JP2010037372A - ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリアミド樹脂に、ホスフィン酸塩、メラミンとリン酸から生成される付加物、ホウ酸亜鉛、無機充填剤、タルクを配合することにより、ハロゲン系難燃剤を用いず難燃化し、なおかつ剛性、離型性、表面外観に優れるポリアミド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩7〜25重量部、(C)メラミンとリン酸から形成される付加物7〜25重量部、(D)ホウ酸亜鉛0.8〜5.5重量部、(E)無機充填剤15〜250重量部、(F)重量平均粒径が5μm以下のタルク0.02〜1重量部を配合してなることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性に優れるポリアミド樹脂組成物、ならびに、高い剛性、優れた金型転写性、成形性を同時に有するポリアミド樹脂組成物、および製品の薄型化に好適な難燃性良外観高剛性筐体に関する。
従来、ポリアミド樹脂は、引張、曲げの強度、弾性率などの機械的性質に優れ、しかも耐熱性、耐薬品性、難燃性が良好であることから、電気電子部品、自動車用部品、建材部品、機械部品等に広く利用されている。その中、UL94規格V−0を満足する高い難燃性を付与するためには難燃剤を配合する必要があり、一般的にハロゲン系難燃剤を配合することで達成してきたが、環境への悪影響が懸念され、ノンハロゲン系難燃剤による難燃化の検討がなされている。特に外装用途においては、薄肉小型化のため、強化剤により補強された高剛性材料が求められており、ノンハロゲン系難燃剤による難燃化と剛性、良外観性を兼ね備えた材料の検討がなされている。たとえば携帯電話、PHS、液晶テレビ、プラズマディスプレー、PDA、小型テレビ、ラジオ、ノートパソコン、パソコン、マウス、プリンター、スキャナー、メモリ機器、パソコン周辺機器、ビデオデッキ、DVDデッキ、CDデッキ、MDデッキ、DATデッキ、アンプ、カセットデッキ、ポータブルCDプレーヤー、ポータブルMDプレーヤー、カメラ、デジタルカメラ、双眼鏡、顕微鏡、望遠鏡、時計、家庭用電話、オフィス用電話、玩具、医療機器、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、ファクシミリ部品、コピー機部品、建材関係部品、家具部品などが挙げられる。
例えば特許文献1、2には、ポリアミド樹脂にホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩、メラミンとリン酸から形成される付加物、ホウ酸亜鉛、無機充填剤からなる組成物が提案されているが、ポリアミド樹脂が可塑化され、成形加工が困難である欠点があった。特許文献3には、ポリアミド樹脂にホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩、メラミンとリン酸から形成される付加物、酸化金属、無機充填剤からなる組成物が提案されているが、多量のホスフィン酸塩を配合しないと難燃化できず、機械特性を低下させる欠点があった。特許文献4にも、ポリアミド樹脂にホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩、メラミンとリン酸から形成される付加物、ホウ酸亜鉛、無機充填剤からなる組成物が提案されているが、同様にポリアミド樹脂が可塑化され、成形加工が困難である欠点があった。
特開2004−263188号公報(請求項1) 特開2000−219772号公報(請求項1) 特開2004−292532号公報(請求項1) 特開2007−23206号公報(請求項1)
本発明は、ノンハロゲン系難燃剤を用いた難燃性ポリアミド樹脂組成物、ならびに、優れた製品外観と高剛性を両立し、かつ優れた成形性を同時に満足し、製品の薄型化に好適なポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
そこで本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂に、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩、メラミンとリン酸から形成される付加物、ホウ酸亜鉛、無機充填剤、平均粒径が5μm以下のタルクを配合したポリアミド樹脂組成物によって、前記目的を達成し得ることを見いだし本発明に到達した。
すなわち本発明は、
(1)(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩7〜25重量部、(C)メラミンとリン酸から形成される付加物7〜25重量部、(D)ホウ酸亜鉛0.8〜5.5重量部、(E)無機充填剤15〜250重量部、(F)重量平均粒径が5μm以下のタルク0.02〜1重量部を配合してなることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
(2)(A)ポリアミド樹脂が、(a−1)と(a−2)の合計100重量%として、(a−1)半芳香族共重合ポリアミド樹脂10〜50重量%と(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂50〜90重量%であることを特徴とする(1)記載のポリアミド樹脂組成物。
(3)(a−1)半芳香族共重合ポリアミド樹脂が、(a1−1)ヘキサメチレンアジパミド単位65〜90重量%、(a1−2)ヘキサメチレンイソフタラミド単位5〜30重量%および(a1−3)カプロアミド単位1〜14重量%の合計100重量%からなり、(a1−2)/(a1−3)の共重合重量比1以上を同時に満たす3元共重合体(ポリアミド66/6I/6)であることを特徴とする(2)記載のポリアミド樹脂組成物。
(4)(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド66、およびポリアミド610から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする(2)または(3)記載のポリアミド樹脂組成物。
(5)(E)無機充填剤がガラス繊維、炭素繊維、およびワラステナイトから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする(1)から(4)のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
(6)ガラス繊維が扁平断面形状を有することを特徴とする(5)記載のポリアミド樹脂組成物。
(7)(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(G)モンタン酸エステルを0.5〜3.0重量部を配合してなることを特徴とする(1)から(6)のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
(8)(1)から(7)いずれか記載のポリアミド樹脂組成物を、射出成形、押出成形、ブロー成形の内から選ばれる少なくとも1種の方法で成形してなる成形品。
(9)成形品が、筐体、外装部品または補強部品であることを特徴とする(8)記載の成形品。
(10)成形品が、携帯電話筐体、電機電子機器筐体であることを特徴とする(9)記載の成形品。
により構成される。
本発明の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂に、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩、メラミンとリン酸から形成される付加物、ホウ酸亜鉛、無機充填剤、平均粒径が5μm以下のタルクを配合することで、ノンハロゲン系難燃剤を用いた難燃性ポリアミド樹脂組成物、ならびに、優れた製品外観と高剛性を両立し、かつ優れた成形性を同時に満足し、製品の薄型化に好適なポリアミド樹脂組成物であり、本発明の樹脂組成物を用いた成形品は、携帯電話、PHS、液晶テレビ、プラズマディスプレー、PDA、小型テレビ、ラジオ、ノートパソコン、パソコン、マウス、プリンター、スキャナー、メモリ機器、パソコン周辺機器、ビデオデッキ、DVDデッキ、CDデッキ、MDデッキ、DATデッキ、アンプ、カセットデッキ、ポータブルCDプレーヤー、ポータブルMDプレーヤー、カメラ、デジタルカメラ、双眼鏡、顕微鏡、望遠鏡、時計、家庭用電話、オフィス用電話、玩具、医療機器、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、ファクシミリ部品、コピー機部品、建材関係部品、家具部品などの外装部品に特に優れるものである。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
本発明で用いられる(A)ポリアミド樹脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる構成成分とするポリアミドである。その主要構成成分の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクをロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
本発明において、特に有用なポリアミド樹脂は、150℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れたポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリノメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)およびこれらの混合物などが挙げられる。
(A)ポリアミド樹脂としては、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂と(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂の混合物がとりわけ好ましい。半芳香族ポリアミドを選択することで、溶融状態での粘度(溶融粘度)が制御でき、難燃剤、無機充填剤の高配合が可能となり、更に脂肪族ポリアミドを配合することで、半芳香族ポリアミドの結晶化の遅さを補い、優れた成形性を発現することが出来る。また、半芳香族ポリアミドと脂肪族ポリアミドを調整して配合することで、無機充填剤を配合した場合、良外観と高剛性、優れた成形性を同時に実現することが出来る。半芳香族ポリアミド樹脂と脂肪族ポリアミド樹脂の混合比率は特に制限はないが、無機充填剤を配合した時、良外観を発現するためには、(a−1)(a−2)合計100重量%として、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂が5〜85重量%、(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂が95〜15重量%であることが好ましく、より好ましくは、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂が10〜50重量%、(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂が50〜90重量%である。
好ましい(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂は、(a1−1)ヘキサメチレンアジパミド単位、(a1―2)ヘキサメチレンイソフタラミド単位、および(a1―3)カプロアミド単位からなる3元共重合体(ポリアミド66/6I/6樹脂)であり、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の当モル塩、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の当モル塩、およびεカプロラクタムを重合缶内で加熱、重合することで得られる。その共重合重量比率は、配合原料の比率である。好ましい各繰返し構造単位の共重合割合は、(a1−1)65〜90重量%、(a1−2)5〜30重量%、(a1−3)1〜14重量%、及び、(PA6I)/(PA6)の共重合重量比1.0以上を同時に満たす比率である。これらの共重合重量比は共重合体を製造する際の原料の割合を調整することにより、達成される。なお、(a1−2)/(a1−3)の共重合重量比の上限については特に制限はないが、本発明においては靭性の観点から4以下が好ましい。
これら半芳香族共重合ポリアミド樹脂の重合度には特に制限がないが、サンプル濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度としては、1.5〜7.0の範囲のものが好ましく、より好ましくは1.5〜4.0、特に好ましくは1.8〜3.2の範囲である。
好ましい(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂は、無機充填剤を配合した際の外観、成形性から、ポリアミド6樹脂、ポリアミド66、ポリアミド610樹脂である。本発明で用いられるポリアミド6樹脂とは、ε−カプロラクタムを構成成分とするポリアミドであり、ポリアミド610樹脂とは、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸を重縮合したポリアミドである。成形加工性、相溶性などの必要特性に応じて、ポリアミド6樹脂、ポリアミド610樹脂に更に他のポリアミド樹脂を加えて混合物として用いることも実用上好適である。他のポリアミド樹脂の具体的な例としては、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ポリアミド56)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド6/66)、およびこれらの混合物などが挙げられる。
本発明において、ポリアミド6樹脂、ポリアミド66樹脂、ポリアミド610樹脂の重合度には特に制限がないが、25℃で測定した相対粘度(98%硫酸法)としては、2.0〜4.5の範囲のものが好ましく、より好ましくは2.2〜4.0、特に好ましくは2.3〜3.5の範囲である。
本発明で用いられる(B)ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩とは、特開平8−73720号公報に記載されているように、ホスフィン酸と金属炭酸塩、金属水酸化物または金属酸化物を用いて水溶液中で製造されるものであり、ジメチルホスフィン酸、エチルメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチル―n―プロピルホスフィン酸、メタンジ(メチルホスフィン酸)、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)メチルフェニルホスフィン酸およびジフェニルホスフィン酸などが挙げられる。また、金属成分としては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及び/又は亜鉛イオンを含む金属炭酸塩、金属水酸化物又は金属酸化物が挙げられる。ホスフィン酸塩としてはジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸マグネシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸マグネシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸マグネシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛、メチル−n−プロピルホスフィン酸カルシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸マグネシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸アルミニウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸亜鉛、メタンジ(メチルホスフィン酸)カルシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)マグネシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)アルミニウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)亜鉛、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)カルシウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)マグネシウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)アルミニウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)亜鉛、メチルフェニルホスフィン酸カルシウム、メチルフェニルホスフィン酸マグネシウム、メチルフェニルホスフィン酸アルミニウム、メチルフェニルホスフィン酸亜鉛、ジフェニルホスフィン酸カルシウム、ジフェニルホスフィン酸マグネシウム、ジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ジフェニルホスフィン酸亜鉛が挙げられる。特に難燃性、電気特性、ホスフィン酸合成の観点からジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛が好ましい。また、ホスフィン酸塩は必ずしも完全に純粋である必要はなく、未反応物あるいは副生成物が多少残存していても良い。
(B)ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、7〜25重量部である必要がある。7重量部以下では難燃性が得られず、25重量部以上では外観が損なわれる。より好ましくは、8〜20重量部の範囲である。
本発明で用いられる(C)メラミンとリン酸から形成される付加物とは、次の化学式(C・HPO、(ここでnは縮合度を表す)で示されるもので、メラミンとリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸との実質的に等モルの反応生成物から得られる物を意味し、製法には特に制約はない。通常、リン酸メラミンを窒素雰囲気下、加熱縮合して得られるポリリン酸メラミンを挙げることができる。ここでリン酸メラミンを構成するリン酸としては、具体的にはオルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸等が挙げられるが、特にオルトリン酸、ピロリン酸を用いたメラミンとの付加物を縮合したポリリン酸メラミンが難燃剤としての効果が高く、好ましい。特に耐熱性の点からかかるポリリン酸メラミンの縮合度nは5以上が好ましい。また、ポリリン酸メラミンはポリリン酸とメラミンの等モルの付加塩であっても良く、メラミンとの付加塩を形成するポリリン酸としては、いわゆる縮合リン酸と呼ばれる鎖状ポリリン酸、環状ポリメタリン酸が挙げられる。これらポリリン酸の縮合度nには特に制約はなく通常3〜50であるが、得られるポリリン酸メラミン付加塩の耐熱性の点でここに用いるポリリン酸の縮合度nは5以上が好ましい。かかるポリリン酸メラミン付加塩はメラミンとポリリン酸との混合物を例えば水スラリーとなし、よく混合して両者の反応生成物を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、洗浄、乾燥し、さらに必要であれば焼成し、得られた固形物を粉砕して得られる粉末である。
(C)メラミンとリン酸から形成される付加物は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、7〜25重量部である必要がある。7重量部以下では難燃性が得られず、25重量部以上では外観が損なわれる。より好ましくは、8〜20重量部の範囲である。
本発明で用いられる(D)ホウ酸亜鉛としては、4ZnO・B・H2O、2ZnO・3B・3.5HOに表される水和物を有するもの、またそれらを焼成し水分除去した2ZnO・3Bが挙げられる。
(D)ホウ酸亜鉛は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.8〜5.5重量部である必要がある。0.8重量部以下では難燃性が得られず、5.5重量部以上では外観が損なわれ、かつ靭性が低下し離型時に成形品が破壊する。より好ましくは、1.0〜4.2重量部の範囲である。
本発明で用いられる(E)無機充填剤の具体例としては、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、ワラステナイトなどの繊維状、ウィスカー状充填材が挙げられる。上記繊維状無機充填剤中、ガラス繊維、ワラステナイトおよび導電性が必要な場合にはPAN系の炭素繊維が好ましい例として挙げられ、これらは1種または2種以上で使用される。中でもガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被膜あるいは集束されていてもよい。なお、本発明に使用する上記の充填材はその表面をシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤などのカップリング剤その他の表面処理剤および膨潤性の層状珪酸塩では有機化オニウムイオンで予備処理することは、より優れた機械的強度を得る意味において好ましい。
また、上記(E)繊維状無機充填剤の断面形状としては、一般的な円形に加え、扁平断面形状を有するものを用いることも実用上好ましい。具体的な断面形状としては、長円形、円形が2本対となるまゆ形、楕円形、半円形、長方形、正方形、その他多角形、星形、またこれらの単繊維、もしくは複数対繊維などが挙げられる。中でも、強度や成形性、外観などのバランスから、長円形、円形が2本対となるまゆ形が好ましい。また、扁平断面の最長径/最長径の比は、1.5以上、6.0以下が好ましい。この比が1.5より小さいと、比が1.0である円形断面ガラス繊維と差異がない。この比が6.0より大きいと、コンパウンド中にガラス繊維同士がお互いを砕き合うため、機械特性に影響を及ぼす。機械特性とのバランスから5.0以下がより好ましい。
(E)無機充填剤は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、15〜250重量部である必要がある。15重量部以下では離型時に成形品が破壊し、250重量部以上では外観が損なわれ、かつ離型時に成形品が破壊する。より好ましくは、20〜200重量部の範囲である。
本発明で用いられる(F)タルクとは、ポリアミド樹脂の結晶核剤として一般的に用いられる含水珪酸マグネシウムを主成分とする鉱物であり、その製法には特に制約はない。タルクはその重量平均粒径により層別、定義することができる。重量平均粒径の測定法は種々存在するが、近年、その高い測定精度から、レーザー光を用いたレーザー回折散乱法が広く用いられている。
(F)タルクは、レーザー回折散乱法で求められる重量平均粒径が5μm以下であることが必要である。5μm以上では離型時に成形品が破壊する。また、(F)タルクは、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.02〜1重量部である必要がある。0.02重量部以下では離型時に成形品が破壊し、1重量部以上では機械特性が損なわれ、かつ離型時に成形品が破壊する。より好ましくは、0.03〜0.7重量部の範囲である。
本発明では(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(G)モンタン酸エステルを0.5〜1.2重量部含有することが実用上好ましい。モンタン酸エステルを配合することで離型性が大幅に改善され、より薄型、複雑形状の成形品が得られるようになる。成形品の外観と機械特性のバランスから、より好ましくは0.6〜0.9重量部の範囲である。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、さらに本発明の目的を損なわない範囲で他のポリマー、銅系熱安定剤、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系などの酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、および染料・顔料を含む着色剤などの通常の添加剤を1種以上添加することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物製造方法は特に制限はなく、例えば単軸または2軸の押出機やニーダー等の混練機を用いて220〜330℃の温度で溶融混練する方法等が挙げられる。また、ガラス繊維など、繊維状の無機充填剤は、その直径に対する長手方向の長さの割合が高いほど高い補強効果が発現するため、樹脂成分が溶融した後に無機強化剤を配合する製造方法が好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、射出成形、押出成形など通常の方法で容易に成形することができ、得られた成形品は、環境に配慮した非ハロゲン系難燃剤を用い、剛性、良外観性、成形性に優れ、電気電子部品、自動車部品、建材部品などの難燃性を求められる筐体、外装部品に好適である。
本発明のポリアミド組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形のいずれかの方法によって、電気電子部品、自動車部品、建材部品などの筐体、外装部品に成形できる。
以下、実施例を挙げてさらに本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。実施例および比較例に用いた測定方法を以下に示す。
(1)材料強度
以下の標準方法に従って測定した。
曲げ弾性率:ISO 178
(2)難燃性
UL94(米国Under Writer Laboratories Incで定められた規格)の方法に従って、 厚み1.0mmにて測定した。
(3)離型性
25×25×25(mm)、肉厚1mmの箱型成形品を射出成形し、離型時にかかるエジェクタプレートへの圧力をロードセルで測定した。この数値を離型力とした。
(4)成形品の表面外観
80×80×3(mm)の鏡面磨き角板(フィルムゲート)を射出成形し、得られた角板の表面で蛍光灯の反射像の鮮明度を肉眼観察し、外観性の指標とした。判断基準は以下の通りである。
◎:蛍光灯の反射像がかなり明瞭に観察される。
○:蛍光灯の反射像がやや不明瞭ながらも観察される。
△:蛍光灯の反射像が観察できるが、かなり不明瞭である。
×:蛍光灯の反射像が観察できない。
参考例1 半芳香族共重合ポリアミド樹脂の製造
実施例、ならびに比較例で用いた共重合ポリアミド樹脂は以下の方法で重合した。(a−1)ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の当モル塩、(a−2)ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の当モル塩、および(a−3)ε−カプロラクタムをそれぞれ表に記載の重量比で投入し、投入した全量と同量の純水を加え、重合缶内をNで置換した後、攪拌しながら加熱を開始し、缶内圧力を最大20kg/cmに調整しながら最終到達温度を270℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。
参考例2 ポリアミド610樹脂の製造
実施例、ならびに比較例で用いたポリアミド610樹脂は以下の方法で重合した。ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の当モル塩を投入し、投入した全量と同量の純水を加え、重合缶内をNで置換した後、攪拌しながら加熱を開始し、缶内圧力を最大20kg/cmに調整しながら最終到達温度を280℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。
参考例3 ポリアミド6樹脂の製造
実施例、ならびに比較例で用いたポリアミド6樹脂は以下の方法で重合した。ε−カプロラクタム(東レ(株)製)1500g、イオン交換水375gを秤量し、重合缶に仕込み、常圧、窒素フロー下で攪拌しながら最終到達温度260℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットは95℃熱水中で20時間処理し、未反応モノマーや低重合物を抽出除去した。抽出後のペレットは80℃で50時間以上乾燥した。
参考例4 タルクの重量平均粒径の測定
実施例、比較例で用いたタルクの重量平均粒径は、日機装株式会社製のレーザー回折散乱式粒度分布測定器9320HRAを用いて測定した。
参考例5 成形品の作成
実施例、ならびに比較例で使用した曲げ弾性率の試験用成形品は次の方法で作成した。ISO1874−2に従い、日精樹脂工業(株)製の射出成形機PS60により、シリンダ温度300℃、金型表面温度100℃、スクリュー回転数150rpm、平行部流速200mm/秒、射出/冷却=20/10秒の条件でISO Type−B規格の試験片を成形した。
難燃性測定用の試験片は、同条件、射出/冷却=10/10秒の条件で、12.7×127×1.0(mm)の試験片を射出成形した。
離型性測定用の試験片は、同条件、射出/冷却=10/10秒の条件で、図*の試験片を射出成形した。
[実施例1]
参考例1に示した重合方法で製造されたヘキサメチレンアジパミド単位(PA66)、ヘキサメチレンイソフタラミド単位(PA6I)、カプロアミド単位(PA6)から成り、重量比がそれぞれ76、16、8重量%である(a−1)半芳香族共重合ポリアミド樹脂を32.5重量部、参考例3に示した重合方法で製造された(a−2)ポリアミド6樹脂を67.5重量部、(B)ホスフィン酸塩[クラリアントジャパン(株)製:商品名 EXOLIT OP1230]を17.5重量部、(C)メラミンとリン酸から生成される付加物[チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製:商品名 melapur200/70]を17.5重量部、(D)ホウ酸亜鉛[ボラックス社製:商品名 Firebreak500]を2.5重量部、(E)ガラス繊維[日本板硝子(株)製:商品名 TP−67]を113重量部、(F)重量平均粒径が2.3μmであるタルク[竹原化学工業(株)製:商品名 タルクMST]を0.08重量部を2軸押出機(東芝機械社製:TEM58)を用いてシリンダ設定温度290℃、スクリュ回転数200rpmの条件下で、(a−1)、(a−2)、(B)、(C)、(D)、(F)をトップフィード(基込めフィード)、(E)をサイドフィードし、溶融混錬した後、ストランド状のガットを成形し、冷却バスで冷却後、カッターで造粒しペレットを得た。得られたペレットを参考例5に示した方法により成形し、前記の測定方法によって諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例2〜13]
(a−1)半芳香族系共重合ポリアミド樹脂、(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂、(B)ホスフィン酸塩、(C)メラミンとリン酸から生成される付加物、(D)ホウ酸亜鉛、(E)ガラス繊維、(F)タルクが表に示す重量部である以外は実施例1と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例14、15]
参考例1に示した重合方法で製造されたヘキサメチレンアジパミド単位(PA66)、ヘキサメチレンイソフタラミド単位(PA6I)、カプロアミド単位(PA6)から成り、重量比がそれぞれ表に示す重量%であること以外は実施例1と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例16]
(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂にポリアミド66樹脂[東レ(株)製:商品名 アミランCM3007]を用いた以外は実施例1と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例17]
(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂に参考例2に示した重合方法で製造された(a−2)ポリアミド610樹脂を用いた以外は実施例1と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例18]
(E)ガラス繊維に長円形断面ガラス繊維[日東紡績(株)製:商品名CSG 3PA−820]を用いた以外は実施例1と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例19]
参考例1に示した重合方法で製造されたヘキサメチレンアジパミド単位(PA66)、ヘキサメチレンイソフタラミド単位(PA6I)、カプロアミド単位(PA6)から成り、重量比がそれぞれ76、16、8重量%である(a−1)半芳香族共重合ポリアミド樹脂を32.5重量部、参考例3に示した重合方法で製造された(a−2)ポリアミド6樹脂を67.5重量部、(B)ホスフィン酸塩[クラリアントジャパン(株)製:商品名 EXOLIT OP1230]を17.5重量部、(C)メラミンとリン酸から生成される付加物[チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製:商品名 melapur200/70]を17.5重量部、(D)ホウ酸亜鉛[ボラックス社製:商品名 Firebreak500]を2.5重量部、(E)ガラス繊維[日本板硝子(株)製:商品名 TP−67]を113重量部、(F)重量平均粒径が2.3μmであるタルク[竹原化学工業(株)製:商品名 タルクMST]を0.08重量部、(G)モンタン酸エステル[クラリアントジャパン(株)製:商品名 LicolubWE40]を0.75重量部を2軸押出機(東芝機械社製:TEM58)を用いてシリンダ設定温度290℃、スクリュ回転数200rpmの条件下で、(a−1)、(a−2)、(B)、(C)、(D)、(F)、(G)をトップフィード(基込めフィード)、(E)をサイドフィードし、溶融混錬した後、ストランド状のガットを成形し、冷却バスで冷却後、カッターで造粒しペレットを得た。得られたペレットを参考例5に示した方法により成形し、前記の測定方法によって諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例20〜22]
参考例1に示した重合方法で製造されたヘキサメチレンアジパミド単位(PA66)、ヘキサメチレンイソフタラミド単位(PA6I)、カプロアミド単位(PA6)から成り、重量比がそれぞれ表に示す重量%であること以外は実施例1と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[比較例1〜8]
(a−1)半芳香族系共重合ポリアミド樹脂、(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂、(B)ホスフィン酸塩、(C)メラミンとリン酸から生成される付加物、(D)ホウ酸亜鉛、(E)ガラス繊維、(F)タルクが表に示す重量部である以外は実施例1と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[比較例9]
(F)タルクに重量平均粒径14.2μmのタルク[竹原化学工業(株)製:商品名 M−1タルク]を用いた以外は実施例1と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
Figure 2010037372
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実施例1〜22および比較例1〜9より、ポリアミド樹脂に、ホスフィン酸塩、メラミンとリン酸から生成される付加物、ホウ酸亜鉛、無機充填剤、タルクを配合することにより、ハロゲン系難燃剤を用いず難燃化し、なおかつ剛性、離型性、表面外観を両立することから、携帯電話筐体、電機電子機器筐体などの筐体部品に特に優れることが確認された。

Claims (10)

  1. (A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩7〜25重量部、(C)メラミンとリン酸から形成される付加物7〜25重量部、(D)ホウ酸亜鉛0.8〜5.5重量部、(E)無機充填剤15〜250重量部、(F)重量平均粒径が5μm以下のタルク0.02〜1重量部を配合してなることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. (A)ポリアミド樹脂が、(a−1)と(a−2)の合計100重量%として、(a−1)半芳香族共重合ポリアミド樹脂10〜50重量%と(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂50〜90重量%であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. (a−1)半芳香族共重合ポリアミド樹脂が、(a1−1)ヘキサメチレンアジパミド単位65〜90重量%、(a1−2)ヘキサメチレンイソフタラミド単位5〜30重量%および(a1−3)カプロアミド単位1〜14重量%の合計100重量%からなり、(a1−2)/(a1−3)の共重合重量比1以上を同時に満たす3元共重合体(ポリアミド66/6I/6)であることを特徴とする請求項2記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. (a−2)脂肪族ポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド66、およびポリアミド610から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項2または3記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. (E)無機充填剤がガラス繊維、炭素繊維、およびワラステナイトから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. ガラス繊維が扁平断面形状を有することを特徴とする請求項5記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. (A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(G)モンタン酸エステルを0.5〜1.2重量部を配合してなることを特徴とする請求項1から6のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
  8. 請求項1から7いずれか記載のポリアミド樹脂組成物を、射出成形、押出成形、ブロー成形の内から選ばれる少なくとも1種の方法で成形してなる成形品。
  9. 成形品が、筐体、外装部品または補強部品であることを特徴とする請求項8記載の成形品。
  10. 成形品が、携帯電話筐体、または電機電子機器筐体であることを特徴とする請求項9記載の成形品。
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