JP5967239B1 - 操舵反力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 この発明は、反力モータを大型化させることなく、タイヤの転舵速度が速い場合においても、転舵機構が転舵規制機構へ勢いよく衝突することを防止可能な操舵反力制御装置の提供を目的とする。【解決手段】 本発明に係る操舵反力制御装置12は、ステアバイワイヤ式の車両に搭載され、ハンドルの操舵角θhdlに応じて、ハンドルに操舵反力を付与する反力モータを制御するものであり、タイヤの転舵位置Xposを検出する転舵位置検出手段と、タイヤの転舵速度Xvelを検出する転舵速度検出手段24と、転舵位置がタイヤの最大転舵位置Xlimitに応じた所定位置に到達したときに、端当て反力Tedgeを操舵反力Treacに追加する端当て反力制御手段25と、を備え、端当て反力制御手段は、転舵速度の増大に基づいて、端当て反力を操舵反力に追加する判定基準を最大転舵位置から離れる方向に変更するものである。【選択図】 図2

Description

本発明は、タイヤを転舵する転舵機構とハンドルとを機械的に分離可能にした、いわゆるステアバイワイヤ(以下、SBWと略する)式の車両に搭載された操舵反力制御装置に関する。
近年、タイヤを転舵する転舵機構とハンドルとを機械的に切り離したSBW式の操舵制御装置が、振動等の不快な成分をドライバーへ伝達せずハンドルとタイヤ間のギア比を可変にできることから、従来の電動パワーステアリング式の操舵制御装置に代わる技術として関心が高まっている。このSBW式の操舵制御装置は、ハンドルの操作量に応じてタイヤを転舵する転舵モータや、ハンドルの角度やタイヤの状態に応じて、ハンドルを切っている方向と反対方向の力、即ち操舵反力を付与する反力モータを制御するものである。
このSBW式の操舵制御装置において、通常操舵時はタイヤとハンドルが機械的に切り離されているが、断線やモータに電源が供給されないような緊急時には、タイヤとハンドルを機械的に接続するバックアップクラッチを備えたSBW式の操舵制御装置が主流となっている。
また、転舵機構とハンドルとが機械的に分離されているが、タイヤはハンドルの操作量に応じて転舵する制御であるため、ハンドルが回転し続けると、タイヤも転舵を続け、いずれタイヤの可動範囲限界に到達する。そこで、タイヤの可動範囲限界となる最大転舵角付近では、ドライバーに端当て感を与えてタイヤの可動範囲限界への到達を気付かせる必要があり、その制御を操舵反力制御装置が担っている。最大転舵角を超えてタイヤが転舵することのできないように、例えばラックストッパー等の転舵規制機構を転舵機構には設けているが、転舵規制機構を必要以上に消耗させないために、最大転舵角に到達する前にドライバーには端当て感を与える制御が行われている。
特許文献1に開示される操舵反力制御装置では、実際の転舵角が最大転舵角に近づいたことを検出し、反力モータにより端当て反力トルクの付与を開始し、転舵角が最大転舵角に到達する前にドライバーに対して端当て感が充分に与えられるよう、端当て反力トルクの目標値まで端当て反力トルクを急激に増大させている。転舵角が最大転舵角に近づいたことを検出してから、端当て反力トルクが端当て反力トルクの目標値に到達するまでには通信遅れ等によりタイムラグが発生し、このタイムラグの間もドライバーには端当て感が与えられることなくハンドルの回転が続けられ、タイヤも同様に転舵を続けるが、このタイムラグや転舵における慣性も考慮して端当て反力トルクが付与されるため、端当て感によってドライバーがハンドルの回転を取り止めることで、タイヤも最大転舵角に到達する前に転舵が止まる。
特許第4425687号公報
しかし、特許文献1に開示の操舵反力制御装置は、タイヤの転舵速度を考慮した制御ではないため、タイヤの転舵角が最大転舵角に到達することがある。一般に、転舵角が最大転舵角に近づいたことを検出してから、転舵角が最大転舵角に到達するまでの期間は、ハンドルの回転速度が速いほど、すなわちタイヤの転舵速度が速いほど短い。タイヤの転舵速度の増大に伴ってこの期間が短くなると、上記のタイムラグに比べて、この期間の方が短くなりうる。特許文献1に開示の操舵反力制御装置は、タイヤの転舵速度を考慮していない、即ち、上記のタイムラグに比べて、この期間が短くなることが想定されていないため、転舵角が最大転舵角に近づいたことを検出してからもなおハンドルが回転し続けると、タイヤもハンドルの回転に応じて転舵を続け、端当て反力トルクが充分に付与される前に、タイヤの転舵角が最大転舵角に到達してしまうことがある。このように通信遅れや転舵における慣性等によって、転舵速度が速い状態でタイヤが最大転舵角に到達すると、転舵機構が転舵規制機構へ勢いよく衝突し、消耗が激しい場合は破壊される恐れまである。
この問題に対して、端当て反力トルクが目標値に向けて立ち上がるスピードを速めることで対応することも考えられるが、急出力に対応したモータが必要となるため、反力モータが大型化し、スペース、コストの両面で不利となる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、反力モータを大型化させることなく、タイヤの転舵速度が速い場合においても、転舵機構が転舵規制機構へ勢いよく衝突することを防止可能な操舵反力制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る操舵反力制御装置は、タイヤを転舵する転舵機構とハンドルとが機械的に切り離されたステアリング機構を備えるステアバイワイヤ式の車両に搭載され、ハンドルの操舵角に応じて、ハンドルに操舵反力を付与する反力モータを制御するものであり、タイヤの転舵位置を検出する転舵位置検出手段と、タイヤの転舵速度を検出する転舵速度検出手段と、転舵位置がタイヤの最大転舵位置に応じた所定位置に到達したときに、ドライバーに端当て感を感じさせる端当て反力を操舵反力に追加する端当て反力制御手段と、を備え、端当て反力制御手段は、端当て反力を操舵反力に追加するために、転舵位置が所定位置に到達したかを判定するための判定基準を、転舵速度の増大に応じて最大転舵位置から離れる方向に変更することを特徴とするものである。
本発明に係る操舵反力制御装置によれば、転舵速度の増大に基づいて、端当て反力を操舵反力に追加する判定基準を最大転舵位置から離れる方向に変更することで、端当て反力を追加するタイミングを転舵速度に応じて早められるので、反力モータを大型化させることなく、タイヤの転舵速度が速い場合においても、転舵機構が転舵規制機構へ勢いよく衝突することを防止可能である。
本実施の形態1に係る操舵反力制御装置を含むSBWシステムの全体構成図である。 本実施の形態1に係る操舵反力制御装置のブロック図である。 本実施の形態1に係る操舵反力制御装置の制御フローチャートである。 本実施の形態1に係る端当て反力トルク演算手段のブロック図である。 本実施の形態1に係る端当て反力トルク演算手段の制御フローチャートである。 本実施の形態1に係る転舵位置補正手段のブロック図である。 本実施の形態1に係る転舵位置補正手段の制御フローチャートである。 本実施の形態1に係る操舵反力制御におけるタイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、図中における同等または対応する要素については同番号を付す。
実施の形態1.
以下に、本実施の形態1に係る操舵反力制御装置について説明する。図1は、本実施の形態1に係る操舵反力制御装置を含むSBWシステムの全体構成図である。操舵反力制御装置は、このSBWシステムを備えた車両に搭載されるものである。なお、図中の矢印は電気信号の入出力の流れを示す。
SBWシステムを備えた車両は、ドライバーが操舵を行うハンドル1、ハンドル1の操舵角を検出する操舵角センサ2、ハンドル1にかかる操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ3、反力ギアボックス4、ハンドル1に操舵反力を付与する反力モータ5、クラッチ6、転舵ギアボックス7、転舵モータ8、転舵可能なタイヤ9、車両の走行速度を検出する車速センサ10、車両用操舵制御装置11を搭載し、これら構成を主としてSBWシステムが構成されている。車両用操舵制御装置11は、ハンドル1の操舵角等に応じて反力モータ5を制御する操舵反力制御装置12、タイヤ9の転舵位置等に応じて転舵モータ8を制御する転舵制御装置13を備えている。以下に各構成の機能を説明する。
反力モータ5は、操舵反力制御装置12からの反力電流指令値Irct_tに基づき駆動される。反力モータ5の出力は、反力ギアボックス4により数倍になったトルクとしてハンドル軸に付与される。また、タイヤ9の最大転舵位置付近では、反力モータによって急激に端当て反力トルクが付与され、ドライバーに端当て感を与える。
クラッチ6は、ハンドル1等の操舵機構側と転舵モータ8からタイヤ9に至る転舵機構側とが機械的に接続された状態と、切り離された状態に切り替えることができる。通常走行時は機械的に切り離された状態であるが、故障時は接続する仕組みになっている。このように、SBW式の車両とは、タイヤ9を転舵する転舵機構とハンドル1とが常時機械的に切り離されたもののみを示すものではなく、故障時や緊急時等にタイヤ9とハンドル1を機械的に接続するものも含まれるものである。
タイヤ9に転舵トルクを付与する転舵モータ8は、転舵制御装置13からの転舵電流指令値Istr_tに基づき駆動される。転舵モータ8の出力は、転舵ギアボックス7により数倍になったトルクとしてステアリング軸経由でラックに付与される。転舵ギアボックス7内にタイヤ9の転舵位置を検出する転舵センサ14が配設され、この転舵センサ14によって、転舵機構の左右動作に基づきタイヤ9の中立位置からの変位量、すなわち転舵位置Xposを把握する方法をとる。なお、この方法で検出するものに限らず、タイヤ9の角度を転舵位置として検出するなど、公知の技術を用いて変位量や角度等からタイヤ9の転舵位置を検出すればよい。また、転舵センサ14は特許請求の範囲に記載の転舵位置検出手段に相当し、操舵反力制御装置12の筐体内に配設されるとは限らない。
車速センサ10は、1輪の車輪速に基づき検出している。ただし、この方法に限らず、4輪の車輪速の平均や、右車輪速平均、左車輪速平均等の種々の方法により車速Vを求めても構わない。また、車両用操舵制御装置11は、操舵反力制御装置12、転舵制御装置13のみならず、その他車載システムとの通信装置等も備えている。
操舵反力制御装置12は、操舵角センサ2の出力である操舵角θhdl、操舵トルクセンサ3の出力である操舵トルクThdl、反力モータ5に流れている反力電流Irct、車速センサ10の出力である車速Vおよび転舵センサ14で検出される転舵位置Xposが入力され、それらに基づき反力モータ5へ反力電流指令値Irct_tを出力する。
転舵制御装置13は、操舵角センサ2の出力である操舵角θhdl、転舵モータ8に流れている転舵電流Istr、車速センサ10の出力である車速Vおよび転舵センサ14で検出される転舵位置Xposが入力され、それらに基づき転舵モータ8へ転舵電流指令値Istr_tを出力する。
なお、操舵反力制御装置12や転舵制御装置13は、それぞれ1台の制御装置から構成されるものであっても、1台の車両用操舵制御装置11が実行する2つの制御プログラムとして構成するものであってもよい。
次に、本実施の形態1に係る操舵反力制御装置のブロック図を図2に示し、その詳細を以下に説明する。操舵反力制御装置12は、操舵角速度演算手段21、操舵反力演算手段22、最大転舵位置Xlimitを記憶した最大転舵位置記憶手段23、転舵速度検出手段24、端当て反力トルク演算手段25、第1の加算器26を備えている。操舵角速度演算手段21は、操舵角θhdlから操舵角速度ωhdlを演算する。操舵角速度ωhdlは公知の技術を用いて演算すればよく、その他にも操舵角速度センサから通信で得た情報等を用いて検出してもよい。
操舵反力演算手段22は、車速V、操舵角θhdl、操舵角速度ωhdl、操舵トルクThdlに基づき操舵反力トルクTreacを演算し出力する。この操舵反力トルクTreacは少なくとも操舵角θhdlに応じており、公知の技術を用いて演算すればよい。
最大転舵位置記憶手段23に記憶される最大転舵位置Xlimitは、タイヤ9の可動範囲限界として定めた、タイヤ9の中立位置からの変位量である。本実施の形態1において最大転舵位置Xlimitは、変位量として定めているが、例えば、転舵位置Xposが実際の転舵角として与えられる場合は最大転舵角と読み替えればよい。
転舵速度検出手段24は、転舵位置Xposに基づき転舵速度Xvelを演算する。転舵速度Xvelの検出は、公知の技術を用いて転舵速度Xvelが検出されるものであればその手段は問わない。
端当て反力トルク演算手段25は、転舵位置Xpos、転舵速度Xvel及び最大転舵位置Xlimitに基づいて端当て反力トルクTedgeを演算し出力する。端当て反力トルク演算手段は、特許請求の範囲に記載の端当て反力制御手段に相当し、この手段が本発明に関する主要な部分であり、その詳細は後述する。第1の加算器26は、操舵反力トルクTreacと端当て反力トルクTedgeを加算し、反力トルクTreac_totalを出力する。図2には記載していないが、この演算された反力トルクTreac_totalに応じて反力電流指令値Irct_tを算出し、反力モータ5へ入力することで、反力モータ5は所望の反力トルクTreac_totalを出力する。
操舵反力制御装置の動作を図3に基づいて説明する。図3は、本実施の形態1に係る操舵反力制御装置の制御フローチャートである。まず、ステップS101で、操舵角θhdlを操舵角速度演算手段21に入力し、操舵角速度ωhdlを演算する。次のステップS102で、車速V、操舵角θhdl、操舵トルクThdl、操舵角速度ωhdlを操舵反力演算手段22に入力し、操舵反力トルクTreacを出力する。ステップS103では、転舵位置Xposを転舵速度検出手段24に入力し、転舵速度Xvelを演算する。ステップS104で、転舵位置Xposと転舵速度Xvelと最大転舵位置Xlimitを端当て反力トルク演算手段25に入力し、端当て反力トルクTedgeを出力する。ステップS105で、操舵反力トルクTreacと端当て反力トルクTedgeとを第1の加算器26にて加算し、反力トルクTreac_totalとして出力する。この動作は一例であり、操舵反力トルクTreacと端当て反力トルクTedgeとの演算は同時に行うものであってもよい。
次に、端当て反力トルク演算手段25の構成について図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態1に係る端当て反力トルク演算手段のブロック図である。端当て反力トルク演算手段25は、転舵位置補正手段31、補正後転舵位置反力演算手段32を備えている。転舵位置補正手段31は、転舵センサ14によって検出された実際の転舵位置Xpos、転舵速度Xvel及び最大転舵位置Xlimitが入力されて、仮想的な補正後転舵位置Xcompを出力する。本発明の制御に必要な転舵位置として、実際の転舵位置ではなく仮想的な転舵位置を用いる必要があり、転舵位置補正手段31によってその値、即ち補正後転舵位置Xcompが算出されている。この転舵位置補正手段31及び補正後転舵位置Xcompの詳細については図6、7を用いて後述する。
補正後転舵位置反力演算手段32は、最大転舵位置Xlimitと補正後転舵位置Xcompとを入力として端当て反力トルクTedgeを出力するものであり、補正後転舵位置Xcompが最大転舵位置Xlimitに対して、予め定めた割合となったときに端当て反力トルクTedgeを付与する。この割合は、実際の転舵位置Xposが最大転舵位置Xlimitに到達する前に、ドライバーに充分な端当て感が与えられるように設定されるものである。従来からの端当て反力トルクの付与方法では、最大転舵位置Xlimitに対する実際の転舵位置が所定の割合に到達した際に端当て反力トルクが付与されていたが、この従来の割合と同等の割合を本実施の形態1においても用いてよい。なお、端当て反力トルクTedgeの出力値は種々の公知の方法で求めればよい。
次に、端当て反力トルク演算手段25の動作を図5に基づいて説明する。図5は、本実施の形態1に係る端当て反力トルク演算手段の制御フローチャートである。まず、ステップS201で、転舵位置Xposと転舵速度Xvelと最大転舵位置Xlimitを転舵位置補正手段31に入力し、補正後転舵位置Xcompを出力する。次のステップS202で、最大転舵位置Xlimitと補正後転舵位置Xcompを補正後転舵位置反力演算手段32に入力し、端当て反力トルクTedgeを出力する。
転舵位置補正手段31の構成について、図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態1に係る転舵位置補正手段のブロック図である。転舵位置補正手段31は、転舵位置比較手段41、補正値演算手段42、保持手段43及び第2の加算器44を備えている。転舵位置比較手段41は、転舵位置Xposと最大転舵位置Xlimitが入力され、補正値Compを保持しておくための保持信号Retain_signalを保持手段43に向けて出力する。保持信号Retain_signalとは、転舵位置Xposを補正すべき転舵領域、すなわち保持領域内に転舵位置Xposがあるか否かを判定した信号である。
保持領域とは、補正値Compを保持しておく領域のことであり、最大転舵位置Xlimit付近に転舵位置が到達して既に端当て反力トルクを付与していた場合に、付与した端当て反力トルクが転舵速度の減速に伴って不意に低下することを防止するために設定された領域である。最大転舵位置Xlimitに対する転舵位置Xposの割合等から保持領域下限値Xlowを決定し、最大転舵位置Xlimitと保持領域下限値Xlowとの間を保持領域として設定する。
この領域内であるかの判断をするON条件、OFF条件は、同一の閾値を設定するものであっても、ヒステリシス特性を持たせて設定するものであってもよい。同一の閾値とすれば、簡単な制御とすることができ、ヒステリシス特性を持たせる、すなわちON条件よりOFF条件を低い閾値として設定すれば、判定信号のチャタリングを防止できる。転舵位置Xposが保持領域内であれば、保持信号Retain_signalを1として出力し、保持領域外であれば保持信号Retain_signalを0として出力する。保持領域外であれば保持信号Retain_signalを出力しない、としてもよい。
補正値演算手段42は、転舵位置Xposに加算する補正値Compを転舵速度Xvelに基づいて導出、出力するものであり、転舵速度Xvelが速いほど、補正値Compは大きくなるように設定している。この補正値Compは、転舵速度Xvelに対するゲイン演算やマップ演算等、種々の方法により導出されればよい。例えば、転舵速度Xvelがある閾値を超える場合に一定の補正値Compを加えるという設定を1パターン用意する簡易な方法でも可能であり、転舵位置Xposを補正する必要がないような転舵速度が低速の場合には、補正値Compを出力しない場合もある。
保持手段43は、保持信号Retain_signalと補正値Compとから転舵位置補正値Xcorrection_valueを出力する。転舵位置補正値Xcorrection_valueは、転舵位置が保持領域内、すなわち保持信号が1であれば出力される。この転舵位置補正値Xcorrection_valueは、演算された補正値Compと同値である。一方で、転舵位置補正値Xcorrection_valueは、転舵位置が保持領域外、すなわち保持信号が0であれば出力されない。転舵位置補正値Xcorrection_valueの出力結果は、下記の表1に示されるように、保持信号と補正値の出力結果によって左右される。第2の加算器44は、転舵位置Xposと転舵位置補正値Xcorrection_valueとを加算し、補正後転舵位置Xcompとして補正後転舵位置反力演算手段32に出力する。
Figure 0005967239
次に転舵位置補正手段31の動作を図7に基づいて説明する。図7は、本実施の形態1に係る転舵位置補正手段の制御フローチャートである。まず、ステップS301で、転舵位置比較手段41は、転舵位置Xposと保持領域下限値Xlowを比較し、保持信号Retain_signalを出力する。次のステップS302で、転舵速度Xvelを補正値演算手段42に入力し、補正値Compを出力する。ステップS303で、保持信号Retain_signalと補正値Compを保持手段43に入力し、転舵位置補正値Xcorrection_valueを出力する。ステップS304で、転舵位置Xposと転舵位置補正値Xcorrection_valueとを加算し、補正後転舵位置Xcompとして補正後転舵位置反力演算手段32に出力する。
本実施の形態1の構成によって、端当て反力を操舵反力へ追加するタイミングが転舵速度に応じて早められる様子を、図8を用いて説明する。図8は、本実施の形態1に係る操舵反力制御におけるタイムチャートである。図8において、(a)は転舵位置Xposの時系列応答、 (b)は転舵速度Xvelの時系列応答、 (c)は補正値Compの時系列応答、 (d)は保持信号Retain_signalの時系列応答、 (e)は転舵位置補正値Xcorrection_valueの時系列応答、 (f)は補正後転舵位置Xcompの時系列応答、(g)は端当て反力トルクTedgeの時系列応答である。(a)及び(g)において、実線で示した応答は実施の形態1のものであり、破線で示した応答は実施の形態1の比較例として、転舵速度Xvelに応じることなく、転舵位置Xposに応じて端当て反力トルクTedgeを付与した従来例のものである。
以下に、パラメータが特に変化したタイミング(1)〜(6)において、各パラメータが別のパラメータに影響を及ぼす様子を説明する。
タイミング(1)において、転舵位置Xposの傾きが急になったことにより(図8(a)を参照)、転舵速度Xvelが上昇したことを検出する。この転舵速度Xvelは転舵位置Xposから演算されている。さらに、補正値Compは転舵速度Xvelに応じて出力されるため、転舵速度Xvelの上昇に伴い、補正値Compも上昇する。
タイミング(2)までは、転舵位置Xposが保持領域外であったため、保持信号Retain_signalは0が出力されていたが、タイミング(2)において転舵位置Xposが保持領域内になったことを検出し(図8(a)を参照)、保持信号Retain_signalが1として出力される(図8(d)を参照)。ここで、保持信号Retain_signalが1として出力され、かつ補正値Compが出力されているため、転舵位置補正値Xcorrection_valueが出力される(図8(e)を参照)。上述したように、転舵位置補正値Xcorrection_valueは補正値Compと同値である。さらに、補正後転舵位置Xcompは、転舵位置Xposに転舵位置補正値Xcorrection_valueを加算演算することで出力される(図8(f)を参照)。
タイミング(3)において、補正後転舵位置Xcompが、最大転舵位置Xlimitに対して所定の割合(例:90%)となる転舵位置閾値Xthrまで到達したことを検出し(図8(f)を参照)、端当て反力トルクTedgeが最大転舵位置Xlimitと補正後転舵位置Xcompに応じて演算され、操舵反力トルクTreacに対して端当て反力トルクTedgeの付与が開始する(図8(g)を参照)。このとき、実際の転舵位置Xposはこの所定の割合まで到達していない(図8(a)を参照)。
タイミング(3)の直後となるタイミング(4)において、付与された端当て反力トルクTedgeが目標値に到達した(図8(g)を参照)ことによって、ドライバーが端当て感を感じるのに充分な端当て反力がハンドル1にかかり、転舵位置Xpos及び補正後転舵位置Xcompがそれ以上進むことはなくなる(図8(a)(f)を参照)。このとき、仮想的な補正後転舵位置Xcompは最大転舵位置Xlimitに到達することもあるが、実際の転舵位置Xposは最大転舵位置Xlimitに到達することはない(図8(a)を参照)。従って、転舵における慣性や通信遅れ、また、反力モータの性能によっては端当て反力トルクTedgeの立ち上がりの遅さがあったとしても、転舵機構が転舵規制機構へ勢いよく衝突するような防止できる。
一方、転舵速度Xvelに応じることなく、端当て反力トルクTedgeを付与する従来例のものにおいては、タイミング(5)において、転舵位置Xposが転舵位置閾値Xthrまで到達したことを検出し(図8(a)の破線を参照)、端当て反力トルクTedgeの付与が開始する(図8(g)の破線を参照)。ここで、転舵における慣性や通信遅れ、端当て反力トルクTedgeの立ち上がりの遅さ等によって、付与された端当て反力トルクTedgeが、タイミング(6)までに目標値に到達しない。その結果タイミング(6)において、ドライバーが端当て感を感じることなく、実際の転舵位置Xposが最大転舵位置Xlimitに到達することとなり(図8(a)を参照)、転舵機構が転舵規制機構へ勢いよく衝突する恐れがある。
従って、図8(a)を参照すると、転舵位置Xpos及び補正後転舵位置Xcompがそれ以上進むことはなくなるポイントを従来例と比べて、最大転舵位置Xlimitから遠ざけることができ、図8(g)を参照すると、端当て反力トルクTedgeが目標値に到達するタイミングを従来例に比べて早めることができるようになった。即ち、従来例であれば、転舵位置Xposが転舵位置閾値Xthrへ到達することが端当て反力トルクTedgeの付与開始における判定基準であったところ、本発明では、補正後転舵位置Xcompが転舵位置閾値Xthrへ到達することがこの判定基準として変更され、最大転舵位置Xlimitから離れる方向に変更されている。その結果、従来例ではタイミング(5)が端当て反力トルクTedgeの付与タイミングであったが、本発明ではタイミング(3)が付与タイミングとなり、端当て反力を追加するタイミングを転舵速度に応じて早められている。
以上に説明したように、この実施の形態1に記載された操舵反力制御装置12は以下に列挙する構成を技術思想として具えるものである。
まず、この操舵反力制御装置12は、タイヤ9を転舵する転舵機構とハンドル1とが機械的に切り離されたステアリング機構を備えるステアバイワイヤ式の車両に搭載され、ハンドルの操舵角θhdlに応じて、ハンドルに操舵反力(操舵反力トルクTreac)を付与する反力モータ5を制御する操舵反力制御装置であり、以下に記載の特徴的な構成を有する。この操舵反力制御装置12は、タイヤの転舵位置Xposを検出する転舵位置検出手段(転舵センサ14)と、タイヤの転舵速度Xvelを検出する転舵速度検出手段24と、転舵位置がタイヤの最大転舵位置Xlimitに応じた所定位置に到達したときに、ドライバーに端当て感を感じさせる端当て反力(端当て反力トルクTedge)を操舵反力に追加する端当て反力制御手段(端当て反力トルク演算手段25)と、を備え、端当て反力制御手段は、転舵速度の増大に基づいて、端当て反力を操舵反力に追加する判定基準を最大転舵位置から離れる方向に変更するものである。この構成は請求項1の構成に対応している。
この請求項1に対応する構成により、転舵速度の増大に基づいて、端当て反力を操舵反力に追加する判定基準を最大転舵位置から離れる方向に変更することで、端当て反力を操舵反力へ追加するタイミングを転舵速度に応じて早められるので、タイヤの転舵速度が速くても、転舵機構が転舵規制機構へ勢いよく衝突することを防ぐことが可能となる。また、端当て反力トルクが目標値に向けて立ち上がるスピードを速めなくても、転舵機構が転舵規制機構へ勢いよく衝突することを防ぐことが可能となったため、反力モータを大型化させる必要がなくなる。
以上の効果を有する構成に加えて、請求項2に対応する構成として、端当て反力制御手段は、転舵速度に基づいて転舵位置補正値Xcorrection_valueを導出し、この転舵位置補正値を転舵位置に追加して補正後転舵位置Xcompとして出力する転舵位置補正手段31と、補正後転舵位置が所定位置に到達したとき、端当て反力を前記操舵反力に追加する補正後転舵位置端当て反力制御手段(補正後転舵位置反力演算手段32)と、を有する技術思想も本発明は具えている。
この請求項2に対応する構成により、転舵位置補正値を採り入れた簡易な制御に基づき判定基準を変更することで、端当て反力を追加するタイミングを早められるので、効率的な制御を行うことができる。また、補正後転舵位置Xposが転舵位置閾値Xthrに到達してから、反力モータに反力電流指令値Irct_tを出力するまでの制御にあたって、処理工程を減らすことができるため、演算の処理負担を軽くすることが可能になる。
また、請求項3に対応する構成として、転舵位置補正手段は、転舵位置がタイヤの最大転舵位置に基づく領域となる保持領域に位置する場合、転舵位置補正値を前記転舵位置に追加した追加状態を保持する技術思想も本発明は具えている。
この請求項3に対応する構成により、保持領域において、転舵速度が減速することに応じて端当て反力トルクが不意に低下することを防げる。従って、本発明の制御によって端当て反力が付与された後に転舵速度が下がると、端当て反力の付与がすぐに解除されて端当て感がなくなり、ハンドルの操作性が悪いと感じる恐れがあったが、そのようなケースの発生を防止できる。
また、請求項4に対応する構成として、転舵位置が保持領域から保持領域外へ移動した場合は、追加状態を解除し、転舵位置補正値をリセットする技術思想も本発明は具えている。
この請求項4に対応する構成により、過去の転舵位置補正値をリセットすることで、リアルタイムの補正が可能となり、改めて転舵位置が保持領域に移動した場合は新たな転舵位置補正値を演算して出力する等、時宜に適った制御ができる。
また、請求項5に対応する構成として、転舵位置補正手段は、転舵位置が保持領域に位置する場合のみ、転舵位置に転舵位置補正値を追加し、保持領域の開始と終了の切換にヒステリシス特性を持たせる技術思想も本発明は具えている。
この請求項5に対応する構成により、保持領域のON、OFFにおけるチャタリングを防止できる。車両の場合、ドライバーは細かい転舵位置の修正を迫られてハンドルを微調整する場面が多く、チャタリングが起きやすい環境にあるため、この制御は有用である。
なお、転舵位置Xposが保持領域に到達してから、転舵位置補正値Xcorrection_valueを演算して加算するものであっても、転舵位置Xposが保持領域に到達するか否かに関わらず転舵位置補正値Xcorrection_valueを演算しておき、転舵位置Xposが保持領域に到達すると加算するものであってもよい。前者であれば、端当て反力トルクTedgeを付与する必要性がない保持領域外では、転舵位置補正値Xcorrection_valueを演算しないため、演算回数を少なくすることができる。後者であれば、転舵位置Xposが保持領域下限値Xlowに到達すると直ちに転舵位置補正値Xcorrection_valueを加算できるため、迅速な制御が可能となる。
また、必ずしも保持手段43は必要ではなく、その場合は、転舵位置補正値Xcorrection_valueは転舵位置Xposの如何に関わらず、転舵速度Xvelに応じて加算される構成が考えられる。この時、転舵位置補正手段31に最大転舵位置Xlimitを入力する必要もなくなる。
また、補正後転舵位置反力演算手段32は、補正後転舵位置Xcompに基づき端当て反力トルクTedgeを演算するものであったが、転舵速度Xvelも併せて入力し、両者に基づき演算されるものであってもよい。
本実施の形態1では、従来の制御に対して、転舵速度の増大に基づいて、端当て反力を操舵反力に追加する判定基準を最大転舵位置から離れる方向に変更することで、転舵速度Xvelに応じて端当て反力を付与するタイミングを早めるものであったが、ハンドル1が中立状態付近にありながら、外乱によって転舵位置が急激に変化する場合には、端当て反力の付与を禁止する制御をさらに追加するものであってもよい。外乱とは、タイヤ9が縁石にぶつかったり、タイヤ9が轍に入り込んだりすることである。
転舵速度Xvelに応じて端当て反力を付与するタイミングを早める制御は、ドライバーの通常運転の範囲で行われる転舵速度Xvelの上昇には特に有効だが、このような外乱によりタイヤ9の転舵速度Xvelが著しく速い場合は、従来の制御と同様に転舵機構が転舵規制機構へ勢いよく衝突することは避けがたい。
例えばタイヤ9が轍に入り込むと、タイヤ9が急に転舵位置転舵位置Xposの変更を強いられ、転舵速度Xvelに応じて端当て反力を付与しても、転舵機構が転舵規制機構へ勢いよく衝突する。さらに、ハンドル1が中立状態付近(例えば操舵角が10deg以内)時に、本発明の制御に従って端当て反力が付与されると、ドライバーが切ろうとしていた方向とは反対方向にハンドル1が急回転し、ハンドル1を保持していたドライバーの腕もこの急回転に引き連られ、ドライバーの腕が骨折する等の事故が起こりかねない。
そこで、ハンドル1が中立状態付近にある場合は、転舵位置Xposが急激に変化する等により補正後転舵位置Xposが転舵位置閾値Xthrに到達しても、端当て反力の付与を禁止する。これにより、ドライバーの安全を優先する。この制御の場合には、端当て反力トルク演算手段25はハンドル1が中立状態付近か否かを判定する必要があり、端当て反力トルク演算手段25には、転舵位置Xpos等だけでなく、操舵角センサ2の出力である操舵角θhdlも入力される。
ここで説明した請求項6に対応する構成として、端当て反力制御手段が、操舵角に基づきハンドルの操舵状態を検出し、ハンドルが中立状態付近では、端当て反力の追加を禁止する構成をさらに備える技術思想も本発明は具えている。
この請求項6に対応する構成により、ハンドルが中立状態付近では、転舵位置が最大転舵位置付近に到達しても、ハンドルに大きな反力を与えることを防ぐことが可能となる。即ち、端当て反力トルクによる急なハンドルとられが防止可能となる。
ここまでに説明した実施の形態1では、本発明の効果を達成するにあたり、転舵位置Xposに転舵位置補正値Xcorrection_valueを加算して補正後転舵位置Xcompとし、補正後転舵位置Xcompが転舵位置閾値Xthrまで到達したことを検出し、この転舵位置閾値Xthrへの到達に基づき、端当て反力トルクTedgeの付与を開始している。このとき、転舵位置Xpos側が転舵位置閾値Xthrに近づくよう補正されている。以下に変形例として示すように、転舵位置Xposに転舵位置補正値Xcorrection_valueを加算する構成の代替構成として、転舵位置閾値Xthrから第2補正値を減算する構成でも、本発明の効果は達成可能である。この変形例では、転舵位置閾値Xthr側が転舵位置Xposに近づくよう補正されることになり、その詳細を以下に述べる。
まず、転舵位置閾値Xthrを変更する第2補正値を、転舵速度Xvelに応じて演算する。この第2補正値は実施の形態1に記載の転舵位置補正値Xcorrection_valueと対応しており、この制御では、転舵位置Xposに転舵位置補正値Xcorrection_valueを加算しない。次に転舵位置閾値Xthrから第2補正値を減算して補正後転舵位置閾値として、転舵位置Xposがこの補正後転舵位置閾値に到達すると、操舵反力トルクTreacに対して端当て反力トルクTedgeの付与が開始する。転舵速度Xvelに応じて第2補正値を演算したので、転舵速度Xvelが速くても、転舵位置Xposが最大転舵位置Xlimitに到達する前に、充分な端当て反力がハンドルにかかり、転舵機構が故障することはない。この変形例では、転舵位置Xposがこの補正後転舵位置閾値に到達することが、端当て反力トルクTedgeの付与開始における判定基準として変更されており、この判定基準は従来例に対して最大転舵位置から離れる方向に変更されている。
この変形例の構成であれば、転舵位置Xposがこの補正後転舵位置閾値に到達すると、図示しないメモリ内に保存された、端当て反力を付与する基本パターンを読み出し、転舵位置閾値Xthrと補正後転舵位置閾値との差分に基づいて、この基本パターンを補正後転舵位置閾値に対応したパターンにシフトさせる。このシフトしたパターンと転舵位置Xposに基づいて、端当て反力トルク演算手段は端当て反力トルクを出力する。一方、補正後転舵位置Xcompが転舵位置閾値Xthrへ到達したときに端当て反力を追加する請求項2のような構成であれば、メモリ内に保存された、端当て反力を付与する基本パターンを読み出し、この基本パターンと補正後転舵位置Xcompに基づいて、端当て反力トルク演算手段は端当て反力トルクを出力することが可能になる。このとき、基本パターンをシフトする処理工程が必要なくなり、迅速な制御が可能となる。
以上に説明した各実施の形態の構成、動作に限定されることはなく、本発明の範囲内において、各実施の形態を組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。例えば、実施の形態1では、転舵位置を補正するもの、転舵位置閾値を補正するものをそれぞれ説明したが、転舵位置および転舵位置閾値を共に補正するものであってもよい。また、保持領域、転舵位置閾値等は、採用される車両の特性等に合わせて適宜決定されるものである。
1 ハンドル
2 操舵角センサ
5 反力モータ
9 タイヤ
12 操舵反力制御装置
14 転舵センサ
31 転舵位置補正手段
32 補正後転舵位置反力演算手段

Claims (6)

  1. タイヤを転舵する転舵機構とハンドルとが機械的に切り離されたステアリング機構を備えるステアバイワイヤ式の車両に搭載され、前記ハンドルの操舵角に応じて、前記ハンドルに操舵反力を付与する反力モータを制御する操舵反力制御装置において、
    前記タイヤの転舵位置を検出する転舵位置検出手段と、
    前記タイヤの転舵速度を検出する転舵速度検出手段と、
    前記転舵位置が前記タイヤの最大転舵位置に応じた所定位置に到達したときに、ドライバーに端当て感を感じさせる端当て反力を前記操舵反力に追加する端当て反力制御手段と、
    を備え、
    前記端当て反力制御手段は、前記端当て反力を前記操舵反力に追加するために、前記転舵位置が前記所定位置に到達したかを判定するための判定基準を、前記転舵速度の増大に応じて前記最大転舵位置から離れる方向に変更する
    ことを特徴とする操舵反力制御装置。

  2. 前記端当て反力制御手段は、
    前記転舵速度に基づいて転舵位置補正値を導出し、この転舵位置補正値を前記転舵位置に追加して補正後転舵位置として出力する転舵位置補正手段と、
    前記補正後転舵位置が前記所定位置に到達したとき、前記端当て反力を前記操舵反力に追加する補正後転舵位置端当て反力制御手段と、
    を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の操舵反力制御装置。
  3. 前記転舵位置補正手段は、前記転舵位置が前記最大転舵位置に基づく領域となる保持領域内に位置する場合、前記転舵位置補正値を前記転舵位置に追加した追加状態を保持する
    ことを特徴とする請求項2に記載の操舵反力制御装置。
  4. 前記転舵位置が前記保持領域から前記保持領域外へ移動した場合は、前記追加状態を解除し、前記転舵位置補正値をリセットすることを特徴とする請求項3に記載の操舵反力制御装置。
  5. 前記転舵位置補正手段は、前記転舵位置が前記保持領域内に位置する場合のみ、前記転舵位置に前記転舵位置補正値を追加し、
    前記保持領域の開始と終了の切換にヒステリシス特性を持たせる
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の操舵反力制御装置。
  6. 前記端当て反力制御手段は、前記操舵角に基づき前記ハンドルの操舵状態を検出し、前記ハンドルが中立状態付近では、前記端当て反力の追加を禁止する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の操舵反力制御装置。
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