JP5971063B2 - 車両用シートリクライニング装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両用シートリクライニング装置に関する。
特許文献1に従来の車両用シートリクライニング装置の例が開示されている。この車両用シートリクライニング装置は、車体側に設けられ、車両用シートの傾動するバックレストに固定されるロック装置と協働して、バックレストの傾動姿勢を段階的に固定するものである。
この車両用シートリクライニング装置は、レールと、スライダと、ラッチ機構とを備えている。レールは、中心軸線に沿って延び、バックレストの傾動時に描かれるロック装置の軌跡に合わせて車体側に固定されている。スライダは、レールに摺動可能に設けられ、ロック装置に係合するストライカが設けられている。ラッチ機構は、レールとスライダとの間に設けられ、スライダの摺動を規制又は許容する。
より詳しくは、ラッチ機構は、中心軸線に沿ってレールに列設された複数個のラッチ穴と、各ラッチ穴と対向してスライダに貫設されたスライダ穴と、スライダに設けられた支持部と、支持部に変位可能に支持された可動部とを有している。可動部は、スライダ穴を通過して各ラッチ穴に係合可能なラッチ凸部をもっている。スライダ穴とラッチ凸部との間には、中心軸線方向の隙間が設けられている。この隙間により、ラッチ凸部がスライダ穴を通過し易くなり、ラッチ凸部の各ラッチ穴に対する係合をスムーズに行えるようになっている。
この車両用シートリクライニング装置では、ラッチ機構を動作させて、ラッチ凸部と各ラッチ穴とを係合させなくすることにより、スライダをレールに沿って摺動させてバックレストの傾動姿勢を変化させることができる。そして、ラッチ凸部と任意のラッチ穴とを係合させることにより、バックレストを所望の傾動姿勢で固定することができる。
特開2003−312329号公報
ところで、上記従来の車両用シートリクライニング装置では、スライダ穴とラッチ凸部との間に中心軸線方向の隙間が設けられている。このため、この車両用シートリクライニング装置では、車両の走行時の振動等によりスライダに力が作用し、スライダがレールに対して中心軸線方向の一方側又は他方側に向けてガタつくと、スライダ穴とラッチ凸部とが中心軸線方向において衝突し、スライダ穴とラッチ凸部との間で異音が発生してしまう。
この異音を抑制するため、スライダ穴とラッチ凸部との隙間を狭くすれば、ラッチ凸部がスライダ穴を通過する際に引っ掛かり易くなって、ラッチ凸部の各ラッチ穴に対する係合をスムーズに行えなくなるおそれがある。このため、スライダ穴とラッチ凸部との隙間に対する寸法管理に手間がかかってしまい、製造コストが高騰化してしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、スライダ穴とラッチ凸部との間における異音の発生を抑制しつつ、ラッチ凸部の各ラッチ穴に対する係合をスムーズに行うことを安価に実現できる車両用シートリクライニング装置を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の車両用シートリクライニング装置は、車体側に設けられ、車両用シートの傾動するバックレストに固定されるロック装置と協働して、前記バックレストの傾動姿勢を段階的に固定する車両用シートリクライニング装置において、
中心軸線に沿って延び、前記バックレストの傾動時に描かれる前記ロック装置の軌跡に合わせて前記車体側に固定されるレールと、
前記レールに摺動可能に設けられ、前記ロック装置に係合するストライカが設けられたスライダと、
前記レールと前記スライダとの間に設けられ、前記スライダの摺動を規制又は許容するラッチ機構とを備え、
前記ラッチ機構は、前記中心軸線に沿って前記レールに列設された複数個のラッチ穴と、各前記ラッチ穴と対向して前記スライダに貫設されたスライダ穴と、前記スライダに設けられた支持部と、前記支持部に変位可能に支持され、前記スライダ穴を通過して各前記ラッチ穴に係合可能なラッチ凸部をもつ可動部とを有し、
前記スライダ穴と前記ラッチ凸部との間には、前記中心軸線方向の隙間が設けられ、
前記スライダ穴における前記中心軸線方向の一方側の第1スライダ穴内面と、前記スライダ穴における前記中心軸線方向の他方側の第2スライダ穴内面とには、前記ラッチ凸部に対して弾性変形しつつ摺接する緩衝部材が設けられ
前記緩衝部材は、前記スライダに固定されていることを特徴とする。
本発明の車両用シートリクライニング装置では、スライダ穴とラッチ凸部との間に、中心軸線方向の隙間が設けられている。そして、スライダ穴における中心軸線方向の一方側の第1スライダ穴内面と、スライダ穴における中心軸線方向の他方側の第2スライダ穴内面とに、緩衝部材が設けられている。緩衝部材は、ラッチ凸部に対して弾性変形しつつ摺接する。このような緩衝部材により、スライダ穴とラッチ凸部との間で、中心軸線方向の隙間をうめることができる。このため、この車両用シートリクライニング装置では、車両の走行時の振動等によりスライダに力が作用し、スライダがレールに対して中心軸線方向の一方側又は他方側に向けてガタつく場合でも、ラッチ凸部とスライダ穴とが中心軸線方向において、弾性変形する緩衝部材を挟んだ状態となり、双方が衝突しない。その結果、この車両用シートリクライニング装置では、スライダ穴とラッチ凸部との間における異音の発生を抑制できる。
また、この車両用シートリクライニング装置では、緩衝部材の作用効果により、スライダ穴とラッチ凸部との隙間を広くできる。このため、この車両用シートリクライニング装置では、スライダ穴とラッチ凸部との隙間に対する寸法管理を簡素化しても、ラッチ凸部がスライダ穴を通過する際に引っ掛かる不具合が生じ難い。
したがって、本発明の車両用シートリクライニング装置では、スライダ穴とラッチ凸部との間における異音の発生を抑制しつつ、ラッチ凸部の各ラッチ穴に対する係合をスムーズに行うことを安価に実現できる。
支持部における中心軸線方向の一方側の端部と可動部との間には、中心軸線方向の第1の遊びが設けられていることが望ましい。また、支持部における中心軸線方向の他方側の端部と可動部との間には、中心軸線方向の第2の遊びが設けられていることが望ましい。そして、第1の遊びと第2の遊びとは、緩衝部材がラッチ凸部と第1スライダ穴内面との間、又はラッチ凸部と第2スライダ穴内面との間で弾性変形した状態においても無くならない大きさとされていることが望ましい。
ラッチ凸部とラッチ穴とは、中心軸線方向の両側で当接することにより係合可能である。ラッチ凸部がラッチ穴に係合している状態において、スライダをレールに対して中心軸線方向の一方側又は他方側に向けて移動させようとする力がスライダに対して作用する場合、スライダとレールとの間における力の伝達は、第1スライダ穴内面又は第2スライダ穴内面と、弾性変形した緩衝部材と、ラッチ凸部と、ラッチ穴とを経由して行われる。この際、支持部と可動部との間に設けられた第1の遊びと第2の遊びとは、緩衝部材がラッチ凸部と第1スライダ穴内面との間、又はラッチ凸部と第2スライダ穴内面との間で弾性変形した状態においても無くならない。このため、スライダとレールとの間における力の伝達は、支持部と可動部とを経由しないので、支持部の強度や剛性を低くできる。その結果、この車両用シートリクライニング装置は、製造コストをより低廉化し易い。
ラッチ穴における中心軸線方向の一方側の第1ラッチ穴内面と、ラッチ穴における中心軸線方向の他方側の第2ラッチ穴内面とは、ラッチ穴が貫設される方向と平行に延びるとともに、双方の間に第1間隔を有していることが望ましい。第1スライダ穴内面と第2スライダ穴内面とは、スライダ穴が貫設される方向と平行に延びるとともに、双方の間に第1間隔より広い第2間隔を有していることが望ましい。ラッチ凸部は、自己の根元側から先端側に向かって、根元部と、中間部と、先端部とを有していることが望ましい。先端部における中心軸線方向の一方側の第1先端部外面と、先端部における中心軸線方向の他方側の第2先端部外面とは、ラッチ穴が貫設される方向と平行に延びるとともに、双方の間に第1間隔より狭い第3間隔を有していることが望ましい。根元部における中心軸線方向の一方側の第1根元部外面と、根元部における中心軸線方向の他方側の第2根元部外面とは、スライダ穴が貫設される方向と平行に延びるとともに、双方の間に第1間隔より広く、かつ第2間隔より狭い第4間隔を有していることが望ましい。中間部は、第1先端部外面及び第2先端部外面と、第1根元部外面及び第2根元部外面とに連続し、根元側から先端側に向かって先細る形状とされていることが望ましい。
この場合、第1ラッチ穴内面と第1先端部外面、又は第2ラッチ穴内面と第2先端部外面とが平行な状態で当接する。また、第1スライダ穴内面と第1根元部外面、又は第2スライダ穴内面と第2根元部外面とが、緩衝部材を挟んで、平行な状態で当接する。このため、スライダとレールとの間における力の伝達は、第1スライダ穴内面又は第2スライダ穴内面と、弾性変形した緩衝部材と、第1根元部外面又は第2根元部外面と、中間部と、第1先端部外面又は第2先端部外面と、第1ラッチ穴内面又は第2ラッチ穴内面とを経由して確実に行われる。
また、根元側から先端側に向かって先細る中間部がラッチ穴に食い込むことにより、ラッチ凸部と各ラッチ穴とが中心軸線方向の両側で確実に当接するので、各ラッチ穴と、各ラッチ穴に係合するラッチ凸部との間で、ガタを無くすことができる。その結果、この車両用シートリクライニング装置では、各ラッチ穴とラッチ凸部との間における異音の発生も抑制できる。
緩衝部材は、バネ鋼からなることが望ましい。この場合、この車両用シートリクライニング装置では、緩衝部材がゴムや樹脂等の軟質材からなる場合と比較して、緩衝部材の耐久性が向上する。
緩衝部材は、スライダに固定され、スライダ穴を囲む包囲部と、包囲部から屈曲し、第1スライダ穴内面とラッチ凸部との間、及び第2スライダ穴内面とラッチ凸部との間にそれぞれ突出する一対の弾性部とを有することが望ましい。この場合、この車両用シートリクライニング装置では、薄板状又は線状のバネ鋼から緩衝部材を容易に製造できるので、製造コストを低廉化し易い。
両弾性部はそれぞれ、中心軸線方向に直交し、かつスライダ穴が貫設される方向に直交する方向に延び、自己の両端が包囲部に連続し、自己の中間部がラッチ凸部に接近するように湾曲又は屈曲していることが望ましい。このような形状である弾性部は、非線形の弾性変形をし易くなる。このため、最初はラッチ凸部に対する押圧力が弱く、変形するにつれてラッチ凸部に対する押圧力が急激に強くなるというように、弾性部の特性を設定し易い。
支持部及び包囲部は、スライダに共締めされていることが望ましい。この場合、この車両用シートリクライニング装置では、支持部と包囲部とを別々にスライダに組み付ける場合と比較して、組み付け工程の簡素化を実現できる。
本発明の車両用シートリクライニング装置では、スライダ穴とラッチ凸部との間における異音の発生を抑制しつつ、ラッチ凸部の各ラッチ穴に対する係合をスムーズに行うことを安価に実現できる。
実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、バックレストと、ロック装置と、シートリクライニング装置との相対位置関係を示す概略側面図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置の斜視図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置の斜視図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置の分解斜視図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、レール、スライダ、緩衝部材及びラッチ凸部等を示す部分断面図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、図5のA−A断面を示す部分断面図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、図6のB−B断面を示す部分断面図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、スライダ及び緩衝部材の斜視図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、緩衝部材の平面図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、スライダ本体、支持部、可動部、ラッチ凸部及び緩衝部材等を抜き出して示す分解斜視図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、図7の一部を拡大した部分断面図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、図11と同様の部分断面図であり、スライダと、ラッチ凸部と、レールとの間における荷重の伝達経路を示す説明図である。 実施例の車両用シートリクライニング装置に係り、レール、スライダ、緩衝部材及びラッチ凸部等を示す部分断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。なお、図1において、紙面右側を車両の前側と規定し、紙面左側を車両の後側と規定し、紙面手前側を車両の右側と規定し、紙面奥側を車両の左側と規定する。また、図2以降の各図に表示する左右方向、前後方向及び上下方向は、全て図1に対応させている。
(実施例)
図1に示すように、実施例の車両用シートリクライニング装置1は、ロック装置90ととともに、車体9に設置された車両用シート8に適用されるものである。車両用シート8は、搭乗者が腰掛けるシート本体6と、搭乗者がもたれ掛かるバックレスト7とにより構成されている。バックレスト7は、シート本体6の後端部に設けられた支持軸6Aに傾動可能に支持されており、シート本体6の後端部から斜め後方に向かって立ち上がっている。
バックレスト7の左側面(図1において、バックレスト7より紙面奥側)の上方には、ロック装置90が固定されている。ロック装置90は、進入口91及びその進入口91を塞ぐように変位可能なフォーク(図示省略)等を有する公知の構成を備えている。進入口91に車両用シートリクライニング装置1のストライカ39が進入した状態でフォークが進入口91を塞ぐことにより、ロック装置90がストライカ39と係合して、バックレスト7の傾動姿勢を固定する。そして、ストライカ39が前後方向に段階的に変位することにより、その変位がロック装置90を介してバックレスト7に伝達され、バックレスト7の傾動姿勢が段階的に変化するようになっている。バックレスト7が傾動する際、ロック装置90は、支持軸6Aを中心とする円弧状の軌跡C1を描く。
図示は省略するが、車両用シート8の近傍には、ロック装置90とストライカ39との係合を解除する解除レバーが設けられている。例えば、大きな荷物を積載するためにバックレスト7を前方に倒す場合、搭乗者がその解除レバーを操作すると、ロック装置90がストライカ39と係合しなくなり、バックレスト7を支持軸6A周りで前方に倒すことができる。
車両用シートリクライニング装置1は、車体9側においてロック装置90の左側(図1において、ロック装置90より紙面奥側)に設けられている。車両用シートリクライニング装置1は、レール10と、スライダ30と、ラッチ機構60とを備えている。
図2〜図5に詳しく示すように、レール10は、金属鋼板が略「C」字断面形状に折り曲げ加工されたものである。レール10は、中心軸線S1に沿って直線状に延びる形状とされている。図6に示すように、レール10の内壁面において、中心軸線S1と平行に延び、かつ上下方向に延びる底面が第1案内面11とされ、第1案内面11の幅方向(図6の紙面左右方向)両端縁からそれぞれ右方に向けて直角に立ち上がり、かつ中心軸線S1と平行に延びる一対の面が第2案内面12A、12Bとされ、各第2案内面12A、12Bの第1案内面11から離れた端縁からそれぞれ幅方向内側に向かって延び、かつ第1案内面11と平行に延びる一対の面が第3案内面13A、13Bとされている。レール10をこのような断面形状とすることにより、レール10の高さを抑えつつ、レール10の曲げ強度を向上させ易くなっている。
図2及び図3に示すように、レール10の前端側及び後端側には、取り付け穴10A、10Bが貫設されている。この取り付け穴10A、10Bに止めネジ等を挿通させて車体9に締結することにより、レール10が車体9に固定される。この際、図1に示すように、レール10の中心軸線S1がロック装置90の円弧状の軌跡C1におおよそ合うように、すなわち、円弧状の軌跡C1の接線と略平行で、軌跡C1と重なるように、レール10が車体9に位置決めされる。
図3〜図5に示すように、レール10の第1案内面11には、中心軸線S1に沿って、5個のラッチ穴19A、19B、19C、19D、19Eが貫設されている。各ラッチ穴19A〜19Eは、第1案内面11の幅方向に長い略矩形状とされている。より詳しくは、各ラッチ穴19A〜19Eは、図5を示すように、その対向する長辺同士が中心軸線S1上で互いに接近するように僅かに屈曲している。図5等では屈曲の程度を強調して図示している。
図7に示すように、ラッチ穴19A〜19Eにおける前側(中心軸線S1方向の一方側)の第1ラッチ穴内面191と、ラッチ穴19A〜19Eにおける後側(中心軸線S1方向の他方側)の第2ラッチ穴内面192とは、ラッチ穴19A〜19Eが貫設される方向と平行に延びるとともに、双方の間に第1間隔W1を有している。
図4〜図6及び図8に示すように、スライダ30は、スライダ本体31と、一対の摺動部40A、40Bとを有している。
図4に示すように、スライダ本体31は、金属鋼板が打ち抜きプレス加工されたものであり、中心軸線S1方向に長い略矩形状とされている。スライダ本体31の前方には、2つのポスト穴31A、31Bが貫設されている。一方、スライダ本体31の後方には、スライダ穴32が各ラッチ穴19A〜19Eと対向して貫設されているとともに、そのスライダ穴32を前後で挟む一対のリベット用穴33A、33Bが貫設されている。スライダ穴32は、スライダ本体31の幅方向に長い略矩形状とされている。より詳しくは、スライダ穴32は、図9に二点鎖線で示すように、その対向する長辺同士が中心軸線S1上で互いに接近するように僅かに屈曲している。図9等では屈曲の程度を強調して図示している。
図7に示すように、スライダ穴32における前側(中心軸線S1方向の一方側)の第1スライダ穴内面321と、スライダ穴32における後側(中心軸線S1方向の他方側)の第2スライダ穴内面322とは、スライダ穴32が貫設される方向である左右方向と平行に延びている。それとともに、第1スライダ穴内面321と第2スライダ穴内面322とは、双方の間に第1間隔W1より広い第2間隔W2を有している。
図2及び図8に示すように、スライダ本体31には、ストライカ39が固定されている。図4に示すように、ストライカ39は、金属丸棒が略「U」字形状に折り曲げ加工されたものである。ストライカ39は、その前側端部39A及び後側端部39Bを各ポスト穴31A、31Bに挿通させて溶接や熱加締めをすることにより、スライダ本体31に強固に結合されている。ストライカ39の前側端部39A近傍は、上述したロック装置90の進入口91に進入してロック装置90と係合する。
図4〜図6及び図8に示すように、各摺動部40A、40Bは、スライダ本体31の上縁及び下縁にそれぞれ装着される樹脂部材である。上側の摺動部40Aは、スライダ本体31の上縁に沿って延び、その上縁を上方、右方及び左方から覆っている。下側の摺動部40Bは、スライダ本体31の下縁に沿って延び、その下縁を下方、右方及び左方から覆っている。各摺動部40A、40Bを構成する樹脂としては、POM(ポリアセタール)樹脂又はPA(ナイロン)樹脂等の耐摩耗性や摺動性に優れた樹脂材料が採用される。
図6に示すように、スライダ30はレール10内に収容される。この際、各摺動部40A、40Bにおいて第1案内面11と対面する面が第1被案内面41A、41Bとされ、各第2案内面12A、12Bと対面する一対の面が第2被案内面42A、42Bとされ、各第3案内面13A、13Bと対面する一対の面が第3被案内面43A、43Bとされている。
各第1被案内面41A、41Bは、第1案内面11に対してガタツキなく摺接する。各第3被案内面43A、43Bも、各第3案内面13A、13Bに対してガタツキなく摺接する。
各第2案内面12A、12Bと各第2被案内面42A、42Bとの間には、幅方向(図6の紙面左右方向)の隙間K1、K2が確保されている。なお、各第2被案内面42A、42Bから幅方向外側に突出する回動部45A、45Bについては後述する。このような構成であるスライダ30は、レール10の中心軸線S1に沿って摺動可能となっている。そして、ストライカ39は、各第3案内面13A、13Bの間からレール10の外側に突出した状態で、中心軸線S1に沿ってスライダ30と一体で移動可能となっている。
図2〜図4に示すように、スライダ本体31には、支持部61が固定されている。支持部61は、金属鋼板が打ち抜きプレス加工されたものであり、スライダ穴32を右方から覆っている。支持部61の前後一対の側壁には、さらに前後方向に突出する一対の切片が形成されている。各切片は、スライダ本体31の右方を向く面に沿う状態で、リベット用穴33A、33Bに挿通されるリベット33Rにより、スライダ本体31に加締め固定されている。この際、図8に示すように、緩衝部材100の包囲部103がスライダ本体31の左方を向く面に沿う状態で、リベット33Rにより支持部61と共締めされる。
図7及び図10に示すように、支持部61の上端側には略「コ」字形状に折り曲げられて、スライダ本体31に向けて突出する一対の切片61M、61Nが形成されている。各切片61M、61Nには、揺動軸62が中心軸線S1と平行な姿勢で両端支持されている。揺動軸62には、ねじりコイルバネ62Aが外挿されている。
図2〜図4及び図7に示すように、支持部61は、可動部69を揺動軸62回りで揺動可能に支持している。より詳しくは、可動部69は、金属鋼板が打ち抜きプレス加工されたものであり、その中間部から幅方向に突出して略「コ」字形状に折り曲げられた一対の切片69M、69Nを有している。可動部69は、各切片69M、69Nに貫設された軸穴に揺動軸62が挿入され、各切片69M、69Nが支持部61の各切片61M、61Nに挟まれた状態で支持部61に支持される。
図7及び図10に示すように、各切片61M、61Nの対向する内壁面の間隔A11は、各切片69M、69Nの対向する外壁面の間隔A12に対して、0.数mm〜数mm程度大きくされている。
図7に示すように、支持部61における前側(中心軸線S1方向の一方側)の切片61Mと、可動部69における前側(中心軸線S1方向の一方側)の切片69Mとの間には、中心軸線S1方向の第1の遊びA1が設けられている。支持部61における後側(中心軸線S1方向の他方側)の切片61Nと、可動部69における後側(中心軸線S1方向の他方側)の切片69Nとの間には、中心軸線S1方向の第2の遊びA2が設けられている。第1の遊びA1と第2の遊びA2との合計値は、間隔A11から間隔A12を引いた値である。
図7及び図10等に示すように、可動部69は、入力部69Bと、ラッチ凸部70とをもっている。入力部69Bは、可動部69における揺動軸62より上方に伸びて左方に屈曲している。ラッチ凸部70は、段付き角柱体である。ラッチ凸部70の根元側は、可動部69における揺動軸62より下方の端部に加締め固定されている。ラッチ凸部70の先端側は、左方に突出している。ねじりコイルバネ62Aは、ラッチ凸部70がレール10の第1案内面11に向かって進行するように可動部69を付勢している。
図7、図10及び図11に示すように、ラッチ凸部70は、自己の根元側から先端側に向かって、根元部71と、中間部72と、先端部73とを有している。
先端部73における前側(中心軸線S1方向の一方側)の第1先端部外面731と、先端部73における後側(中心軸線S1方向の他方側)の第2先端部外面732とは、ラッチ穴19A〜19Eが貫設される方向である左右方向と平行に延びている。それとともに、第1先端部外面731と第2先端部外面732とは、双方の間に第1間隔W1より狭い第3間隔W3を有している。
根元部71における前側(中心軸線S1方向の一方側)の第1根元部外面711と、根元部71における後側(中心軸線S1方向の他方側)の第2根元部外面712とも、スライダ穴32が貫設される方向である左右方向と平行に延びている。それとともに、第1根元部外面711と第2根元部外面712とは、双方の間に第1間隔W1より広く、かつ第2間隔W2より狭い第4間隔W4を有している。
中間部72は、第1先端部外面731及び第2先端部外面732と、第1根元部外面711及び第2根元部外面712とに連続し、ラッチ凸部70の根元側から先端側に向かって先細る形状とされている。
図7に示すように、スライダ穴32とラッチ凸部70の根元部71との間には、中心軸線S1方向の隙間(W2−W4)が設けられている。隙間(W2−W4)は、スライダ穴32の第2間隔W2から根元部71の第4間隔W4を引いた値である。
図6〜図11に示すように、スライダ穴32における第1スライダ穴内面321と第2スライダ穴内面322とには、緩衝部材100が設けられている。緩衝部材100は、バネ鋼からなる薄板を打ち抜き加工及び折り曲げ加工したものである。緩衝部材100は、包囲部103と、一対の弾性部101、102とを有している。
図9に示すように、包囲部103は、スライダ穴32を囲む略矩形環形状である。包囲部103の前側及び後側には、共締め穴103A、103Bが貫設されている。包囲部103がスライダ本体31の左方を向く面に沿う状態で、共締め穴103A、103Bにリベット33Rが挿通されて加締められることにより、包囲部103が支持部61と共締めされて、スライダ30に固定される。
前側の弾性部101は、包囲部103の内周縁の前側から右方(図9の紙面奥側)に略直角に屈曲し、第1スライダ穴内面321とラッチ凸部70との間に突出している。弾性部101は、中心軸線S1方向に直交し、かつスライダ穴32が貫設される方向に直交する方向、すなわち、上下方向に延びている。弾性部101の両端101A、101Bは、包囲部103の内周縁の前側に連続している。弾性部101の中間部101Cは、ラッチ凸部70に接近するように屈曲している。
後側の弾性部102は、包囲部103の内周縁の後側から右方(図9の紙面奥側)に略直角に屈曲し、第2スライダ穴内面322とラッチ凸部70との間に突出している。弾性部102は、中心軸線S1方向に直交し、かつスライダ穴32が貫設される方向に直交する方向、すなわち、上下方向に延びている。弾性部102の両端102A、102Bは、包囲部103の内周縁の後側に連続している。弾性部102の中間部102Cは、ラッチ凸部70に接近するように屈曲している。
このような形状とされた緩衝部材100では、スライダ穴32を通過するラッチ凸部70に対して、両弾性部101、102が弾性変形しつつ摺接する。
第1の遊びA1と第2の遊びA2とは、図12に示すように緩衝部材100の弾性部101がラッチ凸部70と第1スライダ穴内面321との間で弾性変形した状態においても、無くならない大きさとされている。また、図示は省略するが、第1の遊びA1と第2の遊びA2とは、緩衝部材100の弾性部102がラッチ凸部70と第2スライダ穴内面322との間で弾性変形した状態においても、無くならない大きさとされている。
上記構成により、ラッチ凸部70がレール10のラッチ穴19A〜19Eのいずれか1つと対向すれば、ラッチ凸部70がスライダ穴32を通過し、そのラッチ穴19A〜19Eのいずれか1つに係合する。その結果、レール10に対するスライダ30の中心軸線S1に沿う摺動が規制される。上記構成により、この車両用シートリクライニング装置1では、レール10の第1案内面11と、スライダ本体31との面間距離を短くできており、ラッチ凸部70や可動部69に係る負荷を低減できている。
図3及び図4に示すように、入力部69Bには、伝達ケーブル65の一端が連結されている。図示は省略するが、車両用シート8の近傍には、バックレスト7の傾動姿勢を調整する調整レバーが設けられており、その調整レバーに伝達ケーブル65の他端が連結されている。バックレスト7の傾動姿勢を調整する場合、搭乗者がその調整レバーを操作すると、その操作が伝達ケーブル65を介して入力部69Bに伝達されて、入力部69Bが引き下げられる。そうすると、可動部69がねじりコイルバネ62Aの付勢力に抗しつつ揺動軸62周りで揺動するので、ラッチ凸部70がレール10の第1案内面11から後退して、ラッチ凸部70がラッチ穴19A〜19Eと係合しなくなる。その結果、レール10に対するスライダ30の中心軸線S1に沿う摺動が許容される。
図5及び図13では、ラッチ凸部70がラッチ穴19Aに係合しており、ストライカ39が最前方に位置している。図示は省略するが、ラッチ凸部70がラッチ穴19Eと係合する場合、ストライカ39は最後方に位置することとなる。
ラッチ凸部70を有する可動部69と、5個のラッチ穴19A〜19Eと、スライダ穴32とを有して本発明のラッチ機構60が構成されている。ここで、ラッチ穴19A〜19Eのいずれか1つと係合しているラッチ凸部70の軸芯を回動軸芯R1として、図5、図6及び図13に表示する。
図4〜図6、図8及び図13に示すように、各摺動部40A、40Bには、スライダ本体31の上縁及び下縁にそれぞれ沿うように延び、かつ、スライダ本体3の幅方向の外側に向かって屈曲する一対の回動部45A、45Bが一体成形されている。各回動部45A、45Bはそれぞれ、レール10内において、第2案内面12A又は第2案内面12Bと、スライダ本体31の上縁又は下縁とに挟まれて、弾性変形する。
各回動部45A、45Bがレール10内で弾性変形することにより形成する曲面は、回動軸芯R1を軸芯とし、回動軸芯R1と各第2案内面12A、12Bとの距離(すなわち、第2案内面12A、12Bの相互間距離の1/2)を半径とする円筒面の一部と略同一である。こうして、各回動部45A、45Bは、各第2案内面12A、12Bと各第2被案内面42A、42Bとの間の隙間K1、K2を狭めている。そして、スライダ30が中心軸線S1に沿う位置(図5に示す位置)から、回動軸芯R1周りで回動しようとする際、各回動部45A、45Bが各第2案内面12A、12Bと常に摺接するようになっている。その結果、スライダ30は、レール10に対して幅方向に位置ずれすることなく、回動軸芯R1周りで回動できる。
図4、図5、図8及び図13に示すように、各摺動部40A、40Bの前端部には、一対の付勢部46A、46Bが一体成形されている。各付勢部46A、46Bは、各摺動部40A、40Bから幅方向外側に向けて斜めに突出し、各第2案内面12A、12Bに弾性変形しつつ摺接している。
ストライカ39の前端部39A側がロック装置90と係合していない状態では、図5に示すように、スライダ30が回動軸芯R1周りで回動しておらず、各付勢部46A、46Bの付勢力により、ストライカ39が中心軸線S1上に位置している。
一方、図13に示すように、円弧状の軌跡C1に対して中心直線S1が上方にずれた位置においてストライカ39の前端部39A側がロック装置90と係合する場合、スライダ30を回動軸芯R1周りで図13の紙面に向かって時計方向に回動させようとするモーメントが作用する。そうすると、スライダ30が軌跡C1と中心直線S1とのずれを吸収するように回動軸芯R1周りで回動する。この際、付勢部46Bが第2案内面12Bに強く押し付けられてさらに弾性変形する。その結果、付勢部46Bの復元力がスライダ30に作用して、スライダ30を回動軸芯R1周りで元の位置に復帰させようとする。このため、ストライカ39の前端部39A側がロック装置90と係合しなくなる場合や、スライダ30が後方に移動する場合に、スライダ30を回動軸芯R1周りで元の位置に復帰し易い。
図示は省略するが、レール10に対してスライダ30が回動軸芯R1周りで上記とは逆方向に回動する場合、付勢部46Aがスライダ30を回動軸芯R1周りで元の位置に復帰させようとする。
<作用効果>
本発明の車両用シートリクライニング装置1では、スライダ穴32とラッチ凸部70との間に、中心軸線S1方向の隙間(W2−W4)が設けられている。そして、スライダ穴32における前側の第1スライダ穴内面321と、後側の第2スライダ穴内面322とに、緩衝部材100が設けられている。緩衝部材100は、ラッチ凸部70に対して弾性変形しつつ摺接する。このような緩衝部材100により、スライダ穴32とラッチ凸部70との間で、中心軸線S1方向の隙間(W2−W4)をうめることができる。このため、この車両用シートリクライニング装置1では、車両の走行時の振動等によりスライダ30に力が作用し、スライダ30がレール10に対して前後方向にガタつく場合でも、ラッチ凸部70とスライダ穴32とが中心軸線S1方向において、弾性変形する緩衝部材100を挟んだ状態となり、双方が衝突しない。その結果、この車両用シートリクライニング装置1では、スライダ穴32とラッチ凸部70との間における衝突異音の発生を抑制できる。また、緩衝部材100が介在することによりスライダ穴32とラッチ凸部70とが擦れることにより発生する異音も抑制できる。
また、この車両用シートリクライニング装置1では、緩衝部材100の作用効果により、スライダ穴32とラッチ凸部70との隙間(W2−W4)を広くできる。このため、この車両用シートリクライニング装置1では、スライダ穴32とラッチ凸部70との隙間(W2−W4)に対する寸法管理を簡素化しても、ラッチ凸部70がスライダ穴32を通過する際に引っ掛かる不具合が生じ難い。
したがって、本発明の車両用シートリクライニング装置1では、スライダ穴32とラッチ凸部70との間における異音の発生を抑制しつつ、ラッチ凸部70の各ラッチ穴19A〜19Eに対する係合をスムーズに行うことを安価に実現できる。
また、この車両用シートリクライニング装置1では、図11に示すように、ラッチ凸部70とラッチ穴19A〜19Eとは、中心軸線S1方向の両側で、中間部72と、第1ラッチ穴内面191及び第2ラッチ穴内面192と当接することにより係合可能である。
そして、図12に示すように、ラッチ凸部70がラッチ穴19A〜19Eに係合している状態において、スライダ30をレール10に対して中心軸線S1方向の他方側、すなわち、後側に向けて移動させようとする力がスライダ30に対して作用する場合、スライダ30とレール10との間における力の伝達は、第1スライダ穴内面321と、緩衝部材100の弾性変形した弾性部101と、ラッチ凸部70と、ラッチ穴19A〜19Eの第2ラッチ穴内面192とを経由して行われる。この際、支持部61と可動部69との間に設けられた第1の遊びA1と第2の遊びA2とは、弾性部101がラッチ凸部70と第1スライダ穴内面321との間で弾性変形した状態においても無くならない。図示は省略するが、ラッチ凸部70がラッチ穴19A〜19Eに係合している状態において、スライダ30をレール10に対して中心軸線S1方向の一方側、すなわち、図12とは反対側である前側に向けて移動させようとする力がスライダ30に対して作用する場合、スライダ30とレール10との間における力の伝達は、第2スライダ穴内面322と、緩衝部材100の弾性変形した弾性部102と、ラッチ凸部70と、ラッチ穴19A〜19Eの第1ラッチ穴内面191とを経由して行われる。この際も、支持部61と可動部69との間に設けられた第1の遊びA1と第2の遊びA2とは、弾性部102がラッチ凸部70と第2スライダ穴内面322との間で弾性変形した状態においても無くならない。これらにより、スライダ30とレール10との間における力の伝達は、支持部61と可動部69とを経由しないので、支持部61の強度や剛性を低くできる。その結果、この車両用シートリクライニング装置1は、製造コストをより低廉化し易い。
さらに、この車両用シートリクライニング装置1では、スライダ30とレール10との間で力の伝達が行われる際、例えば、図12に示すように、第1ラッチ穴内面191と第1先端部外面731、又は第2ラッチ穴内面192と第2先端部外面732とが平行な状態で当接する。また、第1スライダ穴内面321と第1根元部外面711、又は第2スライダ穴内面322と第2根元部外面712とが、緩衝部材100を挟んで、平行な状態で当接する。このため、スライダ30とレール10との間における力の伝達は、第1スライダ穴内面321又は第2スライダ穴内面322と、弾性変形した緩衝部材100と、第1根元部外面711又は第2根元部外面712と、中間部72と、第1先端部外面731又は第2先端部外面732と、第1ラッチ穴内面191又は第2ラッチ穴内面192とを経由して確実に行われる。
また、図11に示すように、根元側から先端側に向かって先細る中間部72がラッチ穴19A〜19Eに食い込むことにより、ラッチ凸部70と各ラッチ穴19A〜19Eとが中心軸線S1方向の両側、すなわち、前側と後側とで確実に当接するので、各ラッチ穴19A〜19Eと、各ラッチ穴19A〜19Eに係合するラッチ凸部70との間で、ガタを無くすことができる。その結果、この車両用シートリクライニング装置1では、各ラッチ穴19A〜19Eとラッチ凸部70との間における異音の発生も抑制できる。
また、この車両用シートリクライニング装置1では、緩衝部材100がバネ鋼からなるので、緩衝部材がゴムや樹脂等の軟質材からなる場合と比較して、緩衝部材100の耐久性が向上する。
さらに、この車両用シートリクライニング装置1では、緩衝部材100が包囲部103と一対の弾性部101、102とを有していることにより、薄板状又は線状のバネ鋼から緩衝部材100を容易に製造できるので、製造コストを低廉化し易い。
また、この車両用シートリクライニング装置1では、両弾性部101、102はそれぞれ、中心軸線S1方向に直交し、かつスライダ穴32が貫設される方向に直交する方向に延び、自己の両端101A、101B、102A、102Bが包囲部103に連続し、自己の中間部101C、102Cがラッチ凸部70に接近するように屈曲している。このような形状である弾性部101、102は、非線形の弾性変形をし易くなる。このため、最初はラッチ凸部70に対する押圧力が弱く、変形するにつれてラッチ凸部70に対する押圧力が急激に強くなるというように、弾性部101、102の特性を設定し易い。
さらに、この車両用シートリクライニング装置1では、支持部61及び包囲部103は、スライダ30に共締めされているので、支持部61と包囲部103とを別々にスライダ30に組み付ける場合と比較して、組み付け工程の簡素化を実現できる。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
実施例では、中心軸線S1は直線状に延びているがこの構成には限定されない。中心軸線は、例えば、円弧状に延びていてもよい。
実施例では、緩衝部材は、バネ鋼の薄板からなり、包囲部103が環状であるがこの構成には限定されない。緩衝部材は、例えば、バネ鋼の棒材や、樹脂製部材であってもよい。また、包囲部は、例えば、C字状であってもよい。
本発明は自動車、バス又は産業車両等の車両に利用可能である。
9…車体
8…車両用シート
7…バックレスト
90…ロック装置
1…車両用シートリクライニング装置
S1…中心軸線
C1…ロック装置の軌跡
10…レール
39…ストライカ
30…スライダ
60…ラッチ機構
19A、19B、19C、19D、19E…ラッチ穴
32…スライダ穴
61…支持部
70…ラッチ凸部
69…可動部
W2−W4…中心軸線方向の隙間
321…第1スライダ穴内面
322…第2スライダ穴内面
100…緩衝部材
61M…支持部における中心軸線方向の一方側の端部
A1…第1の遊び
61N…支持部における中心軸線方向の他方側の端部
A2…第2の遊び
191…第1ラッチ穴内面
192…第2ラッチ穴内面
W1…第1間隔
W2…第2間隔
71…根元部
72…中間部
73…先端部
731…第1先端部外面
732…第2先端部外面
W3…第3間隔
711…第1根元部外面
712…第2根元部外面
W4…第4間隔
103…包囲部
101、102…一対の弾性部
101A、101B、102A、102B…弾性部の両端
101C、102C…弾性部の中間部

Claims (7)

  1. 車体側に設けられ、車両用シートの傾動するバックレストに固定されるロック装置と協働して、前記バックレストの傾動姿勢を段階的に固定する車両用シートリクライニング装置において、
    中心軸線に沿って延び、前記バックレストの傾動時に描かれる前記ロック装置の軌跡に合わせて前記車体側に固定されるレールと、
    前記レールに摺動可能に設けられ、前記ロック装置に係合するストライカが設けられたスライダと、
    前記レールと前記スライダとの間に設けられ、前記スライダの摺動を規制又は許容するラッチ機構とを備え、
    前記ラッチ機構は、前記中心軸線に沿って前記レールに列設された複数個のラッチ穴と、各前記ラッチ穴と対向して前記スライダに貫設されたスライダ穴と、前記スライダに設けられた支持部と、前記支持部に変位可能に支持され、前記スライダ穴を通過して各前記ラッチ穴に係合可能なラッチ凸部をもつ可動部とを有し、
    前記スライダ穴と前記ラッチ凸部との間には、前記中心軸線方向の隙間が設けられ、
    前記スライダ穴における前記中心軸線方向の一方側の第1スライダ穴内面と、前記スライダ穴における前記中心軸線方向の他方側の第2スライダ穴内面とには、前記ラッチ凸部に対して弾性変形しつつ摺接する緩衝部材が設けられ
    前記緩衝部材は、前記スライダに固定されていることを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
  2. 前記支持部における前記中心軸線方向の一方側の端部と前記可動部との間には、前記中心軸線方向の第1の遊びが設けられ、
    前記支持部における前記中心軸線方向の他方側の端部と前記可動部との間には、前記中心軸線方向の第2の遊びが設けられ、
    前記第1の遊びと前記第2の遊びとは、前記緩衝部材が前記ラッチ凸部と前記第1スライダ穴内面との間、又は前記ラッチ凸部と前記第2スライダ穴内面との間で弾性変形した状態においても無くならない大きさとされている請求項1記載の車両用シートリクライニング装置。
  3. 前記ラッチ穴における前記中心軸線方向の一方側の第1ラッチ穴内面と、前記ラッチ穴における前記中心軸線方向の他方側の第2ラッチ穴内面とは、前記ラッチ穴が貫設される方向と平行に延びるとともに、双方の間に第1間隔を有し、
    前記第1スライダ穴内面と前記第2スライダ穴内面とは、前記スライダ穴が貫設される方向と平行に延びるとともに、双方の間に前記第1間隔より広い第2間隔を有し、
    前記ラッチ凸部は、自己の根元側から先端側に向かって、根元部と、中間部と、先端部とを有し、
    前記先端部における前記中心軸線方向の一方側の第1先端部外面と、前記先端部における前記中心軸線方向の他方側の第2先端部外面とは、前記ラッチ穴が貫設される方向と平行に延びるとともに、双方の間に前記第1間隔より狭い第3間隔を有し、
    前記根元部における前記中心軸線方向の一方側の第1根元部外面と、前記根元部における前記中心軸線方向の他方側の第2根元部外面とは、前記スライダ穴が貫設される方向と平行に延びるとともに、双方の間に前記第1間隔より広く、かつ前記第2間隔より狭い第4間隔を有し、
    前記中間部は、前記第1先端部外面及び前記第2先端部外面と、前記第1根元部外面及び第2根元部外面とに連続し、前記根元側から前記先端側に向かって先細る形状とされている請求項2記載の車両用シートリクライニング装置。
  4. 前記緩衝部材は、バネ鋼からなる請求項1乃至3のいずれか1項記載の車両用シートリクライニング装置。
  5. 前記緩衝部材は、前記スライダに固定され、前記スライダ穴を囲む包囲部と、前記包囲部から屈曲し、前記第1スライダ穴内面と前記ラッチ凸部との間、及び前記第2スライダ穴内面と前記ラッチ凸部との間にそれぞれ突出する一対の弾性部とを有する請求項4記載の車両用シートリクライニング装置。
  6. 両前記弾性部はそれぞれ、前記中心軸線方向に直交し、かつ前記スライダ穴が貫設される方向に直交する方向に延び、自己の両端が前記包囲部に連続し、自己の中間部が前記ラッチ凸部に接近するように湾曲又は屈曲している請求項5記載の車両用シートリクライニング装置。
  7. 前記支持部及び前記包囲部は、前記スライダに共締めされている請求項5又は6記載の車両用シートリクライニング装置。
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