次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する
図1は、本発明の第1の実施形態の広告システムの構成を示すブロック図である。
この広告システム1は、広告出力制御手段10、ユーザ情報収集手段21、・・2m(mは任意の整数)および広告表示手段31、・・3n(nは任意の整数)を含む構成となっている。つまり、広告出力制御手段10は、複数のユーザ情報収集手段21、・・2mおよび複数の広告表示手段31、・・3nと、通信回線を介して接続されている。
広告表示手段、例えば、広告表示手段31は広告情報を表示出力する。
ユーザ情報収集手段、例えば、ユーザ情報収集手段21は、所定距離内のユーザが所持する端末30と通信して当該端末に含まれるそのユーザのプロファイル情報を取得する。そして、取得したプロファイル情報をユーザ識別情報、取得時刻および当該ユーザ情報収集手段識別情報とともに通信出力する。
広告出力制御手段10は、複数の広告表示手段31、・・3nおよび複数のユーザ情報収集手段21、・・2mと接続され、各ユーザ情報収集手段が通信出力するユーザのプロファイル情報、ユーザ識別情報、取得時刻およびユーザ情報収集手段識別情報を収集する。そして、広告出力制御手段10は、複数個所のユーザ情報収集手段から収集したユーザのユーザ識別情報、取得時刻およびユーザ情報収集手段識別情報に基づいて前記ユーザの予想進路と進行速度を推定する。さらに、広告出力制御手段10は、当該予想進路にある広告表示手段にユーザが到達するタイミングを予測して、そのユーザのプロファイル情報に合致する広告情報と当該広告情報の出力時刻を、予想進路にある広告表示手段に表示指示する。
このように、第1の実施形態の広告システム1においてユーザ情報収集手段および広告表示手段は複数個所に設置されている。例えば、駅構内やある地域の繁華街の複数個所の街頭に設置されている。各ユーザ情報収集手段は、所定距離内のユーザが所持する端末30と通信して当該ユーザのプロファイル情報を取得する機能を有している。このプロファイル情報は、端末を所持するユーザが公開しても良いとして設定した情報で、例えば、性別、年齢、趣味、嗜好、所持金額、居住地等を含む。このように、本実施形態のユーザ情報収集手段は、駅構内、広場、街頭、歩道等の任意の場所に複数設置される。そして、ユーザ情報収集手段が設置された近辺の場所にいる人、通行中の人、走っている人に関係なく、ユーザ情報収集手段は当該ユーザ情報収集手段が有する所定の通信エリア内に存在する端末と通信を行って情報を収集することができる。
そしてユーザ情報収集手段は、取得したユーザのプロファイル情報を、当該ユーザを識別する情報、情報を取得した時刻、情報を取得したユーザ情報収集手段を識別する情報とともに、広告出力制御手段10に通信出力する。なお、識別情報を以降の説明ではID(Identification)と称する。
広告出力制御手段10は、複数のユーザ情報収集手段からユーザのプロファイル情報、当該ユーザID、情報の取得時刻、情報を取得したユーザ情報収集手段IDを収集する。収集した情報は別途ユーザ対応に管理される。
例えばある移動中のユーザがその経路途上で複数のユーザ情報収集手段の近傍を通過すると、その対応する場所のそれぞれのユーザ情報収集手段から当該ユーザに関する情報が収集される。そのため、当該ユーザが通過した場所、通過した時刻が当該ユーザID、取得時刻およびユーザ情報収集手段IDにもとづいて識別される。そして、ユーザ情報収集手段IDに基づいて、その設置場所を地図情報と対応付けて識別することができる。
従って、広告出力制御手段10は、複数個所のユーザ情報収集手段から収集した情報に基づいてユーザの予想進路を推定することができる。また、ユーザの進行速度も推定できる。広告出力制御手段10は、このようにして移動中のユーザの予想進路と進行速度を推定する。そして、広告出力制御手段10は、広告表示手段の設置場所も地図情報と対応付けて識別することができるので、ユーザがその経路にある広告表示手段に到達するタイミングを予測する。そして、広告出力制御手段10は、その広告表示手段に対して、ユーザのプロファイル情報に合致する広告情報と出力時刻を表示指示する。
広告情報とその出力時刻の表示指示を受けた広告表示手段は、その指示に従って広告情報を表示する。なお、ここで表示する広告情報は動画像に限ることなく、静止画像や音声の単独情報による広告情報を含むものとする。
図2は、第1の実施形態の広告システムの動作を示すフロー図である。
以下のように動作する。
所定距離内のユーザが所持する端末と通信して当該端末に含まれるユーザのプロファイル情報を取得するユーザ情報収集手段から、取得した前記プロファイル情報、ユーザID、取得時刻および当該ユーザ情報収集手段IDを収集する(S101)。
複数個所のユーザ情報収集手段から収集したユーザのユーザID、取得時刻およびユーザ情報収集手段IDに基づいてそのユーザの予想進路と進行速度を推定する(S102)。
当該予想進路にある、広告情報を表示出力する広告表示手段にそのユーザが到達するタイミングを予測する(S103)。
そのユーザのプロファイル情報に合致する広告情報と当該広告情報の出力時刻を、予想進路にある広告表示手段に表示指示する(S104)。
このように、第1の実施形態の広告システムは、任意に移動中のユーザに対して、そのユーザが街頭の広告情報表示手段の近傍に到達するタイミングで、そのユーザのプロファイルから得られる最適な広告情報を提供することができる。そのため、ユーザに対する訴求力の強い、より高い宣伝広告効果を発揮することができる。
次に第2の実施形態を説明する。
図3は、第2の実施形態の広告システムの構成を示すブロック図である。
第2の実施形態の広告システム2は、広告出力制御装置100、複数のユーザ情報収集装置210、・・2mn(mnは任意の整数)および複数の広告表示装置310、・・3nm(nmは任意の整数)を含む構成となっている。
ユーザ情報収集装置210、・・2mnおよび広告表示装置310、・・3nmは、駅構内、広場、繁華街の歩道に沿ったビルの壁面等に多数設置される。
ユーザ情報収集装置、例えばユーザ情報収集装置210は、当該ユーザ情報収集装置210の近傍の所定距離内に居るユーザが所持する端末30と通信して当該ユーザのプロファイル情報を取得する。このプロファイル情報は、端末を所持するユーザが公開しても良いとして設定した情報で、例えば、性別、年齢、趣味、嗜好、所持金額、居住地等を含む。つまり、各ユーザ情報収集装置は、ユーザが所持する端末30と通信可能な所定通信エリアを構成している。そして、各ユーザ情報収集装置は、端末30から取得したユーザのプロファイル情報をユーザID、取得時刻および当該ユーザ情報収集装置IDとともに通信回線を介して広告出力制御装置100に送信する。
広告出力制御装置100は、街中に設置された多数のユーザ情報収集装置210、・・2mnおよび広告表示装置310、・・3nmと通信回線を介して接続されている。そして、各ユーザ情報収集装置の近傍に居るユーザに関するプロファイル情報とユーザIDを、それぞれのユーザ情報収集装置ID、取得時刻とともに逐次受信して、街頭に居るユーザに関する情報を収集している。任意に移動しているユーザは、移動中に複数のユーザ情報収集装置の近傍を通過するであろう。広告出力制御装置100は、そのようなユーザを対象にして、複数個所のユーザ情報収集装置から収集したユーザ情報の取得時刻およびユーザ情報収集装置IDに基づいてユーザの予想進路と進行速度を推定する。さらに、広告出力制御装置100は、当該予想進路にある広告出力装置の設置場所にユーザが到達するタイミングを予測して、そのユーザのプロファイル情報に合致する広告情報と出力時刻を、その広告表示装置に送信する。
広告表示装置310、・・3nmは、広告出力制御装置100から受信する表示指示情報に基づいて広告情報を表示出力する装置である。なお、広告表示装置310、・・3nmが表示出力する広告情報は動画像に限ることなく、静止画像や音声の単独情報による広告情報を含むものとする。
このような第2の実施形態の広告システム2を、図4〜図14を参照して詳細に説明する。図4〜図8は構成を示すブロック図等であり、図9〜図14は動作を示すフロー図である。
まず、各装置の構成について説明する。
図4は、第2の実施形態のユーザ情報収集装置200の構成を示すブロック図である。なお、ユーザ情報収集装置200は、複数のユーザ情報収集装置210、・・2mnを代表して、その構成を示すものである。
ユーザ情報収集装置200は、制御部201、ユーザ通信部202、上位装置通信部203および記憶部204を含む構成となっている。
前述のごとく、ユーザ情報収集装置200は、当該装置の近傍の所定距離内に居るユーザが所持する端末30と通信してユーザのプロファイル情報を取得する。そして、ユーザ情報収集装置200は、端末30から取得したユーザのプロファイル情報をユーザID、取得時刻および当該ユーザ情報収集装置IDとともに通信回線を介して広告出力制御装置100に送信する。
そのため、ユーザ通信部202は所定の範囲をカバーする無線通信エリアを構築しており、その無線通信エリア内に入った端末30と通信を行う機能を有する。所定の範囲は、例えばユーザ情報収集装置200を中心として半径10m〜20mの円形の近距離無線通信エリアでよい。
また、端末30は、携帯電話機に代表される個人が通常所持する携帯型の電子機器で、当該広告システムとの通信機能および情報提供機能を備えている機器であればよい。当該広告システムとの通信機能は、例えば、ユーザ通信部202が周期的に発信している応答要求信号に対して応答信号を返送することにより通信を開始する機能が想定される。そして、情報提供機能としては、ユーザ通信部202からのプロファイル情報取得要求信号を受信して、予め登録してある当該端末の所持者に関するプロファイル情報を返送する機能を有していればよい。
ユーザ通信部202は端末30との通信開始時に端末30からユーザIDを取得する。ユーザIDはユーザを一意に識別できればよい情報である。例えば、自分のプロファイル情報に合致する広告情報が表示されることを望むユーザを会員として募集して当該広告システムによる広告表示を行う運用形態が想定される。このような場合に、ユーザが当該広告システムによる広告表示の提供を受けるために別途登録した際に付与された登録IDをユーザIDとして使用してもかまわない。また、運用形態にかかわらず、端末に固有に付与された端末装置IDをユーザIDとして使用してもかまわない。
記憶部204は、ユーザ通信部202で取得したユーザIDを含むプロファイル情報が一旦蓄積される記憶部である。記憶部204に蓄積される際に、ユーザIDとプロファイル情報には当該情報を取得した時刻および当該ユーザ情報収集装置200の識別IDが付加される。
上位装置通信部203は、記憶部204に蓄積されたユーザID、プロファイル情報、取得時刻およびユーザ情報収集装置IDを広告出力制御装置100に送信する通信部である。広告出力制御装置100への送信は定期的に行われる。例えば、記憶部204に蓄積された情報を10秒間隔で送信する。この送信間隔は、記憶部204に蓄積されるデータ量との関連で、ユーザ情報収集装置の設置場所や時間帯に応じて任意に設定してかまわない。また、上位装置通信部203は無線通信または有線通信のどちらの通信形態であってもかまわない。
制御部201は、上述したユーザ情報収集装置としての機能を有機的に実現するために、ユーザ通信部202、上位装置通信部203および記憶部204を統括的に制御する。
図5は、第2の実施形態の広告出力制御装置100の構成を示すブロック図である。
広告出力制御装置100は、大きく区分して通信部130、記憶手段110および制御手段120を含む構成となっている。
通信部130は、複数のユーザ情報収集装置や複数の広告表示装置と接続され、それぞれの上位装置通信部と通信を行う。通信形態は無線通信または有線通信のどちらであってもかまわない。ユーザ情報収集装置からはユーザID、プロファイル情報、取得時刻およびユーザ情報収集装置IDを受信し、広告表示装置には後述する表示指示情報を送信する。
記憶手段110は、当該広告システムによる広告表示を実現するために必要な各種の記憶手段として、ユーザ情報管理部111、装置設置場所記憶部112、表示情報管理部113および広告情報蓄積部114を含む。
ユーザ情報管理部111は、ユーザ情報収集装置から収集したユーザID、プロファイル情報、取得時刻およびユーザ情報収集装置IDをユーザに対応させてユーザ単位で管理する。詳細は図7を参照して後述する。
装置設置場所記憶部112は、ユーザ情報収集装置および広告表示装置のそれぞれの設置場所をそれぞれの識別情報と地図情報と対応付けて記憶している。ユーザの進行方向および経路の推定、進行速度の算出に使用される。
表示情報管理部113は、当該広告システムによる広告表示の対象となる広告表示装置対応に、対象となるユーザIDを表示時刻に対応させて登録した管理テーブルである。詳細は図8を参照して後述する。
広告情報蓄積部114は、ユーザの各プロファイル情報に対応した最適な広告情報が蓄積されている。
制御手段120は、通信部130および記憶手段110と連動して当該広告システムによる広告表示を実現するために必要な各種の制御動作を実行する。制御手段120は、情報収集部121、経路予測部122および広告情報選択指示部123を含む。
情報収集部121は、ユーザ情報収集装置から受信したユーザID、プロファイル情報、取得時刻およびユーザ情報収集装置IDを、ユーザ単位で管理できるようにユーザ情報管理部111に登録および更新の制御を行う。
経路予測部122は、ユーザ情報管理部111に逐次登録、更新されるユーザ単位の情報に基づいて、ユーザの進行方向、経路を推定し、その経路上に存在する広告表示装置の有無を確認する。ユーザの経路上に広告表示装置が存在する場合には、ユーザがその場所に到達するタイミングを予測し、表示情報管理部113に必要情報を登録する。なお、後述するが、ユーザが到達するタイミングが表示情報管理部113で管理している次回タイミングより早い場合は、ユーザIDと広告表示装置IDを付加してその旨を広告情報選択指示部123に直接通知する。また、ユーザの進行速度が所定の値よりも速い場合には、当該広告システムによる広告表示の処理の対象から外すようにすることもできる。
広告情報選択指示部123は、表示情報管理部113を周期的に参照し、通知対象とする広告表示装置IDおよびそれと対応して登録されているユーザIDを抽出することにより処理を実行する。また、経路予測部122から通知を受けた場合には、通知されたユーザIDと広告表示装置IDとに基づいて処理を実行する。広告情報選択指示部123は、広告表示装置IDで識別される通知対象の広告表示装置に対応するユーザIDに基づいて、当該ユーザのプロファイル情報に合致する広告情報を広告情報蓄積部114から抽出する。そして、抽出した広告情報と、その表示時刻を含む表示指示情報を、広告表示装置IDで識別される通知対象の広告表示装置に送信する。表示時刻は、表示情報管理部113を参照した場合は、表示情報管理部113における次回タイミングに相当する時刻である。次回タイミングについては後述する。また、経路予測部122から通知を受けた場合には、通知された時刻をそのまま表示時刻とする。
図6は、第2の実施形態の広告表示装置300の構成を示すブロック図である。なお、広告表示装置300は、複数の広告表示装置310、・・3mnを代表して、その構成を示すものである。
広告表示装置300は、上位装置通信部302、記憶制御部303、広告情報記憶部304、表示制御部305および広告表示部301を含む構成となっている。
広告表示部301は広告情報を表示する。例えば、動画像や静止画像を表示するビルの壁面等に設置された大型ディスプレイ装置がある。また、ここで表示する広告情報は動画像に限ることなく、静止画像や音声の単独情報による広告情報を含むものとする。従って、広告表示部301は街頭スピーカーであってもかまわない。
上位装置通信部302は広告出力制御装置100と接続されて表示指示情報を受信する。広告出力制御装置100との通信形態は無線通信または有線通信のどちらであってもかまわない。表示指示情報は、当該広告表示装置300に接近中のユーザのプロファイル情報に合致する広告情報と、ユーザの到達予測から求めた当該広告情報の出力時刻を含む。また、表示指示情報は、通常時に当該広告表示装置300で表示する広告情報も含む。
記憶制御部303は、上位装置通信部302を介して広告出力制御装置100から受信した表示指示情報を広告情報記憶部304に蓄積する制御を行う。表示指示情報は、通常時に当該広告表示装置300で表示する広告情報と、当該広告表示装置300に接近中のユーザのプロファイル情報に合致する広告情報およびその出力時刻を含む。前者を通常広告情報、後者を割込み広告情報と称し、記憶制御部303は、通常広告情報と割込み広告情報を分類して広告情報記憶部304に蓄積する制御を行う。通常広告情報は、例えば予めプログラムした順番で表示する広告のセットである。つまり、通常広告情報は、当該広告システムの運用者が予めサーベイして、広告表示装置の設置場所や表示時間に効果的な広告セットとして広告出力制御装置100から各広告表示装置に適宜配布される広告情報である。
広告情報記憶部304は、広告情報をその出力タイミングに従って記憶蓄積する。また、通常広告情報と割込み広告情報はそれぞれ異なる記憶エリアに蓄積される。
表示制御部305は、広告表示部301に表示出力する広告情報を、広告情報記憶部304から出力タイミングに従って取り出して広告表示部301に表示出力を指示する。後述するが、表示制御部305は広告情報記憶部304に割込み広告情報が蓄積されている場合は、割込み広告情報をその出力時刻に同期して表示出力させることを優先する。そして、一旦表示した割込み広告情報は広告情報記憶部304から削除する。
図7は、広告出力制御装置100のユーザ情報管理部111で管理しているユーザデータの例を示す図である。
ユーザ情報管理部111は、ユーザ情報収集装置200から収集したユーザID、プロファイル情報、取得時刻およびユーザ情報収集装置IDをユーザ単位で管理する。
図7はある時点におけるユーザ情報管理部111のデータの一部を示す。このデータには3人のユーザに関する情報が蓄積されている。各ユーザはユーザIDで特定され、そのユーザに関するプロファイル情報が対応して登録されている。
そして、各ユーザがプロファイル情報を収集されたユーザ情報収集装置の識別情報であるユーザ情報収集装置IDと取得時刻が逐次登録されている。つまり、例えばユーザAaaは、3箇所のユーザ情報収集装置の近傍にいたことが登録されている。それらは、Rabb001で特定されるユーザ情報収集装置の近傍に10時25分31秒に、Rabc003の近傍に10時28分15秒に、そして、Rabe002の近傍に10時32分03秒にそれぞれいたことが登録されている。同様に、ユーザBagは2箇所のユーザ情報収集装置の近傍にいたことが登録され、ユーザBckは1箇所のユーザ情報収集装置の近傍にいたことが登録されている。
また、Rabb001、Rabc003、Rabe002等のユーザ情報収集装置IDは、装置設置場所記憶部112において、地図情報と対応して記憶されている。
なお、ユーザBagのユーザ情報収集装置Rxcf003に付与されている米印は、後述する探索実行済フラグを表す。この探索実行済フラグは、広告表示装置の探索を行ったが、その時点では対象となる広告表示装置が発見されなかったことを意味する。
図8は、広告出力制御装置100の表示情報管理部113で管理する登録データの例を示す図である。
表示情報管理部113へのデータ登録は経路予測部122が行い、広告情報選択指示部123が表示情報管理部113を参照して広告情報の生成および対応する広告表示装置への通知を行う。
表示情報管理部113には、当該広告システムにおける広告表示の対象となっている全ての広告表示装置に対応するデータ登録領域がある。左欄の上から順に広告表示装置がそのIDで識別できるようになっている。また、上欄には、「次回タイミング」、「5分後表示」、・・・「20分後表示」というように、広告情報を表示する時刻情報が規格化されて示されている。
経路予測部122は、その処理において、あるユーザがある広告表示装置に到達する時刻を予測すると、該当する広告表示装置IDと規格化した到達予測時刻に該当するデータ登録領域に、対応するユーザIDを登録する。
「次回タイミング」とは、基準時刻から例えば5分後に広告情報を出力する対象となるユーザIDが登録されている。基準時刻とは、広告情報選択指示部123が処理動作を行った時刻である。「5分後表示」とは「次回タイミング」からさらに5分後に広告情報を出力する対象となるユーザIDが登録されている。従って、基準時刻を基準にすると10分後の表示出力である。「10分後表示」・・・「20分後表示」も「次回タイミング」からの時間を意味している。
上記の例では、広告情報選択指示部123は5分周期で処理動作を行うことになる。そして、当該処理動作時には「次回タイミング」欄にユーザIDが登録されている広告表示装置を対象にして処理する。つまり、広告情報選択指示部123は、「次回タイミング」欄にユーザIDが登録されている広告表示装置に対して、広告情報を5分後の時刻に表示出力するように指示する。
広告情報選択指示部123は、上記処理動作を実行する度に、その実行したタイミングを経路予測部122に通知する。そのため、経路予測部122は、広告情報選択指示部123の動作周期を知っており、直近に行った処理動作時間を基準にして規格化時刻欄にユーザIDを登録する。
広告情報選択指示部123が直近に行った処理動作時刻から次の処理動作を行うまでの時間が5分で、そのときに通知する出力時刻は5分後の出力時刻である。従って、経路予測部122は、算出した到達予測時刻が、広告情報選択指示部123が直近に行った動作処理時刻から10分以上〜15分未満であるユーザIDを「次回タイミング」の欄に登録する。「5分後表示」欄には、到達予測時刻が、広告情報選択指示部123が直近に行った動作処理時刻から15分以上〜20分未満であるユーザIDが登録される。「10分後表示」・・・「20分後表示」の欄にも同様の考え方でユーザIDが登録される。
経路予測部122は、広告情報選択指示部123が直近に行った処理動作時刻からの経過時刻に応じて、上記のデータ登録処理を行う。例えば、広告情報選択指示部123が直近に行った処理動作時刻から3分が経過した時点で算出した到達予測時刻が、現時点から14分後であった場合、この時刻は直近に行った処理動作時刻を基準にすると17分後(3分+14分)となる。そのため、このユーザのデータは「5分後表示」欄に登録する。
また、経路予測部122は、算出した到達予測時刻が、広告情報選択指示部123が直近に行った動作処理時刻から10分未満であった場合には、表示情報管理部113へのデータ登録は行わずに、広告情報選択指示部123に直接指示を行う。この指示を受けた広告情報選択指示部123は、動作周期にかかわらず、指示されたユーザID、広告表示装置および出力時刻に応じた処理を即座に行う。この直接指示に基づく広告情報選択指示部123の処理動作時刻は上記の基準としての処理動作時刻としては使われない。
この表示情報管理部113のテーブル情報は、広告情報選択指示部123が「次回タイミング」欄に登録された全てのデータに関する処理を終了すると、別途用意されたテーブル更新処理により更新される。つまり、「5分後表示」欄の登録データが「次回タイミング」欄に移り、「10分後表示」・・・「20分後表示」の欄のデータもそれぞれ1つ前の欄に移る。
なお、経路予測部122は、広告情報選択指示部123により、対象となる欄のデータの処理が実行されるまでは、表示情報管理部113のテーブル登録を随時行うことができる。つまり、「次回タイミング」欄への登録は、広告情報選択指示部123により当該欄に対する処理が行われるまで、対象データが出現すれば登録することができる。他の欄のデータ登録も、更新により「次回タイミング」欄にデータが移り、それが広告情報選択指示部123により処理されるまで、当該欄への対象データが出現する度に登録することができる。
次に、上述のように構成されたユーザ情報収集装置200、広告出力制御装置100および広告表示装置300の動作を図9〜図14のフロー図を参照して説明する。
図9は、第2の実施形態のユーザ情報収集装置200の動作を示すフロー図である。
ユーザ情報収集装置200は、所定の範囲をカバーする無線通信エリアを構築しており、その無線通信エリア内に入った端末30と通信を行う。
ユーザ情報収集装置200は、例えばユーザ情報収集装置200を中心として半径10m〜20mの円形の近距離無線通信エリアに周期的に応答要求信号を送信している(S201)。
当該広告システムによる広告表示のサービスに登録しているユーザがこの無線通信エリア内に入ると、当該ユーザが所持している端末30は、ユーザ情報収集装置200が発する応答要求信号に応答して応答信号を返送する(S202、YES)。通常、ユーザIDはこの応答信号によりユーザ情報収集装置200に通知される。
これにより、ユーザ情報収集装置200と端末30との間で通信が開始される。
ユーザ情報収集装置200は、ユーザに関する情報の取得を求める情報取得要求信号を端末30に送信する(S203)。
端末30に、当該ユーザが公開しても良いとしているプロファイル情報が予め登録されている場合は、そのプロファイル情報が端末30からユーザ情報収集装置200に送信される。端末30にそのような情報が登録されていない場合は、当該端末30との通信を打ち切り、他の端末との通信を試みる(S204、NO)。
端末30からプロファイル情報が取得できると(S204、YES)、ユーザ情報収集装置200は、取得したユーザIDとプロファイル情報に当該ユーザ情報収集装置IDと取得時刻を付加した情報セットとして、広告出力制御装置100に送信する(S205)。この情報セットは、取得する度に広告出力制御装置100に送信してもよいし、いくつかの情報セットを記憶部に蓄積して、まとめて送信してもよい。
なお、当該ユーザ情報収集装置の周辺に一定時間留まっているようなユーザも想定される。図示していないが、ユーザ情報収集装置200はそのようなユーザに対しては、最初の応答信号の受信時以外は情報取得要求信号を端末30に送信しない。そして、当該端末30からの応答信号を予め定めた時間経過しても受信しなくなった場合に、最後に応答信号を受信した時刻を情報取得時刻として広告出力制御装置100に取得情報を送信する。また、そのようなユーザが当該ユーザ情報収集装置の周辺に留まっていた時間を収集できるように構成してもよい。
以上のようにして、ユーザ情報収集装置200の周辺のユーザの情報が取得され、広告出力制御装置100に収集される。
図10は、第2の実施形態の広告出力制御装置100の情報収集部121の動作を示すフロー図である。
情報収集部121は、広告出力制御装置100と接続されている複数のユーザ情報収集装置200から各ユーザの情報セットを受信する(S301)。
収集した情報セットは、ユーザ情報管理部111においてユーザ対応に管理される。そのため、情報収集部121は、受信した情報セットのユーザIDを識別する(S302)。
情報収集部121は、識別したユーザIDがユーザ情報管理部111に既に登録されたものであるか、それとも新規のものであるかを判断する(S303)。
ユーザ情報管理部111にユーザIDが登録されていない場合(S303、なし)、情報収集部121は、ユーザ情報管理部111に当該ユーザに関する情報を新規に登録する。つまり、ユーザID、それに対応するプロファイル情報および最初に到達したユーザ情報収集装置200とその到達時刻が登録される(S305)。
一方、ユーザ情報管理部111にユーザIDが既に登録されている場合(S303、有り)、情報収集部121は、ユーザ情報管理部111の対応するユーザID内にエントリーを1つ追加する(S304)。つまり、図7を参照するとわかるように、ユーザ情報収集装置IDと取得時刻のセットを、既に登録されているユーザIDの行に追加する。
ユーザIDがユーザ情報管理部111に既に登録されているということは、当該ユーザが別のユーザ情報収集装置200の近傍を過去に通過しているということである。そして、今回はそれとは別のユーザ情報収集装置200の周辺に来ているので、その新たなユーザ情報収集装置200から得られた情報が登録されたことを意味する。従って、あるユーザに着目してユーザ情報管理部111の登録情報を左から右に辿ることにより、そのユーザが通過した経路にあるユーザ情報収集装置200とその通過時刻を知ることができる。
このようにして、情報収集部121は、ユーザに関する情報をユーザ単位でユーザ情報管理部111に登録する処理を行う。
なお、情報収集部121は、上述した動作以外にも、ユーザ情報管理部111の更新状況を周期的に監視しており、一定時間更新がないユーザエントリーをユーザ情報管理部111から削除する動作を行う。これは、ユーザがユーザ情報収集装置が設置されていない経路に行ってしまったか、バスやタクシー等の自動車で移動してしまった可能性が高いからである。
図11は、第2の実施形態の広告出力制御装置100の経路予測部122の動作を示すフロー図である。
経路予測部122は、ユーザ情報管理部111および装置設置場所記憶部112を参照して各ユーザの進行に関する情報を推定する。そして、その推定結果を表示情報管理部113に登録する。経路予測部122の処理は周期的に起動されて実行される。
まず、経路予測部122は、進行方向を推定するために複数個所を通過したユーザに着目する。経路予測部122は、ユーザ情報管理部111を参照して、複数個所のエントリーがあるユーザIDを抽出する(S401)。
経路予測部122は、抽出したユーザIDから、順次個々のユーザに対して、その進行方向と進行経路を推定する。
経路予測部122は、まず対象ユーザが過去に通過した複数のユーザ情報収集装置IDから、装置設置場所記憶部112を参照して当該ユーザの進行方向を推定する(S402)。なお、装置設置場所記憶部112には、当該システムに関する全てのユーザ情報収集装置200と広告表示装置300が、そのID情報と共に地図情報と対応付けられて記憶されている。
同じく、経路予測部122は、装置設置場所記憶部112を参照して当該ユーザの経路を推定し、その直近の経路上に広告表示装置300が設置されているか否かを判別する(S403)。
なお、「直近の経路上に広告表示装置が設置」とは、その広告表示装置300の設置されている場所に行く途中に道路の分岐等がなく、通常に歩行すれば必然的にその場所に達する状況を意味する。つまり、最後に通過した広告表示装置300の設置場所および推定した進行方向から判断した経路上に、必ず行き着くであろう広告表示装置300があるか否かを判別する。従って、その経路上に広告表示装置300があったとしても、途中に道路の分岐等があって、その分岐路に広告表示装置300が無い場合は、「直近の経路上に広告表示装置が設置」とは言わない。また、その分岐路に行っても別の広告表示装置300に必然的に達することができれば、それは「直近の経路上に広告表示装置が設置」となる。この場合は、両方の広告表示装置を対象として後述する処理を行う。
進行方向の直近の経路上に広告表示装置が設置されている場合(S403、有り)、経路予測部122は、その広告表示装置に対象ユーザが到達する時刻を予測する。
そのため、経路予測部122は、ユーザの進行速度を算出する(S404)。これは、ユーザ情報収集装置IDと取得時刻に基づいて、過去に通過した複数のユーザ情報収集装置間の距離とそれぞれの場所への到達時刻から算出できる。
ユーザの進行速度を算出した経路予測部122は、次に、直近の広告表示装置にユーザが到達する時刻を予測する(S405)。これは、直近の広告表示装置までの距離と、いま算出したユーザの進行速度から算出できる。前述のように、対象となる広告表示装置が複数ある場合は、それぞれに対する到達時刻を算出すればよい。
対象となる広告表示装置を特定し、ユーザがその場所に到達する時刻を予測した経路予測部122は、その情報を表示情報管理部の該当する欄に登録する(S406)。つまり、図8を参照して説明したように、対象となる広告表示装置IDの対象となる正規化出力時刻欄に当該ユーザIDを登録する。
また、ステップS403において、進行方向の直近の経路上に広告表示装置が設置されていない場合(S403、なし)、経路予測部122は、進行方向の更に先の経路上に広告表示装置があるか否かを判別する(S407)。これは、ユーザが歩いて行く先に広告表示装置が設置されていないのであれば(S407、なし)、これ以上のトレースは無駄になるので、当該ユーザのエントリーを削除する(S408)ためである。
一方、進行方向の更に先の経路上に広告表示装置が設置されている場合には(S407、有り)、当該ユーザが別のユーザ情報収集装置200の近傍を通過したことをトリガーとして上記の処理が再度実行され、その際に広告表示装置が特定される可能性がある。しかし、今回の処理では広告表示装置が特定できなかったことを示す探索実行済フラグをユーザ情報管理部111に設定する。従って、経路予測部122は、次の周期の処理において、探索実行済フラグが付与されたユーザ情報収集装置ID以降に新たなエントリーが入っていないユーザIDに対しては、ステップS401の処理対象にはしない。
経路予測部122は、ステップS401で抽出した全てのユーザIDに対して上記の処理を実行する。
なお、ステップS404で算出したユーザの進行速度や、ステップS405で予測したユーザが広告表示装置の設置場所に到達する時刻に応じて、処理の変形例を設けてもよい。
例えば、ステップS404で算出したユーザの進行速度が予め設定した進行速度を超える場合には、当該ユーザを処理対象から外すようにしてもよい。これは、例えば自転車やバイクに乗って通過しているようなユーザや、ランニングしているようなユーザが考えられる。そのようなユーザは、広告表示を見る可能性が低いので、そのユーザのプロファイルに合致した広告を表示しても意味がないからである。
また、図8を参照して説明したように、ユーザが広告表示装置に到達する時刻が早いことが予測された場合は、経路予測部122は、ステップS406の処理の代わりに、広告情報選択指示部123に直接処理を指示してもよい。
経路予測部122は、対象となるユーザおよび広告表示装置を以上のようにして特定する。
図12は、第2の実施形態の広告出力制御装置100の広告情報選択指示部123の動作を示すフロー図である。
広告情報選択指示部123は、経路予測部122が特定したユーザのプロファイル情報に合致する広告情報を、やはり経路予測部122が特定した広告表示装置に、予測したユーザの到達時刻に表示するように指示する処理を実行する。広告情報選択指示部123は、ユーザ情報管理部111、表示情報管理部113および広告情報蓄積部114を参照して処理を実行する。広告情報選択指示部123の処理は周期的に起動されて実行される。
広告情報選択指示部123は、図8を参照して説明した、表示情報管理部113の「次回タイミング」欄を参照し(S501)、ユーザIDが登録されている広告表示装置を抽出する(S502)。
広告情報選択指示部123は、ユーザ情報管理部111を参照して、表示情報管理部113に登録されているユーザIDに対応するプロファイル情報を取得する(S503)。
プロファイル情報を取得した広告情報選択指示部123は、広告情報蓄積部114を参照してそのプロファイル情報に合致する広告情報を取得する(S504)。
広告情報選択指示部123は、取得した広告情報と、表示出力時刻として規格化した時刻情報を、対応する広告表示装置に送信する(S505)。図8を参照した説明では、規格化した時間を5分とした。従って、送信した広告情報を5分後に表示するように指示することになる。もちろん、5分後の時間を時刻表示で指示してもよい。
広告情報選択指示部123は、ステップS502で抽出した全ての広告表示装置に対して上記の処理を実行する(S506)。
なお、図示は省略したが、図8を参照して説明したように、ユーザが広告表示装置に到達する時刻が早いことが予測され、経路予測部122から直接処理を指示された場合は、上記S503からS505の処理を指示された情報に基づいて実行する。
また、ステップS503の処理において、複数のユーザIDが登録されている場合、広告情報選択指示部123は、それぞれのプロファイル情報を集計、分析して共通的なプロファイル情報に合致する広告情報を取得するようにしてもよい。もちろん、それぞれのユーザのプロファイル情報に合致する複数の広告情報を使うようにしてもよい。
次に、図13と図14を参照して広告表示装置300の動作を説明する。
図13は、第2の実施形態の広告表示装置300の記憶制御部303の動作を示すフロー図である。
広告表示装置300は、広告出力制御装置100からの表示指示情報を受信して、その表示指示情報に含まれる広告情報および表示出力時刻に基づいて広告を表示出力する。
前述の広告表示装置300の構成で説明したように、広告情報には通常広告情報と割込み広告情報の2種類がある。通常広告情報は、予めプログラムした順番で表示する広告のセットである。この通常広告情報は、広告表示装置300の設置場所や表示時間帯に効果的な広告セットとして広告出力制御装置100から各広告表示装置300に配布される広告情報である。通常広告情報であっても適宜更新される。割込み広告情報は、当該広告表示装置300に接近中のユーザのプロファイル情報に合致する広告情報であり、その表示出力時刻が指定されている。
従って、広告表示装置300は、割込み広告情報の表示出力を広告出力制御装置100から指示されるまでは、通常広告情報を表示出力している。
広告表示装置300の記憶制御部303は、広告出力制御装置100から受信した広告情報を分類して広告情報記憶部304に蓄積する。
まず、記憶制御部303は、広告出力制御装置100から表示指示情報を受信する(S601)。
記憶制御部303は、受信した表示指示情報に含まれる広告情報が、通常広告情報なのか割込み広告情報なのかを識別する(S602)。これは、広告出力制御装置100が表示指示情報を送信する際に識別フラグを付加しておけばよい。
記憶制御部303は、受信した表示指示情報に含まれる広告情報が、割込み広告情報であれば(S602、割り込み表示)、広告情報記憶部304の割込み広告情報記憶部に当該割込み広告情報を蓄積する(S603)。
一方、記憶制御部303は、受信した表示指示情報に含まれる広告情報が、通常広告情報であれば(S602、通常表示)、広告情報記憶部304の通常広告情報記憶部に当該通常広告情報を蓄積する(S604)。
それぞれの広告情報は、それぞれの蓄積エリアにおいて、その出力タイミングに従った順序で記憶蓄積される。
図14は、第2の実施形態の広告表示装置300の表示制御部305の動作を示すフロー図である。
表示制御部305は、広告表示部301に表示出力する広告情報を、広告情報記憶部304から、各広告の出力タイミングに従って取り出して広告表示部301に表示出力を指示する。表示制御部305は、周期的に処理動作を実行する。
表示制御部305は、処理動作を開始すると広告情報記憶部304の内容をサーチして、割込み広告情報が蓄積されているか否かを確認する(S701)。割り込み広告情報が蓄積されていない場合(S701、なし)、表示制御部305は、通常広告に関する処理を実行する(S705)。つまり、通常広告として蓄積している広告セットを各広告の表示順に広告表示部301に表示出力する。
一方、広告情報記憶部304に割込み広告情報が蓄積されている場合(S701、あり)、表示制御部305は、当該割込み広告情報の指定されている表示時刻を確認する。そして、その表示指定時刻に達しているか否かを確認する(S702)。表示指定時刻に達していない場合(S702、NO)、表示制御部305は、通常広告に関する処理を実行する(S705)。
表示指定時刻に達した場合(S702、YES)、表示制御部305は、その表示指定時刻に該当する割込み広告を広告表示部301に表示出力する(S703)。そして、表示制御部305は、一旦表示出力した割込み広告情報は広告情報記憶部304から削除する。
なお、前述したように、割込み広告情報は、最多の頻度で受信する場合であっても5分間隔で送られてくる。そのため、表示出力される割込み広告は、この5分以内の任意の時間、適宜繰り返して表示出力してよい。
以上に説明したように、第2の実施形態の広告システムは、街頭に設置された複数のユーザ情報収集手段により、街中を任意に移動中のユーザのプロファイル情報を収集し、そのユーザの進行経路を推定する。そして、そのユーザの進行経路途上にある広告表示装置を特定し、その近傍にユーザが到達するタイミングと同期して、そのユーザのプロファイルから得られる最適な広告情報を提供することができる。そのため、ユーザに対する訴求力の強い、より高い宣伝広告効果を発揮することができる。
次に第3の実施形態を説明する。
図15は、第3の実施形態の広告システムの構成を示すブロック図である。
第3の実施形態の広告システム3は、広告出力制御装置150、複数のユーザ情報収集装置410、420、・・4mn(mnは任意の整数)および複数の広告表示装置310、・・3nm(nmは任意の整数)を含む構成となっている。
第3の実施形態の広告システム3が第2の実施形態の広告システム2と相違する点は、複数のユーザ情報収集装置410、420、・・4mnの各所定通信エリアが重複して、複数の所定通信エリアで大きな地域をカバーする面として構成されることである。また、ユーザが所持する端末35が周期的に信号を発信して、それを受信したユーザ情報収集装置、例えばユーザ情報収集装置410が広告出力制御装置150に収集情報を送信する形態となる。そして、ユーザ情報収集装置410は、端末35から受信した信号の電界強度情報(受信レベル)を付加して広告出力制御装置150に収集情報を送信する。収集情報は第2の実施形態の広告システム2と同じで、端末35から取得したユーザのプロファイル情報、ユーザID、取得時刻および当該ユーザ情報収集装置IDを含むものである。
広告出力制御装置150は、各ユーザ情報収集装置から街頭に居るユーザに関する情報を逐次収集している点については第2の実施形態の広告出力制御装置100と同じであるが、後述するように、ユーザのデータの内容と管理の仕方において相違する。
また、広告出力制御装置150がユーザの予想進路と進行速度を推定し、ユーザが広告出力装置に到達するタイミングを予測し、プロファイル情報に合致する広告情報と出力時刻を通知する点においても第2の実施形態の広告出力制御装置100と同じである。しかし、後述するように、広告出力制御装置150がそれを実現するために、管理しているユーザデータの使い方が相違する。
広告表示装置310、・・3nmは、第2の実施形態の広告表示装置と同じである。例えば、広告表示装置310は広告出力制御装置100から受信する表示指示情報に基づいて広告情報を表示出力する。また、第2の実施形態と同様に、広告表示装置310が表示出力する広告情報は動画像に限ることなく、静止画像や音声の単独情報による広告情報を含むものとする。
このような第3の実施形態の広告システム3を、図16〜図18を参照して詳細に説明する。
図16は、第3の実施形態のユーザ情報収集装置400のユーザ通信部402の構成を示すブロック図である。なお、ユーザ情報収集装置400は、複数のユーザ情報収集装置410、420、・・4mnを代表する名称である。そして、その構成は図4に示したユーザ情報収集装置200の構成と同じなので、ユーザ情報収集装置400の図示を省略し、ユーザ通信部402の構成のみを図示して説明する。なお、ユーザ情報収集装置400の構成は、図4におけるユーザ情報収集装置200の各構成要素の参照符号を四百番台に読み替えればよい。つまり、ユーザ情報収集装置200のユーザ通信部202は、ユーザ情報収集装置400ではユーザ通信部402となる。
前述したように、第3の実施形態では、端末35が周期的に信号を発信して、それを受信したユーザ情報収集装置400が広告出力制御装置150に収集情報を送信する形態となる。つまり、端末35は、電源がオン状態で、例えば、当該広告システムによる広告表示サービスの提供を受けることを希望して、対応するアプリケーションを起動しているものとする。
この場合、端末35は、該当する電波を探索信号として放送形式で周期的(例えば、10秒周期)に発信している。そのため、当該ユーザが居る場所の周辺に設置されているユーザ情報収集装置400は、その探索信号の電波を受信してユーザの接近を知ることができ、端末35との間で通信してユーザ情報を取得することができる。
このようなユーザ情報収集装置400のユーザ通信部402は、受信電界検出部4021、受信部4022、送信部4023および信号処理部4024を含む構成となっている。
受信電界検出部4021は、端末35から受信した電波の受信レベルを検出する。受信レベルは、例えばRSSI(Received Signal Strength Indicator 受信信号強度検出)値やRSCP(Received Signal Code Power 希望波受信電力)値として示される。そして、検出した受信レベルは信号処理部4024を介してユーザ情報収集装置400の制御部401に送られる。
受信部4012は、端末35から受信した電波を中間周波数にダウンコンバートし、検波して受信信号を信号処理部4014に送る。
送信部4013は、信号処理部4014から出力された送信信号をアップコンバートして送信電波を出力する。
信号処理部4014は、受信信号のアナログ/ディジタル変換等の処理を行ってベースバンド信号を検出し、それを制御部401に送る。また、端末35との通信で必要な応答信号、情報取得要求信号等を送信信号として出力する。
次に、ユーザ情報収集装置400の動作を説明する。
図17は、第3の実施形態のユーザ情報収集装置400の動作を示すフロー図である。
端末35が接近してくると、端末35が発信している探索信号を受信する(S801)。探索信号はユーザIDを含んで送信されているので、ユーザ情報収集装置400はユーザを識別することができる(S802)。
10秒周期で発信している同一端末からの信号を何度も処理するとユーザ情報収集装置400の負荷が大きくなるので、本例の場合は、一定時間(例えば、30秒間)は同一端末からの信号受信を処理しないようにしている。これは、最初に処理したユーザIDを図示しない受信ユーザテーブルに登録し、ステップS802の処理で識別したユーザIDを受信ユーザテーブルの登録内容と比較することにより同一端末からの繰り返し受信か否かを判定する。なお、受信ユーザテーブルに登録されたユーザIDは予め定めた一定時間が経過したものから後述する再受信フラグが付される。
ユーザIDを識別したユーザ情報収集装置400は、受信ユーザテーブルを参照して端末35からの受信形態を識別する(S803)。
受信ユーザテーブルに当該ユーザIDの登録エントリーがなく、新規受信である場合は、取得したプロファイル情報、ユーザID、受信レベル情報に当該ユーザ情報収集装置400の装置IDと取得時刻を付加して広告出力制御装置150に送信する(S804)。そして、受信ユーザテーブルに当該ユーザIDを登録(S805)して処理を終了する。
受信ユーザテーブルに当該ユーザIDの登録エントリーがあり、再受信フラグが付されていない場合、同一ユーザからの信号受信を処理しない期間なので受信情報(ユーザIDを含む探索信号)を破棄する(S806)。
前述のように、受信ユーザテーブルに登録されたユーザIDは予め定めた一定時間が経過したものから再受信フラグが付される。これは、当該ユーザ情報収集装置400の周辺に、対象としているユーザがまだ居る場合の処置を行うケースである。つまり、既にプロファイル情報は取得して広告出力制御装置150に送信済なので、当該ユーザの行動に関する情報のみを広告出力制御装置150に送信する。
従って、受信ユーザテーブルに当該ユーザIDの登録エントリーがあり、再受信フラグが付されている場合、ユーザ情報収集装置400はユーザID、受信レベル情報、装置IDおよび取得時刻を広告出力制御装置150に送信する(S807)。この場合、プロファイル情報は送信しない。そのため、ユーザ情報収集装置400は端末35からの探索信号を受信する処理だけでよいので、プロファイル情報を取得するための信号処理を行う必要がない。
なお、受信ユーザテーブルに登録されたユーザIDは、同一端末から探索信号を所定の期間受信しなくなった場合に削除される。これは、当該ユーザが当該ユーザ情報収集装置400の周辺から遠ざかったことを意味するからである。
また、上記説明において、ユーザ情報収集装置400は端末35から送信される電波の受信レベルを検出してそれを広告出力制御装置150に送信するとした。しかし、変形例として、ユーザ情報収集装置400から送信される電波の受信レベルを、端末35が受信して検出し、それをユーザ情報収集装置400に報告する形態を加えてもよい。この変形例を用いる場合、ユーザ情報収集装置400が端末35に送信する情報取得要求信号の受信レベルが使われる。そして、ユーザ情報収集装置400は、広告出力制御装置150に送信する情報に、ユーザ情報収集装置400が検出した端末35から送信される電波の受信レベルと、その端末35で検出したユーザ情報収集装置400から送信される電波の受信レベルを含める。
また、上記説明において、ユーザ情報収集装置400は端末35から送信される探索信号を受信し、その後必要に応じて情報取得要求信号を端末35に送信してプロファイル情報を取得するとした。しかし、別の変形例として、端末35が、ユーザIDおよびプロファイル情報を含めた通知信号として放送形式で一括して送信する形態にしてもよい。この変形例を用いる場合、ユーザ情報収集装置400は端末35に対して情報取得要求信号を送信する必要がないので、送信部4023を含まないユーザ通信部402として構成してもよい。
次に、第3の実施形態の広告出力制御装置150での動作を説明する。
第3の実施形態の広告出力制御装置150の構成は、図5に示した広告出力制御装置100の構成と同じなので、広告出力制御装置150の図示を省略する。広告出力制御装置150の構成は、図5における広告出力制御装置100の各構成要素の参照符号を読み替えればよい。例えば、記憶手段は160、制御手段は170そして通信部は180に読み替えればよい。また、各手段を構成する各部においても同様である。
図18は、第3の実施形態の広告出力制御装置150のユーザ情報管理部161(不図示)で管理しているユーザデータの例を示す図である。
ユーザ情報管理部161は、ユーザ情報収集装置400から収集したユーザID、プロファイル情報、取得時刻、受信レベル情報およびユーザ情報収集装置IDをユーザ単位で管理する。
図18はある時点におけるユーザ情報管理部161のデータの一部を示す。このデータには3人のユーザに関する情報が蓄積されている。各ユーザはユーザIDで特定され、そのユーザに関するプロファイル情報が対応して登録されている。
そして、各ユーザがプロファイル情報を収集された取得時刻を基準にして、ユーザ情報収集装置400の識別情報であるユーザ情報収集装置IDとそれぞれのユーザ情報収集装置400において検出された受信レベル情報が逐次登録されている。
例えばユーザAaaは、10時25分30秒に3箇所のユーザ情報収集装置400の近傍にいたことが登録されている。それらは、ユーザ情報収集装置Rab01、Rac03およびRae02である。そして、各ユーザ情報収集装置400で検出した端末からの電波の受信レベルはそれぞれ−36、−52、−32である。ここで受信レベルの数値の単位はdBmであるが、RSSI値として定義された数値を使用してもかまわない。
また、同一ユーザAaaの情報が30秒後の10時26分00秒に4箇所のユーザ情報収集装置400から報告されたことが登録されている。それらは、ユーザ情報収集装置Rab01、Rac03、Rae02およびRae05である。そして、各ユーザ情報収集装置400で検出した端末からの電波の受信レベルはそれぞれ−46、−64、−28、−31である。
他のユーザBagやBckに対しても同様にして、各ユーザがプロファイル情報を収集された取得時刻を基準にして、ユーザ情報収集装置IDとそれぞれのユーザ情報収集装置400において検出された受信レベル情報が登録されている。
各ユーザ情報収集装置IDは、装置設置場所記憶部162(不図示)において、地図情報と対応して記憶されている。各ユーザ情報収集装置400で検出した端末からの電波の受信レベルの強弱は、ユーザ情報収集装置400とユーザとの距離に比例するので、複数個所のユーザ情報収集装置400で検出した受信レベル情報から容易にユーザ位置を特定することができる。
なお、ここで示している取得時刻の情報は、最初に報告があったユーザ情報収集装置400における取得時刻を基準にしている。そして、その基準となる取得時刻から20秒以内の他のユーザ情報収集装置400からの報告は略同一の取得時刻として、基準となる取得時刻と同一欄に登録している。この略同一の取得時刻と判断する時間幅は、端末35の情報発信の周期と、ユーザ情報収集装置400における情報取得制御の実行間隔に応じて任意に設定することができる。つまり、この設定は、広告出力制御装置150における処理負荷を抑え、かつ処理する情報の精度を落とすことなく実施できる範囲であれば任意に決めてかまわない。
広告出力制御装置150が行う以降の処理は、第2の実施形態の広告出力制御装置100が行う処理と同じである。
つまり、経路予測部172(不図示)は、ユーザ情報管理部161および装置設置場所記憶部162を参照して各ユーザの進行に関する情報を推定する。そして、その推定結果を表示情報管理部163(不図示)に登録する。
第3の実施形態の場合、経路予測部172は、複数の時刻エントリーのあるユーザに対し、各時刻エントリーにおけるユーザの位置を、装置設置場所記憶部162を参照して特定する。そして、複数の時刻エントリーにおける位置の変化状態から当該ユーザの進行方向と進行経路を推定する。
経路予測部172が行う、進行方向の直近の経路上の広告表示装置300に対象ユーザが到達する時刻を予測して、表示情報管理部163にユーザIDを登録する処理は、第2の実施形態と同じである。
また、広告情報選択指示部173(不図示)が行う、経路予測部172が特定したユーザのプロファイル情報に合致する広告情報を、特定した広告表示装置300に、予測したユーザの到達時刻に表示するように指示する処理も第2の実施形態と同じである。
さらに、広告表示装置300における処理も第2の実施形態と同じである。
このように、第3の実施形態の広告システム3は、ユーザ情報収集装置400の所定通信エリアを面として構築し、街中を任意に移動するユーザの動きをその面の中で把握するようにしている。つまり、各ユーザ情報収集装置400で検出した端末35からの電波の受信レベルの強弱は、各ユーザ情報収集装置400の設置場所と端末35との距離に比例することになるので、ユーザの位置をより正確に把握することが可能となる。
そのため、街頭に設置された複数のユーザ情報収集手段400により、街中を任意に移動中のユーザのプロファイル情報を収集し、そのユーザの進行経路をより正確に推定することができるようになる。そして、そのユーザの進行経路途上にある広告表示装置300を特定し、その近傍にユーザが到達するタイミングと同期して、そのユーザのプロファイルから得られる最適な広告情報を提供することが容易にできる。そのため、ユーザに対する訴求力の強い、より高い宣伝広告効果を発揮することができる。
なお、第3の実施形態では、端末35が発信する電波の受信レベルをユーザ情報収集装置400で検出したものを使用するとして説明した。しかし、変形例として前述したように、端末35でユーザ情報収集装置400が発信する電波の受信レベルを検出し、それをユーザ情報収集装置400に報告する形態にし、ユーザ情報収集装置400が両方の受信レベル情報を収集情報に含めるようにしてもよい。そして、広告出力制御装置150では両方の受信レベル情報の、例えば平均レベルを受信レベルとして使用するようにしてもよい。このようにすることにより、建物の位置などにより影響される電波のレベル変動による測定誤差を小さくすることができ、ユーザ位置の特定の精度を高めることができる。
次に、第4の実施形態の広告システムを説明する。
図19は、第4の実施形態の広告システムの構成を示すブロック図である。第4の実施形態の広告システム4は、広告表示装置とユーザ情報収集装置が一体化された装置を使用する。
第4の実施形態の広告システム4は、広告出力制御装置100および複数の広告表示装置510、520、・・5mn(mnは任意の整数)を含む構成となっている。そして、広告表示装置500は、第2の実施形態で説明した広告表示装置にユーザ情報収集機能が含まれた装置構成となっている。なお、広告表示装置500は、複数の広告表示装置510、520、・・5mnを代表する名称である。
図20は、第4の実施形態の広告表示装置500の構成を示すブロック図である。
広告表示装置500は、広告表示機能として広告表示部501、記憶制御部507、広告情報記憶部509および表示制御部506を含む。また、広告表示装置400は、ユーザ情報収集機能としてユーザ通信部502、通信制御部504およびユーザ情報記憶部508を含む。共通機能として広告出力制御装置100と通信を行う上位装置通信部503を含む。
このように、第4の実施形態の広告表示装置500の構成は、図4および図6にそれぞれ示した第2の実施形態のユーザ情報収集部200と広告表示装置300の構成が一体化した構成となっている。
従って、第4の実施形態の広告表示装置500の各構成要素は第2の実施形態の構成と次のように対応している。広告表示部501は広告表示部301に、記憶制御部507は記憶制御部303に、広告情報記憶部509は広告情報記憶部304に、表示制御部506は表示制御部305にそれぞれ対応している。ユーザ通信部502はユーザ通信部202に、通信制御部504は制御部201に、ユーザ情報記憶部508は記憶部204にそれぞれ対応している。そして、上位装置通信部503は上位装置通信部203と上位装置通信部302の両方に対応している。各部の機能は、第2の実施形態における対応する各部の機能と同じなので説明を割愛する。
以上に説明したように、第4の実施形態の広告システム4は、広告表示装置500の構成が異なることを除けば第2の実施形態の広告システム2と同じ構成となり、同じ動作を行う。
また、図示を省略したが、第4の実施形態の広告システム4は、第3の実施形態の広告システム3におけるユーザ情報収集装置400を広告表示装置500に置き換えたシステム構成とすることもできる。もちろん、この場合のユーザ通信部502は、図16に示したユーザ通信部402と同じ構成となる。そして、広告出力制御装置は、第3の実施形態で説明した広告出力制御装置150と同じ構成、同じ動作を行う。これにより、第4の実施形態の広告システム4は、広告表示装置500の構成が異なることを除けば第3の実施形態の広告システム3と同じ構成となり、同じ動作を行う。
以上に説明したように、第4の実施形態は、第2の実施形態にも第3の実施形態にも適用可能な実施形態である。そして、広告表示装置にユーザ情報収集機能が含まれた装置構成となっているので、単に街中を任意に移動しているユーザというよりも、むしろ広告情報を目的として集まってきているユーザの移動を対象とすることができる。さらに、第4の実施形態は広告表示装置自体がユーザ情報収集機能を有しているので、対象としたユーザが対象とした広告表示装置に到達したか否か、また到達した時刻の検証を行うような構成にすることもできる。また、対象としたユーザが対象とした広告表示装置周辺に留まっている時間を識別して、広告の表示出力している時間を動的に変更するような構成にすることもできる。
このように、第4の実施形態は、街頭に設置された複数の広告表示装置の周辺に集まっているユーザのプロファイル情報を収集し、そのユーザの移動状況に応じて、ユーザの進行経路を推定することができる。そして、そのユーザの進行経路途上にある広告表示装置を特定し、その近傍にユーザが到達するタイミングと同期して、そのユーザのプロファイルから得られる最適な広告情報を提供することができる。そのため、ユーザに対する訴求力の強い、より高い宣伝広告効果を発揮することができる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は広告システムを設置する環境状況に応じて適宜組み合わせて使用するようにしてもかまわない。