JP5953593B2 - 電線への端子圧着構造 - Google Patents

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Description

本発明は、電線への好適な端子圧着構造に関する。
従来、自動車等の車両に配索される電線には、銅製の複数の素線を撚り合わせてなる銅電線が用いられていた。ところで近年、車両の軽量化を図るため、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる素線を撚り合わせてなるアルミニウム電線が車両の配線材として用いられるようになっている。しかしながら、アルミニウム電線は、銅と比較して素線の外面に形成される酸化皮膜が厚く且つ硬質であり、さらに絶縁性を有している。そのため、導体に端子を圧着しても接触抵抗が高くなってしまう。
酸化皮膜を除去し導体と端子との接触抵抗を低くする手段として、端子の内面に端子の長手方向に交差して溝状のセレーションを設け、この端子を導体に圧着する構成が知られている。上記構成によれば素線が電線の長手方向に延伸しセレーションのエッジに摺接することにより、酸化皮膜が引き裂かれ破壊することができる。
しかしながら、端子を導体に強く圧着した場合、導体の断面積が圧縮し導体に作用する応力が高くなり端子の圧着強度が低下してしまう。一方で、力を弱めて圧着した場合、酸化皮膜を効果的に破壊することができなくなる。
そこで、下記特許文献1では、アルミニウム電線の導体と端子との接触抵抗の低減と、端子の圧着強度の確保とを目的とした電線への端子圧着構造が提案されている。図13において電線101は、複数の素線102を撚り合わせてなる導体103を有しており、端末部において絶縁被覆104が剥がされ、導体103が露出されている。
露出された導体103は、下型107に形成された凹部108に載置される。そして、断面が略二山形の凹部106が形成された上型105を下降させ導体103を挟み込んで加圧するとともに超音波振動を与える。以上により、凹部106,108に接する素線102の表面の酸化皮膜が破壊され、素線102同士が溶接されて図14に示す所定の形状に形成される(以下、導体103を加圧し超音波振動を与え、素線102同士を溶接して所定の形状に形成することを「プレフォーミング」という)。
次に、プレフォーミング後の導体103を図14における端子200の底板部201に載置する。そして、加締め部202を導体103に巻き付けるように加締めていくことにより、電線の端子接続構造100における電線101に対する端子200の圧着が完了する(図15参照)。
特開2011−90804号公報
ところで、上記従来技術にあっては、導体103に端子200を圧着する作業に先立ち、導体103を上型105及び下型107によって挟み込んで加圧するとともに、超音波振動を与えて素線102の外面の酸化皮膜を破壊し、素線102同士を溶接して所定の形状に形成する作業(プレフォーミング)を必要とする。従って、作業工数の増加による製造コストの増加という問題点を有している。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、電線の導体と端子との接触抵抗の低減と端子の圧着強度を維持しつつ、製造コストの低減を図ることができる電線への端子圧着構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明の電線への端子圧着構造は、複数の素線からなる導体の外側に絶縁被覆が被覆され、端末部に該導体が露出してなる電線と,前記電線の端末部から露出する導体を圧着する圧着部を有する端子と,を備えてなる電線への端子圧着構造において、
前記導体の複数の素線は、
断面が略円形に形成される断面略円形の素線と,断面が多角形に形成され且つ角として形成されている部分の頂部をエッジ部とする断面多角形の素線とによって構成され、
中心となる一の素線には、前記断面多角形の素線が配置され、
前記一の素線の周囲には、前記断面略円形の素線を配置して層状に形成される第一層を備え、
前記第一層の外周には、前記断面多角形の素線と前記断面略円形の素線を交互に隣接して配置され層状に形成される第二層を備え、
前記第二層の外周には、前記断面多角形の素線と前記断面略円形の素線を交互に隣接して配置して層状に形成する、又は前記断面略円形の素線を複数本置いて前記断面多角形の素線を配置して層状に形成する第三層を備えてなり、
前記端子の底板部に載置する前記複数の素線を該底板部の両側に形成される一対の導体加締め部によって前記端子と前記導体とを圧着接続してなることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、断面多角形の素線と、断面略円形の素線とが隣接し、断面略円形の素線の外面に断面多角形の素線のエッジ部が接触するため、断面略円形の素線の外面と断面多角形の素線のエッジ部とが接触する部分の接触面積が小さくなる。そうすると、導体を圧着したときの断面略円形の素線と断面多角形の素線との接触圧力が大きくなる。これにより、素線の外面に形成される酸化皮膜に亀裂が生じて破壊され、素線間の接触抵抗が小さくなる。
請求項2記載の本発明の電線への端子圧着構造は、請求項1に記載の電線への端子圧着構造において、前記断面多角形の素線は、前記圧着部の内面と接する前記断面略円形の素線よりも内側に配置することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、断面多角形の素線は、圧着部の内面と接することがなくなる。そうすると、エッジ部は、圧着部の内面と接触することがなく、断面多角形の素線に隣接する断面略円形の素線の外面にエッジ部を効率的に接触させることができる。これにより、酸化皮膜に、より確実に亀裂を生じさせて破壊することができる。
請求項3記載の本発明の電線への端子圧着構造は、請求項1又は2に記載の電線への端子圧着構造において、前記断面多角形の素線は、前記断面略円形の素線と比較して相対的に硬度が大きいことを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、断面多角形の素線は、断面略円形の素線よりも相対的に硬度が大きくなる。そうすると、導体を圧着したとき、断面多角形の素線と比較して相対的に硬度が小さい断面略円形の素線の外面と、断面略円形の素線と比較して相対的に硬度が大きい断面多角形の素線のエッジ部とが接触する。これにより、接触圧力が大きくなるのに加え、硬度の差によって、断面略円形の素線の外面の酸化皮膜に、より確実に亀裂を生じさせて破壊することができる。
請求項1に記載された本発明によれば、導体を圧着したときの断面略円形の素線と断面多角形の素線との接触圧力が大きくなり、素線の酸化皮膜に亀裂が生じて破壊され素線間の接触抵抗が小さくなる。これにより、導体に超音波振動を与えて素線同士を溶接する工程(プレフォーミング)を必要とせずに酸化皮膜を破壊することができる。従って導体と端子との接触抵抗の低減と端子の圧着強度を維持しつつ、製造コストを低減できるという効果を奏する。
請求項2に記載された本発明によれば、導体を圧着したとき、断面多角形の素線は、圧着部の内面と接することがなく、隣接する断面略円形の素線の外面にエッジ部を効率的に接触させることができる。従って、素線の酸化皮膜に、より確実に亀裂を生じさせて破壊することができ、素線間の接触抵抗をより低減させ、圧着部抵抗を安定させることができるという効果を奏する。
請求項3に記載された本発明によれば、導体を圧着したとき、断面多角形の素線と比較して相対的に硬度が小さい断面略円形の素線の外面と、断面略円形の素線と比較して相対的に硬度が大きい断面多角形の素線のエッジ部とが接触する。従って、接触圧力が大きくなるのに加え、硬度の差によって断面略円形の素線の酸化皮膜に、より確実に亀裂を生じさせて破壊することができ、素線間の接触抵抗をより低減させ、圧着部抵抗を安定させることができるという効果を奏する。
本発明に係る電線への端子圧着構造の実施例1を示す分解斜視図である。 図1における電線の断面図である。である。 図1における電線と端子との圧着方法を説明する図である。 電線と端子とを圧着したときの作用を説明する図である。 電線と端子とが圧着された状態を示す斜視図、及び圧着部の断面図である。 本発明に係る電線への端子圧着構造の実施例2を構成する電線の断面図である。 本発明に係る電線への端子圧着構造の実施例3を構成する電線の断面図である。 本発明に係る電線への端子圧着構造の実施例4を構成する電線の断面図である。 本発明に係る電線への端子圧着構造の実施例5を構成する電線の断面図である。 本発明に係る電線への端子圧着構造の実施例6を構成する電線の断面図である。 本発明に係る電線への端子圧着構造の実施例7を構成する電線の断面図である。 本発明に係る電線への端子圧着構造の実施例8を構成する電線の断面図である。 従来技術における電線と端子との圧着方法を説明する図である。 図13に続く図である。 図14に続く図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施例について詳細に説明する。
図1−図5には、本発明に係る電線への端子圧着構造の実施例1が示されている。
図1は本発明に係る電線への端子圧着構造の実施例を示す分解斜視図、図2は図1における電線のA−A間断面図、図3は図1における電線と端子との圧着方法を説明する図、図4は図2に図示する矢印Aの指示する部分を拡大した図であって、電線と端子とを圧着したときの作用を説明する図、図5(a)は電線と端子とが圧着された状態を示す斜視図、(b)は(a)における端子の圧着部のA−A間断面図である。なお、図中には、適宜、上下方向、左右方向、及び前後方向を示す矢印を図示している。
以下の説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等に合わせて適宜変更することができるものとする。
図1において、引用符号1は、本発明の実施例に係る電線への端子圧着構造を示している。電線への端子圧着構造1は、複数の素線4を撚り合わせてなる導体3を有する電線2と、導体3を圧着する圧着部6を有する端子5とを備えている。以下、先ず電線2の各構成部材について説明する。
電線2は、導体3と、導体3を被覆する絶縁被覆7とを備えて構成されている。絶縁被覆7は、絶縁性を有するポリ塩化ビニル樹脂により形成されている(材料は一例であるものとする。公知の被覆材料から適宜選択したものを用いてもよいものとする)。絶縁被覆7は、導体を保護することが可能な所定の厚さを有するように設けられている。すなわち、電線2は、絶縁被覆7によって導体3が保護された状態となっている。
次に、図2を用いて電線2の導体3の構造についてより詳細に説明する。なお、図2において、複数の素線4のうち、以下に説明する断面略円形の素線8と、断面多角形の素線9とが配置される位置を明確にするため、断面略円形の素線8にはハッチングを施さず、断面多角形の素線9にはハッチングを施すものとする。
導体3は、導電性を有する金属材料からなる複数の素線4を撚り合わせて、断面が略円形となる形状に形成されている。なお、複数の素線4の金属材料の具体例としては、アルミニウム又はアルミニウムを含む金属、例えば、鉄、マグネシウム等のアルミニウム合金により形成されている。
複数の素線4は、断面略円形の素線8と、断面多角形の素線9とに分けられる。断面略円形の素線8は、外面8aを有し、断面が略円形となる形状に形成されている素線である。また、断面多角形の素線9は、断面が多角形(本実施例においては略四角形)となる形状に形成されている素線である。断面多角形の素線9は、断面において多角形の角として形成されている部分(本実施例においては4つ)の頂点となる部分がエッジ部10となっている。なお、断面多角形の素線9は、断面略円形の素線8と比較して相対的に硬度が大きくなるように形成されているものとする。
導体3は、複数の素線4を撚り合わせて断面が略円環状となる形状をなす複数の層12を形成して構成されている。複数の層12は、本実施例において、第一層13、第二層14、及び最外層15の3層から構成されてる(層の数は一例であるものとする)。
本実施例において、引用符号11が示す一の素線として、断面多角形の素線9が用いられている。そして、一の素線11(断面多角形の素線9)の外周を包囲するように第一層13が形成されている。第一層13は、断面略円形の素線8(本実施例においては6本)が配置され、略円環状となる形状に形成されている。第一層13に配置されている断面略円形の素線8は、一の素線11(断面多角形の素線9)と隣接して配置されている。そして、第一層13の断面略円形の素線8は、一の素線11(断面多角形の素線9)のエッジ部10が外面8aに接触するように配置されている。なお、断面略円形の素線8の外面8aと、断面多角形の素線9のエッジ部10とが接触する部分は、接触部分24とされている。
さらに、第一層13の外周を包囲するように第二層14が形成されている。第二層14は、断面略円形の素線8(本実施例においては6本)と、断面多角形の素線9(本実施例においては6本)とが、交互に隣接して配置され、略円環状となる形状に形成されている。そして、第二層14の断面多角形の素線9は、エッジ部10が断面多角形の素線9に隣接する断面略円形の素線8の外面8aに接触するように配置されている。
またさらに、第二層14の外周を包囲するように最外層15が形成されている。最外層15は、断面略円形の素線8(本実施例においては18本)が配置され、略円環状となる形状に形成されている。そして、最外層15の断面略円形の素線8は、第二層14に配置されている断面多角形の素線9のエッジ部10が外面8aに接触するように配置されている。なお、最外層15は、複数の層12のうち、最も外側に形成されている層となる。
このように断面略円形の素線8と、断面多角形の素線9とを配置することにより、断面多角形の素線9は、複数の層12のうち、最外層15よりも内側(本実施例においては、一の素線11、第一層13、及び第二層14)に配置される構成となっている。従って、断面略円形の素線8は、導体3と後述する端子5(図1参照)の圧着部6(図1参照)との圧着の際、圧着部6の内面と接するように配置されている。そして、断面多角形の素線9は、上記圧着の際、圧着部6の内面と接する断面略円形の素線8よりも内側に配置されている。また、最外層15よりも内側では、断面略円形の素線8と、断面多角形の素線9とが交互に混在して配置される構成となっている。そして、最外層15よりも内側に配置された断面多角形の素線9は、最外層15よりも内側に配置された断面略円形の素線8又は最外層15に配置された断面略円形の素線8によって外周を包囲されるように配置される構成となっている。
次に、図1に戻り、端子5の構成について説明する。
端子5は、導電性を有する金属材料からなる一定板厚の板材を所定形状にプレス加工することにより形成されている。本実施例において、板材は、銅又は銅合金によって形成されている。また、本実施例において、板材の表面にはスズメッキが施されているものとする。
端子5は、導体3が載置される底板部16と、底板部16の左右方向の両側から連続し且つ上下方向における上側に突出して形成される一対の導体加締め部17とを有している。底板部16と導体加締め部17の内側には、端子5の左右方向に複数条(本実施例においては3条)のセレーション18が設けられている。セレーション18は、プレスにより溝状に形成されている。底板部16と導体加締め部17は、導体3を圧着する圧着部6とされている。
端子5は、さらに、底板部16の前後方向における前端から連続して設けられ、略円形の取付孔20が貫通形成されている端子接続部19と、導体加締め部17の前後方向の後側において、底板部16の左右方向の両側から連続し且つ上下方向における上側に突出して形成される一対の絶縁被覆加締め部21とを有している。
次に、図3を用いて導体3を端子5の圧着部6に圧着する方法について説明する。
図3は、一対の導体加締め部17の先端部を内側に曲げるための凹状型面22aを有する上型22と、底板部16を載置するために底板部16と係合可能に形成された載置面23aを有する下型23とが開いた状態を示している。圧着作業を行うのに先立って、予め電線2の端末部の絶縁被覆7を予め剥離し、導体3を露出させる。
次に、下型23の載置面23a上に底板部16を載置するとともに、電線2の端末部にて露出された導体2を一対の導体加締め部17の間に挟まれるように底板部16上に載置する。
次に、上型22を下型23に対して下降させることにより圧着部6をプレス成形する。すなわち、上型22の凹状型面22aによって導体加締め部17を徐々に内側に倒していき、最終的に凹状型面22aから山形部22bに連なる湾曲面で導体加締め部17の先端部を折り返すように曲げ、先端部を導体3に食い込ませる。これにより、導体3を包み込むようにして導体加締め部17を加締める。
次に、図4を用いて導体3と、端子5の圧着部6との圧着における断面略円形の素線8と、断面多角形の素線9との接触による作用について説明する。なお、図4は、図2に図示する矢印Aが指示する導体3の一部を拡大し、1本の断面略円形の素線8と、1本の断面多角形の素線9のみを表したものである。
図4において、矢印Bは、導体加締め部17(図3参照)による導体3への圧着による接触荷重を表している。矢印Bの方向に圧着による接触荷重が加わると、断面略円形の素線8の外面8aと、断面多角形の素線9のエッジ部10との接触部分24は、断面略円形の素線8同士が接触する場合と比較して接触面積が小さくなる。そして、断面略円形の素線8と、断面多角形の素線9との接触部分24における接触圧力を大きくすることができる。これにより、断面略円形の素線8の外面8aに形成される酸化皮膜に亀裂を生じさせ、酸化皮膜を破壊することができる。そして、酸化皮膜の破壊により、断面多角形の素線9と、この断面多角形の素線9に隣接する断面略円形の素線8との接触抵抗が低下し、複数の素線4同士の間の接触抵抗を低減することができる。素線4間における接触抵抗の低減を図ることにより、圧着部6における接触抵抗を安定させることができる。
次に、図3に戻って、導体3と、端子5の圧着部6との圧着について説明を続ける。 圧着のため一旦下降させた上型22を上昇させ、導体3と圧着部6との圧着が完了する。上記圧着作業により、図5(a)に示す導体3が圧着部6に圧着された電線2を製造することができる。なお、絶縁被覆加締め部21は、導体3と圧着部6との圧着に先立って、予め電線2の絶縁被覆7を有する部分に加締められる。導体3と圧着部6とが圧着されることにより、導体3と端子5とを電気的及び機械的に強く結合させることができる。
以上、図1−図5に基づいて説明してきたとおり、本実施例によれば、導体3を圧着したときの断面略円形の素線8と断面多角形の素線9との接触圧力が大きくなり、素線4の酸化皮膜に亀裂が生じて破壊され素線4間の接触抵抗が小さくなる。これにより、従来技術のように導体を加圧して超音波振動を与え、素線同士を溶接し導体を所定の形状に形成する工程(プレフォーミング)を必要とせずに酸化皮膜を破壊することができる。従って、導体3と端子5との接触抵抗の低減と端子5の圧着強度を維持しつつ、製造コストを低減することができる。
また、本実施例によれば、導体3を圧着したとき、断面多角形の素線9は、圧着部6の内面と接することがなく、隣接する断面略円形の素線8の外面8aにエッジ部10を効率的に接触させることができる。従って、素線4の酸化皮膜に、より確実に亀裂を生じさせて破壊することができ、素線4間の接触抵抗をより低減させ、圧着部6における抵抗を安定させることができる。
さらに、本実施例によれば、導体3を圧着したとき、断面略円形の素線8の外面8aと、この断面略円形の素線8と比較して相対的に硬度が大きい断面多角形の素線9のエッジ部10とが接触する。従って、断面略円形の素線8と断面多角形の素線9との接触圧力が大きくなるのに加え、硬度の差によって断面略円形の素線8の酸化皮膜に、より確実に亀裂を生じさせて破壊することができ、素線4間の接触抵抗をより低減させ、圧着部6における抵抗を安定させることができる。
他の実施例
図6−図12には、本発明に係る電線への端子圧着構造の実施例2−8が示されている。
本発明に係る電線への端子圧着構造は、上記実施例1の他、下記実施例2−8の何れを用いてもよいものとする。なお、実施例2−8は、何れも実施例1における電線2を変更した点以外は実施例1と同じである。従って、電線以外の構成の説明は省略する。
図6において、実施例2を構成する電線30は、断面多角形の素線9が複数の層12のうち最外層15よりも内側に配置されるのみならず、最外層15にも配置される構成となっている点において実施例1と異なっている。
図7において、実施例3を構成する電線40は、断面多角形の素線41の断面が略三角形となる形状に形成されている点において実施例1と異なっている。断面多角形の素線41は、断面において多角形の角として形成されている部分(本実施例においては3つ)の頂点となる部分がエッジ部42となっている。エッジ部42は、断面が略四角形となる形状に形成される断面多角形の素線9のエッジ部10と比較して鋭角となって形成されている。
図8において、実施例4を構成する電線50は、断面多角形の素線41の断面が略三角形となる形状に形成されている点、及び断面多角形の素線41が複数の層12のうち最外層15よりも内側に配置されるのみならず、最外層15にも配置される構成となっている点において実施例1と異なっている。
図9において、実施例5を構成する電線60は、断面多角形の素線61の断面が略五角形となる形状に形成されている点において実施例1と異なっている。断面多角形の素線61は、断面において多角形の角として形成されている部分(本実施例においては5つ)の頂点となる部分がエッジ部62となっている。
図10において、実施例6を構成する電線70は、断面多角形の素線61の断面が略五角形となる形状に形成されている点、及び断面多角形の素線61が複数の層12のうち最外層15よりも内側に配置されるのみならず、最外層15にも配置される構成となっている点において実施例1と異なっている。
図11において、実施例7を構成する電線80は、断面多角形の素線81の断面が略六角形となる形状に形成されている点において実施例1と異なっている。断面多角形の素線81は、断面において多角形の角として形成されている部分(本実施例においては6つ)の頂点となる部分がエッジ部82となっている。断面多角形の素線81は、断面略円形の素線8に隣接するとともに、エッジ部82が、隣接するすべての断面略円形の素線8の外面8aに接触するように配置されている。
図12において、実施例8を構成する電線90は、断面多角形の素線81の断面が略六角形となる形状に形成されている点、及び断面多角形の素線81が複数の層12のうち最外層15よりも内側に配置されるのみならず、最外層15にも配置される構成となっている点において実施例1と異なっている。
実施例2−8によれば、実施例1と同様の効果を奏する他、特に実施例7,8によれば、導体3を圧着したとき、断面多角形の素線81のエッジ部82すべてが、隣接するすべての断面略円形の素線8の外面8aと接触する。これにより、断面多角形の素線81と、隣接するすべての断面略円形の素線8との間で接触圧力が大きくなる。従って、より効率的に酸化皮膜に亀裂を生じさせ破壊することができ、素線4間の接触抵抗をより低減させ、圧着部6における抵抗を安定させることができる。
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
1…電線への端子圧着構造、 2,30,40,50,60,70,80,90…電線、 3…導体、 4…素線、 5…端子、 6…圧着部、 7…絶縁被覆、 8…断面略円形の素線、 8a…外面、 9,41,61,81…断面多角形の素線、 10,42,62,82…エッジ部、 11…一の素線、 12…複数の層、 13…第一層、 14…第二層、 15…最外層、 16…底板部、 17…導体加締め部、 18…セレーション、 19…端子接続部、 20…取付孔、 21…絶縁被覆加締め部、 22…上型、 22a…凹状型面、 22b…山形部、 23…下型、 23a…載置面、 24…接触部分

Claims (3)

  1. 複数の素線からなる導体の外側に絶縁被覆が被覆され、端末部に該導体が露出してなる電線と,前記電線の端末部から露出する導体を圧着する圧着部を有する端子と,を備えてなる電線への端子圧着構造において、
    前記導体の複数の素線は、
    断面が略円形に形成される断面略円形の素線と,断面が多角形に形成され且つ角として形成されている部分の頂部をエッジ部とする断面多角形の素線とによって構成され、
    中心となる一の素線には、前記断面多角形の素線が配置され、
    前記一の素線の周囲には、前記断面略円形の素線を配置して層状に形成される第一層を備え、
    前記第一層の外周には、前記断面多角形の素線と前記断面略円形の素線を交互に隣接して配置され層状に形成される第二層を備え、
    前記第二層の外周には、前記断面多角形の素線と前記断面略円形の素線を交互に隣接して配置して層状に形成する、又は前記断面略円形の素線を複数本置いて前記断面多角形の素線を配置して層状に形成する第三層を備えてなり、
    前記端子の底板部に載置する前記複数の素線を該底板部の両側に形成される一対の導体加締め部によって前記端子と前記導体とを圧着接続してなる
    ことを特徴とする電線への端子圧着構造。
  2. 請求項1に記載の電線への端子圧着構造において、
    前記断面多角形の素線は、
    前記圧着部の内面と接する前記断面略円形の素線よりも内側に配置される
    ことを特徴とする電線への端子圧着構造。
  3. 請求項1又は2に記載の電線への端子圧着構造において、
    前記断面多角形の素線は、
    前記断面略円形の素線と比較して相対的に硬度が大きい
    ことを特徴とする電線への端子圧着構造。
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