以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明に従った洗濯乾燥機の一例であるドラム式洗濯乾燥機100を示す。図1に示すように、ドラム式洗濯乾燥機100は、外箱1を備えている。外箱1は、ドラム式洗濯乾燥機100の本体の外形を形成している。また、ドラム式洗濯乾燥機100は、水槽2と回転ドラム3とモータ4とを備えている。モータ4の回転によって回転ドラム3が回転する。
回転ドラム3は、筒形状を有している。当該筒において、一端側(図1の左方側)は開口し、他端側(図1の右方側)は底壁を有した底部3bを形成する。回転ドラム3は、水平方向から傾斜した方向または水平方向に延びる回転軸線を中心に回転する。回転ドラム3の材質としては、ステンレス鋼板が一般的に用いられている。回転ドラム3の周壁3aと底部3bには、給水、排水および通気のための複数の小孔(図示せず)が形成されている。周壁3aは、回転ドラム3のうちの筒状の部分である。ドラム式洗濯乾燥機100では、周壁3aは略円筒形状を有している。また、周壁3aは、回転軸線が延びる方向と平行な方向に延びている。
周壁3aには、複数のバッフル(図示せず)が配置されている。バッフルは、回転軸線と略平行に延びている。また、バッフルは、回転軸線を中心とする円の半径方向の内方に向かって周壁3aから突出している。
水槽2は、筒形状を有している。当該筒において、一端側は開口し、他端側は底壁を有している。回転ドラム3は、水槽2の内部の空間に収容されている。水槽2の下部には、カウンターウェイト(図示せず)が取り付けられている。なお、水槽2全体のバランスをとるため、複数個のカウンターウェイトが水槽2に取り付けられていてもよい。また、カウンターウェイトは、水槽2の上部に取り付けられていてもよい。回転ドラム3の開口部の縁の外側には、図示しない液体バランサが取り付けられている。
回転ドラム3は、被乾燥対象物としての洗濯物5を収納する。回転ドラム3の底部3bの外側面には、駆動軸41が固定されている。モータ4は、水槽2の底部2bの外側面に取り付けられている。モータ4は、駆動軸41に連結されている。
ドラム式洗濯乾燥機100は、圧縮機7と凝縮器8と蒸発器10と膨張弁9とを備えたヒートポンプ装置13を熱源として利用する洗濯乾燥機である。ヒートポンプ装置13は、加熱装置の一例である。圧縮機7は、冷媒を圧縮して冷媒の温度を上昇させる。凝縮器8は、圧縮機7によって圧縮された冷媒と空気とを熱交換させることによって空気を加熱させる。膨張弁9は、空気を加熱させた冷媒の圧力を減圧する。蒸発器10は、減圧された冷媒と空気とを熱交換させることによって空気を冷却させる。また、ヒートポンプ装置13は、冷媒配管14を備えている。冷媒配管14は、圧縮機7、凝縮器8、膨張弁9、および、蒸発器10の順に冷媒が循環するように、圧縮機7と凝縮器8と膨張弁9と蒸発器10とを連結する。
また、ドラム式洗濯乾燥機100は、乾燥室32と送風機11とダクト18と制御部90とを備えている。回転ドラム3の内部の空間が乾燥室32として機能する。また、乾燥室32には、凝縮器8において加熱された空気が供給される。送風機11は、加熱された空気を乾燥室32に送出する。送風機11は、回転部11aを有している。回転部11aは、一般的な電動式のモータを含む構成を有している。ダクト18は、第1の部分の一例としての排気ダクト6と、第2の部分の一例としての給気ダクト12とを有している。給気ダクト12は、凝縮器8において加熱された空気が乾燥室32へ供給されるように凝縮器8と乾燥室32との間に配置されている。排気ダクト6は、乾燥室32において洗濯物5の乾燥に利用された空気が蒸発器10に向かって流れるように乾燥室32と蒸発器10との間に配置されている。洗濯物5の乾燥に用いられる空気は、矢印が指す方向に沿ってダクト18を流通することによって、乾燥室32とヒートポンプ装置13との間を循環する。
排気ダクト6の内部には、フィルタ19が配置されている。フィルタ19は、乾燥室32からヒートポンプ装置13に戻る空気に含まれる塵埃等を捕捉する。フィルタ19は、筐体20に収容されたうえで、排気ダクト6の内部に配置される。筐体20は、排気ダクト6に着脱自在に取り付けられている。筐体20の内部の一部は、排気ダクト6の一部を構成する。なお、後述する温度センサ81も筐体20に収容される。
なお、凝縮器8と蒸発器10とは、フィンチューブ型の熱交換器である。ヒートポンプ装置13の内部においては、蒸発器10と凝縮器8とをこの順序で乾燥用空気が流れる。
図1に示すように、ドラム式洗濯乾燥機100は、温度センサ81と、温度センサ82と、湿度センサ83とを備えている。温度センサ81は、排気ダクト6の温度を検出する。温度センサ81は、フィルタ19の近傍に配置されている。温度センサ82は、給気ダクト12の温度を検出する。温度センサ82は、給気ダクト12において送風機11の下流に配置されている。湿度センサ83は、排気ダクト6を流通する空気の湿度を検出する。湿度センサ83は、排気ダクト6においてフィルタ19の下流に配置されている。
図2には、制御部90によって制御される各構成を示すブロック図を示す。図2に示すように、制御部90は、検知部91と演算部92とタイマ93と決定部95と判定部96と加熱制御部97とを含む。検知部91は、排気ダクト6(図1参照)の温度を検知する温度検知部911と、給気ダクト12(図1参照)の温度を検知する温度検知部912と、排気ダクト6の空気の湿度を検知する湿度検知部913とを含む。ドラム式洗濯乾燥機100(図1参照)において、ドラム式洗濯乾燥機100の運転に必要な制御についての判定は、判定部96によって判定されている。また、制御部90は、記憶部94と送風機制御部98とを含む。
温度検知部911は、温度センサ81に電子的または電気的に接続されている。温度検知部911は、温度センサ81が検出する排気ダクト6の温度(これを第1の温度という)を検知する。温度検知部912は、温度センサ82に電子的または電気的に接続されている。温度検知部912は、温度センサ82が検出する給気ダクト12の温度(これを第2の温度という)を検知する。湿度検知部913は、湿度センサ83に電子的または電気的に接続されている。湿度検知部913は、湿度センサ83が検出するダクト18(図1参照)の湿度を検知する。
ヒートポンプ装置13を制御する加熱制御部97は、圧縮機制御部971と流量制御部972とを含む。圧縮機制御部971は、圧縮機7の駆動部15を制御する。流量制御部972が膨張弁9を制御することによって、冷媒配管14(図1参照)を流通する冷媒の流量が調整される。送風機制御部98は、送風機11の回転部11aを制御する。
後述するように、演算部92は、洗濯物5(図1参照)の乾燥が開始された後の所定時間T11(図3参照)の間に温度検知部912によって検知される排気ダクト6の温度(つまり、第2の温度T2)の単位時間あたりの変化量を算出する。また、決定部95は、演算部92によって算出された変化量に基づいて、第1の判定値の一例としての所定の温度差Tp(図4参照)と、第2の判定値の一例としての所定の相対湿度Hp(図5参照)とを決定する。
さらに、判定部96は、第2の温度T2と第1の温度T1との差が所定の温度差Tpよりも小さいか否か、および、湿度検知部913によって検知される湿度が所定の相対湿度Hpよりも小さいか否かを判定する。なお、決定された所定の温度差の情報と所定の相対湿度の情報とは、記憶部94に記録されたうえで、判定時点までに記憶部94に一時的に格納されていてもよい。
記憶部94には、ドラム式洗濯乾燥機100の運転に必要なデータ等が格納されている。記憶部94は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを含む構成を有している。ドラム式洗濯乾燥機100(図1参照)の行程は、乾燥行程よりも前の行程として、順に洗い行程と濯ぎ行程と脱水行程とを含む。ドラム式洗濯乾燥機100の各電動部材の各行程における作動の情報は、例えばプログラムのチャートとして、記憶部94に記録されている。ただし、各行程における各部材の作動の情報は、単にマップ状またはテーブル状に記憶部94に記録されていてもよい。
圧縮機7は、圧縮機7を駆動させる駆動部15を有している。駆動部15は、圧縮機7の駆動源を構成している。なお、駆動部15の好ましい例は、誘導モータである。駆動部15としてのモータは、他の電動モータであってもよい。圧縮機7の駆動部15と、送風機11のモータ(図示せず)とは、それぞれ、図示しないスイッチを含む回路に接続されている。制御部90が、回路に含まれるスイッチのオンとオフとを切り替えるようにスイッチを制御することにより、駆動部15の回転開始と回転停止、および、送風機11の回転開始と回転停止とが切り替えられる。
制御部90は、プログラム等において記録された情報に従って、ヒートポンプ装置13と送風機11とを含む各部材を制御する。なお、回転ドラム3のモータ4(いずれも図1参照)の回転と、水槽2(図1参照)に供給される水が通る流路を開閉する給水弁(図示せず)の作動等、ドラム式洗濯乾燥機100における各部材の作動は、制御部90の制御に基づいている。
図1に示すように、ドラム式洗濯乾燥機100は、温度センサ16を備えている。温度センサ16は、冷媒の温度を検出する。温度センサ16は、圧縮機7の吐出部に配置されている。なお、圧縮機7の吐出部とは、圧縮機7の一部であって、冷媒が圧縮機7に流入する側の部分よりも冷媒が圧縮機7から流出する側に位置する部分のことである。あるいは、圧縮機7の吐出部とは、圧縮機7から流出した冷媒が通る冷媒配管14の一部であって、冷媒配管14と圧縮機7との接続部分であってもよい。
検知部91(図2参照)は、温度センサ16に電子的または電気的に接続されている。これにより、制御部90において、検知部91は、温度センサ16が検出する圧縮機7の吐出部の温度を検知する。例えば、検知部91によって検知される圧縮機7の吐出部の温度が所定の温度以上であることが、判定部96によって判定される場合には、圧縮機制御部971は、駆動部15の回転を一時的に停止させる。また例えば、その後、吐出部の温度が低下する場合に、圧縮機制御部971は、駆動部15を回転させることによって圧縮機7を再起動させる。駆動部15の回転の停止または再開の閾値として設定された所定の温度の値は、記憶部94に格納されている。
続いて、以下においては、ドラム式洗濯乾燥機100の乾燥行程のうち、洗濯物5を乾燥させるために、乾燥室32に供給される空気を加熱する各部材の作動について、図1と図2とを用いて説明する。
乾燥行程のプログラムが立ち上げられる場合に、制御部90は、モータ4を駆動させることによって回転ドラム3を回転させる。乾燥室32に供給される空気を加熱するために、制御部90は、圧縮機7の駆動部15を駆動させることによって、冷媒を高圧化且つ高温化させる。冷媒と熱交換することによって加熱された空気が乾燥室32に供給されるように、制御部90は、送風機11の回転部11aを回転させる。送風機11が発生させる気流によって、洗濯物5を乾燥させるための空気が、白抜きの矢印のようにダクト18を流れる。なお、図1にて示す白抜きの矢印は、気流が流れる方向を概略的に示すものであり、気流の速度または規模を示すものではない。
送風機11が発生させた気流により、乾燥室32に流入した空気は、乾燥室32において撹拌される洗濯物5から水分を得て、ヒートポンプ装置13へ向かって排気ダクト6を流通する。排気ダクト6の空気には、洗濯物5から蒸発する水分が含まれる。排気ダクト6からヒートポンプ装置13へ流入した空気は、蒸発器10を通過する際に露点以下に除湿される。除湿された後の空気は、凝縮器8において加熱されて高温化且つ低湿度化され、乾燥用空気として再び回転ドラム3に流入する。このような空気の流れが繰り返されることにより、洗濯物5の乾燥が進行する。
温度検知部911によって検知される第1の温度T1の時間に対する変化と、温度検知部912によって検知される第2の温度T2の時間に対する変化とを示すグラフを図3に示す。図3に示すように、乾燥行程が開始された後の乾燥の初期においては、第1の温度T1と第2の温度T2との上昇率は、比較的大きい。特に、乾燥の初期における第2の温度T2の上昇率は大きい。乾燥の初期から中期において洗濯物5(図1参照)から蒸発する水分の量がピークを迎えた後には、第1の温度T1と第2の温度T2との上昇率があまり変化しない。
洗濯物5(図1参照)の乾燥が開始された後(言い換えると、乾燥運転が開始された後)の所定時間T10(T10>0)の間には、温度検知部912によって検知される第2の温度T2の単位時間あたりの変化量が算出される。所定時間T10は、例えば5〜10分である。所定時間T10は、乾燥行程が開始された時点から時間T11(T11>0)が経過するまでの時間である。時間T11は、第1の所定の時間の一例である。なお、図3に示す時間(T11−T10)は、例えば、乾燥行程が開始された時点から最初に第1の温度T1または第2の温度T2が検知される時点までの時間である。
なお、乾燥行程の開始の時点、または、乾燥運転の開始の時点とは、乾燥行程のプログラムが立ち上げられた時点であってもよく、圧縮機7が起動された時点のことであってもよく、駆動部15の回転が開始された時点のことであってもよい。
また、第2の温度T2と第1の温度T1との温度差の時間に対する変化を示すグラフを図4に示す。図4に示すように、乾燥の初期においては第2の温度T2と第1の温度T1との温度差が大きく増加する。その後、温度差はピークを迎えた後に次第に減少する。
また、湿度検知部913によって検知される湿度の時間に対する変化を示すグラフを図5に示す。図5に示すように、乾燥の初期においては、排気ダクト6(図1参照)の空気の相対湿度が大きく増加する。排気ダクト6の空気の相対湿度は、乾燥の初期から中期においてピークを迎えて、その後に減少する。
ドラム式洗濯乾燥機100(図1参照)においては、検知される第2の温度T2と第1の温度T1との差(温度差(T2−T1))が、第1の判定値として決定された所定の温度差Tp(図4参照)よりも小さいこと、および、第2の判定値として決定された所定の相対湿度Hp(図5参照)よりも検知される相対湿度が小さいことのうちのいずれか一方が判定される場合に、空気の加熱を停止させるように圧縮機7が制御される。
具体的には、図2に示す加熱制御部97の圧縮機制御部971は、温度差(T2−T1)が所定の温度差Tpよりも小さいこと、および、湿度検知部913によって検知される湿度が決定された所定の相対湿度Hpよりも小さいことのうちのいずれか一方が判定される場合に、空気の加熱を停止させるように圧縮機7の駆動部15を制御する。
なお、空気の加熱の停止の時点とは、例えば、圧縮機7が作動を停止するように制御された時点のことであってもよく、駆動部15の回転が停止した時点のことをいう。
後述するように、乾燥行程が開始されてから所定の時間T12が経過する場合に、温度差(T2−T1)が所定の温度差Tpよりも小さいか否か、または、相対湿度が所定の相対湿度Hpよりも小さいか否かが判定される。つまり、洗濯物5の乾燥が開始された後において所定時間T11よりも長い所定時間T12が経過した場合に、温度差(T2−T1)が所定の温度差Tpよりも小さいこと、および、相対湿度が所定の相対湿度Hpよりも小さいことのうちのいずれか一方が判定されるときに、圧縮機制御部971は、空気の加熱を停止させるように圧縮機7の駆動部15を制御する。なお、時間T12は、第2の所定の時間の一例である。
図6は、第1の温度T1と第2の温度T2とが所定の下限温度以上である場合に、単位時間あたりの変化量に基づいて決定される第1の判定値としての所定の温度差Tp、および、第2の判定値としての所定の相対湿度差Hpの数値例である。演算部92(図2参照)によって算出された変化量の大きさが中(つまり、変化量の範囲がB)である場合には、所定の温度差Tpが10deg(℃)に決定され、且つ、所定の相対湿度Hpが20%Rhに決定される。Bの変化量の範囲は、例えば、10〜15deg/minである。
また、算出された変化量の範囲がAである場合(つまり、算出された変化量の範囲がBの変化量の範囲よりも大きい場合)には、所定の温度差Tpが13degに決定され、且つ、所定の相対湿度Hpが24%Rhに決定される。さらに、算出された変化量の範囲がCである場合(つまり、算出された変化量の範囲がBの変化量の範囲よりも小さい場合)には、所定の温度差Tpが7degに決定され、且つ、所定の相対湿度Hpが16%Rhに決定される。
次に、図7は、第1の温度T1と第2の温度T2とのうちのいずれかが所定の下限温度よりも低い場合に、単位時間あたりの変化量に基づいて決定される第1の判定値としての所定の温度差Tp、および、第2の判定値としての所定の相対湿度差Hpの数値例である。図7に示す数値例においては、算出された変化量の大きさが中(つまり、変化量の範囲がB)である場合には、所定の温度差Tpが7degに決定される。
また、算出された変化量の範囲がAである場合(つまり、算出された変化量の範囲がBの変化量の範囲よりも大きい場合)には、所定の温度差Tpが9degに決定される。さらに、算出された変化量の範囲がCである場合(つまり、算出された変化量の範囲がBの変化量の範囲よりも小さい場合)には、所定の温度差Tpが5degに決定される。
このように、検知される第1の温度T1と第2の温度T2とのうちのいずれかが所定の下限温度よりも低い場合に決定される所定の温度差Tpは、第1の温度T1と第2の温度T2とが所定の下限温度以上である場合に決定される所定の温度差Tpよりも小さい。所定の下限温度は、例えば15℃である。
なお、図6と図7とを参照するように、検知される第1の温度T1と第2の温度T2とのうちのいずれかが所定の下限温度よりも低い場合に決定される所定の相対湿度Hp(つまり、図7に示す相対湿度の数値例)と、第1の温度T1と第2の温度T2とが所定の下限温度以上である場合に決定される所定の相対湿度Hp(つまり、図6に示す相対湿度の数値例)とは、同一である。
次に、ドラム式洗濯乾燥機100において乾燥行程が行われるときの制御部90の制御について、図8を用いて説明する。図8に示すように、ステップS1において、圧縮機7と送風機11とが起動される。
続いて、ステップS2においては、温度T1または温度T2が検知される。ステップS2の後には、所定時間T10(図3参照)が経過するまでステップS3が繰り返される。
ステップS3において所定時間T10(図3参照)が経過したことが検知される場合には、ステップS4において温度T1または温度T2が再び検知される。続いて、ステップS5において、上述のように第2の温度T2の単位時間あたりの変化量が算出され、さらに算出された変化量の大きさが判定される。
ステップS5に続いて、ステップS6においては、マスク時間(言い換えると、所定の時間T12(図4参照))が経過したか否かが判定される。ステップS6において、YESと判定される場合にはステップS7に進み、NOと判定される場合にはステップS6に戻る。
ステップS7とステップS8とにおいては、それぞれ、ステップS5において判定された変化量の大きさに基づいた判定値を用いて、乾燥用空気の加熱を停止させるかどうかが判定される。ステップS7においては、温度差(T2−T1)が所定の温度差Tpよりも小さいか否かが判定される。所定の温度差Tpは、ステップS5において判定された変化量の大きさに基づいて、上述した図6または図7に示す数値例のように決定される。
ステップS7において、YESと判定される場合には図8に示すルーチンが終了され、NOと判定される場合にはステップS8に進む。
ステップS8においては、検知される相対湿度が所定の相対湿度Hpよりも小さいか否かが判定される。所定の相対湿度Hpは、ステップS5において判定された変化量の大きさに基づいて、上述した図6または図7に示す数値例のように決定される。図8に示すルーチンの後においては、圧縮機7の駆動部15の駆動が停止される。
以上のように、ドラム式洗濯乾燥機100は、乾燥室32と、ヒートポンプ装置13と、ダクト18と、制御部90とを備えている。乾燥室32は、洗濯物5を収納する。ヒートポンプ装置13は、乾燥室32に供給される空気を加熱する。ダクト18は、排気ダクト6と給気ダクト12とを有する。排気ダクト6は、乾燥室32において洗濯物5の乾燥に利用された空気がヒートポンプ装置13に向かって流れるように乾燥室32とヒートポンプ装置13との間に配置されている。給気ダクト12は、ヒートポンプ装置13において加熱された空気が乾燥室32へ供給されるようにヒートポンプ装置13と乾燥室32との間に配置されている。
ドラム式洗濯乾燥機100において、制御部90は、タイマ93と、温度検知部911と、温度検知部912と、湿度検知部913と、演算部92と、決定部95と、加熱制御部97とを含む。温度検知部911は、排気ダクト6の温度を検知する。温度検知部912は、給気ダクト12の温度を検知する。湿度検知部913は、ダクト18の湿度を検知する。演算部92は、洗濯物5の乾燥が開始された後の所定時間T10の間に温度検知部912によって検知される第2の温度T2の単位時間あたりの変化量を算出する。決定部95は、演算部92によって算出された変化量に基づいて、第1の判定値としての所定の温度差Tpと、第2の判定値としての所定の相対湿度Hpとを決定する。
加熱制御部97の圧縮機制御部971は、圧縮機7の駆動部15を制御する。加熱制御部97は、第2の温度T2と第1の温度T1との差が所定の温度差Tpよりも小さいこと、および、湿度検知部913によって検知される湿度が所定の相対湿度Hpよりも小さいことのうちのいずれか一方が判定される場合に、空気の加熱を停止させるようにヒートポンプ装置13を制御する。
ドラム式洗濯乾燥機100においては、洗濯物5の乾燥が開始された後の所定時間の間に、乾燥室32に供給される空気の加熱を停止させるために用いられる第1の判定値としての所定の温度差Tpおよび第2の判定値としての所定の相対湿度Hpが決定される。そのため、ドラム式洗濯乾燥機100においては、乾燥運転の途中で変化する温度差(T2−T1)と所定の温度差Tpとの比較、または、検知される相対湿度と所定の相対湿度Hpとの比較に基づいて、乾燥室32に供給される空気の加熱を停止させることができる。
すなわち、ドラム式洗濯乾燥機100においては、乾燥運転が開始されてから所定の時間が経過した後に、乾燥終了のための第1の判定値としての所定の温度差Tpおよび第2の判定値としての所定の相対湿度Hpを決定し、これら所定の温度差Tpおよび所定の相対湿度Hpに基づいて乾燥運転を終了させている。このように、ドラム式洗濯乾燥機100においては、洗濯物5が乾燥不足または過剰乾燥等の状態でドラム式洗濯乾燥機100が運転を終了するような事態が生じないように、乾燥運転を終了することができる。
このようにすることにより、洗濯物5の乾燥不足または過剰乾燥が生じないように乾燥運転を終了することが可能なドラム式洗濯乾燥機100を提供することができる。
ドラム式洗濯乾燥機100において、第1の温度T1と第2の温度T2とのうちのいずれかが所定の下限温度よりも低い場合に決定される所定の温度差Tpは、第1の温度T1と第2の温度T2とが所定の下限温度以上である場合に決定される所定の温度差Tpよりも小さい。
ヒートポンプ装置13の圧縮機7の始動直後等の乾燥の初期において検知されるダクト18の温度は、ドラム式洗濯乾燥機100が設置される環境等に依存する。ドラム式洗濯乾燥機100が比較的気温の低い環境下に設置される場合等には、乾燥の初期における第2の温度T2と第1の温度T1との温度差が明確に表れにくい。一方、ドラム式洗濯乾燥機100によれば、ヒートポンプ装置13の始動直後等の乾燥の初期において検知される第1の温度T1または第2の温度T2に応じて、第1の判定値としての所定の温度差Tpを補正することができる。これにより、ドラム式洗濯乾燥機100が比較的気温の低い環境下に設置される場合等にも、空気の加熱を停止させることによって乾燥運転の終了時点を適正に判定することができる。
ドラム式洗濯乾燥機100において、加熱制御部97は、洗濯物5の乾燥が開始された後において所定時間T11よりも長い所定時間T12が経過した場合に、第2の温度T2と第1の温度T1との差が所定の温度差Tpよりも小さいこと、および、湿度検知部913によって検知される湿度が所定の相対湿度Hpよりも小さいことのうちのいずれか一方が判定されるときに空気の加熱を停止させるようにヒートポンプ装置13を制御する。
乾燥運転が開始された後の一定の期間においては、ダクト18と乾燥室32とを往復する空気がまだ十分に温まっておらず、ダクト18と乾燥室32とを往復する空気の相対湿度も絶えず上昇する。このような期間の間において乾燥運転が終了される場合には、洗濯物5の乾燥不足が生じる。一方、ドラム式洗濯乾燥機100によれば、乾燥運転が開始された後の所定時間T12が経過するまでは乾燥運転が終了されない。このように、ドラム式洗濯乾燥機100によれば、乾燥運転の終了時点を適正に判定することができる。
なお、演算部92は、洗濯物5(図1参照)の乾燥が開始された後の所定時間T11(図3参照)の間に温度検知部911(図2参照)によって検知される給気ダクト12(図1参照)の温度(つまり、第1の温度T1)の単位時間あたりの変化量を算出してもよい。演算部92は、洗濯物5の乾燥が開始された後の所定時間T11の間に温度検知部911によって検知される第1の温度T1と温度検知部912によって検知される第2の温度T2とのいずれかの単位時間あたりの変化量を算出するように構成されていればよい。
第1の温度検知部としての温度センサ81(図1参照)と温度検知部911(図2参照)とは、排気ダクト6(図1参照)を流通する空気の温度を検知していてもよい。また、第2の温度検知部としての温度センサ82(図1参照)と温度検知部912(図2参照)とは、給気ダクト12(図1参照)を流通する空気の温度を検知していてもよい。
なお、ドラム式洗濯乾燥機100において制御部90が配置される位置は、特に限定されない。図1に示す制御部90の位置は、概略的に示されるものである。また、制御部90は、上述のように所望の機能を奏することができるように構成されていればよい。
本発明に従った衣類乾燥装置において、乾燥室に供給される空気を加熱する加熱装置は、ヒートポンプを利用したものに限定されず、発熱コイル等を利用したヒータであってもよい。
本発明に従った衣類乾燥装置は、洗い行程と濯ぎの行程とを含まない乾燥装置、つまり、洗いと濯ぎと脱水との機能を有していない乾燥装置であってもよく、衣類等の被乾燥対象物を乾燥する機能を有していればよい。
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。