されたガスで冷却することとを含む方法に関する。
複数実施例において、チタン系溶融物は、約4.0重量%から約5.5重量%のアルミニウム、0から約1.0重量%のスズ、約2.5重量%から約3.5重量%のバナジウム、約1.0重量%から約2.0重量%のモリブデン、約1.0重量%から約2.0重量%のクロム、約0.30重量%から約0.55重量%の鉄、0から約0.2重量%の酸素、0から約0.005重量%のホウ素、並びに0から約0.2重量%の他の偶発的元素及び不純物を含んで残りの重量パーセントはチタンを含み得る。
複数実施例において、本方法はさらに、当該合金に、900℃及び約100MPaのArにおいて2時間の熱間静水圧圧縮成形を受けさせることと、当該合金を焼き鈍ししてβ相の単相微細構造を形成することと、当該合金を、かご織りモルフォロジにあるα相ラスを形成する冷却速度で当該β相からα相まで冷却することとを含む。当該焼き鈍しは、合金のβ変態温度付近から約950℃までの温度範囲で行われ得る。当該冷却速度は、約0.03℃/秒から約10℃/秒であり得る。
一側面において、本明細書に開示される実施例に係る合金は、原料インプットの50重量%超過としてTi6−4の鋳造スクラップを再利用又は再溶融することにより実現可能に製造できるように選択される。本開示の合金はまた、従来型真空炉におけるガス焼き入れにより達成される典型的な冷却速度(約10℃/秒まで)とも矛盾しない。さらに、当該合金は、冷却速度の差異に対して耐性のある応答を示す。前述のようにKα及びβ変態温度を低減することにより、当該合金は、ゆっくりとした冷却速度においてかご織り微細構造を維持することができる。
本明細書に記載される合金の複数実施例のいくつかの例示的試料が調製され、物理的特性が試験された。本開示の一部として評価された合金プロトタイプの測定組成を、表2において、B72からB76、B78、QTTi−1A、QTTi−2A、及びQTTi−2Bとして示す。加えて、対照のため、反例も調製かつ試験された。反例は表2において、B77、Ti−64、QTTi−1B、及びQTTi−1Cとして示す。当該実施例及び反例は以下に詳細に記載される。調製かつ試験されたすべての合金は、普通のTi6−4を鋳造スクラップとして利用して材料コストを低減させるべく、6対4のアルミニウム対バナジウム重量比を保持する。コストをさらに最小化するべく、すべての合金は、インプットスクラップ材料からの約0.6重量%までの偶発的元素及び不純物を除き、合金元素ニオブ及びジルコニウムを実質的に回避する。鉄は、鋳造中の熱間割れ耐性を支援するべく約0.55重量%未満に維持される。当該合金は、約0.15重量%から約0.30重量%の酸素を許容する。
Figure 0005992398
一側面において、本開示は、本明細書に記載されるいずれかの方法により製造される合金を与える。本方法は、約6重量%のアルミニウム及び約4重量%のバナジウムを含んで残りの重量パーセントはチタンを含む少なくとも50重量%のチタン系合金に基づく材料であって、0から約0.35重量%の酸素、0から約0.55重量%の鉄、並びに他の偶発的元素及び不純物をさらに含む材料を与えることと、当該材料を溶融して、約3.0から約6.0重量%のアルミニウム、0から約1.5重量%のスズ、約2.0から約4.0重量%のバナジウム、約0.5から約4.5重量%のモリブデン、約1.0から約2.5重量%のクロム、約0.20から約0.55重量%の鉄、0から約0.35重量%の酸素、0から約0.007重量%のホウ素、並びに0から約0.60重量%の他の偶発的元素及び不純物を含んで残りの重量パーセントはチタンを含む合金を与えることと、当該合金を約2気圧まで加圧されたガスで冷却することとを含む。
複数実施例において、当該合金は、当該合金に、900℃及び約100MPaのArにおいて2時間の熱間静水圧圧縮成形を受けさせることと、当該合金を焼き鈍ししてβ相の単相微細構造を形成することと、当該合金を、かご織りモルフォロジにあるα相ラスを形成する冷却速度で当該β相からα相まで冷却することとをさらに含む方法により製造される。当該焼き鈍しは、合金のβ変態温度付近から約950℃までの温度範囲で行われ得る。当該冷却速度は、約0.03℃/秒から約10℃/秒であり得る。
複数実施例において、当該合金、適切にはチタン合金は、本明細書に開示される物理的特性の少なくとも一つを含む。
実施例1:QTTi−1A合金
公称組成が重量%で4.5Al、3.0V、2.0Cr、1.5Mo、1.0Sn、0.40Fe、0.15O、及び残部Tiである溶融物が調製された。上述のように、この例示的合金は、成分に平均(公称)値プラス又はマイナス10パーセントの範囲のばらつきを含む。当該合金は、Ti6−4の鋳造スクラップを適切な合金添加物とともに再溶融することにより部分的に鋳造された。鋳造スクラップは、当該鋳造物の少なくとも約75%を占めていた。当該鋳造物は、重さが約13kgであり、高さ約15cm、幅約15cm、及び深さ約15cmが測定された。当該合金は、アルゴン雰囲気において900℃及び約100MPaの熱間静水圧圧縮成形を2時間受け、室温までゆっくり冷却され、その後950℃において1時間溶体化され、及び、約1℃/秒から約2℃/秒の推定冷却速度において加圧ガスにより室温まで焼き入れされた。ガスの圧力は約2気圧であった。Kαは、9.3×10−20・mol/J・sとして計算された。様々な焼き戻し条件に対し、各条件ごとに2つの試料を使用して引張強さ及びKQ破壊靱性が測定された。合金Aと鋳造Ti6−4との測定された特性の比較は以下の表3に示されている。
図8も参照すると、QTTi−1A合金がかご織りモルフォロジにあるα相ラスを形成する。Ti6−4における平行αラメラのコロニーと比較すると、QTTi−1A合金のα相ラスは約10倍小さい。図9、10、及び11は、950℃における焼き鈍しの後に、約0.03℃/秒、約0.5℃/秒、及び約7.5℃/秒それぞれの冷却速度で冷却されたQTTi−1Aを示す。これらの冷却速度すべてにおいて、かご織り微細構造が見られる。Lαは、αラスの最長寸法を表す。α相ラスは、約1℃/秒から約2℃/秒でガス焼き入れがされたQTTi−1Aよりも、約0.03℃/秒でゆっくりと冷却されたQTTi−1Aの方が粗大である。すなわち、約10℃/秒の冷却速度未満において、冷却速度が高ければ高いほど、かご織り微細構造をさらに微細化することができる。しかしながら、約10℃/秒の冷却速度を超えると、拡散α変態が大幅に抑制される。その結果、大量の残存β相を残す変位型マルテンサイト変態がもたらされる。図12は、950℃での焼き鈍しの後、約150℃/秒の冷却速度で急冷されたQTTi−1Aに対するマルテンサイト微細構造において、高アスペクト比を有するα相プレートを示す。
図13は、異なる焼き鈍し温度及び冷却速度のもとでのQTTi−1Aの硬さ応答を示す。菱形の硬さデータが、950℃において焼き鈍しがされたβ相の単相微細構造にあるQTTi−1Aを示す。当該データは、焼き鈍し後の冷却速度に非線形的に依存する。約10℃/秒を超える高い冷却速度において、マルテンサイト変態は、硬さを低下させる大量の残存βを残す。しかしながら、約10℃の冷却速度未満では、硬さは、かご織り微細構造の微細化に起因して冷却速度とともに増加する。急冷された試料と比べると、ゆっくり冷却されたQTTi−1Aは、低強度だが高延性を示す。しかしながら、ゆっくり冷却されたQTTi−1Aに対する強度と延性との組み合わせは、L. Nastac, M.N. Gungor, I. Ucok, K.L. Klug & and W.T. Tack, Advances in Investment Casting of Ti-6Al-4V Alloy: A Review, 19 International Journal of Cast Metals Research 73 (2006)(図15参照)に報告されているTi6−4鋳造データのそれよりも依然優れている。四角形及び三角形の硬さデータは、875℃及び850℃それぞれにおけるα相及びβ相の二相微細構造にある、焼き鈍しがされたQTTi−1Aを示す。これらの温度において、冷却前のβマトリクスは、初晶αの形成に起因してβ安定剤が濃縮されている。β安定剤の濃縮は続いて、低冷却速度における拡散性のα形成を抑制する。したがって、これらの温度から冷却されたQTTi−1Aのピーク硬さは、2つの硬さ曲線が示すように、低冷却速度にシフトする。
実施例2:QTTi−1B合金
反例としてQTTi−1B合金を調製するに際し、公称組成が重量%で4.5Al、3.0V、2.0Cr、1.5Mo、1.0Sn、0.40Fe、0.15O、0.01B、及び残部Tiである溶融物が調製された。QTTi−1A合金との唯一の意図的な差異は、合金添加物であるホウ素にある。上述のように、この合金は、成分に平均(公称)値プラス又はマイナス10パーセントの範囲のばらつきを含む。当該合金は、Ti6−4の鋳造スクラップを適切な合金添加物とともに再溶融することにより部分的に鋳造された。鋳造スクラップは、当該鋳造物の少なくとも約75%を占めていた。当該鋳造物は、重さが約13kgであり、高さ約15cm、幅約15cm、及び深さ約15cmが測定された。当該合金は、アルゴン雰囲気において900℃及び約100MPaの熱間静水圧圧縮成形を2時間受け、室温までゆっくり冷却され、その後950℃において1時間溶体化され、及び、加圧ガスにより室温まで焼き入れされた。ガスの圧力は約2気圧であった。QTTi−1B合金と鋳造Ti6−4の測定された特性の引張強さとKQ破壊靱性との比較を表3に示す。ホウ素が、鋳造に対する成長制限因子への付加的利益を与え得る一方、凝固温度範囲を急速に増加させる。さらに、ホウ素がチタンにおいて低固溶性を有することと、当該合金の靱性及び延性を低減させ得るホウ化物粒子を形成し得ることがわかった。
実施例3:QTTi−1C合金
反例としてQTTi−1C合金を調製するに際し、公称組成が重量%で4.5Al、3.0V、2.0Cr、1.5Mo、1.0Sn、0.40Fe、0.15O、0.10Y、及び残部Tiである溶融物が調製された。QTTi−1A合金との唯一の意図的な差異は、合金添加物であるイットリウムにある。当該合金は、Ti6−4の鋳造スクラップを適切な合金添加物とともに再溶融することにより部分的に鋳造された。鋳造スクラップは、当該鋳造物の少なくとも約75%を占めていた。当該鋳造物は、重さが約13kgであり、高さ約15cm、幅約15cm、及び深さ約15cmが測定された。当該合金は、アルゴン雰囲気において900℃及び約100MPaの熱間静水圧圧縮成形を2時間受け、室温までゆっくり冷却され、その後950℃において1時間溶体化され、及び、加圧ガスにより室温まで焼き入れされた。アルゴンガスの圧力は約2気圧であった。QTTi−1C合金と鋳造Ti6−4の測定された特性の引張強さとKQとの比較を表3に示す。イットリウムは強力な酸化物形成体であり、したがって、これは、靱性及び延性に有害となる過剰な量のイットリア粒子を形成した。このため、イットリウム、スカンジウム、及び希土類元素は、本明細書に開示されている実施例に係る合金において実質的に回避される。
Figure 0005992398
表3からわかるように、QTTi−1Aのような本明細書に開示される実施例に係る合金は、Ti6−4を含む既存の鋳造チタン合金と比べて優れた物理的特性を達成することができる。また、既存の鍛造チタン合金のよりも低コストで製造及び処理することができる。加えて、当該合金が達成する物理的特性は、たとえ鉄及び酸素のレベルが高くても、当該合金全体にわたり相対的に均一である。
実施例4:B72合金からB78合金
本明細書に開示される実施例に係る合金内の組成の効果を評価するべく、一連の7つのモデル合金が調製された。当該モデル合金の組成は、上述の表2に列挙されている。それぞれ約20グラムの重さである当該モデル合金のボタンが、不活性アルゴン雰囲気内でアーク溶融された。7つのモデル合金はすべて、QTTi−1A合金と同じアルミニウム、バナジウム、酸素、及び鉄の含有量を有し、クロム、モリブデン、及びスズの含有量に差異がある。7つのモデル合金すべてに対し、β変態温度、Kα、及びマルテンサイト開始温度はすべて類似する。その結果、これらはすべて、類似する微細スケールの相互に組み合う「かご織り」微細構造を示す。
図14は、7つのモデル合金のビッカース硬さ(VHN)をKαに対してプロットするグラフである。約385VHNから約439VHNにおいて硬さの差異が観測される。図14に示されるように、この差異はKαと相関し得る。B77モデル合金は、モリブデンが事実上存在せず、他のモデル合金に比べて硬さに欠ける。B77プロトタイプの微細構造は、かご織り・ラメラモルフォロジ間の遷移を示す。いくつかの相互に組み合うプレートが観察され、その間には平行ラメラコロニーが存在する。図4も参照すると、B77モデル合金は、約865℃のβ変態を有するが、Kαは約2×10−19よりも大きい。このため、B77又は約0.5重量%以下のモリブデンを含有する合金は、反例とみなされる。
実施例5:QTTi−2A合金
公称組成が重量%で4.3Al、2.8V、1.5Mo、1.6Cr、0.4Fe、0.1Zr、0.15O、及び残部Tiである溶融物が調製された。合金添加物であるスズを実質的に排除することにより、当該合金のコストが低減される。表2に列挙される測定組成はさらに、当該合金中にある偶発的量のジルコニウムを示す。当該合金は、Ti6−4の鋳造スクラップを適切な合金添加物とともに再溶融することにより部分的に鋳造された。鋳造スクラップは、当該鋳造物の少なくとも約70%を占めていた。当該鋳造物は、重さが約13kgであり、高さ約15cm、幅約15cm、及び深さ約15cmが測定された。当該合金は、アルゴン雰囲気において900℃及び約100MPaの熱間静水圧圧縮成形を2時間受け、室温までゆっくり冷却され、その後950℃において1時間溶体化され、及び、加圧ガスにより室温まで焼き入れされた。ガスの圧力は約2気圧であった。その結果、約1℃/秒から約2℃/秒の冷却速度が得られた。QTTi−2A合金の引張強さ及び伸びを図15に示す。QTTi−2Aは所定の冷却速度において、QTTi−1Aと比較して強度が低下するが延性は増加する。QTTi−2Aは、かご織り微細構造を示す。
実施例6:QTTi−2B合金
公称組成が重量%で5.7Al、3.6V、4Mo、1.9Cr、0.4Fe、0.5Zr、0.15O、及び残部Tiである溶融物が調製された。表2に列挙される測定組成はさらに、当該合金中にある偶発的量のジルコニウムを示す。当該合金は、Ti6−4の鋳造スクラップを適切な合金添加物とともに再溶融することにより部分的に鋳造された。鋳造スクラップは、当該鋳造物の少なくとも約75%を占めていた。当該鋳造物は、重さが約13kgであり、高さ約15cm、幅約15cm、及び深さ約15cmが測定された。当該合金は、アルゴン雰囲気において900℃及び約100MPaの熱間静水圧圧縮成形を2時間受け、室温までゆっくり冷却され、その後950℃において1時間溶体化され、及び、加圧ガスにより室温まで焼き入れされた。ガスの圧力は約2気圧であった。その結果、約1℃/秒から約2℃/秒の冷却速度が得られた。QTTi−2B合金の引張強さ及び伸びを図15に示す。QTTi−1A及びQTTi−2Aと比べると、QTTi−2Bは高強度及び低延性を示す。当該微細構造はかご織りモルフォロジを示し、当該機械的特性は、QTTi−1A及びQTTi−2Aを含む強度・延性帯域の高強度端上にある。
本開示が、本要旨又はこれの中心的特徴から逸脱することなく他の特定の態様を具体化し得ることを理解されたい。このため、複数側面及び複数実施例の本開示は、説明的かつ非限定的とみなすべきであり、特許請求の範囲は本明細書に与えられた詳細に限定されない。したがって、特定の複数実施例が説明かつ記載されてきたが、本発明の要旨を著しく逸脱することなく多くの修正例が想起される。保護範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。そうでない旨の注意書きがない限り、本明細書に列挙されるすべてのパーセンテージは重量パーセントである。

Claims (9)

  1. チタン合金製品を鋳造する方法であって、
    (a)4.0から5.5重量%のアルミニウム、0から1.0重量%のスズ、2.5から3.5重量%のバナジウム、1.0から2.0重量%のモリブデン、1.0から2.0重量%のクロム、0.30から0.55重量%の鉄、0.25から0.3重量%の酸素、0から0.005重量%のホウ素、並びに0から0.2重量%の他の偶発的元素及び不純物を含んで残りの重量パーセントはチタンからなる溶融物を形成することと、
    (b)前記溶融物を鋳造することと、
    (c)ステップ(b)から得られた合金を前記合金のβ変態温度を超える温度において焼き鈍ししてβ相の単相微細構造を形成することと、
    (d)六方最密晶微細構造を有するα相を含むかご織りα相ラス構造を形成するべく、ステップ(c)から得られた合金をβ相からα相まで0.03℃/秒から10℃/秒の冷却速度で冷却することと
    を含む方法。
  2. ステップ(d)は、ステップ(c)から得られた合金を2気圧まで加圧されたガスにより冷却することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記焼き鈍しは950℃までの温度において行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. チタン合金であって、
    4.0から5.5重量%のアルミニウム、0から1.0重量%のスズ、2.5から3.5重量%のバナジウム、1.0から2.0重量%のモリブデン、1.0から2.0重量%のクロム、0.15から0.35重量%の酸素、0から0.007重量%のホウ素、0から0.20重量%の他の偶発的元素及び不純物、0.30から0.55重量%の鉄、並びにチタンからなる残りの重量パーセントからなり
    前記合金は、六方最密晶微細構造を有するα相を含むかご織りα相ラス構造、少なくとも10%の引張伸び、及び960MPaよりも大きい引張強さを特徴とするチタン合金。
  5. 前記かご織りα相ラス構造のラスは、最長寸法で100ミクロン以下のサイズである、請求項4に記載のチタン合金。
  6. 請求項4又は5に記載のチタン合金から形成された物品。
  7. 熱間静水圧圧縮成形によって鋳造物の空隙率を最小化することを、ステップ(c)による焼き鈍しの前に含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記溶融物はスクラップのチタン合金を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記スクラップのチタン合金はTi6−4を含む、請求項8に記載の方法。
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