JP5935354B2 - 吸着シート、および、それを用いた吸着エレメント - Google Patents

吸着シート、および、それを用いた吸着エレメント Download PDF

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Description

本発明は、空気中の水分、有機溶剤、および、悪臭成分を効率的に分離・回収、もしくは、吸着・除去する吸着シート、および、それを用いた吸着エレメントに関する。
活性炭やシリカゲル、ゼオライト等といった多孔質材料は、脱臭、空気や水の浄化、ガスの分離・精製といった様々な用途に利用されており、現代の生活に必要不可欠な材料となっている。近年、種々の配位形態を取り得る金属イオンと、2座以上の配位座を有する架橋配位子とを組み合わせて自己集合させた多孔質材料、すなわち、多孔性金属錯体(MOF)、もしくは、多孔性配位高分子(PCP)と呼ばれる新しい多孔質材料が見出された。これら多孔性金属錯体は、活性炭やシリカゲル、ゼオライト等の従来の多孔質材料にはない特徴、すなわち、高比表面積、シャープな細孔分布、および、高い構造設計性という特徴を有しており、注目されている。
これら多孔性金属錯体として、例えば、特許文献1には、特定のジカルボン酸金属錯体がガス吸蔵材、特にメタンを主成分とするガスの吸蔵材として好適であることが開示されている。また、特許文献2には、銅イオンとトリメシン酸類から合成された多孔質錯体が開示されており、吸着材がその用途の一例として開示されている。さらに、特許文献3には、金属クロムまたはクロム塩と、トリメシン酸類から得られる多孔性配位高分子が、特に水蒸気吸着材として優れていることが開示されており、また、多孔性配位高分子を種々の物質の吸着材として使用するためには、減圧下で加熱することによって脱溶媒することが好ましいことが開示されている。しかしながら、特許文献1〜3には、これら多孔性金属錯体からなる吸着シート、および、それを用いた吸着エレメントについての製造方法等の具体的な記載はない。
従来、粉末活性炭やゼオライトを含有するシートとして、粉末活性炭やゼオライトと繊維成分を混合抄造してなるシートが知られている。例えば、特許文献4には、粉末活性炭を混合抄造したシートとして、粉末活性炭と自己固結性を有する繊維状の粘土鉱物、および、耐熱性人造繊維を主成分として含有することを特徴とするコルゲート加工可能な吸着性シートが開示されている。しかしながら、この吸着性シートは、耐熱性人造繊維を含有するため、耐熱性には優れているものの、有機バインダーを含有しないため、吸着材の担持性に劣り、吸着材が容易に脱落してしまうという問題があり、また、吸着材の脱落を抑制するために、シート中に含有される吸着材量を低減すると、吸着性能が低下してしまうという問題があった。さらに、上記吸着シートは、吸着シート中に有機バインダーを含有しないため、シートが柔軟性に乏しく、折り曲げ加工等の加工性が悪いという問題、加えて、粉末活性炭を吸着材として用いるものであるため、吸着性能が十分でないという問題もあった。
また、ゼオライトを混合抄造したシートとして、例えば、特許文献5には、ゼオライトと水分吸着性・自己固結性を有する粘土鉱物繊維、及びガラス繊維、並びに有機バインダーを含有する吸着シートが開示されている。この吸着シートは、粘土鉱物繊維、及び、ガラス繊維を含有するため、耐熱性に優れており、また、有機バインダーを含有するため、吸着材の担持性、および、シートの柔軟性には優れている。しかしながら、吸着材であるゼオライトの細孔内に有機バインダーの側鎖等が吸着してしまい、十分な吸着性能が得られないという問題があった。なお、吸着材(ゼオライト)の細孔内に吸着した有機バインダーは、温度400℃〜800℃で30分以上焼成することにより除去することは可能であるが、有機バインダーを除去したとしても、吸着材がゼオライトであるため、吸着性能が十分とはいえず、また、ゼオライトに代えて多孔性金属錯体を吸着材として用いた場合、前記条件で焼成すると、多孔性金属錯体の細孔構造が破壊されてしまい、十分な吸着性能が得られないという問題があった。
特開2001−348361号公報 特開2000−327628号公報 特開2007−51112号公報 特開平2−191547号公報 特開2007−14880号公報
上述のとおり、耐熱性、吸着材(多孔性金属錯体)の担持性、および、シートの柔軟性に優れており、十分な吸着性能を有する吸着シート、および、それを用いた吸着エレメントは見当たらないというのが現状である。ここでいう耐熱性とは、80℃以上の温度条件下で、吸着シート、および、それを用いた吸着エレメントにおいて、その強度が著しく低下しないことを指す。
本発明は上記従来技術の課題を背景になされたものであり、耐熱性、多孔性金属錯体の担持性、および、シートの柔軟性に優れており、且つ、十分な吸着性能を有する吸着シート、および、それを用いた吸着エレメントを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、以下の通りである。
1.多孔性金属錯体、および、耐熱性繊維を含有することを特徴とする吸着シート、
2.前記吸着シートが自己固結性を有する粘土鉱物繊維を含有する上記1の吸着シート、
3.前記吸着シートが有機バインダーを含有する上記1又は2の吸着シート、および、
4.上記1〜3のいずれかの吸着シートを用いた吸着エレメントである。
なお、本明細書でいう有機溶剤とは、物質を溶解する性質をもつ有機化合物のことを指し、具体的には、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン等の塩化芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロエチレン等の塩化脂肪族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;酢酸エチル等のエステル類、1,4−ジオキサン等のエーテル類;メチルエチルケトン等のケトン類;メチルセロソルブ等のグリコールエーテル類;シクロヘキサノン等の脂環式炭化水素類;ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水素類;トリメチルシラノール、ヘキサメチルジシラザン、環状シロキサン(オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等)等の含ケイ素化合物;その他、クレゾール、二硫化炭素、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等;が挙げられる。
また、本明細書でいう悪臭成分としては、具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類;酢酸、イソ吉草酸などのカルボン酸類;アンモニア等の含窒素化合物;硫化水素、二硫化メチル、メチルメルカプタン等の含硫黄化合物;等が挙げられる。
本発明の吸着シート、および、それを用いた吸着エレメントは、多孔性金属錯体、および、耐熱性繊維を含有しており、さらに、必要に応じて、自己固結性を有する粘土鉱物繊維、および、有機バインダーを含有するため、耐熱性、多孔性金属錯体の担持性、シートの柔軟性、および、吸着性能に優れるという利点を有する。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における吸着シートは、多孔性金属錯体、および、耐熱性繊維を含有する。多孔性金属錯体を含有することにより、十分な吸着性能が得られ、また、耐熱性繊維を含有することにより、80℃以上の温度条件下においても著しい強度の低下を生じ難く、十分な耐熱性が得られるからである。吸着シートが多孔性金属錯体を含有していない場合は、吸着性能が不十分となる。また、吸着シートが耐熱性繊維を含有していなければ、十分な耐熱性が得られず、80℃以上の温度条件下において、吸着シートに著しい強度の低下が起こる。
本発明に係る多孔性金属錯体は、金属イオンと、配位子を有する化合物とからなる多孔性材料である。本発明で使用可能な多孔性金属錯体の形態には特に定めがなく、粉末状、もしくは、粒状のものを用いることができる。好ましくは、平均粒子径が0.1μm〜200μmの多孔性金属錯体である。平均粒子径が0.1μm未満では、取り扱いが困難であり、また、平均粒子径が200μmを超えると、吸着シートに、多孔性金属錯体を十分に担持させ難くなり、多孔性金属錯体の脱落が多くなる場合がある。
多孔性金属錯体の77K窒素吸着法によるBET比表面積は、特に限定されないが、例えば500m2/g以上であることが好ましい。BET比表面積が500m2/gより小さいと、十分な吸着性能を得難い場合がある。BET比表面積は、1000m2/g以上であるのがより好ましい。BET比表面積の上限は特に限定されないが、6000m2/g以下であることが好ましい。この範囲を超えると、多孔性金属錯体の製造が非常に困難になるという不都合が生じるからである。
なお、平均粒子径及びBET比表面積は、実施例に記載の方法により測定することができる。
前記多孔性金属錯体を構成する金属イオンとしては、特に限定されないが、例えば、アルミニウムイオン等の典型金属元素、鉄イオン、銅イオン及び亜鉛イオン等の遷移金属元素が挙げられる。一方、配位子を有する化合物としては、例えば、2−メチルイミダゾール、テレフタル酸及びトリメシン酸等が挙げられる。具体的な多孔性金属錯体としては、例えば、亜鉛イオンと2−メチルイミダゾールから構成される多孔性金属錯体(BASF社製、Basolite(登録商標、以下同様) Z1200)、アルミニウムイオンとテレフタル酸から構成される多孔性金属錯体(BASF社製、Basolite A100)、銅イオンとトリメシン酸から構成される多孔性金属錯体(BASF社製、Basolite C300)、鉄イオンとトリメシン酸から構成される多孔性金属錯体(BASF社製、Basolite F300)等が挙げられる。吸着シートの使用目的が、水分を含むガスから有機溶剤、および、悪臭成分の効率的な分離・回収、もしくは、吸着・除去である場合は、疎水性の高い多孔性金属錯体を採用するのが好ましい。疎水性の高い多孔性金属錯体とは、真空条件下、温度200℃で48時間以上の真空加熱処理を施した後の多孔性金属錯体を、30℃、相対湿度60%RHの窒素雰囲気下に3日以上静置したときの質量増加を、上記真空加熱処理直後の多孔性金属錯体の質量で割った質量増加率が10質量%未満である多孔性金属錯体のことを指す。具体的な疎水性の高い多孔性金属錯体としては、亜鉛イオンと2−メチルイミダゾールから構成される多孔性金属錯体(BASF社製、Basolite Z1200)等が挙げられる。
本発明の吸着シートにおける、多孔性金属錯体の含有量は、50質量%〜85質量%であるのが好ましく、より好ましくは60質量%〜80質量%である。含有量が50質量%未満では十分な吸着性能を得ることが難しい場合がある。一方、含有量が85質量%を超えると、吸着シートに多孔性金属錯体を十分に担持することが困難になり、脱落量が多くなる。また、シート強度も著しく低下する虞がある。
本発明の吸着シートに含まれる耐熱性繊維は、吸着シートの耐熱性を確保する成分である。ここで、耐熱性繊維とは、あらかじめ150℃、真空下で12時間乾燥させたサンプル30mgを、熱量計測測定装置(Q50、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を使用し、空気流量60mL/min、昇温速度20℃/minで常温から300℃まで昇温させたときの重量減少率が5%以下の繊維を意味する。斯かる耐熱性繊維は、80℃以上の温度条件下において強度の著しい低下を生じ難く、吸着シートに耐熱性を付与する成分として好ましい。なお、強度の著しい低下を生じ難いとは、80℃以上の加熱雰囲気下において、本発明の吸着シートを90度に折り曲げた際に、吸着シートに割れや亀裂等が生じ難いことをいう。
具体的な耐熱性繊維としては、ガラス繊維、セラミック繊維、ロックウール繊維等の無機繊維;アラミド繊維、メタアラミド繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、ポリイミド繊維、ポリアミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリエーテルケトン繊維等の有機繊維;および、これらをフィブリル化した繊維;等が挙げられ、これらの中の1種又は2種以上を用いることが好ましい。耐熱性繊維の繊維径は1μm〜15μmであるのが好ましく、1μm〜10μmであるのがより好ましい。また、繊維長は1mm〜10mmであるのが好ましく、2mm〜5mmであるのがより好ましい。吸着シートの強度および柔軟性の両方を向上させる観点から、耐熱性繊維には、繊維径1μm〜10μmであり、且つ、繊維長2mm〜5mmのガラス繊維が含まれているのが好ましい。
本発明における吸着シートは自己固結性を有する粘土鉱物繊維を含有することが好ましい。ここで、自己固結性とは、それ自身のみで固結する特性のことを表す。したがって、自己固結性を有する粘土鉱物繊維を使用することで、吸着シートの耐熱性、および、多孔性金属錯体の担持性を向上させることができ、さらに、粘土鉱物繊維の自己固結性により吸着シート強度を一層向上させることができる。前記粘土鉱物繊維の種類については特に限定されないが、入手が容易であることから、珪酸マグネシウム繊維、もしくは、珪酸カルシウム繊維が好ましい。前記粘土鉱物繊維の繊維径と繊維長については特に限定されないが、繊維径は、好ましくは0.1μm〜0.5μmであり、より好ましくは0.1μm〜0.2μmであり、繊維長は、好ましくは1μm〜50μmであり、より好ましくは1μm〜30μmである。繊維径が0.1μm未満で、繊維長が1μm未満の場合、繊維が微細すぎるため、多孔性金属錯体の担持性が低下する傾向があるだけでなく、吸着シートの強度も低下し、さらにシート作製時等の粘土鉱物繊維の取り扱いが困難になることがある。一方、繊維径が0.5μmより大きく、また、繊維長が50μmより長くなると、十分な自己固結性を発現させるために高温で長時間の加熱が必要となり、多孔性金属錯体の細孔構造が壊れてしまう虞がある。
吸着シートにおける粘土鉱物繊維の含有率は、5質量%〜35質量%が好ましく、より好ましくは5質量%〜25質量%である。粘土鉱物繊維の含有率が5質量%未満では、多孔性金属錯体の担持性が不足し、一方、35質量%を超えると、多孔性金属錯体が粘土鉱物繊維により被覆されてしまい、十分な吸着性能を得難い場合がある。
本発明における吸着シートは、有機バインダーを含むことが好ましい。吸着シートの柔軟性や強度を向上させられるからである。有機バインダーとしては、多孔性金属錯体(吸着材)と耐熱性繊維とを接合できるものであれば特に限定されない。例えば、ポリビニルアルコール系ポリマー、ポリアクリロニトリル系ポリマー、ポリエチレン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー等を用いることができる。取り扱い性の面からは、ポリビニルアルコール系ポリマーが好ましい。有機バインダーの使用態様は特に限定されないが、繊維状のものを使用すると、吸着シートが簡便に作製できるため好ましい。吸着シートにおける有機バインダーの含有率は、5質量%〜15質量%が好ましく、5質量%〜10質量%がより好ましい。5質量%未満では多孔性金属錯体の担持性が不足し、15質量%を超えると多孔性金属錯体が有機バインダーにより被覆されてしまい、十分な吸着性能が得られ難くなる傾向がある。
本発明の吸着シートは、前記多孔性金属錯体以外の多孔質材料を含んでいてもよく、本発明の吸着シートに含有される多孔質材料については特に限定されないが、例えば、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、粘土鉱物(前述の粘土鉱物繊維を除く)、アルミノリン酸塩、シリコアルミノリン酸、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等の有機高分子多孔質体、等が挙げられる。好ましくは、安価に入手できる活性炭、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナである。
本発明の吸着シートの厚みは、0.1mm〜0.6mmであることが好ましく、より好ましくは0.1mm〜0.5mmである。厚みが0.1mm未満であればシート強度が著しく低下するため、後加工においてハニカム状等の吸着エレメントに加工することが困難になる場合がある。また、厚みが0.6mmより大きければ、吸着シートをハニカム状等に加工した時の吸着エレメントの圧損が高くなる傾向がある。
本発明の吸着シートの坪量は、25g/m2〜200g/m2が好ましい。より好ましくは40g/m2〜150g/m2である。坪量が25g/m2未満であれば、シートの厚みが薄くなり、シート強度が著しく低下する虞があり、後加工においてハニカム状等の吸着エレメントへの加工が困難になる場合がある。また、坪量が200g/m2を超えると、シートの厚みが大きくなり過ぎ、ハニカム状等に加工した時の吸着エレメントの圧損が高くなる場合がある。
本発明の吸着シートを製造する方法としては、特に制限されず、従来公知の加工方法を用いることができる。好ましくは、多孔性金属錯体と、耐熱性繊維、必要により用いられる粘土鉱物繊維、及び、有機バインダー等のシート構成材料とを、水、有機溶媒又はこれらの混合物中に分散させ、成形、脱水、乾燥することにより得られる湿式シート化法が挙げられる。
なお、上記多孔性金属錯体は、その細孔内に溶媒分子を有する状態で、上記シート構成材料と混合し、シート化工程に供するのが好ましい。多孔性金属錯体が細孔内に溶媒分子を有していない場合、吸着シートを構成する有機バインダーが、当該細孔内に吸着されてしまう虞がある。この場合、シート化後、後述する脱溶媒処理を実施しても多孔性金属錯体細孔内に捕捉された有機バインダーを除去することは難しく、吸着シートの吸着性能が劣る結果となる。すなわち、本発明では、多孔性金属錯体の細孔に溶媒分子を吸着させておくことにより、シート化工程における有機バインダー等の細孔への吸着を防止し、シート化工程後、後述する脱溶媒処理により細孔内から溶媒分子を除去することにより、吸着シートの吸着性能を確保している。通常は、多孔性金属錯体を合成する段階で、当該多孔性金属錯体の細孔内に溶媒分子が吸着するが、多孔性金属錯体が細孔内に溶媒分子を有していない場合又は溶媒分子の吸着量が不十分である場合は、後述する実施例に記載の方法により細孔内に有機溶媒を吸着させることができる。尚、ここでいう溶媒分子とは、水や一般的な有機溶媒分子を指す。
本発明の吸着シートの製造では、シート化工程後に、吸着シート内に含まれる溶媒を除去する脱溶媒処理工程を実施する。上述の様に、前記多孔性金属錯体は、その細孔内に溶媒分子を有する状態でシート化されている。したがって、多孔性金属錯体がその細孔内に溶媒分子を有する状態では、十分な吸着性能が得られ難い。よって、吸着性能を発現させるため、シート化工程後に脱溶媒処理を実施する。尚、脱溶媒処理の実施時期はシート化工程以降であれば特に限定されない。
脱溶媒処理の条件は特に定めないが、温度は80℃〜300℃であることが好ましい。80℃未満では、溶媒の除去が不完全となる虞があり、十分な吸着性能が得られ難い場合がある。一方、300℃を超えると、多孔性金属錯体の細孔構造が壊れてしまう虞があり、この場合も十分な吸着性能が得られ難くなる。より好ましくは100℃〜200℃である。また、脱溶媒処理は、減圧下で実施することで一層効率よく溶媒を除去できる。この際、圧力は特に限定されず、多孔性金属錯体の物性や配合量に応じて適宜調整すればよいが、例えば、103Pa〜10-5Paが好ましく、10-1Pa〜10-5Paであるのがより好ましい。脱溶媒処理時間も特に限定されないが、例えば1時間〜100時間とするのが好ましく、より好ましくは3時間〜48時間であり、さらに好ましくは3時間〜24時間である。尚、最も好ましい脱溶媒処理の条件は、真空条件下で100℃〜200℃、3時間〜24時間である。
本発明の吸着シートは、平面状で使用してもよく、また、適宜、プリーツ加工、ハニカム加工、又は、コルゲート加工等を施して、所望の形状として用いてもよい。
本発明の吸着エレメントは、上記本発明の吸着シートを備えているところに特徴を有する。本発明に係る吸着エレメントの型式は特に限定されず、従来公知の型式はいずれも採用でき、用途や目的に応じて適宜選択すればよい。また、本発明の吸着エレメントに備えられる吸着シートの形状には特に定めはないが、例えば、吸着シートを平面状、プリーツ状、ハニカム状等に加工したものを用いることができる。例えば、プリーツ状に加工された吸着シートは直交流型吸着エレメントとしての使用において、また、ハニカム状に加工された吸着シートは平行流型吸着エレメントとしての使用において、それぞれ、処理する気体との接触面積を大きくして除去効率の向上と、吸着エレメントの低圧損化とを同時に図ることができる。平行流型吸着エレメントは、直交流型吸着エレメントと比較して、ミストやゴミによる目詰まりの防止、低圧損化、軽量化の点で優れているため、当該吸着エレメントに備えられる吸着シートはハニカム状であることが好ましい。
本発明の吸着シート、および、それを用いた吸着エレメントは、屋内、乗り物内、壁紙、家具、内装材、樹脂成形体、電気機器等で、悪臭成分等を低減する目的や、工場等から排出される空気中の有機溶剤の分離・回収、もしくは、吸着・除去の目的で広く用いることができる。
以下、実施例によって本発明の作用効果をより具体的に示す。下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に沿って設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。なお、実施例中で測定した特性値の評価方法を以下に示す。
[BET比表面積の測定方法]
実施例、比較例で使用した多孔性金属錯体サンプル(有機溶媒処理前)約100mgを採取し、120℃で12時間真空乾燥した後、秤量した。自動比表面積測定装置(ジェミニ2375、マイクロメリティックス社製)を使用し、液体窒素の沸点(−195.8℃)における窒素ガスの吸着量を、相対圧を0.02〜0.95の範囲で徐々に高めながら40点測定し、前記サンプルの吸着等温線を作成した。自動比表面積測定装置に付属の解析ソフト(GEMINI−PCW version1.01)にて、BET条件で、表面積解析範囲を0.01〜0.15に設定して、BET比表面積[m2/g]を求めた。
[平均粒子径の測定方法]
走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−3500)を使用して、下記実施例及び比較例で用いた多孔性金属錯体の直径を100点測定し、それを相加平均して、多孔性金属錯体の平均粒子径[μm]を求めた。
[繊維径、繊維長の測定方法]
走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−3500)により、下記実施例及び比較例で用いた耐熱性繊維、粘土鉱物繊維、有機バインダーの100点分の繊維直径[μm]、繊維長[mm]を測定した。100点分の繊維直径を相加平均して、サンプルの繊維径[μm]を求めた。また、100点分の繊維長を相加平均して、サンプルの繊維長[mm]を求めた。
[耐熱性の測定方法]
実施例、比較例で製造した吸着シートから切り出した10cm×10cmの試験片について、空気雰囲気下250℃で10時間処理を行った後、処理後の試験片の両端を持ち、90度に折り曲げた。この時、シートが割れなかったものを○、亀裂が生じたものを△、割れてしまったものを×として評価した。
[担持性の測定方法]
実施例、比較例で製造した吸着シートから切り出した10cm×10cmの試験片に、直径2.4cm、質量20gの球体(素材:アルミニウム)を、10cm/sの速度で10回衝突させ、脱落した多孔性金属錯体の量が、0.1mgより少ない場合を○、10mgより多い場合を×、0.1mg〜10mgの場合を△とした。
[柔軟性の測定方法]
実施例、比較例で製造した吸着シートから切り出した10cm×10cmの試験片の両端を持ち、90度に折り曲げた。この時、シートが割れなかったものを○、亀裂が生じたものを△、割れてしまったものを×として評価した。
[吸着性能の測定方法]
バインダーとして無機接着剤(水ガラス)を使用し、吸着シートを定法によりコルゲート化し、さらに、得られたコルゲートボードを、無機接着剤(水ガラス)を使用して積層することにより、ハニカム化し、300セル/inch2のハニカムサンプルを作製した。60mmφのガラス製カラムにハニカムサンプル(60mmφ、厚み20mm)をセットし、そのカラム中にトルエン5ppmを含む温度25℃の乾燥空気を2m/sの速度で通過させた。FID付きガスクロマトグラフ(株式会社島津製作所製、GC−2014)にて、ハニカムサンプル通過前後のトルエン濃度を1分毎に測定し、その通過前後の濃度変化からトルエンの除去率を算出した。除去率が20%になるまで測定を続け、その経過時間、除去率よりトルエンの総除去質量[g]を算出し、それをハニカムサンプルの体積で割ることによりトルエン除去量[g/L]を算出した。
(実施例1)
Basolite Z1200(BASF社製)を乳鉢で粉砕した後に篩いにかけ、平均粒子径が1μmになるように調製した。さらに、そのサンプルをN,N−ジメチルホルムアミド中に24時間浸漬させた後に、ろ過し、細孔内に溶媒分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。その多孔性金属錯体サンプルを70質量%(溶媒分子を除く)、耐熱性繊維として、ガラス繊維(繊維径6μm、繊維長3mm)を15質量%、粘土鉱物繊維として、珪酸マグネシウム繊維(繊維径0.1μm、繊維長1μm)を5質量%、有機バインダーとして、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(株式会社クラレ製、VPB105、繊維径11μm、繊維長3mm)を10質量%の比率で混合し、坪量70g/m2となる質量にて湿式抄紙装置(東洋紡エンジニアリング株式会社製、以下同様。)を使い吸着シートを作製した。さらに、200℃、真空条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、吸着シートサンプルを得た。得られたサンプルについて、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した。
(実施例2)
多孔性金属錯体として、Basolite A100(BASF社製)を乳鉢で粉砕した後に篩いにかけ、平均粒子径が1μmになるように調製した。さらに、そのサンプルをN,N−ジメチルホルムアミド中に24時間浸漬させた後に、ろ過し、細孔内に溶媒分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。その多孔性金属錯体サンプルを70質量%、耐熱性繊維として、ガラス繊維(繊維径6μm、繊維長3mm)を15質量%、粘土鉱物繊維として、珪酸マグネシウム繊維(繊維径0.1μm、繊維長1μm)を5質量%、有機バインダーとして、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(株式会社クラレ製、VPB105、繊維径11μm、繊維長3mm)を10質量%の比率で混合し、坪量70g/m2となる質量にて湿式抄紙装置を使い吸着シートを作製した。さらに、200℃、真空条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、吸着シートサンプルを得た。得られたサンプルに対して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した。
(実施例3)
多孔性金属錯体として、Basolite C300(BASF社製)を乳鉢で粉砕した後に篩いにかけ、平均粒子径が1μmになるように調製した。さらに、そのサンプルをエタノール中に24時間浸漬させた後に、ろ過し、細孔内に溶媒分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。その多孔性金属錯体サンプルを70質量%、耐熱性繊維として、ガラス繊維(繊維径6μm、繊維長3mm)を15質量%、粘土鉱物繊維として、珪酸マグネシウム繊維(繊維径0.1μm、繊維長1μm)を5質量%、有機バインダーとして、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(株式会社クラレ製、VPB105、繊維径11μm、繊維長3mm)を10質量%の比率で混合し、坪量70g/m2となる質量にて湿式抄紙装置を使い吸着シートを作製した。さらに、200℃、真空条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、吸着シートサンプルを得た。得られたサンプルに対して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した。
(実施例4)
多孔性金属錯体として、Basolite F300(BASF社製)を乳鉢で粉砕した後に篩いにかけ、平均粒子径が1μmになるように調製した。さらに、そのサンプルをN,N−ジメチルホルムアミド中に24時間浸漬させた後に、ろ過し、細孔内に溶媒分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。その多孔性金属錯体サンプルを70質量%、耐熱性繊維として、ガラス繊維(繊維径6μm、繊維長3mm)を15質量%、粘土鉱物繊維として、珪酸マグネシウム繊維(繊維径0.1μm、繊維長1μm)を5質量%、有機バインダーとして、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(株式会社クラレ製、VPB105、繊維径11μm、繊維長3mm)を10質量%の比率で混合し、坪量70g/m2となる質量にて湿式抄紙装置を使い吸着シートを作製した。さらに、200℃、真空条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、吸着シートサンプルを得た。得られたサンプルに対して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した。
(実施例5)
多孔性金属錯体として、Basolite Z1200(BASF社製)を乳鉢で粉砕した後に篩いにかけ、平均粒子径が1μmになるように調製した。さらに、そのサンプルをN,N−ジメチルホルムアミド中に24時間浸漬させた後に、ろ過し、細孔内に溶媒分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。その多孔性金属錯体サンプルを60質量%、耐熱性繊維として、ガラス繊維(繊維径6μm、繊維長3mm)を15質量%、粘土鉱物繊維として、珪酸マグネシウム繊維(繊維径0.2μm、繊維長30μm)を15質量%、有機バインダーとして、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(株式会社クラレ製、VPB105、繊維径11μm、繊維長3mm)を10質量%の比率で混合し、坪量70g/m2となる質量にて湿式抄紙装置を使い吸着シートを作製した。さらに、150℃、1気圧条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、吸着シートサンプルを得た。得られたサンプルに対して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した。
(実施例6)
多孔性金属錯体として、Basolite Z1200(BASF社製)を乳鉢で粉砕した後に篩いにかけ、平均粒子径が1μmになるように調製した。さらに、そのサンプルをN,N−ジメチルホルムアミド中に24時間浸漬させた後に、ろ過し、細孔内に溶媒分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。その多孔性金属錯体サンプルを60質量%、耐熱性繊維として、フィブリル化されたアラミド繊維(帝人製、トワロン(登録商標)、繊維径12μm、繊維長3mm)を15質量%、粘土鉱物繊維として、珪酸マグネシウム繊維(繊維径0.1μm、繊維長1μm)を15質量%、有機バインダーとして、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(株式会社クラレ製、VPB105、繊維径11μm、繊維長3mm)を10質量%の比率で混合し、坪量70g/m2となる質量にて湿式抄紙装置を使い吸着シートを作製した。さらに、150℃、真空条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、吸着シートサンプルを得た。得られたサンプルに対して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した。
(実施例7)
多孔性金属錯体として、Basolite Z1200(BASF社製)を篩いにかけ、平均粒子径が10μmになるように調製した。さらに、そのサンプルをN,N−ジメチルホルムアミド中に24時間浸漬させた後に、ろ過し、細孔内に溶媒分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。その多孔性金属錯体サンプルを60質量%、耐熱性繊維として、ガラス繊維(繊維径6μm、繊維長3mm)を15質量%、粘土鉱物繊維として、珪酸マグネシウム繊維(繊維径0.1μm、繊維長1μm)を15質量%、有機バインダーとして、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(株式会社クラレ製、VPB105、繊維径11μm、繊維長3mm)を10質量%の比率で混合し、坪量70g/m2となる質量にて湿式抄紙装置を使い吸着シートを作製した。さらに、150℃、真空条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、吸着シートサンプルを得た。得られたサンプルに対して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した。
(実施例8)
多孔性金属錯体として、Basolite Z1200(BASF社製)を10kgf/cm2の圧力で軽く押し固め、篩いにかけ、平均粒子径が150μmになるように調製した。さらに、そのサンプルをN,N−ジメチルホルムアミド中に24時間浸漬させた後に、ろ過し、細孔内に溶媒分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。その多孔性金属錯体サンプルを60質量%、耐熱性繊維として、ガラス繊維(繊維径6μm、繊維長3mm)を15質量%、粘土鉱物繊維として、珪酸マグネシウム繊維(繊維径0.1μm、繊維長1μm)を15質量%、有機バインダーとして、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(株式会社クラレ製、VPB105、繊維径11μm、繊維長3mm)を10質量%の比率で混合し、坪量70g/m2となる質量にて湿式抄紙装置を使い吸着シートを作製した。さらに、150℃、真空条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、吸着シートサンプルを得た。得られたサンプルに対して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した。
(実施例9)
多孔性金属錯体として、Basolite Z1200(BASF社製)を乳鉢で粉砕した後に篩いにかけ、平均粒子径が1μmになるように調製した。さらに、そのサンプルをN,N−ジメチルホルムアミド中に24時間浸漬させた後に、ろ過し、細孔内に溶媒分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。その多孔性金属錯体サンプルを80質量%、耐熱性繊維として、ガラス繊維(繊維径6μm、繊維長3mm)を10質量%、粘土鉱物繊維として、珪酸マグネシウム繊維(繊維径0.1μm、繊維長1μm)を5質量%、有機バインダーとして、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(株式会社クラレ製、VPB105、繊維径11μm、繊維長3mm)を5質量%の比率で混合し、坪量70g/m2となる質量にて湿式抄紙装置を使い吸着シートを作製した。さらに、200℃、真空条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、吸着シートサンプルを得。得られたサンプルに対して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した。
(実施例10)
Basolite Z1200(BASF社製)を乳鉢で粉砕した後に篩いにかけ、平均粒子径が1μmになるように調製した。さらに、そのサンプルをN,N−ジメチルホルムアミド中に24時間浸漬させた後に、ろ過し、細孔内に溶媒分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。その多孔性金属錯体サンプルを70質量%、耐熱性繊維として、ガラス繊維(繊維径6μm、繊維長3mm)を20質量%、有機バインダーとして、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(株式会社クラレ製、VPB105、繊維径11μm、繊維長3mm)を10質量%の比率で混合し、坪量70g/m2となる質量にて湿式抄紙装置を使い吸着シートを作製した。さらに、200℃、真空条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、吸着シートサンプルを得た。得られたサンプルに対して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した。
(実施例11)
Basolite Z1200(BASF社製)を乳鉢で粉砕した後に篩いにかけ、平均粒子径が1μmになるように調製した。さらに、そのサンプルをN,N−ジメチルホルムアミド中に24時間浸漬させた後に、ろ過し、細孔内に溶媒分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。その多孔性金属錯体サンプルを70質量%、耐熱性繊維として、ガラス繊維(繊維径6μm、繊維長3mm)を20質量%、粘土鉱物繊維として、珪酸マグネシウム繊維(繊維径0.1μm、繊維長1μm)を10質量%の比率で混合し、坪量70g/m2となる質量にて湿式抄紙装置を使い吸着シートを作製した。さらに、200℃、真空条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、吸着シートサンプルを得た。得られたサンプルに対して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した。
(比較例1)
HSZ−390HUA(東ソー社製、Y型ゼオライト)を乳鉢で粉砕した後に篩いにかけ、平均粒子径が1μmになるように調製した。得られたゼオライトサンプルを70質量%、耐熱性繊維として、ガラス繊維(繊維径6μm、繊維長3mm)を15質量%、粘土鉱物繊維として、珪酸マグネシウム繊維(繊維径0.1μm、繊維長1μm)を5質量%、有機バインダーとして、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(株式会社クラレ製、VPB105、繊維径11μm、繊維長3mm)を10質量%の比率で混合し、坪量70g/m2となる質量にて湿式抄紙装置を使い吸着シートを作製した。さらに、200℃、真空条件下、24時間で処理を行い、吸着シートサンプルを得た。得られたサンプルに対して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した。
(比較例2)
Basolite Z1200(BASF社製)を乳鉢で粉砕した後に篩いにかけ、平均粒子径が1μmになるように調製した。さらに、そのサンプルをN,N−ジメチルホルムアミド中に24時間浸漬させた後に、ろ過し、細孔内に溶媒分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。その多孔性金属錯体サンプルを70質量%、耐熱性繊維の代わりにポリブチレンテレフタレート繊維(繊維径6μm、繊維長3mm)を15質量%、粘土鉱物繊維として、珪酸マグネシウム繊維(繊維径0.1μm、繊維長1μm)を5質量%、有機バインダーとして、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(株式会社クラレ製、VPB105、繊維径11μm、繊維長3mm)を10質量%の比率で混合し、坪量70g/m2となる質量にて湿式抄紙装置を使い吸着シートを作製した。さらに、200℃、真空条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、吸着シートサンプルを得た。得られたサンプルに対して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した。
(比較例3)
Basolite Z1200(BASF社製)を乳鉢で粉砕した後に篩いにかけ、平均粒子径が1μmになるように調製した。さらに、そのサンプルを200℃、真空条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、多孔性金属錯体サンプルを得た。その多孔性金属錯体サンプルを70質量%、ポリブチレンテレフタレート繊維(繊維径6μm、繊維長3mm)を15質量%、粘土鉱物繊維として、珪酸マグネシウム繊維(繊維径0.1μm、繊維長1μm)を5質量%、有機バインダーとして、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(株式会社クラレ製、VPB105、繊維径11μm、繊維長3mm)を10質量%の比率で混合し、坪量70g/m2となる質量にて湿式抄紙装置を使い吸着シートを作製した。さらに、200℃、真空条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、吸着シートサンプルを得た。得られたサンプルに対して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した。
(比較例4)
Basolite Z1200(BASF社製)を乳鉢で粉砕した後に篩いにかけ、平均粒子径が1μmになるように調製した。さらに、そのサンプルを200℃、真空条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、多孔性金属錯体サンプルを得た。その多孔性金属錯体サンプルを70質量%、耐熱性繊維の代わりに、ポリブチレンテレフタレート繊維(繊維径6μm、繊維長3mm)を15質量%、粘土鉱物繊維として、珪酸マグネシウム繊維(繊維径0.1μm、繊維長1μm)を5質量%、有機バインダーとして、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(株式会社クラレ製、VPB105、繊維径11μm、繊維長3mm)を10質量%の比率でで混合し、坪量70g/m2となる質量にて湿式抄紙装置を使い吸着シートを作製した。さらに、200℃、真空条件下、24時間で脱溶媒処理を行い、吸着シートサンプルを得た。得られたサンプルに対して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した。
実施例1〜11、比較例1〜4のサンプルに関して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能を測定した結果を表1又は2に示す。表1、2より明らかなように、本発明例である実施例1〜11は、吸着材が多孔性金属錯体ではない場合(比較例1)、耐熱性繊維を含まない場合(比較例2、3、4)と比較して、耐熱性、担持性、柔軟性、吸着性能の面で優れていることが分かる。また、粘土鉱物繊維を含まない場合(実施例10)、有機バインダーを含まない場合(実施例11)は、これらを含む実施例に比べて、耐熱性、担持性、又は柔軟性にやや劣る傾向が見られた。
Figure 0005935354
Figure 0005935354
本発明の吸着シート又は吸着エレメントによれば、空気中の水分、有機溶剤、および、悪臭成分を効率的に分離・回収、もしくは、吸着・除去するができるようになり、産業界に大きく寄与することが期待できる。

Claims (4)

  1. 多孔性金属錯体、耐熱性繊維、自己固結性を有する粘土鉱物繊維、及び有機バインダー混合状態で含有することを特徴とする吸着シート。
  2. 前記耐熱性繊維がフィブリル化された繊維である請求項1に記載の吸着シート。
  3. 前記多孔性金属錯体が粒状であり、平均粒子径が0.1〜200μmである請求項1又は2に記載の吸着シート。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の吸着シートを備えることを特徴とする吸着エレメント。
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