以下に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3を参照して、コンバインの全体構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。図1〜図3に示す如く、走行部としての左右一対の走行クローラ2にて支持された走行機体1を備える。走行機体1の前部には、穀稈を刈取りながら取込む刈取装置3が、単動式の昇降用油圧シリンダ4によって刈取回動支点軸4a回りに昇降調節可能に装着される。走行機体1には、扱胴6を有する脱穀装置5と、該脱穀装置5から取出された穀粒を貯留する穀物タンク7とが横並び状に搭載される。なお、脱穀装置5が走行機体1の前進方向左側に、穀物タンク7が走行機体1の前進方向右側に配置される。走行機体1の後部に旋回可能な排出オーガ8が設けられ、穀物タンク7の内部の穀粒が、排出オーガ8の籾投げ口9からトラックの荷台またはコンテナ等に排出されるように構成されている。刈取装置3の右側方で、穀物タンク7の前側方には、運転キャビン10が設けられている。
運転キャビン10内には、操縦ハンドル11と、運転座席12と、主変速レバー43と、副変速レバー44と、脱穀クラッチ及び刈取クラッチを入り切り操作する作業クラッチレバー45とを配置している。なお、運転キャビン10には、オペレータが搭乗するステップと、操縦ハンドル11を設けたハンドルコラム46と、前記各レバー43,44,45を設けたレバーコラム47とが配置されている。穀物タンク7の後方の走行機体1上には、動力源としてのディーゼルエンジン14が配置されている。
図1、図3に示す如く、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム21を配置している。トラックフレーム21には、走行クローラ2にエンジン14の動力を伝える駆動スプロケット22と、走行クローラ2のテンションを維持するテンションローラ23と、走行クローラ2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ24と、走行クローラ
2の非接地側を保持する前後の中間ローラ25とを設けている。駆動スプロケット22によって走行クローラ2の前側を支持し、テンションローラ23によって走行クローラ2の後側を支持し、トラックローラ24によって走行クローラ2の接地側を支持し、中間ローラ25によって走行クローラ2の非接地側を支持する。
図1〜図3に示す如く、刈取装置3は、脱穀装置5前部の扱口5aに連通したフィーダハウス51と、フィーダハウス51の前端に連設された横長バケット状の穀物ヘッダー52とを備える。穀物ヘッダー52内に掻込みオーガ53(プラットホームオーガ)を回転可能に軸支する。掻込みオーガ53の前部上方にタインバー付き掻込みリール54を配置する。穀物ヘッダー52の前部にバリカン状の刈刃55を配置する。穀物ヘッダー52前部の左右両側に左右の分草体56を突設する。また、フィーダハウス51に供給コンベヤ57を内設する。なお、フィーダハウス11の下面部と走行機体1の前端部とが昇降用油圧シリンダ4を介して連結され、刈取回動支点軸4a(刈取入力軸であるフィーダハウスコンベヤ軸)を昇降支点として、刈取装置3が昇降用油圧シリンダ4にて昇降動する。
上記の構成により、左右の分草体56間の未刈り穀稈の穂先側が掻込みリール54にて掻込まれ、未刈り穀稈の稈側が刈刃55にて刈取られ、掻込みオーガ53の回転駆動によって、穀物ヘッダー52の左右幅の中央部寄りのフィーダハウス51入口付近に刈取穀稈が集められる。穀物ヘッダー52の刈取穀稈の全量は、供給コンベヤ57によって搬送され、脱穀装置5の扱口5aに投入されるように構成している。
また、図2、図4に示す如く、フィーダハウス51の前部に左右傾斜調節支点軸58を介して穀物ヘッダー52を左右傾斜調節可能に連結している。穀物ヘッダー52を左右傾斜調節支点軸58回りに回動させる左右傾斜調節用油圧ローリングシリンダ59を備え、穀物ヘッダー52の左右方向の傾斜角度をローリングシリンダ59にて調節して、穀物ヘッダー52、及び刈刃55、及び掻込みリール54を圃場面に対して水平に支持する。
また、図1〜図3に示す如く、脱穀装置5の扱室内に扱胴6を回転可能に設ける。走行機体1の前後方向に延長させた扱胴軸71に扱胴6を軸支する。扱胴6の下方側には、穀粒を漏下させる受網74を張設する。なお、扱胴6前部の外周面には、螺旋状のスクリュー羽根状の取込み羽根が半径方向外向きに突設されている。
上記の構成により、扱口5aから投入された刈取穀稈は、扱胴6の回転にて走行機体1の後方に向けて搬送されながら、扱胴6と受網74との間などにて混練されて脱穀される。受網74の網目よりも小さい穀粒等の脱穀物は受網74から漏下する。受網74から漏下しない藁屑等は、扱胴6の搬送作用によって、脱穀装置5後部の排塵口73から圃場に排出される。
なお、扱胴6の上方側には、扱室内の脱穀物の搬送速度を調節する複数の送塵弁(図示省略)を回動可能に枢着する。前記送塵弁の角度調整によって、扱室内の脱穀物の搬送速度(滞留時間)を、刈取穀稈の品種や性状に応じて調節できる。一方、脱穀装置5の下方に配置された穀粒選別機構75として、グレンパン及びチャフシーブ及びグレンシーブ及びストローラック等を有する比重選別用の揺動選別盤76を備える。
また、穀粒選別機構75として、揺動選別盤76に選別風を供給する唐箕ファン77等を備える。扱胴6にて脱穀されて受網74から漏下した脱穀物は、揺動選別盤76の比重選別作用と唐箕ファン77の風選別作用とにより、穀粒(精粒等の一番物)、穀粒と藁の混合物(枝梗付き穀粒等の二番物)、及び藁屑等に選別されて取出されるように構成する。
揺動選別盤76の下側方には、穀粒選別機構75として、一番コンベヤ機構78及び二番コンベヤ機構79を備える。揺動選別盤76及び唐箕ファン77の選別によって、揺動選別盤76から落下した穀粒(一番物)は、一番コンベヤ機構78及び揚穀コンベヤ80によってグレンタンク7に収集される。穀粒と藁の混合物(二番物)は、二番コンベヤ機構79及び二番還元コンベヤ81等を介して扱胴6の脱穀始端側に戻され、扱胴6によって再脱穀される。藁屑等は、走行機体1後部の排塵口73から圃場に排出されるように構成する。
次に、図4〜図7を参照して、ディーゼルエンジン14と、連続再生式の排気ガス浄化装置61(ディーゼルパティキュレートフィルタ)としての排気ガス浄化ケース62並びにその取付け構造について説明する。図7に示す如く、排気ガス浄化装置61は、ディーゼルエンジン14の排気ガスを導入する連続再生式の排気ガス浄化ケース62を備えている。排気ガス浄化ケース62は、入口側ケース63と、出口側ケース64を有する。
また、入口側ケース63と出口側ケース64の内部に、二酸化窒素(NO2)を生成する白金等のディーゼル酸化触媒65(ガス浄化体)と、捕集した粒子状物質(PM)を比較的低温で連続的に酸化除去するハニカム構造のスートフィルタ66(ガス浄化体)とを、排気ガスの移動方向に直列に配置している。入口側ケース63及び出口側ケース64に内蔵したディーゼル酸化触媒65とスートフィルタ66によって、ディーゼルエンジン14の排気ガス中の粒子状物質(PM)の除去に加え、排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を低減するように構成している。
さらに、図4〜図7に示す如く、入口側ケース63に排気ガス入口管としての浄化入口管86を溶接固定すると共に、出口側ケース64に排気ガス出口管としてのテールパイプ87を連結する。ディーゼルエンジン14の排気ガスが浄化入口管86から排気ガス浄化ケース62内に導入され、排気ガス浄化ケース62内の排気ガスが、テールパイプ87から機外に放出されるように構成している。なお、入口側ケース63と出口側ケース64は、複数組の厚板状中間フランジ体88と複数本のボルト89にて着脱可能に締結されている。
上記の構成により、ディーゼル酸化触媒65の酸化作用によって生成された二酸化窒素(NO2)が、スートフィルタ66内に一側端面(取入れ側端面)から供給される。ディーゼルエンジン14の排気ガス中に含まれた粒子状物質(PM)は、スートフィルタ66に捕集されて、二酸化窒素(NO2)によって連続的に酸化除去される。ディーゼルエンジン14の排気ガス中の粒状物質(PM)の除去に加え、ディーゼルエンジン14の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)の含有量が低減される。
次いで、図4〜図6に示す如く、穀物タンク7後方の走行機体1上に機体フレームとしてのエンジンルームフレーム91を立設し、エンジンルームフレーム91にてエンジンルーム92を形成している。走行機体1上面側にディーゼルエンジン14を載置し、エンジンルーム92内部の下方側にディーゼルエンジン14を内設すると共に、エンジンルーム92内部のうちディーゼルエンジン14の上側方に水冷用ラジエータ93などを内設する。即ち、ディーゼルエンジン14と、ディーゼルエンジン14の水冷用ラジエータ93とを、縦長形状のエンジンルーム92内部に上下二段構造に配置している。
また、ディーゼルエンジン14と水冷用ラジエータ93の右側と背面側と上面側がエンジンルームフレーム91にて囲まれ、エンジンルームフレーム91の右側外方からエンジンルーム92内部に水冷用外気を取込む一方、ディーゼルエンジン14と水冷用ラジエータ93を冷却した後の暖気が、エンジンルームフレーム91(エンジンルーム92)に隣接した作業部としての脱穀装置5に向けて排出されるように構成している。
さらに、図4〜図6に示す如く、エンジンルーム92(ディーゼルエンジン14設置部)に隣接した脱穀装置5後部の右側面と平行に、機体フレームとしてのエンジンルームフレーム91のうち左側上面フレーム94を前後方向に延設させている。排気ガス浄化装置61の設置部としての前後の横桟フレーム95を左側上面フレーム94に連結する。左側上面フレーム94に横桟フレーム95を介して排気ガス浄化装置61が配置されている。即ち、ディーゼルエンジン14が載置されるエンジンルームフレーム91の上側面に、左側上面フレーム94に横桟フレーム95を介して排気ガス浄化装置61を配置し、排気ガス浄化装置61の下面側に浄化入口管86(排気ガス取入れ口)を下向きに開口させている。
また、図4〜図6に示す如く、入口側ケース63の前面側に前の支持枠体96の上端側をボルト締結し、出口側ケース64の後面側に後の支持枠体96の上端側をボルト締結し、排気ガス浄化装置61の前後に上置き固定具としての前後の支持枠体96の上端側を着脱可能に締結している。一方、左側上面フレーム94(横桟フレーム95)の上側面に前後の支持枠体96の下端側を当接させ、左側上面フレーム94(横桟フレーム95)の上面側に前後の支持枠体96の下端側を着脱可能に締結している。換言すると、エンジンルーム92の上側面に排気ガス浄化装置61の設置部(左側上面フレーム94、横桟フレーム95)を形成し、エンジンルーム92上側面の左側上面フレーム94または横桟フレーム95に前後の支持枠体96を介して前記排気ガス浄化装置61を載置している。
即ち、左側上面フレーム94(横桟フレーム95)の上側面に上方から前後の支持枠体96を当接させて締結するもので、排気ガス浄化装置61の外側面のうち排気ガス移動方向に間隔を設けて前後の支持枠体96(複数の上置き固定具)の上端側を連結させると共に、エンジンルーム92上側面の左側上面フレーム94(横桟フレーム95)に前後の支持枠体96の下端側を着脱可能に締結している。その結果、左側上面フレーム94(横桟フレーム95)を介して、エンジンルームフレーム91に排気ガス浄化ケース62の中間部が横置き姿勢(前後向き姿勢)に上載固着される。ディーゼルエンジン14が設置されるエンジンルーム92部の上面のうち、ディーゼルエンジン14設置部に隣接した脱穀装置5の右側部寄りの上面に、前後の支持枠体96を介して排気ガス浄化装置61が配置される。
さらに、図5〜図7に示す如く、排気ガス浄化ケース62前端側の排気ガス供給側のうち、排気ガス浄化ケース62の下面側に排気ガス取入れ口としての浄化入口管86を下向き姿勢に設け、排気ガス浄化装置61の下面側に浄化入口管86を下向きに開口させたものであり、ディーゼルエンジン14の上面側に向けて浄化入口管86を開口している。また、出力軸111を左右方向に向けて走行機体1に搭載したエンジン14の前面側上部に、排気マニホールド112と過給機113を配置している。浄化入口管86に折曲可能な蛇腹状排気管114を介して排気連結管115の一端側を連結する一方、過給機113の排気出口管116に排気連結管115の他端側を連結している。
上記の構成により、排気マニホールド112に過給機113と排気連結管115などを介して排気ガス浄化ケース62が連通接続される。図4に示す如く、脱穀装置5後部の右側方において、脱穀装置5右側面寄りのエンジンルームフレーム91上面側に形成されるスペースに、前後方向に長い円筒形状(横置き姿勢)の排気ガス浄化ケース62が配置される。排気マニホールド112、過給機113、排気出口管116、排気連結管115、蛇腹状排気管114を介して、ディーゼルエンジン14の排気ガスが排気ガス浄化ケース62の入口側ケース62内に導入される。ディーゼルエンジン14の排気ガスは、排気ガス浄化ケース62前部のディーゼル酸化触媒65から、排気ガス浄化ケース62後部のスートフィルタ66に移動して、脱穀装置5(エンジンルーム92)の後側方に向けてテー
ルパイプ83から大気中に放出される。
また、脱穀装置5寄りのエンジンルームフレーム91上面に、排気ガス浄化ケース62が配置される。即ち、前記排出オーガ8下面高さよりも排気ガス浄化ケース62上面高さを低く形成し、脱穀装置5上面高さよりも排気ガス浄化ケース62下面高さを高く形成している。収納位置(収穫作業姿勢)の前記排出オーガ8底面よりも低い位置に排気ガス浄化ケース62が支持される。したがって、前記排出オーガ8が収納位置または機外側方の穀粒排出位置のいずれに移動しても、排出オーガ8が排気ガス浄化ケース62などに衝突することがないから、穀物タンク7の穀粒排出作業において、機体内外に排出オーガ8を容易に旋回移動できる。
一方、図4、図7に示す如く、排気ガス浄化装置61の前面側と後面側に前後の吊下げ金具体121,122をそれぞれ設けている。したがって、前記コンバインの組立工場などにおいて、例えばチェンブロックまたはホイストなどの荷役吊下げ装置のフックに吊下げ金具体121,122を係止させ、前記チェンブロックなどに吊下げ金具体121,122を介して排気ガス浄化装置61を吊下げることができ、重い排気ガス浄化装置61の組付けまたは取外し等の作業を簡単に実行できる。なお、排気ガス浄化ケース62の後端側にテールパイプ83を連結するための厚板状後端フランジ体123に、吊下げ金具体122を一体的に形成している。
即ち、排気ガス浄化装置の設置部としての左側上面フレーム94または横桟フレーム95をエンジンルームフレーム91(機体フレーム)の一部として形成し、脱穀装置5(作業部)に隣接した左側上面フレーム94の上側面に、支持枠体96(上置き固定具)を介して排気ガス浄化装置61を配置し、脱穀装置5の右側面に対して排気ガス浄化装置61の排気ガス移動方向が平行になるように、円筒状の排気ガス浄化ケース62が横置き姿勢(前後向き姿勢)に左側上面フレーム94または横桟フレーム95に上載固着されている。
また、エンジンルーム92上側面のうち、脱穀装置5(作業部)寄りの上側面に排気ガス浄化装置61の設置部(左側上面フレーム94、横桟フレーム95)を形成し、左側上面フレーム94及び横桟フレーム95の上面側に、支持枠体96(上置き固定具)を介して、エンジンルーム92の上方側から排気ガス浄化装置61を組付けるように構成している。
また、厚板状後端フランジ体123にセンサブラケット124をボルト締結して、排気ガス浄化ケース62後端側の出口側ケース77の上面側にセンサブラケット124を突設する。排気ガス浄化ケース62後端部の上面側にセンサブラケット124を配置させる。電気配線コネクタを一体的に設けた差圧センサ125が、センサブラケット124の平坦な上面に取付けられる。排気ガス浄化ケース62の外側面にセンサブラケット124を介して差圧センサ125が配置される。
なお、差圧センサ125には、図示しない上流側センサ配管と下流側センサ配管の一端側がそれぞれ接続される。排気ガス浄化ケース62内のスートフィルタ66を挟むように、排気ガス浄化ケース62に配置された上流側と下流側の各センサ配管ボス体に、上流側と下流側の前記各センサ配管の他端側がそれぞれ接続される。
したがって、スートフィルタ66の流入側の排気ガス圧力と、スートフィルタ66の流出側の排気ガス圧力の差(排気ガスの差圧)が、差圧センサ122を介して検出される。スートフィルタ66に捕集された排気ガス中の粒子状物質の残留量が排気ガスの差圧に比例するから、スートフィルタ66に残留する粒子状物質の量が所定以上に増加したときに
、差圧センサ125の検出結果に基づき、スートフィルタ66の粒子状物質量を減少させる再生制御(例えば排気温度を上昇させる制御)または警報表示などが実行される。
また、ディーゼル酸化触媒76の排気ガス取入れ側の排気温度を検出する上流側ガス温度センサ128と、ディーゼル酸化触媒65の排気ガス排出側の排気温度を検出する下流側ガス温度センサ130を備えると共に、上流側ガス温度センサ128の電気配線コネクタ129と、下流側ガス温度センサ130の電気配線コネクタ131を、センサブラケット124に固着する。排気ガス浄化ケース62内部の排気温度の検出結果(各センサ128,130出力)に基づき、その適否または警報表示などが実行される。
図1、図4〜図7に示す如く、ディーゼルエンジン14を搭載する走行機体1と、ディーゼルエンジン14の排気ガスを処理する排気ガス浄化装置61を備え、ディーゼルエンジン14の排気管としての排気出口管116に排気ガス浄化装置61の排気ガス取入れ口としての浄化入口管86を接続させる作業機搭載用エンジン装置において、ディーゼルエンジン14が設置されるエンジンルーム92を走行機体1上に形成する構造であって、エンジンルーム92の上側面に排気ガス浄化装置61の設置部としての左側上面フレーム94または横桟フレーム95を形成し、左側上面フレーム94または横桟フレーム95に上置き固定具としての支持枠体96を介して排気ガス浄化装置61を載置するように構成している。したがって、エンジンルーム92上側面の高位置に排気ガス浄化装置61を組付けることができる。排気ガス浄化装置61の設置スペースを容易に確保でき、エンジンルーム92容積または排気ガス浄化装置61容積が制限されることがない。また、排気ガス浄化装置61に供給される排気ガスの温度が低下しない(自己再生能力が低減しない)範囲内で、ディーゼルエンジン14から離間させた位置に排気ガス浄化装置61の設置部(左側上面フレーム94または横桟フレーム95)を形成でき、排気ガス浄化装置61の取付け構造を簡略化できる。さらに、ディーゼルエンジン14停止時に、排気ガス浄化装置61の放熱にてディーゼルエンジン14の周辺が高温になる弊害を低減できる。
図4〜図7に示す如く、排気ガス浄化装置61の外側面のうち排気ガス移動方向に間隔を設けて複数の支持枠体96の上端側を連結させると共に、エンジンルーム92上側面の左側上面フレーム94または横桟フレーム95に複数の支持枠体96の下端側を着脱可能に締結し、排気ガス浄化装置61の下面側に浄化入口管86を下向きに開口させている。したがって、左側上面フレーム94または横桟フレーム95に排気ガス浄化装置61を簡単な組立操作にて上載できる。また、前記ディーゼルエンジン14の排気マニホールド112に浄化入口管86を容易に接続でき、例えばディーゼルエンジン14の冷却風路を迂回して、ディーゼルエンジン14と浄化入口管86間に排気管(排気連結管115)を簡単に延設でき、排気ガス浄化装置61の温度管理などを簡略化できる。
図4〜図7に示す如く、ディーゼルエンジン14の上部または側部を囲む機体フレームとしてのエンジンルームフレーム91にてエンジンルーム92を形成すると共に、エンジンルーム82に作業部としての脱穀装置5を隣接させる構造であって、排気ガス浄化装置61の設置部(左側上面フレーム94または横桟フレーム95)をエンジンルームフレーム91の一部として形成し、脱穀装置5に隣接したエンジンルームフレーム91一側方の上側面に、支持枠体96を介して排気ガス浄化装置61を配置し、脱穀装置5の側面に対して排気ガス浄化装置61の排気ガス移動方向が平行になるように構成している。したがって、脱穀装置5に対面したエンジンルームフレーム91の一側部に排気ガス浄化装置61の設置部(左側上面フレーム94または横桟フレーム95)を低コストに構成できる。ディーゼルエンジン14と排気ガス浄化装置61の離間距離を所定以下に維持できるものでありながら、脱穀装置5に隣接したエンジンルーム92上側面のスペースなどを活用して、排気ガス浄化装置61をコンパクトに支持できる。
図4〜図7に示す如く、エンジンルーム92に脱穀装置5を隣接させる構造であって、エンジンルーム92上側面のうち、脱穀装置5寄りの上側面に排気ガス浄化装置61の設置部(左側上面フレーム94または横桟フレーム95)を形成し、左側上面フレーム94または横桟フレーム95の上面側に、支持枠体96を介して、エンジンルーム92の上方側から排気ガス浄化装置61を組付け可能に構成している。したがって、ディーゼルエンジン14設置部(エンジンルーム92)と脱穀装置5にて排気ガス浄化装置61の両側方が包囲されるように構成でき、高温になる排気ガス浄化装置61に作業者などが接触するのを容易に防止できる。また、チェンブロックなどの荷役機器に排気ガス浄化装置61を吊下げて組付けまたは取外し等の作業を簡単に実行でき、排気ガス浄化装置61の着脱作業性を向上できる。
次いで、図8、図9を参照して、自脱型コンバインに排気ガス浄化装置61を搭載した第2実施形態を説明する。図8は、自脱型コンバインの全体図を示すものであり、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。図8に示す如く、走行部としての左右一対の走行クローラ2にて支持された走行機体1を備える。走行機体1の前部には、穀稈を刈取りながら取込む6条刈り用の刈取装置133が、単動式の昇降用油圧シリンダ134によって刈取回動支点軸134a回りに昇降調節可能に装着される。走行機体1には、フィードチェン136を有する脱穀装置135と、該脱穀装置135から取出された穀粒を貯留する穀物タンク137とが横並び状に搭載される。なお、脱穀装置135が走行機体1の前進方向左側に、穀物タンク137が走行機体1の前進方向右側に配置される。
また、走行機体1の後部に旋回可能な排出オーガ138が設けられ、穀物タンク137の内部の穀粒が、排出オーガ138の籾投げ口139からトラックの荷台またはコンテナ等に排出されるように構成されている。刈取装置133の右側方で、穀物タンク137の前側方には、運転部140が設けられている。
運転部140には、操縦ハンドル141と、運転座席142と、主変速レバー145と、副変速レバーと、脱穀クラッチ及び刈取クラッチを入り切り操作する作業クラッチレバーなどを配置している。運転座席142の下方の走行機体1には、動力源としてのディーゼルエンジン14が配置されている。なお、運転部140には、オペレータが搭乗するステップ146が配置されている。
図8に示す如く、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム147を配置している。第1実施形態と同様に、駆動スプロケット22によって走行クローラ2の前側を支持し、テンションローラ23によって走行クローラ2の後側を支持し、トラックローラ24によって走行クローラ2の接地側を支持し、中間ローラ25によって走行クローラ2の非接地側を支持する。
図8に示す如く、刈取装置133の刈取回動支点軸134aに連結した刈取フレーム151の下方には、圃場に植立した未刈り穀稈(穀稈)の株元を切断するバリカン式の刈刃装置152が設けられている。刈取フレーム51の前方には、圃場に植立した未刈り穀稈を引起す6条分の穀稈引起装置153が配置されている。穀稈引起装置153とフィードチェン136の前端部(送り始端側)との間には、刈刃装置152によって刈取られた刈取り穀稈を搬送する穀稈搬送装置154が配置される。なお、穀稈引起装置153の下部前方には、未刈り穀稈を分草する6条分の分草体155が突設されている。圃場内を移動しながら、刈取装置133によって圃場に植立した未刈り穀稈を連続的に刈取る。
次に、図8に示す如く、脱穀装置135には、穀稈脱穀用の扱胴156と、扱胴156の下方に落下する脱粒物を選別する揺動選別盤157及び唐箕ファン158と、扱胴15
6の後部から取出される脱穀排出物を再処理する処理胴159と、揺動選別盤57の後部の排塵を排出する排塵ファン160を備えている。なお、刈取装置133から穀稈搬送装置154によって搬送された穀稈は、フィードチェン136に受継がれて、脱穀装置135に搬入されて扱胴156にて脱穀される。
図8に示す如く、揺動選別盤157の下方側には、揺動選別盤157にて選別された穀粒(一番物)を取出す一番コンベヤ機構161と、枝梗付き穀粒等の二番物を取出す二番コンベヤ機構162とが設けられている。揺動選別盤157は、扱胴156の下方に張設された受網から漏下した脱穀物が、揺動選別(比重選別)されるように構成している。揺動選別盤157から落下した穀粒は、その穀粒中の粉塵が唐箕ファン158からの選別風によって除去され、一番コンベヤ161に落下する。一番コンベヤ161から取出された穀粒は、揚穀コンベヤ163を介して穀物タンク137に搬入され、穀物タンク137に収集される。
また、図8に示す如く、揺動選別盤157は、揺動選別によって枝梗付き穀粒等の二番物を二番コンベヤ162に落下させるように構成している。二番コンベヤ162の終端部は、還元コンベヤ166を介して、揺動選別盤157の上面側に連通接続され、二番物を揺動選別盤157の上面側に戻して再選別するように構成している。
一方、図8に示す如く、フィードチェン136の後端側(送り終端側)には、排藁チェン164と排藁カッタ165が配置されている。フィードチェン136の後端側から排藁チェン164に受継がれた排藁(穀粒が脱粒された稈)は、長い状態で走行機体1の後方に排出されるか、又は脱穀装置135の後部に設けられた排藁カッタ165にて適宜長さに短く切断されたのち、走行機体1の後方下方に排出される。
さらに、図9に示す如く、運転座席142の下方の走行機体1上に、機体フレームとしてのエンジンルームフレーム191を立設し、エンジンルームフレーム191にて走行機体1上面側にエンジンルーム192を形成し、エンジンルーム192内にディーゼルエンジン14を設置している。一方、エンジンルームフレーム191前側にステップフレーム193を一体的に連設し、ステップフレーム193上に運転部140(ステップ146)を設置すると共に、エンジンルームフレーム191前部上方側にシート支持機構143を介して運転座席142を設置している。
また、図9に示す如く、第1実施形態と同一構造の排気ガス浄化装置61を備える。排気ガス浄化装置61の下面側に支持枠体196の上端側を締結すると共に、エンジンルームフレーム191のうち上面フレーム194の上側面に、支持枠体196の下端側を着脱可能に締結している。第1実施形態と同様に、蛇腹状排気管114、排気連結管115、排気出口管116などを介して、下向きに開口させた浄化入口管86(排気ガス取入れ口)から、排気ガス浄化装置61の排気ガス浄化ケース62内部に、ディーゼルエンジン14の排気ガスを送給する一方、排気ガス浄化ケース62に連結したテールパイプ87から浄化後の排気ガスを排出させる。テールパイプ87は、脱穀装置135の上面側で後方に向けて開口されており、脱穀装置135の後方に排気ガスが放出される。
なお、上面フレーム194の上方に浄化ルームフレーム197を設け、エンジンルーム192の上方に、浄化ルームフレーム197にて浄化ルーム198を形成し、浄化ルーム198に排気ガス浄化装置61を内設し、エンジンルーム192及び浄化ルーム198の暖気が、唐箕ファン158の外気導入作用などにより、脱穀装置135方向または運転座席142下方に向けて排出される。
図9に示す如く、エンジンルーム192の上側面に排気ガス浄化装置61の設置部(上
面フレーム194)を形成し、エンジンルーム192上側面の上面フレーム194に上置き固定具としての支持枠体196を介して排気ガス浄化装置61を載置している。エンジンルーム192に作業部としての穀物タンク137を隣接させる構造であって、排気ガス浄化装置61の設置部(上面フレーム194)をエンジンルームフレーム191(機体フレーム)の一部として形成し、穀物タンク137の前面側に隣接したエンジンルームフレーム191後側方の上側面に、支持枠体196を介して排気ガス浄化装置61を配置している。
即ち、穀物タンク137の前側面に対して排気ガス浄化装置61の排気ガス移動方向が平行になるように、円筒状の排気ガス浄化ケース62が横置き姿勢(左右向き姿勢)に上面フレーム194に上載固着されている。また、エンジンルーム192上側面のうち、穀物タンク137寄りの上側面に排気ガス浄化装置の設置部(上面フレーム194)を形成し、上面フレーム194の上面側に、支持枠体196を介して、エンジンルーム192の上方側から排気ガス浄化装置61を組付けるように構成している。
次いで、図10〜図14を参照して、汎用コンバインに排気ガス浄化装置61を搭載した第3実施形態を説明する。図1〜図7に示す第1実施形態と同様に、汎用コンバインにおいて、エンジンルーム92上側面に排気ガス浄化装置61を配置させている。図10〜図12に示す如く、脱穀装置5寄りのエンジンルーム92上側面に排気ガス浄化装置61の設置部としての搭載台フレーム211を形成し、排気ガス移動方向に間隔を設けた複数の上置き固定具としての前支持枠体212と後支持枠体213を介して、脱穀装置5に隣接したエンジンルーム92上側面の搭載台フレーム211に排気ガス浄化装置61を配置し、排気ガス浄化装置61の下面側に浄化入口管86を下向きに開口させると共に、搭載台フレーム211の上面側に、前支持枠体212と後支持枠体213を介して、エンジンルーム92の上方側から排気ガス浄化装置61を組付け、脱穀装置5の右側面に対して排気ガス浄化装置61の排気ガス移動方向が平行になるように構成している。
図13〜図14に示す如く、エンジンルーム92側から脱穀装置5の右側面に向けて水平に突設させる端面C形状の前部上面フレーム214と、前部上面フレーム214の右側端部に前端側を連結する上面パイプフレーム215とを備える。エンジンルームフレーム91の一部である前部上面フレーム214と上面パイプフレーム215にて搭載台フレーム211を形成する。脱穀装置5の右側面に平行に前後方向に上面パイプフレーム215を延設させている。
即ち、エンジンルームフレーム91から脱穀装置5の右側面に向けて突設させた前部上面フレーム214と上面パイプフレーム215にて、エンジンルームフレーム91の上面高さを多段状に構成し、エンジンルームフレーム91の最上面よりも低い位置に、前部上面フレーム214と上面パイプフレーム215にてエンジンルーム92上面を形成している。したがって、前部上面フレーム214と上面パイプフレーム215上に載置した排気ガス浄化装置61の上面高さが、エンジンルームフレーム91の最上面高さと同じか低くなる。エンジンルーム92の上面のうち、排気ガス浄化装置61の上下幅寸法だけ最上面(排出オーガ8の移動軌跡)よりも低い位置に、前部上面フレーム214と上面パイプフレーム215を配置し、排気ガス浄化装置61の設置部を形成し、
また、排気ガス浄化装置61の上面及び右側面を覆う浄化装置カバー体216を備える。浄化装置カバー体216は、その側面部に多数の孔を開口させている。エンジンルームフレーム91の最上面に前後の上カバーブラケット217を設け、上面パイプフレーム215に前後の下カバーブラケット218を設ける。上カバーブラケット217と下カバーブラケット218に浄化装置カバー体216を着脱可能に締結している。排気ガス浄化装置61周辺の換気などを考慮しながら、浄化装置カバー体216にて排気ガス浄化装置61及び差圧センサ125などを保護している。
なお、ディーゼルエンジン14に外気を供給するエアクリーナ221と、エアクリーナ221に外気を取込むプリクリーナ222を備える。プリクリーナ222は、エンジンルーム92の上面のうち、穀物タンク7の後面側に配置している。エアクリーナ221は、ディーゼルエンジン14の上面側と排気ガス浄化装置61の下面側の間に配置している。プリクリーナ222からエアクリーナ221を介してディーゼルエンジン14の吸気マニホールドに燃焼用空気を取込むように構成している。