JP5041537B2 - 圧着端子の被覆電線への接続構造 - Google Patents

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Description

本発明は、U字状の被覆加締部を備えたオープンバレルタイプの圧着端子の被覆電線への接続構造に関するものである。
自動車等の車両に配索されるワイヤハーネスには銅電線が一般に使用されている。そして、ワイヤハーネス同士、あるいはワイヤハーネスと車載機器との接続にあたり、ワイヤハーネスの銅電線には端子が取り付けられ、この種の端子は、一般に圧着によって銅電線に取り付けられている。
銅電線へ圧着される端子は、典型的には、銅製の複数の素線を撚り合わせてなる銅電線の導体部が載置される底板部と、底板部に載置された導体部を挟むために底板部に連設された一対の導体加締片と、を備えている。そして、一対の導体加締片は、内側に加締められることで、導体部を底板部との間に挟み込み、それにより端子が銅電線の導体部に圧着される。
ところで近年、銅資源の不足に加え、車両の軽量化やリサイクルの容易性を考慮して、アルミニウム電線が注目されている。しかしながら、アルミニウムは銅に比べて表面に形成される酸化皮膜が厚く、アルミニウム電線では、導体部と端子との間の接触抵抗が比較的高くなる傾向にある。
この接触抵抗を低減することについて、端子の各導体加締片を導体部に強く加締め、導体部の圧縮率を高くする方法が知られている。これによれば、導体部を構成する各素線の酸化皮膜が破壊され、導体部と端子との間の接触抵抗が低減される。尚、本明細書において、導体部の圧縮率とは、圧着前の導体部の断面積に対する圧着後の導体部の断面積の比として規定される。
しかしながら、導体部の圧縮率を高くすることに伴い、導体部に作用する応力も高くなる。そして、アルミニウムは銅に比べて機械的強度に劣り、アルミニウム電線では、導体部に過度の応力が作用すると端子の圧着強度が著しく低下してしまう。そこで、アルミニウム電線と端子との圧着において、導体部と端子との接触抵抗の低減と、端子の圧着強度の確保と、を両立させることを目的としたアルミニウム電線と端子との圧着構造が種々提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に開示された圧着構造では、アルミニウム電線の導体部の断面積に応じて、導体部と端子との接触抵抗の低減と、端子の圧着強度の確保と、を両立し得る導体部の圧縮率を規定している。例えば、導体部の断面積が1.5mm未満のものについては、導体部の圧縮率は50〜70%とされ、導体部の断面積が1.5mm以上のものについては、導体部の圧縮率は40〜70%とされている。尚、銅電線への端子の圧着における導体部の圧着率は、典型的には75〜95%である。
特許文献2に開示された圧着構造では、図4(a)および(b)に示すように、アルミニウム電線201の導体部202に加締められる加締片(バレル)が二対設けられている。そして、圧着された状態で、導体部202の基端側に位置した保持用加締片203の加締め高さ(クリンプハイト)Hbが、導体部202の先端側に位置した導通用加締片204の加締め高さHaよりも高くなるように、段差が設けられた圧着治具を用いて両加締片203,204を導体部202に加締めている。これにより、保持用加締片203による導体部202の圧縮率は銅電線への端子の圧着における導体部の圧縮率と同程度として圧着強度を確保し、導通用加締片204による導体部202の圧縮率は比較的高くして接触抵抗を低減するようにしている。
特開2005−174896号公報 特開2005−50736号公報
上記特許文献1に開示された圧着構造では、導体部の圧縮率が銅電線の場合に比べて総じて高くなっており、端子の圧着強度の低下は避けられない。即ち、アルミニウム電線の圧着部の電気抵抗を銅電線レベルに低く抑えるために、過圧着、例えば導体部の圧縮率を70%以下にした場合、導体部が圧迫され、軸方向に引張荷重を受けた場合に破断しやすくなり、その結果、圧着部の強度が低下するという問題がある。
これに対して、上記特許文献2に開示された圧着構造では、保持用加締片203が加締められた部位と、導通用加締片204が加締められた部位とで、加締め高さHb、Haの違いにより、導体部202に対する圧縮率を変えることができ、保持用加締片203が加締められた部位の導体部202の圧縮率を銅電線の場合と同程度として、端子の圧着強度の低下を回避することができる。しかしながら、上記特許文献2に開示された圧着構造では、導通用加締片204と保持用加締片203との加締め高さを異ならせるように両加締片204、203を導体部202に加締めるために、専用の圧着治具が必要となり、また、導通用加締片204および保持用加締片203の2箇所の高さHa、Hbを管理する必要があり、コストがかかる。また、保持用加締片203による導体部202の圧縮率を銅電線への端子の圧着における導体部の圧縮率と同程度に低く設定して、圧着強度を確保しているが、圧縮率が低くなる分だけ、電気性能(低く安定した電気抵抗)を犠牲にせざるを得ない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、例えばアルミニウム電線に適用した場合にも、該アルミニウム電線に対するダメージを減らしながら、機械的な接続性能(高い引張強度)と電気的な接続性能(低い電気抵抗)の両立を図ることのできる圧着端子の被覆電線への接続構造を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る圧着端子の被覆電線への接続構造は、下記(1)〜(4)を特徴としている。
(1) 被覆電線の先端部における導体を露出させた部分に圧着するための断面U字状の導体圧着部と、該導体圧着部の前記被覆電線の基端側に並べて配置され、前記導体の周りに絶縁被覆の付いた前記被覆電線の部分を加締め固定するための断面U字状の被覆加締部と、前記導体圧着部および前記被覆加締部に連続して設けられた共通の底板部と、を備え、
前記導体圧着部が、前記底板部の両側縁から上方に延長し且つ、接続すべき前記被覆電線の導体を包み込むように内側に曲げられることで前記導体を前記底板部の上面に密着した状態となるように加締める一対の導体加締片を有し、
前記被覆加締部が、前記底板部の両側縁から上方に延長し且つ、接続すべき前記被覆電線の前記導体の周りに前記絶縁被覆の付いた部分を包み込むように内側に曲げられることで前記被覆電線を加締め固定する一対の被覆加締片を有する、
圧着端子の、
被覆電線への接続構造であって、
前記被覆加締部の一対の被覆加締片のうちの一方の被覆加締片を下側にして他方の被覆加締片が上側に重なるように、前記一対の導体加締片が前記絶縁被覆の付いた部分の外周に加締め付けられており、且つ、該被覆加締部の前記被覆電線の基端側に位置する後端部に、前記絶縁被覆の外周から逃げるように外側に斜めに広がるベルマウスが形成されていること。
(2) 上記(1)の構成の接続構造において、
前記ベルマウスの傾斜角度が8°〜35°の範囲に設定されていること。
(3) 上記(1)または(2)の構成の接続構造において、
前記一対の導体加締片の間に前記被覆電線の導体が配置された状態で、前記一対の導体加締片が内側に曲げて加締められることで、前記被覆電線の導体に前記導体圧着部が圧着され、且つ、前記導体圧着部の後端部に、前記導体の表面から逃げるように外側に斜めに広がるベルマウスが形成され、そのベルマウスの傾斜角度が8°〜35°の範囲に設定されていること。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかの構成の接続構造において、
前記被覆電線が、前記導体としてアルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体を有するアルミニウム電線であること。
上記(1)の構成の接続構造によれば、絶縁被覆の付いた部分の外周に被覆加締部の一対の被覆加締片を加締める際に、一方の被覆加締片を下側にして他方の被覆加締片が上側に重なるように加締めて、加締め後の被覆加締部の後端部にベルマウスを形成しているので、被覆加締片の二重加締めによる効果とベルマウスによるリブ効果により、被覆加締部の剛性を増大させることができ、被覆電線に対する締め付け力を増大させることができる。従ってその分だけ、圧着端子の被覆電線に対する接続強度の増大を図ることができ、結果的に導体圧着部を二段に加締める必要がなくなり、導体圧着部の電気性能を犠牲にせずにすむ。また、被覆加締部の後端部にベルマウスがあることにより、被覆加締片のエッジによって絶縁被覆に過度の負荷を与えずにすむようになり、絶縁被覆の傷つきを防止することができる。
上記(2)の構成の接続構造によれば、被覆加締部の後端部のベルマウスの傾斜角度が8°〜35°の範囲に設定されているので、絶縁被覆の傷つきを有効に回避しながら、ベルマウスの内面と絶縁被覆の表面との接触面圧を維持することができ、それだけ被覆加締部の締付強度を高くすることができる。因みに、ベルマウスの傾斜角度が8°未満になると、被覆加締片のエッジと絶縁被覆が接触しやすくなり、絶縁被覆に傷つきが発生しやすくなる。また、ベルマウスの傾斜角度が35°を超えると、ベルマウスの内面と被覆電線の表面との間に隙間が生じやすくなり、接触面圧による締め付け効果が小さくなる。
上記(3)の構成の接続構造によれば、導体圧着部の後端部に形成されているベルマウスの傾斜角度が8°〜35°の範囲に設定されているので、電線破断部位の導体の肉厚を大きく維持することができ、それだけ導体の破断強度を高めることができる。また、ベルマウスの内面と導体の表面との接触面圧を維持することができ、それだけ導体圧着部の締付強度を高く維持することができる。その結果、圧着端子の被覆電線に対する接続強度の向上が図れる。因みに、ベルマウスの傾斜角度が8°未満になると、ベルマウスのエッジと導体の表面が過度に接触することになり、導体に傷つきが発生しやすくなる。また、ベルマウスの傾斜角度が35°を超えると、ベルマウスの内面と導体の表面との間に隙間が生じやすくなり、接触面圧による締め付け効果が小さくなる。
上記(4)の構成の接続構造によれば、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体を有するアルミニウム電線に対して適用したので、銅製の導体に比べて引張強度や延性に劣るアルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体に対して過度の負担をかけることなく、圧着作業を実施することができる。
本発明によれば、アルミニウム電線に適用した場合にも、電線に対するダメージを減らしながら、機械的な接続性能と電気的な接続性能の両立を図ることができ、信頼性の高い端子接続構造とすることができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)〜(d)は実施形態の圧着端子のアルミニウム電線(以下、“被覆電線”とも記述する。)に対する接続構造を説明するための図であって、図1(a)は圧着端子に被覆電線を接続した状態を示す外観側面図、図1(b)は図1(a)のIb部の拡大斜視図、図1(c)は図1(b)のIc−Ic矢視断面図、図1(d)は図1(b)のId−Id矢視断面図である。また、図2(a)および(b)は図1(a)のII矢視で示すベルマウス部分の断面図であって、図2(a)はベルマウスの傾斜角度が大き過ぎる場合を示す図、そして図2(b)はベルマウスの傾斜角度が適正な範囲にある場合を示す図である。また、図3(a)は導体圧着部のベルマウスの傾斜角度と保持強度(引張強度)との関係を示す特性図、そして図3(b)は導体圧着部と被覆加締部を足した保持強度(引張強度)と被覆加締部のベルマウスの傾斜角度との関係を示す特性図である。
ここで使用する圧着端子1は、導電性金属製(主に銅や銅合金)の板体をプレス成形することにより形成されたものであって、被覆電線Wの延びる方向、即ち、圧着端子1の長手方向(以下、この方向を「前後方向」、これと直交する方向を「左右方向」と記述する。)の前端側に相手方端子と接触して電気的に接続するための電気接続部2を備え、後端側に被覆電線Wの先端部に固定される電線固定部3を備えている。電線固定部3は、被覆電線Wの先端部の露出導体Wa(即ち、撚線等の形態の複数の素線の束からなる導体Waと、該導体の外周を被覆するように形成された絶縁被覆Wbと、を備えた被覆電線Wの先端部において、絶縁被覆Wbから露出された導体Waの部分のことである。)に加締められる前側の導体圧着部4と、被覆電線の絶縁被覆Wbを有する部分に加締められる後側の被覆加締部5とを備えており、これら電気接続部2と導体圧着部4と被覆加締部5は、共通の底板部11を含むものとして構成されている。
導体圧着部4は、電気接続部2から連続する底板部11の左右方向両側縁に、一対の導体加締片14を上方に延長するように起立形成した断面U字状の部分である。また、被覆加締部5は、底板部11の左右方向両側縁に、一対の被覆加締片15を上方に延長するように起立形成した断面U字状の部分である。被覆加締部5と導体圧着部4は、圧着端子1の前後方向に適当な間隔をおいて並設(より簡潔に述べると、隣接して配置)されている。ここで、一対の被覆加締片15の高さや幅は、後述するように絶縁被覆Waの外周に互いに重なるように加締めるのに十分な寸法に設定されている。
この圧着端子1を被覆電線Wに接続するには、上型と下型を用いて、一対の導体加締片14を内側にカールを描くように曲げることにより、導体圧着部4を被覆電線Wの先端部の露出導体Waに圧着すると共に、一対の被覆加締片15を内側にカールを描くように曲げることにより、被覆加締部5を被覆電線Wの絶縁被覆Wbを有する部分に加締める。
この際、重要なことは、被覆加締部5の一対の被覆加締片15のうちの一方の被覆加締片15を下側にして他方の被覆加締片15が上側に重なるように、一対の導体加締片15を絶縁被覆Waの付いた部分の外周に加締める。しかも、被覆加締部5の被覆電線Wの基端側に位置する後端部に、絶縁被覆Wbの外周から逃げるように外側に斜めに広がるベルマウス15aを形成するように加締める。また、そのベルマウス15aの傾斜角度(即ち、逃げ角度)θを、8°〜35°の範囲に設定することである。
また、導体圧着部4の導体加締片14の加締めに際しては、導体圧着部4の少なくとも後端部に、導体Waの表面から逃げるように外側に斜めに広がるベルマウス14aが形成されように加締めを行ない、特にそのベルマウス14aの傾斜角度が8°〜35°の範囲となるように加締めることである。このように加締めを行なうことにより、図1(b)〜(d)に示すように、後端部に所定角度θ(=8°〜35°)のベルマウス15aを有する被覆加締部5が得られると共に、図2(b)に示すように、後端部に所定角度α(=8°〜35°)のベルマウス14aを有する導体加締部4が得られる。
これらのベルマウス14a、15aは、加締部の隣に非加締部を確保して加締めを実行することにより、自然に形成することができる。即ち、実際に加締部の内側の電線部分には大きな圧縮力が作用するが、非加締部の内側の電線部分にはほとんど圧縮力がかからない。また、導体加締片14や被覆加締片15に加わる圧縮力も、加締部と非加締部で同様の違いがある。そのため、電線側や導体加締片14及び被覆加締片15の圧縮変形に応じた傾斜角度(即ち、逃げ角度)α、θのベルマウス14a、15aが、導体圧着部4や被覆加締部5の端部にできる。
以上のように、本実施形態の接続構造では、絶縁被覆Wbの付いた部分の外周に被覆加締部5の一対の被覆加締片15を加締める際に、一方の被覆加締片15を下側にして他方の被覆加締片15が上側に重なるように加締めて、加締め後の被覆加締部5の後端部にベルマウス15aを形成しているので、被覆加締片15の二重加締めによる効果とベルマウス15aによるリブ効果により、被覆加締部5の剛性を増大させることができ、被覆電線Wに対する締め付け力を増大させることができる。従って、その分だけ、圧着端子1の被覆電線Wに対する接続強度の増大を図ることができる。
その結果、導体圧着部4と被覆加締部5の合計で負担していた接続強度のうち、被覆加締部5で負担する接続強度の割合を大きくとることができるようになり、その分、導体圧着部4での圧着を、機械的な強度よりも電気的な性能の向上を重視しながら圧縮率を高めに設定して行なうことができるようになり、従来のように導体圧着部5を二段に加締める必要がなくなって、導体圧着部5の電気性能を犠牲にせずにすむ。
また、被覆加締部5の後端部にベルマウス15aがあることにより、被覆加締片15のエッジによって絶縁被覆Wbに過度の負荷を与えずにすむようになり、絶縁被覆Wbの傷つきを防止することができる。
また、被覆加締部5の後端部のベルマウス15aの傾斜角度が8°〜35°の範囲に設定されているので、絶縁被覆Wbの傷つきを有効に回避しながら、ベルマウス151の内面と絶縁被覆Wbの表面との接触面圧を維持することができ、それだけ被覆加締部5の締付強度を高くすることができる。
因みに、ベルマウス15aの傾斜角度が8°未満になると、被覆加締片15のエッジと絶縁被覆Wbが接触しやすくなり、絶縁被覆Wbに傷つきが発生しやすくなる。また、ベルマウス15aの傾斜角度が35°を超えると、ベルマウス15aの内面と被覆電線Wbの表面との間に隙間が生じやすくなり、接触面圧による締め付け効果が小さくなる。
また、本実施形態の接続構造によれば、導体圧着部4の後端部にベルマウス14aが形成されており、そのベルマウス14aの傾斜角度αが、図2(b)に示すように、8°〜35°の範囲に設定されているので、電線破断部位の導体Waの肉厚H(導体の断面高さ)を大きく維持することができ、それだけ導体Waの破断強度を高めることができる。また、ベルマウス14aの内面と導体Waの表面との接触面圧Fを維持することができ、それだけ導体圧着部4の締付強度を高く維持することができる。その結果、圧着端子1の被覆電線Wに対する接続強度の向上が図れる。
因みに、ベルマウス14aの傾斜角度αが8°未満になると、ベルマウス14aのエッジ14eと導体Waの表面が過度に接触することになり、導体Waに傷つきが発生しやすくなる。また、図2(a)に示すようにベルマウス14aの傾斜角度αが35°を超えると、ベルマウス14aの内面と導体Waの表面との間に隙間が生じやすくなり、接触面圧による締め付け効果が小さくなる。
このことは、図3(a)に示す特性図から明らかである。即ち、導体圧着部4のベルマウス14aの傾斜角度αが8°〜35°の範囲にある場合は、導体圧着部4の電線に対する保持強度は高く維持されるが、それを外れると、特に35°を超えると、保持強度は極端に低下する傾向を示す。従って、ベルマウス14aの傾斜角度αを8°〜35°の範囲に設定することで、保持強度を高めることができることが分かる。
また、図3(b)に示すように、被覆加締部5のベルマウス15aの傾斜角度θについて見てみると、傾斜角度θが35°を超えると、導体圧着部4と被覆加締部5を足した保持強度が徐々に低下する傾向を示すことが分かる。
以上のことから、本実施形態の接続構造によれば、被覆電線Wに対するダメージを減らしながら、機械的な接続性能(高い引張強度)と電気的な接続性能(低い電気抵抗)の両立を図ることができる。特に、本実施形態は、アルミニウム電線Wに対して適用したので、銅製の導体に比べて引張強度に劣るアルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体に対して過度の負担をかけることなく、圧着作業を実施することができる。また、被覆電線Wの絶縁被覆Wbがハロゲン元素を含む樹脂である場合にも、絶縁被覆Wbの切れを有効に防ぐことができる。尚、アルミニウム合金の具体例としては、アルミニウムと鉄との合金を挙げることができる。当該アルミニウム合金を採用した場合、アルミニウム製の導体に比べて、延び易く、強度(特に引っ張り強度)を増すことができる。
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
図1(a)〜(d)は実施形態の圧着端子の被覆電線に対する接続構造を説明するための図であって、図1(a)は圧着端子に被覆電線を接続した状態を示す外観側面図、図1(b)は図1(a)のIb部の拡大斜視図、図1(c)は図1(b)のIc−Ic矢視断面図、そして図1(d)は図1(b)のId−Id矢視断面図である。 図2(a)および(b)は図1(a)のII矢視で示すベルマウス部分の断面図であって、図2(a)はベルマウスの傾斜角度が大き過ぎる場合を示す図、そして図2(b)はベルマウスの傾斜角度が適正な範囲にある場合を示す図である。 図3(a)および(b)は実施形態の接続構造における特性図であって、図3(a)は導体圧着部のベルマウスの角度と保持力の関係を示す特性図、そして図3(b)は被覆加締部のベルマウスの角度と保持力の関係を示す特性図である。 図4(a)は従来のアルミニウム電線と端子との圧着構造を示す平面図、そして図4(b)は圧着構造の側面図である。
符号の説明
1:圧着端子
4:導体圧着部
5:被覆加締部
11:底板部
14:導体加締片
14a:ベルマウス
15:被覆加締片
15a:ベルマウス
W:被覆電線
Wa:導体
Wb:絶縁被覆

Claims (4)

  1. 被覆電線の先端部における導体を露出させた部分に圧着するための断面U字状の導体圧着部と、該導体圧着部の前記被覆電線の基端側に並べて配置され、前記導体の周りに絶縁被覆の付いた前記被覆電線の部分を加締め固定するための断面U字状の被覆加締部と、前記導体圧着部および前記被覆加締部に連続して設けられた共通の底板部と、を備え、
    前記導体圧着部が、前記底板部の両側縁から上方に延長し且つ、接続すべき前記被覆電線の導体を包み込むように内側に曲げられることで前記導体を前記底板部の上面に密着した状態となるように加締める一対の導体加締片を有し、
    前記被覆加締部が、前記底板部の両側縁から上方に延長し且つ、接続すべき前記被覆電線の前記導体の周りに前記絶縁被覆の付いた部分を包み込むように内側に曲げられることで前記被覆電線を加締め固定する一対の被覆加締片を有する、
    圧着端子の、
    前記被覆電線への接続構造であって、
    前記被覆加締部の一対の被覆加締片のうちの一方の被覆加締片を下側にして他方の被覆加締片が上側に重なるように、前記一対の導体加締片が前記絶縁被覆の付いた部分の外周に加締め付けられており、且つ、該被覆加締部の前記被覆電線の基端側に位置する後端部に、前記絶縁被覆の外周から逃げるように外側に斜めに広がるベルマウスが形成されていることを特徴とする圧着端子の被覆電線への接続構造。
  2. 前記ベルマウスの傾斜角度が8°〜35°の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1に記載した圧着端子の被覆電線への接続構造。
  3. 前記一対の導体加締片の間に前記被覆電線の導体が配置された状態で、前記一対の導体加締片が内側に曲げて加締められることで、前記被覆電線の導体に前記導体圧着部が圧着され、且つ、前記導体圧着部の後端部に、前記導体の表面から逃げるように外側に斜めに広がるベルマウスが形成され、そのベルマウスの傾斜角度が8°〜35°の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載した圧着端子の被覆電線への接続構造。
  4. 前記被覆電線が、前記導体としてアルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体を有するアルミニウム電線であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載した圧着端子の被覆電線への接続構造。
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