JP5966931B2 - 難燃性ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、成形性に優れ、グローワイヤー特性、難燃性、電気特性に優れる難燃性ポリアミド樹脂組成物およびこれからなる成形品に関する。
従来、ポリアミド樹脂は、機械特性、耐熱性、難燃性、電気特性や成形加工性等に優れていることから筐体、外装部品、電気分野において広く用いられており、特にコネクター用途には不可欠な樹脂である。しかし、近年では製品の小型化に伴い、筐体、外装部品、コネクターも小型化、薄肉化が進んでいることから、樹脂に求められる難燃性の要求がさらに厳しくなり、高度な難燃化技術が求められるようになっている。なかでも、グローワイヤー着火温度については、IEC60335−1規格(「家庭用及び類似用途の電気機器安全性」)の改訂により、要求温度が725℃から775℃に変更されるとともに、用いられる製品厚みを超えず最も製品厚みに近い厚みで試験することが規定された。また、電気特性の指標として、IEC60112に規定される耐トラッキング指数がよく用いられ、600V以上が要求されている。
難燃性や電気特性を向上させる技術として、例えば、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸との塩よりなるポリアミド構成単位(a)と、ラクタムまたはω−アミノ酸よりなるポリアミド構成単位(b)とを所定比で重合してなるポリアミド樹脂100重量部に対して、トリアジン系難燃剤35〜60重量部を配合してなる難燃性ポリアミド樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1のポリアミド樹脂組成物はトリアジン系難燃剤を多量に配合するため、成形品の靭性が低下するおそれがあるとともに、複雑な形状を有する製品を成形する場合の成形性も問題となる。また、成形性向上のために高級脂肪酸塩とカルボン酸アミド系ワックスとを所定の割合で含む分散剤を添加しているが、成形性とグローワイヤー特性の両立が困難であった。
また、ポリアミド樹脂100重量部に対し、アミノトリアジン化合物の塩を10〜60重量部と、ヒンダードフェノール系化合物、ハイドロタルサイトおよびアルカリ土類金属の水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有してなる難燃性ポリアミド樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2では、難燃剤としてアミノトリアジン化合物の塩を選択することにより、ポリアミド樹脂100重量部に対し、10重量部程度の配合で難燃性、グローワイヤー性等の効果を奏すると記載されている。しかしながら、実施例では難燃剤を40重量部配合したポリアミド樹脂組成物でしか効果は確認されておらず、難燃剤を40重量部程度含むポリアミド樹脂組成物では、成形品の靭性が低下するおそれがあるとともに、複雑な形状を有する製品を成形する場合の成形性が問題となる。
さらに、ポリアミド樹脂、トリアジン系難燃剤およびカルボン酸アマイド系ワックスを含有する難燃性ポリアミド樹脂が開示されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3では、滑剤としてカルボン酸アミド系ワックスを使用することによって良好な成形性を付与した技術が開示されているが、特許文献3のポリアミド樹脂組成物においても、より複雑な形状を有する製品を成形する上で、成形性とグローワイヤー特性との両立が困難であった。
特開2008−239896号公報 米国特許出願公開第2010/160501号明細書 欧州特許出願公開第1533343号明細書
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、成形性に優れるとともに、グローワイヤー特性、難燃性、電気特性および靭性にも優れた成形品を得ることができる難燃性ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供することを課題とする。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂(A)に、トリアジン系化合物(B)、高級脂肪酸金属塩(C1)およびカルボン酸アミド系ワックス(C2)を特定量配合した難燃性ポリアミド樹脂組成物によって、前記目的を達成し得ることを見いだし本発明に至った。
すなわち本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物は、少なくとも50質量%以上98質量%以下のカプロアミド単位(a1)および2質量%以上50質量%以下のヘキサメチレンアジパミド単位(a2)を含むポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)を含むポリアミド樹脂(A)と、トリアジン系化合物(B)と、滑剤(C)と、を含有し、前記ポリアミド樹脂(A)、前記トリアジン系化合物(B)、および前記滑剤(C)の配合割合は、前記ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、前記トリアジン系化合物(B)が20〜33質量部、前記滑剤(C)が0.1〜2.0質量部であり、前記滑剤(C)は、高級脂肪酸金属塩(C1)およびカルボン酸アミド系ワックス(C2)を、(C1)/(C2)30/70〜70/30の質量比で含む。
また、本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物は、上記発明において、さらに、少なくとも50質量%より多く98質量%以下のヘキサメチレンアジパミド単位(a2)および2質量%以上50質量%より少ないカプロアミド単位(a1)を含むポリアミド66/ポリアミド6共重合樹脂(A3)を含む
また、本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物は、上記発明において、前記ポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)とポリアミド66/ポリアミド6共重合樹脂(A3)との質量比が、(A2)/(A3)=15/85〜85/15である
また、本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物は、上記発明において、前記ポリアミド樹脂(A)は、さらにポリアミド66樹脂(A4)を含む
また、本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物は、上記発明において、前記ポリアミド66樹脂(A4)の含有量は、前記ポリアミド樹脂(A)中10質量%以上である
また、本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物は、上記発明において、前記ポリアミド66樹脂(A4)の含有量は、前記ポリアミド樹脂(A)中15質量%以下である
また、本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物は、上記発明において、前記難燃性ポリアミド樹脂組成物を、シリンダ温度280℃、金型表面温度80℃の条件で射出成形して得られた厚み0.75mm、1.5mm、および3mmの各試験片についての、IEC60695−2−13に準拠した試験におけるグローワイヤー着火温度が825℃以上である。
また、本発明の成形品は、上記のいずれか一つに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物を、射出成形、押出成形またはブロー成形により成形してなる。
また、本発明の成形品は、上記発明において、前記成形品は、筐体、外装部品またはコネクターである。
本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)に、トリアジン系化合物(B)、滑剤(C)として高級脂肪酸金属塩(C1)およびカルボン酸アミド系ワックス(C2)を特定量配合することにより、高い難燃性および靭性、優れたグローワイヤー特性および電気特性を保持したまま、良好な成形性を有するものである。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)としては、3員環以上のラクタム、重合可能なアミノ酸、ジアミンと二塩基酸、あるいはこれらの混合物の重合によって得られるポリアミド樹脂が挙げられる。
具体的には、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ウンデカラクタム、ドデカラクタムなどのラクタムから得られるポリアミド樹脂や、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などの重合可能なアミノ酸から得られるポリアミド樹脂が挙げられる。
また、ジアミンと二塩基酸から得られるポリアミド樹脂としては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ジミノペンタン、3−メチル−1,5−ジミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサンなどから選択されるジアミンと、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、1,7−ヘプタンジカルボン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などから選択されるジカルボン酸とから得られるポリアミド樹脂が挙げられる。
あるいは、本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)としては、上記のモノマー単位の任意の共重合体が挙げられる。またポリアミド樹脂(A)は、上記のポリアミド樹脂またはポリアミド共重合体を2種以上含有してもよい。
本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)としては、これらの中でも、成形品の靭性、成形性、コストの観点からポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂が好ましい。とりわけ、本発明で使用するポリアミド樹脂(A)としては、少なくとも2質量%以上98質量%以下のカプロアミド単位(a1)および2質量%以上98質量%以下のヘキサメチレンアジパミド単位(a2)を含むポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A1)が好ましい。かかる共重合ポリアミド樹脂を使用することにより、成形品のグローワイヤー特性および靱性をより向上させることができる。
本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)としては、少なくとも50質量%以上98質量%以下のカプロアミド単位(a1)および2質量%以上50質量%以下のヘキサメチレンアジパミド単位(a2)を含むポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)が好ましい。本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)は、少なくとも70質量%以上98質量%以下のカプロアミド単位(a1)および2質量%以上30質量%以下のヘキサメチレンアジパミド単位(a2)の共重合体であることが特に好ましく、少なくとも90質量%以上98質量%以下のカプロアミド単位(a1)および2質量%以上10質量%以下のヘキサメチレンアジパミド単位(a2)の共重合体であることが最も好ましい。
本発明にかかるポリアミド樹脂(A)として、カプロアミド単位(a1)を50質量%以上含むポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)を使用することにより、トリアジン系化合物(B)を多量に配合した場合でも成形品の靭性を高く保つことができ、かつ外観が良好となる。また、ヘキサメチレンアジパミド単位(a2)を2質量%以上含むポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)を使用することにより、成形品のグローワイヤー特性がより向上する。
さらに本発明にかかるポリアミド樹脂(A)は、ポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)とともに、少なくとも50質量%より多く98質量%以下のヘキサメチレンアジパミド単位(a2)および2質量%以上50質量%より少ないカプロアミド単位(a1)を含むポリアミド66/ポリアミド6共重合樹脂(A3)を含有することが好ましい。ポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)とポリアミド66/ポリアミド6共重合樹脂(A3)とを併用することによって、トリアジン系化合物(B)を多量に配合した場合でも、成形品の吸水時の靭性を高く保つことができ、かつ成形品の外観が良好となる。ポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)と併用するポリアミド66/ポリアミド6共重合樹脂(A3)としては、少なくとも70質量%以上98質量%以下のヘキサメチレンアジパミド単位(a2)および2質量%以上30質量%以下のカプロアミド単位(a1)の共重合体であることが特に好ましく、少なくとも90質量%以上98質量%以下のヘキサメチレンアジパミド単位(a2)および2質量%以上10質量%以下のカプロアミド単位(a1)の共重合体であることが最も好ましい。
本発明にかかるポリアミド樹脂(A)として、カプロアミド単位(a1)を2質量%以上含むポリアミド66/ポリアミド6共重合樹脂(A3)をポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)と併用することにより、トリアジン系化合物(B)を多量に配合した場合でも成形品の靭性を高く保つことができ、かつ外観が良好となる。また、ヘキサメチレンアジパミド単位(a2)を50質量%より多く含むポリアミド66/ポリアミド6共重合樹脂(A3)をポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)と併用することにより、成形品のグローワイヤー特性がより向上する。
ポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)とポリアミド66/ポリアミド6共重合体(A3)とを併用する場合の含有比率に特に制限はないが、成形品の靭性をより向上させるために(A2)/(A3)=15/85〜85/15(質量比)が好ましく、さらに好ましくは(A2)/(A3)=20/80〜80/20(質量比)である。本発明にかかるポリアミド樹脂(A)が、(A2)および(A3)をそれぞれ15質量%以上含有することによって、成形品の吸水時の靭性を高く保つことができる。
また、本発明にかかるポリアミド樹脂(A)は、さらにポリアミド66樹脂(A4)を含有することが好ましい。本発明にかかるポリアミド樹脂(A)がポリアミド66樹脂(A4)を含有することにより、グローワイヤー特性を損なうことなく、離型性をはじめとする成形性が大幅に向上する。ポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)とポリアミド66樹脂(A4)を併用することがより好ましい。ポリアミド樹脂(A)中のポリアミド66樹脂(A4)の含有量に特に制限はないが、成形性をより向上させる上で、ポリアミド樹脂(A)中には、ポリアミド66樹脂(A4)を10質量%以上含有することが好ましい。
本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)の分子量は特に制限はないが、得られる難燃性ポリアミド樹脂組成物の流動性の観点から、98%濃硫酸中に1g/dlの濃度で溶解した溶液の相対粘度が25℃で1.8〜5.0の範囲であることが好ましく、1.8〜4.0の範囲がより好ましい。
本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)の製造方法に特に制限はなく、例えば、上記記載の3員環以上のラクタム、重合可能なアミノ酸、ジアミンと二塩基酸、あるいはこれらの混合物を重合缶内で、加圧、高温下で縮合させることによりオリゴマーを生成し、その後、減圧により適切な溶融粘度まで重合を進行させることにより所望のポリアミド樹脂(A)を得ることができる。もちろん、市販品を使用することもできる。
本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)とトリアジン系化合物(B)とを、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、トリアジン系化合物(B)12〜38質量部の割合で含有することが必要である。本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物がトリアジン系化合物(B)を含有することで、高いグローワイヤー特性、難燃性を有する成形品が得られる。本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物において、トリアジン系化合物(B)の含有量が12質量部未満の場合、成形品のグローワイヤー特性が低下する。トリアジン系化合物(B)の含有量は、15質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましい。一方、本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物において、トリアジン系化合物(B)の含有量が38質量部を越えると、成形品の靭性が低下する。トリアジン系化合物(B)の含有量は33質量部以下が好ましい。
本発明において、トリアジン系化合物(B)とは、3個の窒素原子を含み、不飽和の6員環構造を持つトリアジン骨格を有する化合物を指す。トリアジン系化合物(B)は、熱可塑性樹脂に配合されて難燃性を付与することが可能な難燃剤として知られている。具体的な例としては、メラミン、メレム、メラム、メロン、およびシアヌール酸、ならびにメラミン、メレム、メラムまたはメロンとシアヌール酸との塩が挙げられる。また、これらの混合物でもよい。耐熱性、およびポリアミド樹脂(A)との混合性の良さから、メラミンシアヌレートがとりわけ好ましい。トリアジン系化合物(B)の平均粒子径は15μm以下が好ましい。平均粒子径が15μm以下であれば、吸水時の靭性がより向上する。なお、平均粒子径はJIS K 5600−9−3(2006年)に準じて測定をした値から算出した数平均粒子径である。
トリアジン系化合物(B)は、例えば、イタルマッチ社製MC25(メラミンシアヌレート)、日産化学工業(株)製MC4000(メラミンシアヌレート)などが使用できる。
本発明で用いられる滑剤(C)は、グローワイヤー特性と成形性の観点から、高級脂肪酸金属塩(C1)およびカルボン酸アミド系ワックス(C2)を含有する。本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物において、高級脂肪酸金属塩(C1)とカルボン酸アミド系ワックス(C2)とを併用することによって、優れたグローワイヤー特性と成形性を両立することができる。本発明においては、(C1)/(C2)=30/70〜70/30の質量比で含有することが重要である。(C1)と(C2)の総量に対して、(C1)が30質量%未満で(C2)が70質量%を超える場合、成形品のグローワイヤー特性が低下する。一方、(C1)が70質量%を超えて(C2)が30質量%未満である場合、成形性が低下する。さらに成形性を向上させる観点から高級脂肪酸金属塩(C1)とカルボン酸アミド系ワックス(C2)の含有比率は(C1)/(C2)=35/65〜65/35が好ましく、(C1)/(C2)=40/60〜60/40が特に好ましい。高級脂肪酸金属塩(C1)とカルボン酸アミド系ワックス(C2)とを上記の含有量比で使用することにより、本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物の成形性が大幅に向上し、より薄型、複雑形状の成形品を容易に得ることができる。
また、本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物において、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、滑剤(C)の総量を0.1〜2.0質量部とすることが重要である。本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物において、滑剤(C)の総量が0.1質量部未満の場合、成形性が低下する。0.5質量部以上とすることが好ましい。一方、(C)の総量が2.0質量部を超えると成形品のグローワイヤー特性が低下する。1.9質量部以下とすることが好ましい。
本発明で用いられる高級脂肪酸金属塩(C1)は、炭素数12以上の脂肪族カルボン酸またはヒドロキシカルボン酸と金属イオンとの塩であり、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、オレイン酸、エルカ酸、12−ヒドロキシステアリン酸などの脂肪族カルボン酸またはヒドロキシカルボン酸とリチウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛など金属のイオンとの塩である。高級脂肪酸金属塩(C1)として、これらを2種以上用いてもよい。とりわけ、価格面、汎用性の観点からステアリン酸リチウムおよびステアリン酸カルシウムが好ましく、ステアリン酸リチウムがより好ましい。
高級脂肪酸金属塩(C1)は、例えば、勝田化工(株)製Li−St(ステアリン酸リチウム)などを使用することができる。
本発明で用いられるカルボン酸アミド系ワックス(C2)は、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸および/または多塩基酸とジアミンとを重縮合させた化合物である。カルボン酸アミド系ワックス(C2)に使用される脂肪族カルボン酸またはヒドロキシカルボン酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、オレイン酸、エルカ酸、12−ヒドロキシステアリン酸が挙げられる。
また、カルボン酸アミド系ワックス(C2)に使用される多塩基酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキシルコハク酸が挙げられる。
一方、カルボン酸アミド系ワックス(C2)に使用されるジアミンとしては、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシレンジアミン、フェニレンジアミン、イソホロンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4−ジアミノジフェニルメタンが挙げられる。
本発明で用いられるカルボン酸アミド系ワックス(C2)は、上記の脂肪族カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸および/または多塩基酸とジアミンとの重縮合化合物などが挙げられる。本発明で用いられるカルボン酸アミド系ワックス(C2)としては、これらを2種以上用いてもよい。とりわけ、汎用性の面から、ステアリン酸およびセバシン酸と、エチレンジアミンを重縮合させた化合物が好ましい。
カルボン酸アミド系ワックス(C2)は、例えば、共栄社化学(株)製:WH215(エチレンジアミンとセバシン酸、ステアリン酸との重縮合物)を使用することができる。
本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物には、さらに本発明の目的を損なわない範囲で他のポリマー、銅系熱安定剤、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系などの酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、および染料・顔料を含む着色剤などの通常の添加剤を一種以上含有することができる。
本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物の製造方法は特に制限がなく、例えば単軸または2軸の押出機やニーダー等の混練機を用いて、上記の材料の混合物を220℃〜330℃の温度で溶融混練する方法等が挙げられる。また、トリアジン系化合物(B)などの難燃剤は、その分散性が良好なほど高い難燃効果が発現するため、ポリアミド樹脂(A)成分と同時に溶融混練する製造方法が好ましい。
本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物からは、優れたグローワイヤー特性を有する成形品が得られる。具体的には、シリンダ温度280℃、金型表面温度80℃の条件で射出成形したときのIEC60695−2−13に準拠した試験において、グローワイヤー着火温度が、厚み0.75mm、1.5mm、3mmにおいて825℃以上であることが好ましい。グローワイヤー着火温度が825℃以上であれば、複雑な製品形状でのグローワイヤー特性をより向上させることができる。グローワイヤー着火温度は、GW−IT(Glow Wire Ignition Temperature)と呼ばれ、所望の温度に昇温したワイヤーを規定厚みを有した樹脂成形品に押し当て、着火しない若しくは着火後5秒以内に消火する最高温度+25℃(ただし、試験温度が900〜960℃の場合は最高温度+30℃)のことである。
本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形など通常の方法で容易に成形することができ、得られた成形品は、成形性に優れ、グローワイヤー特性、靭性、難燃性、電気特性に優れ、電気電子部品、自動車部品、筐体、外装部品、コネクターに好適である。また、電気電子部品に求められる特性である、グローワイヤー特性、靭性、難燃性、電気特性に特に優れていることから、コネクター部品に特に好適である。
本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品は、液晶テレビ、プラズマディスプレー、PDA、小型テレビ、ラジオ、ノートパソコン、パソコン、プリンター、スキャナー、パソコン周辺機器、ビデオデッキ、DVDデッキ、CDデッキ、MDデッキ、DATデッキ、アンプ、カセットデッキ、ポータブルCDプレーヤー、ポータブルMDプレーヤー、デジタルカメラ、家庭用電話、オフィス用電話、玩具、医療機器、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、ファクシミリ部品、コピー機部品に用いられるコネクターに特に好適である。
以下、実施例を挙げてさらに本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。実施例および比較例に用いた測定方法を以下に示す。
(1)靭性
ISO1874−2に従い、実施例および比較例で得られたペレットを、日精樹脂工業(株)製の射出成形機NEX1000により、シリンダ温度300℃、金型表面温度100℃、スクリュー回転数150rpm、平行部流速200mm/秒、射出/冷却=20/20秒の条件で射出成形し、ISO Type−A規格の試験片を作製した。
(a)引張り破断ひずみ(絶乾時)
上記方法により得られた試験片をアルミの防湿袋に真空密閉した。この試験片を用いて、以下の標準方法に従って引張り破断ひずみを測定した。引張り破断ひずみ(絶乾時)が3.0%以上であれば、靱性に優れると判断した。
引張り破断ひずみ:ISO 527−1、−2
(b)引張り破断ひずみ(3%吸水時)
上記方法により得られた試験片を60℃温水中に浸漬し、試験片の質量変化により吸水率を求めた。吸水率が3%となった時点で上記標準方法に従って引張り破断ひずみを同様に測定した。引張り破断ひずみ(3%吸水時)が40%以上であれば、吸水時の靱性に優れると判断した。
(2)難燃性
実施例および比較例で得られたペレットを用いて、日精樹脂工業(株)製の射出成形機NEX1000により、シリンダ温度280℃、金型表面温度80℃、スクリュー回転数100rpm、射出圧力150MPa、射出速度80mm/秒、射出/冷却=10/20秒の条件で射出成形し、127mm×12.7mm×1/64inchの試験片を作製した。得られた試験片を用いてUL94規格(米国Under Writer Laboratories Incで定められた規格)に準拠し、難燃性を評価した。
(3)グローワイヤー特性
実施例および比較例で得られたペレットを、日精樹脂工業(株)製の射出成形機NEX1000により、シリンダ温度280℃、金型表面温度80℃、スクリュー回転数150rpm、射出圧力100MPa、射出速度100mm/秒、射出/冷却=20/20秒の条件で射出成形し、80mm×80mm×相応厚み(mm)の試験片を作製した。なお、試験片は厚み0.75mm、1.0mm、1.5mm、2.0mmおよび3.0mmの5種類を準備した。得られた試験片を用いて、IEC60695−2−13に準拠してグローワイヤー着火温度(GW−IT)を測定した。全ての試験片厚みにて、GW−IT:825℃以上を満たしたときに合格とした。
(4)耐トラッキング性
実施例および比較例で得られたペレットを、日精樹脂工業(株)製の射出成形機NEX1000により、シリンダ温度280℃、金型表面温度80℃、スクリュー回転数150rpm、射出圧力100MPa、射出速度100mm/秒、射出/冷却=20/20秒の条件で射出成形し、および80mm×80mm×3mmの試験片を作製した。得られた試験片を用いて、UL746Aに準拠して測定した。
(5)離型性
実施例および比較例で得られたペレットを、日精樹脂工業(株)製の射出成形機NEX1000により、シリンダ温度280℃、金型表面温度80℃、スクリュー回転数150rpm、射出圧力100MPa、射出速度100mm/秒、射出/冷却=20/20秒の条件で射出成形し、25mm×25mm×25mm、肉厚1mmの箱型成形品を作製した。離型時にかかるエジェクタプレートへの負荷をロードセルで測定し、この数値を離型力とした。離型力100N未満を合格とした。
参考例1 ポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)
ε−カプロラクタム95.0質量部およびヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の塩5.0質量部とを純水に溶解し、水分量を1質量部としたものを重合用の原料とし、得られた原料を重合塔に送った。重合塔上部、中間部、下部に取り付けられたヒーターにより重合塔の温度を加熱調整しながら、原料を反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズし、得られたペレットを95℃/20時間/浴比20倍にて熱水抽出を行い、未反応原料とオリゴマーを除去した。抽出後80℃/30時間減圧乾燥し、ポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)を得た。JIS−K6810に従った98%硫酸での相対粘度は2.75であった。
参考例2 ポリアミド66/ポリアミド6共重合樹脂(A3)
ε−カプロラクタム3.0質量部とヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の塩97.0質量部とを重合缶に投入し、水分量が45質量部となるように純水を加え、重合缶内を窒素で置換した後、260℃まで昇温した。ついで、1.7MPaにて1時間制圧・重合後、吐出・カッティングし、ポリアミド66/ポリアミド6共重合樹脂(A3)を得た。JIS−K6810に従った98%硫酸での相対粘度は2.60であった。
参考例3 ポリアミド66樹脂(A4)
ポリアミド66(東レ株式会社製“アミラン(登録商標)”CM3001N:98%硫酸での相対粘度 3.0)を使用した。
参考例4 トリアジン系化合物(B)
イタルマッチ社製:MC25(メラミンシアヌレート)を用いた。なお、JIS K5600−9−3に準じて平均粒子径(数平均値)を測定したところ、4μmであった。
参考例5 高級脂肪酸金属塩(C1)
勝田化工(株)製:Li−St(ステアリン酸リチウム)を使用した。
参考例6 カルボン酸アミド系ワックス(C2)
共栄社化学(株)製:WH215(エチレンジアミンとセバシン酸、ステアリン酸との重縮合物)を用いた。
[実施例1〜5、および比較例11
参考例1に示したポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)、参考例4に示したトリアジン系化合物(B)、参考例5に示した高級脂肪酸金属塩(C1)、参考例6に示したカルボン酸アミド系ワックス(C2)を表1に示す配合量で2軸押出機(Werner&Pfleiderer製:ZSK57)にトップフィード(元込めフィード)し、シリンダ設定温度290℃、スクリュー回転数200rpmの条件下で溶融混練し、ストランド状のガットを成形し、冷却バスで冷却後、カッターで造粒してペレットを得た。得られたペレットを用いて、前記の評価方法によって諸特性を調べた。その結果を表1に示す。
比較例12
参考例3に示したポリアミド66樹脂(A4)、参考例4に示したトリアジン系化合物(B)、参考例5に示した高級脂肪酸金属塩(C1)、参考例6に示したカルボン酸アミド系ワックス(C2)を表1に示す配合量で実施例1と同様に溶融混練し、実施例1と同様にしてペレットを得て、前記の評価方法によって諸特性を調べた。その結果を表1に示す。
比較例13
参考例1に示したポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)、参考例4に示したトリアジン系化合物(B)、参考例5に示した高級脂肪酸金属塩(C1)、参考例6に示したカルボン酸アミド系ワックス(C2)を表1に示す配合量で実施例1と同様に溶融混練し、実施例1と同様にしてペレットを得て、前記の評価方法によって諸特性を調べた。その結果を表1に示す。
比較例14
参考例2に示したポリアミド66/ポリアミド6共重合樹脂(A3)、参考例4に示したトリアジン系化合物(B)、参考例5に示した高級脂肪酸金属塩(C1)、参考例6に示したカルボン酸アミド系ワックス(C2)を表1に示す配合量で実施例1と同様に溶融混練し、実施例1と同様にしてペレットを得て、前記の評価方法によって諸特性を調べた。その結果を表1に示す。
[実施例10〜13]
参考例1に示したポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)、参考例2に示したポリアミド66/ポリアミド6共重合樹脂(A3)、参考例4に示したトリアジン系化合物(B)、参考例5に示した高級脂肪酸金属塩(C1)、参考例6に示したカルボン酸アミド系ワックス(C2)を表2に示す配合量で実施例1と同様に溶融混練し、実施例1と同様にしてペレットを得て、前記の評価方法によって諸特性を調べた。その結果を表2に示す。
[実施例14]
参考例1に示したポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)、参考例3に示したポリアミド66樹脂(A4)、参考例4に示したトリアジン系化合物(B)、参考例5に示した高級脂肪酸金属塩(C1)、参考例6に示したカルボン酸アミド系ワックス(C2)を表2に示す配合量で実施例1と同様に溶融混練し、ペレットを得て、前記の評価方法によって諸特性を調べた。その結果を表2に示す。
[比較例1]
参考例1に示したポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)、参考例4に示したトリアジン系化合物(B)を表3に示す配合量で実施例1と同様に溶融混練し、実施例1と同様にしてペレットを得て、前記の評価方法によって諸特性を調べた。その結果を表3に示す。
[比較例2]
参考例1に示したポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)、参考例4に示したトリアジン系化合物(B)、参考例5に示した高級脂肪酸金属塩(C1)を表3に示す配合量で実施例1と同様に溶融混練し、実施例1と同様にしてペレットを得て、前記の評価方法によって諸特性を調べた。その結果を表3に示す。
[比較例3〜4]
参考例1に示したポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)、参考例4に示したトリアジン系化合物(B)、参考例6に示したカルボン酸アミド系ワックス(C2)を表3に示す配合量で実施例1と同様に溶融混練し、実施例1と同様にしてペレットを得て、前記の評価方法によって諸特性を調べた。その結果を表3に示す。
[比較例5〜10]
参考例1に示したポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)、参考例4に示したトリアジン系化合物(B)、参考例5に示した高級脂肪酸金属塩(C1)、参考例6に示したカルボン酸アミド系ワックス(C2)を表3に示す配合量で実施例1と同様に溶融混練し、実施例1と同様にしてペレットを得て、前記の評価方法によって諸特性を調べた。その結果を表3に示す。
Figure 0005966931
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本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物および成形品は、成形性に優れるとともに、グローワイヤー特性、靭性、難燃性、電気特性に優れるため、電気電子部品、自動車部品、筐体、外装部品、コネクターに好適に使用することができる。

Claims (9)

  1. 少なくとも50質量%以上98質量%以下のカプロアミド単位(a1)および2質量%以上50質量%以下のヘキサメチレンアジパミド単位(a2)を含むポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)を含むポリアミド樹脂(A)と、
    トリアジン系化合物(B)と、
    滑剤(C)と、を含有し、
    前記ポリアミド樹脂(A)、前記トリアジン系化合物(B)、および前記滑剤(C)の配合割合は、前記ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、前記トリアジン系化合物(B)が20〜33質量部、前記滑剤(C)が0.1〜2.0質量部であり、
    前記滑剤(C)は、高級脂肪酸金属塩(C1)およびカルボン酸アミド系ワックス(C2)を、(C1)/(C2)30/70〜70/30の質量比で含む難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記ポリアミド樹脂(A)は、さらに、少なくとも50質量%より多く98質量%以下のヘキサメチレンアジパミド単位(a2)および2質量%以上50質量%より少ないカプロアミド単位(a1)を含むポリアミド66/ポリアミド6共重合樹脂(A3)を含む請求項に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記ポリアミド6/ポリアミド66共重合樹脂(A2)とポリアミド66/ポリアミド6共重合樹脂(A3)との質量比が、(A2)/(A3)=15/85〜85/15である請求項に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記ポリアミド樹脂(A)は、さらにポリアミド66樹脂(A4)を含む請求項1〜3のいずれか一つに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  5. 前記ポリアミド66樹脂(A4)の含有量は、前記ポリアミド樹脂(A)中10質量%以上である請求項4に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  6. 前記ポリアミド66樹脂(A4)の含有量は、前記ポリアミド樹脂(A)中15質量%以下である請求項5に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  7. 前記難燃性ポリアミド樹脂組成物を、シリンダ温度280℃、金型表面温度80℃の条件で射出成形して得られた厚み0.75mm、1.5mm、および3mmの各試験片についての、IEC60695−2−13に準拠した試験におけるグローワイヤー着火温度が825℃以上である請求項1〜6のいずれか一つに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物を、射出成形、押出成形またはブロー成形により成形してなる成形品。
  9. 前記成形品は、筐体、外装部品またはコネクターである請求項8に記載の成形品。
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