JP5972957B2 - クランクシャフトの製造方法 - Google Patents

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本発明は、複数の金型間にワークを移動して、順次、複数の鍛造工程を行う鍛造技術に関する。
従来、複数の鍛造工程を順次行い、ビレットからクランクシャフトを製造するクランクシャフトの製造技術が知られている(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
特許文献1の技術を図面に基づいて以下に説明する。
図11(a)に示されるように、クランクシャフトを成形する第1工程用金型100は、中央部におけるバリ成形部のギャップg10が、軸端部におけるバリ成形部のギャップg11よりも小さい。中央部のギャップg10が小さい第1工程用金型100を用いることで、クランクシャフト中央部の形状が成形される。
図11(b)に示されるように、第2工程用金型101は、中央部におけるバリ成形部のギャップg12が、軸端部におけるバリ成形部のギャップg13よりも大きい。軸端部のギャップg13が小さい第2工程用金型101を用いることで、クランクシャフトの軸端部の形状が成形される。
第1工程では、中央部のギャップg10が小さい第1工程用金型100を用いることで、軸方向への材料流動が促進される。軸端部を成形する際は、軸端部のギャップg13が小さい第2工程用金型101を用いることで、軸端部のウェイト部への材料充填が促進され、材料の歩留まりが向上する。また、中央部のギャップが大きく、中央部のバリは移動が制限されないため、成形荷重の上昇が抑えられる。
しかし、中央部のギャップが大きいため、軸端部から中央部への材料流動が起こり、第1工程で成形したクランクシャフト中央部の形状に影響がでる。このため、寸法精度が確保できるとともに、材料の歩留まりの向上を図り、成形荷重の上昇を抑えることができるクランクシャフトの製造方法が求められている。
特開平2−55636号公報
本発明は、寸法精度が確保できるとともに、材料の歩留まりの向上を図り、成形荷重の上昇を抑えることができるクランクシャフトの製造方法を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、棒状のビレットから、ピン部の一方端にウェイト部を有するクランクシャフトを製造するクランクシャフトの製造方法であって、潰し成形工程、第1荒成形工程、第2荒成形工程、仕上げ成形工程を、前記ビレットに対して順次行い、前記潰し成形工程では、第1金型で前記ビレットに対し、前記クランクシャフトの中央バランスウェイト近傍に相当する部分に、前記第1金型に設けた突起部を食い込ませて前記ビレットの軸方向の体積配分を行うとともに、前記中央バランスウェイトに隣接するジャーナル部近傍で、前記第1金型に第1のバリ止め部を設け、軸方向へ材料を流動させることで第1中間体を取得し、前記第1荒成形工程では、前記中央バランスウェイトの近傍で、第2金型に第2のバリ止め部を設けるとともに、前記第2金型で第1中間体に対し、前記中央バランスウェイトを略クランクシャフト素材形状に成形することで第2中間体を取得し、前記第2荒成形工程では、軸端側の前記ウェイト部近傍で、第3金型に第3のバリ止め部を設けるとともに、第3金型で第2中間体に対し、前記中央バランスウェイト近傍のバリを幅方向に展伸自在とし、軸端側の前記ウェイト部を略クランクシャフト素材形状に成形することで第3中間体を取得し、前記仕上げ成形工程では、第4金型で第3中間体に対し、クランクシャフト素材形状に仕上げ成形するとともに、全周にわたってバリを展伸自在としたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、第1荒成形工程では、第2金型における上型と下型のバリ成形部のギャップを、中央バランスウェイト近傍のみ、その他の領域より小さく設定し、第2荒成形工程では、第3金型における中央バランスウェイト近傍のバリ成形部のギャップは、第1荒成形における中央バランスウェイト近傍のバリ成形部のギャップと略同等以下とし、軸端側のウェイト部近傍におけるバリ成形部のギャップを、第1荒成形工程における中央バランスウェイト近傍のバリ成形部のギャップと略同等以上とし、仕上げ成形工程におけるバリ成形部のギャップを、バリ成形部全周にわたり同一としたことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、第1荒成形工程では、ギヤシャフト側の軸部近傍で、第2金型にバリ止めを設けたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、潰し成形工程及び第1荒成形工程では、バリ止め部まで材料が流動するのは中央側のみの設定としたので、中央側の形状部に材料を充填することができる。また、仮に、バリ成形部の全周にわたりバリ止めを設けると、通常であれば材料の移動が制限されるため、成形荷重が上昇する。この点、本発明の潰し成形工程及び第1荒成形工程では、バリ止め部まで材料が流動するのは中央側にのみの設定としたので、全周にわたりバリ止めを設けたとしても、材料の移動が中央側以外では制限されず、成形荷重の上昇を抑えることができる。
第2荒成形工程では、軸端側にのみバリ止め部を設けたので、軸端側の形状部に材料を充填することができる。加えて、軸端側にのみバリ止め部を設けたので、成形荷重の上昇を抑えることができる。このように、材料を充填する部分に応じてバリ止め部を設け、最適な材料配分を行うので、材料歩留まりを向上させることができる。仕上げ成形工程では、全周にわたってバリ止め部を設けずにバリを展伸自在としたので、軸端側から中央側への材料流動が抑制される。このため、中央側及び軸端側の形状を維持することができる。すなわち、寸法精度が確保できるとともに、材料の歩留まりの向上を図り、成形荷重の上昇を抑えることができる。
請求項2に係る発明では、第1荒成形工程では、第2金型における上型と下型のバリ成形部のギャップを、中央バランスウェイト近傍のみ、その他の領域より小さく設定したので、中央側の形状部に材料を充填することができる。また、仮に、ギャップを全周にわたり小さくすると、材料の移動が制限されるため、成形荷重が上昇する。この点、本発明の第1荒成形工程では、第2金型における上型と下型のバリ成形部のギャップを、中央バランスウェイト近傍のみ、その他の領域より小さく設定したので、材料の移動が部分的に制限されず、成形荷重の上昇を抑えることができる。
第2荒成形工程では、中央バランスウェイト近傍のギャップは、第1荒成形における中央バランスウェイト近傍のギャップと略同等以下とし、軸端側のウェイト部近傍のギャップを、第1荒成形工程における中央バランスウェイト近傍のギャップと略同等以上とした。このため、中央側の形状を維持しつつ、軸端側のに材料を充填することできる。仕上げ成形工程におけるバリ成形部のギャップを、バリ成形部全周にわたり同一としたので、軸端側と中央側との相互間の材料流動が抑制され、一旦成形した形状を維持することができる。
このように、バリ止め部の位置と、バリ厚を適宜設けることで、必要部位に材料が充填され、寸法精度が確保できるとともに、工程を適宜配分することで荷重の必要以上の上昇を抑制することができる。さらに、素材を軸方向、幅方向に最適配分できるため、材料の歩留まりが向上し、生産性を向上させることができる。
請求項3に係る発明では、第1荒成形工程では、ギヤシャフト側の軸部近傍で、第2金型にバリ止めを設けたので、ギヤシャフト側の軸部に材料を良好に充填することができる。
本発明に係る鍛造成形金型の全体及び搬送装置を説明する図である。 図1の2−2矢視図である。 クランクシャフトの平面図である。 潰し成形工程を説明する図である。 潰し成形工程後の状態を説明する図である。 第1荒成形工程を説明する図である。 第1荒成形工程後の状態を説明する図である。 第2荒成形工程を説明する図である。 第2荒成形工程後の状態を説明する図である。 仕上げ成形工程を説明する図である。 従来技術の基本原理を説明する図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
先ず、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、鍛造成形装置10は、潰し成形工程用の第1金型11,12、第1荒成形工程用の第2金型13,14、第2荒成形工程用の第3金型15,16、仕上げ成形工程用の第4金型17,18及びワークの搬送装置31とからなる。
第1潰し成形工程用の第1金型11,12は、上型11と、下型12とからなる。第2潰し成形工程用の第2金型13,14は、上型13と、下型14とからなる。荒成形工程用の第3金型15,16は、上型15と、下型16とからなる。仕上げ成形工程用の第4金型17,18は、上型17と、下型18とからなる。
上型11,13,15,17は、ラムプレート21に設けられており、昇降手段(型締め手段)によってラムプレート21と共に昇降する。下型12,14,16,18はボルスタ22に設けられている。搬送装置31は、搬送装置本体32からアーム33が延ばされ、このアーム33の先端にワーク保持部34が設けられている。ワーク保持部34は、軸35を中心にして回転可能であり、ワークの姿勢を維持したまま搬送し次工程の下型14に配置することができる。
なお、搬送装置31は、ワークを所定の角度回転させて搬送し次工程の下型14に配置することができる。また、便宜上、搬送装置31を第1金型11,12と第2金型13,14との間にのみ図示したが、第2金型13,14、第3金型15,16及び第4金型17,18の間にも設置されている。さらには、搬送装置31は、実施例に示した構成に限定されず、ワークを次工程の金型に搬送できれば他の構成であっても差し支えない。
図2に示されるように、第1金型(下型)12、第2金型(下型)14、第3金型(下型)16、第4金型(下型)18が順に配置されている。第1金型12、第2金型14、第3金型16、第4金型18には、クランクシャフトの軸(長手方向)が横並びになるように成形面12a,14a,16a,18aが設けられている。
次にクランクシャフトについて説明する。
図3に示されるように、クランクシャフト50は、エンジンに保持され軸として機能するジャーナル部51と、ジャーナル部51から軸直角方向に延びるクランクアーム52と、このクランクアーム52の先端部に設けられコネクティングロッドが接続されるピン部53とを備える。
さらにクランクシャフト50は、ピストン及びコネクティングロッドの運動による慣性力を緩和する軸中央側の中央バランスウェイト54と、ピストン及びコネクティングロッドの運動による慣性力を緩和する軸端部側のウェイト部55とを備える。軸端部側のウェイト部55は、ピン部53の一方端に設けられている。
以上に述べた鍛造成形装置10の作用を説明する。
図1、図4に示されるように、鍛造成形装置10の第1金型(下型)12に、出発材料となるビレット60をセットする。ビレット60は、下型12の成形面12aの図右側に寄せて配置する。(準備工程)
クランクシャフト50(図3参照)は、図右端部に体積の大きいギヤシャフト側の軸部を有する。このため、予めビレット60を成形面12aの図右側に配置することで、主に径方向への材料流動でクランクシャフト50の右端部を形成することができ、中央部より左側の材料を図左側へ流動させることができる。また、ビレット60は、材料を長手方向に流動させることで、軸方向の長さを短くすることができる。ビレット60の長さは、第1金型11,12の成形面11a,12aの長手方向の長さよりも短い。
次に潰し成形工程について説明する。
図4(a)に示されるように、第1金型11,12は、クランクシャフト50(図3参照)の長手方向に沿って、成形面11a,12aが設けられている。第1金型11,12は、クランクシャフト50の中央バランスウェイト54近傍を成形する部分に、突起部11b,12bが設けられている。第1金型11,12の上型11を矢印(1)のように移動させ、ビレット60をプレスする。
図4(b)に示されるように、突起部11b,12bが、矢印(2)のようにビレット60の中央側に食い込み始める。突起部11b,12bが、ビレット60の中央側に食い込むことで、ビレット60の軸端側の材料が押され、矢印(3)のように軸方向に流動する。このように、突起部11b,12bによって、ビレット60の軸方向の体積配分が行われる。
さらに、ビレット60をプレスすることで、図5(a)、図5(b)に示されるように、中央側が潰された第1中間体61を得る。
図5(b)に示されるように、第1金型11,12における上型11と下型12のバリ成形部12cのギャップは、中央バランスウェイト54近傍のみ、その他の領域より小さく設定されている。バリ成形部12cの一部には、バリ62が形成されている。
図5(c)に示されるように、中央バランスウェイト54近傍のバリ成形部12cのギャップはL1である。例えば、L1=12.0mmである。また、中央バランスウェイト54に隣接するジャーナル部51近傍で、第1金型11,12に第1のバリ止め部12dが設けられている。
図5(d)に示されるように、軸端側のウェイト部55近傍のバリ成形部12cのギャップはL2である。例えば、L2=20.0mmである。また、軸端側のウェイト部55近傍では、バリ止め部まで材料が流動せず、バリ止めの効果を発揮しない。このため、潰し成形工程では、中央側の形状部に材料を良好に充填することができる。なお、ギャップL1、L2の値は、上記実施例の値に限定されず、ギャップL1、L2は、中央バランスウェイト54近傍のみ、その他の領域より小さく設定されていればL1=10mm、L2=18mmなど他の値であっても差し支えない。
次に第1荒成形工程について説明する。
図6(a)に示されるように、第2金型13,14は、クランクシャフト50(図3参照)の長手方向に沿って、成形面13a,14aが設けられている。第2金型13,14の上型13を矢印(4)のように移動させ、第1中間体61をプレスする。
図6(b)に示されるように、第2金型13,14の突起部13b、14bが、矢印(5)のように第1中間体61の中央側及び軸端側に食い込む。
図6(c)に示されるように、中央バランスウェイト54近傍で、第2金型13,14に第2のバリ止め部14dが設けられている。このため、中央側のバリ成形部14cに流動したバリ(材料)72は、第2のバリ止め部14dで止められる。このため、中央側に材料が充填されるとともに、図6(d)に示されるように、中央側から軸端側へ矢印(7)ように材料流動が促進される。第2のバリ止め部14dによって、第1中間体61の軸方向の体積配分が行われるとともに、中央側の形状部に材料が充填される。
さらに、第1中間体61をプレスすることで、図7(a)、図7(b)に示されるように、中央側及び軸端側が潰された第2中間体71を得る。第2中間体71は、中央バランスウェイト54部分が略クランクシャフト素材形状に成形されている。
図7(b)に示されるように、第2金型13,14おける上型13と下型14のバリ成形部14cのギャップは、中央バランスウェイト54近傍のみ、その他の領域より小さく設定されている。
図7(c)に示されるように、中央バランスウェイト54近傍のバリ成形部14cのギャップはL3である。例えば、L3=4.0mmである。前述したが、中央バランスウェイト54の近傍で、第2金型13,14に第2のバリ止め部14dが設けられている。
図7(d)に示されるように、軸端側のウェイト部55近傍のバリ成形部14cのギャップはL4である。例えば、L4=12.0mmである。また、軸端側のウェイト部55近傍では、バリ止め部まで材料が流動せず、バリ止めの効果を発揮しない。このため、第1荒成形工程では、中央側の形状部に材料を良好に充填することができる。なお、ギャップL3、L4の値は、上記実施例の値に限定されず、ギャップL3、L4は、中央バランスウェイト54近傍のみ、その他の領域より小さく設定されていればL3=4.5mm、L4=14mmなど他の値であっても差し支えない。
また、第1荒成形工程では、第1中間体61のギヤシャフト側の軸部近傍で、第2金型13,14にバリ止めを設けた。このため、ギヤシャフト側の軸部に材料を良好に充填することができる。
次に第2荒成形工程について説明する。
図8(a)に示されるように、第3金型15,16は、クランクシャフト50(図3参照)の長手方向に沿って、成形面15a,16aが設けられている。第3金型15,16の上型15を矢印(8)のように移動させ、第2中間体71をプレスする。
図8(b)に示されるように、第2中間体71は、プレスされることで成形面15a,16aの形状に近似した形状となる。
図8(c)に示されるように、中央バランスウェイト54近傍には、バリ止め部がもうけられていない。このため、中央バランスウェイト54近傍のバリ82を幅方向に展伸自在とでき、図8(c)及び図8(e)に示されるように、第2中間体71のバリ82は、矢印(9)のようにバリ成形部16cから外部へ流れる。結果、成形荷重を軽減することができる。
図8(d)に示されるように、軸端側のウェイト部55近傍で、第3金型15,16に第3のバリ止め部16dが設けられている。このため、軸端側のウェイト部55近傍のバリ成形部16cに流動したバリ(材料)82は、第3のバリ止め部16dで止められる。このため、軸端側に材料が充填されるとともに、図8(e)に示されるように、軸端側へ矢印(10)ように材料流動が促進される。
さらに、第2中間体71をプレスすることで、図9(a)、図9(b)に示されるように、略クランクシャフト素材形状に成形された第3中間体81を得る。第3中間体81は、軸端側のウェイト部55も略クランクシャフト素材形状に成形されている。
図9(b)に示されるように、第3金型15,16おける上型15と下型16のバリ成形部16cについては、中央バランスウェイト54近傍のバリ成形部16cのギャップは、第1荒成形工程の第2金型13,14(図7参照)における中央バランスウェイト54近傍のバリ成形部14cのギャップと略同等以下に設定されている。
また、第3金型15,16の軸端側のウェイト部55近傍におけるバリ成形部16cのギャップは、第1荒成形工程の第2金型13,14における中央バランスウェイト54近傍のバリ成形部14cのギャップと略同等以上に設定されている。
図9(c)に示されるように、中央バランスウェイト54近傍のバリ成形部16cのギャップはL5である。例えば、L5=4.0mmである。前述したが、中央バランスウェイト54の近傍で、第3金型15,16にバリ止め部がもうけられていない。
図9(d)に示されるように、軸端側のウェイト部55近傍のバリ成形部16cのギャップはL6である。例えば、L6=4.5mmである。前述したが、軸端側のウェイト部55近傍には、第3のバリ止め部16dが設けられている。このため、第2荒成形工程では、軸端側の形状部に材料を良好に充填することができる。なお、ギャップL5、L6の値は、上記実施例の値に限定されず、他の値であっても差し支えない。
次に仕上げ成形工程について説明する。
図10(a)に示されるように、第4金型17,18は、クランクシャフト50の長手方向に沿って、成形面17a,18aが設けられている。第4金型17,18の上型17を移動させ、第3中間体81をプレスする。
図10(b)に示されるように、第3中間体81は、プレスされることでクランクシャフト素材形状となる。
図10(c)に示されるように、クランクシャフト50の全周にわたってバリ56を展伸自在としている。このため、図10(d)及び図10(e)に示されるように、クランクシャフト50素材形状のバリ56は、バリ成形部18cから外部へ流れる。
また、第4金型17,18おける上型17と下型18のバリ成形部18cのギャップは、バリ成形部18c全周にわたり同一に設定されている。詳細には、図10(d)に示されるように、中央バランスウェイト54近傍のバリ成形部18cのギャップはL7である。例えば、L7は、3.5mm〜4.0mmである。
図10(e)に示されるように、軸端側のウェイト部55近傍のバリ成形部18cのギャップはL8である。例えば、L8=3.5mm〜4.0mmである。バリ56がバリ成形部18cの外部へ流れ、成形荷重を低減することができる。また、バリ成形部18cのギャップが全周にわたり同一に設定されているので、軸端側と中央側との相互間の材料流動が抑制され、一旦成形した形状を維持することができる。
潰し成形工程、第1荒成形工程、第2荒成形工程、仕上げ成形工程における、バリ成形部のギャップと、バリ止め部の有無は以下の表1に示す通りである。なお、表1中、バリ止め部が有る場合を○とし、バリ止め部が無い場合を×とする。ただし、潰し成形工程及び第1荒成形工程における軸端側のバリ止め部は、材料がバリ止め部まで流動せず、効果を発揮しないことを意味する。
Figure 0005972957
潰し成形工程及び第1荒成形工程では、中央側のギャップが小さく、中央側にバリ止め部が設けられている。このため、先に中央側の形状を成形するとともに、軸端側に材料を流動させることができる。
第2荒成形工程では、中央側と軸端側のギャップが同等であり且つ第1荒成形工程よりも小さく設定されている。また、軸端側にバリ止め部が設けられている。このため、後から軸端側の形状を成形するとともに、軸端側から中央側への材料流動を抑制することができ、先に成形した中央側の形状を維持することができる。
仕上げ成形工程では、中央側と軸端側のギャップが同等であり、バリ成形部全周にわたりバリ止め部が設けられていない。このため、中央側及び軸端側の形状を維持したまま仕上げ成形を行うことができる。また、潰し成形工程、第1荒成形工程、第2荒成形工程、仕上げ成形工程のいずれの工程も、全周にわたりバリ止め部が形成された状態ではないため、成形荷重を低減することができる。
尚、以上に説明したクランクシャフトの製造方法の適用は、実施例のクランクシャフト形状に限定されず、3気筒用のクランクシャフトでもよく、他の形状のクランクシャフトであっても差し支えない。
本発明のクランクシャフトの製造方法は、複数の金型間にワークを移動して、順次、複数の鍛造工程を行うクランクシャフトの鍛造に好適である。
10…鍛造成形装置、11…上型(第1金型)、12…下型(第1金型)、11b,12b…突起部、12c,14c,16c,18c…バリ成形部、12d…第1のバリ止め部、13…上型(第2金型)、14…下型(第2金型)、14d…第2のバリ止め部、15…上型(第3金型)、16…下型(第3金型)、16d…第3のバリ止め部、17…上型(第4金型)、18…下型(第4金型)、50…クランクシャフト、51…ジャーナル部、53…ピン部、54…中央バランスウェイト、55…軸端側のウェイト部、60…ビレット、61…第1中間体、71…第2中間体、81…第3中間体。

Claims (3)

  1. 棒状のビレットから、ピン部の一方端にウェイト部を有するクランクシャフトを製造するクランクシャフトの製造方法であって、
    潰し成形工程、第1荒成形工程、第2荒成形工程、仕上げ成形工程を、前記ビレットに対して順次行い、
    前記潰し成形工程では、第1金型で前記ビレットに対し、前記クランクシャフトの中央バランスウェイト近傍に相当する部分に、前記第1金型に設けた突起部を食い込ませて前記ビレットの軸方向の体積配分を行うとともに、
    前記中央バランスウェイトに隣接するジャーナル部近傍で、前記第1金型に第1のバリ止め部を設け、軸方向へ材料を流動させることで第1中間体を取得し、
    前記第1荒成形工程では、前記中央バランスウェイトの近傍で、第2金型に第2のバリ止め部を設けるとともに、
    前記第2金型で第1中間体に対し、前記中央バランスウェイトを略クランクシャフト素材形状に成形することで第2中間体を取得し、
    前記第2荒成形工程では、軸端側の前記ウェイト部近傍で、第3金型に第3のバリ止め部を設けるとともに、
    第3金型で第2中間体に対し、前記中央バランスウェイト近傍のバリを幅方向に展伸自在とし、
    軸端側の前記ウェイト部を略クランクシャフト素材形状に成形することで第3中間体を取得し、
    前記仕上げ成形工程では、第4金型で第3中間体に対し、クランクシャフト素材形状に仕上げ成形するとともに、
    全周にわたってバリを展伸自在としたことを特徴とするクランクシャフトの製造方法。
  2. 前記第1荒成形工程では、前記第2金型における上型と下型のバリ成形部のギャップを、前記中央バランスウェイト近傍のみ、その他の領域より小さく設定し、
    前記第2荒成形工程では、前記第3金型における中央バランスウェイト近傍のバリ成形部のギャップは、前記第1荒成形における中央バランスウェイト近傍のバリ成形部のギャップと略同等以下とし、
    軸端側の前記ウェイト部近傍におけるバリ成形部のギャップを、前記第1荒成形工程における前記中央バランスウェイト近傍のバリ成形部のギャップと略同等以上とし、
    前記仕上げ成形工程におけるバリ成形部のギャップを、バリ成形部全周にわたり同一としたことを特徴とする請求項1記載のクランクシャフトの製造方法。
  3. 前記第1荒成形工程では、ギヤシャフト側の軸部近傍で、前記第2金型にバリ止めを設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のクランクシャフトの製造方法。
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