以下に、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。図1〜図3を参照して、ディーゼルエンジンが搭載された第1実施形態のコンバインの全体構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。図1〜図3に示す如く、走行部としての左右一対の走行クローラ2にて支持された走行機体1を備える。走行機体1の前部には、穀稈を刈取りながら取込む6条刈り用の刈取装置3が、単動式の昇降用油圧シリンダ4によって刈取回動支点軸4a回りに昇降調節可能に装着される。走行機体1には、フィードチェン6を有する脱穀装置5と、該脱穀装置5から取出された穀粒を貯留する穀物タンク7とが横並び状に搭載される。なお、脱穀装置5が走行機体1の左側に、穀物タンク7が走行機体1の右側に配置される。
また、走行機体1の後部に縦取出しコンベヤ8aを介して旋回可能な穀物排出コンベヤ8が設けられ、穀物タンク7の内部の穀粒が、穀物排出コンベヤ8の籾投げ口9からトラックの荷台またはコンテナ等に排出されるように構成している。刈取装置3の右側方で、穀物タンク7の前側方には、運転キャビン10が設けられている。運転キャビン10の前面下部にキャビン回動支点軸10aを設け、キャビン回動支点軸10aを介して走行機体1に運転キャビン10の前面下部を回動可能に軸支し、機外前側方に向けて運転キャビン10を移動可能に設置し、キャビン回動支点軸10a回りに運転キャビン10を前方側に回動させるように構成している。
運転キャビン10内には、操縦ハンドル11と、運転座席12と、主変速レバー15と、副変速レバー16と、脱穀クラッチを入り切り操作する脱穀クラッチレバー17と、刈取クラッチを入り切り操作する刈取クラッチレバー18とを配置している。運転座席12の下方の走行機体1には、動力源としてのディーゼルエンジン14が配置されている。なお、運転キャビン10には、オペレータが搭乗するステップと、操縦ハンドル11を設けたハンドルコラムと、前記各レバー15,16,17,18を設けたレバーコラム等が配置されている。
図1に示す如く、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム21を配置している。トラックフレーム21には、走行クローラ2にエンジン14の動力を伝える駆動スプロケット22と、走行クローラ2のテンションを維持するテンションローラ23と、走行クローラ2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ24と、走行クローラ2の非接地側を保持する中間ローラ25とを設けている。駆動スプロケット22によって走行クローラ2の前側を支持し、テンションローラ23によって走行クローラ2の後側を支持し、トラックローラ24によって走行クローラ2の接地側を支持し、中間ローラ25によって走行クローラ2の非接地側を支持する。
図1、図2に示す如く、刈取装置3の刈取回動支点軸4aに連結した刈取フレーム51には、圃場に植立した未刈り穀稈の株元を切断するバリカン式の刈刃装置52が設けられている。刈取フレーム51の前方には、圃場に植立した未刈り穀稈を引起す6条分の穀稈引起装置53が配置されている。穀稈引起装置53とフィードチェン6の前端部(送り始端側)との間には、刈刃装置52によって刈取られた刈取り穀稈を搬送する穀稈搬送装置54が配置される。なお、穀稈引起装置53の下部前方には、未刈り穀稈を分草する6条分の分草体55が突設されている。圃場内を移動しながら、刈取装置3によって圃場に植立した未刈り穀稈を連続的に刈取るように構成している。
次に、図1及び図2を参照して、脱穀装置5の構造を説明する。図1及び図2に示す如く、脱穀装置5には、穀稈脱穀用の扱胴56と、扱胴56の下方に落下する脱粒物を選別する揺動選別盤57及び唐箕ファン58と、扱胴56の後部から取出される脱穀排出物を再処理する処理胴59と、揺動選別盤57の後部の排塵を排出する排塵ファン60を備えている。なお、刈取装置3から穀稈搬送装置54によって搬送された穀稈は、フィードチェン6に受継がれて、脱穀装置5に搬入されて扱胴56にて脱穀される。
図1に示す如く、揺動選別盤57の下方側には、揺動選別盤57にて選別された穀粒(一番物)を取出す一番コンベヤ61と、枝梗付き穀粒等の二番物を取出す二番コンベヤ62とが設けられている。揺動選別盤57は、扱胴56の下方に張設された受網67から漏下した脱穀物が、フィードパン68及びチャフシーブ69によって揺動選別(比重選別)されるように構成している。揺動選別盤57から落下した穀粒は、その穀粒中の粉塵が唐箕ファン58からの選別風によって除去され、一番コンベヤ61に落下する。一番コンベヤ61から取出された穀粒は、揚穀コンベヤ63を介して穀物タンク7に搬入され、穀物タンク7に収集される。
また、図1に示す如く、揺動選別盤57は、揺動選別によってチャフシーブ69から枝梗付き穀粒等の二番物を二番コンベヤ62に落下させるように構成している。チャフシーブ69の下方に落下する二番物を風選する選別ファン71を備える。チャフシーブ69から落下した二番物は、その穀粒中の粉塵及び藁屑が選別ファン71からの選別風によって除去され、二番コンベヤ62に落下する。二番コンベヤ62の終端部は、還元コンベヤ66を介して、フィードパン68の上面側に連通接続され、二番物を揺動選別盤67の上面側に戻して再選別するように構成している。
一方、図1及び図2に示す如く、フィードチェン6の後端側(送り終端側)には、排藁チェン64と排藁カッタ65が配置されている。フィードチェン6の後端側から排藁チェン64に受継がれた排藁(穀粒が脱粒された稈)は、長い状態で走行機体1の後方に排出されるか、又は脱穀装置5の後部に設けられた排藁カッタ65にて適宜長さに短く切断されたのち、走行機体1の後方下方に排出されるように構成している。
次に、図4〜図12を参照して、連続再生式の排気ガス浄化装置74(ディーゼルパティキュレートフィルタ)としての排気ガス浄化ケース75並びにその取付け構造について説明する。図4〜図8に示す如く、排気ガス浄化装置74は、ディーゼルエンジン14の排気ガスを導入する連続再生式の排気ガス浄化ケース75を備えている。排気ガス浄化ケース75は、入口側ケース76と、出口側ケース77を有する。入口側ケース76と出口側ケース77の内部に、二酸化窒素(NO2)を生成する白金等のディーゼル酸化触媒79(ガス浄化体)と、捕集した粒子状物質(PM)を比較的低温で連続的に酸化除去するハニカム構造のスートフィルタ80(ガス浄化体)とを、排気ガスの移動方向(図7の下側から上側)に直列に並べている。入口側ケース76と出口側ケース77内のディーゼル酸化触媒79とスートフィルタ80によって、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の粒子状物質(PM)の除去に加え、排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を低減するように構成している。
また、図4〜図8に示す如く、入口側ケース76に排気ガス入口管としての浄化入口管81を溶接固定すると共に、出口側ケース77に排気ガス出口管としての浄化出口管82の一端側をボルト締結する。浄化出口管82の他端側に排気管としてのテールパイプ83の一端側を遊嵌状に被嵌させ、浄化出口管82他端側とテールパイプ83一端側の遊嵌状隙間から外気が吸い込まれるように、浄化出口管82にテールパイプ83を接続している。ディーゼルエンジン14の排気ガスが浄化入口管81から排気ガス浄化ケース75内に導入され、排気ガス浄化ケース75内の排気ガスが、浄化出口管82からテールパイプ83に排出され、テールパイプ83内でガス温度が低下したのち、機外に放出されるように構成している。なお、入口側ケース76と出口側ケース77は、複数組の厚板状中間フランジ体84と複数本のボルト85にて着脱可能に締結されている。
上記の構成により、ディーゼル酸化触媒79の酸化作用によって生成された二酸化窒素(NO2)が、スートフィルタ80内に一側端面(取入れ側端面)から供給される。ディーゼルエンジン14の排気ガス中に含まれた粒子状物質(PM)は、スートフィルタ80に捕集されて、二酸化窒素(NO2)によって連続的に酸化除去される。ディーゼルエンジン14の排気ガス中の粒状物質(PM)の除去に加え、ディーゼルエンジン14の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)の含有量が低減される。
次いで、図4〜図11に示す如く、走行機体1上にエンジンルームフレーム91を立設し、走行機体1上面側に載置したディーゼルエンジン14の後面側をエンジンルームフレーム91にて囲む。エンジンルームフレーム91は、左の角パイプ状支柱体92と、右の角パイプ状支柱体93と、左右の支柱体92,93に両端側を一体的に溶接固着する角パイプ状横フレーム94を有する。また、運転キャビン10の底面後部にゴム製の圧接脚体95を設け、横フレーム94の左右の受け台96上面に上方側から運転キャビン10底部の圧接脚体95を当接し、横フレーム94の各受け台96に運転キャビン10の後部を上下方向に接離可能に支持している。運転キャビン10底面側とエンジンルームフレーム91にて形成されるエンジンルーム97の内部にディーゼルエンジン14を設置している。
さらに、横フレーム94に左右一対の浄化ケース支持体111を一体的に溶接固着している。また、排気ガス浄化ケース75のうち入口側ケース76の外側面に前面支持ブラケット114を一体的に溶接固着している。排気ガス浄化ケース75の上下幅中間部(浄化入口管81の上方側)に前面支持ブラケット114が配置される。左右一対の浄化ケース支持体111の間に前面支持ブラケット114の前部を後側方から嵌着させ、左右一対の浄化ケース支持体111と前面支持ブラケット114の左右側面に左右方向から螺着操作する上ボルト116aと下ボルト116bによって、浄化ケース支持体111に前面支持ブラケット114を着脱可能に締結している。
図7、図9に示す如く、浄化ケース支持体111の係合ノッチ111aに上ボルト116aを係脱可能に係止させると共に、浄化ケース支持体111の位置調節用長孔111bに下ボルト116bを貫通させる。即ち、排気ガス浄化装置74を組付ける場合、前面支持ブラケット114に上ボルト116aを仮止め締結させ、浄化ケース支持体111の取付け位置に排気ガス浄化装置74を近接させ、浄化ケース支持体111の係合ノッチ111aに上ボルト116aを係合させ、浄化ケース支持体111に排気ガス浄化ケース75を仮止め支持させる。その後、浄化ケース支持体111の位置調節用長孔111bに下ボルト116bを貫通させ、前面支持ブラケット114に下ボルト116bを締結すると共に、前面支持ブラケット114に上ボルト116aも締結し、各ボルト116a,116bを介して浄化ケース支持体111に前面支持ブラケット114を着脱可能に固着し、横フレーム94を介してエンジンルーム97背面側に排気ガス浄化装置74を装着するように構成している。なお、図10に示す如く、平面視U形状の前面支持ブラケット114の上端側と下端側に天板体114aと底板体114bを溶接固定して、前面支持ブラケット114を四角箱状の高剛性構造に形成している。
即ち、キャビン10の下方側にエンジンルーム97を形成すると共に、走行機体1の前方上方(機外側方)に向けてキャビン10を移動可能に設置し、キャビン10を支持する受け台96と、排気ガス浄化ケース75を支持する浄化ケース支持体111とを、エンジンルームフレーム91の同一部位(横フレーム94)に配置し、排気ガス浄化ケース75に対してキャビン10を接離可能に構成している。
さらに、図4〜図8、図12に示す如く、排気ガス浄化ケース75のうち入口側ケース76の左側外周面に側面支持ブラケット141を一体的に溶接固着している。入口側ケース76の外側面のうち同一円周上に、前面支持ブラケット114と側面支持ブラケット141を放射状(十字方向)に配置する。側面支持ブラケット141に組付け調節板142の一端側を位置調節可能にボルト143締結すると共に、脱穀装置5の機筐フレーム144右側面に組付け調節板142の他端側をボルト145締結する。組付け調節板142を介して位置調節可能に側面支持ブラケット141と機筐フレーム144を連結固定させる。浄化ケース支持体111の側面と脱穀装置5の右側が側面支持ブラケット141を介して着脱可能に連結されている。換言すると、エンジンルーム97側(横フレーム94)に入口側ケース76の前面を締結固定する一方、脱穀装置5側(機筐フレーム144)に入口側ケース76の左側面を締結固定している。
即ち、図4〜図8に示す如く、エンジンルームフレーム91に入口側ケース76を介して排気ガス浄化ケース75の中間部が縦置き姿勢に固着される。また、排気ガス浄化ケース75下端側の排気ガス供給側のうち、排気ガス浄化ケース75の前側面に浄化入口管81を前向き姿勢に設け、エンジン14上面側(機体前方)に向けて浄化入口管81が延設されている。出力軸112を左右方向に向けて走行機体1に搭載したエンジン14の前面側上部に、排気マニホールド117と過給機118を配置している。浄化入口管81に折曲可能な蛇腹状排気導入管98を介して排気連結管119の一端側を連結する一方、過給機118の排気出口管99に排気連結管119の他端側を連結する。排気マニホールド117に過給機118と排気連結管119を介して排気ガス浄化ケース75が連通接続されるように構成している。
また、図4に示す如く、脱穀装置5の右側方において、穀物タンク7の前面とキャビン10の後面との間に形成されるスペースに、上下方向に長い円筒形状(縦置き姿勢)の排気ガス浄化ケース75を配置し、排気マニホールド117、過給機118、排気連結管119を介して、エンジン14の排気ガスを排気ガス浄化ケース75に導入するように構成している。また、脱穀装置5と穀物タンク7間の上面側で後側方に向けてテールパイプ83から排気ガスを排出させるように構成している。
一方、図4〜図7、図10、図11に示す如く、テールパイプ83の排気入口側と排気出口側にそれぞれ固着するパイプ入口側支持体151とパイプ出口側支持体152を備える。排気ガス浄化ケース75上面部の厚板状上端フランジ体86の左側端部を脱穀装置5方向に突設させ、上端フランジ体86左側端部に排気支持台153の一端側を締結し、上端フランジ体86左側端部から脱穀装置5に向けて排気支持台153の他端側を突設する。排気支持台153の他端側に入口側ブラケット154下端側を締結し、排気支持台153に入口側ブラケット154を立設し、入口側ブラケット154の上端側にパイプ入口側支持体151の下端側を締結する。
また、脱穀装置5上面の右側部に出口側ブラケット155を立設し、出口側ブラケット155の上端側にパイプ出口側支持体152の下端側を締結する。脱穀装置5と排気ガス浄化ケース75の各上面側に立設させるパイプ入口側支持体151とパイプ出口側支持体152とを介して、排気ガス浄化ケース75上面と脱穀装置5上面に亘って、テールパイプ83を延設させる。脱穀装置5と排気ガス浄化ケース75の各上面側にテールパイプ83が支持される。浄化出口管82外径よりもテールパイプ83内径を大径に形成し、小径側の浄化出口管82と大径側のテールパイプ83との接続部に隙間を形成する。浄化出口管82からテールパイプ83内に移動する排気ガスに、前記隙間からテールパイプ83内に負圧吸入される外気を混合して、テールパイプ83から排出される排気ガスの温度を低下させるように構成している。
図9〜図11に示す如く、排気ガス浄化ケース75の上面側を覆う傘形状の上面カバー体156を備える。テールパイプ83の排気ガス入口側(浄化出口管82との接続部)の外周面に放射状にカバー支持ブラケット157を溶接固定する。カバー支持ブラケット157に上面カバー体156を着脱可能にボルト158締結している。排気ガス浄化ケース75の上面に塵や藁屑などが堆積するのを、上面カバー体156にて防止するように構成している。なお、排気ガス浄化ケース75のうち出口側ケース77に、複数組の厚板状上端フランジ体86を介して出口側蓋体78を着脱可能に締結固定している。浄化出口管82の下端側に出口管フランジ体87を溶接固定し、出口側蓋体78を介して出口側ケース77に浄化出口管82を支持している。
一方、図6、図7に示す如く、排気ガス浄化ケース75(排気ガス浄化装置74)の外側面のうちこの上端側に一対の吊下げ係合孔体134を設けている。一対の吊下げ係合孔体134は、厚板状上端フランジ体86の前端縁と後端縁を放射方向に突出させて、上端フランジ体86の前端部と後端部に一体的に形成されている。したがって、前記コンバインの組立工場などにおいて、例えばチェンブロックまたはホイストなどの荷役吊下げ装置のフックを吊下げ係合孔体134に係止させ、前記チェンブロックなどに吊下げ係合孔体134(上端フランジ体86)を介して排気ガス浄化ケース75を吊下げ、重い排気ガス浄化ケース75を運搬移動するように構成している。排気ガス浄化ケース75の組付けまたは取外し等の作業を簡単に実行でき、排気ガス浄化装置74の着脱作業性を向上できる。
また、出口側ケース77の右側方向に放射状に突設する厚板状上端フランジ体86にセンサブラケット121をボルト締結して、排気ガス浄化ケース75上端側の右側部にセンサブラケット121を配置させる。電気配線コネクタを一体的に設けた差圧センサ122が、排気ガス浄化ケース75から横向きに突設させたセンサブラケット121の平坦な上面に取付けられる。なお、差圧センサ122には、図示しない上流側センサ配管123と下流側センサ配管124の一端側がそれぞれ接続される。排気ガス浄化ケース75内のスートフィルタ80を挟むように、排気ガス浄化ケース75に配置された上流側と下流側の各センサ配管ボス体125,126に、上流側と下流側の前記各センサ配管123,124の他端側がそれぞれ接続される。
上記の構成により、スートフィルタ80の流入側の排気ガス圧力と、スートフィルタ80の流出側の排気ガス圧力の差(排気ガスの差圧)が、差圧センサ122を介して検出される。スートフィルタ80に捕集された排気ガス中の粒子状物質の残留量が排気ガスの差圧に比例するから、スートフィルタ80に残留する粒子状物質の量が所定以上に増加したときに、差圧センサ122の検出結果に基づき、スートフィルタ80の粒子状物質量を減少させる再生制御(例えば排気温度を上昇させる制御)が実行される。また、再生制御可能範囲以上に、粒子状物質の残留量がさらに増加したときには、排気ガス浄化ケース75を着脱分解して、スートフィルタ80を掃除し、粒子状物質を人為的に除去するメンテナンス作業が行われる。
また、差圧センサ122の外側ケース部に電気配線コネクタを一体的に設けて電気配線すると共に、ディーゼル酸化触媒76の排気ガス取入れ側の排気温度を検出する上流側ガス温度センサ128と、ディーゼル酸化触媒76の排気ガス排出側の排気温度を検出する下流側ガス温度センサ130を備える。上流側ガス温度センサ128の電気配線コネクタ129と、下流側ガス温度センサ130の電気配線コネクタ131を、センサブラケット121に固着する。
さらに、排気ガス浄化ケース75の上部に、センサブラケット121を介して、排気ガス用差圧センサ122と、排気温度センサ用コネクタとしての電気配線コネクタ129,131とが配置されている。差圧センサ122の電気配線コネクタと、上流側ガス温度センサ128の電気配線コネクタ129と、下流側ガス温度センサ130の電気配線コネクタ131の各接続方向を同一方向に向けた姿勢で、前記各コネクタ129,131を支持している。また、キャビン10背面に設置された空調用ファン115の空気排出部に対向して排気ガス浄化ケース75の上部が配置されている。したがって、空調用ファン115の排気によって、差圧センサ122または各コネクタ129,131の配線などを冷却できる。排気ガス浄化ケース75側の排気熱によって、それらが焼損するのを防止でき、かつそれらの耐久性を向上できる。
一方、図1、図7、図9〜図11に示す如く、排出オーガ8を支持する縦取出しコンベヤ8aに穀物タンク7の後部を支持し、取出しコンベヤ8a回りに穀物タンク7の前側を水平回動させ、機外側方に向けて穀物タンク7を移動可能に設けている。また、穀物タンク7に対向する排気ガス浄化ケース75の後面側に複数のカバー支持台136を溶接固定し、各カバー支持台136に後面カバー体137を着脱可能にボルト138締結している。即ち、エンジンルーム97(エンジンルームフレーム91)と穀物タンク7の間に排気ガス浄化ケース75を配置し、穀物タンク7と排気ガス浄化ケース75の間に後面カバー体137を配置している。機外側方に向けて穀物タンク7を移動させて、エンジンルーム97後方側を開放してメンテナンス作業などを行うときに、作業者が排気ガス浄化ケース75に接触するのを、後面カバー体137にて防止するように構成している。
次いで、図13〜図19を参照して、第2実施形態の排気ガス浄化装置74の取付け構造を説明する。図13〜図19に示すコンバインは、第1実施形態の運転キャビン10に代えて、運転座席12などが配置された運転操作部159の上方を覆うための遮光用のサンバイザー160を装着している。運転座席12の後方側に立設させる門型の背面フレーム161を備える。エンジンルームフレーム91としての横フレーム94に背面フレーム161の下端側を固着している。背面フレーム161の上端側に支点ブラケット162を設け、支点ブラケット162に調節支軸164を介して左右の揺動アーム163の一端側を回動可能に連結すると共に、左右の揺動アーム163の他端側にサンバイザー160を取付けている。調節ノブ165を握って、調節支軸164を緩めて、左右の揺動アーム163の支持角度を変更し、サンバイザー160を任意位置に昇降または回動させるように構成している。
即ち、サンバイザー160と、前記排気ガス浄化装置74とが、エンジンルーム97後側の横フレーム94に高剛性に支持される。また、エンジンルーム97右側の機外側面に冷却風取入れカバー166を備え、冷却風取入れカバー166の機内側面と排気ガス浄化装置74の間にエンジン14吸気用エアクリーナ167を配置すると共に、背面フレーム161に配管ブラケット168を介して鋼管製の吸気管169を固着し、吸気管169の上端側にプリクリーナ170を支持させる。エアクリーナ167に吸気管169を介してプリクリーナ170を接続させるもので、プリクリーナ170及びエアクリーナ167を介して、エンジン14の吸気マニホールドに新気を取入れるように構成している。なお、背面フレーム161に背面板171を固着し、排気ガス浄化装置74設置部と運転座席12の間を背面板171にて仕切り、エンジン14または排気ガス浄化装置74側から運転座席12方向に排熱風が移動するのを阻止している。
図1、図4〜図12に示す如く、ディーゼルエンジン14の排気ガスを処理する排気ガス浄化装置74を備え、ディーゼルエンジン14の排気径路中に排気ガス浄化装置74を接続させるコンバインにおいて、エンジンルーム97と脱穀装置5に対向させて排気ガス浄化装置74を縦置き姿勢に設けると共に、排気ガス浄化装置74の外側面に、複数の支持ブラケット体としての前面支持ブラケット114と側面支持ブラケット141を放射状に突設させている。したがって、従来の横置き姿勢に比べ、排気ガス浄化装置74の平面設置スペースを狭少に形成できる。エンジンルーム97に近接させた位置で、ディーゼルエンジン14の排気管(排気出口管99)よりも高位置に、排気ガス浄化装置74をコンパクトに配置できる。また、エンジンルーム97と脱穀装置に、前面支持ブラケット114と側面支持ブラケット141を介して、排気ガス浄化装置74を連結させることによって、左右方向または前後方向の機械振動などに対して排気ガス浄化装置74の支持剛性を容易に向上できる。
図4〜図12に示す如く、排気ガス浄化装置74の下端側に排気ガス取入れ口としての浄化入口管81を配置し、排気ガス浄化装置74の上端側に排気ガス排出口としての浄化出口管82を配置すると共に、排気ガス浄化装置74外側面の支持ブラケット体(前面支持ブラケット114、側面支持ブラケット141)のうち、浄化入口管81側の前面支持ブラケット114を介して、エンジンルーム97側に排気ガス浄化装置74を支持するように構成している。したがって、ディーゼルエンジン14または脱穀装置5を所定位置に組付けた後、エンジンルーム97の横フレーム94または脱穀装置5の機筐(機筐フレーム144)に、排気ガス浄化装置74の組付けまたは取外し作業(ボルト締結操作など)を簡単に実行できる。例えば、一方の前面支持ブラケット114を前向きに突設させ、他方の側面支持ブラケット141を横向きに突設させ、エンジンルーム97と脱穀装置5が対向隣接する角隅空間に、排気ガス浄化装置74を高剛性に設置できる。
図4〜図12に示す如く、オペレータが搭乗するための運転キャビン10を備える構造であって、エンジンルーム97のフレーム91のうち、運転キャビン10を支持するための背面側の横フレーム94に前面支持ブラケット114を介して排気ガス浄化装置74を支持するように構成している。したがって、ディーゼルエンジン14に近接させて、排気ガス浄化装置74を高剛性に支持できるものでありながら、着脱作業などが容易なエンジンルーム97外側の開放スペースに、排気ガス浄化装置74を低コストに配置できる。
図13〜図19に示す如く、オペレータが搭乗するための運転座席12の上方にサンバイザー160を備える構造であって、エンジンルーム97のフレーム91のうち、サンバイザー160を支持するための背面側の横フレーム94に前面支持ブラケット114を介して排気ガス浄化装置74を支持するように構成している。したがって、ディーゼルエンジン14に近接させて、排気ガス浄化装置74を高剛性に支持できるものでありながら、着脱作業などが容易なエンジンルーム97外側の開放スペースに、排気ガス浄化装置74を低コストに配置できる。
図1、図4〜図12に示す如く、ディーゼルエンジン14の排気ガスを処理する排気ガス浄化装置74を備え、ディーゼルエンジン14の排気径路中に排気ガス浄化装置74を接続させるコンバインにおいて、エンジンルーム97と穀物タンク7の間に排気ガス浄化装置74を縦置き姿勢に設けると共に、エンジンルーム97と穀物タンク7の間から脱穀装置5に向けて、排気ガス浄化装置75に一端側を連通させたテールパイプ83の他端側を延設させている。したがって、従来の横置き姿勢に比べ、排気ガス浄化装置74の平面設置スペースを狭少に形成でき、エンジンルーム97の外側に排気ガス浄化装置74をコンパクトに配置できる。ディーゼルエンジン14に近接させて、排気ガス浄化装置74を高剛性に支持できるものでありながら、排気ガス浄化装置74の上面側と脱穀装置5の上面側に亘ってテールパイプ83を水平姿勢に組付けることができ、穀物タンク7の側面または脱穀装置5の上面に沿わせてテールパイプ83をコンパクトに配置できる。
図4〜図12に示す如く、排気ガス浄化装置74の上面側から横向きに上面フランジ部材としての上端フランジ体86を突設させ、上端フランジ体86にパイプ入口側支持体151を立設し、パイプ入口側支持体151にテールパイプ83の排気ガス入口側を支持させるように構成している。したがって、上端フランジ体86とパイプ入口側支持体151にて、テールパイプ83の支持構造を簡単に構成できるものでありながら、排気ガス浄化装置74の排気ガス出口管(浄化出口管82)に対してテールパイプ83の排気ガス入口側を高精度に接続でき、排気ガス浄化装置74上面の排気ガス出口管(浄化出口管82)とテールパイプ83の排気ガス入口側との間に外気導入用の隙間を容易に形成できる。
図4〜図12、図17〜図19に示す如く、排気ガス浄化装置74の上面とテールパイプ83の接合部に設ける上面カバー体156を備え、テールパイプ83の排気ガス入口側に上面カバー体156を支持させ、排気ガス浄化装置74の上面を上面カバー体156にて覆うように構成している。したがって、テールパイプ83の排気ガス入口側に堆積する塵量を低減できると共に、例えば、テールパイプ83と上面カバー体156を一体的に脱着でき、排気ガス浄化装置74上面側のメンテナンス作業性を向上できる。また、上面カバー体156の取付け部にて制限されることなく、排気ガス浄化装置74上面の排気ガス出口とテールパイプ83の排気ガス入口との間に外気導入用の隙間を容易に形成でき、テールパイプ83の排気ガス入口側から外気を導入する構造を簡単に形成できる。
図4〜図12、図17〜図19に示す如く、脱穀装置5の上面から上方に向けて立設させたパイプ出口側支持体152を介して、脱穀装置5上面と穀物排出コンベヤ8下面の間に、テールパイプ83の排気ガス出口側を延設させている。したがって、排気ガス浄化装置74の上面側と脱穀装置5の上面側に亘ってテールパイプ83を水平姿勢に組付けることができる。穀物タンク7の側面または脱穀装置5の上面に沿わせて、穀物排出コンベヤ8の旋回動作範囲外にテールパイプ83をコンパクトに配置できる。
図1、図4〜図12に示す如く、エンジン14の排気ガスを処理する排気ガス浄化装置74を備え、エンジン14の排気径路中に排気ガス浄化装置74を接続させるコンバインにおいて、穀物タンク7に対向するエンジンルーム97側面に排気ガス浄化装置74を縦置き姿勢に配置すると共に、排気ガス浄化装置74の上面側に一対の吊下げ支持部としての吊下げ係合孔体134を設け、エンジンルーム97に対して排気ガス浄化装置74を着脱する方向に、一対の吊下げ係合孔体134を一列状に配置させている。したがって、従来の横置き姿勢に比べ、排気ガス浄化装置74の平面設置スペースを狭少に形成できる。エンジンルーム97の外側に排気ガス浄化装置74をコンパクトに配置できるものでありながら、エンジン14に近接させて、排気ガス浄化装置74を高剛性に支持できる。また、例えば組立工場などにおいて、一対の吊下げ係合孔体134を介してチェンブロックなどに排気ガス浄化装置74を縦長姿勢(組付け姿勢)に吊下げて、排気ガス浄化装置74を安定した姿勢で搬送できる。特に、排気ガス浄化装置74の着脱方向に、一対の吊下げ係合孔体134を一列状に配置させるから、排気ガス浄化装置74を吊下げて搬送するときに、排気ガス浄化装置74が装着場所以外に慣性揺動するのを簡単に防止でき、重い排気ガス浄化装置74の組付け作業性を向上できる。
図4〜図12に示す如く、排気ガス浄化装置74上面の前部に一方の吊下げ係合孔体134を設け、排気ガス浄化装置74上面の後部にもう一方の吊下げ係合孔体134を設け、エンジンルーム97の後方からエンジンルーム97に排気ガス浄化装置74を接近させて、エンジンルーム97後面側に排気ガス浄化装置74を取付けるように構成している。したがって、排気ガス浄化装置74を縦長姿勢に吊下げて搬送するときに、排気ガス浄化装置74の左右側部を支持するのに比べ、排気ガス浄化装置74の前後方向の振れを低減でき、エンジンルーム97後面と排気ガス浄化装置74の衝突などを未然に防止できる。エンジンルーム97後面の装着場所に対する排気ガス浄化装置74の連結操作性を向上できる。
図4〜図12、図18に示す如く、脱穀装置5に対向する排気ガス浄化装置74上面部にテールパイプ支持部としての排気支持台153を配置し、排気ガス浄化装置74上面から脱穀装置5に向けて延設するテールパイプ83を、排気支持台153に支持させると共に、運転キャビン10に設けた空調用ファン115(送風ファン)の送風路に対向する排気ガス浄化装置74上面部にセンサ支持部としてのセンサブラケット121を配置し、空調用ファン115の送風路にセンサブラケット121を介して差圧センサ122(排気ガスセンサ)または配線コネクタ129,131などを支持させるように構成している。したがって、排気ガス浄化装置74に排気支持台153を介してテールパイプ83を高精度に連結できるものでありながら、排気支持台153を廉価に形成できる。また、差圧センサ122または配線コネクタ129,131などの温度が過度に上昇するのを、空調用ファン115の送風にて防止できるものであり、差圧センサ122または配線コネクタ129,131の配線などが、排気ガス浄化装置74の排熱にて劣化または焼損するのを阻止でき、それらの耐久性を向上できる。
図4〜図12に示す如く、エンジンルーム97の後側部に排気ガス浄化装置74を取付ける構造であって、排気ガス浄化装置74の上面フランジ部材としての上端フランジ体86の前部と後部に一対の吊下げ係合孔体134(吊下げ支持部)を設ける一方、上端フランジ体86の左側部にテールパイプ83取付け用の排気支持台153(テールパイプ支持部)を設け、上端フランジ体86の右側部に差圧センサ122取付け用のセンサブラケット121(センサ支持部)を設けている。したがって、一対の吊下げ係合孔体134と、排気支持台153と、センサブラケット121を、十字方向に分散させて配置できる。例えば、一対の吊下げ係合孔体134へのフック係脱操作、または排気支持台153へのテールパイプ83着脱操作、またはセンサブラケット121への差圧センサ122または配線コネクタ129,131などの取付け操作及び配線操作などの作業スペースを充分に確保でき、組立作業性またはメンテナンス作業性などを向上できる。