以下、図1〜図15を用いて本発明の実施形態を説明する。以下の説明では、画像形成装置としての複合機100と、情報処理装置200と、を含む画像形成システム300を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(画像形成システム300の概要)
まず、図1を用いて、実施形態に係る画像形成システム300の一例を説明する。図1は、画像形成システム300の一例の概要を示す図である。
画像形成システム300は、複合機100と、情報処理装置200を含む。複合機100は、印刷機能、コピー機能、スキャン送信機能、ボックス機能など複数の機能を備えた画像形成装置である。情報処理装置200は、いわゆるサーバーである。尚、図1では、同じローカルネットワーク600(同じグループ)に属する他の画像形成装置として、画像形成装置400、画像形成装置500を図示している。同じローカルネットワーク600内の各画像形成装置は、ゲートウェイのような接続機器700とIPネットワーク800を介し、情報処理装置200と通信可能に接続される。
情報処理装置200は、サービスセンターなどに設置されるサーバーである。情報処理装置200は、IPネットワーク800などを介し、通信可能に接続された各画像形成装置(複合機100、画像形成装置400、画像形成装置500、ローカルネットワーク600外のその他の複合機、複写機、プリンターなどの画像形成装置)から構成情報D1と設定履歴D2(設定のログの束)を収集する。情報処理装置200は、各画像形成装置の構成や、各画像形成装置でなされた設定値と設定日時を示すデータを収集し、傾向性の調査など統計処理を行える。また、情報処理装置200は、通信可能に接続され、遠隔操作可能な画像形成装置(例えば、情報処理装置200の設置者が製造した画像形成装置)に対して命令を発し、命令に沿った動作や表示を行わせる中央制御装置としての機能も有する。
構成情報D1は、画像形成装置の構成を示す情報である。情報処理装置200は、各画像形成装置の構成情報D1の収集を行う。具体的に、どのような情報を構成情報D1と扱うかは、適宜定めることができる。本実施形態の画像形成システム300、情報処理装置200、複合機100では、機種名、各画像形成装置に付された名称(ホスト名)、接続されたオプション装置の種類と台数、ネットワークアドレス、MACアドレス、各画像形成装置の所属先、設置場所、設置部署などの情報が構成情報D1と扱われる。構成情報D1と扱われる各情報は、各画像形成装置内の記憶装置に不揮発的に記憶される。尚、各画像形成装置の設置にあわせ、グループ、設置場所、設置部署の情報の入力と登録がなされる。
ジョブの実行を行うための設定値(コピー機能、送信機能、ボックス機能など、機能を用いて所望の結果を得るために設定された設定値)については、コピーや送信のジョブが実行された日時と、設定された(デフォルトから変更された)設定値が履歴(ログ)として、少なくとも情報処理装置200に収集されるまで、一時的に各画像形成装置で保存される。1つのジョブで複数の設定値が設定されたとき(例えば、コピー機能で、両面、濃度、倍率といった複数の設定項目のデフォルト値から変更されたとき)、それら複数の設定値の組合せが履歴(ログ)として各画像形成装置内の記憶装置に記憶される。
一方、システム設定(例えば、使用言語の設定やネットワーク通信に関する設定)のように、ジョブの実行を伴わない設定値についても、ジョブの実行を伴わない設定値が設定された日時と、その設定値が履歴(ログ)として、各画像形成装置内の記憶装置に一時的に各画像形成装置で保存される。
情報処理装置200は、設定履歴D2(ログ)と構成情報D1を各画像形成装置から収集し、蓄積する。言い換えると、情報処理装置200に接続される各画像形成装置は、情報処理装置200に向けて構成情報D1と設定履歴D2(ログ)を送信する。尚、設定履歴D2の送受信は、ジョブが実行されるたび、及び、設定値が設定されるたびに行われてもよい。午前、午後、1〜数時間、1日、数日、1週間、1ヶ月など、予め定められた周期に1回、蓄えられた設定の履歴(ログ)の送受信を各画像形成装置と情報処理装置200間で行って、設定履歴D2が収集されてもよい。この場合、情報処理装置200は、通信可能であって履歴を収集すると予め定められた画像形成装置ごとに、その画像形成装置での1又は複数回分の設定の履歴(ログ)を設定履歴D2として収集する。そして、情報処理装置200は、各画像形成装置の設定の履歴の束を設定履歴D2として不揮発的、累積的に記憶する。
また、情報処理装置200が各画像形成装置に対し、一台ずつ設定履歴D2と構成情報D1の送信要求を送り、送信要求に応じて、各画像形成装置が情報処理装置200に設定履歴D2と構成情報D1を送信するようにしてもよい。また、構成情報D1の変更の頻度は、通常、大きくはないので、構成情報D1については、1回、画像形成装置から情報処理装置200に送信した後は、構成情報D1の変更があったときのみ、画像形成装置が、変更後の構成情報D1を情報処理装置200に送信するようにしてもよい。
そして、情報処理装置200は、収集した各画像形成装置の設定履歴D2と構成情報D1に基づき、複合機100に送信する情報パッケージ6を生成し、複合機100は、情報パッケージ6を受信する(詳細は後述)。
(画像形成装置の概略)
次に、図2に基づき、実施形態に係る複合機100の概略を説明する。図2は、実施形態に係る複合機100の一例を示す図である。尚、複合機100は、図1に示す画像形成装置400、画像形成装置500と同じ機種、同じ構成である。
図2に示すように、本実施形態の複合機100は、複合機100の前面に操作パネル1(破線で図示)が設けられる。又、上部に原稿搬送部2aと画像読取部2bが設けられる。又、複合機100の内部には、印刷を行う印刷部3(第1給紙部3a、第2給紙部3b、搬送部3c、画像形成部3d、定着部3e)が設けられる。
操作パネル1は、複合機100の状態や各種メッセージや各種設定画面を表示する表示部11を備える。また、表示部11の上面にタッチパネル部12(操作部に相当)が設けられる。タッチパネル部12は、表示部11で押された部分の位置、座標を抽出するためのものである。タッチパネル部12の出力に基づき、押された(操作された)ボタンやキー(ソフトキー)が認識される。また、操作パネル1には、スタートキーやテンキーのような複数のハードキー13(操作部に相当)も設けられる。尚、操作パネル1には、主制御部4の指示を受けて、表示部11の表示制御や、タッチパネル部12の出力に基づき操作されたソフトキーや、操作されたハードキー13の認識を行うパネル制御部14が設けられる(図3参照)。
原稿搬送部2aは、セットされた原稿を1枚ずつ送り読取用コンタクトガラス(読み取り位置、不図示)に向けて連続的、自動的に搬送する。原稿搬送部2aは、オプション装置である。標準では、上下方向に開閉する押さえ板が取り付けられる。画像読取部2bは、送り読取用コンタクトガラスを通過する原稿や、載置読取用コンタクトガラス(不図示)にセットされた原稿を読み取り、画像データを生成する。
第1給紙部3a、第2給紙部3bは、複数の用紙を収容する。印刷ジョブを実行するとき、第1給紙部3aと第2給紙部3bの何れかが用紙を、1枚ずつ搬送部3cに送り込む。なお、上方の第1給紙部3aは、複合機100に標準搭載される給紙装置である。第2給紙部3bは、第1給紙部3aと同様の構成であるが、収容枚数、収容サイズの増加などのために増設されたオプション装置である。尚、図2の複合機100では、追加されたオプション給紙装置が1台(1段)のみである。しかし、更に複数(例えば、2〜3台)の同型のオプション給紙装置を追加することや、別タイプ(更に用紙収容枚数が多いタイプ)のオプション装置を追加することも可能である。
搬送部3cは、第1給紙部3a又は第2給紙部3bから供給された用紙を搬送する。画像形成部3dは、画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。定着部3eは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。トナー定着後の用紙は、排出トレイ3fに排出される。
(画像形成システム300のハードウェア構成)
次に、図3に基づき、実施形態に係る画像形成システム300のハードウェア構成の一例を説明する。図3は画像形成システム300の構成の一例を示すブロック図である。
複合機100内に、主制御部4が設けられる。主制御部4は、画像形成装置の動作制御を司る。また、主制御部4は、操作パネル1での表示を制御し、タッチパネル部12やハードキー13の出力に基づき、操作パネル1での入力内容(操作されたキーやタブ)を認識する。主制御部4は、CPU4a、画像処理部4bのような回路を含む。尚、全体制御や画像処理を行うメイン制御部や、画像形成や各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を制御するエンジン制御部等、機能ごとに主制御部4を分割し、制御を行う部分が複数種設けられてもよい。
CPU4aは、中央演算処理装置である。CPU4aは、記憶部5に記憶されるプログラム、データに基づき画像形成装置の各部の制御や、各種の演算処理を行う。画像処理部4bは、画像データに関する処理を行う。例えば、画像処理部4bは、濃度変換や拡大、縮小等、印刷を行う画像データへの画像処理や、画像読取部2bで読み取られた画像データの形式変換などの処理を行える。
記憶部5は、ROM51、RAM52、HDD53を含む。記憶部5は、不揮発性と揮発性の記憶装置を組み合わせて構成される。記憶部5は、複合機100の制御用の各種のプログラムやデータ、設定データ、画像データのような各種データを記憶する。また、記憶部51(HDD53)は、情報処理装置200から受信した情報パッケージ6を記憶する。
又、主制御部4は、操作パネル1、原稿搬送部2a、画像読取部2b、印刷部3等の各部とバスや信号線等で接続される。主制御部4は、各部、各装置の存在を認識する。そして、主制御部4は、複合機100の動作(例えば、スキャン動作や印刷動作)を制御する。更に、主制御部4は、各種コネクタ、ソケット、通信制御用のチップ等を備えた通信部41と接続される。通信部41は、ネットワークや公衆回線やケーブルを介し、ローカルネットワーク600や、他の画像形成装置や、情報処理装置200(データ通信部206)と通信可能に接続される。通信部41は、情報処理装置200と各種データのやり取りを行える。
次に、情報処理装置200を説明する。例えば、情報処理装置200は、CPU202を備えた処理部201(メイン制御基板)、HDDやRAMやROMで構成される記憶装置203、キーボードやマウス等の入力装置204、表示装置としてのディスプレイ205、外部との通信用インターフェイスであるデータ通信部206を含む。
処理部201は、CPU202などの回路、チップが実装された基板である。処理部201は、情報処理装置200での演算や制御などの処理を行う。記憶装置203は、情報処理装置200を動作させ、利用するために必要なプログラム、データを不揮発的に記憶する。又、記憶装置203は、各画像形成装置から収集された設定履歴D2と構成情報D1を不揮発的に記憶する。また、処理部201は、複合機100に向けての情報パッケージ6を生成し、生成した情報パッケージ6を複合機100に向けてデータ通信部206から送信させる。
(複合機100での設定の一例)
次に、図4〜図7を用いて、実施形態に係る複合機100での設定の一例を説明する。図4は、メインメニュー画面S1の一例を示す図である。図5は、システムメニュー画面S2の一例を示す図ある。図6は、ネットワーク設定画面S3の一例を示す図である。図7は、コピー機能のメイン設定画面S4の一例を示す図である。
複合機100の操作パネル1の表示部11には、各種設定画面が表示される。設定画面内のソフトキーや操作パネル1に配されたハードキー13に対する操作に応じ、表示部11は、表示する設定画面を切り替える。
そして、図4に示すメインメニュー画面S1は、階層上、最上位の画面である。メインメニュー画面S1では、上方に、機能を示すアイコン(画像)が付され、選択した機能でジョブを実行して所望の結果を得るための機能選択キーK1が8つ配される。何れかの機能選択キーK1の表示位置をタッチすることで、用いる機能(コピー、スキャン送信などの実行するジョブの種類)を選択することができる。そして、表示部11は、操作された(表示位置がタッチされた)機能選択キーK1に対応する機能の設定画面を表示する。
また、メインメニュー画面S1の下方には、システム設定(複合機の動作全般に係わる設定、ジョブの実行を伴わない設定)に関するシステム関連キー群が配される。例えば、システム関連キー群のうち、機器情報アイコンキーK2を操作することで、トナーの残量や用紙残量を確認することができ、ヘルプアイコンキーK3を操作することで、操作方法を解説するヘルプ画面を表示させることができる。
そして、パネル制御部14は、システム関連キー群のうち、システムアイコンキーK4が操作されると、図5に示すシステムメニュー画面S2を表示部11に表示させる。尚、他のシステム関連キーを操作したときについての説明は省略する。システムメニュー画面S2には、システムの設定に関するカテゴリーを示す複数のシステムメニューキーK5が配される。使用者は、これから設定しようとする設定値を設定するための設定画面が属しているカテゴリー(システムメニューキーK5)をタッチして選択する。
例えば、共通設定メニューキーK6を選択することで、電源を入れて最初に表示される画面(初期画面)の設定や、操作パネル1を操作したときの報知音(操作パネル1には不図示のスピーカーが設けられる)の設定や、1回で印刷できる部数の制限など、各機能で共通して適用される内容の設定を行うことができる。また、例えば、コピーメニューキーK7を選択することで、収容される用紙とサイズが異なる原稿を読み取ったとき自動的に倍率を変更するか否かなど、前もってコピー機能の印刷での振る舞いを定めておくことができる。
そして、システムメニューキーK5のうちネットワークメニューキーK8が操作されると、パネル制御部14は、図6に示すネットワーク設定画面S3を表示部11に表示させる。尚、他のシステムメニューキーK5をタッチすると、適宜設定を行うことができるが、詳細の説明は省略する。ネットワーク設定画面S3には、複合機のホスト名が表示される。また、TCP/IPに関する事項を設定できる設定画面を開くためのTCP/IP設定キーK9も表示される。このTCP/IP設定キーK9が操作されると、パネル制御部14は、TCP/IPに関する事項を設定するための設定画面(不図示)を表示部11に表示させる。TCP/IPに関する事項を設定するための設定画面では、DHCPプロトコルに基づき複合機100に自動的にIPアドレスを付与するか否か、自動的に付与しない場合に複合機100に割り当てるIPアドレスやサブネットマスク、デフォルトゲートウェイのアドレスなどを設定することができる。
また、ネットワーク設定画面S3では、Net Ware(ネットワークOSの一種)を用いるか否か、Apple Talk(Apple社が提供しネットワーク機能を提供するソフトウェア)を用いるか否か、WSDScan(WSDによるスキャン機能)を用いるか否か、WSD Print(WSDによる印刷機能)を用いるか否か、Enhanced WSD(出願人が独自に提供するWSDを用いたウェブサービス)を利用するか否か、Enhanced WSD(SSL)(出願人が独自に提供するWSDを用いたウェブサービス)をSSL上で利用するか否かを切り替えるための変更キーK10が表示される。このように、ネットワーク設定画面S3では、ネットワークに関する設定を行うことができる。
次に、図7を用いて、ジョブの実行に関する設定画面の一例を説明する。図7は、メインメニュー画面S1(図4参照)でコピー機能が選択されたとき(コピーの機能選択キーK1が選択されたとき)に表示されるコピー機能のコピー初期画面S4である。コピー初期画面S4は、コピー機能の各設定画面のなかで、階層的に最上位の画面である。尚、他の機能にも、それぞれ設定画面が用意されるが、コピー以外の機能(スキャン送信等)を機能選択キーK1で選択したときに最初に表示される設定画面の説明は割愛する。
コピー初期画面S4は、最初、簡単設定タブT1(「Quick Setup」の文字列を含むタブ)が選択された状態で表示される。簡単設定タブT1が選択されていると、パネル制御部14は、よく用いるとしてデフォルトで設定された、あるいは、使用者が選択した設定キーを表示部11に表示させる。図7では、簡単設定タブT1が選択された状態では、「用紙サイズ選択」、「拡大/縮小」、「印刷濃度」、「両面印刷」、「集約印刷」の設定項目に対応する設定項目キーK11、K12、K13、K14、K15が配されている例を示している。
そして、設定項目キーK11〜K15の何れかの表示位置がタッチされると、パネル制御部14は、タッチして選択した設定項目の設定値を設定するための設定画面を表示部11に表示させる。例えば、「両面印刷」の設定項目が選択されたとき(設定項目キーK14の表示位置がタッチされたとき)、原稿が片面か両面か、などの設定値を設定するための設定画面が表示される。また、「集約印刷」の設定項目が選択されたとき(設定項目キーK15の表示位置がタッチされたとき)、「2in1」、「4in1」といった1ページ内に集約するページ数の設定値や、集約した各ページに境界線を設けるか否かといった設定値を設定するための設定画面が表示される。
又、コピー初期画面S4に表示されない設定項目(例えば、枠消しの設定項目や余白の設定項目や読取解像度の設定項目や原稿サイズの設定項目など多数)を設定するには、簡単設定タブT1に並ぶ原稿/用紙/仕上げタブT2や、カラー/画質タブT3や、レイアウト編集タブT4や、応用/その他タブT5やプログラムタブT6が表示されている位置をタッチする。それぞれの設定項目は、いずれかのタブに予め関連づけられる。タブの表示位置がタッチされると、パネル処理部201は、タッチにより指定されたタブに関連づけられた設定項目の設定項目キーを一覧的に表示した設定画面を表示部11に表示させる。
例えば、原稿/用紙/仕上げタブT2が表示された位置がタッチされると、パネル処理部201は原稿サイズや用紙サイズや、原稿や用紙の向きや、給紙元など、原稿や用紙に関する設定項目を示すキーを含む設定画面を表示部11に表示させる。尚、他のタブにつていの説明は省略する。従って、コピー初期画面S4で操作することにより、設定したい設定項目、設定値に対応した設定画面を表示させることができる。
(情報パッケージ6)
次に、図8、図9を用いて、複合機100が情報処理装置200から受信する情報パッケージ6を説明する。図8は、情報パッケージ設定画面S5の一例を示す図である。図9は、情報パッケージ6の内容の一例を示す図である。
本実施形態の複合機100では、情報処理装置200が生成した情報パッケージ6を受信する。複合機100の記憶部5は、受信した情報パッケージ6を記憶する。そして、操作パネル1(タッチパネル部12、ハードキー13)で予めなされた推奨値の表示に関する設定に基づき、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値の推奨値を情報パッケージ6に含まれる情報から抽出し、表示中の設定画面の上方に重ねられる推奨値表示領域11a内に、抽出した推奨値を表示部11に表示させる。尚、各設定画面において、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値は、予め定められており、記憶部5に、各設定画面において、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値を定めた定義データが記憶されている。定義データに基づき、表示中の設定画面に基づいて設定可能なそれぞれの設定値について、推奨値として表示するか否かが判断される。
そこで、情報パッケージ6について、図8、図9を用いて説明する。まず、情報パッケージ6には、情報処理装置200が各画像形成装置から収集した構成情報D1と設定履歴D2が含められる。言い換えると、複合機100の通信部41は、予め定められた他の画像形成装置の設定の履歴(ログ)の束と構成情報D1を含む情報パッケージ6を情報処理装置200から受信する。
どの画像形成装置の構成情報D1と設定履歴D2を情報パッケージ6に含めるかは、予め設定される。例えば、図8に示すように、複合機100でどの画像形成装置の構成情報D1と設定履歴D2を情報パッケージ6に含めるか(ガイダンスのために構成情報D1と設定履歴D2を参照する画像形成装置をどの画像形成装置にするか)を、情報パッケージ設定画面S5で設定することができる。
情報処理装置200は、構成情報D1の収集や、画像形成装置からの通知により、各画像形成装置の機種、各画像形成装置のホスト名、画像形成装置の所属先、各画像形成装置の設置部署、各画像形成装置の設置場所、画像形成装置が属しているローカルのネットワークなどを認識している。従って、情報パッケージ設定画面S5に配されたラジオボタンの位置をタッチすることにより、情報処理装置200に通信可能に接続された画像形成装置のうち、どの範囲の画像形成装置の構成情報D1と設定履歴D2を情報パッケージ6に含めるかを設定することができる。パネル制御部14は、ラジオボタンの位置のタッチを、情報パッケージ6に含める画像形成装置の範囲を設定する入力として受け付ける。
例えば、複合機100で「同じローカルネットワーク」の文字が付されたラジオボタンにチェックが入れられると、情報処理装置200は、画像形成装置400、画像形成装置500の構成情報D1や設定履歴D2を含む情報パッケージ6を生成し、複合機100に送信する。また、「同じ部署」の文字が付されたラジオボタンにチェックが入れられると、情報処理装置200は、複合機100と同じ部署に属する1又は複数の画像形成装置の構成情報D1や設定履歴D2を含む情報パッケージ6を生成する。また、「同じ会社」の文字が付されたラジオボタンにチェックが入れられると、情報処理装置200は、複合機100と同じ所属先の1又は複数の画像形成装置の構成情報D1や設定履歴D2を含む情報パッケージ6を生成する。また、「同じ機種」の文字が付されたラジオボタンにチェックが入れられると、情報処理装置200は、複合機100と同じ「形式(機種、ただし、同じ所属先に限るといった制限は付けてもよいし、付けなくてもよい)」の1又は複数の画像形成装置の構成情報D1や設定履歴D2を含む情報パッケージ6を生成する。
また、「探して直接指定する」のラジオボタンが操作されると、パネル制御部14は、複合機100と通信可能に接続された画像形成装置の選択用画面(不図示)を表示させる。例えば、パネル制御部14は、複合機100と同じローカルネットワーク600に接続された画像形成装置のリストを当該選択用画面に表示させる。そして、パネル制御部14は、リスト内でタッチされた画像形成装置を情報パッケージ6に構成情報D1と設定履歴D2を含める画像形成装置と認識する。これにより、例えば、同じローカルネットワーク600内に、複数の画像形成装置があるとき、そのうちの一部の画像形成装置のみを対象とすることができる。
このように、複合機100の操作部(タッチパネル部12、ハードキー13)は、情報パッケージ6に構成情報D1と設定履歴D2を含める画像形成装置を定める対象指定の操作を受け付ける。主制御部4は、情報処理装置200に向け、対象指定された他の画像形成装置を示すデータを、通信部41に送信させる。また、情報処理装置200は、受信した対象指定データを不揮発的に記憶し、指定された範囲(指定された画像形成装置)の構成情報D1と設定履歴D2を含む情報パッケージ6のデータを生成し、生成した情報パッケージ6を複合機100に送信する。複合機100の通信部41は、対象指定した画像形成装置の構成情報D1と設定履歴D2を含む情報パッケージ6を受信する。
次に、図9を用いて、情報パッケージ6に含まれる情報(データ)を説明する。図9に示すように、例えば、情報パッケージ6には、構成情報D1が含まれる。構成情報D1は、各画像形成装置から情報処理装置200が収集した情報のうち、指定された画像形成装置に対応したものが情報パッケージ6に含まれる。図9に示すように、構成情報D1には、機種名、ホスト名、装着されたオプション装置の種類(形式番号)、IPアドレス、MACアドレス、所属先(購入者)、所属部署、設置場所といった情報が含められる。さらに、他の種類の情報が構成情報D1に含められてもよい。
また、情報パッケージ6には、対象指定された各画像形成装置での設定履歴D2が含まれる。設定履歴D2は、対象指定された画像形成装置で設定された設定値とその設定日時を示すデータ(設定のログの束)である。具体的に、ジョブの実行を行うための設定値(コピー機能、送信機能、ボックス機能など、機能を用いて所望の結果を得るために設定された設定値)については、ジョブが実行されたそれぞれの日時と、そのジョブで設定された(デフォルトから変更された)設定値が設定履歴D2にログとして含まれる(図9の画像形成装置Aの設定履歴D2のうち、番号3のログ)。1つの画像形成装置につき、1又は複数のジョブのログが設定履歴D2に含まれる。一方、複合機1や各画像形成装置のシステム設定(例えば、使用言語の設定やネットワーク通信に関する設定)のように、ジョブの実行を伴わない設定値については、ジョブの実行を伴わない設定値が設定された日時と、その設定値のログが設定履歴D2に含まれる(図9の画像形成装置Aの設定履歴D2のうち、番号1と番号2のログ)。なお、いつ以降のログを設定履歴D2に含めるかは、適宜定められる(古すぎる設定のログは役に立たない場合もあり得るため)。
そして、図9に示すように、情報処理装置200は、対象指定された画像形成装置ごとに構成情報D1と設定履歴D2が含まれるようにして、情報パッケージ6を生成する。図9に示すように、画像形成装置Aと、画像形成装置Bと、さらに1又は複数台の画像形成装置というように、複数台分の画像形成装置の構成情報D1と設定履歴D2とが、情報パッケージ6に含められる(1台分の場合もあり得る)。
情報処理装置200は、ある画像形成装置の情報パッケージ6を所定周期で生成する。所定周期は、1日、数日、1週間、数週間、1ヶ月など、適宜定めることができる。対象とする画像形成装置の台数や、対象とした画像形成装置の利用頻度によりばらつきはあるが、情報パッケージ6のデータサイズはある程度大きくなる。そこで、使用者の設定作業中、複合機100と情報処理装置200が、常時、情報をやりとりするのではなく、複合機100の記憶部5に情報パッケージ6をまるごと蓄えさせる。所定周期は、情報処理装置200や複合機100で設定を行うことができるようにしてもよい。複合機100以外の画像形成装置にも情報パッケージ6を提供する場合、画像形成装置ごとに情報パッケージ6の生成周期は異なっていてもよい。
例えば、情報処理装置200は、複合機100の情報パッケージ6を数日に1回生成する。そして、情報処理装置200は、生成した情報パッケージ6を数日に1回、複合機100に送信する。複合機100以外の画像形成装置にも情報パッケージ6を提供する場合、画像形成装置ごとに、周期的に情報パッケージ6を生成する。
そのため、複合機100の通信部41は、所定周期(数日)に1回、情報処理装置200から送信されてくる情報パッケージ6を受信する。記憶部5は、通信部41が情報パッケージ6を定期的に受信するごとに記憶している情報パッケージ6を更新する。
(推奨値抽出のモード)
次に、図8を用いて、推奨値抽出のモードの概要を説明する。
本実施形態の複合機100は、情報パッケージ6から表示中の設定画面に応じた設定値の推奨値を抽出するモードとして、少なくとも2つのモードを有する。本実施形態の複合機100では、2つのモードが設けられ、一方は、「構成優先モード」であり、他方は、「頻度優先モード」である。
「構成優先モード」は、情報パッケージ6に含まれる画像形成装置のうち、複合機100と構成が近似する画像形成装置で設定された設定値を優先的に推奨値として抽出するモードである。「頻度優先モード」は、設定値が設定された頻度(回数)に着目し、他の画像形成装置で設定頻度が高い設定値を優先的に推奨値として抽出するモードである。
図8に示す情報パッケージ設定画面S5で、何れのモードにより推奨値を抽出するか設定することができる。主制御部4は、設定されたモードに基づき、情報パッケージ6から推奨値を抽出する処理を行う。
(構成優先モード)
次に、図10、図11を用いて、構成優先モードでの推奨値の抽出の流れを説明する。
図10は、構成優先モードでの推奨値の抽出の流れを示すフローチャートである。図11は、推奨値抽出処理で用いるテーブルの一例を示す。
図10のスタートは、構成優先モードで、推奨値の表示を行う設定画面(その画面で設定値の設定が可能、あるいは、下位階層に遷移することで設定値の設定が可能な画面)が開かれた時点である。より具体的に言えば、操作パネル1(タッチパネル部12、ハードキー13)は、抽出モードとして構成優先モードを選択する操作を受け付ける。そして、表示部11で表示中の設定画面での選択操作などにより下位階層の画面に遷移することで、複数の設定値が設定可能な設定画面が表示された時点である。また、構成優先モードで推奨値の表示を行う画面は、予め定められていてもよい。
まず、主制御部4は、情報パッケージ6のうちの構成情報D1を参照し、情報パッケージ6に含む対象とされた画像形成装置(対象指定された画像形成装置)のうち、複合機100と機器構成が近い画像形成装置を判定する(ステップ♯11)。言い換えると、主制御部4は、構成優先モードが選択されているとき、情報パッケージ6の構成情報D1に基づき、情報パッケージ6に情報が含められた他の画像形成装置のうち、自機(複合機100)と構成の一致度が高い画像形成装置を判定する。
具体的に、主制御部4は、情報パッケージ6に含まれる構成情報D1を参照し、情報パッケージ6に構成情報D1が含められた各画像形成装置について、図11のテーブルのうち、Cのカテゴリー(機器構成のカテゴリー)で定義された演算式の値を求める。演算時の値は、情報パッケージ6に対象として含められた画像形成装置ごとに求められる。具体的に、演算対象のうち、演算対象の画像形成装置で装着されていて、自機(複合機100)と同じタイプ(機種)のオプション装置の数を、自機(複合機100)に装着されたオプション装置の総数(自機の全オプション装置数)で除して比率を求める。尚、本実施形態の複合機100では、第2給紙部3bと原稿搬送部2aがオプション装置に該当し、総数は、2である。
そして、主制御部4は、情報パッケージ6に構成情報D1が含まれた画像形成装置のうち、演算式により求めた比率が閾値(第1基準比率、本説明では、80%)以上の画像形成装置を構成が近い画像形成装置と判定する。尚、構成が近いか否かの判定は、他の手法で行ってもよい。例えば、主制御部4は、機種が同じ画像形成装置を構成が近い画像形成装置と判定してもよい。また、主制御部4は、他の基準に基づき、構成が近い画像形成装置か否か判定してもよい。
そして、主制御部4は、構成が近い画像形成装置を抽出できたか否かを確認する(ステップ♯12)。抽出できなければ(ステップ♯12のNo)、フローは終了する(エンド)。
一方、構成が近い画像形成装置を抽出できたとき(ステップ♯12のYes)、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値であって、構成の一致度が高いと判定した画像形成装置で設定された設定値を推奨値として抽出する(ステップ♯13)。具体的に、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値のうち、構成が近いと判定、抽出した1又は複数の画像形成装置の設定履歴D2にある設定値が1種類のみのとき、1つの設定値のみを推奨値として抽出する。また、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値のうち、構成が近いと抽出した1又は複数の画像形成装置の設定履歴D2にある設定値が複数種類あるとき、複数の設定値を推奨値として抽出する。
そして、主制御部4は、抽出した1又は複数の推奨値に基づき、1又は複数の表示候補データ(構成優先モードで推奨値を抽出したとき、表示する推奨値の候補)を生成する(ステップ♯14)。
具体的に、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値であって、構成の一致度が高い1又は複数の画像形成装置の設定履歴D2の中から、1つの設定値のみを推奨値として抽出したとき、1種類の設定値を推奨値として含む表示候補データを1つ生成する。
また、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値であって、複数の設定項目について、同時に設定可能な複数種類の設定値を推奨値として抽出したとき、抽出したそれぞれの推奨値を含む表示候補データを1つ生成する。
また、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値であって、同時に設定できない関係の設定値(例えば、同じ設定項目内の設定値であって一方しか選択できない設定値)のみを推奨値として抽出したとき、抽出した推奨値の個数分、表示候補データを生成し、それぞれの表示候補データには同時に設定できない設定値の何れか1つを推奨値として含ませる。例えば、集約の設定項目では、2in1と4in1は同時に設定できない関係であり、ネットワークのシステム設定では、Net WareのONとOFFは何れか一方のみ可能な関係にある。
また、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値であって、同時に設定できない関係の2つ以上の設定値を推奨値として抽出し、更に、それらと同時に設定可能な1又は複数の設定値を推奨値として抽出したとき、表示候補データを複数生成し、同時に設定できない設定値を同じ表示候補データに含めないようにしつつ、可能な複数の推奨値の組合せを、それぞれの表示候補データに含ませる(この場合、各表示候補データに含まれる推奨値は複数種類となる)。例えば、コピー機能の初期設定画面で、集約印刷の設定項目では2in1と4in1の両方の設定値が推奨値として抽出され、更に、両面印刷の設定項目で両面印刷実行の設定値が推奨値として抽出されたとき、主制御部4は、「2in1」と「両面印刷実行」を推奨値として含む表示候補データを生成し、また、「4in1」と「両面印刷実行」を推奨値として含む別の表示候補データを生成する。
そして、主制御部4は、生成した表示候補データが複数であるか否かを確認する(ステップ♯15)。もし、生成した表示候補データが複数でなければ(ステップ♯15のNo)、主制御部4は、生成した表示候補データに基づき、1又は複数の推奨値を表示部11に表示させる(ステップ♯16→エンド)。尚、推奨値の表示の詳細は後述する。
一方、生成した表示候補データが複数であれば(ステップ♯15のYes)、主制御部4は、所定のソート条件に基づき、複数の表示候補データのそれぞれに優先順位を付す(ステップ♯17)。そして、主制御部4は、最も優先順位が高い表示候補データに含まれる推奨値を、表示部11に最初に表示させる(ステップ♯18→エンド)。
ここで、ソート条件は適宜定めることができる。例えば、主制御部4は、自機(複合機100)の現在の設定値との類似度が高い表示候補データほど、優先順位を高くするようにしてもよい。言い換えると、設定の類似度の高さをソート条件としてもよい。具体的に、図11のテーブルのうちDのカテゴリー(設定類似度のカテゴリー)で定義された演算式の値を求める。主制御部4は、表示候補データごとに、現在、自機(複合機100)で設定されている同じ設定値のうち、表示候補データに含まれる推奨値と同じ設定値の数を、表示候補データに含まれる推奨値の総数で除した値(比率)を求める。そして、主制御部4は、求められた比率が大きい表示候補データから順に高い優先度を与える。また、主制御部4は、表示候補データのうち、求められた比率が図11に示す閾値(80%)を超えていない表示候補データを、推奨値の表示を行う対象から除外するようにしてもよい。
また、主制御部4は、設定頻度が高い設定値を推奨値としている表示候補データほど優先順位を高くするようにしてもよい。言い換えると、設定値(推奨値)の設定頻度の高さをソート条件としてもよい。例えば、主制御部4は、複数の表示候補データについて、含まれる推奨値のそれぞれについて、構成の一致度が高いとして抽出した画像形成装置の設定履歴D2での、その推奨値が設定された回数(ログの個数)を、構成の一致度が高い画像形成装置の設定履歴D2での設定値の総設定回数(ログの総数、所定母数)で除した値を求める。そして、主制御部4は、求めた値が最も大きい推奨値を含む表示候補データほど、優先順位を高くするようにしてもよい。具体的に、図11のテーブルのうちBのカテゴリー(設定頻度のカテゴリー)で定義された演算式での値を求める。主制御部4は、表示候補データのうち、Bのカテゴリーに基づき求めた値が図11に示す閾値(30%)を超えていない表示候補データを、推奨値の表示を行う対象から除去するようにしてもよい。
また、主制御部4は、設定されてからの時間が短い設定値を推奨値としている表示候補データほど優先順位を高くするようにしてもよい。言い換えると、設定値(推奨値)のうち、他の画像形成装置で設定されてからの経過時間をソート条件としてもよい。例えば、主制御部4は、構成の一致度が高いとして抽出した画像形成装置の設定履歴D2での設定日時を参照する。そして、主制御部4は、複数の表示候補データに含まれる推奨値のそれぞれについて、推奨値が設定値として設定されてから現時点までの時間を求める。そして、主制御部4は、構成の一致度が高いと抽出した何れかの画像形成装置で、設定値として設定されてからの時間が短い推奨値を含む表示候補データほど、優先順位を高くするようにしてもよい。具体的に、図11のテーブルのうち、Aのカテゴリー(設定日時のカテゴリー)で定義された演算式での値を各推奨値について求める。主制御部4は、設定値として設定された最も新しい日時が、図11に示す閾値よりも設定日時が古い推奨値のみの表示候補データを、推奨値の表示を行う対象から除去するようにしてもよい。
これらの設定類似度、設定頻度、設定日時に基づく条件のうち、1つのみをソート条件としてもよいし、まず、設定類似度の点でソートした後、設定頻度の点でソートするなど、ソート条件を重ねがけしてもよい。
(頻度優先モード)
次に、図11、図12を用いて、頻度優先モードでの推奨値の抽出の流れを説明する。
図12は、頻度優先モードでの推奨値の抽出の流れを示すフローチャートである。
図12のスタートは、頻度優先モードの設定がなされていて、推奨値の表示を行う設定画面(設定値の設定が可能な画面、あるいは、下位階層に遷移することで設定値の設定が可能な画面)が開かれた時点である。具体的に、操作パネル1(タッチパネル部12、ハードキー13)は、抽出モードとして頻度優先モードを選択する操作を受け付けており、表示部11で表示中の設定画面で選択したり、下位階層の画面に遷移したりすることで設定可能な設定値が複数ある設定画面が表示された時点である。また、頻度優先モードで推奨値の表示を行う画面は、予め定められていてもよい。
まず、主制御部4は、情報パッケージ6のうち、各画像形成装置の設定履歴D2を参照し(設定履歴D2に基づき)、表示中の設定画面から設定可能な設定値のうち、設定頻度が高い設定値を判定する(ステップ♯21)。言い換えると、主制御部4は、頻度優先モードが選択されているとき、情報パッケージ6の設定履歴D2に含まれる各ログに基づき、対象指定された画像形成装置でよく選ばれている設定値を判定する。
具体的に、主制御部4は、情報パッケージ6に含まれる設定履歴D2を参照し、対象指定された各画像形成装置について、図11のテーブルのうち、Bのカテゴリー(設定頻度のカテゴリー)で定義された演算式の値を求める。具体的には、主制御部4は、情報パッケージ6に含められた全ての画像形成装置の設定履歴D2を参照し、表示部11で表示中の設定画面に基づき設定可能な設定値のそれぞれについて設定回数(ログの個数)の合計を求め、更に、情報パッケージ6に設定履歴D2が含められた全ての画像形成装置での設定の回数の総合計である所定母数(ログの総数)を求め、求めた設定回数の合計を所定母数で除して比率を求め、求めた比率が第2基準比率以上であることに基づいて、設定頻度が高い設定値を判定する。
例えば、コピー初期画面S4で、各画像形成装置での2in1の設定値が設定された合計回数を求め(設定値「2in1」を含むログの個数)、各画像形成装置で設定の総合計回数(所定母数)を求め、2in1の設定値が設定された合計回数が、所定母数で除される。
そして、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値のうち、演算式により求めた比率が閾値(第2基準比率)の30%以上の設定値を設定頻度が高い設定値と判定する。このような設定頻度が高い設定値の抽出により、複合機100と同じ部署や同じ会社に設置された画像形成装置で、よく用いられる設定値が推奨値として抽出されることになる。
そして、主制御部4は、設定頻度が高い設定値を抽出できたか否かを確認する(ステップ♯22)。抽出できなければ(ステップ♯22のNo)フローは終了する(エンド)。
一方、設定頻度が高い設定値を抽出できたとき(ステップ♯22のYes)、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値であって、設定頻度が高い設定値と判定した設定値を推奨値として抽出する(ステップ♯23)。具体的に、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値のうち、設定頻度が高い設定値と判定した設定値が1つのみのとき、1つの設定値のみを推奨値として抽出する。また、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値のうち、設定頻度が高いと判定した設定値が複数あるとき、複数の設定値を推奨値として抽出する。
そして、主制御部4は、抽出した1又は複数の推奨値に基づき、1又は複数の表示候補データ(頻度優先モードで推奨値を抽出したときに表示する1又は複数の推奨値の候補)を生成する(ステップ♯24)。
具体的に、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値であって、情報パッケージ6に含まれる1又は複数の画像形成装置の設定履歴D2の中から、1つの設定値のみを推奨値として抽出したとき、1つの設定値を推奨値として含む表示候補データを1つ生成する。
また、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値であって、同時に設定可能な複数種の設定値をそれぞれ1つずつ推奨値として抽出したとき、抽出した全ての推奨値を含む表示候補データを1つ生成する。
また、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値であって、同時に設定できない関係の設定値のみを、推奨値として抽出したとき(例えば、集約の設定項目での2in1と4in1は同時に設定できないような関係)、抽出した推奨値の個数分、表示候補データを生成し、それぞれの表示候補データには同時に設定できない設定値の何れか1つを推奨値として含ませる。
また、主制御部4は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値であって、同時に設定できない関係の2つ以上の設定値を推奨値として抽出し、更に、それらと同時に設定可能な設定値も推奨値として抽出したとき、表示候補データを複数生成し、同時に設定できない設定値を同じ表示候補データに含めないようにしつつ、可能な推奨値の組合せをそれぞれの表示候補データに含ませる。例えば、コピー機能の初期設定画面で、集約印刷の設定項目では2in1と4in1の両方の設定値が推奨値として抽出され、更に、両面印刷の設定項目で両面印刷実行の設定値が推奨値として抽出されたとき、一方の表示候補データは「2in1」の推奨値と「両面印刷実行」の推奨値を含み、他方の表示候補データは「4in1」の推奨値と「両面印刷実行」の推奨値を含む。
そして、主制御部4は、生成した表示候補データが複数であるか否かを確認する(ステップ♯25)。もし、生成した表示候補データが複数でなければ(ステップ♯25のNo)、主制御部4は、生成した表示候補データに基づき、1又は複数の推奨値を表示部11に表示させる(ステップ♯26→エンド)。尚、推奨値の表示の詳細は後述する。
一方、生成した表示候補データが複数であれば(ステップ♯25のYes)、主制御部4は、所定のソート条件に基づき、複数の表示候補データのそれぞれに優先順位を付す(ステップ♯27)。そして、主制御部4は、最も優先順位が高い表示候補データに含まれる推奨値を、表示部11に最初に表示させる(ステップ♯28→エンド)。
ここで、頻度優先モードでも、ソート条件は適宜定めることができる。例えば、主制御部4は、自機(複合機100)の現在の設定値との類似度が高い表示候補データほど、優先順位を高くするようにしてもよい。言い換えると、設定の類似度の高さをソート条件としてもよい。具体的に、図11のテーブルのうち、Dのカテゴリー(設定類似度のカテゴリー)で定義された演算式の値を求める。主制御部4は、各表示候補データについて、現在、自機(複合機100)で設定されている設定値と同じ推奨値の数を、表示候補データに含まれる推奨値の総数で除した値を求める。そして、主制御部4は、求められた比率が大きい表示候補データから順に高い優先度を与える。また、主制御部4は、表示候補データのうち、求められた比率が図11に示す閾値を超えていない表示候補データを、推奨値の表示を行う対象から除外するようにしてもよい。
また、主制御部4は、構成の一致度が高い画像形成装置で設定された設定値を推奨値としている表示候補データほど優先順位を高くするようにしてもよい。言い換えると、自機と、他の画像形成装置との構成の一致度をソート条件としてもよい。情報パッケージ6に含まれる各画像形成装置の中から、表示候補データに含まれる推奨値が設定されたログを有する画像形成装置を選び出す。そして、主制御部4は、選び出した画像形成装置の構成情報D1を参照する。そして、主制御部4は、選び出した各画像形成装置について、図11のテーブルのうち、Cのカテゴリー(機器構成のカテゴリー)で定義された演算式の値を求める。具体的に、自機と他の画像形成装置の両方に装着されている同じタイプのオプション装置の数を、自機(複合機100)に装着されたオプション装置の総数で除して比率を求める。そして、主制御部4は、比率が大きいほど自機(複合機100)との構成の一致度が高いと判定する。そして、主制御部4は、複数の表示候補データのうち、求めた比率が大きい画像形成装置で設定された設定値を推奨値として含む表示候補データほど、優先順位を高くするようにしてもよい。主制御部4は、表示候補データのうち、Cのカテゴリーに基づき求めた値が図11に示す閾値を超えていない表示候補データを、推奨値の表示を行う対象から除去するようにしてもよい。
また、主制御部4は、設定されてからの時間が短い設定値を推奨値としている表示候補データほど優先順位を高くするようにしてもよい。言い換えると、設定値(推奨値)のうち、他の画像形成装置で設定されてからの経過時間をソート条件としてもよい。例えば、主制御部4は、情報パッケージ6を参照し、推奨値として抽出された設定値のそれぞれについて、最も新しい設定日時を求める。そして、主制御部4は、設定値として設定されてから現時点までの時間が短い推奨値を含む表示候補データほど、優先順位を高くするようにしてもよい。具体的に、図11のテーブルのうち、Aのカテゴリー(設定日時のカテゴリー)で定義された演算式での値を求める。主制御部4は、設定値として設定された最も新しい日時が、図11に示す閾値よりも設定日時が古い推奨値のみの表示候補データを、推奨値の表示を行う対象から除去するようにしてもよい。
これらの設定類似度、構成の一致度、設定日時に基づく条件のうち、1つのみをソート条件としてもよいし、まず、設定類似度の点でソートした後、設定頻度の点でソートするなど、条件が重ねがけされてもよい。
(推奨値の表示と設定)
次に、図13、図14に基づき、抽出した推奨値の表示と、推奨値を設定値として設定する操作について説明する。図13は、ネットワーク設定画面S3での推奨値の表示と推奨値による設定の一例を示す図である。図14は、コピー機能のメイン設定画面S4での推奨値の表示と推奨値による設定の一例を示す図である。
図13、図14の上側の図に示すように、主制御部4は、抽出した1又は複数の推奨値を表示中の設定画面(図13はネットワーク設定画面S3、図14はコピー機能のメイン設定画面S4)の上方に重ねられる推奨値表示領域11a内に表示させる。尚、図13、図14は、主制御部4が構成優先モード、頻度優先モードで1つの表示候補データが生成されたときの推奨値の表示例を示す。
推奨値表示領域11aの形状は、適宜定めることができる。図13、図14では、推奨値表示領域11aが吹き出し形状である例を示している。また、パネル制御部14は、主制御部4からの推奨値の表示指示に基づき、推奨値を表示する設定画面下方に「おすすめの設定があります」、といったメッセージを表示部11に表示させる。そして、主制御部4は、抽出した1又は複数の推奨値をパネル制御部14に伝え、パネル制御部14は、主制御部4が抽出した1又は複数の推奨値を表示部11の推奨値表示領域11a内に表示させる。
ここで、主制御部4は、抽出した推奨値を補足する情報(補足パラメータP1)のデータをパネル制御部14に与え、補足パラメータP1も合わせて表示すべき指示をパネル制御部14に与える。そして、パネル制御部14は、推奨値表示領域11a内に推奨値とともに、補足パラメータP1も合わせて表示部11に表示させる。
補足パラメータP1は、情報パッケージ6に情報が含まれる画像形成装置で、推奨値表示領域11aに表示されている推奨値と同じ設定値が設定された日時(年月日)を含む。また、補足パラメータP1は、推奨値表示領域11aに表示されている推奨値と同じ設定値が設定された画像形成装置を示す文字列を含む。
例えば、主制御部4は、抽出した推奨値が設定された画像形成装置であり、自機(複合機100)と最も構成が近い、あるいは、推奨値が設定された日時が最も新しい画像形成装置を補足パラメータP1の生成対象と定める。どの画像形成装置の構成情報D1と履歴情報D2に基づき補足パラメータP1を表示するかは、操作パネル1にて予め設定される。主制御部4は、設定に合わせ、抽出した推奨値が設定され、最も構成が近い画像形成装置、あるいは、推奨値が設定された日時が最も新しい画像形成装置の構成情報D1のうち、機種名、所属グループ(購入者)、使用部署、設置場所といった情報に基づき、補足パラメータP1を生成する。また、主制御部4は、補足パラメータP1の生成対象の画像形成装置で、推奨値が設定された日時(推奨値が複数ある場合や、推奨値が設定された回数が複数の場合は、最も新しい日時)を補足パラメータP1に含める。
その結果、図13、図14に示すように、推奨値表示領域11a内に表示された推奨値の下方に、補足パラメータP1として、機種名(図13の例では「TaskalfaAAA」という機種、図14の例では「TaskalfaDDD」という機種)、設置位置(図13の例では「CCC20F(CCCという場所の20階)」、図14の例では「FFF15F(FFFという場所の15階)」、その画像形成装置で推奨値が設定された日時(図13の例では「BB/BB/BB 16:00」、図14の例では「EE/EE/EE 14:00」)が表示される。
主制御部4は、生成した補足パラメータP1を、抽出した1又は複数の推奨値とともにパネル制御部14に送信する。パネル制御部14は、推奨値表示領域11a内に、受信した推奨値とともに補足パラメータP1を表示部11に表示させる。尚、主制御部4は、補足パラメータP1のとき構成情報D1と履歴情報D2を参照した画像形成装置のホスト名、装着されたオプション装置の種類(形式番号)、IPアドレス、MACアドレス、使用部署といった情報も、補足パラメータP1に含めるようにしてもよい。
そして、タッチパネル部12(操作部)は、推奨値表示領域11aに1又は複数の推奨値が表示されている状態で推奨値を設定値に設定する操作(予め定められた一括設定操作)を受け付ける。一括設定操作は、複数の推奨値が推奨値表示領域11a内に表示されているとき、推奨値を設定値としてまとめて一度に設定する操作である。尚、推奨値表示領域11a内に表示されている推奨値が1つのときの一括設定操作では、変更(設定)される設定値は、1つである。
どのような操作を、一括設定操作とするかは、適宜定めることができる。具体的に、本実施形態の複合機100では、推奨値表示領域11aの内部を1回タッチする操作、又は、2回以上連続して推奨値表示領域11aの内部をタッチする操作が一括設定操作とされる。
図13、図14の下図で示すように、複数の推奨値が推奨値表示領域11a内に表示されている状態で一括設定操作が受け付けられると、複数の設定値が1つの操作で変更(設定)される。具体的に、図13で表示されたDCHP−On、Apple Talk−Off、Enhanced WSD(SSL)−Offが推奨値として表示された推奨値表示領域11aに対してタッチがなされると、図13の下図のように、推奨値どおりに各設定項目の設定値が一気に変更される。
また、図14で表示されたDuplex−片面→両面、Conbine−2in1が推奨値として表示された推奨値表示領域11aに対してタッチがなされると、図14の下図のように、推奨値どおりに各設定項目の設定値が一気に変更される。
(表示する推奨値の切替)
次に、図15に基づき、複数の表示候補データが生成されたときの推奨値の切替を説明する。図15は、複数の表示候補データを生成したときの推奨値の切替の一例を示す図である。
主制御部4は、複数の表示候補データを生成する場合がある。この場合、主制御部4は、各表示候補データに優先順位を付け、最も優先順位が高い表示候補データに対応する推奨値を最初に推奨値表示領域11a内に表示させる。
ここで、複数の表示候補データを生成したとき、主制御部4は、複数の表示候補データを生成したこと、及び、推奨値表示領域11a内に表示する推奨値を変更するための他候補キーK16を表示すべき旨をパネル制御部14に通知する。
この通知を受けたとき、パネル制御部14は、推奨値表示領域11a内であって、推奨値や補足パラメータP1の文字列、記号列と重ならない位置に他候補キーK16を表示させる。そして、操作部(タッチパネル部12)が他候補キーK16へのタッチ操作を受け付けたとき、図15の下図に示すように、主制御部4(パネル制御部14)は、推奨値表示領域11a内に、次の優先順位の表示候補データに含まれる推奨値を表示部11に表示させる。
図15の例では、コピー機能のメイン設定画面S4において、「Duplex−片面→両面、Conbine−2in1」の推奨値が表示された状態から、他候補キーK16が操作されたことにより、「Duplex−片面→両面、Conbine−4in1」に表示される推奨値が変更された例を示している。
このようにして、本実施形態に係る画像形成装置(複合機100)は、設定を行うための設定画面を表示する表示部11と、外部の情報処理装置200であって通信可能に接続される各画像形成装置から、各画像形成装置で設定された設定値とその設定日時を含む設定履歴D2と、画像形成装置の構成を示す構成情報D1の収集を行う情報処理装置200と通信を行い、予め定められた他の画像形成装置の設定履歴D2と構成情報D1を含み、使用者にガイダンスを行うための情報パッケージ6を情報処理装置200から受信する通信部41と、情報パッケージ6を記憶する記憶部5と、表示部11の設定画面に対する操作と設定値を設定する操作を受け付ける操作部(タッチパネル部12、ハードキー13)と、操作部で予めなされた推奨値に関する設定に基づき、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な1又は複数の設定値の推奨値を情報パッケージ6に含まれる情報から抽出し、表示中の設定画面の上方に重ねられる推奨値表示領域11a内に、抽出した1又は複数の推奨値を表示部11に表示させる制御部(主制御部4)と、を含む。
これにより、他の画像形成装置(情報パッケージ6に情報が含まれている画像形成装置)での設定の履歴に基づいて設定値として、適切な設定値である可能性が高い推奨値を、ガイダンスとして各設定画面内に表示させることができる。従って、設定履歴D2により設定の傾向性(予め定められた他の画像形成装置でよく設定されている度合い)に基づく推奨値を使用者に示すことができ、どのような設定値が適切かを判断するための情報を提示して、使用者の設定を容易なものとすることができる。このように、使用者自身が設定を行うときに推奨値が表示されるので、適切な設定値が設定されやすくなり、サービスマンの訪問、派遣の抑制につながる。また、使用者がヘルプキーを操作するようなヘルプ画面を呼び出す操作無しに推奨値は自動的に表示されるので、推奨値を表示させるための特別な操作は必要ない。また、推奨値表示領域11aにガイダンスとしての推奨値が表示されるので、使用者は、設定操作を問題無く続けることができる。また、一旦受信した情報パッケージ6は記憶部5に記憶されるので、オンラインサポートやオンラインヘルプ機能のように、常時、画像形成装置(複合機100)を外部のサーバーのような情報処理装置200と画像形成装置とをネットワーク接続しなくても、推奨値の抽出と表示を行うことができる。また、必要な情報を随時サーバーから得ないので、ネットワークとの通信に障害があっても、推奨値の抽出と表示を行うことができる。
また、操作部(タッチパネル部12、ハードキー13)は、情報パッケージ6に構成情報D1と設定履歴D2を含める画像形成装置を定める対象指定の操作を受け付け、通信部41は、対象指定された画像形成装置を情報処理装置200に通知し、対象指定された画像形成装置の構成情報D1と設定履歴D2を含む情報パッケージ6を受信する。
これにより、同じ部署や同じ会社に設置された画像形成装置(複合機100)に対象を限るなど、情報パッケージ6に含める画像形成装置(複合機100)を、所望の画像形成装置(複合機100)の範囲に限ることができる。従って、設定履歴D2を参照する画像形成装置(複合機100)を身近な範囲に絞り込み、属する会社、集団での設定傾向に沿った設定値を推奨値として表示させることができる。
また、操作部(タッチパネル部12、ハードキー13)は、抽出モードとして構成優先モードを選択する操作を受け付け、構成優先モードが選択されたとき、制御部(主制御部4)は、情報パッケージ6の構成情報D1に基づき、情報パッケージ6に情報が含められた他の画像形成装置のうち、自機と構成の一致度が高い画像形成装置を判定し、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値であって、構成の一致度が高いと判定した画像形成装置で設定された設定値を推奨値として抽出する。
これにより、情報パッケージ6に情報が含まれている画像形成装置のうち、同様の構成の画像形成装置で設定されている設定値を推奨値として抽出、表示させることができる。従って、他の同様の画像形成装置でよく設定されていて、問題がない設定値を推奨値として使用者に示すことができる。そのため、使用者に対し、適切な設定値を推奨値として表示する確率を高めることができる。特に、画像形成装置(複合機100)でのシステム設定など、基本的な装置の設定に関し、適切な設定値を推奨値として表示する確率を高めることができる。
また、構成優先モードが選択されたとき、制御部(主制御部4)は、情報パッケージ6に情報が含められた他の画像形成装置ごとに、自機と他の画像形成装置の両方に装着されている同じタイプのオプション装置の数を、自機に装着されたオプション装置の総数で除して比率を求め、求めた比率が予め定められた第1基準比率を超えている画像形成装置を、構成の一致度が高い画像形成装置と判定する。これにより、自機とオプション装置の構成が近似している画像形成装置の設定履歴D2を参照して、推奨値を表示させることができる。
また、操作部(タッチパネル部12、ハードキー13)は、抽出モードとして頻度優先モードを選択する操作を受け付け、制御部(主制御部4)は、頻度優先モードが選択されたとき、情報パッケージ6の設定履歴D2に基づき、表示中の設定画面から設定可能な設定値のうち、設定頻度が高い設定値を判定し、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値であって、設定頻度が高いと判定した設定値を推奨値として抽出する。
これにより、情報パッケージ6に情報が含まれている画像形成装置で、良く設定されている設定値を推奨値として抽出、表示させることができる。従って、他の画像形成装置でよく設定されていて、問題がなく適切である可能性が高い設定値を推奨値として使用者に示すことができる。そのため、使用者に対し、適切な設定値を推奨値として表示する確率を高めることができる。特に、ジョブに関する設定などで、よく用いられている設定値を推奨値として表示することができる。
また、制御部(主制御部4)は、情報パッケージ6に含められた全ての画像形成装置の設定履歴D2を参照し、表示部11で表示中の設定画面に基づき設定可能な設定値のそれぞれについて設定回数の合計を求め、情報パッケージ6に設定履歴D2が含められた全ての画像形成装置での設定の総合計回数である所定母数を求め、求めた設定回数の合計を所定母数で除して比率を求め、求めた比率が第2基準比率以上であることに基づいて、設定頻度が高い設定値を判定する。これにより、情報パッケージ6に対象として含まれる画像形成装置で、よく用いられている設定値を推奨値として表示させることができる。
また、制御部(主制御部4)は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値であって、同時に設定できない関係の設定値を2つ以上推奨値として抽出したとき、抽出した推奨値の個数分、表示候補データを生成し、それぞれの表示候補データには同時に設定できない設定値の何れか1つを推奨値として含ませ、また、制御部(主制御部4)は、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な設定値であって、同時に設定できない関係の2つ以上の設定値を推奨値として抽出し、更に、同時に設定できない関係の推奨値と同時に設定可能な設定値も推奨値として抽出したとき、表示候補データを複数生成し、同時に設定できない設定値を同じ表示候補データに含めないようにしつつ、可能な推奨値の組合せであって異なる組合せを、それぞれの表示候補データに含ませ、更に、制御部(主制御部4)は、所定のソート条件に基づき、複数の表示候補データのそれぞれに優先順位を付し、表示中の設定画面の推奨値表示領域11a内に、最も優先順位が高い表示候補データの推奨値を、最初に表示させる。
これにより、設定値(推奨値)の組合せを複数抽出できたとき、予め定められた条件のもとで優先順位の高く、使用者が設定する設定値として適切である可能性が高い推奨値のから順番に表示させることができる。
また、制御部(主制御部4)は、複数の表示候補データを複数生成したとき、推奨値表示領域11a内に表示された推奨値を変更するための他候補キーK16を表示部11に表示させ、他候補キーK16が操作されたことを操作部(タッチパネル部12、ハードキー13)が受け付けたとき、推奨値表示領域11a内に、次の優先順位の表示候補データの推奨値を、表示部11に表示させる。
これにより、設定値(推奨値)の組合せを複数抽出できたとき、その表示される推奨値の組合せを次々切り替えることができる。また、他の画像形成装置でどのような設定値が設定されているか見比べることもできる。
また、操作部(タッチパネル部12、ハードキー13)は、推奨値表示領域11aに推奨値を表示している状態での予め定められた一括設定操作を、推奨値表示領域11a内に表示されている推奨値を設定値として設定する操作として受け付ける。これにより、設定値を設定するための画面に遷移することなく、推奨値表示領域11aに対して1回操作するだけで、1又は複数の設定値をまとめて推奨値に設定することができる。
また、通信部41は、予め定められた一定周期で情報処理装置200から送信されてくる情報パッケージ6を受信し、記憶部5は、通信部41が情報パッケージ6を定期的に受信するごとに記憶している情報パッケージ6を更新する。
これにより、記憶部5に情報パッケージ6を蓄えておけば推奨値の表示を行うことができる。従って、画像形成装置(複合機100)を外部の情報処理装置200と常時通信可能な状態としておき、推奨値表示の際に、サーバーのような外部の情報処理装置200と推奨値の表示に必要な情報を随時取得する必要はない。即ち、画像形成装置(複合機100)を常時、外部のネットワークと通信可能な状態にしておく必要がない。また、通信障害によって外部の情報処理装置200との通信ができなくても、記憶部5の情報パッケージ6に基づいて推奨値の表示を行うことができる。
また、制御部(主制御部4)は、情報パッケージ6に情報が含まれた画像形成装置で推奨値表示領域11aに表示されている推奨値と同じ設定値が設定された日時と、推奨値表示領域11aに表示されている推奨値と同じ設定値が設定された画像形成装置を示す文字列を、推奨値表示領域11a内に補足パラメータP1として表示部11に表示させる。これにより、推奨値に示される設定が、他のどのような画像形成装置でなされたかを確認することができる。
また、本発明は、情報処理装置200と画像形成装置(複合機100)のシステムの発明として捉えることもできる。具体的に、実施形態の画像形成システム300は、情報処理装置200と画像形成装置(複合機100)を含む。情報処理装置200は、通信可能に接続される各画像形成装置で設定された設定値とその設定日時を含む設定履歴D2と、通信可能に接続される各画像形成装置から画像形成装置の構成を示す構成情報D1の収集を行う。画像形成装置(複合機100)は、設定を行うための設定画面を表示する表示部11と、情報処理装置200から予め定められた他の画像形成装置の設定履歴D2と構成情報D1を含み、使用者にガイダンスを行うための情報パッケージ6を受信する通信部41と、情報パッケージ6を記憶する記憶部5と、表示部11の設定画面に対する操作と設定値を設定する操作を受け付ける操作部(タッチパネル部12、ハードキー13)と、操作部で予めなされた設定に基づき、表示部11で表示中の設定画面に基づいて設定可能な1又は複数の設定値の推奨値を情報パッケージ6に含まれる情報から抽出し、表示中の設定画面の上方に重ねられる推奨値表示領域11a内に、抽出した1又は複数の推奨値を表示部11に表示させる制御部(主制御部4)と、を含む。この画像形成システム300では、複合機1を含むので、複合機1で得られる効果を有する。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。