JP5983326B2 - 磁石埋込型モータの回転子 - Google Patents

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Description

本発明は、磁石埋込型モータの回転子に関するものである。
従来より、ロータコアに複数の磁石挿入孔が形成され、これらの磁石挿入孔に磁石が埋め込まれることで複数の磁極構成部が構成された磁石埋込型モータの回転子が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1〜3に記載の回転子では、ロータコアの中心部に軸孔が形成され、この軸孔に円筒状のスリーブが焼き嵌め固定されている。スリーブの内周面には、キー溝が形成されており、キー溝にキーが嵌め込まれることで、回転軸がスリーブ及びロータコアと一体的に回転するようになっている。
実開昭62−159133号公報 実開平04−068450号公報 特開2005−124349号公報
ところで、モータが高速駆動する場合には、回転子に加わる遠心力が非常に大きくなるため、ロータコアにおける磁石挿入孔の外周側の磁性部分が外側に膨らむように変形し、それに伴って磁石挿入孔の厚み方向が広がる方向に変形する。ここで、磁石挿入孔の極中心位置がブリッジによって厚み方向に連結されている場合には、磁石挿入孔の内周側のコアが、磁石挿入孔の外周側のコアによってブリッジを介して外側に引っ張られることとなるため、ロータコアの軸孔の内周面が大きく変形する。
一方、モータが高速駆動すると、遠心力によってスリーブの外周も変形する。具体的に、スリーブの内周面にはキー溝が形成されているから、キー溝が形成された部分の肉厚が薄くなっている。そのため、スリーブは、キー溝が形成された方向を短軸とする略楕円形状に変形する。
ここで、ロータコアの回転停止時には、ロータコアの軸孔の内周面とスリーブの外周面との焼き嵌めによる締め代は全周にわたって一定となっている。しかしながら、ロータコアが高速回転すると、ロータコアの軸孔の内周面とスリーブの外周面とが、遠心力によってそれぞれ異なる変位量で変形する。そのため、ロータコアとスリーブとの締め代が変化してしまい、ロータコアとスリーブとの回転方向の保持力が弱まってしまうという問題がある。
そこで、焼き嵌めによるロータコアとスリーブとの締め代を予め大きく確保することで、高速回転によるロータコア及びスリーブの変位量が回転方向の保持力に影響しないようにすることが考えられる。しかしながら、焼き嵌めによる締め代が大きいと、その締まり力によって、スリーブのキー溝がその幅方向が狭まる方向に変形してしまう。そのため、ロータコアと回転軸とを組み立てる際にキー溝にキーが嵌め込みにくくなって組み立て作業性が悪化したり、ロータコアやスリーブに加わる応力がその許容応力を超えてしまうおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スリーブの内周面に形成されたキー溝の配置を工夫することで、モータの高速駆動時に生じる遠心力によってロータコア及びスリーブが変形した場合でも、ロータコアとスリーブとの締め代を十分に確保できるようにすることにある。
本発明は、磁極を構成するための磁石(28)を有する磁極構成部(25)が周方向に等間隔に複数設けられ且つ中心部に軸孔(21a)が形成されたロータコア(21)と、該ロータコア(21)の軸孔(21a)に焼き嵌め固定され且つ軸方向に延びるキー溝(30a)が内周面に形成された円筒状のスリーブ(30)と、該スリーブ(30)の筒内に挿通され且つ該キー溝(30a)にキー(31)が嵌め込まれることで該スリーブ(30)及び該ロータコア(21)と一体的に回転する回転軸(35)とを備えた磁石埋込型モータの回転子を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記ロータコア(21)には、前記磁極構成部(25)が6極設けられ、
前記磁極構成部(25)は、極中心位置に設けられたブリッジ(26)によって幅方向に分割された一対の磁石挿入孔(27)に対して前記磁石(28)がそれぞれ埋め込まれることで構成され、
前記スリーブ(30)のキー溝(30a)は、互いに隣接する前記磁極構成部(25)の間と前記ロータコア(21)の回転中心(O)とを結ぶ中心線上に配置されていることを特徴とするものである。
このような構成とすれば、モータの高速駆動時に生じる遠心力によってロータコア(21)及びスリーブ(30)が変形した場合でも、ロータコア(21)とスリーブ(30)との締め代を十分に確保できる。
具体的に、ロータコア(21)の軸孔(21a)は、極中心位置に設けられたブリッジ(26)と回転中心(O)とを結ぶ中心線に沿って径方向外側に膨らむように変形する。一方、スリーブ(30)の外周面は、キー溝(30a)が形成された方向を短軸とする楕円形状に変形する。つまり、6極の磁極構成部(25)が設けられたロータコア(21)の場合には、互いに隣接する磁極構成部(25)の間とロータコア(21)の回転中心(O)とを結ぶ中心線上にスリーブ(30)のキー溝(30a)を配置することで、ロータコア(21)の軸孔(21a)の内周面が大きく変形する方向と、スリーブ(30)の外周面が大きく変形する方向とを一致させることができる。これにより、モータの高速駆動時に生じる遠心力によってロータコア(21)及びスリーブ(30)が変形した場合でも、ロータコア(21)とスリーブ(30)との焼き嵌めによる締め代の相対的な変化を緩和させることができ、ロータコア(21)とスリーブ(30)とを複数箇所にわたって接触させて締め代を十分に確保することができる。
第2の発明は、前記ロータコア(21)には、前記磁極構成部(25)が4極設けられ、
前記磁極構成部(25)は、極中心位置に設けられたブリッジ(26)によって幅方向に分割された一対の磁石挿入孔(27)に対して前記磁石(28)がそれぞれ埋め込まれることで構成され、
前記スリーブ(30)のキー溝(30a)は、前記ブリッジ(26)と前記ロータコア(21)の回転中心(O)とを結ぶ中心線上に配置されていることを特徴とするものである。
このような構成とすれば、モータの高速駆動時に生じる遠心力によってロータコア(21)及びスリーブ(30)が変形した場合でも、ロータコア(21)とスリーブ(30)との締め代を十分に確保できる。つまり、4極の磁極構成部(25)が設けられたロータコア(21)の場合には、ブリッジ(26)とロータコア(21)の回転中心(O)とを結ぶ中心線上にスリーブ(30)のキー溝(30a)を配置することで、ロータコア(21)の軸孔(21a)の内周面が大きく変形する方向と、スリーブ(30)の外周面が大きく変形する方向とを一致させることができる。これにより、モータの高速駆動時に生じる遠心力によってロータコア(21)及びスリーブ(30)が変形した場合でも、ロータコア(21)とスリーブ(30)との焼き嵌めによる締め代の相対的な変化を緩和させることができ、ロータコア(21)とスリーブ(30)とを複数箇所にわたって接触させて締め代を十分に確保することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記一対の磁石挿入孔(27)は、軸方向から見て矩形状に形成され且つ互いに直線状又はV字状に配列されていることを特徴とするものである。
第4の発明は、第1又は第2の発明において、
前記一対の磁石挿入孔(27)は、軸方向から見て円弧状に形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、スリーブ(30)の内周面に形成されたキー溝(30a)の配置を工夫することで、モータの高速駆動時に生じる遠心力によってロータコア(21)の軸孔(21a)の内周面が大きく変形する方向と、スリーブ(30)の外周面が大きく変形する方向とを一致させることができる。これにより、ロータコア(21)とスリーブ(30)との焼き嵌めによる締め代の相対的な変化を緩和させることができ、ロータコア(21)とスリーブ(30)とを複数箇所にわたって接触させて締め代を十分に確保することができる。
本発明の実施形態1に係る磁石埋込型モータの回転子の構成を示す断面図である。 (a)は、本実施形態1に係る6極のロータコアにおける軸孔の内径及びスリーブの外径の変位量を示すグラフ図であり、(b)は、ロータコアとスリーブとの締め代を示す概略図である。 (a)は、従来の6極のロータコアにおける軸孔の内径及びスリーブの外径の変位量を示すグラフ図であり、(b)は、ロータコアとスリーブとの締め代を示す概略図である。 本実施形態2に係る磁石埋込型モータの回転子の構成を示す断面図である。 (a)は、本実施形態2に係る4極のロータコアにおける軸孔の内径及びスリーブの外径の変位量を示すグラフ図であり、(b)は、ロータコアとスリーブとの締め代を示す概略図である。 (a)は、従来の4極のロータコアにおける軸孔の内径及びスリーブの外径の変位量を示すグラフ図であり、(b)は、ロータコアとスリーブとの締め代を示す概略図である。 その他の実施形態に係る磁石埋込型モータの回転子の構成を示す断面図である。 その他の実施形態に係る磁石埋込型モータの回転子の別の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る磁石埋込型モータの回転子の構成を示す断面図である。図1に示すように、磁石埋込型モータ(10)は、図示しない円筒状のステータの内部に配設された回転子(20)を備えている。
回転子(20)は、中心部に軸孔(21a)が形成されたロータコア(21)と、ロータコア(21)の軸孔(21a)に焼き嵌め固定された円筒状のスリーブ(30)と、スリーブ(30)の筒内に挿通された回転軸(35)とを備えている。
ロータコア(21)は、円盤状の電磁鋼板を多数枚重ね合わせて構成される。ロータコア(21)には、周方向に等間隔に6極の磁極構成部(25)が設けられている。
磁極構成部(25)は、極中心位置に設けられたブリッジ(26)によって幅方向に分割された一対の磁石挿入孔(27)に対して磁石(28)がそれぞれ埋め込まれることで構成されている。一対の磁石挿入孔(27)は、軸方向から見て矩形状に形成され且つ互いに直線状に配列されている。
スリーブ(30)の内周面には、軸方向に延びるキー溝(30a)が形成されている。また、回転軸(35)の外周面にもキー溝(35a)が形成されている。そして、スリーブ(30)のキー溝(30a)と回転軸(35)のキー溝(35a)とに嵌め込まれたキー(31)によって、回転軸(35)がスリーブ(30)及びロータコア(21)と一体的に回転する。なお、キー(31)は、回転軸(35)の外周面に一体形成されていてもよい。
スリーブ(30)のキー溝(30a)は、互いに隣接する磁極構成部(25)の間とロータコア(21)の回転中心(O)とを結ぶ中心線上に配置されている。これにより、ロータコア(21)の高速回転時に生じる遠心力によってロータコア(21)及びスリーブ(30)が変形した場合でも、ロータコア(21)とスリーブ(30)との締め代を十分に確保できる。以下、この点について図2及び図3を用いて説明する。
図2(a)は、本実施形態1に係る6極のロータコアにおける軸孔の内径及びスリーブの外径の変位量を示すグラフ図であり、図2(b)は、ロータコアとスリーブとの締め代を示す概略図である。
図2(b)において右側を0°としたときに、スリーブ(30)のキー溝(30a)は、270°(図2(b)で下側)の位置に配置されている。本実施形態では、スリーブ(30)のキー溝(30a)は、互いに隣接する磁極構成部(25)の間とロータコア(21)の回転中心(O)とを結ぶ中心線上に配置されている。これにより、回転中心(O)と0°及び180°とを通る水平線上には、ロータコア(21)のブリッジ(26)が配置される。
図2(a)の縦軸は、ロータコア(21)の軸孔(21a)の内径とスリーブ(30)の外径との変位量を示している。ここで、ロータコア(21)が高速回転すると、ロータコア(21)の軸孔(21a)は、極中心位置に設けられたブリッジ(26)と回転中心(O)とを結ぶ中心線に沿って径方向外側に膨らむように変形する。一方、スリーブ(30)の外周面は、キー溝(30a)が形成された方向を短軸とする楕円形状に変形する。
本実施形態1に係る6極の磁極構成部(25)が設けられたロータコア(21)では、互いに隣接する磁極構成部(25)の間とロータコア(21)の回転中心(O)とを結ぶ中心線上にスリーブ(30)のキー溝(30a)を配置している。そのため、ロータコア(21)の軸孔(21a)の内周面が大きく変形する方向と、スリーブ(30)の外周面が大きく変形する方向とを一致させることができる。
そして、スリーブ(30)の外径がロータコア(21)の軸孔(21a)の内径よりも大きくなるように変位した箇所において、焼き嵌めによる締め代が確保される。つまり、図2(a)では、−30°,30°,150°,及び210°の4箇所において、ロータコア(21)の軸孔(21a)の内周面とスリーブ(30)の外周面とが接触していることが分かる。
図3(a)は、従来の6極のロータコアにおける軸孔の内径及びスリーブの外径の変位量を示すグラフ図であり、図3(b)は、ロータコアとスリーブとの締め代を示す概略図である。
図3(b)において右側を0°としたときに、スリーブ(30)のキー溝(30a)は、270°(図3(b)で下側)の位置に配置されている。そして、従来の回転子(20)では、スリーブ(30)のキー溝(30a)は、ロータコア(21)のブリッジ(26)とロータコア(21)の回転中心(O)とを結ぶ中心線上に配置されている。これにより、回転中心(O)と0°及び180°とを通る水平線上には、互いに隣接する磁極構成部(25)の間が配置される。
ここで、従来のロータコア(21)が高速回転すると、ロータコア(21)の軸孔(21a)は、極中心位置に設けられたブリッジ(26)と回転中心(O)とを結ぶ中心線に沿って径方向外側に膨らむように変形する。一方、スリーブ(30)の外周面は、キー溝(30a)が形成された方向を短軸とする楕円形状に変形する。
この場合には、図3(a)に示すように、0°及び180°の2箇所のみにおいて、ロータコア(21)の軸孔(21a)の内周面とスリーブ(30)の外周面とが接触していることが分かる。そのため、ロータコア(21)とスリーブ(30)との間で位置ずれが発生してしまい、回転のアンバランスが生じて騒音や振動を引き起こすおそれがある。
以上のように、本実施形態1に係る回転子(20)の構成であれば、ロータコア(21)の高速回転時に生じる遠心力によってロータコア(21)及びスリーブ(30)が変形した場合でも、ロータコア(21)とスリーブ(30)との焼き嵌めによる締め代の相対的な変化を緩和させることができ、ロータコア(21)とスリーブ(30)とを複数箇所にわたって接触させて締め代を十分に確保することができる。
《実施形態2》
図4は、本実施形態2に係る磁石埋込型モータの回転子の構成を示す断面図である。以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
図4に示すように、ロータコア(21)には、周方向に等間隔に4極の磁極構成部(25)が設けられている。
磁極構成部(25)は、極中心位置に設けられたブリッジ(26)によって幅方向に分割された一対の磁石挿入孔(27)に対して磁石(28)がそれぞれ埋め込まれることで構成されている。一対の磁石挿入孔(27)は、軸方向から見て矩形状に形成され且つ互いに直線状に配列されている。
スリーブ(30)の内周面には、軸方向に延びるキー溝(30a)が形成されている。スリーブ(30)のキー溝(30a)は、ロータコア(21)のブリッジ(26)とロータコア(21)の回転中心(O)とを結ぶ中心線上に配置されている。これにより、ロータコア(21)の高速回転時に生じる遠心力によってロータコア(21)及びスリーブ(30)が変形した場合でも、ロータコア(21)とスリーブ(30)との締め代を十分に確保できる。以下、この点について図5及び図6を用いて説明する。
図5(a)は、本実施形態2に係る4極のロータコアにおける軸孔の内径及びスリーブの外径の変位量を示すグラフ図であり、図5(b)は、ロータコアとスリーブとの締め代を示す概略図である。
図5(b)において右側を0°としたときに、スリーブ(30)のキー溝(30a)は、270°(図5(b)で下側)の位置に配置されている。本実施形態では、スリーブ(30)のキー溝(30a)は、ロータコア(21)のブリッジ(26)とロータコア(21)の回転中心(O)とを結ぶ中心線上に配置されている。これにより、回転中心(O)と0°及び180°とを通る水平線上には、ロータコア(21)の別のブリッジ(26)が配置される。
図5(a)の縦軸は、ロータコア(21)の軸孔(21a)の内径とスリーブ(30)の外径とを示している。ここで、ロータコア(21)が高速回転すると、ロータコア(21)の軸孔(21a)は、極中心位置に設けられたブリッジ(26)と回転中心(O)とを結ぶ中心線に沿って径方向外側に膨らむように変形する。一方、スリーブ(30)の外周面は、キー溝(30a)が形成された方向を短軸とする楕円形状に変形する。
本実施形態2に係る4極の磁極構成部(25)が設けられたロータコア(21)では、ブリッジ(26)とロータコア(21)の回転中心(O)とを結ぶ中心線上にスリーブ(30)のキー溝(30a)を配置している。そのため、ロータコア(21)の軸孔(21a)の内周面が大きく変形する方向と、スリーブ(30)の外周面が大きく変形する方向とを一致させることができる。
そして、スリーブ(30)の外径がロータコア(21)の軸孔(21a)の内径よりも大きくなるように変位した箇所において、焼き嵌めによる締め代が確保される。つまり、図5(a)では、−45°,45°,135°,及び225°の4箇所において、ロータコア(21)の軸孔(21a)の内周面とスリーブ(30)の外周面とが接触していることが分かる。
図6(a)は、従来の4極のロータコアにおける軸孔の内径及びスリーブの外径の変位量を示すグラフ図であり、図6(b)は、ロータコアとスリーブとの締め代を示す概略図である。
図6(b)において右側を0°としたときに、スリーブ(30)のキー溝(30a)は、270°(図6(b)で下側)の位置に配置されている。そして、従来の回転子(20)では、スリーブ(30)のキー溝(30a)は、互いに隣接する磁極構成部(25)の間とロータコア(21)の回転中心(O)とを結ぶ中心線上に配置されている。これにより、回転中心(O)と0°及び180°とを通る水平線上には、互いに隣接する磁極構成部(25)の間が配置される。
ここで、従来のロータコア(21)が高速回転すると、ロータコア(21)の軸孔(21a)は、極中心位置に設けられたブリッジ(26)と回転中心(O)とを結ぶ中心線に沿って径方向外側に膨らむように変形する。一方、スリーブ(30)の外周面は、キー溝(30a)が形成された方向を短軸とする楕円形状に変形する。
この場合には、図6(a)に示すように、0°及び180°の2箇所のみにおいて、ロータコア(21)の軸孔(21a)の内周面とスリーブ(30)の外周面とが接触していることが分かる。そのため、ロータコア(21)とスリーブ(30)との間で位置ずれが発生してしまい、回転のアンバランスが生じて騒音や振動を引き起こすおそれがある。
以上のように、本実施形態2に係る回転子(20)の構成であれば、ロータコア(21)の高速回転時に生じる遠心力によってロータコア(21)及びスリーブ(30)が変形した場合でも、ロータコア(21)とスリーブ(30)との焼き嵌めによる締め代の相対的な変化を緩和させることができ、ロータコア(21)とスリーブ(30)とを複数箇所にわたって接触させて締め代を十分に確保することができる。
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
前記実施形態では、磁石(28)を埋め込むための一対の磁石挿入孔(27)が、軸方向から見て矩形状に形成され且つ互いに直線状に配列された形態について説明したが、この形態に限定するものではない。例えば、図7に示すように、一対の磁石挿入孔(27)を軸方向から見てV字状に配列させた形態であってもよい。
また、図8に示すように、一対の磁石挿入孔(27)が軸方向から見て円弧状に形成された形態であってもよい。
以上説明したように、本発明は、スリーブの内周面に形成されたキー溝の配置を工夫することで、モータの高速駆動時に生じる遠心力によってロータコア及びスリーブが変形した場合でも、ロータコアとスリーブとの締め代を十分に確保できるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
10 磁石埋込型モータ
20 回転子
21 ロータコア
21a 軸孔
25 磁極構成部
26 ブリッジ
27 磁石挿入孔
28 磁石
30 スリーブ
30a キー溝
31 キー
35 回転軸

Claims (4)

  1. 磁極を構成するための磁石(28)を有する磁極構成部(25)が周方向に等間隔に複数設けられ且つ中心部に軸孔(21a)が形成されたロータコア(21)と、該ロータコア(21)の軸孔(21a)に焼き嵌め固定され且つ軸方向に延びるキー溝(30a)が内周面に形成された円筒状のスリーブ(30)と、該スリーブ(30)の筒内に挿通され且つ該キー溝(30a)にキー(31)が嵌め込まれることで該スリーブ(30)及び該ロータコア(21)と一体的に回転する回転軸(35)とを備えた磁石埋込型モータの回転子であって、
    前記ロータコア(21)には、前記磁極構成部(25)が6極設けられ、
    前記磁極構成部(25)は、極中心位置に設けられたブリッジ(26)によって幅方向に分割された一対の磁石挿入孔(27)に対して前記磁石(28)がそれぞれ埋め込まれることで構成され、
    前記スリーブ(30)のキー溝(30a)は、互いに隣接する前記磁極構成部(25)の間と前記ロータコア(21)の回転中心(O)とを結ぶ中心線上に配置されていることを特徴とする磁石埋込型モータの回転子。
  2. 磁極を構成するための磁石(28)を有する磁極構成部(25)が周方向に等間隔に複数設けられ且つ中心部に軸孔(21a)が形成されたロータコア(21)と、該ロータコア(21)の軸孔(21a)に焼き嵌め固定され且つ軸方向に延びるキー溝(30a)が内周面に形成された円筒状のスリーブ(30)と、該スリーブ(30)の筒内に挿通され且つ該キー溝(30a)にキー(31)が嵌め込まれることで該スリーブ(30)及び該ロータコア(21)と一体的に回転する回転軸(35)とを備えた磁石埋込型モータの回転子であって、
    前記ロータコア(21)には、前記磁極構成部(25)が4極設けられ、
    前記磁極構成部(25)は、極中心位置に設けられたブリッジ(26)によって幅方向に分割された一対の磁石挿入孔(27)に対して前記磁石(28)がそれぞれ埋め込まれることで構成され、
    前記スリーブ(30)のキー溝(30a)は、前記ブリッジ(26)と前記ロータコア(21)の回転中心(O)とを結ぶ中心線上に配置されていることを特徴とする磁石埋込型モータの回転子。
  3. 請求項1又は2において、
    前記一対の磁石挿入孔(27)は、軸方向から見て矩形状に形成され且つ互いに直線状又はV字状に配列されていることを特徴とする磁石埋込型モータの回転子。
  4. 請求項1又は2において、
    前記一対の磁石挿入孔(27)は、軸方向から見て円弧状に形成されていることを特徴とする磁石埋込型モータの回転子。
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