JP5953977B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば自動車用の自動変速機として利用するトロイダル型無段変速機の改良に関する。具体的には、押圧装置が発生する押圧力の損失を低く抑えて、伝達効率の良いトロイダル型無段変速機の実現を図るものである。
自動車用自動変速機として使用可能なトロイダル型無段変速機が、例えば特許文献1〜3等、多くの刊行物に記載されており、且つ、一部で実施されていて周知である。図8〜9は、このうちの特許文献1に記載された、トロイダル型無段変速機1と遊星歯車式変速機2とを組み合わせる事で、入力軸3と出力軸4との間の速度比(増速比)の調節幅を大きくした無段変速装置の1例を示している。この無段変速装置では、前記入力軸3と前記出力軸4との間に、前記トロイダル型無段変速機1の入力回転軸5と伝達軸6とを、これら両軸3、4と同心に設けている。そして、前記遊星歯車式変速機2のうちの前段ユニット7と中段ユニット8とを前記入力回転軸5と前記伝達軸6との間に掛け渡す状態で、後段ユニット9をこの伝達軸6と前記出力軸4との間に掛け渡す状態で、それぞれ設けている。
又、前記トロイダル型無段変速機1は、1対の入力ディスク10a、10bと、一体型の出力ディスク11と、複数のパワーローラ12a、12bとを備える、ダブルキャビティ型と呼ばれるものである。このうちの各入力ディスク10a、10bは、前記入力回転軸5を介して互いに同心に、且つ、同期した回転を自在として結合されている。又、前記出力ディスク11は、前記両入力ディスク10a、10b同士の間に、これら両入力ディスク10a、10bと同心に、且つ、これら両入力ディスク10a、10bに対する相対回転を可能として支持されている。更に、前記各パワーローラ12a、12bは、前記出力ディスク11の軸方向両側面と前記両入力ディスク10a、10bの軸方向片側面との間に、それぞれ複数個ずつ(図示の例の場合は2個ずつ、合計4個)挟持されている。そして、前記両入力ディスク10a、10bの回転に伴って回転しつつ、これら両入力ディスク10a、10bと前記出力ディスク11との間で動力を伝達する。
又、前記出力ディスク11はその軸方向両端部を、ケーシング13内に、それぞれ1対ずつの支柱14、14と、スラストアンギュラ玉軸受である転がり軸受15、15とにより、回転自在に支持している。又、前記両支柱14、14の両端部近傍に、それぞれ支持板16、16を支持している。そして、これら両支持板16、16同士の間に、それぞれが特許請求の範囲に記載した支持部材である複数のトラニオン17a、17bを、それぞれの両端部に互いに同心に設けた傾転軸18、18を中心とする、揺動及び軸方向(図8〜9の上下方向)の変位を可能に支持している。又、前記各トラニオン17a、17bの内側面(互いに対向する面)に前記各パワーローラ12a、12bを、それぞれ支持軸19、19並びに複数組の転がり軸受を介して、回転並びに前記入力回転軸5の軸方向に関する若干の変位を自在に支持している。そして、前記各パワーローラ12a、12bの周面と、前記両入力ディスク10a、10bの軸方向片側面及び前記出力ディスク11の軸方向両側面とを転がり接触させている。これら各面同士の転がり接触部が、トラクションオイルを介して動力を伝達する、トラクション部となる。
又、前記入力回転軸5の基端部(図8の左端部)を図示しないエンジンのクランクシャフトに、前記入力軸3を介して結合し、このクランクシャフトにより前記入力回転軸5を回転駆動する様にしている。又、この入力回転軸5の基端部と、前記エンジンに近い側(図8の左側)の入力ディスク10aとの間に、油圧式の押圧装置20を設け、前記各トラクション部に、適正な面圧を付与できる様にしている。この押圧装置20は、油圧室21a、21b内への油圧の導入に伴って軸方向寸法を拡張し、この押圧装置20側の入力ディスク10aを前記トロイダル型無段変速機1の軸方向中央側に向け押圧すると同時に、反対側の入力ディスク10bを、前記入力回転軸5を介して、前記トロイダル型無段変速機1の軸方向中央側に向け引っ張る。この結果、前記両入力ディスク10a、10b同士の間隔、延いては、これら両入力ディスク10a、10bの入力側曲面と、前記出力ディスク11の軸方向両側面である出力側曲面との間隔が狭まるので、前記各トラクション部の面圧を高くできる。
又、前記出力ディスク11に、中空回転軸22の基端部(図8の左端部)をスプライン係合させている。そして、この中空回転軸22を、前記エンジンから遠い側(図8の右側)の入力ディスク10bの内側に挿通して、前記出力ディスク11の回転力を取り出し可能としている。更に、前記中空回転軸22の先端部(図8の右端部)で前記入力ディスク10bの外側面から突出した部分に、前記遊星歯車式変速機2の前段ユニット7を構成する為の、太陽歯車23を固設している。
一方、前記入力回転軸5の先端部(図8の右端部)で前記中空回転軸22から突出した部分と前記入力ディスク10bとの間に、キャリア24を掛け渡す様に設けて、この入力ディスク10bと前記入力回転軸5とが、互いに同期して回転する様にしている。そして、前記キャリア24の軸方向両側面の円周方向等間隔位置(一般的には3〜4個所位置)に、それぞれがダブルピニオン型である前記遊星歯車式変速機2の前段ユニット7及び中段ユニット8を構成する遊星歯車25〜27を、回転自在に支持している。更に、前記キャリア24の片半部(図8の右半部)周囲にリング歯車28を、回転自在に支持している。又、前記伝達軸6の基端部(図8の左端部)に固設した第二太陽歯車29を、前記リング歯車28の内径側に配置している。
又、前記後段ユニット9を構成する第二キャリア30を、前記出力軸4の基端部(図8の左端部)に結合固定している。そして、この第二キャリア30と前記リング歯車28とを、低速用クラッチ31を介して結合している。又、前記伝達軸6の先端寄り(図8の右端寄り)部分に第三太陽歯車32を固設している。又、この第三太陽歯車32の周囲に、第二リング歯車33を配置し、この第二リング歯車33と前記ケーシング13等の固定の部分との間に、高速用クラッチ34を設けている。更に、前記第二リング歯車33と前記第三太陽歯車32との間に配置した複数組の遊星歯車35、36を、前記第二キャリア30に回転自在に支持している。
上述の様に構成する無段変速装置の場合、前記入力回転軸5から1対の入力ディスク10a、10b、及び、各パワーローラ12a、12bを介して一体型の出力ディスク11に伝わった動力は、前記中空回転軸22を通じて取り出される。そして、前記低速用クラッチ31を接続し、前記高速用クラッチ34の接続を断った、所謂低速モードの状態では、前記トロイダル型無段変速機1の変速比(減速比)を変える事により、前記入力回転軸5の回転速度を一定にしたまま、前記出力軸4の回転速度を、所謂ギヤードニュートラル(G/N)と呼ばれる停止状態(変速比無限大の状態)を挟んで正転、逆転に変換自在となる。一方、前記高速用クラッチ34を接続し、前記低速用クラッチ31の接続を断った、所謂高速モードの状態では、前記トロイダル型無段変速機1の変速比を増速側に変化させる(減速比の値を小さくする)程、無段変速装置全体としての速度比(増速比)も増速側に変化する(増速比が大きくなる)。前記低速、高速両モードでの、前記トロイダル型無段変速機1の変速比と前記無段変速装置の速度比との関係、各モード状態でこのトロイダル型無段変速機1を通過するトルクの方向及び大きさ等に就いては従来から広く知られている為、図示並びに詳しい説明は省略する。
何れの運転状態でも、前記押圧装置20の油圧室21a、21b内には、前記トロイダル型無段変速機1を通過するトルク(通過トルク)に応じた油圧を導入して、前記各トラクション部の面圧を適正値に規制する。即ち、この通過トルクが大きい場合には、前記油圧室21a、21b内に導入する油圧を高くして前記押圧装置20が発生する押圧力を大きくし、前記各トラクション部の面圧を高くする。そして、これら各トラクション部で、過大な滑り(グロススリップ)が発生する事を防止する。これに対して、前記通過トルクが小さい場合には、前記油圧室21a、21b内に導入する油圧を低くして前記押圧装置20が発生する押圧力を小さくし、前記各トラクション部の面圧を低くする。そして、これら各トラクション部の転がり抵抗を低く抑える。尚、前記押圧装置20の内部には予圧ばね37を設けて、始動直後、未だ前記油圧室21a、21b内の油圧が立ち上がらない状態でも、前記各トラクション部に必要最低限の面圧を付与できる様にしている。
上述の様に、前記押圧装置20が発生する押圧力は、前記トロイダル型無段変速機1の通過トルクに応じて変動し、このトロイダル型無段変速機1の構成各部材の弾性変形量も、この通過トルクの変化に伴って変化する。この結果、前記入力回転軸5に対する前記入力ディスク10aの軸方向位置も、前記通過トルクの変動に伴って変化する。この為に、図8に示した構造では、前記入力回転軸5に対して前記入力ディスク10aを、ボールスプライン38により、互いの間でのトルク伝達を行わせつつ、軸方向に関する相対変位を可能に支持している。
ボールスプライン38は、他の構造に比べて軸方向変位に対する抵抗を低く抑えられる構造ではあるが、前記通過トルクが大きい場合には、各ボールの転動面が、各ボールスプライン溝の内側面に強く押し付けられる。従って、これら各ボールの転動面とこれら各ボールスプライン溝の内側面との当接部の転がり抵抗が大きくなり、前記入力回転軸5に対して前記入力ディスク10aを軸方向に変位させる事に対する抵抗が大きくなる。そして、この抵抗が大きくなる程、前記押圧装置20が発生する押圧力のうち、前記各トラクション部の面圧を上昇させる為に利用される割合が少なくなる。この為、前記各トラクション部でグロススリップが発生するのを抑える為には、前記両油圧室21a、21b内に導入する油圧を十分に高くする必要がある。この油圧を高くする事は、圧油供給用のポンプの駆動力(ポンプロス)が大きくなる事に繋がり、トロイダル型無段変速機1(を組み込んだ無段変速装置)全体としての伝達効率を低下させる原因となる。この点に関しては、特許文献2に記載された構造の場合も同様である。
これに対して、特許文献3に記載されている様に、ボールスプラインを入力ディスクの外径側に配置した構造によれば、このボールスプラインの直径が大きくなる分、各ボールの転動面と各ボールスプライン溝の内側面との当接部の面圧を低く抑えられる。そして、これら各当接部の転がり抵抗を低く抑えられて、上述の様な不都合を低減できる。但し、前記ボールスプラインを前記入力ディスクの外径側に配置する構造は、ストロークの確保が難しい。又、通過トルクが大きな場合にボールスプライン部で、軸方向変位に対する抵抗が生じる事に変わりはない為、トロイダル型無段変速機全体としての伝達効率を向上させる面からも、依然として改良の余地がある。
特開2012−2330号公報 特開2001−295904号公報 特開2005−3084号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、押圧装置が発生する押圧力の損失を低く抑えて、伝達効率の良いトロイダル型無段変速機を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は何れも、入力回転軸と、入力ディスクと、出力ディスクと、複数個の支持部材と、複数個のパワーローラと、押圧装置と、予圧ばねとを備える。
このうちの入力回転軸は、エンジン、モータ等の駆動源により回転駆動される。
又、前記入力ディスクは、軸方向側面をトロイド曲面である入力側曲面としたもので、前記入力回転軸の一部に、この入力回転軸と同期した回転及びこの入力回転軸の軸方向の変位を可能に支持している。
又、前記出力ディスクは、前記入力側曲面に対向する軸方向側面をトロイド曲面である出力側曲面とし、前記入力ディスクと同心に、且つ、この入力ディスクに対する相対回転を可能に支持している。
又、前記各支持部材は、前記各ディスクの軸方向に関して前記入力側曲面と前記出力側曲面との間部分で、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心として揺動変位可能に配置している。
又、前記各パワーローラは、それぞれ前記各支持部材に回転自在に支持した状態で、互いに対向する前記出力側曲面と前記入力側曲面との間に挟持している。
又、前記押圧装置は、前記各パワーローラの周面と前記出力側、入力側各曲面との転がり接触部であるトラクション部の面圧を確保する為、前記入力ディスクと前記出力ディスクとを互いに近づく方向に押圧する。
更に、前記予圧ばねは、前記入力回転軸と前記入力ディスクとの間に設けたもので、この入力ディスクを前記出力ディスクに向け、軸方向に押圧する事により、前記押圧装置が押圧力を発生しない状態でも前記入力ディスクを前記出力ディスクに向け押圧して、前記各トラクション部に面圧を付与する。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、前記予圧ばねとして全体が円輪状の皿板ばねを使用する。
又、この皿板ばねの内周縁部を前記入力回転軸に、この入力回転軸と同期して回転する様に係止すると共に、この皿板ばねの外径寄り部分を、前記入力ディスクのうちで前記入力側曲面と軸方向反対側部分に、回転力の伝達を可能に係合させる。
そして、前記入力回転軸と前記入力ディスクとの間のトルク伝達を、前記皿板ばねを介して行わせる。
又、本発明のトロイダル型無段変速機のうち、請求項1、2に記載した発明の場合には、前記皿板ばねの外周縁の周方向複数箇所に、径方向外方に突出する係合突片を形成すると共に、前記入力ディスクのうちで前記入力側凹面と軸方向反対側端面の径方向外寄り部分に円筒状の突壁を突設する。
そして、請求項に記載した発明の場合には、この突壁の先端縁部の周方向複数箇所に係合凹部を形成する。
これに対し、請求項に記載した発明の場合には、前記突壁の内周面の周方向複数箇所に係合凹部を形成する。
そして、何れの場合も、前記各係合突片と各係合凹部とを係合させて、前記皿板ばねと前記入力ディスクとの間のトルク伝達を可能とする。
上述の様な請求項1、2に記載した本発明のトロイダル型無段変速機を実施する場合には、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記押圧装置を、前記入力回転軸の端部に設けた油圧隔壁と、前記入力ディスクのうちで前記入力側曲面と軸方向反対側端面との間に設けられた油圧室内に油圧を導入する事により押圧力を発生させる油圧式とする。そして、前記皿板ばねを、この油圧室内に配置する。
又、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記皿板ばねの内周縁部に形成した雌スプライン部と前記入力回転軸の外周面に形成された雄スプライン部とをスプライン係合させて、これら皿板ばねと入力回転軸とを同期して回転させる。
又、本発明のトロイダル型無段変速機のうち、請求項に記載した発明の場合には、前記入力回転軸の軸方向両端部に1対の入力ディスクを、それぞれの入力側曲面を互いに対向させた状態で、前記入力回転軸と同期した回転を可能に支持する。
又、この入力回転軸の中間部周囲に、軸方向両側面をそれぞれ出力側曲面とした出力ディスクを、この入力回転軸に対する相対回転を可能に支持する。
又、この入力回転軸のうちの前記押圧装置を設けた側の端部に隣接した状態で、この入力回転軸及び前記両入力ディスクを回転駆動する為の入力軸を、この入力回転軸と同心に配置する。
そして、前記皿板ばねを、この入力軸から、前記入力回転軸及び前記押圧装置側の入力ディスクにトルクを伝達するものとする。
又、請求項に記載した発明場合には、前記皿板ばねの内周縁部に形成した雌スプライン部と前記入力回転軸の外周面に形成された雄スプライン部とをスプライン係合させる。そして、これら皿板ばねと入力回転軸とを同期して回転させる。
又、前記皿板ばねの外周縁の周方向複数箇所に、径方向外方に突出する係合突片を、前記入力ディスクのうちで前記入力側曲面と軸方向反対側端面の径方向外寄り部分に突設した円筒状の突壁の先端縁部の周方向複数箇所に係合凹部を、それぞれ形成する。そして、これら各係合凹部と前記各係合突片とを係合させて、前記皿板ばねと前記入力ディスクとの間のトルク伝達を可能にする。
更に、前記皿板ばねの径方向中間部の周方向複数箇所に前記入力ディスクと反対側に突出する状態で形成した中間係合突片を、前記入力軸の先端部にこの入力軸と同心に設けた駆動円筒部の先端縁の周方向複数箇所に形成した駆動側係合凹部に係合させる。そして、前記入力軸と前記皿板ばねとの間のトルク伝達を可能にする。
更に、上述の様な請求項に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項に記載した発明の様に、前記入力ディスクに突設した円筒状の突壁を、油圧式の押圧装置を構成する為のシリンダ筒とする。
又、このシリンダ筒に油密に、且つ、このシリンダ筒に対する軸方向の変位を可能に内嵌した油圧隔壁の内径寄り部分を前記入力回転軸に対し、油密に、且つ、前記入力ディスクから離れる方向の変位を阻止した状態で外嵌する。
そして、前記油圧隔壁の軸方向片側面と、前記入力ディスクのうちで前記入力側曲面と軸方向反対側端面との間を油圧室とし、この油圧室内に油圧を導入する事により前記押圧装置に押圧力を発生させる。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機によれば、押圧装置が発生する押圧力の損失を低く抑えて、伝達効率の良いトロイダル型無段変速機を実現できる。
即ち、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、入力回転軸と入力ディスクとの間のトルク伝達を、予圧ばねである皿板ばねを介して行う。従って、これら入力回転軸の外周面と入力ディスクの内周面との間に、ボールスプライン等の、トルク伝達の為の構造を設ける必要がない。この為、この様なトルク伝達の為の構造が、前記入力回転軸と前記入力ディスクとの間のトルク伝達時に、これら入力回転軸と入力ディスクとが軸方向に相対変位する事に対する抵抗にはならない。
この結果、前記入力回転軸に対して前記入力ディスクを軸方向に変位させる事に対する抵抗を小さく抑えられて、押圧装置が発生する押圧力の有効利用を図れる。この為、この押圧装置として油圧式のものを使用した場合に、油圧室内に導入する油圧を徒に高くする必要がなく、ポンプロスを低く抑えて、トロイダル型無段変速機全体としての伝達効率を良好にできる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、部分略断面図。 この第1例に組み込む、皿板ばねと入力ディスクとを取り出して組み合わせた状態で示す斜視図。 同じく、分解した状態で示す斜視図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、部分略断面図。 同第3例を示す、部分略断面図。 同第4例を示す、部分略断面図。 この第4例に組み込む皿板ばねを取り出して示す斜視図。 本発明の対象となるトロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置の縦断側面図。 図8のA−A断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜3は、請求項1、3、4に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて、本発明の特徴は、入力回転軸5と入力ディスク10との間でトルクを伝達する部分の構造を工夫する事により、これら入力回転軸5と入力ディスク10とが軸方向に相対変位する事に対する抵抗を低く抑えて、押圧装置20が発生する押圧力を有効利用できる様にする点にある。その他の部分の構成及び作用は、前述の図8〜9に示した構造を含めて、従来から広く知られている各種トロイダル型無段変速機と同様であるから、本発明の特徴部分以外の図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例のトロイダル型無段変速機では、予圧ばねとして、全体が円輪状の皿板ばね39を使用している。この皿板ばね39は、予圧ばねとして必要な弾性、並びに、前記入力回転軸5と前記入力ディスク10との間でのトルク伝達の為に十分な強度及び剛性を確保できるだけの板厚を有する弾性金属板により、図2〜3に示す様な形状に造っている。即ち、前記皿板ばね39は、軸方向から見た形状が円輪状で、径方向から見た形状がダイヤフラム状に屈曲した主部40と、この主部40の外周縁の円周方向等間隔の複数箇所に、径方向外方に突出する状態で形成した係合突片41、41とから成る。又、前記主部40の中心孔は、内周面に雌スプラインを形成した、スプライン孔42としている。
又、前記入力回転軸5の端部に、前記押圧装置20を構成する為のシリンダ部43を設けている。このシリンダ部43は、前記入力回転軸5の外周面から径方向外方に突出した、外向フランジ状の油圧隔壁44と、この油圧隔壁44の外周縁から前記入力ディスク10の側に折れ曲がった、円筒状の周壁45とから成る。この周壁45の内径は、前記入力ディスク10の外径よりも僅かに大きい。又、この入力ディスク10のうちで、各パワーローラ12a、12b(図9参照)の周面と転がり接触する入力側曲面に対して軸方向反対側端面である、外端面の径方向外寄り部分に、円筒状の突壁46を突設している。そして、この突壁46の先端縁部の周方向等間隔の複数箇所に、それぞれ係合凹部47、47を形成している。これら各係合凹部47、47と前記各係合突片41、41とは、互いに同数としている。又、これら各係合凹部47、47の周方向に関する幅寸法と、前記各係合突片41、41の周方向に関する幅寸法とはほぼ一致させて(同じか、圧入可能な寸法関係として)、これら各係合突片41、41を前記各係合凹部47、47に、がたつきなく内嵌できる様にしている。
更に、前記入力回転軸5の外周面のうちで、前記シリンダ部43の奥端部に位置する部分に、雄スプライン部48を設けている。この雄スプライン部48の外径は、前記入力回転軸5の中間部乃至先端寄り部分の外径よりも大きくして、この中間部乃至先端寄り部分の外周面を円筒面としたまま、前記雄スプライン部48の加工を行える様にしている。この雄スプライン部48のピッチ、ピッチ円直径、モジュール等の仕様は、前記スプライン孔42との関係で規制し、これらスプライン孔42と雄スプライン部48とを、がたつきなくスプライン係合できる様にしている。
トロイダル型無段変速機を組み立てた状態では、図1〜2に示す様に、前記各係合突片41、41を前記各係合凹部47、47内に嵌合すると共に、図1に示す様に、前記スプライン孔42と雄スプライン部48とをスプライン係合させる。この状態で、前記入力回転軸5と前記入力ディスク10とが、前記皿板ばね39を介して、トルク伝達を可能に組み合わされる。又、この状態で、前記入力ディスク10側に設けた突壁46が、前記シリンダ部43を構成する周壁45の内径側に緩く挿入される。これら突壁46の外周面と周壁45の内周面との間の油密は、外径側シールリング49により図る。尚、この外径側シールリング49は、前記突壁46の外周面と前記周壁45の内周面とのうちの一方の周面に形成した係止溝に係止した状態で、他方の周面に対し摺接させる。又、前記入力ディスク10の内周面と前記入力回転軸5の外周面との間の油密は、内径側シールリング50により図る。この内径側シールリング50に関しては、前記入力回転軸5の外周面と前記入力ディスク10の内周面とのうちの一方の周面に形成した係止溝に係止した状態で、他方の周面に対し摺接させる。
各構成部材を上述の様に組み合わせる事により、前記入力回転軸5と前記入力ディスク10との間に油圧室21を画成している。そして、この油圧室21内に、前記入力回転軸5内に設けた油圧給排路51を通じて、所定圧の油圧を導入可能とし、油圧式の前記押圧装置20を構成している。前記皿板ばね39は、この押圧装置20の油圧室21内に配置された状態となる。前記油圧給排路51を通じてこの油圧室21内に導入された油圧は、前記皿板ばね39と前記入力ディスク10との間だけでなく、この皿板ばね39と前記入力回転軸5及び前記入力ディスク10との間に存在する隙間を通じて、この皿板ばね39と前記油圧隔壁44との間部分にも導入される。尚、この間部分の油圧の立ち上がり特性を良好にする為に、前記皿板ばね39のうち、前記主部40の一部に透孔を形成する事もできる。
トロイダル型無段変速機の運転時には、駆動源に繋がる入力軸3により前記入力回転軸5を回転駆動する。すると、この入力回転軸5の回転が、前記皿板ばね39を介して前記入力ディスク10に伝わり、この入力ディスク10が前記入力回転軸5と同期して回転する。この状態で前記油圧室21内に油圧を導入すれば、前記入力ディスク10が出力ディスク11(図8参照)に向け、この油圧に応じた力で押圧される。前記油圧室21内に導入された油圧に基づいて前記押圧装置20が発生する押圧力に基づき、前記入力軸10を前記入力回転軸5に対し軸方向に変位させる事に対する抵抗は、前記内径側、外径側両シールリング49、50の周縁と相手周面との間に作用する摩擦力のみである。そして、この摩擦力は、前記トロイダル型無段変速機の通過トルクが大きくなっても大きくなる事はないし、前述した従来構造の場合に、トルク伝達時にボールスプライン38(図8参照)部分で生じる抵抗よりも遥かに小さい。
この結果、前記入力回転軸5に対して前記入力ディスク10を軸方向に変位させる事に対する抵抗を小さく抑えられて、前記押圧装置20が発生する押圧力の有効利用を図れる。この為、前記油圧室21内に導入する油圧を徒に高くする必要がなく、ポンプロスを低く抑えて、トロイダル型無段変速機全体としての伝達効率を良好にできる。
[実施の形態の第2例]
図4は、請求項に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、入力ディスク10に形成した突壁46の内周面の周方向複数箇所に係合凹部47aを形成している。そして、これら各係合凹部47aと、皿板ばね39の外周縁部の周方向複数箇所に形成した係合突片41とを係合させて、この皿板ばね39と前記入力ディスク10との間のトルク伝達を可能としている。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図5も、請求項2〜4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、シリンダ部43a側の周壁45aを、入力ディスク10側の突壁46aの内側に、緩く挿入している。そして、この周壁45aの外周面とこの突壁46aの内周面との間に、外径側シールリング49を装着している。この突壁46aの奥端部内周面で、皿板ばね39の外周縁部に形成した係合突片41を係合させる為の係合凹部47を形成した部分は、前記外径側シールリング49を設置する部分よりも小径としている。従って、前記突壁46aの内周面のうちでこの外径側シールリング49を装着する部分の周方向の形状を、凹凸のない、単なる円形として、この外径側シールリング49によるシール性を確保できる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例、或いは、上述した実施の形態の第2例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図6〜7は、請求項5、6に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、トロイダル型無段変速機として、前述の図8に記載した様に、入力回転軸5の軸方向両端部に1対の入力ディスクを設置したダブルキャビティ型である事を前提とする。そして、前記入力回転軸5に隣接する状態でこの入力回転軸5と同心に配置されており、駆動源により回転駆動される入力軸3の回転を、皿板ばね39aにより、入力回転軸5と入力ディスク10とに伝達させる。結果として、これら入力回転軸5と入力ディスク10とが同期して回転する。
前記皿板ばね39aの内周縁部は、上述した実施の形態の第1〜3例の場合と同様に、前記入力回転軸5にスプライン係合させている。又、前記皿板ばね39aの外周縁の周方向複数箇所に形成した係合突片41、41を、前記入力ディスク10側に設けた突壁46の先端縁部の周方向複数箇所に形成した係合凹部47に係合させて、前記皿板ばね39aと前記入力ディスク10との間のトルク伝達を可能としている。以上の構成に就いては、前述した実施の形態の第1例と同様である。
特に、本例の構造の場合には、前記皿板ばね39aの径方向中間部の周方向複数箇所に中間係合突片52、52を、それぞれ前記入力ディスク10と反対側に突出する状態で形成している。又、前記入力軸3の先端部に駆動円筒部53を、この入力軸3と同心に設けており、この駆動円筒部53の先端縁の周方向複数箇所に、駆動側係合凹部54を形成している。そして、これら各駆動側係合凹部54と前記各中間係合突片52、52とを、周方向に関するがたつきを抑えた状態で係合させて、前記入力軸3と前記皿板ばね39aとの間のトルク伝達を可能としている。
更に、本例の場合には、前記突壁46を、油圧式の押圧装置20を構成する為のシリンダ筒としている。そして、このシリンダ筒として機能する突壁46の内周面と前記入力回転軸5の外周面との間に油圧隔壁55を、この突壁46に対する軸方向の変位を可能に内嵌している。又、この油圧隔壁55のうちで、前記入力ディスク10と反対側面のうちの内径寄り部分を、前記入力回転軸5の外周面に形成した段差面56に突き当てて、前記油圧隔壁55が前記入力ディスク10から離れる方向に変位しない様にしている。尚、この油圧隔壁55の外周縁部には外径側シールリング49aを、内周縁部には内径側シールリング50aを、それぞれ装着し、前記油圧隔壁55の内外両周縁部と相手側周面との間の油密保持を図っている。そして、この油圧隔壁55の軸方向片側面(図6の右側面)と前記入力ディスク10との間を油圧室21とし、この油圧室21内に油圧を導入する事により、前記押圧装置20に押圧力を発生させる様にしている。
上述の様な本例の構造によれば、前記入力軸3と前記入力回転軸5との間でトルクを伝達する構造を簡略化できる。
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述の図8〜9に示した様な、遊星歯車装置と組み合わせて無段変速装置を構成する構造に限らず、遊星歯車装置と組み合わせる事なく、トロイダル型無段変速機単体で使用する構造で実施する事もできる。
又、図示の様なハーフトロイダル型に限らず、フルトロイダル型のトロイダル型無段変速機で実施する事もできる。
更に、請求項に記載した発明を実施する場合に、入力軸の中間部周囲に配置する出力ディスクは、図8に示す様な一体型の構造に限らず、例えば特許文献2、3に記載されている様な、スリーブの両端部に1対の出力ディスクを、それぞれスプライン係合によりこのスリーブと同期して回転する様に設けた構造であっても良い。この場合には、このスリーブと前記両出力ディスクとを組み合わせたユニットが、請求項に記載した出力ディスクに対応する。
1 トロイダル型無段変速機
2 遊星歯車式変速機
3 入力軸
4 出力軸
5 入力回転軸
6 伝達軸
7 前段ユニット
8 中段ユニット
9 後段ユニット
10、10a、10b 入力ディスク
11 出力ディスク
12a、12b パワーローラ
13 ケーシング
14 支柱
15 転がり軸受
16 支持板
17a、17b トラニオン
18 傾転軸
19 支持軸
20 押圧装置
21、21a、21b 油圧室
22 中空回転軸
23 太陽歯車
24 キャリア
25 遊星歯車
26 遊星歯車
27 遊星歯車
28 リング歯車
29 第二太陽歯車
30 第二キャリア
31 低速用クラッチ
32 第三太陽歯車
33 第二リング歯車
34 高速用クラッチ
35 遊星歯車
36 遊星歯車
37 予圧ばね
38 ボールスプライン
39、39a 皿板ばね
40 主部
41 係合突片
42 スプライン孔
43、43a シリンダ部
44 油圧隔壁
45、45a 周壁
46、46a 突壁
47、47a 係合凹部
48 雄スプライン部
49、49a 外径側シールリング
50、50a 内径側シールリング
51 油圧給排路
52 中間係合突片
53 駆動円筒部
54 駆動側係合凹部
55 油圧隔壁
56 段差面

Claims (6)

  1. 駆動源により回転駆動される入力回転軸と、この入力回転軸の一部に、この入力回転軸と同期した回転及びこの入力回転軸の軸方向の変位を可能に支持された、軸方向側面をトロイド曲面である入力側曲面とされた入力ディスクと、この入力側曲面に対向する軸方向側面をトロイド曲面である出力側曲面とされ、この入力ディスクと同心に、且つ、この入力ディスクに対する相対回転を可能に支持された出力ディスクと、これら各ディスクの軸方向に関して前記入力側曲面と前記出力側曲面との間部分で、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心として揺動変位可能に配置された複数個の支持部材と、それぞれがこれら各支持部材に回転自在に支持された状態で、互いに対向する前記出力側曲面と前記入力側曲面との間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの周面と前記出力側、入力側各曲面との転がり接触部であるトラクション部の面圧を確保する為、前記入力ディスクと前記出力ディスクとを互いに近づく方向に押圧する押圧装置と、前記入力回転軸と前記入力ディスクとの間に設けられてこの入力ディスクを前記出力ディスクに向け、軸方向に押圧する事により、前記押圧装置が押圧力を発生しない状態でも前記入力ディスクを前記出力ディスクに向け押圧して前記各トラクション部に面圧を付与する予圧ばねとを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、
    この予圧ばねとして全体が円輪状の皿板ばねを使用し、この皿板ばねの内周縁部を前記入力回転軸に、この入力回転軸と同期して回転する様に係止すると共に、この皿板ばねの外径寄り部分を、前記入力ディスクのうちで前記入力側曲面と軸方向反対側部分に、回転力の伝達を可能に係合させる事により、前記入力回転軸と前記入力ディスクとの間のトルク伝達を、前記皿板ばねを介して行わせるものであり、
    前記皿板ばねの外周縁の周方向複数箇所に、径方向外方に突出する係合突片を、前記入力ディスクのうちで前記入力側曲面と軸方向反対側端面の径方向外寄り部分に突設した円筒状の突壁の先端縁部の周方向複数箇所に係合凹部を、それぞれ形成し、これら各係合凹部と前記各係合突片とを係合させて、前記皿板ばねと前記入力ディスクとの間のトルク伝達を可能としている事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 駆動源により回転駆動される入力回転軸と、この入力回転軸の一部に、この入力回転軸と同期した回転及びこの入力回転軸の軸方向の変位を可能に支持された、軸方向側面をトロイド曲面である入力側曲面とされた入力ディスクと、この入力側曲面に対向する軸方向側面をトロイド曲面である出力側曲面とされ、この入力ディスクと同心に、且つ、この入力ディスクに対する相対回転を可能に支持された出力ディスクと、これら各ディスクの軸方向に関して前記入力側曲面と前記出力側曲面との間部分で、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心として揺動変位可能に配置された複数個の支持部材と、それぞれがこれら各支持部材に回転自在に支持された状態で、互いに対向する前記出力側曲面と前記入力側曲面との間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの周面と前記出力側、入力側各曲面との転がり接触部であるトラクション部の面圧を確保する為、前記入力ディスクと前記出力ディスクとを互いに近づく方向に押圧する押圧装置と、前記入力回転軸と前記入力ディスクとの間に設けられてこの入力ディスクを前記出力ディスクに向け、軸方向に押圧する事により、前記押圧装置が押圧力を発生しない状態でも前記入力ディスクを前記出力ディスクに向け押圧して前記各トラクション部に面圧を付与する予圧ばねとを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、
    この予圧ばねとして全体が円輪状の皿板ばねを使用し、この皿板ばねの内周縁部を前記入力回転軸に、この入力回転軸と同期して回転する様に係止すると共に、この皿板ばねの外径寄り部分を、前記入力ディスクのうちで前記入力側曲面と軸方向反対側部分に、回転力の伝達を可能に係合させる事により、前記入力回転軸と前記入力ディスクとの間のトルク伝達を、前記皿板ばねを介して行わせるものであり、
    前記皿板ばねの外周縁の周方向複数箇所に、径方向外方に突出する係合突片を、前記入力ディスクのうちで前記入力側曲面と軸方向反対側端面の径方向外寄り部分に突設した円筒状の突壁の内周面の周方向複数箇所に係合凹部を、それぞれ形成し、これら各係合凹部と前記各係合突片とを係合させて、前記皿板ばねと前記入力ディスクとの間のトルク伝達を可能としている事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 前記押圧装置が、前記入力回転軸の端部に設けた油圧隔壁と、前記入力ディスクのうちで前記入力側曲面と軸方向反対側端面との間に設けられた油圧室内に油圧を導入する事により押圧力を発生させる油圧式であり、前記皿板ばねがこの油圧室内に配置されている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  4. 前記皿板ばねの内周縁部に形成した雌スプライン部と前記入力回転軸の外周面に形成された雄スプライン部とをスプライン係合させて、これら皿板ばねと入力回転軸とを同期して回転させる、請求項1〜のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  5. 駆動源により回転駆動される入力回転軸と、この入力回転軸の一部に、この入力回転軸と同期した回転及びこの入力回転軸の軸方向の変位を可能に支持された、軸方向側面をトロイド曲面である入力側曲面とされた入力ディスクと、この入力側曲面に対向する軸方向側面をトロイド曲面である出力側曲面とされ、この入力ディスクと同心に、且つ、この入力ディスクに対する相対回転を可能に支持された出力ディスクと、これら各ディスクの軸方向に関して前記入力側曲面と前記出力側曲面との間部分で、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心として揺動変位可能に配置された複数個の支持部材と、それぞれがこれら各支持部材に回転自在に支持された状態で、互いに対向する前記出力側曲面と前記入力側曲面との間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの周面と前記出力側、入力側各曲面との転がり接触部であるトラクション部の面圧を確保する為、前記入力ディスクと前記出力ディスクとを互いに近づく方向に押圧する押圧装置と、前記入力回転軸と前記入力ディスクとの間に設けられてこの入力ディスクを前記出力ディスクに向け、軸方向に押圧する事により、前記押圧装置が押圧力を発生しない状態でも前記入力ディスクを前記出力ディスクに向け押圧して前記各トラクション部に面圧を付与する予圧ばねとを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、
    前記入力ディスクが、前記入力回転軸の軸方向両端部に、それぞれの入力側曲面を互いに対向させた状態で、この入力回転軸と同期した回転を可能に1対支持されており、
    前記出力ディスクが、軸方向両側面をそれぞれ出力側曲面としており、前記入力回転軸の中間部周囲に、この入力回転軸に対する相対回転を可能に支持されており、
    この入力回転軸のうちで前記押圧装置を設けた側の端部に隣接した状態で、この入力回転軸及び前記両入力ディスクを回転駆動する為の入力軸が、この入力回転軸と同心に配置されており、
    前記予圧ばねとして全体が円輪状の皿板ばねを使用し、この皿板ばねの内周縁部を前記入力回転軸に、この入力回転軸と同期して回転する様に係止すると共に、この皿板ばねの外径寄り部分を、前記押圧装置側の入力ディスクのうちで前記入力側曲面と軸方向反対側部分に、回転力の伝達を可能に係合させる事により、前記入力軸から、前記入力回転軸及び前記押圧装置側へのトルク伝達を、前記皿板ばねを介して行わせるものであり、
    前記皿板ばねの内周縁部に形成した雌スプライン部と前記入力回転軸の外周面に形成された雄スプライン部とをスプライン係合させて、これら皿板ばねと入力回転軸とを同期して回転させると共に、この皿板ばねの外周縁の周方向複数箇所に、径方向外方に突出する係合突片を、前記押圧装置側の入力ディスクのうちで前記入力側曲面と軸方向反対側端面の径方向外寄り部分に突設した円筒状の突壁の先端縁部の周方向複数箇所に係合凹部を、それぞれ形成し、これら各係合凹部と前記各係合突片とを係合させて、前記皿板ばねと前記押圧装置側の入力ディスクとの間のトルク伝達を可能にしており、この皿板ばねの径方向中間部の周方向複数箇所に前記押圧装置側の入力ディスクと反対側に突出する状態で形成した中間係合突片を、前記入力軸の先端部にこの入力軸と同心に設けた駆動円筒部の先端縁の周方向複数箇所に形成した駆動側係合凹部に係合させて、前記入力軸と前記皿板ばねとの間のトルク伝達を可能にしている事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  6. 前記押圧装置側の入力ディスクに突設した円筒状の突壁が、油圧式の押圧装置を構成する為のシリンダ筒であり、このシリンダ筒に油密に、且つ、このシリンダ筒に対する軸方向の変位を可能に内嵌した油圧隔壁の内径寄り部分を前記入力回転軸に対し、油密に、且つ、前記押圧装置側の入力ディスクから離れる方向の変位を阻止した状態で外嵌しており、前記油圧隔壁の軸方向片側面と、この押圧装置側の入力ディスクのうちで前記入力側曲面と軸方向反対側端面との間を油圧室とし、この油圧室内に油圧を導入する事により前記押圧装置に押圧力を発生させる、請求項に記載したトロイダル型無段変速機。
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