JP5964678B2 - 酸素センサ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気ガス中の酸素濃度に感応し、空燃比に対するセンサ出力が、理論空燃比を境にして、リッチ状態とリーン状態との間で急峻に変化する特性を有する酸素センサを制御する酸素センサ制御装置に関する。
従来より、車両の内燃機関の排気管に設置され、排気ガス中の酸素濃度に感応して、内燃機関における空燃比のリッチ状態及びリーン状態を検出する酸素センサが知られている。この酸素センサは、ジルコニア等の固体電解質体を主体に構成された検出素子を有している。この酸素センサでは、酸素濃度を内燃機関で燃焼させた燃料と空気との空燃比で表した場合に、この空燃比に対する出力電圧(センサ出力)が、理論空燃比を境にして、二値的に急峻に変化するので、これを利用して、内燃機関における燃焼の空燃比を理論空燃比よりもリッチ側としたかリーン側としたかを検出することができる。なお、検出素子を構成する固体電解質体は、おおむね600℃以上の高温状態(活性化状態)で良好な酸素イオン伝導性を示す。このため、この酸素センサには、検出素子を加熱するヒータが設けられており、検出素子の素子インピーダンス(内部抵抗)が、その素子温度に応じて変化することを利用して、検出素子を活性化状態内の一定温度に維持すべく、素子インピーダンス(内部抵抗)が目標インピーダンス(目標抵抗値)になるように、ヒータへの通電をフィードバック制御することが行われている。
ところで、このような酸素センサの検出素子は、使用等による劣化で素子インピーダンス(内部抵抗)が徐々に増加することが知られている。即ち、劣化した検出素子では、劣化前に比して、同一温度とした場合の素子インピーダンス(内部抵抗)が相対的に高くなる。このため、検出素子が劣化した場合に、上述のヒータへのフィードバック制御を行うと、素子インピーダンスを目標インピーダンスに近づけるべく、素子インピーダンスを下げる方向、即ち、素子温度を上げる方向に制御がなされる。すると、検出素子が過昇温となって素子温度が上昇し、この温度上昇により劣化がさらに促進されるなどの問題があった。
この問題を解決するため、例えば、特許文献1には、検出素子の素子インピーダンスが増加した劣化状態を判定する劣化判定手段と、検出素子が劣化状態であると判定されたときに目標インピーダンスを増加させる目標インピーダンス変更手段とを備えた酸素濃度検出装置が開示されている。そして、具体的な劣化判定手段として、ヒータに供給されるヒータ供給電力と所定の判定値とを比較するヒータ供給電力比較手段が示されている。
特開平10−26599号公報
このように、酸素センサでは、検出素子の内部抵抗の値は、検出素子の劣化と共に増加する。しかし、検出素子の内部抵抗の値は、この劣化の影響のみならず、検出素子周囲のガス雰囲気、具体的には、例えば、内燃機関における空燃比の違いにも影響を受けることが判ってきた。さらに具体的には、空燃比に対応する酸素センサのセンサ出力の値を横軸に、素子温度が一定(例えば、700℃)のときの検出素子の内部抵抗の値を縦軸にそれぞれ取り、劣化状態が揃った検出素子について、様々なセンサ出力の状態での内部抵抗を測定して、リーンからリッチまでのセンサ出力と内部抵抗の関係をグラフにすると、センサ出力に対し内部抵抗は一定ではなく、センサ出力の中央付近に内部抵抗のピークが現れる逆V字形のグラフが得られる。さらに、検出素子の劣化が進むと、内部抵抗が大きくなって、上述のグラフ全体が上方にシフトするのに加え、ピーク付近での内部抵抗の上昇が大きくなり、センサ出力(ガス雰囲気)の違いによる内部抵抗の違いが特に著しくなって、逆V字形のグラフが尖った形状になる。
このことから判るように、検出素子の内部抵抗が目標抵抗値になるように、ヒータへの通電を適切にフィードバック制御して、検出素子の素子温度を一定(例えば、700℃)の目標温度に保つには、検出素子の劣化の程度のほか、検出素子の内部抵抗を検知する際のガス雰囲気(空燃比,センサ出力)の違いに応じて、目標抵抗値を補正する必要がある。
本発明は、かかる知見に鑑みてなされたものであって、検出素子の劣化の程度及び内部抵抗検知の際のガス雰囲気の違いに応じて、適切にヒータの通電制御を行うことができる酸素センサ制御装置を提供するものである。
その一態様は、固体電解質体からなり、一対の電極を有する検出素子、及び、上記検出素子を加熱するヒータを有し、内燃機関の排気ガス中の酸素濃度に感応し、空燃比に対するセンサ出力が、理論空燃比を境にして、リッチ状態とリーン状態との間で急峻に変化する特性を有する酸素センサを制御する酸素センサ制御装置であって、上記検出素子に生じた劣化の程度に応じた値を示す劣化指標を得る劣化指標取得手段と、上記センサ出力を取得するセンサ出力取得手段と、上記検出素子の上記電極間の電圧または上記電極間を流れる電流について一時的な変化を生じさせて、上記検出素子の内部抵抗を検知する内部抵抗検知手段と、上記一時的な変化が生じる期間の前または後のタイミングに得た上記センサ出力の値である第1センサ出力と上記劣化指標とを用いて、上記内部抵抗に対応する目標抵抗値を逐次取得する目標抵抗値取得手段と、上記内部抵抗が上記目標抵抗値となるように、上記ヒータへの通電をフィードバック制御するヒータ通電制御手段と、を備え、前記目標抵抗値取得手段は、前記劣化指標に対応する基準抵抗値を得る基準抵抗値取得手段と、上記基準抵抗値を上記第1センサ出力の値に応じて補正して、前記目標抵抗値を得る補正手段と、を含む酸素センサ制御装置である。
前述したように、酸素センサでは、検出素子の内部抵抗の値は、検出素子の劣化の程度のほかガス雰囲気(空燃比)の影響をも受ける。なお、空燃比はセンサ出力(例えば、電圧出力型のセンサの場合には、センサの出力電圧、電流出力型のセンサの場合には、センサの出力電流)によって検知できる。
そこで、この酸素センサ制御装置では、ヒータへの通電をフィードバック制御するにあたり、劣化指標取得手段で検出素子の劣化の程度に応じた値を示す劣化指標を得る。さらに、目標抵抗値取得手段により、劣化指標のほか、検出素子の内部抵抗を検知するにあたり、上述の一時的な変化が生じる期間の前または後のタイミングに得たセンサ出力の値である第1センサ出力を用いて、検知した内部抵抗が目標とすべき目標抵抗値を逐次取得している。つまり、検出素子の素子温度を一定の目標温度に保つべく、目標抵抗値を劣化の程度(劣化指標)及びガス雰囲気(第1センサ出力)に応じて変化させている。そして、内部抵抗がこの目標抵抗値となるように、ヒータへの通電をフィードバック制御している。
これにより、検出素子の劣化の程度(劣化指標)と内部抵抗検知の際のガス雰囲気(第1センサ出力)の違いに応じて、適切にヒータの通電制御を行うことができる。
劣化指標は、検出素子の劣化の程度に応じた値を示す指標であり、例えば、検出素子の内部抵抗や内部容量に応じて変化する値を用いることができる。
また、内部抵抗検知手段で、内部抵抗を検知するにあたって、検出素子の電極間に生じさせる一時的な変化としては、電圧の変化あるいは電流の変化のいずれを採用しても良く、内部抵抗の検知の手法及びその回路構成は、適宜選択することができる。
具体的には、例えば、検出素子の一方の電極を基準電位に接続し、他方の電極を基準抵抗器及びスイッチング素子を介して電源電圧に接続して、検出素子と基準抵抗器で抵抗分圧回路を構成する。そして、スイッチング素子をオフからオンにして、電源電圧から基準抵抗器及び検出素子に電流を流すことにより、検出素子の電極間の電圧に一時的な変化を生じさせる。このとき、この一時的な変化による電圧の変化量は、検出素子の内部抵抗に電流が流れることによって内部抵抗に生じる電圧降下に相当する。つまり、この一時的な変化による電圧の変化量から、検出素子の内部抵抗を検知できる。なお、この他、検出素子の電極間に一時的に定電流を流すことにより、内部抵抗に電圧降下を生じさせて、この一時的な変化による電圧の変化量を得て、内部抵抗を検知する手法も挙げられる。
また、第1センサ出力は、上述の一時的な変化が生じる期間の前または後のタイミング、即ち、同期間と相前後するタイミングに得たセンサ出力の値であり、具体的には、一時的な変化が生じる期間の前で、1つ前の同期間より後のタイミングに得たセンサ出力の値や、一時的な変化が生じる期間が終了した後で、次の同期間より前のタイミングに得たセンサ出力の値を用いることができる。ただし、一時的な変化を生じる期間の前または後のうちでも、同期間に近いタイミングに取得するようにすると良い。
なお、内部抵抗検知手段で、検出素子の電極間の電圧に一時的な変化を生じさせて内部抵抗を検知するときには、電極間の電圧に一時的な変化を生じさせる前の、検出素子の電極間の電圧を変化前の電圧として取得する。この電圧は、酸素濃度に応じた検出素子の起電力を示すセンサ出力でもある。そこで、取得した変化前の電圧を第1センサ出力として共用しても良い。
しかも、この酸素センサ制御装置では、一旦、基準抵抗値取得手段で劣化指標の値に対応する基準抵抗値を得て、補正手段でこの基準抵抗値を第1センサ出力の値に応じて補正して、目標抵抗値を得ている。このため、劣化指標及び第1センサ出力を用いて、適切かつ容易に目標抵抗値を得ることができる。
基準抵抗値は、検出素子の劣化指標の値に応じて、排気ガスの空燃比が特定の値となる測定条件下で得られるべき内部抵抗の値である。なお、基準抵抗値は、検出素子の劣化が進行するほど大きな値となる。
さらに、上述の酸素センサ制御装置であって、前記補正手段は、前記第1センサ出力を変数とする補正関数を用いて、前記基準抵抗値を補正して前記目標抵抗値を得る酸素センサ制御装置とすると良い。
この酸素センサ制御装置では、第1センサ出力を変数とする補正関数を用いて、基準抵抗値を補正して目標抵抗値を得ている。
したがって、基準抵抗値から目標抵抗値を容易に得ることができる。
さらに、上述の酸素センサ制御装置であって、前記補正関数を、前記第1センサ出力が、予め定めたしきい出力よりも、前記空燃比についてリーン側にある場合を規定する第1補正関数と、上記第1センサ出力が、上記しきい出力よりも、上記空燃比についてリッチ側にある場合を規定する第2補正関数との合成関数としてなる酸素センサ制御装置とすると良い。
前述したように、リーンからリッチまでのセンサ出力(空燃比)範囲において、これと内部抵抗との関係をグラフ化すると、リーンからリッチまでのセンサ出力の範囲の中央付近に内部抵抗のピークを有する逆V字形のグラフが得られることが判ってきた。このことから、基準抵抗値を補正して適切な目標抵抗値を得るにあたっては、この逆V字形の関係を利用して補正を行うと良い。
そこで、この酸素センサ制御装置では、補正関数を、第1センサ出力が予め定めたしきい出力よりもリーン側にある場合を規定する第1補正関数と、第1センサ出力がしきい出力よりもリッチ側にある場合を規定する第2補正関数との合成関数としている。
かくして、補正関数を簡単な2つの関数の合成関数として表すことができる。なお、しきい出力を、上述のグラフにおいて、内部抵抗がピークとなるセンサ出力の値に設定すると、しきい出力での第1補正関数と第2補正関数との接続が良好になって好ましい。
さらに、上述の酸素センサ制御装置であって、前記第1補正関数を、前記第1センサ出力を変数とする一次関数とし、その傾き及び切片である第1傾き及び第1切片を、それぞれ前記基準抵抗値の関数で与えてなり、前記第2補正関数を、上記第1センサ出力を変数とする一次関数とし、その傾き及び切片である第2傾き及び第2切片を、それぞれ上記基準抵抗値の関数で与えてなる酸素センサ制御装置とすると良い。
前述したように、センサ出力(第1センサ出力)の値を横軸に、内部抵抗の値を縦軸として、センサ出力(第1センサ出力)と内部抵抗の関係をグラフ化すると、逆V字形のグラフとなるので、これを利用して基準抵抗値を補正して目標抵抗値を得ると良い。ここで、逆V字形のグラフとなるので、補正関数を、第1補正関数と第2補正関数との合成関数で表すにあたり、第1補正関数及び第2補正関数をそれぞれ一次関数で表せば、補正関数を簡単な一次関数の合成関数で表すことができる。
また、前述したように、検出素子の劣化が進行するほど、内部抵抗が大きくなって、逆V字形のグラフ全体が上方にシフトするのに加え、ピーク付近での内部抵抗の上昇が大きくなり、逆V字が尖った形状に変化する。即ち、逆V字の二辺の傾きが大きくなる方向に変化する。つまり、一次関数で表した第1補正関数及び第2補正関数は、いずれも検出素子の劣化の程度、即ち、劣化指標、さらにはこれに対応する基準抵抗値の値によって、一次関数の傾きと切片が変化する。従って、第1補正関数における第1傾き及び第1切片、第2補正関数における第2傾き及び第2切片は、それぞれ基準抵抗値の関数で与えられると考えることができる。
そして、これにより、第1補正関数及び第2補正関数を、それぞれ適切に数式化することができる。
さらに、上述の酸素センサ制御装置であって、前記第1傾きを、前記検出素子の劣化が進行するほど大きくなる正の値とし、前記第2傾きを、上記検出素子の劣化が進行するほど絶対値が大きくなる負の値としてなる酸素センサ制御装置とすると良い。
前述したように、逆V字形のグラフは、横軸にリーンからリッチまでのセンサ出力(第1センサ出力)の値を取ったものであり、検出素子の劣化が進行するほど、逆V字の二辺の傾きが大きくなる。
したがって、この酸素センサ制御装置では、この関係に基づいて、逆V字の二辺の傾きを定めている。具体的には、この二辺の傾きのうち、空燃比についてリーン側にある場合を規定する第1補正関数の第1傾きを、検出素子の劣化が進行するほど正の大きな値とする。また、空燃比についてリッチ側にある場合を規定する第2補正関数の第2傾きを、検出素子の劣化が進行するほど、絶対値が大きい負の値とする。
さらに、上述の酸素センサ制御装置であって、前記第1傾き、前記第1切片、前記第2傾き及び前記第2切片を、それぞれ、前記基準抵抗値を変数とする一次関数、または上記基準抵抗値の自然対数を変数とする一次関数で与えてなる酸素センサ制御装置とすると良い。
前述の通り、第1傾き、第1切片、第2傾き及び第2切片は、それぞれ基準抵抗値の関数で与えられるが、さらに調べると、それぞれの関数は、基準抵抗値を変数とするか、あるいは基準抵抗値の自然対数を変数とすると、その一次関数で近似できることが判ってきた。
そこで、この酸素センサ制御装置は、この関係を利用して、第1傾き、第1切片、第2傾き及び第2切片を、それぞれ、基準抵抗値を変数とする一次関数、または基準抵抗値の自然対数を変数とする一次関数で与えている。これにより、第1補正関数における第1傾き及び第1切片、第2補正関数における第2傾き及び第2切片を、それぞれ基準抵抗値から簡易に求めることができる。
さらに、上述のいずれかの酸素センサ制御装置であって、前記劣化指標取得手段は、前記劣化指標として、前記内部抵抗を一定とした条件下で、前記検出素子の劣化に伴う上記検出素子の内部容量の変化に応じて変化する値を取得する酸素センサ制御装置とすると良い。
あるいは他の態様として、固体電解質体からなり、一対の電極を有する検出素子、及び、上記検出素子を加熱するヒータを有し、内燃機関の排気ガス中の酸素濃度に感応し、空燃比に対するセンサ出力が、理論空燃比を境にして、リッチ状態とリーン状態との間で急峻に変化する特性を有する酸素センサを制御する酸素センサ制御装置であって、上記検出素子の劣化の程度に応じた値を示す劣化指標を得る劣化指標取得手段と、上記センサ出力を取得するセンサ出力取得手段と、上記検出素子の上記電極間の電圧または上記電極間を流れる電流について一時的な変化を生じさせて、上記検出素子の内部抵抗を検知する内部抵抗検知手段と、上記一時的な変化が生じる期間の前または後のタイミングに得た上記センサ出力の値である第1センサ出力と上記劣化指標とを用いて、上記内部抵抗に対応する目標抵抗値を逐次取得する目標抵抗値取得手段と、上記内部抵抗が上記目標抵抗値となるように、上記ヒータへの通電をフィードバック制御するヒータ通電制御手段と、を備え、 前記劣化指標取得手段は、 前記劣化指標として、前記内部抵抗を一定とした条件下で、前記検出素子の劣化に伴う上記検出素子の内部容量の変化に応じて変化する値を取得する酸素センサ制御装置としても良い。
検出素子の素子インピーダンスは、等価的に内部抵抗と内部容量が並列接続されていると見なすことができる。前述したように、検出素子の劣化が進行するほど、内部抵抗は相対的に大きくなるほか、内部容量も大きくなる。従って、内部抵抗あるいは内部容量の変化に応じて変化する値は、検出素子の劣化の程度を反映した値となる。なお、劣化の程度を反映した値を取得するにあたっては、測定条件を揃えた状態で、劣化の程度を得るのが好ましい。
そこで、この酸素センサ制御装置では、内部抵抗を一定とした条件下で、劣化指標として、検出素子の劣化に伴う内部容量の変化に応じて変化する値を取得している。これにより、適切な劣化指標を取得することができる。
なお、内部容量の変化に応じて変化する値としては、例えば、検出素子の内部容量に蓄積された電荷を、検出素子の内部抵抗を通じて自己放電させたときに生じる電圧変化の時定数の大きさや、この時定数に応じて変化する値が挙げられる。
さらに、上述の酸素センサ制御装置であって、前記劣化指標取得手段は、前記検出素子の前記電極間に生じている検出素子電圧を、シフト前電圧から、これと異なるシフト後電圧までシフトさせる電圧シフト手段と、上記電圧シフト手段による電圧シフト期間の終了に続いて、上記検出素子の前記内部抵抗及び前記内部容量による自己放電により、上記検出素子電圧を、上記シフト後電圧から上記シフト前電圧に戻す回復手段と、を含み、上記回復手段による回復期間に生じる上記検出素子電圧の変化の時定数の大きさに応じた値を、前記劣化指標として取得する酸素センサ制御装置とすると良い。
この酸素センサ制御装置では、上述の電圧シフト手段と回復手段を用いて、内部抵抗を一定とした条件下で、回復期間に生じる検出素子電圧の変化の時定数の大きさに応じた値を、劣化指標として取得している。
具体的には、まず、電圧シフト手段によって、検出素子の電極間に生じている検出素子電圧を、シフト前電圧からシフト後電圧に電圧をシフトさせる。すると、この電圧シフトを行っている電圧シフト期間において、電圧シフトで上乗せされた電圧によって、内部抵抗に電流が流れると共に、検出素子の内部容量に電荷が蓄積される。
その後、電圧シフト期間の終了に続いて、検出素子電圧をシフト後電圧からシフト前電圧に戻す。すると、検出素子電圧がシフト後電圧からシフト前電圧に向かって戻る回復期間において、電圧シフトで上乗せされた電圧により検出素子の内部容量に蓄積された電荷が、検出素子の内部抵抗を通じて自己放電される。これにより、検出素子の電極間には、おおむね検出素子の内部抵抗及び内部容量で決定される時定数によって指数関数的に減衰して、シフト後電圧からシフト前電圧に戻る検出素子電圧の変化を生じる。
ここで、検出素子が劣化すると、内部抵抗のみならず、内部容量も大きくなるので、内部抵抗を一定とした条件下であっても、内部抵抗及び内部容量で決定される時定数は、内部容量の変化に応じて大きくなる。このため、劣化の程度により、回復期間における指数関数的な検出素子電圧の変化のしかた、即ち、変化の時定数の大きさに差が生じる(時定数が劣化とともに大きくなる)。従って、この検出素子電圧の変化の時定数の大きさに応じた値を得ることにより、検出素子の劣化の程度に応じた値を示す劣化指標を適切に得ることができる。
さらに、上述の酸素センサ制御装置であって、前記劣化指標取得手段は、前記劣化指標として、前記電圧シフト期間内の第1検知タイミングにおける前記検出素子電圧である第1電圧と、上記電圧シフト期間終了後の前記回復期間内の第2検知タイミングにおける上記検出素子電圧である第2電圧との差電圧である1−2電圧差を取得する酸素センサ制御装置である。
この酸素センサ制御装置では、劣化指標として、上述の1−2電圧差を取得している。
これにより、電圧シフト期間内の第1検知タイミングにおける第1電圧及び電圧シフト期間終了後の回復期間内の第2検知タイミングにおける第2電圧の2つの電圧を計測することで簡易に得られる1−2電圧差を、劣化指標として取得することができる。なお、この1−2電圧差は、検出素子の劣化が進行するほど小さな値となる。
実施形態に係る酸素センサ制御装置の回路を含む概略構成を示す説明図である。 実施形態に係る酸素センサ制御装置により、検出素子について電圧シフトをさせたときの検出素子電圧の変化波形を示す図である。 実施形態に係る酸素センサ制御装置における、内部抵抗の検知動作を示すタイミングチャートである。 実施形態に係る酸素センサ制御装置における、センサ出力と内部抵抗の関係を示すグラフである。 実施形態に係る酸素センサ制御装置における、1−2電圧差(劣化指標)と基準抵抗値の関係を示すグラフである。 実施形態に係る酸素センサ制御装置における、センサ出力と基準抵抗値に対する内部抵抗の変化量の関係を示すグラフである。 第1補正関数における基準抵抗値と第1傾きとの相関を示すグラフである。 第1補正関数における基準抵抗値と第1切片との相関を示すグラフである。 第2補正関数における基準抵抗値と第2傾きとの相関を示すグラフである。 第2補正関数における基準抵抗値と第2切片との相関を示すグラフである。 実施形態に係る酸素センサ制御装置のうち、マイクロプロセッサの処理動作を示すフローチャートである。 内部抵抗検知ルーチンの内容を示すフローチャートである。 劣化検知処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 電圧シフトサブルーチンの内容を示すフローチャートである。 劣化指標検知サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態にかかる酸素センサ制御装置1の概略構成を示す図である。この酸素センサ制御装置1は、図示しない内燃機関を備える車両(図示しない)に搭載され、酸素センサ2と共に用いて、これを制御する。なお、酸素センサ2は、空燃比に対するセンサ出力Voutが、理論空燃比を境にして、リッチ状態とリーン状態との間で急峻に変化する特性を有するいわゆるλセンサであり、内燃機関における燃焼が、理論空燃比よりもリッチ側であったかリーン側であったかを検出する。
この酸素センサ2は、固体電解質体からなる検出素子3、及び、検出素子3を加熱するヒータ4を有しており、酸素センサ制御装置1により、検出素子3が活性化温度内の一定温度(例えば、700℃)を維持するように、ヒータ4への通電が制御される。
まず、酸素センサ2の構成について説明する。酸素センサ2は、ジルコニアを主体とした酸素イオン伝導体である固体電解質体に一対の電極3P,3Nを形成した検出素子3と、この検出素子3を加熱するヒータ4を有している。より具体的には、有底筒状をなした固体電解質体からなる検出素子3の外周面に形成した一方の電極3Nは排気ガスに晒され、内周面に形成した他方の電極3Pは基準ガス(大気)に晒されている。そして、有底筒状の検出素子3の内部空間には、棒状のヒータ4を内挿して酸素センサ2が構成されている。この固体電解質体からなる検出素子3は、ヒータ4で活性化状態となる600℃を越える活性化温度に加熱されることで、良好な酸素イオン伝導性を示し、電極3P,3N間に、酸素濃度に応じた起電力を生じて、センサ出力Voutを出力する。加えて、この酸素センサ2では、酸素センサ制御装置1により、検出素子3が活性化温度内の一定温度を維持するように、ヒータ4への通電が制御される。
ヒータ4は、タングステンあるいは白金を主体とした発熱抵抗体5と、この発熱抵抗体5に繋がる端子4P,4Nを有する。ヒータ4の一方の端子4Pは、バッテリ20の+極に接続されている。なお、このバッテリ20の−極は、車両のシャーシGNDである基準電位(以下、GNDという)に接続されている。さらに、ヒータ4のもう一方の端子4Nは、ヒータ制御回路13のうち、図示しない電流制限抵抗を介して、スイッチング素子であるNPN型のトランジスタTr1のコレクタ出力に接続されている。また、トランジスタTr1のエミッタは、GNDに接続されており、ベースは、マイクロプロセッサ10のPWM出力ポート18に接続されている。そして、ヒータ4は、このヒータ制御回路13によって、PWM制御による通電が行われ、これにより、検出素子3が加熱される。また、検出素子3を活性化温度内の一定温度に維持する際には、マイクロプロセッサ10によるPID制御またはPI制御で、PWM制御のデューティ比が決定される。なお、ヒータ制御回路13を構成するスイッチング素子は、トランジスタTr1に限らず、FET等を用いて構成しても良い。なお、バッテリ20からは、図示しない電源回路により、酸素センサ制御装置1で用いる+5V電源やマイクロプロセッサ10のVCC電源(図示しない)が生成されている。
検出素子3は、内部抵抗Riを有しており、その抵抗値は、検出素子3の温度が上昇すると低下する特性を有する。即ち、この内部抵抗Riと検出素子3の素子温度との間には、所定の負の相関関係があるので、内部抵抗Riが目標抵抗値となるように制御することにより、素子温度を所定の温度に維持することができる。
また、検出素子3は、前述のように、活性化温度において酸素イオン伝導性を示して酸素濃淡電池となり、電極3Nと電極3Pとの間の酸素濃度差に応じた起電力EVを発生する。このため、検出素子3の等価回路は、図1に示すように、電極3P,3N間に、起電力EVを発生する電池(酸素濃淡電池)と素子インピーダンスとが直接接続された回路となる。なお、素子インピーダンスは、純抵抗の内部抵抗Riのみならず、これに内部容量Ciが並列接続されていると見なすことができる。
ところで、前述の通り、検出素子3を構成する固体電解質体は、固体電解質体の温度上昇に応じて内部抵抗Riが低下する特性を有するが、非活性時のうち、固体電解質体の温度が低いとき(例えば室温)は、内部抵抗Riが高く、検出素子3の電極3P,3N間は、ほぼ絶縁状態となる。そして、固体電解質体の温度が上昇するに伴い内部抵抗Riは低下し、検出素子3が活性化した場合(活性時)には、内部抵抗Riは相対的に低い値を示す。また、固体電解質体の温度上昇に伴って、検出素子3が、電極3P,3N間に酸素濃度差に応じた起電力EVを示すようになる。活性時における起電力EVは、素子温度により異なるが、具体的には、排気ガスの空燃比がリッチ側にある場合には約900mV前後を示し、リーン側にある場合には約50mV前後を示す。そして、リッチ側とリーン側の間の理論空燃比となるλ=1付近を境に、起電力EVは、急峻に変化する。
次いで、酸素センサ制御装置1の構成について説明する(図1参照)。バイアス回路14は、抵抗器R1と抵抗器R2との直列回路で構成されており、+5V電源をこの抵抗器R1と抵抗器R2とで分圧する。本実施形態では、具体的には、R1=100kΩ,R2=10kΩとされており、+5V電源を抵抗器R1と抵抗器R2とで分圧したP点の電位が約450mVとなるように設定されている。このP点の電位は、上述した、リッチ側の約900mVとリーン側の約50mVのおおよそ中間の電圧値となるように選択したものである。そして、このP点の電位が、電流制限抵抗である抵抗器R3(具体的には、R3=10kΩ)を介して、Q点で、検出素子3の電極3Pに接続されている。また、検出素子3のもう一方の電極3Nは、GNDに接続されている。
さらにQ点は、抵抗器R4(具体的には、R4=8.25kΩ)及びスイッチング素子であるPNP型のトランジスタTr2を介して、+5V電源に接続されている。なお、スイッチング素子は、トランジスタTr2に限らず、SSR、FET等のスイッチング素子を用いても良い。一方、Q点は、抵抗器R5とコンデンサC1からなるノイズ除去用のローパスフィルタ回路15(具体的には、R5=10kΩ,C1=0.033μF)にも接続されており、このローパスフィルタ回路15の出力であるS点が、出力検出回路12に接続されている。出力検出回路12は、図示しないサンプルホールド回路を内蔵し、その出力がマイクロプロセッサ10のA/D入力ポート17に接続されている。
また、上述のトランジスタTr2は、エミッタが+5Vに接続され、コレクタが抵抗器R4に接続されている。そして、トランジスタTr2のベースには、ベース−エミッタ間抵抗の抵抗器R7とベース入力抵抗の抵抗器R6が接続されており、これら抵抗器R6,R7、トランジスタTr2及び抵抗器R4で、電圧シフト回路19を構成している。また、この電圧シフト回路19のうち、抵抗器R6の一方端であるT点には、パルス信号出力回路11が接続されている。パルス信号出力回路11は、マイクロプロセッサ10のI/O出力ポート16に接続されており、このI/O出力ポート16の出力が、パルス信号出力回路11を通して、T点にパルス信号SPとして出力される。パルス信号SPは、通常は、電圧シフト回路19のトランジスタTr2をオフするため、トランジスタTr2のエミッタ電位と同じ+5Vとされており、トランジスタTr2をオンとする期間だけ一時的に0Vに下がって、再び+5Vに戻る負論理の矩形状パルス電圧である。そして、このパルス信号SPを出力するパルス信号出力回路11と電圧シフト回路19により、後述する電圧シフトが行われる。
なお、パルス信号出力回路11は、具体的には、マイクロプロセッサ10のI/O出力ポート16の出力を反転または非反転でバッファすると共に、出力電圧をマイクロプロセッサ10のVCC電源から+5Vにレベル変換するための回路がレベル変換用のバッファICやトランジスタなどで構成されている。本実施形態では、I/O出力ポート16の出力がLレベルのとき、パルス信号出力回路11の出力のT点が+5Vとなり、I/O出力ポート16の出力がHレベルのとき、パルス信号出力回路11の出力のT点が0Vとなる反転型のバッファ回路とされている。
酸素センサ制御装置1は、このような回路を用いることにより、内部抵抗Riを検知し、また、検出素子3の劣化の程度に応じた値を示す劣化指標IDである1−2電圧差V1−2を取得することができる。以下、内部抵抗Riの検知方法と、劣化指標ID(1−2電圧差V1−2)の取得方法について、具体的に説明する。
まず、内部抵抗Riの検知方法について説明する。図1において、トランジスタTr2がオフであると、抵抗器R4には電流が流れない。また、固体電解質体の温度が十分高くなった活性時、例えば、検出素子3の素子温度が約700℃のときには、検出素子3の内部抵抗Riは、図5に示すように、100Ω以下(劣化していない場合)〜300Ω程度(劣化が進んだ場合)となり、抵抗器R2や抵抗器R3に比べて十分に小さい値となる。この活性時においては、検出素子3に起電力EVも発生する(リッチ側で約900mV前後、リーン側で約50mV前後)。しかるに、内部抵抗Riが十分に小さいので、抵抗器R2や抵抗器R3を流れる電流にほとんど影響を受けず、Q点の電位は、ほぼ起電力EVが示す値となる。そして、このQ点の電位が、ローパスフィルタ回路15を通して、S点で出力検出回路12に入力されており、出力検出回路12で検出素子3の起電力EVを検出することが可能となっている。
一方、トランジスタTr2がオンすると、抵抗器R4に電流Iが流れる。そして、検出素子3が活性時においては、検出素子3の内部抵抗Riは、抵抗器R3や抵抗器R2に比べて十分に小さいので、電流Iのほとんどは、検出素子3に流れる。従って、内部容量Ciに流れる過渡電流が収束した状態では、電流Iの大きさは、+5Vから検出素子3の起電力EVとトランジスタTr2のエミッタ−コレクタ間電圧(≒0V)を引いた値を、抵抗器R4と検出素子3の内部抵抗Riとの和(直列合成抵抗)で除した値となる(I≒(5−EV)/(R4+Ri))。従って、トランジスタTr2がオフの間とオンの間で、起電力EVが一定であるとすると、トランジスタTr2がオンすることにより、トランジスタTr2がオンの間の検出素子3の電極3P,3N間に生じている検出素子電圧VEは、オフの間の検出素子電圧VEに対して、内部抵抗Riに生じる電圧降下Ri×Iだけ上乗せされる。即ち、検出素子電圧VEが、シフト前電圧VE1(=EV)からシフト後電圧VE2(=EV+Ri×I)までシフトされる一時的な変化を生じる。
そこで、シフト後電圧VE2とシフト前電圧VE1との差分(VE2−VE1)をシフト電圧VSとすると、シフト前電圧VE1は、検出素子3の発生する起電力EVとなり、シフト電圧VSは、内部抵抗Riに電流が流れることによって生じる電圧降下に相当する。即ち、シフト電圧Vsは、VS=Ri×(5−EV)/(R4+Ri)として与えられる。従って、出力検出回路12で、シフト前電圧VE1(=EV)及びシフト後電圧VE2(=VE1+VS=EV+VS)をそれぞれ検知して、シフト電圧VS(電圧の変化量)を得ることにより、内部抵抗Riの大きさを求めることができる。
次いで、劣化指標ID(1−2電圧差V1−2)の取得方法について説明する。前述のトランジスタTr2をオンして、シフト前電圧VE1からシフト後電圧VE2への電圧シフトを行っている期間を電圧シフト期間TSとすると(図2参照)、この電圧シフト期間TSには、内部抵抗Riに電流が流れると共に、検出素子3の内部容量Ciに、時定数Ci・Riに従って充電(電荷が蓄積)される。
一方、その後トランジスタTr2をオフさせて、電圧シフト期間TSを終了させると、内部容量Ciに蓄積された電荷が、内部抵抗Riを通じて自己放電される。これにより、検出素子電圧VEは、おおむね検出素子3の内部抵抗Ri及び内部容量Ciで決定される時定数Ci・Riに従って指数関数的に減衰して、シフト後電圧VE2からシフト前電圧VE1に戻るという変化を生じる(以下、この期間を回復期間TKという)。
ところで、検出素子3が劣化すると、検出素子の内部抵抗Riが相対的に大きくなるほか、内部容量Ciも大きくなる。このため、劣化の進行の程度により、回復期間TKにおける検出素子電圧VEの変化において、変化の時定数Ci・Riが大きくなる。従って、検出素子電圧VEの変化の時定数Ci・Riの大きさに応じた値(1−2電圧差V1−2)を得れば、検出素子3の劣化の程度を示す劣化指標IDとして用いることができることになる。
なお、酸素濃度を検出する際には、検出素子3を酸素濃淡電池として十分機能させるため、600℃を越える活性化温度にまで素子温度を上げて使用する。例えば、検出素子3の素子温度が約700℃のときは、検出素子3の内部抵抗Riは、前述の通り、100Ω以下〜300Ω程度の小さな値となる。しかるに、本実施形態では、抵抗器R4は、これより遥かに大きいR4=8.25kΩであるので、トランジスタTr2をオンした場合に、内部抵抗Riによって生じるシフト電圧VSが小さな値となる。このため、回復期間TKに生じる検出素子電圧VEの変化も小さく、劣化指標ID(1−2電圧差V1−2)を精度良く検知しにくい。
しかしながら、劣化指標IDを検知する場合は、必ずしも酸素濃度を測定する必要はないので、素子温度をこれほど高く保つ必要は無い。検出素子3を構成する固体電解質体は、400℃程度で酸素イオン伝導性を示しはじめ、例えば、本実施形態では、素子温度が400℃のときの検出素子3の内部抵抗Riは、約2560Ωとなる。これは、700℃の場合の10〜30倍程度の大きさであり、抵抗器R4の1/3程度の大きさとなる。この状態で、劣化指標IDを検知すれば、内部抵抗Riに比例するシフト電圧VSも大きくでき、回復期間TKに生じる検出素子電圧VEの変化も大きくできる。但し、相互に比較しうる劣化指標IDを適切に取得するには、劣化指標IDの測定条件を揃えておくのが好ましい。
そこで、本実施形態では、素子温度が約400℃で、内部抵抗Riが2560Ωであるときの劣化指標IDを取得している。具体的には、車両の運転を終了し、エンジンが停止すると、酸素センサ2のヒータ4への通電を停止し、所定の待ち時間(例えば、10分間)を設けて、検出素子3が冷却するのを待つ。その後、内部抵抗Riが2560Ωとなるように目標抵抗値を定めて、ヒータ4の通電制御を再度行い、内部抵抗Riを2560Ωとしてから、劣化指標IDを検知する。
図2に、本実施形態の酸素センサ制御装置1により、劣化指標IDを取得するにあたり、検出素子3について電圧シフトをさせたときの、電圧シフト期間TS及び回復期間TKにおける、検出素子電圧VEの変化波形を示す。なお、劣化指標IDを取得するにあたり、検出素子3の内部抵抗Riが2560Ωとなるように、ヒータ4を通電制御している。
この図2においては、電圧をシフトさせる以前(時刻t=0以前)には、電圧シフト回路19のトランジスタTr2がオフとされており、検出素子電圧VEは、1.02Vになっている。この検出素子電圧VEは、素子温度約400℃のときの検出素子3の起電力EVを示している。これをシフト前電圧VE1(=EV)とする。
その後、時刻t=0(電圧シフト期間TSの始期)に、電圧シフト回路19のトランジスタTr2をオンさせると、検出素子3に電流が流れて、検出素子3の内部抵抗Riに電圧降下を生じると共に、内部容量Ciがしだいに充電され、検出素子電圧VEが立ち上がる。本実施形態では、電圧シフト期間TSは3msecとした。この電圧シフト期間TSのうち、その終期(終了時)である第1検知タイミングt1(時刻t=t1)には、検出素子電圧VEは、ほぼ平衡状態に近づいて、シフト後電圧VE2となる。そこで、この第1検知タイミングt1で、検出素子電圧VEを検知して、これを第1電圧V1(=シフト後電圧VE2)とする。
内部抵抗Riが一定値(本実施形態では、Ri=2560Ω)となるように制御されている条件の下で、電圧シフト期間TS(本実施形態では3msec)を時定数Ci・Riよりも十分長くすれば(例えば、時定数Ci・Riの3倍以上)、第1電圧V1(シフト後電圧VE2)は、内部抵抗Riで定まる値に収束し、劣化の程度によらず、ほぼ同じ値となる。
次いで、トランジスタTr2をオフさせると、電圧シフト期間TSが終了し、検出素子電圧VEをシフト後電圧VE2からシフト前電圧VE1に戻す回復期間TKに移行する。前述の通り、この回復期間TKにおいて、検出素子電圧VEは、時定数Ci・Riに従って指数関数的に減衰して、シフト後電圧VE2からシフト前電圧VE1に戻る(図2参照)。本実施形態では、回復期間TKのうち、電圧シフト期間TSの終了から3msec後である第2検知タイミングt2(時刻t=t2)で、検出素子電圧VEを検知して、これを第2電圧V2とする。
ここで、前述したように、検出素子3の内部抵抗Riが2560Ωとなるように制御されているため、シフト後電圧VE2(第1電圧V1)は、劣化の程度によらずほぼ同じ値となる。一方、回復期間TKに生じる電圧変化は、劣化の程度により異なり、劣化が進行するほど電圧がゆっくり減衰して、第2電圧V2は大きな値となる。これは、検出素子3が劣化すると、内部抵抗Riのみならず、内部容量Ciも大きくなるため、内部抵抗Riを一定に制御していても、劣化が進行するほど時定数Ci・Riが大きくなるからである。これにより、第1電圧V1と第2電圧V2との差である1−2電圧差V1−2(=V1−V2)は、劣化が進行するほど小さな値となる。従って、この1−2電圧差V1−2は、検出素子3の劣化の程度を示す劣化指標IDとして用いうる。
ところで、検知した内部抵抗Riの値は、検出素子3の劣化の影響のみならず、空燃比の違い(ガス雰囲気)にも影響を受けることが判っている。
図4は、空燃比に対応する酸素センサ2のセンサ出力Voutの値を横軸に、素子温度を700℃一定とした場合における検出素子3の内部抵抗Riの値を縦軸に取り、NEW品(未使用品)と劣化品(市場返却品)の2つの酸素センサ2について、センサ出力Voutと内部抵抗Riとの関係をグラフに表したものである。◆印で示され、図中下側に分布しているのがNEW品の測定値であり、■印で示され、図中上側に分布しているのが、劣化品の測定値である。
なお、この図4において、センサ出力Voutの低電位側は、空燃比についてのリーン側であり、センサ出力Voutの高電位側は、空燃比についてのリッチ側である。
この図4に示すように、センサ出力Voutに対し内部抵抗Riは一定ではなく、センサ出力Voutと内部抵抗Riの関係は、センサ出力Voutが空燃比についてリーン側からリッチ側に変化する途中(本実施形態では、Vout=0.5Vの付近)に内部抵抗Riのピーク値を有する逆V字形のグラフとなる。
さらに、NEW品と劣化品の比較から判るように、検出素子3の劣化が進むと、内部抵抗Riが大きくなり、逆V字のなす角が鋭角になると共に、グラフ全体が上方にシフトしている。
また、図5は、1−2電圧差V1−2(劣化指標ID)と、これに対応する基準抵抗値RTsとの関係を示すグラフ(散布図)である。この図5は、劣化の程度の異なる多数の酸素センサ2について、1−2電圧差V1−2(劣化指標ID)を測定し、また、同じセンサについて、素子温度=700℃一定のときに、センサ出力Vout=0.8154Vとなる内部抵抗Riの値を測定して、両者の関係を示したものである。また、1−2電圧差V1−2(劣化指標ID)と基準抵抗値RTsとの関係の分布から回帰直線Lを得た。即ち、基準抵抗値RTsは、素子温度=700℃一定において、センサ出力Vout=0.8154Vを基準として定めた内部抵抗Riの目標抵抗値RTであり、回帰直線Lから、検出素子3の劣化が進行して、劣化指標IDである1−2電圧差V1−2が小さくなるほど(図5中、左側ほど)、基準抵抗値RTsの値は大きくなる。なお、図5において、横軸の1−2電圧差V1−2は、前述したように、内部抵抗Ri=2560Ωとなるように制御した状態で測定されたものであり、縦軸の素子温度=700℃一定のときの内部抵抗Riの値とは、測定条件が異なる。
これにより、基準抵抗値RTsを用いれば、検出素子3の劣化の程度に応じたヒータ4の通電制御が可能となる。但し、図4に示すように、内部抵抗Riの値は、検出素子3の劣化の程度のみならず、センサ出力Vout(ガス雰囲気)によっても変化する。このため、ヒータ4への通電を適切にフィードバック制御するためには、検出素子3の劣化の程度のみならず、内部抵抗Riを検知する際のガス雰囲気の違いをも考慮する必要がある。
そこで、本実施形態の酸素センサ制御装置1では、ヒータ4への通電をフィードバック制御するにあたり、1−2電圧差V1−2(劣化指標ID)から得られる基準抵抗値RTsと、検出素子3の電極3P,3N間の検出素子電圧VEに一時的な変化が生じる期間の前のタイミングに得たセンサ出力Voutの値(具体的には、検出素子電圧VEに一時的な変化を生じさせる直前の値)である第1センサ出力Vo1とを用い、基準抵抗値RTsを第1センサ出力Vo1の値に応じて補正して、内部抵抗Riの目標抵抗値RTを得ている。そして、検知された内部抵抗Riが目標抵抗値RTとなるように、ヒータ4への通電をフィードバック制御している。
図3は、内部抵抗Riの検知動作を示すタイミングチャートである。前述したように、内部抵抗Riを検知するには、検出素子3の電極3P,3N間の検出素子電圧VEをシフト前電圧VE1からシフト後電圧VE2までシフトする一時的な変化を生じさせて、その差分(VE2−VE1)であるシフト電圧VSを得る。具体的には、I/O出力ポート16の出力をLレベルからHレベルに変化させて、電圧シフト回路19のトランジスタTr2を一時的にオンする。すると、検出素子3に電流Iが流れるため、出力検出回路12を介してA/D入力ポート17に入力される検出素子電圧VEが、期間TCにわたり一時的に変化する。
そこで、本実施形態では、内部抵抗Riを検知するにあたり、まず、トランジスタTr2のオンにより検出素子電圧VEが立ち上がる直前(図3のタイミング(a))に、シフト前電圧VE1(=EV)を取得する。次いで、トランジスタTr2をオンしてから所定時間経過後(本実施形態では、3msec経過後)、再度トランジスタTr2をオフする前(図3のタイミング(b))にシフト後電圧VE2(=VE1+VS=EV+VS)を取得する。これにより、シフト電圧VS(電圧の変化量(=VE2−VE1))を得て、内部抵抗Riを検知することができる。
ところで、トランジスタTr2のオンにより検出素子電圧VEが立ち上がる前のシフト前電圧VE1(=EV)は、酸素濃度に応じた起電力EVを示すセンサ出力Voutでもある。そこで、本実施形態では、検出素子電圧VEが立ち上がる前、例えば、検出素子3の電極3P,3N間に一時的な変化が生じる期間TCの直前(図3のタイミング(a))に得たシフト前電圧VE1(=センサ出力Vout)の値を上述の第1センサ出力Vo1として用いている。
なお、第1センサ出力Vo1としては、一時的な変化が生じる期間TCの前または後のタイミング、即ち、期間TCと相前後するタイミングに得たセンサ出力の値を用いることができ、本実施形態のように、期間TCの直前(図3のタイミング(a))に取得したシフト前電圧VE1の値に限られない。具体的には、期間TCの前で前回の期間TCよりも後の期間TBF1中の任意のタイミング(例えば、図3のタイミング(c))や、期間TCの後で次回の期間TCよりも前の期間TBF2中の任意のタイミング(例えば、図3のタイミング(d))など、期間TCの前後の期間TBF1,TBF2内に得たセンサ出力Voutの値を用いることができる。ただし、期間TBF1,TBF2のうちでも、期間TCに近いタイミングを選択すると良い。
また、トランジスタTr2をオンオフするためのI/O出力ポート16の出力と、実際に検出素子電圧VEに一時的な変化が生じる期間TCの間には、回路の遅延や検出素子3の内部容量Ciの影響により、その開始時において開始遅延時間Td1、終了時において終了遅延時間Td2を生じる。
そこで、例えば、トランジスタTr2をオンするためにI/O出力ポート16の出力をHレベルにした後でも、開始遅延時間Td1内(図3のタイミング(e))であれば、第1センサ出力Vo1を取得することができる。
また、トランジスタTr2をオフにすべくI/O出力ポート16の出力をLレベルにした後、さらに終了遅延時間Td2の経過を待って期間TCが終了した直後、例えば、図3のタイミング(f)で、第1センサ出力Vo1を取得することもできる。
次いで、この目標抵抗値RTの取得方法について説明する。図6は、図4のグラフを元にして、NEW品と劣化品の2つの酸素センサ2について、センサ出力Voutの値を横軸に、基準抵抗値RTs(センサ出力Vout=0.8154V基準)に対する内部抵抗Riの変化率を縦軸にそれぞれ取り、グラフに表したものである。
図6において、NEW品(◆印)と劣化品(■印)のそれぞれの逆V字形のグラフは、センサ出力Vout=0.5V付近の内部抵抗Riのピーク値を境にして、これよりもセンサ出力Voutが低電位側となるリーン側と、高電位側となるリッチ側とに分けて考えることができる。
そこで、基準抵抗値RTsを第1センサ出力Vo1の値に応じて補正して、目標抵抗値RTを得るにあたり、これらを数式化した関数により関係づけることとし、この関数を補正関数fnとする。また、内部抵抗Riがピーク値を示すときのセンサ出力Voutをしきい出力Vthと定める(本実施形態では、Vth=約0.5V)。すると、補正関数fnは、第1センサ出力Vo1がしきい出力Vthよりもリーン側にある場合を規定する第1補正関数fn1と、第1センサ出力Vo1がしきい出力Vthよりもリッチ側にある場合を規定する第2補正関数fn2との合成関数と考えることができる。
さらに、図6に示すように、第1補正関数fn1と第2補正関数fn2は、◆印あるいは■印の各測定点の回帰直線を用いることにより、第1センサ出力Vo1を変数とする一次関数として表すことができる。また、NEW品と劣化品との比較から判るように、検出素子3の劣化が進むと、センサ出力Voutに対する内部抵抗Riの変化率が大きくなり、逆V字のなす角が鋭角になっている。従って、第1補正関数fn1及び第2補正関数fn2は、検出素子3の劣化の程度によって、一次関数の傾きと切片が変化するものと考えることができる。
そこで、第1補正関数fn1の傾きを第1傾きA1、切片を第1切片B1とすると、これら第1傾きA1及び第1切片B1は、基準抵抗値RTsの関数として与えられる。
また、同様に、第2補正関数fn2の傾きを第2傾きA2、切片を第2切片B2とすると、これら第2傾きA2及び第2切片B2は、基準抵抗値RTsの関数として与えられる。
なお、ここで、第1傾きA1は、検出素子3の劣化が進行するほど大きくなる正の値である。一方、第2傾きA2は、検出素子3の劣化が進行するほど絶対値が大きくなる負の値である。
さらに、第1傾きA1、第1切片B1、第2傾きA2及び第2傾きB2について、基準抵抗値RTsとの関係を考察したところ、いずれも、回帰式を基準抵抗値RTsの自然対数を変数とする一次関数として与えるのが好ましいことが判った(以下、自然対数をlnと表記する)。
具体的には、本実施形態では、第1傾きA1、第1切片B1、第2傾きA2及び第2傾きB2は、それぞれ以下の式で与えられる(図7〜図10参照)。
第1傾きA1=1.7188ln(x)−0.4599 …(式1)
第1切片B1=−0.6564ln(x)+1.1492 …(式2)
第2傾きA2=−0.3592ln(x)−0.0095 …(式3)
第2切片B2=0.3334ln(x)+0.9818 …(式4)
ただし、x=基準抵抗値RTs/NEW品基準抵抗値RTs0(=80Ω)
なお、ここでは、基準抵抗値RTsの自然対数(ln(RTs))を用いる代わりに、図5において、80Ωとなる基準抵抗値RTs(縦軸)をNEW品基準抵抗値RTs0とし、NEW品基準抵抗値RTs0(=80Ω)に対する基準抵抗値RTsの比x(=基準抵抗値RTs/NEW品基準抵抗値RTs0)の自然対数(ln(x))を用いて、(式1)〜(式4)を表した。(式1)〜(式4)は、以下の(式5)を用いることにより、基準抵抗値RTsの自然対数(ln(RTs))を変数とする一次関数で表すことができる。
ln(x)=ln(RTs/RTs0
=ln(RTs)−ln(RTs0
=ln(RTs)−4.3820 …(式5)
以上により、第1補正関数fn1は、以下の式で与えられる。
fn1=A1×Vo1+B1
=(1.7188ln(x)−0.4599)×Vo1
+(−0.6564ln(x)+1.1492) …(式6)
また、第2補正関数fn2は、以下の式で与えられる。
fn2=A2×Vo1+B2
=(−0.3592ln(x)−0.0095)×Vo1
+(0.3334ln(x)+0.9818) …(式7)
従って、本実施形態の酸素センサ制御装置1では、第1補正関数fn1及び第2補正関数fn2を用いることにより、第1センサ出力Vo1と1−2電圧差V1−2(劣化指標ID)に対応する基準抵抗値RTsとから、適切な目標抵抗値RTを得て、内部抵抗Riを適切にフィードバック制御することができる。
次いで、本実施形態1に係る酸素センサ制御装置1のうち、マイクロプロセッサ10の動作について、図11のフローチャートを参照して説明する。
図11に示す制御プログラムは、マイクロプロセッサ10が実行するメインルーチンからの呼び出しで実行されるプログラムであり、センサ出力Voutの取得のほか、後述する内部抵抗検知ルーチンによる内部抵抗Riの検知、ヒータ4の通電制御、及びこれに用いる目標抵抗値RTの取得を含んでいる。
先ず、ステップS1では、酸素センサ2のセンサ出力Voutを10msec毎に取得する。このセンサ出力Voutは、前述したように、検出素子3が活性化温度とされたときに、理論空燃比を境にして、リッチ状態とリーン状態との間で急峻に変化し、リーン状態で約0.05V、リッチ状態で約0.9Vとなる特性を有しており、このセンサ出力Voutによって、空燃比の制御がなされる。
次いで、ステップS2では、内部抵抗Riの検知タイミングであるか否かを判断する。内部抵抗Riの検知は、センサ出力Voutの取得周期(10msec)よりも長い周期(500msec)で行うため、ステップS2でこの検知タイミングの到来を判断する。そして、検知タイミングでない場合(No)は、ステップS7に進み、ヒータ4の通電制御を行う。一方、検知タイミングが到来した場合(Yes)は、ステップS3に進む。
ステップS3では、後述する内部抵抗検知ルーチン(図12参照)を実行することにより、パルス信号出力回路11、電圧シフト回路19、ローパスフィルタ回路15及び出力検出回路12を用いて、検出素子3の電極3P,3N間の検出素子電圧VEに一時的な変化を生じさせてシフト電圧VS(電圧の変化量)を得て、検出素子3の内部抵抗Riを検知する。また、このステップS3の内部抵抗検知ルーチンのうち、後述するステップS31で、第1センサ出力Vo1を得ている。具体的には、内部抵抗Riを検知するにあたってステップS31で得たシフト前電圧VE1は、センサ出力Vout(=EV)でもあるため、これを第1センサ出力Vo1としても共用している。
なお、本実施形態では、ステップS31で得たシフト前電圧VE1を、第1センサ出力Vo1として共用しているが、シフト前電圧VE1ではなく、その前にステップS1で取得したセンサ出力Voutを、第1センサ出力Vo1として用いることもできる。
次いで、ステップS4では、第1センサ出力Vo1が、予め定めたしきい出力Vth(本実施形態では、しきい出力Vth=0.5V)よりも低電位側(空燃比においてリーン側)であるか否かを判断する。第1センサ出力Vo1がしきい出力Vth(=0.5V)よりも小さい場合(Yes)には、ステップS5に進む。一方、それ以外の場合、即ち、第1センサ出力Vo1≧しきい出力Vth(=0.5V)の場合(No)は、ステップS6に進む。
ステップS5では、前述の(式6)で表される第1補正関数fn1を用いて、基準抵抗値RTsを第1センサ出力Vo1の値に応じて補正して、目標抵抗値RTを取得し、ステップS7に進む。ここで、第1補正関数fn1の第1傾きA1及び第1切片B1は、後述する劣化検知処理ルーチンのステップS109で算出され、保存された値である。また、基準抵抗値RTsは、同じく後述する劣化検知処理ルーチンのステップS108で取得され、保存された値である。
一方、ステップS6では、前述の(式7)で表される第2補正関数fn2を用いて、基準抵抗値RTsを第1センサ出力Vo1の値に応じて補正して、目標抵抗値RTを取得し、ステップS7に進む。ここで、第2補正関数fn2の第2傾きA2及び第2切片B2は、劣化検知処理ルーチンのステップS110で算出され、保存された値であり、基準抵抗値RTsは、ステップS108で取得され、保存された値である。
ステップS7では、ステップS5またはステップS6で取得した目標抵抗値RTを用いて、ステップS3で検知された内部抵抗Riが目標抵抗値RTとなるように、ヒータ4の通電制御を継続する。これにより、検出素子3の劣化の程度(劣化指標ID)とガス雰囲気(第1センサ抵抗Vo1)の違いに応じて、適切にヒータ4の通電制御を行うこができる。
そして、続くステップS8では、ヒータ制御の終了指示が有るか否かを判断する。終了指示が無い場合には(No)、ステップS1に戻り、センサ出力Voutの取得から制御プログラムを再開する。一方、終了指示が有った場合は、本制御プログラムを終了する。
次いで、内部抵抗検知ルーチン(図11のステップS3)について、図12のフローチャートを参照して説明する。前述したように、この内部抵抗検知ルーチンでは、検出素子3の電極3P,3N間の検出素子電圧VEに一時的な変化を生じさせて、内部抵抗Riを検知する。
先ず、ステップS31で、I/O出力ポート16の出力をLレベルとし、トランジスタTr2がオフにされた状態で、A/D入力ポート17を通じて、出力検出回路12により、S点の電位(従って、ローパスフィルタ回路15を通じたQ点の電位)を測定し、これを検出素子電圧VEに変化を生じさせる前のシフト前電圧VE1とする(図3のタイミング(a))。また、このシフト前電圧VE1は、酸素濃度に応じた起電力EVを示すセンサ出力Vout(=EV)でもあるので、この値を、第1センサ出力Vo1とする。
次いで、ステップS32に進み、I/O出力ポート16の出力をHレベルとして、トランジスタTr2をオンした後、ステップS33に進み、3msecの時間を計時するタイマをスタートさせる。すると、トランジスタTr2がオンして、検出素子3に電流Iが流れることにより、内部抵抗Riに電圧降下が生じて検出素子電圧VEが変化する。
さらに、続くステップS34では、ステップS33の3msecのタイマがタイムアップするのを待つ。即ち、タイマがタイムアップしていない間(No)は、ステップS34を繰り返す。そして、3msec経過し、タイマがタイムアップする(Yes)と、ステップS35に進む。
ステップS35では、再び、A/Dポート17を通じて、出力検出回路12により、S点の電位(ローパスフィルタ回路15を通じたQ点の電位)を測定し、これを検出素子電圧VEに変化を生じさせたシフト後電圧VE2とする(図3のタイミング(b))。
次いで、ステップS36に進み、シフト後電圧VE2とシフト前電圧VE1との差分(VE2−VE1)からシフト電圧VSを取得する。
さらに、ステップS37に進み、I/O出力ポート16の出力をLレベルに戻して、トランジスタTr2をオフにする。
そして、ステップS38に進み、シフト電圧VS及びシフト前電圧VE1を用いて内部抵抗Riを計算して、本内部抵抗検知ルーチンを終了する。
次いで、劣化検知処理ルーチンについて、図13のフローチャートを参照して説明する。この劣化検知処理ルーチンは、劣化指標IDである1−2電圧差V1−2を取得するため、エンジンの停止後に、ヒータ4への通電を一旦停止し、所定の待ち時間を経過した後に、図11の制御プログラムとは別に実行される
先ず、ステップS101では、後述する電圧シフトサブルーチン(図14参照。詳細は後述する。)を実行する。この電圧シフトサブルーチンでは、検出素子電圧VEの電圧シフトを行うと共に、シフト前電圧VE1、シフト後電圧VE2及びシフト電圧VSを取得する。また、この電圧シフトサブルーチンの終了時点で、I/O出力ポート16の出力はHレベルとされ、パルス信号出力回路11の出力のT点は0Vとなって、トランジスタTr2はオンしている。
次いで、ステップS102に進み、I/O出力ポート16の出力をLレベルに戻す。すると、パルス信号出力回路11の出力のT点は+5Vとなり、トランジスタTr2はオフにされる。
次いで、ステップS103に進み、電圧シフトサブルーチン(ステップS101)で取得したシフト電圧VS及びシフト前電圧VE1(起電力EV)を用いて内部抵抗Riを計算する。そして、続くステップS104では、得られた内部抵抗Riが2560Ωとなるように、ヒータ4を通電制御する。具体的には、PID制御またはPI制御によりヒータ通電制御のPWMデューティ比を決定し、PWM出力ポート18からPWMパルスを出力する。これにより、ヒータ4は、PWM制御され、検出素子3の温度が、約400℃に制御される。
次いで、ステップS105では、劣化指標検知タイミングであるか否かが判断される。そして、続くステップS106では、劣化指標IDを検知する前に、取得した内部抵抗Riが2560Ωであるか否かが判断される。本実施形態では、ステップS101〜ステップS104によるヒータ通電制御のPWMデューティ比を10回更新する毎に、ステップS105で1回Yesと判断する。劣化指標検知タイミングでない場合(No)は、そのままこの劣化検知処理ルーチンを終了する。一方、劣化指標検知タイミングの場合(Yes)は、ステップS106に進んで、内部抵抗Riが2560Ωであるか否かを判断する。ステップS106で、内部抵抗Riが2560Ωでない場合(No)は、そのままこの劣化検知処理ルーチンを終了する。なお、ステップS5またはステップS6でNoとなって、劣化検知処理ルーチンを終了(リターン)した場合は、劣化検知が完了するまで、本劣化検知処理ルーチンが、所定間隔で繰り返し呼び出される。
一方、ステップS106で、内部抵抗Riが2560Ωであると判断された場合(Yes)は、ステップS107に進み、劣化指標IDである1−2電圧差V1−2を検知する劣化指標検知サブルーチン(図15参照。詳細は後述する。)を実行する。
ステップS107で1−2電圧差V1−2を検知すると、次いで、ステップS108で、1−2電圧差V1−2に対応する基準抵抗値RTsを取得し、取得した値を不揮発性メモリに保存する。
次いで、ステップS109では、前述の(式1)及び(式2)を用いて、基準抵抗値RTsから第1補正関数fn1の第1傾きA1及び第1切片B1を算出し、算出した値を不揮発性メモリに保存する。さらに、続くステップS110では、(式3)及び(式4)を用いて、基準抵抗値RTsから第2補正関数fn2の第2傾きA2及び第2切片B2を算出し、算出した値を不揮発性メモリに保存して、その後、この劣化検知処理ルーチンを終了する。
次いで、ステップS101の電圧シフトサブルーチンについて、図14のフローチャートを参照して説明する。この電圧シフトサブルーチンは、前述したように、電圧シフト回路19を用いて、検出素子電圧VEをシフトさせると共に、シフト前電圧VE1、シフト後電圧VE2及びシフト電圧VSを取得する。
先ず、ステップS1011において、マイクロプロセッサ10は、A/D入力ポート17を通じて、出力検出回路12により、次述する電圧シフト前のS点の電位、従って、ローパスフィルタ回路15を介してQ点の電位(シフト前電圧VE1)を測定する。この際、I/O出力ポート16の出力はLレベルとされており、パルス信号出力回路11の出力のT点は+5Vに、トランジスタTr2はオフにされている。このため、抵抗器R4には電流が流れず、Q点(及びS点)の電位は、検出素子3自身の起電力EVを示す値となっている。従って、このステップS1011で測定するS点(Q点)の電位の値(シフト前電圧VE1)は、起電力EVの値となる(VE1=EV)。
次いで、ステップS1012に進み、I/O出力ポート16の出力をHレベルとする。すると、パルス信号出力回路11の出力のT点は0Vとなり、トランジスタTr2がオンする。なお、このタイミングは、図2における時刻t=0に該当する。更に引き続いて、ステップS1013に進み、3msecの時間を計時するタイマをスタートさせる。
トランジスタTr2がオンすると、抵抗器R4に電流Iが流れ、この電流Iが検出素子3に流れ込む。すると、この電流Iにより、内部抵抗Riに電圧降下を生じさせると共に、内部容量Ciに電荷が徐々に蓄積される。このため、Q点の電位は、起電力EVから開始し、内部容量Ciへの電荷蓄積の進行と共に上昇する。Q点の電位において、起電力EVに上乗せされる電圧分は、内部抵抗Ri及び内部容量Ciの端子間電圧である。
続くステップS1014では、ステップS1013の3msecのタイマがタイムアップするのを待つ。即ち、タイマがタイムアップしていない間(No)は、ステップS1014を繰り返す。従って、この間、内部容量Ciへの電荷の蓄積が進み、Q点の電位は上昇すると共に、平衡状態に近づく。そして、3msec経過し、タイマがタイムアップする(Yes)と、ステップS1015に進む。
ステップS1015では、トランジスタTr2をオンしてから、3msec経過した第1検知タイミングt1(時刻t=t1=3msec,図2参照)で、再び、A/D入力ポート17を通じて出力検出回路12により、S点の電位(従って、ローパスフィルタ回路15を通じたQ点の電位)を測定する。Q点の電位は、時刻t=0の立ち上がり開始後、3msecの期間(電圧シフト期間TS)が経過する間に、概略平衡状態に達しており(図2参照)、このステップS1015で測定した、時刻t=t1の時点の値をシフト後電圧VE2とする。
次いで、ステップS1016に進み、シフト電圧VSを、既に取得したシフト後電圧VE2とシフト前電圧VE1との差分(VE2−VE1)として求めて、電圧シフトサブルーチンを終了する。
次いで、ステップS107の劣化指標検知サブルーチンについて、図15のフローチャートを参照して説明する。なお、この劣化指標検知サブルーチン(ステップS107)は、前述したように、ステップS106で、検出素子3の内部抵抗Riが2560Ωに等しいと判断された場合(Yes)に、実行される。
先ず、ステップS1071では、劣化検知処理ルーチンにおけるステップS101と同じ電圧シフトサブルーチンを実行する。この電圧シフトサブルーチンの終了時点(ステップS1016の終了時点)で、I/O出力ポート16の出力はHレベルとされ、パルス信号出力回路11の出力のT点は0Vとなって、トランジスタTr2はオンしている。
次いで、ステップS1072に進み、I/O出力ポート16の出力をLレベルに戻す。すると、パルス信号出力回路11の出力のT点は+5Vとなり、トランジスタTr2はオフにされる。これにより、電圧シフト期間TSが終了し、これに引き続いて、回復期間TKが開始される。
続くステップS1073では、電圧シフトサブルーチンのステップS1015(第1検知タイミングt1)で取得したシフト後電圧VE2を、第1電圧V1として取得する(V1=VE2)。
次いで、ステップS1074に進み、3msecの計時を行うタイマをスタートさせる。
トランジスタTr2をオフさせているため、検出素子3に、+5V電源を通じて外部電圧は印加されず、電流も流れない。このため、検出素子3では、内部容量Ciに蓄積された電荷を、内部抵抗Riを通じて自己放電する。このため、Q点の電位は、おおむね内部抵抗Ri及び内部容量Ciで決定される時定数によって指数関数的に減衰して、シフト後電圧VE2からシフト前電圧VE1に戻る検出素子電圧VEの変化を生じる。
続くステップS1075では、ステップS1074のタイマがタイムアップするのを待つ。即ち、タイマがタイムアップしていない間(No)は、ステップS1075を繰り返す。そして、3msec経過し、タイマがタイムアップする(Yes)と、ステップS1076に進む。
ステップS1076では、A/D入力ポート17を通じて出力検出回路12により、トランジスタTr2をオフしてから、3msec経過した第2検知タイミングt2(時刻t=t2=6msec,図2参照)でのS点の電位(ローパスフィルタ回路15を通じて、Q点の電位)を測定する。このステップS1076で測定した、時刻t=t2の時点の値を第2電圧V2とする。
次いで、ステップS1077に進み、劣化指標IDである1−2電圧差V1−2を、既に取得した第1電圧V1と第2電圧V2との差(V1−V2)として求める。
さらに、ステップS1078に進み、取得した1−2電圧差V1−2を、不揮発性メモリに保存して、この劣化指標検知サブルーチンを終了する。
本実施形態において、パルス信号出力回路11、電圧シフト回路19、ローパスフィルタ回路15、出力検出回路12及びステップS107を実行しているマイクロプロセッサ10が、劣化指標取得手段に相当する。このうち、パルス信号出力回路11、電圧シフト回路19及びステップS1071を実行しているマイクロプロセッサ10が、電圧シフト手段に相当し、パルス信号出力回路11、電圧シフト回路19及びステップS1072を実行しているマイクロプロセッサ10が、回復手段に相当する。
また、ローパスフィルタ回路15、出力検出回路12及びステップS1を実行しているマイクロプロセッサ10が、センサ出力取得手段に相当し、パルス信号出力回路11、電圧シフト回路19、ローパスフィルタ回路15、出力検出回路12及びステップS3の内部抵抗検知ルーチンを実行しているマイクロプロセッサ10が、内部抵抗検知手段に相当する。また、ステップS3の内部抵抗検知ルーチンのうち、シフト前電圧VE1を取得しているステップS31も、取得したシフト前電圧VE1の値を第1センサ出力Vo1として用いている点で、センサ出力取得手段に相当している。
また、ヒータ制御回路13及びステップS7を実行しているマイクロプロセッサ10が、ヒータ通電制御手段に相当する。
さらに、ステップS108〜S110,S4〜S6を実行しているマイクロプロセッサ10が、目標抵抗値取得手段に相当する。また、このうち、ステップS108を実行しているマイクロプロセッサ10が、基準抵抗値取得手段に相当し、ステップS109,S110,S5,S6を実行しているマイクロプロセッサ10が、補正手段に相当する。
以上で説明したように、本実施形態の酸素センサ制御装置1では、ヒータ4への通電をフィードバック制御するにあたり、劣化指標取得手段(ステップS107)で検出素子3の劣化の程度に応じた値を示す劣化指標IDである1−2電圧差V1−2を得ている。さらに、目標抵抗値取得手段(ステップS108〜S110,S4〜S6)により、劣化指標ID(1−2電圧差V1−2)のほか、検出素子電圧VEに一時的な変化が生じる期間TCの直前(図3のタイミング(a))のセンサ出力Voutの値である第1センサ出力Vo1を用いて、検知した内部抵抗Riが目標とすべき目標抵抗値RTを逐次取得している。つまり、検出素子3の素子温度を一定(本実施形態では、700℃)の目標温度に保つべく、目標抵抗値RTを劣化の程度(劣化指標ID)及びガス雰囲気(第1センサ出力Vo1)に応じて変化させている。そして、内部抵抗Riがこの目標抵抗値RTとなるように、ヒータ4への通電をフィードバック制御している。
これにより、検出素子3の劣化の程度(劣化指標ID)と内部抵抗Ri検知の際のガス雰囲気(第1センサ出力Vo1)の違いに応じて、適切にヒータ4の通電制御を行うことができる。
さらに、本実施形態の酸素センサ制御装置1では、一旦、基準抵抗値取得手段(ステップS108)で、劣化指標ID(1−2電圧差V1−2)の値に対応する基準抵抗値RTsを得て、補正手段(ステップS109,S110,S5,S6)で、この基準抵抗値RTsを第1センサ出力Vo1の値に応じて補正して、目標抵抗値RTを得ている。このため、劣化指標ID及び第1センサ出力Vo1を用いて、適切かつ容易に目標抵抗値RTを得ることができる。
さらに、本実施形態の酸素センサ制御装置1では、第1センサ出力Vo1を変数とする補正関数fnを用いて、基準抵抗値RTsを補正して目標抵抗値RTを得ている。
したがって、基準抵抗値RTsから目標抵抗値RTを容易に得ることができる。
さらに、本実施形態の酸素センサ制御装置1では、補正関数fnを、第1センサ出力Vo1が予め定めたしきい出力Vthよりもリーン側にある場合を規定する第1補正関数fn1(式6)と、第1センサ出力Vo1がしきい出力Vthよりもリッチ側にある場合を規定する第2補正関数fn2(式7)との合成関数としている。
したがって、補正関数fnを簡単な2つの関数((式6),(式7))の合成関数として表すことができる。
さらに、本実施形態の酸素センサ制御装置1では、第1補正関数fn1及び第2補正関数fn2をそれぞれ一次関数で表し、その傾き及び切片である第1傾きA1、第1切片B1、第2傾きA2及び第2切片を、それぞれ基準抵抗値RTsの関数で与えている。
また、このとき、第1傾きA1は、劣化が進行するほど大きくなる正の値とし、第2傾きA2は、劣化が進行するほど絶対値が大きくなる負の値をとして、逆V字の二辺の傾きを定めている。
これにより、第1補正関数fn1及び第2補正関数fn2を、それぞれ適切に数式化することができる。
さらに、本実施形態の酸素センサ制御装置1では、第1傾きA1、第1切片B1、第2傾きA2及び第2切片B2を、それぞれ、基準抵抗値RTsの自然対数を変数とする一次関数で与えている((式1)〜(式4))。これにより、第1補正関数fn1における第1傾きA1及び第1切片B1、第2補正関数fn2における第2傾きA2及び第2切片B2を、それぞれ基準抵抗値RTsから簡易に求めることができる。
さらに、本実施形態の酸素センサ制御装置1では、劣化指標IDとして、内部抵抗Riを一定(本実施形態では、Ri=2560Ω)とした条件下で、検出素子3の劣化に伴う内部容量Ciの変化に応じて変化する値、具体的には、1−2電圧差V1−2を取得している。これにより、適切な劣化指標IDを取得することができる。
さらに、本実施形態の酸素センサ制御装置1では、電圧シフト手段(ステップS1071)と回復手段(ステップS1072)を用いて、回復期間TKに生じる検出素子電圧VEの変化の時定数の大きさに応じた値を、劣化指標ID(1−2電圧差V1−2電圧)として取得している。
検出素子3が劣化すると、劣化の程度により、回復期間TKにおける検出素子電圧VEの変化の時定数の大きさに差が生じるので、この時定数の大きさに応じた値を得ることにより、検出素子3の劣化の程度に応じた値を示す劣化指標IDを適切に得ることができる。
さらに、本実施形態の酸素センサ制御装置1では、劣化指標IDとして、1−2電圧差V1−2電圧を取得している。
これにより、電圧シフト期間TS内の第1検知タイミングt1における第1電圧V1及び電圧シフト期間TS終了後の回復期間TK内の第2検知タイミングにおける第2電圧V1−2の2つの電圧を計測することで簡易に得られる1−2電圧差V1−2を、劣化指標IDとして取得することができる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態では、劣化指標IDとして、前述の1−2電圧差V1−2を取得したが、劣化指標IDは、これに限られない。例えば、回復期間TK内に検出素子3の電極3P,3N間に生じる検出素子電圧VEを逐次計測し、その変化曲線から、この曲線に近似する指数関数の時定数を取得して、これを劣化指標IDとすることもできる。
また、実施形態では、電圧シフト期間TSを3msec、第1検知タイミングt1から第2検知タイミングt2までの期間を3msecとしたが、これらの値は、劣化指標IDが適切に検知できる範囲で適宜選択すれば良い。
また、実施形態では、エンジンの停止後、所定の待ち時間を経過後に、内部抵抗Riが2560Ωに等しくなるように制御して、劣化指標IDを検知したが、劣化指標IDをするタイミングや、その際の内部抵抗Riの値は、劣化指標IDが適切に検知できる範囲で、適宜変更が可能である。
また、実施形態では、図7〜図10のグラフについての回帰式を元に、第1傾きA1、第1切片B1、第2傾きA2及び第2切片B2を、それぞれ、基準抵抗値RTsの自然対数を変数とする一次関数で与えた。しかし、図7〜図10のグラフについて、回帰直線を引くことも可能であり、第1傾きA1、第1切片B1、第2傾きA2及び第2切片B2を、それぞれ、基準抵抗値RTsの一次関数で与えても良い。また、第1傾きA1、第1切片B1、第2傾きA2及び第2切片B2の一部を基準抵抗値RTsの自然対数を変数とする一次関数で与えて、残りを基準抵抗値RTsを変数とする一次関数で与えても良い。
また、実施形態では、内部抵抗Riを検知するにあたり、パルス信号出力回路11及び電圧シフト回路19(図1参照)を用いて、検出素子3の電極3P,3N間の電圧を一時的に変化させて、この一時的な変化による電圧の変化量(シフト電圧VS)を取得して、内部抵抗Riを検知する構成とした。しかし、内部抵抗Riの検知の手法及びその回路構成を適宜変更することにより、検出素子3の電極間3P,3N間に一時的に定電流を流すことにより、内部抵抗Riに電圧降下を生じさせて、この一時的な変化による電圧の変化量を得て、内部抵抗Riを検知する構成とすることもできる。
1 酸素センサ制御装置
2 酸素センサ
3 検出素子
3P,3N 電極
4 ヒータ
EV (酸素濃淡電池の)起電力
Ri 内部抵抗
Ci 内部容量
10 マイクロプロセッサ
11 パルス信号出力回路(劣化指標検知手段、電圧シフト手段、回復手段、内部抵抗検知手段)
12 出力検出回路(劣化指標検知手段、内部抵抗検知手段、センサ出力取得手段)
13 ヒータ制御回路(ヒータ通電制御手段)
15 ローパスフィルタ回路(劣化指標検知手段、内部抵抗検知手段、センサ出力取得手段)
19 電圧シフト回路(劣化指標検知手段、電圧シフト手段、回復手段、内部抵抗検知手段)
20 バッテリ
VE 検出素子電圧
VE1 シフト前電圧
VE2 シフト後電圧
VS シフト電圧
TC (一時的な変化が生じる)期間
TS 電圧シフト期間
TK 回復期間
ID 劣化指標
Ri 内部抵抗
RT 目標抵抗値
RTs 基準抵抗値
t1 第1検知タイミング
t2 第2検知タイミング
V1 第1電圧
V2 第2電圧
V1−2 1−2電圧差(劣化指標)
fn1 第1補正関数
fn2 第2補正関数
A1 第1傾き
B1 第1切片
A2 第2傾き
B2 第2切片
S107 劣化指標取得手段
S1071 電圧シフト手段
S1072 回復手段
S1,S31 センサ出力取得手段
S3 内部抵抗検知手段
S7 ヒータ通電制御手段
S108〜S110,S4〜S6 目標抵抗値取得手段
S108 基準抵抗値取得手段
S109,S110,S5,S6 補正手段

Claims (12)

  1. 固体電解質体からなり、一対の電極を有する検出素子、及び、上記検出素子を加熱するヒータを有し、内燃機関の排気ガス中の酸素濃度に感応し、空燃比に対するセンサ出力が、理論空燃比を境にして、リッチ状態とリーン状態との間で急峻に変化する特性を有する酸素センサを制御する酸素センサ制御装置であって、
    上記検出素子の劣化の程度に応じた値を示す劣化指標を得る劣化指標取得手段と、
    上記センサ出力を取得するセンサ出力取得手段と、
    上記検出素子の上記電極間の電圧または上記電極間を流れる電流について一時的な変化を生じさせて、上記検出素子の内部抵抗を検知する内部抵抗検知手段と、
    上記一時的な変化が生じる期間の前または後のタイミングに得た上記センサ出力の値である第1センサ出力と上記劣化指標とを用いて、上記内部抵抗に対応する目標抵抗値を逐次取得する目標抵抗値取得手段と、
    上記内部抵抗が上記目標抵抗値となるように、上記ヒータへの通電をフィードバック制御するヒータ通電制御手段と、を備え、
    前記目標抵抗値取得手段は、
    前記劣化指標に対応する基準抵抗値を得る基準抵抗値取得手段と、
    上記基準抵抗値を上記第1センサ出力の値に応じて補正して、前記目標抵抗値を得る補正手段と、を含む
    酸素センサ制御装置。
  2. 請求項1に記載の酸素センサ制御装置であって、
    前記補正手段は、
    前記第1センサ出力を変数とする補正関数を用いて、前記基準抵抗値を補正して前記目標抵抗値を得る
    酸素センサ制御装置。
  3. 請求項2に記載の酸素センサ制御装置であって、
    前記補正関数を、
    前記第1センサ出力が、予め定めたしきい出力よりも、前記空燃比についてリーン側にある場合を規定する第1補正関数と、
    上記第1センサ出力が、上記しきい出力よりも、上記空燃比についてリッチ側にある場合を規定する第2補正関数との合成関数としてなる
    酸素センサ制御装置。
  4. 請求項3に記載の酸素センサ制御装置であって、
    前記第1補正関数を、前記第1センサ出力を変数とする一次関数とし、
    その傾き及び切片である第1傾き及び第1切片を、それぞれ前記基準抵抗値の関数で与えてなり、
    前記第2補正関数を、上記第1センサ出力を変数とする一次関数とし、
    その傾き及び切片である第2傾き及び第2切片を、それぞれ上記基準抵抗値の関数で与えてなる
    酸素センサ制御装置。
  5. 請求項4に記載の酸素センサ制御装置であって、
    前記第1傾きを、前記検出素子の劣化が進行するほど大きくなる正の値とし、
    前記第2傾きを、上記検出素子の劣化が進行するほど絶対値が大きくなる負の値としてなる
    酸素センサ制御装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の酸素センサ制御装置であって、
    前記第1傾き、前記第1切片、前記第2傾き及び前記第2切片を、
    それぞれ、前記基準抵抗値を変数とする一次関数、または上記基準抵抗値の自然対数を変数とする一次関数で与えてなる
    酸素センサ制御装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の酸素センサ制御装置であって、
    前記劣化指標取得手段は、
    前記劣化指標として、前記内部抵抗を一定とした条件下で、前記検出素子の劣化に伴う上記検出素子の内部容量の変化に応じて変化する値を取得する
    酸素センサ制御装置。
  8. 請求項7に記載の酸素センサ制御装置であって、
    前記劣化指標取得手段は、
    前記検出素子の前記電極間に生じている検出素子電圧を、シフト前電圧から、これと異なるシフト後電圧までシフトさせる電圧シフト手段と、
    上記電圧シフト手段による電圧シフト期間の終了に続いて、上記検出素子の前記内部抵抗及び前記内部容量による自己放電により、上記検出素子電圧を、上記シフト後電圧から上記シフト前電圧に戻す回復手段と、を含み、
    上記回復手段による回復期間に生じる上記検出素子電圧の変化の時定数の大きさに応じた値を、前記劣化指標として取得する
    酸素センサ制御装置。
  9. 請求項8に記載の酸素センサ制御装置であって、
    前記劣化指標取得手段は、
    前記劣化指標として、前記電圧シフト期間内の第1検知タイミングにおける前記検出素子電圧である第1電圧と、上記電圧シフト期間終了後の前記回復期間内の第2検知タイミングにおける上記検出素子電圧である第2電圧との差電圧である1−2電圧差を取得する
    酸素センサ制御装置。
  10. 固体電解質体からなり、一対の電極を有する検出素子、及び、上記検出素子を加熱するヒータを有し、内燃機関の排気ガス中の酸素濃度に感応し、空燃比に対するセンサ出力が、理論空燃比を境にして、リッチ状態とリーン状態との間で急峻に変化する特性を有する酸素センサを制御する酸素センサ制御装置であって、
    上記検出素子の劣化の程度に応じた値を示す劣化指標を得る劣化指標取得手段と、
    上記センサ出力を取得するセンサ出力取得手段と、
    上記検出素子の上記電極間の電圧または上記電極間を流れる電流について一時的な変化を生じさせて、上記検出素子の内部抵抗を検知する内部抵抗検知手段と、
    上記一時的な変化が生じる期間の前または後のタイミングに得た上記センサ出力の値である第1センサ出力と上記劣化指標とを用いて、上記内部抵抗に対応する目標抵抗値を逐次取得する目標抵抗値取得手段と、
    上記内部抵抗が上記目標抵抗値となるように、上記ヒータへの通電をフィードバック制御するヒータ通電制御手段と、を備え、
    前記劣化指標取得手段は、
    前記劣化指標として、前記内部抵抗を一定とした条件下で、前記検出素子の劣化に伴う上記検出素子の内部容量の変化に応じて変化する値を取得する
    酸素センサ制御装置。
  11. 請求項10に記載の酸素センサ制御装置であって、
    前記劣化指標取得手段は、
    前記検出素子の前記電極間に生じている検出素子電圧を、シフト前電圧から、これと異なるシフト後電圧までシフトさせる電圧シフト手段と、
    上記電圧シフト手段による電圧シフト期間の終了に続いて、上記検出素子の前記内部抵抗及び前記内部容量による自己放電により、上記検出素子電圧を、上記シフト後電圧から上記シフト前電圧に戻す回復手段と、を含み、
    上記回復手段による回復期間に生じる上記検出素子電圧の変化の時定数の大きさに応じた値を、前記劣化指標として取得する
    酸素センサ制御装置。
  12. 請求項11に記載の酸素センサ制御装置であって、
    前記劣化指標取得手段は、
    前記劣化指標として、前記電圧シフト期間内の第1検知タイミングにおける前記検出素子電圧である第1電圧と、上記電圧シフト期間終了後の前記回復期間内の第2検知タイミングにおける上記検出素子電圧である第2電圧との差電圧である1−2電圧差を取得する
    酸素センサ制御装置。
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