JP5953312B2 - タンパク質性プロテアーゼインヒビター並びにこれを含有するタンパク質溶液及び洗剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、タンパク質性プロテアーゼインヒビター並びにこれを含有するタンパク質溶液及び洗剤組成物に関する。
プロテアーゼは、ペプチド結合の加水分解を触媒する酵素群の総称で、微生物、動物及び植物中に広く存在が知られている。その応用分野としては、衣料用洗浄剤、自動食器洗浄機用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、浴用剤、角質除去用化粧料、食品の改質剤(製パン、肉の軟化及び水産加工等)、ビールの清澄剤、皮革なめし剤、写真フィルムのゼラチン除去剤、消化助剤及び消炎剤等があり、多くの分野で盛んに利用されている。
しかしながら、プロテアーゼは、プロテアーゼ自身や他のタンパク質を加水分解してしまい、プロテアーゼ自身や他のタンパク質の活性が経時的に著しく低下するという問題がある。
そこで、プロテアーゼ自身や他のタンパク質の加水分解を抑えるために、プロテアーゼ活性を阻害するプロテアーゼインヒビターの研究が行われている。プロテアーゼインヒビターとしては、例えば、ストレプトマイセス属由来のストレプトマイセススブチリシンインヒビター(SSI)(非特許文献1)や、オオムギ由来のキモトリプシンインヒビター2(非特許文献2)などが知られている。
しかしながら、これらの既知の天然に存在するプロテアーゼインヒビターは、阻害活性が強すぎるものが多く、プロテアーゼ溶液を使用時に希釈しても活性が回復しないという問題がある。
Agricultural and Biological Chemistry,1972,36,p160−163 Journal of Molecular Biology,1983,168,p445−447
本発明は、適度な阻害活性を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビターを提供することを目的とする。具体的には、プロテアーゼ活性を抑制することができ、さらに回復することができるタンパク質性プロテアーゼインヒビターを提供することを目的とする。また、このタンパク質性プロテアーゼインヒビターを含むタンパク質溶液であって、長期保存後もプロテアーゼ活性を保持しているタンパク質水溶液を提供することを目的とする。また、このタンパク質性プロテアーゼインヒビターを含む洗剤組成物であって、長期保存後も洗浄性を保持している洗剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、配列番号1のタンパク質性プロテアーゼインヒビター(BC)のアミノ酸配列(A)の1〜8個のアミノ酸を変更前のアミノ酸とは別のアミノ酸と置換したアミノ酸配列(Y)又は前記アミノ酸配列(Y)と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列(Y’)を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビターであって、下記(1)〜(8)のうち少なくとも1つの条件を満たすタンパク質性プロテアーゼインヒビター;このタンパク質性プロテアーゼインヒビター、プロテアーゼ(D)及び溶剤(E)を含むタンパク質溶液;このタンパク質性プロテアーゼインヒビター、プロテアーゼ(D)、溶剤(E)及び界面活性剤(F)を含む洗剤組成物である。
(1)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の12位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X1)である
(2)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の38位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X2)である
(3)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の48位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X3)である
(4)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の50位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X4)である
(5)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の51位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X5)である
(6)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の52位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X6)である
(7)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の53位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X7)である
(8)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の70位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X8)である
(X1):アミノ酸(X0)のうちGlu以外のアミノ酸
(X2):アミノ酸(X0)のうちVal及びIle以外のアミノ酸
(X3):アミノ酸(X0)のうちMet以外のアミノ酸
(X4):アミノ酸(X0)のうちTyr以外のアミノ酸
(X5):アミノ酸(X0)のうちArg以外のアミノ酸
(X6):アミノ酸(X0)のうちIle以外のアミノ酸
(X7):アミノ酸(X0)のうちAsp以外のアミノ酸
(X8):アミノ酸(X0)のうちArg以外のアミノ酸
(X0):Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gly、Gln、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はVal
本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターは、プロテアーゼの活性を抑制することができ、水等で希釈した際にプロテアーゼの活性を回復することができる。
また、本発明のタンパク質溶液は、長期保存の後でも、プロテアーゼの活性を保持することができる。
また、本発明の洗剤組成物は、長期保存の後でも、良好な洗浄性を保持することができる。
本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターは、配列番号1のタンパク質性プロテアーゼインヒビター(BC)のアミノ酸配列(A)の1〜8個のアミノ酸を変更前のアミノ酸とは別のアミノ酸と置換したアミノ酸配列(Y)又は前記アミノ酸配列(Y)と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列(Y’)を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビターであって、下記(1)〜(8)のうち少なくとも1つの条件を満たすタンパク質性プロテアーゼインヒビターである。
(1)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の12位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X1)である
(2)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の38位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X2)である
(3)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の48位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X3)である
(4)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の50位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X4)である
(5)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の51位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X5)である
(6)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の52位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X6)である
(7)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の53位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X7)である
(8)前記アミノ酸配列(Y)又は(Y’)において、前記アミノ酸配列(A)の70位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X8)である
(X1):アミノ酸(X0)のうちGlu以外のアミノ酸
(X2):アミノ酸(X0)のうちVal及びIle以外のアミノ酸
(X3):アミノ酸(X0)のうちMet以外のアミノ酸
(X4):アミノ酸(X0)のうちTyr以外のアミノ酸
(X5):アミノ酸(X0)のうちArg以外のアミノ酸
(X6):アミノ酸(X0)のうちIle以外のアミノ酸
(X7):アミノ酸(X0)のうちAsp以外のアミノ酸
(X8):アミノ酸(X0)のうちArg以外のアミノ酸
(X0):Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gly、Gln、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はVal
本発明において、タンパク質性プロテアーゼインヒビター(BC)は、配列番号1のアミノ酸配列(A)で表され、プロテアーゼ活性を阻害する能力を有するタンパク質である。タンパク質性プロテアーゼインヒビター(BC)は、コムギ由来スブチリシン/キモトリプシンインヒビターである。
本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターは、配列番号1のタンパク質性プロテアーゼインヒビター(BC)のアミノ酸配列(A)の1〜8個のアミノ酸を変更前のアミノ酸とは別のアミノ酸と置換したアミノ酸配列(Y)又は前記アミノ酸配列(Y)と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列(Y’)を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビターであって、上記(1)〜(8)のうち少なくとも1つの条件を満たすタンパク質性プロテアーゼインヒビターである。
上記(1)の条件において、アミノ酸配列(A)の12位に相当する位置とは、アミノ酸配列(A)の12位そのもの又は後述する相同性解析プログラムによりアミノ酸配列(A)の12位に相当すると判断された位置が含まれる。また、(X1)はアミノ酸(X0)のうちGlu以外のアミノ酸であるが、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Asp、Ala、Asn、Gln、Leu、Lys、Ser、Thr又はValが好ましく、さらに好ましくはAsp、Ala、Asn、Gln又はLysであり、特に好ましくはAla、Asp又はLysである。
上記(2)の条件において、アミノ酸配列(A)の38位に相当する位置とは、アミノ酸配列(A)の38位そのもの又は後述する相同性解析プログラムによりアミノ酸配列(A)の38位に相当すると判断された位置が含まれる。また、(X2)はアミノ酸(X0)のうちVal及びIle以外のアミノ酸であるが、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Ala、Gly、Leu、Phe、Ser、Thr又はTrpが好ましく、さらに好ましくはAla又はLeuであり、特に好ましくはAlaである。
上記(3)の条件において、アミノ酸配列(A)の48位に相当する位置とは、アミノ酸配列(A)の48位そのもの又は後述する相同性解析プログラムによりアミノ酸配列(A)の48位に相当すると判断された位置が含まれる。また、(X3)はアミノ酸(X0)のうちMet以外のアミノ酸であるが、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Ala、Ile、Leu、Ser、Thr、Gly又はValが好ましく、さらに好ましくはAla、Leu、Ser、Gly又はValであり、特に好ましくはAla又はGlyである。
上記(4)の条件において、アミノ酸配列(A)の50位に相当する位置とは、アミノ酸配列(A)の50位そのもの又は後述する相同性解析プログラムによりアミノ酸配列(A)の50位に相当すると判断された位置が含まれる。また、(X4)はアミノ酸(X0)のうちTyr以外のアミノ酸であるが、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Ala、Phe、Gly、Ile、Leu、Ser、Thr又はValが好ましく、さらに好ましくはAla、Phe又はLeuである。
上記(5)の条件において、アミノ酸配列(A)の51位に相当する位置とは、アミノ酸配列(A)の51位そのもの又は後述する相同性解析プログラムによりアミノ酸配列(A)の51位に相当すると判断された位置が含まれる。また、(X5)はアミノ酸(X0)のうちArg以外のアミノ酸であるが、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Ala、Lys、His、Ile、Leu、Ser、Thr又はValが好ましく、さらに好ましくはAla、Lys又はHisである。
上記(6)の条件において、アミノ酸配列(A)の52位に相当する位置とは、アミノ酸配列(A)の52位そのもの又は相同性解析プログラムによりアミノ酸配列(A)の52位に相当すると判断された位置が含まれる。また、(X6)はアミノ酸(X0)のうちIle以外のアミノ酸であるが、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Glu、Ala、Asn、Gln、Leu、Ser、Thr又はValが好ましく、さらに好ましくはAla、Val又はGlnであり、特に好ましくはAla又はValである。
上記(7)の条件において、アミノ酸配列(A)の53位に相当する位置とは、アミノ酸配列(A)の53位そのもの又は後述する相同性解析プログラムによりアミノ酸配列(A)の53位に相当すると判断された位置が含まれる。また、(X7)はアミノ酸(X0)のうちAsp以外のアミノ酸であるが、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Glu、Ala、Asn、Gln、Ile、Leu、Ser、Thr又はValが好ましく、さらに好ましくはGlu、Ala、Asn又はGlnであり、特に好ましくはGlu又はAlaである。
上記(8)の条件において、アミノ酸配列(A)の70位に相当する位置とは、アミノ酸配列(A)の70位そのもの又は後述する相同性解析プログラムによりアミノ酸配列(A)の70位に相当すると判断された位置が含まれる。また、(X8)はアミノ酸(X0)のうちArg以外のアミノ酸であるが、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Ala、Asn、Lys、His、Ile、Leu、Ser、Gly、Thr又はValが好ましく、さらに好ましくはAla、Asn、Gly、Lys、Ile又はLeuであり、特に好ましくはAla、Asn、Gly又はLysである。
本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターは、上記のように、配列番号1のアミノ酸配列の1〜8個のアミノ酸を変更前のアミノ酸とは別のアミノ酸と置換することにより、プロテアーゼ活性を適度に抑制でき、希釈時に回復できるプロテアーゼインヒビターとすることができる。
また、本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターは、プロテアーゼ活性を適度に抑制できるので、プロテアーゼの加水分解を抑えることができ、プロテアーゼ活性の持続性が高い。
なお、本発明において、「プロテアーゼ活性の持続性」とは、希釈時のプロテアーゼ活性について、一定期間保管した後に測定したプロテアーゼ活性と、保管する直前に測定したプロテアーゼ活性との差が小さく、プロテアーゼ活性の比(%){(一定期間保管した後のプロテアーゼ活性)/(保管する直前に測定したプロテアーゼ活性)×100}が100%に近くなり、一定のプロテアーゼ活性を示すことを意味する。
本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターは、アミノ酸配列(A)の1〜8個のアミノ酸を変更前のアミノ酸とは別のアミノ酸と置換したアミノ酸配列(Y)又はアミノ酸配列(Y)と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列(Y’)を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビターであるが、アミノ酸配列(Y)及び(Y’)中におけるアミノ酸の置換数は、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、1〜5個が好ましく、さらに好ましくは1〜3個である。
本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターは、アミノ酸配列(Y)又は(Y’)を少なくとも1つ有すればよく、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から1〜4個が好ましい。
本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターは、アミノ酸配列(Y)又は(Y’)を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビターであり、アミノ酸配列(Y)又は(Y’)のみからなるものでもよく、アミノ酸配列(Y)及び(Y’)のC末端及び/又はN末端にアミノ酸配列(Z)を1個又は複数個有しているものでもよく、これらが繰り返された配列でもよい。
アミノ酸配列(Z)は、アミノ酸1個又はアミノ酸が2個以上結合したペプチド配列である。
アミノ酸配列(Z)を構成するアミノ酸の数は、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、1〜100個が好ましく、さらに好ましくは1〜50個である。
本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターがアミノ酸配列(Z)を有する場合、アミノ酸配列(Z)の個数は、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、1〜100個が好ましい。
また、本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターを構成するアミノ酸配列中のアミノ酸配列(Y)及び(Y’)以外のアミノ酸の数は、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、1〜100個が好ましく、さらに好ましくは1〜50個である。
本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターには、アミノ酸配列(Y)を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビター(B)及びアミノ酸配列(Y’)を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビター(C)が含まれる。
タンパク質性プロテアーゼインヒビター(B)はアミノ酸配列(Y)を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビターであり、具体的には、配列番号2〜29及び37〜39のタンパク質性プロテアーゼインヒビター等が挙げられる。
(B)として、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、配列番号2〜29及び37〜39のものが好ましく、さらに好ましくは配列番号2〜11及び14〜29のものであり、特に好ましくは配列番号3、4、10、11、14〜19、22、23及び25のものである。また、プロテアーゼの持続性の観点から、配列番号2〜4、10〜23及び25のものが好ましく、さらに好ましくは配列番号4、12、14、15、18、19、22、23及び25のものである。
(B)には天然物から抽出したタンパク質性プロテアーゼインヒビター(B−1)及び遺伝子組み換え技術を活用して生産したタンパク質性プロテアーゼインヒビター(B−2)が含まれる。
天然物から抽出したタンパク質性プロテアーゼインヒビター(B−1)には、上記アミノ酸配列(Y)を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビターであって、天然物(例えば、植物や動物の細胞、細胞外組織、種子、微生物の菌体内及び菌体外分泌物等)から抽出したタンパク質性プロテアーゼインヒビターが含まれる。
抽出方法としては、細胞壁や細胞膜の破砕、遠心分離、硫安分画、クロマトグラフィー及び透析などの一般的なタンパク質を天然物から分離する工程が含まれる。
(B−1)のアミノ酸配列は、ペプチドマッピング法等の一般的な方法によって決定することができる。
また、天然物から抽出したタンパク質が、(B−1)に該当するかどうかは、ペプチドマッピング法等の一般的な方法によって抽出タンパク質のアミノ酸配列を決定し、National Center for Biotechnology Informationが提供する相同性解析プログラム「BLAST」の、blastpアルゴリズム(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)を用いて相同部分を検索することにより決定できる。
宿主生産したタンパク質性プロテアーゼインヒビター(B−2)としては、特許第3338441号公報に記載されている遺伝子組み換え法により組み換えた遺伝子を用いて、適当な宿主に形質転換し、当該組換え宿主を培養し、培養物から採取することにより得たものが含まれる。具体的には、アミノ酸配列が配列番号1であるタンパク質をコードする遺伝子配列を含む遺伝子配列をクローニングし、クローニングした遺伝子配列の一部を上記(1)〜(8)のうち少なくとも1つの条件を満たすアミノ酸配列をコードする遺伝子に置換(以下、「変異」ともいう)して得られた変異遺伝子を用いて適当な宿主に形質転換し、当該組換え宿主を培養し、培養物から採取することにより得られる。
遺伝子のクローニングは、一般的な遺伝子組換え技術を用いればよく、例えばcDNAライブラリ法及び人工合成遺伝子を用いる方法等が挙げられる。遺伝子変異手段としては、一般的に行われている部位特異的変異の方法でよく、具体的には、Quick Change Site−Directed Mutagenesis Kit(アジレント・テクノロジー社)等を用いた方法が挙げられる。
上記変異遺伝子を用いて(B−2)を生産する方法は、目的とする宿主内で遺伝子を発現するのに適した任意のベクターに、上記変異遺伝子を組込んだ組換えベクターを用いて宿主を形質転換し、組み換えベクターを含む形質転換体を得る。得られた形質転換体を培養し、当該培養液から(B−2)を採取すればよい。
本発明において組換えベクターは、適当なベクターに上記変異遺伝子を挿入することによって得ることができる。
ベクターは種々のものが公知であり、市販品も多く存在する。当業者であれば、宿主の種類に応じて適切なベクターを容易に選択することができる。ベクターの具体例としては、pETシリーズ及びpUCシリーズ等が挙げられる。
組換えベクターの調製方法自体は周知の常法である。適当なベクターに変異遺伝子を挿入し、宿主を形質転換する具体的な方法としては、エレクトロポレーション法及びカルシウム法等が挙げられる。
本発明において宿主としては、動物細胞、微生物及び植物細胞等が挙げられる。
動物細胞としては、特に限定されないが、昆虫細胞、サル細胞COS−7、Vero、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞及びCHO細胞等が挙げられる。
昆虫細胞としては、特に限定されないが、Sf9細胞及びSf21細胞等が挙げられる。
微生物としては、特に限定されないが、細菌及び酵母等が挙げられる。
細菌としては、真正細菌及び古細菌が含まれる。
真正細菌には、グラム陰性菌及びグラム陽性菌が含まれる。グラム陰性細菌としては、エシェリチア属菌(Escherichia)、サーマス属菌(Thermus)、リゾビウム属菌(Rhizobium)、シュードモナス属菌(Pseudomonas)、シュワネラ属菌(Shewanella)、ビブリオ属菌(Vibrio)、サルモネラ属菌(Salmonella)、アセトバクター属(Acetobacter属)、シネコシスティス属(Synechocystis属)等が挙げられる。グラム陽性菌としては、バチルス属(Bacillus属)、ストレプトマイセス属(Streptmyces属)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium属)、ブレビバチルス属(Brevibacillus属)、ビフィドバクテリウム属 (Bifidobacterium属)、ラクトコッカス属(Lactococcus属)、エンテロコッカス属 (Enterococcus属)、ペディオコッカス属(Pediococcus属)、リューコノストック属 (Leuconostoc属)及びストレプトマイセス属(Streptomyces属)等が挙げられる。
植物細胞としては、特に限定されないが、BY−2細胞等が挙げられる。
本発明において、宿主としては、クローニングの容易さの観点から、微生物が好ましく、さらに好ましくはエシェリチア属菌(Escherichia)、サーマス属菌(Thermus)、リゾビウム属菌(Rhizobium)、シュードモナス属菌(Pseudomonas)、シュワネラ属菌(Shewanella)、ビブリオ属菌(Vibrio)、サルモネラ属菌(Salmonella)、アセトバクター属(Acetobacter属)シネコシスティス属(Synechocystis属)、バチルス属(Bacillus属)及びブレビバチルス属(Brevibacillus属)であり、特に好ましくはエシェリチア属菌(Escherichia)、シュワネラ属菌(Shewanella)、バチルス属(Bacillus属)及びブレビバチルス属(Brevibacillus属)である。
培養は微生物の資化可能な炭素源、窒素源その他の必須栄養素を含む培地に接種し、常法に従って行えばよい。
本発明において、培養液から(B−2)を採取及び精製する方法としては、常法に準じて行うことができる。例えば、培養物から遠心分離又は濾過することで菌体を除き、得られた培養上清液から常法手段により目的酵素を濃縮することができる。このようにして得られた酵素液又は乾燥粉末はそのまま用いることもできるが、さらに公知の方法により結晶化や造粒化することができる。
本発明において、(C)は、アミノ酸配列(Y)と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列(Y’)を有するものである。アミノ酸配列(Y)とアミノ酸配列(Y’)との相同性は、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、90%以上の相同性を有することが好ましく、さらに好ましくは95%以上の相同性を有することであり、最も好ましくは97%以上の相同性を有することである。
アミノ酸配列の相同性は、National Center for Biotechnology Informationが提供する相同性解析プログラム「BLAST」の、blastpアルゴリズムを用いて解析する(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)。
アミノ酸配列(Y)と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列(Y’)を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビター(C)として、具体的には、配列番号30〜36のタンパク質性プロテアーゼインヒビターが挙げられる。
(C)として、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、配列番号30〜32及び34〜36のタンパク質性プロテアーゼインヒビターが好ましい。また、(C)として、プロテアーゼ活性の持続性の観点から、配列番号31及び33〜36のタンパク質性プロテアーゼインヒビターが好ましい。
(C)には、天然物から抽出したタンパク質性プロテアーゼインヒビター(C−1)及び宿主生産したタンパク質性プロテアーゼインヒビター(C−2)が含まれる。
天然物から抽出したタンパク質性プロテアーゼインヒビター(C−1)には、(B)のアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列(Y’)を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビターであって、上記(1)〜(8)のうち少なくとも1つの条件を満たし、天然物(例えば、植物や動物の細胞、細胞外組織、種子、微生物の菌体内及び菌体外分泌物等)から抽出したものが含まれる。
抽出方法としては、細胞壁や細胞膜の破砕、遠心分離、硫安分画、クロマトグラフィー及び透析などの一般的なタンパク質を天然物から分離する工程が含まれる。
(C−1)のアミノ酸配列は、ペプチドマッピング法等の一般的な方法によって決定することができる。
また、天然物から抽出したタンパク質が、(C−1)に該当するかどうかは、ペプチドマッピング法等の一般的な方法によって抽出タンパク質のアミノ酸配列を決定し、DNAデータバンクジャパンの提供する配列比較プログラム「ClustalW」(http://clustalw.ddbj.nig.ac.jp/top−j.html)を用いて(B)に相当する配列部分を検索し、さらに(B)に相当する配列部分と(B)との相同性をNational Center for Biotechnology Informationが提供する相同性解析プログラム「BLAST」の、blastpアルゴリズムを用いて解析することで、相同性が80%以上であるかを確認することができる(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)。
宿主生産したタンパク質性プロテアーゼインヒビター(C−2)としては、特許第3338441号公報に記載されている遺伝子組み換え法によって組み換えた遺伝子を用いて、適当な宿主に形質転換し、当該組換え宿主を培養し、培養物から採取することにより得たものが含まれる。
具体的には、(B)のアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列又は上記(1)〜(8)の条件で指定している部位以外のアミノ酸配列が(B)と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列をコードする遺伝子配列をクローニングし、クローニングした遺伝子配列の一部を上記(1)〜(8)のうち少なくとも1つの条件を満たすアミノ酸配列をコードする遺伝子に置換して得られた変異遺伝子を用いて適当な宿主に形質転換し、当該組換え宿主を培養し、培養物から採取することにより得られる。
遺伝子のクローニングは、一般的な遺伝子組換え技術を用いればよく、例えばcDNAライブラリ法及び人工合成遺伝子を用いる方法等が挙げられる。遺伝子変異手段としては、一般的に行われている部位特異的変異の方法でよく、具体的には、Quick Change Site−Directed Mutagenesis Kit(アジレント・テクノロジー社)等を用いた方法が挙げられる。
上記変異遺伝子を用いて(C−2)を生産する方法は、目的とする宿主内で遺伝子を発現するのに適した任意のベクターに、上記変異遺伝子を組込んだ組換えベクターを用いて宿主を形質転換し、組み換えベクターを含む形質転換体を得る。得られた形質転換体を培養し、当該培養液から(C−2)を採取すればよい。
本発明において組換えベクターは、適当なベクターに上記変異遺伝子を挿入することによって得ることができる。ベクターの具体例としては、上記(B−2)と同様である。
また、宿主としては、上記(B−2)と同様のものが好ましい。
培養は微生物の資化可能な炭素源、窒素源その他の必須栄養素を含む培地に接種し、常法に従って行えばよい。
本発明において、培養液から(C−2)を採取及び精製する方法としては、常法に準じて行うことができる。例えば、培養物から遠心分離又は濾過することで菌体を除き、得られた培養上清液から常法手段により目的酵素を濃縮することができる。このようにして得られた酵素液又は乾燥粉末はそのまま用いることもできるが更に公知の方法により結晶化や造粒化することができる。
本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビター(B)及び(C)は、公知のプロテアーゼインヒビターと同様に使用できる。
また、本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビター(B)及び(C)は、プロテアーゼの活性を抑制することができ、希釈した際に効率よくプロテアーゼの活性を回復することができるので、プロテアーゼ保存用添加剤及び衣料用洗浄剤用添加剤をはじめ、食器用洗剤、繊維処理剤及び食品加工剤の添加剤として有用である。
本発明のタンパク質溶液は、上記タンパク質性プロテアーゼインヒビター、プロテアーゼ(D)及び溶剤(E)を含む溶液である。
本発明のタンパク質溶液において、タンパク質性プロテアーゼインヒビターは、上記(B)及び/又は(C)である。
タンパク質溶液中のタンパク質性プロテアーゼインヒビターの含有量は、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点からタンパク質溶液の重量に対し、0.000001〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0.00005〜30重量%、特に好ましくは0.0001〜20重量%である。
プロテアーゼ(D)としては、一般的にプロテアーゼとして知られているものが使用でき、低温(0〜50℃)にプロテアーゼ活性の至適温度を有する低温至適プロテアーゼと高温(50℃を超える)に至適温度を有する高温至適プロテアーゼが含まれる。(D)としては、活性の有効性の観点から、セリンプロテアーゼが好ましく、さらに好ましくはスブチリシンである。市販されているものとしては、例えばノボザイムズ社製のアルカラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、PTN、及びジェネンコア社のピュラフェクト、ピュラフェクト OXP等が挙げられる。
タンパク質溶液中のプロテアーゼ(D)の含有量は、タンパク質の分解性の観点からタンパク質溶液の重量に対し、0.001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.005〜5重量%、特に好ましくは0.01〜2重量%である。
タンパク質溶液中のタンパク質性プロテアーゼインヒビターとプロテアーゼ(D)とのモル比(タンパク質性プロテアーゼインヒビター/(D))は、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、1〜1000が好ましく、さらに好ましくは1〜100である。
溶剤(E)としては、水及び親水性溶剤(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びプロピレングリコール等)並びにこれらの混合物等が挙げられる。また、水としては、特に限定されるものではなく、水道水、イオン交換水、蒸留水及び逆浸透水等が挙げられる。また、水中にpH調整剤を含むバッファー水溶液等が挙げられる。
pH調整剤としては、従来のpH調整剤が使用でき、ホウ酸バッファー、リン酸バッファー、酢酸バッファー、Trisバッファー、HEPESバッファー、硫酸、塩酸、クエン酸、乳酸、ピルビン酸、蟻酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、モノエタノールアミン及びジエタノールアミン等が挙げられる。
タンパク質溶液中の溶剤(E)の含有量は、プロテアーゼ及びタンパク質性プロテアーゼインヒビターの安定性の観点からタンパク質溶液の重量に対し、40〜99.9989999重量%が好ましく、さらに好ましくは65〜99.99495重量%、特に好ましくは78〜99.9899重量%である。
本発明のタンパク質溶液には、タンパク質性プロテアーゼインヒビター、プロテアーゼ(D)及び溶剤(E)以外に、界面活性剤(F)、塩(G)、糖(H)、アミノ酸(I)、脂肪酸(Q)、油脂(N)、その他の低分子有機化合物(J)及びプロテアーゼ以外のタンパク質(M)を含有することができる。
界面活性剤(F)としては、後述する洗剤組成物の必須成分である界面活性剤(F)と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
塩(G)として、無機塩(塩化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム及び硫酸アンモニウム等)及び有機塩(ギ酸ナトリウム等)が挙げられる。
糖(H)として、トレハロース、スクロース、デキストリン、シクロデキストリン、マルトース、フルクトース、ヒアルロン酸及びコンドロイチン硫酸等が挙げられる。
アミノ酸(I)として、グリシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、ロイシン、リシン、ヒスチジン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、イソロイシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、バリン及びそれらの塩等が挙げられる。
脂肪酸(Q)として、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸及びエイコサペンタエン酸等が挙げられる。
油脂(N)としては、上記脂肪酸(Q)のモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドが挙げられる。
その他の低分子有機化合物(J)としては、酢酸ベンジル、メチルサリチル酸、ベンジルサリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、ケイ皮酸、カフェ酸、カテキン類、アスコルビン酸及びカロテノイド等が挙げられる。
プロテアーゼ以外のタンパク質(M)としては、特に限定するものではないが、プロテアーゼ以外の酵素、組み換えタンパク質、抗体及びペプチド等が挙げられ、具体的には、セルラーゼ、血清アルブミン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン及びシルクペプチド等が挙げられる。
本発明のタンパク質溶液に含まれる界面活性剤(F)の含有量は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液の重量に対し0〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜85重量%、特に好ましくは0〜80重量%である。
本発明のタンパク質溶液に含まれる塩(G)の含有量は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液の重量に対し0〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0〜3重量%である。
本発明のタンパク質溶液に含まれる糖(H)の含有量は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液の重量に対し0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
本発明のタンパク質溶液に含まれるアミノ酸(I)の含有量は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液の重量に対し0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
本発明のタンパク質溶液に含まれるその他の低分子有機化合物(J)の含有量は、タンパク質の安定性の観点から、タンパク質溶液の重量に対し重量%0〜50が好ましく、さらに好ましくは重量%0〜30、特に好ましくは重量%0〜20である。
本発明のタンパク質溶液に含まれる脂肪酸(Q)の含有量は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液の重量に対し0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
本発明のタンパク質溶液に含まれる油脂(N)の含有量は、タンパク質の安定性の観点から、タンパク質溶液の重量に対し0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
本発明のタンパク質溶液に含まれるプロテアーゼ以外のタンパク質(M)の含有量は、タンパク質の安定性の観点から、タンパク質溶液の重量に対し0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
本発明のタンパク質溶液のプロテアーゼ活性がどの程度であるかを示す残存活性は、プロテアーゼ活性の適度な抑制の観点から、10%以下であることが好ましい。
残存活性は、下記によって求められる。
<残存活性の測定方法>
一定量のプロテアーゼ(D)、一定量のタンパク質性プロテアーゼインヒビター及び一定量の溶剤(E)を含む上記タンパク質溶液と、基質溶液(例えばカゼイン、アゾカゼイン又はベンゾイルアルギニンエチルエステル等を含む水溶液)とを混合した溶液(i)を作製する。
溶液(i)の温度は、20〜70℃の範囲内で、プロテアーゼ(D)の活性が失活せず、活性があり、吸光度の測定ができる温度で、測定の間一定に保つことができればいい。
溶液(i)中の基質のモル濃度は、ミカエリス定数Kの3分の1倍〜2倍であり、且つ、溶液(i)中のプロテアーゼ(D)のモル濃度の5〜100,000倍の濃度であればいい。ミカエリス定数は、基質とプロテアーゼとの反応におけるミカエリス定数であり、Agarwalらによって報告された方法(Methods of enzymology,1978,Vol.51,P483−491に記載の方法)で酵素反応初速度の基質濃度依存性を求めることによって求められる。
溶液(i)について、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、基質がプロテアーゼに分解されて生成した生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時の温度は、溶液(i)を作製したときの温度と同温度である。溶液(i)を作製直後の吸光度Aλ0及び溶液(i)を作製からh時間後の吸光度Aλhを測定し、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を求める。測定時間は酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で0.1以上変化するのが見られれば良い。吸光度の変化ΔAλを縦軸に、時間hを横軸にプロットして、直線の傾き(係数v)を求める。
また、上記タンパク質溶液において、タンパク質性プロテアーゼインヒビターを同重量の溶剤(E)で置き換えて作製したタンパク質溶液を用いて、基質溶液と混合して、上記溶液(i)と同様の条件で溶液(ii)を作製する。
溶液(ii)についても同様に吸光度の変化ΔAλを縦軸に、時間hを横軸にプロットして、直線の傾き(係数v)を求め、下記数式(1)にあてはめて、残存活性を算出する。
残存活性(%)=v/v×100(1)
本発明の洗剤組成物は、タンパク質性プロテアーゼインヒビター、プロテアーゼ(D)、溶剤(E)及び界面活性剤(F)を含有する洗剤組成物である。上記タンパク質性プロテアーゼインヒビターを含有することにより、長期保存の後でも、良好な洗浄性を保持することができる。
本発明の洗剤組成物において、タンパク質性プロテアーゼインヒビターは、上記(B)及び(C)である。また、洗剤組成物中に含む際に好ましいタンパク質性プロテアーゼインヒビターは、上記(B)及び(C)として好ましいものと同じである。
洗剤組成物中のタンパク質性プロテアーゼインヒビターの含有量は、プロテアーゼ活性の適度な抑制及び希釈時のプロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から洗剤組成物の重量に対し、0.000001〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0.00005〜20重量%、特に好ましくは0.0001〜10重量%である。この範囲で含有することで、保存時に効率よくプロテアーゼの活性を抑制することができ、また、洗浄時に効率よく洗浄性を向上することができる。
プロテアーゼ(D)としては、上記タンパク質溶液に使用するプロテアーゼと同様、一般的にプロテアーゼとして知られているものが使用でき、セリンプロテアーゼが好ましく、さらに好ましくはスブチリシンである。市販されているものとしては、例えばノボザイムズ社製のアルカラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、PTN、及びジェネンコア社のピュラフェクト、ピュラフェクト OXP等が挙げられる。
洗剤組成物中のプロテアーゼ(D)の含有量は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し、0.001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.005〜3重量%、特に好ましくは0.01〜1重量%である。
洗剤組成物中のタンパク質性プロテアーゼインヒビターとプロテアーゼ(D)とのモル比(タンパク質性プロテアーゼインヒビター/プロテアーゼ(D))は、洗浄性の観点から、1〜1000が好ましく、さらに好ましくは1〜100である。
溶剤(E)としては、上記タンパク質溶液に使用する溶剤(E)と同様、水及び親水性溶剤(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びプロピレングリコール等)及びこれらの混合物等が挙げられる。また、水としては、特に限定されるものではなく、水道水、イオン交換水、蒸留水及び逆浸透水等が挙げられる。また、水中に、pH調整剤を含むバッファー水溶液等が挙げられる。
pH調整剤としては、従来のpH調整剤が使用でき、ホウ酸バッファー、リン酸バッファー、酢酸バッファー、Trisバッファー、HEPESバッファー、硫酸、塩酸、クエン酸、乳酸、ピルビン酸、蟻酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、モノエタノールアミン及びジエタノールアミン等が挙げられる。
洗剤組成物中の溶剤(E)の含有量は、プロテアーゼ及びタンパク質性プロテアーゼインヒビターの安定性の観点から洗剤組成物の重量に対し、1〜95重量%が好ましく、さらに好ましくは17〜90重量%、特に好ましくは29〜80重量%である。
界面活性剤(F)はノニオン性界面活性剤(F−1)、アニオン性界面活性剤(F−2)、カチオン性界面活性剤(F−3)及び両性界面活性剤(F−4)が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤(F−1)としては、アルキレンオキサイド付加型ノニオン性界面活性剤(F−1−1)及び多価アルコール型ノニオン界面活性剤(F−1−2)等が挙げられる。
(F−1−1)としては、脂肪族アルコール(炭素数8〜24)アルキレン(炭素数2〜4、好ましいのは2)オキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜100)、アルキル(炭素数1〜18)フェノールエチレンオキサイド(以下、EOと略記)付加物(付加モル数1〜100)、高級アミン(炭素数8〜24)アルキレン(炭素数2〜4、好ましいのは2)オキサイド付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜100)、脂肪酸(炭素数8〜24)EO付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜100)、ポリプロピレングリコール(分子量200〜4000)EO付加物(活性水素1個当たりの付加モル数1〜100)、ポリオキシエチレン(重合度=3〜30)アルキル(炭素数6〜20)アリルエーテル並びにソルビタンモノラウレートEO付加物(活性水素1個あたりの付加モル数1〜100)及びソルビタンモノオレートEO付加物(活性水素1個あたりの付加モル数1〜100)等の多価(2〜8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数8〜24)エステルEO付加物(活性水素1個あたりの付加モル数1〜100)等が挙げられる。
(F−1−2)としては、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、ソルビタンモノラウレート及びソルビタンモノオレート等の多価(2〜8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数8〜24)エステル並びにラウリン酸モノエタノールアミド及びラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤(F−2)としては、炭素数8〜24のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレンエーテルカルボン酸又はその塩[(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム等]、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレン硫酸エステル塩[ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)硫酸ナトリウム及びラウリル(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)硫酸−トリエタノールアミン塩等]、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸スルホン酸ナトリウム、炭素数8〜24のアルキルフェニルスルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等]、炭素数8〜24のアルキルリン酸エステル塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレンリン酸エステル塩[ラウリルリン酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]、脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム及びラウリン酸トリエタノールアミン等]、アシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム及びラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等]等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤(F−3)としては、第4級アンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]及びアミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩及びオレイルアミン乳酸塩等]等が挙げられる。
両性界面活性剤(F−4)としては、ベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]並びにアミノ酸型両性界面活性剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]等が挙げられる。
(F)としては、1種又は2種以上が使用できる。2種以上を使用する場合、その組み合わせとしては、例えばノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との組み合わせ等が挙げられる。
(F)として、洗浄性の観点から、ノニオン性界面活性剤単独での使用、及びノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との組み合わせでの使用が好ましい。
ノニオン性界面活性剤(F−1)としては、洗浄性の観点から、脂肪族アルコール(炭素数8〜24)EO付加物(付加モル数1〜100)が好ましく、さらに好ましくは脂肪族アルコール(炭素数12〜18)EO付加物(付加モル数4〜20)、次にさらに好ましくは脂肪族アルコール(炭素数12〜15)EO付加物(付加モル数8〜12)、特に好ましくはオレイルアルコールEO11モル付加物である。
アニオン性界面活性剤(F−2)としては、洗浄性の観点から、炭素数8〜24のアルキルフェニルスルホン酸塩、脂肪酸塩、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレン硫酸エステル塩が好ましく、さらに好ましくは、炭素数12〜16のアルキルフェニルスルホン酸塩及び炭素数8〜16の脂肪酸塩、次にさらに好ましくは、ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン塩及びラウリン酸ナトリウムである。
洗剤組成物に含まれる界面活性剤(F)の含有量は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し、1〜70重量%が好ましく、さらに好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは10〜60重量%である。
洗剤組成物には、必要により、公知のその他の成分、例えば特開2004−27181号公報に記載のビルダー、キレート剤、消泡剤、蛍光増白剤、漂白剤、柔軟剤、除菌剤、香料及び着色剤等を含有してもよい。
ビルダーとしては、ポリカルボン酸塩(アクリル酸塩ホモポリマー及びマレイン酸塩ホモポリマー等)、多価カルボン酸塩(クエン酸及びリンゴ酸等)、及びアルカリビルダー(苛性ソーダ、ソーダ灰、アンモニア、トリエタノールアミン、トリポリリン酸ソーダ及びケイ酸ソーダ等)等が挙げられる。キレート剤としては、EDTA及びNTA等が挙げられる。消泡剤としては、シリコーン系消泡剤、ポリオキシアルキレン系消泡剤及び鉱物油系消泡剤等が挙げられる。
その他の成分のうち、ビルダー及びキレート剤の含有率は、洗剤組成物、ビルダー及びキレート剤の全重量に基づいて、好ましくは10重量%以下であり、更に好ましくは5重量%以下である。
蛍光増白剤、漂白剤、柔軟剤、除菌剤、香料、着色剤及び消泡剤の含有率は、洗剤組成物、蛍光増白剤、漂白剤、柔軟剤、除菌剤、香料、着色剤及び消泡剤の全重量に基づいて、好ましくは5重量%以下であり、更に好ましくは2重量%以下である。
洗剤組成物には、上記以外に、必要により、塩(G)、糖(H)、アミノ酸(I)、脂肪酸(Q)、油脂(N)、その他の低分子有機化合物(J)及びプロテアーゼ以外のタンパク質(M)を含有することができる。
塩(G)、糖(H)、アミノ酸(I)、その他の低分子有機化合物(J)、脂肪酸(Q)、油脂(N)及びプロテアーゼ以外のタンパク質(M)としては、タンパク質溶液に含有することができるものとして挙げたものと同様のものが挙げられる。
本発明の洗剤組成物に含まれる塩(G)の含有量は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0〜3重量%である。
本発明の洗剤組成物に含まれる糖(H)の含有量は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
本発明の洗剤組成物に含まれるアミノ酸(I)の含有量は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
本発明の洗剤組成物に含まれるその他の低分子有機化合物(J)の含有量は、洗浄性の観点から、洗剤組成物の重量に対し0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
本発明の洗剤組成物に含まれる脂肪酸(Q)の含有量は、洗浄性の観点から洗剤組成物の重量に対し0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
本発明の洗剤組成物に含まれる油脂(N)の含有量は、洗浄性の観点から、洗剤組成物の重量に対し0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
本発明の洗剤組成物に含まれるプロテアーゼ以外のタンパク質(M)の含有量は、洗浄性の観点から、洗剤組成物の重量に対し0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
本発明の洗剤組成物は、各成分を混合することにより得られ、製造方法は特に限定されるものではない。1例を下記に示す。
(1)撹拌機及び加熱冷却装置を備えた混合槽に、界面活性剤(F)と溶剤(E)及びその他の成分を投入順序に特に制限なく投入し、20〜50℃で均一になるまで撹拌する。
(2)タンパク質性プロテアーゼインヒビターを添加し、20〜50℃で30分〜2時間攪拌する。
(3)プロテアーゼ(D)を加えてさらに20〜50℃で均一になるまで攪拌する。
上記洗剤組成物は、衣料用洗浄剤、自動食器洗浄機用洗浄剤及びコンタクトレンズ用洗浄剤等に使用できる。
洗剤組成物の使用方法は、従来の洗剤組成物の使用方法と同じでよく、特に限定されるものではない。衣料用洗浄剤としての使用方法の1例を下記に示す。
(1)洗濯物が入った洗濯機に水道水を張り、洗剤組成物を25℃で添加し、軽く撹拌して溶解させる。
(2)洗濯機で洗濯物を洗浄する。
(3)洗濯機から液を抜き、水道水で1〜2回すすぐ。
(4)適宜脱水をかける。
以下の実施例、比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<製造例1>
配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子(配列番号106)(5‘末端側に制限酵素NcoI,3’末端側に制限酵素BamHI認識配列を付加し、北海道システムサイエンス社に人工合成を依頼したもの)を制限酵素NcoI、BamHIで処理し、pET−22bプラスミド(Novagen社製)のNcoI制限酵素サイトとBamHI制限酵素サイトに結合し、配列番号1のタンパク質を発現するプラスミド(P1)を作製した。このプラスミドと12位のグルタミン酸をアスパラギン酸に置換するための変異導入用プライマー(配列番号42、43)を用い、以下の条件でプラスミド(P1)に変異導入を行った。即ち、プラスミド(P1)を0.5μL(10ng)、10μMの変異導入用プライマー各0.75μL(7.5pg)、10倍濃度のPCR用緩衝液2.5μL(タカラバイオ社製)、2mMデオキシヌクレオチド3リン酸(dNTP)混液2μL(タカラバイオ社製)、DNAポリメラーゼExTaq0.25μL(タカラバイオ社製)及び脱イオン水17μLを混合した後、TaKaRa Thermal Cycler Dice(タカラバイオ社製)でPCRを行った。反応条件は、94℃2分間の熱変性後、98℃10秒間、50℃10秒間、68℃6.5分間を30サイクル行った。得られたPCR産物をQIAquick Gel Extruction Kit(Qiagen社製)で精製後(50μL)、6μLの10倍濃度のDpnI用緩衝液及び3μLの制限酵素DpnI(タカラバイオ社製)を加え、37℃で1時間、テンプレートを分解した。得られた制限酵素処理PCR産物5μLを大腸菌DH5αへの形質転換に供した。即ち、制限酵素処理PCR産物5μLを100μLのE.Coli DH5α コンピテントセル(TOYOBO社製)に添加し、氷上で30分間保存した後、42℃で90秒間加熱した。ここSOC培地(TOYOBO社製)900μLを添加し、37℃で1時間静置培養した。培養液のうち100μLをLB/アンピシリンプレートに塗布し、37℃で一晩培養した。現れたコロニーをLB培地1mLで12時間培養したのち、Quantumprep Miniprep Kit(Bio−Rad社製)に供し、配列番号2のタンパク質を発現するプラスミド(P2)を精製した(100μL)。得られたプラスミドは、DNAシークエンス解析サービス(マクロジェンジャパン社)に解析を依頼し、変異が導入されたことを確認した。
<製造例2>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号44、45)を用い、同様の方法で配列番号1の12位のグルタミン酸をアラニンに置換した配列番号3のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P3)を得た。
<製造例3>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号46、47)を用い、同様の方法で配列番号1の38位のバリンをアラニンに置換した配列番号4のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P4)を得た。
<製造例4>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号48、49)を用い、同様の方法で配列番号1の38位のバリンをロイシンに置換した配列番号5のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P5)を得た。
<製造例5>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号50、51)を用い、同様の方法で配列番号1の38位のバリンをイソロイシンに置換した配列番号6のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P6)を得た。
<製造例6>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号52、53)を用い、同様の方法で配列番号1の48位のメチオニンをアラニンに置換した配列番号7のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P7)を得た。
<製造例7>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号54、55)を用い、同様の方法で配列番号1の48位のメチオニンをグリシンに置換した配列番号8のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P8)を得た。
<製造例8>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号56、57)を用い、同様の方法で配列番号1の50位のチロシンをアラニンに置換した配列番号9のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P9)を得た。
<製造例9>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号58、59)を用い、同様の方法で配列番号1の50位のチロシンをロイシンに置換した配列番号10のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P10)を得た。
<製造例10>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号60、61)を用い、同様の方法で配列番号1の50位のチロシンをフェニルアラニンに置換した配列番号11のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P11)を得た。
<製造例11>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号62、63)を用い、同様の方法で配列番号1の51位のアルギニンをアラニンに置換した配列番号12のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P12)を得た。
<製造例12>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号64、65)を用い、同様の方法で配列番号1の51位のアルギニンをリシンに置換した配列番号13のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P13)を得た。
<製造例13>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号66、67)を用い、同様の方法で配列番号1の51位のアルギニンをヒスチジンに置換した配列番号14のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P14)を得た。
<製造例14>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号68、69)を用い、同様の方法で配列番号1の52位のイソロイシンをアラニンに置換した配列番号15のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P15)を得た。
<製造例15>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号70、71)を用い、同様の方法で配列番号1の52位のイソロイシンをバリンに置換した配列番号16のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P16)を得た。
<製造例16>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号72、73)を用い、同様の方法で配列番号1の53位のアスパラギン酸をグルタミン酸に置換した配列番号17のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P17)を得た。
<製造例17>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号74、75)を用い、同様の方法で配列番号1の53位のアスパラギン酸をアラニンに置換した配列番号18のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P18)を得た。
<製造例18>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号76、77)を用い、同様の方法で配列番号1の70位のアルギニンをアラニンに置換した配列番号19のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P19)を得た。
<製造例19>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号78、79)を用い、同様の方法で配列番号1の70位のアルギニンをグリシンに置換した配列番号20のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P20)を得た。
<製造例20>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号80、81)を用い、同様の方法で配列番号1の70位のアルギニンをリシンに置換した配列番号21のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P21)を得た。
<製造例21>
製造例3で得たプラスミド(P4)(38位のバリンをアラニンに置換)と51位のアルギニンと52位のイソロイシンをそれぞれアラニンに置換するための変異導入用プライマー(配列番号82、83)を用い、以下の条件でプラスミド(P4)に変異導入を行った。即ち、プラスミド(P4)を0.5μL(10ng)、10μMの変異導入用プライマー各0.75μL(7.5pg)、10倍濃度のPCR用緩衝液2.5μL(タカラバイオ社製)、2mM デオキシヌクレオチド3リン酸(dNTP)混液2μL(タカラバイオ社製)、DNAポリメラーゼExTaq0.25μL(タカラバイオ社製)及び脱イオン水17μLを混合した後、TaKaRa Thermal Cycler Dice(タカラバイオ社製)でPCRを行った。反応条件は、94℃2分間の熱変性後、98℃10秒間、50℃10秒間、68℃6.5分間を30サイクル行った。得られたPCR産物をQIAquick Gel Extruction Kit(Qiagen社製)で精製後(50μL)、6μLの10倍濃度のDpnI用緩衝液及び3μLの制限酵素DpnI(タカラバイオ社製)を加え、37℃で1時間、テンプレートを分解した。
得られた制限酵素処理PCR産物5μLを大腸菌DH5αへの形質転換に供した。即ち、制限酵素処理PCR産物5μLを100μLのE.Coli DH5α コンピテントセル(TOYOBO社製)に添加し、氷上で30分間保存した後、42℃で90秒間加熱した。ここSOC培地(TOYOBO社製)900μLを添加し、37℃で1時間静置培養した。培養液のうち100μLをLB/アンピシリンプレートに塗布し、37℃で一晩培養した。現れたコロニーをLB培地1mLで12時間培養したのち、Quantumprep Miniprep Kit(Bio−Rad社製)に供し、配列番号22のタンパク質を発現するプラスミド(P22)を精製した(100μL)。得られたプラスミドは、DNAシークエンス解析サービス(マクロジェンジャパン社製)に解析を依頼し、変異が導入されたことを確認した。
<製造例22>
製造例21において、変異導入用プライマー(配列番号82、83)を変異導入用プライマー(配列番号84、85)に代えて、同様の方法で配列番号1の38位のバリン、52位のイソロイシンおよび53位のアスパラギン酸をいずれもアラニンに置換した配列番号23のタンパク質を発現するプラスミド(P23)を得た。
<製造例23>
製造例21において、「製造例3で得たプラスミド(P4)」に代えて「製造例7で得たプラスミド(P8)」を用いて、「変異導入用プライマー(配列番号82、83)」に代えて「変異導入用プライマー(配列番号76、77)」を用いて、同様の方法で配列番号1の48位のメチオニンをグリシンに、70位のアルギニンをアラニンに置換した配列番号24のタンパク質を発現するプラスミド(P24)を得た。
<製造例24>
製造例23において、「プラスミド(P8)」に代えて「プラスミド(P4)」を用いて、同様の方法で配列番号1の38位のバリンおよび70位のアルギニンをアラニンに置換した配列番号25のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P25)を得た。
<製造例25>
配列番号26のアミノ酸配列をコードする遺伝子(配列番号107)(5‘末端側に制限酵素NcoI,3’末端側に制限酵素BamHI認識配列を付加し、北海道システムサイエンス社に人工合成を依頼したもの)を制限酵素NcoI、BamHIで処理し、pET−22bプラスミド(Novagen社製)のNcoI制限酵素サイトとBamHI制限酵素サイトに結合し、配列番号1の12位のグルタミン酸をアスパラギン酸に、38位のバリン、48位のメチオニン、50位のチロシン、51位のアルギニン、52位のイソロイシン、53位のアスパラギン酸及び70位のアルギニンをアラニンに置換した配列番号26のタンパク質を発現するプラスミド(P26)を作製した。
<製造例26>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号86、87)を用い、同様の方法で配列番号1の12位のグルタミン酸をリシンに置換した配列番号27のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P27)を得た。
<製造例27>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号88、89)を用い、同様の方法で配列番号1の50位のチロシンをグリシンに置換した配列番号28のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P28)を得た。
<製造例28>
製造例1の変異導入用プライマー(配列番号42、43)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号90、91)を用い、同様の方法で配列番号1の70位のアルギニンをアスパラギンに置換した配列番号29のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P29)を得た。
<製造例29>
配列番号41のアミノ酸配列をコードする遺伝子(配列番号108)(5‘末端側に制限酵素NcoI,3’末端側に制限酵素BamHI認識配列を付加し、北海道システムサイエンス社に人工合成を依頼したもの)を制限酵素NcoI、BamHIで処理し、pET−22bプラスミド(Novagen社)のNcoI制限酵素サイトとBamHI制限酵素サイトに結合し、配列番号41のタンパク質を発現するプラスミド(P41)を作製した。このプラスミドと24位のグルタミン酸をアラニンに置換するための変異導入用プライマー(配列番号92、93)を用い、以下の条件でプラスミド(P41)に変異導入を行った。即ち、プラスミド(P41)を0.5μL(10ng)、10μMの変異導入用プライマー各0.75μL(7.5pg)、10倍濃度のPCR用緩衝液2.5μL(タカラバイオ製)、2mMデオキシヌクレオチド3リン酸(dNTP)混液2μL(タカラバイオ製)、DNAポリメラーゼExTaq0.25μL(タカラバイオ製)及び脱イオン水17μLを混合した後、TaKaRa Thermal Cycler Dice(タカラバイオ製)でPCRを行った。反応条件は、94℃2分間の熱変性後、98℃10秒間、50℃10秒間、68℃6.5分間を30サイクル行った。得られたPCR産物をQIAquick Gel Extruction Kit(Qiagen製)で精製後(50μL)、6μLの10倍濃度のDpnI用緩衝液及び3μLの制限酵素DpnI(タカラバイオ製)を加え、37℃で1時間、テンプレートを分解した。得られた制限酵素処理PCR産物5μLを大腸菌DH5αへの形質転換に供した。即ち、制限酵素処理PCR産物5μLを100μLのE.Coli DH5α コンピテントセル(TOYOBO製)に添加し、氷上で30分間保存した後、42℃で90秒間加熱した。ここSOC培地(TOYOBO製)900μLを添加し、37℃で1時間静置培養した。培養液のうち100μLをLB/アンピシリンプレートに塗布し、37度で一晩培養した。現れたコロニーをLB培地1mLで12時間培養したのち、Quantumprep Miniprep Kit(Bio−Rad製)に供し、アミノ酸配列(A)の12位に相当する24位の位置のアミノ酸がアラニンであり、(B)である配列番号3と90%の相同性を有する配列番号30のタンパク質を発現するプラスミド(P30)を精製した(100μL)。得られたプラスミドは、DNAシークエンス解析サービス(マクロジェンジャパン社)に解析を依頼し、変異が導入されたことを確認した。
<製造例30>
製造例29の変異導入用プライマー(配列番号92、93)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号94、95)を用い、同様の方法で配列番号41の50位(配列番号1の38位に相当)のイソロイシンをアラニンに置換した、(B)である配列番号4と90%の相同性を有する配列番号31のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P31)を得た。
<製造例31>
製造例29の変異導入用プライマー(配列番号92、93)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号96、97)を用い、同様の方法で配列番号41の62位(配列番号1の50位に相当)のチロシンをアラニンに置換した、(B)である配列番号9と90%の相同性を有する配列番号32のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P32)を得た。
<製造例32>
製造例29の変異導入用プライマー(配列番号92、93)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号98、99)を用い、同様の方法で配列番号41の63位(配列番号1の51位に相当)のアルギニンをアラニンに置換した、(B)である配列番号12と90%の相同性を有する配列番号33のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P33)を得た。
<製造例33>
製造例29の変異導入用プライマー(配列番号92、93)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号100、101)を用い、同様の方法で配列番号41の64位(配列番号1の52位に相当)のイソロイシンをアラニンに置換した、(B)である配列番号15と90%の相同性を有する配列番号34のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P34)を得た。
<製造例34>
製造例29の変異導入用プライマー(配列番号92、93)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号102、103)を用い、同様の方法で配列番号41の65位(配列番号1の53位に相当)のアスパラギン酸をアラニンに置換した、(B)である配列番号18と90%の相同性を有する配列番号35のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P35)を得た。
<製造例35>
製造例29の変異導入用プライマー(配列番号92、93)に代えて、変異導入用プライマー(配列番号104、105)を用い、同様の方法で配列番号41の82位(配列番号1の70位に相当)のアルギニンをアラニンに置換した、(B)である配列番号19と90%の相同性を有する配列番号36のアミノ酸配列のタンパク質を発現するプラスミド(P36)を得た。
Figure 0005953312
なお、配列番号2〜28において配列番号1のアミノ酸配列中の置換されたアミノ酸の位置、又は配列番号29〜36において配列番号41のアミノ酸配列中の置換されたアミノ酸の位置に相当する配列番号1のアミノ酸配列中の位置と、置換後のアミノ酸の種類を表1に示す。
<製造例36>
配列番号40のアミノ酸配列をコードする遺伝子(配列番号109)(5’末端側に制限酵素NcoI,3’末端側に制限酵素BamHI認識配列を付加し、北海道システムサイエンス社に人工合成を依頼したもの)を制限酵素NcoI、BamHIで処理し、pET−22bプラスミド(Novagen社製)のNcoI制限酵素サイトとBamHI制限酵素サイトに結合し、配列番号40のタンパク質を発現するプラスミド(P40)を作製した。
<製造例37>
配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子(5’末端側に制限酵素NcoI,3’末端側に制限酵素BamHI認識配列を付加し、北海道システムサイエンス社に人工合成を依頼したもの)を制限酵素NcoI、BamHIで処理し、pET−22bプラスミド(Novagen社製)のNcoI制限酵素サイトとBamHI制限酵素サイトに結合し、配列番号1のタンパク質を発現するプラスミド(P1)を作製した。
<製造例38>
配列番号41のアミノ酸配列をコードする遺伝子(配列番号108)(5‘末端側に制限酵素NcoI,3’末端側に制限酵素BamHI認識配列を付加し、北海道システムサイエンス社に人工合成を依頼したもの)を制限酵素NcoI、BamHIで処理し、pET−22bプラスミド(Novagen社)のNcoI制限酵素サイトとBamHI制限酵素サイトに結合し、配列番号1との相同性が97%である配列番号41のタンパク質を発現するプラスミド(P41)を作製した。なお、配列番号41のアミノ酸配列において、配列番号1の12位、38位、48位、50位、51位、52位、53位及び70位に相当する部位は、それぞれ24位(配列番号1の12位に相当)がグルタミン酸、50位(配列番号1の38位に相当)がイソロイシン、60位(配列番号1の48位に相当)がメチオニン、62位(配列番号1の50位に相当)がチロシン、63位(配列番号1の51位に相当)がアルギニン、64位(配列番号1の52位に相当)がイソロイシン、65位(配列番号1の53位に相当)がアスパラギン酸、82位(配列番号1の70位に相当)がアルギニンである。
<実施例1〜34>
製造例1〜4及び6〜35で得られたタンパク質性プロテアーゼインヒビター発現プラスミド(P2)〜(P5)及び(P7)〜(P36)をそれぞれ大腸菌E.Coli BL21(DE3)に同様の方法で形質転換した。得られたタンパク質性プロテアーゼインヒビター発現株をLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)1mLに植菌して30℃で12時間培養を行い、終夜培養液を作製し、0.5mlをLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)5mlに植菌して30℃3時間振とう培養を行い7種類の前培養液を作製した。7種類の前培養液をそれぞれ50mLの培養液{水50mL中のそれぞれの成分の含有量は、酵母エキス(日本製薬社製)1.2g、ポリペプトン(日本製薬社製)0.6g、リン酸2カリウム0.47g、リン酸1カリウム0.11g、硫酸アンモニウム0.35g、リン酸2ナトリウム12水和物0.66g、クエン酸ナトリウム2水和物0.02g、グリセロール0.2g、ラクトアルブミン水解物1.5g、消泡剤(信越シリコーン社製、「KM−70」)0.3g、1mM 硫酸マグネシウム、微量金属溶液(塩化カルシウム18.9μg、塩化鉄(III)500μg、硫酸亜鉛7水和物9.0μg、硫酸銅5.1μg、塩化マンガン4水和物6.7μg、塩化コバルト4.9μg、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム200μg)、100mg/Lアンピシリン}に植菌し微生物培養装置(エイブル社製、製品名「BioJr.8」)を用いてpH6.8、30℃を維持したまま培養を行った。培養開始後1M IPTG溶液を0.15mLを加えた。培養開始14時間後から、グリセリン/タンパク質溶液(50% グリセリン、50g/L ラクトアルブミン水解物、33g/L 消泡剤(信越シリコーン社製、「KM−70」)、100mg/L アンピシリン)の滴下を開始した。培養開始後、48時間目に培養液(K−1)〜(K−34)を回収した。
得られた培養液(K−1)〜(K−34)をHis-tag精製用担体(GEヘルスケア社製 Ni Sepharose 6 Fast Flow)で分離し、タンパク質性プロテアーゼインヒビター溶液(L−1)〜(L−34)を得た。(L−1)〜(L−34)中のタンパク質性プロテアーゼインヒビターの量をSDS−PAGEにより測定したところ、全て1g/Lであった。
<比較例1〜4>
実施例1において、「プラスミド(P2)」に代えて「プラスミド(P1)、(P40)、(P41)及び(P6)」をそれぞれ用いる以外は同様にして、タンパク質性プロテアーゼインヒビター溶液(L’−1)〜(L’−4)を得た。(L’−1)〜(L’−4)中のタンパク質性プロテアーゼインヒビターの量をSDS−PAGEにより測定したところ、全て1g/Lであった。
プラスミド(P40)及びプラスミド(P41)を用いて得たタンパク質性プロテアーゼインヒビターについて、相同性解析プログラム「BLAST」の、blastpアルゴリズムを用いて相同性を計算したところ、タンパク質性プロテアーゼインヒビター(B)である配列番号25との相同性が、それぞれ65%、89%であった。
<実施例35〜68>
実施例1〜34で得られたタンパク質性プロテアーゼインヒビター溶液(L−1)〜(L−34)350μLと0.01重量%アルカラーゼ溶液(品名「アルカラーゼ2.5L」、0.1M Tris/HClと1mM CaClとの緩衝液(pH8、25℃)で希釈、ノボザイムズ社製)350μLとを混合してタンパク質溶液(S−1)〜(S−34)を作製し、20分間40℃で静置した。
<比較例5〜8>
比較例1〜4で得られたタンパク質性プロテアーゼインヒビター溶液(L’−1)〜(L’−4)350μLと0.01重量%アルカラーゼ溶液(品名「アルカラーゼ2.5L」、0.1M Tris/HClと1mM CaClとの緩衝液(pH8、25℃)で希釈、ノボザイムズ社製)350μLを混合してタンパク質溶液(S’−1)〜(S’−4)を作製し、20分間40℃で静置した。
Figure 0005953312
<実施例35〜68及び比較例5〜8で得られたタンパク質溶液を用いて作製したタンパク質溶液の作製直後におけるプロテアーゼの残存活性の測定>
・タンパク質溶液(S)の活性の測定
実施例35〜68及び比較例5〜8で得たタンパク質溶液について、作製後直ちにタンパク質溶液(S−1)〜(S−34)、(S’−1)及び(S’−4)をそれぞれ700μLに、50mg/mLのアゾカゼイン(0.1M Tris/HClと1mM CaClとの緩衝液(pH8、25℃)で溶解、ナカライテスク社製)をそれぞれ70μL添加して溶液(i)を作製し、酵素反応を開始した。溶液(i)を作製直後及び3分ごとに3回、反応溶液のうち150μLを取り出し、15%トリクロロ酢酸溶液200μLと混合した。15,000×gの条件で5分間遠心し、上清に0.1M NaOHを400μL加え、分光光度計を用い405nmにおける吸光度を測定した。溶液(i)を作製直後の吸光度をAλ0及び溶液(i)を作製からh時間後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットして、直線の傾き(係数v)を求めた。
・ブランクのタンパク質溶液の活性の測定
次に、タンパク質性プロテアーゼインヒビターを含まない溶液を作成し、上記と同様に吸光度を測定し、直線の傾き(係数v)を求めた。
0.01重量%アルカラーゼ溶液(品名「アルカラーゼ2.5L」、0.1M Tris/HClと1mM CaClとの緩衝液(pH8、25℃)で希釈、ノボザイムズ社製)350μLに緩衝液{0.1M Tris/HClと1mM CaClとの緩衝液(pH8、25℃)}350μLを混合したタンパク質溶液(T−1)を作製し、20分間40℃で静置した。
上記「タンパク質溶液(S)の活性の測定」において、「タンパク質溶液(S−1)」に代えて「タンパク質溶液(T−1)」を用いる以外は同様にして溶液(ii)を作製し、吸光度を測定し、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットして、直線の傾き(係数v)を求めた。
下記数式(1)から、タンパク質溶液(S−1)〜(S−34)及び(S’−1)〜(S’−4)のプロテアーゼの残存活性を求めた結果を表2に示す。
残存活性(%)=v/v×100(1)
<作製直後における希釈時のプロテアーゼの活性測定>
実施例35〜68及び比較例5〜8で得たタンパク質溶液について、作製後直ちにタンパク質溶液(S−1)〜(S−)及び(S’−1)〜(S’−4)をそれぞれ10μL、9990μLの緩衝液{0.1M Tris/HClと1mM CaClとの緩衝液(pH8、25℃)}で希釈し、タンパク質希釈溶液(U−1)〜(U−34)及び(U’−1)〜(U’−4)とした。
上記「タンパク質溶液(S)の活性の測定」において、「タンパク質溶液(S−1)〜(S−34)及び(S’−1)〜(S’−4)」に代えて「タンパク質希釈溶液(U−1)〜(U−34)及び(U’−1)〜(U’−4)」を用いて、「3分ごとに3回」に代えて「30分ごとに3回」とする以外は同様にして、作製直後における希釈時のプロテアーゼ活性を求めた。結果を表2に示す。
<25℃3ヶ月保管後におけるプロテアーゼの残存活性の測定>
実施例35〜68及び比較例5〜8で得たタンパク質溶液(S−1)〜(S−34)及び(S’−1)〜(S’−4)を25℃で3ヶ月保管した。
上記「作製直後におけるプロテアーゼの残存活性の測定」において、「作製後直ちにタンパク質溶液」に代えて、「25℃で3ヶ月保管したタンパク質溶液」とする以外は同様にして、25℃3ヶ月保管後のプロテアーゼの残存活性を測定した。結果を表2に示す。
<25℃3ヶ月保管後の希釈時のプロテアーゼの活性測定>
上記「作製直後における希釈時のプロテアーゼの活性測定」において、「作製後直ちにタンパク質溶液」に代えて、「25℃で3ヶ月保管したタンパク質溶液」を用いる以外は同様にして、実施例35〜68及び比較例5〜8で得たタンパク質溶液(S−1)〜(S−34)及び(S’−1)〜(S’−4)を25℃で3ヶ月保管後の希釈時のプロテアーゼの活性を求めた。結果を表2に示す。
<プロテアーゼ活性の持続性>
タンパク質溶液作製直後のプロテアーゼ活性と25℃で3ヶ月保管後のプロテアーゼ活性との比をプロテアーゼ活性の持続性として、以下の式にて算出した。
プロテアーゼ活性の持続性(%)=(25℃で3ヶ月保管後のプロテアーゼ活性)/(作製直後のプロテアーゼ活性)×100
表2の評価結果から、配列番号1又は6のタンパク質性プロテアーゼインヒビターを含む比較例5及び8のタンパク質溶液は、作製直後の残存活性が0%であるものの、希釈時のプロテアーゼ活性が10%と低く、プロテアーゼ活性を抑制できるものの、回復できないことが分かる。また、アミノ酸配列(A)との相同性が97%であり、本発明の条件(1)〜(8)を満たさない配列番号41のタンパク質性プロテアーゼインヒビターを含む比較例7のタンパク質溶液も、希釈時のプロテアーゼ活性が8%と低く、プロテアーゼ活性を回復できないことが分かる。
また、本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターとの相同性が65%であるタンパク質性プロテアーゼインヒビターを含む比較例6のタンパク質溶液は、プロテアーゼ活性の持続性が2%と低く、3ヶ月保管後にプロテアーゼ活性が低下することが分かる。
一方、本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターを含む実施例35〜68のタンパク質溶液は、本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターとの相同性が65%である配列番号40のタンパク質性プロテアーゼインヒビターを含む比較例6のタンパク質溶液と比較して、残存活性が低く、同濃度添加することで効率よくプロテアーゼ活性を抑制することができることが分かる。また、作製直後の実施例35〜68のタンパク質溶液において、希釈時のプロテアーゼ活性が18%以上であることから、希釈することにより、抑制したプロテアーゼ活性を効率よく回復できることが分かる。
さらに、本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターを含む実施例35〜68のタンパク質溶液は、25℃で3ヶ月保管後のプロテアーゼ活性が5%以上と高く、プロテアーゼ活性の持続性も6〜98%であり、3ヶ月保管後もプロテアーゼ活性を維持していることが分かる。
<実施例69〜102>
表3〜表5に記載された割合で、タンパク質性プロテアーゼインヒビター溶液(L−1)〜(L−34)、プロテアーゼ(D)、界面活性剤(F)、プロテアーゼ以外のタンパク質(M)、キレート剤及び溶剤(E)を25℃で配合し、実施例69〜102の洗剤組成物を得た。
<比較例9〜12>
表5に記載された割合で、タンパク質性プロテアーゼインヒビター溶液(L’−1)〜(L’−4)、プロテアーゼ(D)、界面活性剤(F)、プロテアーゼ以外のタンパク質(M)、キレート剤及び溶剤(E)を25℃で配合し、比較例9〜12の洗剤組成物を得た。
Figure 0005953312
Figure 0005953312
Figure 0005953312
なお、表3〜表5中、各成分の割合は、重量部で示した。また、表3〜表5中のプロテアーゼ(D)は下記のものを使用した。
アルカラーゼ水溶液(SDS−PAGEよりアルカラーゼ含量は0.1g/mLと推定):ノボザイムズ社製、商品名「アルカラーゼ2.5L」
また、表3〜5中のプロテアーゼ以外のタンパク質(M)は下記のものを使用した。
セルラーゼ水溶液(SDS−PAGEよりセルラーゼ含量は0.01g/mLと推定):ノボザイムズ社製、商品名「エンドラーゼ」
実施例69〜102及び比較例9〜12で作製した洗剤組成物を用いて下記の洗浄性試験をおこなった。
<洗浄性試験>
<配合直後の洗浄除去率>
実施例69〜102及び比較例9〜12で得た洗剤組成物について、洗剤組成物の作製後直ちに洗剤組成物0.8gを水999.2gに溶解させ溶液を得た。この溶液に、湿式人工汚染布(4cm×4cm)5枚を投入し、ターゴトメーター(大栄化学社製)を用いて以下の条件にて洗浄及びすすぎをした後、布を取り出し、ギヤーオーブン(TABAI社製、GPS−222)を用いて70℃で60分間乾燥し、試験布を得た。ついで、多光源分光測色計(スガ試験機社製)を使用して、この試験布の540nmの反射率を、試験布1枚ごとに表裏2個所ずつ計4個所(試験布5枚で合計20個所)測定し、この平均値を求め、以下の式にて洗浄除去率(%)を算出した。結果を表3〜表5に記載した。
(洗浄条件)
時間:10分、温度:25℃、回転速度:120rpm
(すすぎ条件)
時間:1分、温度:25℃、回転速度:120rpm
(洗浄除去率)
洗浄除去率(%)={(R−R)/(R−R)}×100
なお、Rは清浄布の反射率、Rは洗浄布の反射率、Rは汚染布の反射率を示す。
また、使用した湿式人工汚染布は、表6の汚垢組成を有する財団法人洗濯科学協会製の湿式人工汚染布(540nmにおける反射率が40±5%)である。
Figure 0005953312
<25℃3ヶ月保管後の洗浄除去率>
実施例69〜102及び比較例9〜12で得た洗剤組成物について、上記<配合直後の洗浄除去率>において、作製直後の洗剤組成物の代わりに、洗剤組成物の作製後25℃で3ヶ月保管した後の洗剤組成物を用いる以外は同様に洗浄性試験をおこない、洗浄除去率を算出した。結果を表3〜表5に記載した。
<洗浄性の持続性>
配合直後の洗浄除去率と25℃で3ヶ月保管後の洗浄除去率との比を洗浄性の持続性として、以下の式にて算出した。
洗浄性の持続性(%)=(25℃で3ヶ月保管後の洗浄除去率)/(配合直後の洗浄除去率)×100
表3〜表5の評価結果から、本発明の洗剤組成物は、洗浄性の持続性が高く、長期的に洗浄性を保つことができることがわかる。
本発明のタンパク質性プロテアーゼインヒビターは、プロテアーゼの活性を効率よく、長期的に阻害できるので、医薬品、食品、洗剤及び生化学の分野において有効に使用することができる。また、本発明のタンパク質溶液は、プロテアーゼ活性が充分に抑制されているので、長期間プロテアーゼ活性を持続でき、医薬品、食品、洗剤及び生化学の分野において有効に使用することができる。たとえば、タンパク医薬品液体製剤、酵素液体製剤、工業用酵素水溶液、液体洗剤、飲料、診断薬用の測定試薬、タンパク質の標準液等に使用できる。本発明の洗剤組成物は、プロテアーゼ活性が充分抑制されているので、長期間洗浄性を持続でき、衣料用洗浄剤、自動食器洗浄機用洗浄剤及びコンタクトレンズ用洗浄剤として使用でき、特に衣料用液体洗剤に使用できる。

Claims (3)

  1. 配列番号2〜5、10、11、14〜23、25、31及び34〜36のいずれかのアミノ酸配列を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビター
  2. 請求項1に記載のタンパク質性プロテアーゼインヒビター、プロテアーゼ(D)及び溶剤(E)を含むタンパク質溶液。
  3. 請求項1に記載のタンパク質性プロテアーゼインヒビター、プロテアーゼ(D)、溶剤(E)及び界面活性剤(F)を含む洗剤組成物。
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