JP5966177B2 - 蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、製茶工場で使用している製茶蒸機から蒸し茶葉香気成分入りの蒸気を回収して、凝縮水を製造する方法と装置に係る蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造方法及びその装置並びに製造される凝縮水に関する。
近年では一般的に茶の効能が広く知られるようになっており、また、茶の香りが精神的にもよく、癒しの効果があり、茶の香気成分のニーズは高まっている。しかし、香気成分に用いられる茶の精油の抽出は、材料となる茶自体が高価であり、しかもその抽出量が微量(粉茶300キログラムから47グラム抽出)であるため製品化しにくく、天然の茶の香りを使った商品は市場にほとんど出回っていない。また、茶生葉から水蒸気蒸留法によって得られる精油の量は、0.02%以下といわれており、とても微量である。
茶の香気成分は、焼海苔臭の含硫化合物(ジメチルスルフィドとメチルメルカブタン)、青臭に丸みを持たせるC5のアルデヒド(ペンタナール、3−メチルブタナール、2−メチルブタナール)、フレッシュな青臭を与えるみどりの香りの成分(青葉アルコールとそのエステル化合物)、殺青をすぐ行う緑茶には、含有比が低いが茶の代表的な香気成分(テルペンアルコール(リナロールとそのオキサイド)とゲラニオール)、緑茶らしい微量で強い香りを感じさせるヨノン系化合物等がある。
従来、製茶工場では、茶生葉コンテナで茶生葉を一時貯留し、一定量ずつ製茶蒸機にて蒸気を当てて蒸熱処理を行ない、酸化酵素を不活性化してから、製茶粗揉機、製茶揉捻機、製茶中揉機・・・のように揉乾処理を行ない、荒茶を製造している。製茶機械および製茶工場は基本的に換気よく設計されており、特に強制排気等は行なっていない。そのため、製茶時には、茶の香りが製茶工場内にとどまらず、製茶工場周辺にも充満している。製茶工場へ行くと、その中でも製茶蒸機の周りが、格段と茶の香りがする。
また、製茶工場では飲食するための荒茶を製造することを目的としており、それ以外の副産物を製造していることはなかった。製茶工場で生産した荒茶を仕上げ加工する仕上加工工場の火入乾燥機から放出される排気を熱交換器等を通して、茶香気成分を含有した水溶液を回収する茶香気成分含有水溶液の製造方法が特許文献1で提案されている。
特開2002−330698号公報
製茶時には、製茶工場内及び周辺は、水分を含んだ熱風や製茶蒸機の蒸気により茶の香りを含んだ湿度の高い空気で充満する。現在は、製茶工場は民家から少し離れたところに建設されていることが多く、製茶工場の近所も茶の関係者のため、製茶工場からの排気は問題になっていないが、将来的には製茶工場の排気が問題になる可能性がある。
特許文献1の方法で排気を回収する火入乾燥機で乾燥する茶葉は、投入時で6〜7%(D.B.)程度の水分しか持っておらず、この排気から回収される水溶液は微量に過ぎない。また、この火入乾燥機から回収される香気は、製茶時に熱が加えられた香りがするものであり、一般的に飲む時の茶の香りは、後火製法によるもので、加熱することでアミノ酸と糖類が反応して、香ばしい香りが生成されるものである。そして、火入乾燥機は製茶工場ではなく仕上げ加工工場に設置されており、火入乾燥機からの排気の回収等、明確にされておらず、実現性が低い。
上記のような飲むときの茶の香りではなく、本発明者は、森林浴をしているような香りや茶畑の香りを採取することを考え、茶生葉のフレッシュな青臭を与えるみどりの香りの成分である青葉アルコールに注目した。茶生葉の香気成分には低沸点の香気が多く、青葉アルコールも例外ではなく、製茶することでほぼなくなってしまう。製茶中に香り成分の多くが揮散するため、茶は極めて繊細な香りとなる。
さらに、茶生葉ではなく、蒸し茶葉からの香気成分としてのヨノン系化合物の花の様な甘い香りβ―イオノン(主にすみれの香り)にも注目した。本発明が解決しようとする課題(技術的課題又は目的等)は、製茶工場内で生成されるものの中で、従来は利用されずに廃棄していた蒸気に着目し、上記のような有用な香気成分を含む蒸気を回収して冷却して香気成分入りの凝縮水を、効率的で且つ良好な状態で製造する方法及びその装置を提供することを課題としている。
この明細書において、「蒸し茶葉」とは、製茶蒸機にて茶生葉を蒸し作業し、該蒸し作業工程を介して得られる茶葉をいい、蒸し作業前の状態の「茶生葉」とは異なる。
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、製茶蒸機の蒸し茶葉排出部側の蒸気排出口から排出される蒸し茶葉香気成分入りの蒸気の回収に際して、該蒸気を蒸気回収フードを介して回収する回収量を前記蒸気排出口での前記蒸気の排出量よりも少なくし、前記回収した蒸気を冷却して蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水を製造することを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造方法としたことにより、前記課題を解決した。
請求項2の発明を、製茶蒸機の蒸し茶葉排出部側の蒸気排出口から排出される蒸し茶葉香気成分入りの蒸気の回収に際して、該蒸気を蒸気回収フードを介して回収する回収速度を前記蒸気排出口での前記蒸気の排出速度よりも遅くし、前記回収した蒸気を冷却して蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水を製造することを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造方法としたことにより、前記課題を解決した。請求項3の発明を、請求項1又は2において、回収される前記蒸し茶葉香気成分入りの蒸気には、β―イオノンを多量に含んでいることを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造方法としたことにより、前記課題を解決した。
請求項4の発明を、製茶蒸機の蒸し茶葉排出部側の蒸気排出口上に備えられた蒸気回収フードと、前記蒸気排出口から排出される蒸し茶葉香気成分入りの蒸気を前記蒸気回収フード及びダクトを介して吸引するための吸引ファンと、前記蒸気を冷却して凝縮水を得る蒸気冷却手段と、該蒸気冷却手段からの前記凝縮水を回収しておく設置用回収タンクとからなり、前記蒸気を前記ダクトより回収する回収量を前記蒸気排出口での前記蒸気の排出量よりも少なくなるように前記吸引ファンにて調整可能に制御してなることを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造装置としたことにより、前記課題を解決した。
請求項5の発明を、製茶蒸機の蒸し茶葉排出部側の蒸気排出口上に備えられた蒸気回収フードと、前記蒸気排出口から排出される蒸し茶葉香気成分入りの蒸気を前記蒸気回収フード及びダクトを介して吸引するための吸引ファンと、前記蒸気を冷却して凝縮水を得る蒸気冷却手段と、該蒸気冷却手段からの前記凝縮水を回収しておく設置用回収タンクとからなり、前記蒸気を前記ダクトより回収する回収速度を前記蒸気排出口での前記蒸気の排出速度よりも遅くなるように前記吸引ファンにて調整可能に制御してなることを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造装置としたことにより、前記課題を解決した。
請求項6の発明を、請求項4又は5において、前記ダクトの適宜な箇所に、異物除去のフィルタが設けられてなることを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造装置としたことにより、前記課題を解決した。請求項7の発明を、請求項4,5又は6のいずれか1項において、前記設置用回収タンク内に回収された蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水を循環ポンプ駆動にて循環させて保存可能としておくことを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造装置としたことにより、前記課題を解決した。
請求項8の発明を、請求項4,5,6又は7のいずれか1項において、前記製茶蒸機への茶生葉の供給が開始された信号を受信して所定時間経過後、前記吸引ファンが駆動開始されることを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造装置としたことにより、前記課題を解決した。
本発明の請求項1、2により、従来は廃棄していた蒸気を利用することで、蒸し茶葉の香気成分入り凝縮水を得ることができ、製茶工場としては荒茶以外の商品を販売することができる。また、製茶蒸機の蒸気を利用することで、青葉アルコールやその他の香気成分を多く含んだ、蒸し茶葉特有のフレッシュな香りを得ることができるため、色々な用途に利用可能である。この蒸し茶葉の香気成分により、森林浴をしているような気分になることができる最大の利点がある。
請求項3の装置により、特に、β―イオノンを多量に含んでいる香気成分入り凝縮水にて、さらに良好な森林浴の気分にできる。請求項4又は5の発明では、従来は廃棄していた蒸気を利用することで、蒸し茶葉の香気成分入り凝縮水を得ることができると共に、製茶蒸機の蒸し作業工程の蒸し程度や、蒸しのムラなどに何らの悪影響を及ぼさないようにできる利点がある。さらに、簡易な構成の装置であり、低コストにて提供できる。請求項6の発明では、異物除去した良好なる凝縮水を製造できる。
請求項7の発明では、回収された凝縮水を均一な濃度で保存できる。請求項8の装置により、電源を作業者がいちいち操作しなくても、製茶蒸機に連動して、自動的に茶生葉の香気成分入りの凝縮水を製造できる。
製茶蒸機と本発明の凝縮水製造装置の全体構成図である。 (A)は回収量が排出量よりも少ない状態の本発明の要部断面図、(B)は回収量と排出量とが同等な状態の本発明の要部断面図、(C)は回収量が排出量よりも多い状態の本発明の要部断面図である。 蒸気冷却手段箇所の断面図である。 設置用回収タンク箇所の関係図である。 各種香気成分比グラフである。 β―イオノン関連グラフである。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1に本発明の装置を示す。製茶工場においては、適宜の量の茶生葉Aを荷受けして、茶生葉コンテナ(図示しない)で一時貯留する。そして、順次、搬送装置(図示しない)及び茶生葉供給装置91を介して製茶蒸機1へ搬送して、蒸熱処理が行なわれる。
前記製茶蒸機1は、茶生葉Aが投入されるホッパなどの茶生葉投入部13と、蒸気が供給される固定胴部11と、内部に複数の羽根部が設けられた攪拌軸とその周りの金網胴とを備えた回転胴部12と、蒸し茶葉排出部14とで構成されている。前記固定胴部11には、ボイラ(図示しない)にて生成された蒸気が、蒸気供給管15により製茶蒸機1の蒸気供給口16を介して供給される。前記蒸し茶葉排出部14の上部には蒸気排出口14aが開口されている。
前記製茶蒸機1内では、供給された茶生葉Aに対して蒸気供給口16からの蒸気に晒され、前記固定胴部11及び前記回転胴部12内で蒸熱処理が行なわれ、酸化酵素を不活性化させている。通常、約60〜120秒間くらい蒸熱処理を行ない、茶生葉1kgあたり、約300〜400g程度の蒸気を製茶蒸機1へ供給している。前記製茶蒸機1は、一般的に回転胴型蒸機と送帯型蒸機があるが、茶生葉Aを蒸す装置であれば、限定されない。
このような前記製茶蒸機1において、蒸熱処理が終了した蒸し茶葉Bは、前記製茶蒸機1の蒸し茶葉排出部14より搬送装置93上に排出され、次の製茶装置(図示しない)へ運ばれ、更なる適宜な製茶加工工程が行われる。そして、茶生葉Aを蒸し終わって、不要になった蒸気は前記蒸気排出口14aから製茶蒸機1の外へ排出される。この蒸気には、蒸し茶葉Bの香気成分が入っているものであり、単なる蒸気ではないため、これを、以下、「蒸し茶葉香気成分入りの蒸気C」又は「香気成分入り蒸気C」という。
前記製茶蒸機1の蒸し茶葉排出部14の上側の蒸気排出口14aの直上に蒸気回収フード2が設けられている。該蒸気回収フード2は、下方に行くに従って広がるように形成され、下端は、方形又は円形などの拡大枠21が設けられ、上端の窄まり部22には、開口孔22aが形成されている。前記蒸気排出口14aの上端から前記蒸気回収フード2の下端の拡大枠21までの高さHは、約5cm乃至約50cm程度に設けられている。
前記蒸気回収フード2の上端の開口孔22aには、該開口孔22aと同径のダクト3Aの一端が接続され、その他端には、吸込ファン4が接続されている。該吸込ファン4は、吸込み力が調整可能に構成されている。ここにおいて、その調整の重要な点が存在する。つまり、前記蒸気排出口14aでの前記香気成分入り蒸気Cの単位時間当たりの排出量Qよりも、該香気成分入り蒸気Cを蒸気回収フード2を介して回収する回収量Q´を同等又はそれ以下となるように構成されている。
つまり、排出量Q≧回収量Q´なる関係式が重要である。
Figure 0005966177
となる。この点を詳述する。この関係とは反対に、回収量Q´を上げるために吸込み量を上げる(吸引ファン4の吸引量を上げる)と、排出量Qが、その吸込み力の影響を受けて、図2(C)のように排出量Q<回収量Q´となり、蒸気排出口14aからの香気成分入り蒸気を強制的に吸い込むようになる。この結果、蒸しのムラを生じさせて、蒸し作業に悪影響を及ぼすことになる。
しかるに、排出量Q≧回収量Q´のときには、図2(A)又は(B)のように、蒸気排出口14aからの香気成分入り蒸気Cは、前記蒸気回収フード2の中に入らずに下端の拡大枠21から溢れて外部に拡散することがあるが、この場合には、前記製茶蒸機1の蒸し作業工程の蒸し程度や、蒸しのムラなどに何らの悪影響を及ぼさないようにできる。
前記排出量Q及び回収量Q´について、前記蒸気排出口14aの開口面積と、前記ダクト3Aの開口面積との比にも影響は受けるが、その比が数倍の範囲内であれば、その排出量Q及び回収量Q´は、排出速度V及び回収速度V´に比例していると判断できるため、排出速度V及び回収速度V´の関係式でも
排出速度V≧回収速度V´となる関係式を満足する。
Figure 0005966177
となる。
前述した排出量Q及び回収量Q´と同様に、回収速度V´を上げて、排出速度Vよりも早くすると、図2(C)のようにV<V´となり、蒸気排出口14aからの香気成分入り蒸気Cを強制的に吸い込むようになって、前記製茶蒸機1の蒸し作業工程の蒸し程度を不安定にさせるのみならず、蒸しのムラを生じさせて、蒸し作業に悪影響を及ぼすことになる。
しかるに、排出速度V≧回収速度V´のときには、図2(A)又は(B)のように、蒸気排出口14aからの香気成分入り蒸気は、前記蒸気回収フード2の外に拡散することがあるが、蒸し作業工程の蒸し程度や、蒸しのムラなどに何らの悪影響を及ぼさないようにできる利点がある。
前記ダクト3Aの適宜の位置に、フィルタ5Aが設けられており、前記蒸し茶葉香気成分入りの蒸気Cの中に含まれる塵、粉じんなどの異物の除去が行われる。前記吸込ファン4の後部側には、前記香気成分入りの蒸気Cを冷却して凝縮水Dを得る蒸気冷却手段6が設けられている。
該蒸気冷却手段6は、実施形態では、水冷式タイプであって、前記吸込ファン4からの前記香気成分入りの蒸気Cが冷却器本体61内に設けられた多数のパイプ62,62,…内に流入される。該パイプ62,62,…周りで且つ前記冷却器本体61内壁には図示しない外部からの水が注入されて、前記パイプ62,62,…周縁が水で冷却される。
これによって、前記パイプ62,62,…内の前記香気成分入りの蒸気が液体化する。また、前記パイプ62,62,…の内部を冷却媒体が通っており、その周囲を蒸気が通ることで、冷却を行うこともある。前記蒸気冷却手段6では、水冷式タイプであるが、その蒸気を冷やすことができれば、水冷でも空冷でもどちらにも限定されない。63は給水パイプ、64は排水パイプであって、前記パイプ62,62,…内の前記香気成分入りの蒸気Dを水にて冷却する。
前記蒸気冷却手段6からの前記凝縮水Dは、前記凝縮水回収用の設置用回収タンク7の上端箇所に接続されている。該設置用回収タンク7は、所定量の蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水Dが貯蔵できる大きさを有している。貯蔵しておくには、温度制御及び殺菌制御する必要がある。
貯蔵された蒸し茶葉香気成分入り凝縮水Dは、前記設置用回収タンク7から配管3C,循環ポンプP及び配管3Dを介して、循環させつつ温度制御している。前記配管3Dの中間箇所には、さらに異物除去のためのフィルタ5B及び5Cが設けられている。前記設置用回収タンク7の底部から配出管71が設けられ、バルブ等を介して、所要量の蒸し茶葉香気成分入り凝縮水Dを得るように構成されている。
具体的には、前記設置用回収タンク7内に回収された前記凝縮水Dは、一定量を超えると採取管72を通り、運搬用タンク78へ入れられる。任意に排出もしくは清掃時などは、バルブV1を開放し、排水管73を用いて、運搬用タンク78もしくは排水溝へ排水する。清掃が終了したときには、バルブV1を必ず閉鎖しておく。
次に、蒸し茶葉香気成分入り凝縮水Dの製造方法及び製造工程について説明する。まず、製茶蒸機1へは茶生葉Aを一定量ずつ投入しなければ、蒸しのムラが起こるため、茶生葉供給装置91を用いて、一定量ずつ製茶蒸機1の茶生葉投入部13へ投入する。このときには、予めボイラ(図示しない)より蒸気を供給している製茶蒸機1への投入が始まると、センサ81が茶生葉Aの存在を感知し、所定時間(例えば、0秒、60秒、120秒、180秒、210秒など)経過後に、吸引ファン4を起動する。
そして、茶生葉Aを茶生葉投入部13から投入し、製茶蒸機1内にて蒸気で蒸熱処理する。茶生葉Aを蒸熱処理して、蒸し茶葉排出部14へ排出し、蒸熱処理した蒸し茶葉Bは、次の製茶装置(図示しない)へ搬送装置93により運ぶ。茶生葉Aを蒸熱処理した後の蒸し茶葉香気成分入りの蒸気C又は香気成分入り蒸気Cは、前記蒸気排出口14aより放出する。
その香気成分入り蒸気Cは、前記蒸気排出口14aからの排出量Q≧前記ダクト3Aの回収量Q´との条件又は前記蒸気排出口14aからの排出速度V≧前記ダクト3Aの回収速度V´との条件を満足するようにして、前記蒸気回収フード2内に充満し、ダクト3Aを通り、前記吸引ファン4により吸引され、フィルタ5Aで異物を除去してから、蒸気冷却手段6にて冷却して、蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水D又は香気成分入りの凝縮水Dとなる。
該香気成分入りの凝縮水Dは、配管3Bを通って、前記設置用回収タンク7へ流入する。また、必要に応じて、フィルタ5B、5Cなどにより濾過し、運搬用タンク78へ移し変えて運搬する。茶生葉Aが製茶蒸機1へ投入されている間(センサ81が茶生葉Aを感知している間)は、これを継続する。茶生葉Aの製茶蒸機1への投入が終了すると、センサ81が茶生葉Aを感知しなくなり、吸引ファン4を停止させる。
茶生葉Aの感知機能の実施形態を詳述する。この場合には、茶生葉Aが茶生葉供給装置91から製茶蒸機1の茶生葉投入口13へ投入される付近に透過型のセンサ81が設置されている。該センサ81では茶生葉Aが存在するか否かをチェックする。前記センサ81が茶生葉Aの存在を感知すると、茶生葉供給装置91から製茶蒸機1への茶生葉Aの投入が行われていることを示し、このときに、前記吸引ファン4を起動させる。
前記吸引ファン4の起動に関しては、前記センサ81が茶生葉Aの存在を感知してすぐに起動してもよいが、センサ81が茶生葉Aの存在を感知し始めてから所定時間後に前記吸引ファン4を起動するように設定しておくと、より効率的である。製茶蒸機1では通常、茶生葉Aを投入し始める前から蒸気を供給し始め、蒸気が安定的に供給され、その他の準備が整ってから、茶生葉の供給を始める。茶生葉Aの供給を始めた直後は、蒸気排出口14aより硫黄のような不快な臭いがする。
そのため、茶生葉Aの供給と、前記吸引ファン4とを時間差で連動させることにより、不要な蒸気(蒸し茶葉香気成分が入っていない蒸気や不快な臭いの蒸気)や空気は回収せずに、効率よく、香気成分入りの蒸気Cを回収することができる。また、前記センサ81が茶生葉Aの存在を感知しなくなると、茶生葉供給装置91から製茶蒸機1への茶生葉Aの供給が終了すること示しているため、前記吸引ファン4を停止させる。このように自動的に前記吸引ファン4が停止することで、蒸し茶葉Bの香気成分を含まない蒸気や空気を回収しないようにできる。
図5は、荒茶(製茶作業工程にて製造された茶葉)浸出液と、本発明にて得られた凝縮水D(D1,D2,D3,D4)とで、各種の香気成分が表れた各種香気成分グラフである。分析試料(荒茶浸出液、凝縮水)を固相抽出法で香気成分を抽出した後にガスクロマトグラフィーで行った。
前記蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水D又は香気成分入りの凝縮水Dには、図5の各種香気成分比グラフに示すように、(Z)―3―ヘキサノール(青葉アルコール)、リナロール、オクタノール、ゲラニオール、ベンジルアルコール、2−フェニルエタノール、βーイオノン、インドールなど多くの成分が含まれている。
図6は、荒茶浸出液と、本発明にて得られた凝縮水Dとにおいて、特に、甘い花様の香りとして良好なβ―イオノン(主に、すみれ香り)の成分比を表したグラフである。この実験例では、特に、凝縮水Dにおいて、約25%〜約35%の値が出ており、数値的にも、凝縮水Dにおいて、香気成分が優れていることが判る。茶期を限らず、一年を通して同様の傾向がある。
この他にも、青葉アルコールなどのフレッシュな香りが含まれている。この凝縮水Dの香りは、茶畑の香りと同様と言われている。これらの装置により捕集されて、香気成分入りの凝縮水Dは、例えば、スプレー、シャンプー、化粧水、芳香剤、入浴剤、トリートメントジェル等へ利用することができる。
A…茶生葉、B…蒸し茶葉、C…蒸し茶葉香気成分入り蒸気、D…凝縮水、
Q…排出量、Q´…回収量、V…排出速度、V´…回収速度、1…製茶蒸機、
14…蒸し茶葉排出部、14a…蒸気排出口、2…蒸気回収フード、3A…ダクト、
4…吸込ファン、5A…フィルタ、6…蒸気冷却手段、7…設置用回収タンク。

Claims (8)

  1. 製茶蒸機の蒸し茶葉排出部側の蒸気排出口から排出される蒸し茶葉香気成分入りの蒸気の回収に際して、該蒸気を蒸気回収フードを介して回収する回収量を前記蒸気排出口での前記蒸気の排出量よりも少なくし、前記回収した蒸気を冷却して蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水を製造することを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造方法。
  2. 製茶蒸機の蒸し茶葉排出部側の蒸気排出口から排出される蒸し茶葉香気成分入りの蒸気の回収に際して、該蒸気を蒸気回収フードを介して回収する回収速度を前記蒸気排出口での前記蒸気の排出速度よりも遅くし、前記回収した蒸気を冷却して蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水を製造することを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造方法。
  3. 請求項1又は2において、回収される前記蒸し茶葉香気成分入りの蒸気には、β―イオノンを多量に含んでいることを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造方法。
  4. 製茶蒸機の蒸し茶葉排出部側の蒸気排出口上に備えられた蒸気回収フードと、前記蒸気排出口から排出される蒸し茶葉香気成分入りの蒸気を前記蒸気回収フード及びダクトを介して吸引するための吸引ファンと、前記蒸気を冷却して凝縮水を得る蒸気冷却手段と、該蒸気冷却手段からの前記凝縮水を回収しておく設置用回収タンクとからなり、前記蒸気を前記ダクトより回収する回収量を前記蒸気排出口での前記蒸気の排出量よりも少なくなるように前記吸引ファンにて調整可能に制御してなることを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造装置。
  5. 製茶蒸機の蒸し茶葉排出部側の蒸気排出口上に備えられた蒸気回収フードと、前記蒸気排出口から排出される蒸し茶葉香気成分入りの蒸気を前記蒸気回収フード及びダクトを介して吸引するための吸引ファンと、前記蒸気を冷却して凝縮水を得る蒸気冷却手段と、該蒸気冷却手段からの前記凝縮水を回収しておく設置用回収タンクとからなり、前記蒸気を前記ダクトより回収する回収速度を前記蒸気排出口での前記蒸気の排出速度よりも遅くなるように前記吸引ファンにて調整可能に制御してなることを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造装置。
  6. 請求項4又は5において、前記ダクトの適宜な箇所に、異物除去のフィルタが設けられてなることを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造装置。
  7. 請求項4,5又は6のいずれか1項において、前記設置用回収タンク内に回収された蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水を循環ポンプ駆動にて循環させて保存可能としておくことを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造装置。
  8. 請求項4,5,6又は7のいずれか1項において、前記製茶蒸機への茶生葉の供給が開始された信号を受信して所定時間経過後、前記吸引ファンが駆動開始されることを特徴とする蒸し茶葉香気成分入りの凝縮水製造装置。
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