以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラの構成を示すブロック図である。図1に示すデジタルカメラ(以下、カメラと記す)1は、レンズ交換式のカメラの構成を示している。したがって、カメラ1は、交換レンズ100と、カメラ本体200とを有している。カメラ1は、必ずしもレンズ交換式である必要はなく、カメラ本体に撮影レンズが設けられていても良い。
交換レンズ100は、撮影レンズ102と、レンズ駆動部104と、レンズ位置検出部106と、絞り108と、絞り駆動部110と、レンズ情報記憶部112と、レンズ制御部114と、通信部116とを有している。
撮影レンズ102は、フォーカスレンズ102a及びズームレンズ102b等の複数のレンズを有するレンズ群である。この撮影レンズ102は、図示しない被写体からの光を、カメラ本体200に設けられた撮像素子202に結像させる。フォーカスレンズ102aは、撮影レンズ102のピント調整のためのレンズであり、ズームレンズ102bは、撮影レンズ102の画角調整のためのレンズである。
レンズ駆動部104は、レンズ制御部114による制御に従って撮影レンズ102のフォーカスレンズ102a及びズームレンズ102bを駆動する。このレンズ駆動部104は、撮影レンズ102に含まれるそれぞれのレンズを駆動するためのモータと、これらのモータを駆動する駆動回路と、を有している。レンズ位置検出部106は、フォーカスレンズ102a及びズームレンズ102bの駆動位置を検出する。レンズ位置検出部106は、例えばエンコーダにより構成されている。
絞り108は、開閉自在に構成されており、撮影レンズ102を介して撮像素子202に結像される光の量を調整する。絞り108の開口量によって、撮像素子202に結像される被写体の像のボケ具合も調整される。
絞り駆動部110は、レンズ制御部114による制御に従って絞り108を駆動する。この絞り駆動部110は、絞りを駆動するためのモータと、その駆動回路とを有している。
レンズ情報記憶部112は、撮影レンズ102の焦点距離、Fナンバー、収差情報といった撮影レンズ102のレンズ情報を記憶している。
レンズ制御部114は、通信部116を介してカメラ本体200の制御部216と通信自在に接続されている。レンズ制御部114は、制御部216の制御に従って、レンズ駆動部104及び絞り駆動部110を制御する。また、レンズ制御部114は、レンズ駆動に伴ってレンズ位置検出部106で検出されたフォーカスレンズ102a及びズームレンズ102bの位置、並びにレンズ情報記憶部112に記憶されているレンズ情報を、通信部116を介してカメラ本体200に送信することも行う。
通信部116は、レンズ制御部114と制御部216との通信のための交換レンズ100側のインターフェイスである。
また、カメラ本体200は、撮像素子202と、A/D変換部204と、画像処理部206と、表示部208と、記録部210と、操作部212と、タッチ操作部214と、制御部216と、通信部218と、加速度センサ220と、を有している。
撮像素子202は、画素としての光電変換素子が2次元状に配置された受光面を有して構成されている。それぞれの画素は、撮影レンズ102を介して結像された被写体の像を電気信号(画像信号)に変換する。また、撮像素子202の撮像動作は、撮像制御部としての機能を有する制御部216によって制御される。ここで、撮像素子202としては、例えばCCD素子及びCMOS素子が知られているが、本実施形態では特定の構造の撮像素子を用いる必要はない。
A/D変換部204は、撮像素子202で得られた画像信号を、デジタル信号としての画像データに変換する。
ここで、撮像素子202とA/D変換部204とが撮像部として機能する。
画像処理部206は、画像データに対して画像処理を施す。画像処理部206が施す画像処理は、ホワイトバランス補正処理及びγ補正処理等の画像データに対応した画像を表示部208に表示させたり記録したりするために必要な各種の処理、並びに圧縮処理、伸張処理等が含まれる。また、画像処理部206は、電子ズーム処理部206aを有している。電子ズーム処理部206aは、画像データの電子ズーム処理を行う。具体的には、電子ズーム処理部206aは、画像データにおける被写体部分を切り出し、切り出した被写体部分の画像データを拡大又は縮小する。拡大処理は、隣接画素の間の画素を例えば補間処理によって補うことよって行う。縮小処理は、例えば画素を間引くことによって行う。さらに、画像処理部206は、合成部206bを有している。合成部206bは、露光間ズーム撮影中に得られる複数コマの画像データを合成する。
表示部208は、画像処理部206によって処理された画像データに基づく画像等の各種の画像を表示する。表示部208は、例えば液晶ディスプレイで構成されている。
記録部210は、画像処理部206によって圧縮処理された画像データから生成される画像ファイルが記録される。記録部210は、例えばカメラ本体200に着脱自在なメモリカードで構成されている。記録部210をカメラ本体200に内蔵させるようにしても良い。
操作部212は、撮影者が撮影装置1の各種の操作を行うための複数の操作部材を有して構成されている。操作部材としては、レリーズボタン、モードダイアル、電源ボタン等が含まれる。レリーズボタンは、撮影者がカメラ本体200に対して撮影開始の指示をするための操作部材である。モードダイアルは、撮影者がカメラ本体200に対して動作モード等の設定の指示をするための操作部材である。電源ボタンは、撮影者がカメラ本体200に対して電源のオン又はオフを指示するための操作部材である。
タッチ操作部214は、例えば表示部208の表示画面の上に形成されている。タッチ操作部214は、例えば静電容量式のタッチ操作部であり、撮影者の指等の表示部208の表示画面への接触があった場合に、その接触位置を検出する。このタッチ操作部214により、撮影者によるタッチ操作が検出される。
制御部216は、カメラ本体200の各ブロックの動作を制御する。例えば、制御部216は、レンズ制御部114を制御して撮影レンズ102のオートフォーカス(以下、AFと言う)動作を制御する。AFの方式としては、周知のコントラスト方式や位相差方式等の各種の方式を用いることができる。
また、制御部216は、撮像制御部216aとしての機能を有し、撮像素子202の撮像動作を制御する。また、制御部216は、露光条件設定部216bとしての機能を有し、撮像素子202の撮像動作の際の撮像素子202の露光時間TV及び撮像素子感度SV、並びに絞り108の絞り値AVを、露光条件として算出する。
また、制御部216は、ズーム駆動量算出部216cとしての機能を有し、露光間ズームモードにおけるズームレンズ102bの駆動量を算出する。
また、制御部216は、タッチ操作識別部216dとしての機能も有し、撮影者によってタッチ操作部214が操作された場合には、その操作の内容を識別することも行う。さらに、制御部216は、表示部208の表示動作を制御したり、画像データから画像ファイルを生成し、生成した画像ファイルを記録部210に記録することも行う。さらに、制御部216は、後述するおまかせ露光間ズームモード又は超おまかせ露光間ズームモードにおいては、算出したズームレンズ102bの駆動量(ズームレンズ102bのズーム位置)に応じて、露光時に光学ズームを実行するか又は電子ズーム処理を実行するかを判定する。
通信部218は、レンズ制御部114と制御部216との通信のためのカメラ本体200側のインターフェイスである。
加速度センサ220は、カメラ本体200の水平方向、垂直方向、光軸方向(撮影レンズの光軸に対して平行な方向)の3軸方向の加速度をそれぞれ検出する。この加速度センサ220によって、カメラ本体200に発生している手ブレも検出する。
次に、本実施形態における露光間ズーム撮影について説明する。本実施形態における露光間ズーム撮影は、そのズームモードとして、「光学露光間ズームモード」と、「お任せ露光間ズームモード」と、「超お任せ露光間ズームモード」を有している。光学露光間ズームモードは、光学ズームのみ、即ちズームレンズ102bの駆動のみで露光間ズーム撮影を行うズームモードである。お任せ露光間ズームモードは、光学ズームと電子ズーム処理とを併用して被写体を自動追尾するように露光間ズーム撮影を行うモードである。超お任せ露光間ズームモードは、お任せ露光間ズームモードにおける事前の設定を簡略化して露光間ズーム撮影を行うズームモードである。これらの露光間ズーム撮影の詳細については後述する。
撮影者は、例えば図2に示すようにして表示部208に表示された露光間ズームモード設定用のメニュー画面に表示されたメニュー項目302、304、306のうち、所望のメニュー項目を、タッチ操作部214を介して選択する。勿論、タッチ操作部214での選択は、必須ではなく、操作部212で選択がなされても良い。
本実施形態における露光間ズーム撮影は、図3(a)に示すように、カメラ1(撮影者)が静止して被写体2が移動する場合であっても適用され得るし、また、図3(b)に示すように、被写体2が静止してカメラ1(撮影者)が移動する場合であっても適用され得る。何れの場合であっても、画角に対する被写体2の大きさが撮影者の望む大きさとなるか又は被写体距離が撮影者の望む距離となるまでに、露光間ズーム撮影時のズーム駆動量が算出される。そして、画角に対する被写体2の大きさが撮影者の望む大きさとなるか又は被写体距離が撮影者の望む距離となったときに、先に算出されたズーム駆動量に従って露光間ズーム撮影が行われる。
図4は、光学露光間ズームモードの処理の流れを示すフローチャートである。また、図5は、光学露光間ズームモード時に表示部208に表示される画面の遷移を示す図である。ここで、光学露光間ズームモード中には、撮影者は、画角の中心に被写体2を捉えるようにカメラ本体200を構えているものとする。
図2に示すメニュー画面上で光学露光間ズームモード302が選択されたときに制御部216は、光学露光間ズームモード用のモード設定画面をスルー画像に重畳表示させる(ステップS101)。図5(a)は、モード設定画面の表示例を示す図である。例えば、図5(a)に示すモード設定画面において、撮影者は、光学露光間ズーム撮影を開始させるための条件を設定する。この設定のために、制御部216は、距離指定ボタン402と、サイズ指定ボタン404と、戻りボタン406とをモード設定画面としてスルー画像に重畳表示させる。
モード設定画面の表示後、制御部216は、例えばタッチ操作部214の出力から、距離指定ボタン402又はサイズ指定ボタン404が撮影者によって選択されたか否かを判定する(ステップS102)。例えば、図5(b)に示すようにして、距離指定ボタン402の位置に撮影者の指Fがタッチされた場合には、距離指定ボタン402が選択されたと判定する。また、サイズ指定ボタン404の位置に撮影者の指Fがタッチされた場合には、サイズ指定ボタン404が選択されたと判定する。さらに、詳細な説明は省略するが、戻りボタン406の位置に撮影者の指Fがタッチされた場合には、図2に示すメニュー画面に戻る。何れのボタンの位置にも撮影者の指Fがタッチされていない場合には、ステップS102の判定が継続される。
ステップS102において、距離指定ボタン402が選択されたと判定した場合に、制御部216は、距離指定画面を表示させる(ステップS103)。図5(c)は、距離指定画面の表示例を示す図である。図5(c)に示す距離指定画面において、撮影者は、光学露光間ズーム撮影の撮影開始距離を指定する。このために、制御部216は、距離表示408と、アップダウンボタン410と、OKボタン412とを表示させる。距離表示408には、現在指定されている距離の値を表示させる。
距離指定画面の表示後、制御部216は、撮影者による距離の指定を待つ状態となる(ステップS104)。図5(c)に示す距離指定画面において、撮影者は、アップダウンボタン410を選択して距離表示408の値を変更する。アップダウンボタン410の操作ではなく、直接的に距離の値を入力できるようにしても良い。距離の入力後、撮影者は、OKボタン412を選択する。この選択を受けて制御部216は、距離の値を確定する。
また、ステップS102において、サイズ指定ボタン404が選択されたと判定した場合に、制御部216は、サイズ指定画面を表示させる(ステップS105)。サイズ指定画面において、撮影者は、光学露光間ズーム撮影を開始させる際の被写体枠のサイズを指定する。なお、サイズ指定画面の例については図示を省略している。
サイズ指定画面の表示後、制御部216は、撮影者による枠サイズの指定を待つ状態となる(ステップS106)。
距離指定又はサイズ指定がなされた後、制御部216は、撮影待機画面を表示させる(ステップS107)。図5(d)に撮影待機画面の表示例を示す。撮影待機画面において、制御部216は、被写体枠414をスルー画像に重畳させる。サイズ指定がされている場合に、制御部216は、指定されたサイズの被写体枠414を表示させる。また、サイズ指定がされていない場合に、制御部216は、予め定められた固定サイズの被写体枠414を表示させる。これ以後、被写体枠414は、被写体2を追従するように表示させる。
撮影待機画面の表示後、制御部216は、光学露光間ズーム撮影中の露光条件である、露光時間TV及び撮像素子感度SV、並びに絞り値AVを算出する(ステップS108)。この露光条件の算出において、制御部216は、被写体枠414の部分の露出が最適となるように、露光時間TV及び撮像素子感度SV、並びに絞り値AVを算出する。ここで、露光間ズーム撮影時における露光時間は、通常の静止画撮影時における露光時間よりも長くすることが好ましい。露光時間を長くすることによる露光量のオーバー分は、例えば絞り108を絞ることによって調整する。
また、光学露光間ズームモードは、おまかせ露光間ズームモード及び超おまかせ露光間ズームとは異なり、露光回数を1回として良い。勿論、露光回数を複数回としても良い。
なお、露光条件の算出中に、被写体枠414内の被写体2に対して合焦するようにAF動作を行って良い。
露光条件の算出後、制御部216は、カメラ1と被写体2との間の相対速度(時間当たりの被写体距離の変化量)を算出する(ステップS109)。
被写体2又はカメラ1が等速直線運動をしていると考えると、被写体2の移動速度は、例えば以下の(式1)に示すように算出できる。
vs=(L1−L2)/S (式1)
ここで、(式1)のL1は、スルー画表示中の連続する2フレームのうち、時間的に前のフレームにおける被写体距離である。また、L2は、時間的に後のフレームにおける被写体距離である。さらに、Sは、スルー画表示中の連続する2フレームの時間間隔(サンプリング間隔)である。
また、カメラ1の光軸方向の移動速度vcは、加速度センサ220の光軸方向の加速度を積分することにより算出できる。したがって、相対速度vは、以下の(式2)に示すように算出できる。
v=vs+vc (式2)
カメラ1と被写体2との間の相対速度vを算出した後、制御部216は、相対速度vから、露光時間の間に駆動すべきズームレンズ102bの駆動量を算出する(ステップS110)。本実施形態の露光間ズーム撮影においては、例えば被写体2又はカメラ1の移動に伴う画像データ上での被写体像の大きさの変化がなくなるように、ズームレンズ102bによる変倍を行う。
このための手法として、本実施形態においては、例えば相対速度v(即ち、単位時間当たりの被写体距離の変化量)に応じてズームレンズ102bの駆動量を変更する。例えば、ズーム位置が一定で被写体距離L1からL2に変化する間に画像データ上の被写体像の大きさが水平及び垂直ともL2/L1倍に変化する。したがって、画角をL1/L2倍にするようにズームレンズ102bを駆動すれば画像データ上の被写体像の大きさを一定とすることが可能である。実際には、露光時間Tの間の被写体距離の変化量はvTである。したがって、このvTの被写体距離の変化に応じた倍率となるようにズームレンズ102bの駆動量を算出する。このために、例えば、複数の相対速度vに対するズーム駆動スピードXの値を予め求めておき、この相対速度vとズーム駆動スピードXとの関係をレンズ情報記憶部112に記憶させておく。ステップS110において、制御部216は、ステップS109で算出されたvから、必要なズーム駆動スピードXを読み出す。そして、制御部216は、以下の(式3)に従って露光時間Tの間のズーム駆動量Zを算出する。
Z=Z2−Z1=X×T (式3)
ここで、露光時間Tは、1/2TV(秒)である。また、Z1は、現在のズーム位置を示し、Z2は、目標のズーム位置を示す。
前述の例では、画像データ上での被写体の大きさ変化を被写体2とカメラ1との相対速度から算出してズーム駆動量を算出する例を示したが、直接、画像データ上の被写体像の大きさの変化を検出することによってズーム駆動量を算出しても良い。
ズーム駆動量の算出後、制御部216は、ズーム駆動方向を決定する(ステップS111)。ズーム駆動方向は、被写体距離が短くなる場合(被写体2とカメラ1とが近づく場合)には、ワイド方向(テレ側からワイド側)とする。また、被写体距離が長くなる場合(被写体2とカメラ1とが遠ざかる場合)には、ズーム駆動方向をテレ方向(ワイド側からテレ側)とする。
ズーム駆動量及びズーム駆動方向を決定した後、制御部216は、目標のズーム位置までのズーム位置の移動が可能であるか否かを判定する(ステップS112)。例えば、相対速度vがズームレンズ102bの駆動可能なズーム駆動スピードの範囲を超えている場合、目標ズーム位置Z2がズームレンズ102bの駆動可能範囲を超えている場合に、ズーム位置の移動が不能であると判定する。この他、指定された被写体距離がズーム駆動量に比して近すぎる場合や指定された被写体枠のサイズがズーム駆動量に比して大きすぎる場合にもズーム位置の移動が不能であると判定する。
ステップS112において、ズーム位置の移動が可能であると判定した場合に、制御部216は、処理をステップS117に進める。また、ステップS112において、ズーム位置の移動が不能であると判定した場合に、ズームレンズ102bのズーム位置の調整が可能であるか否かを判定する(ステップS113)。現在のズーム位置Z1を変更することにより、目標のズーム位置Z2までのズーム駆動が可能であれば、ズーム位置の調整が可能であると判定する。
ステップS113において、ズーム位置の調整によって目標のズーム位置Z2までのズーム駆動が可能であると判定した場合に、制御部216は、レンズ制御部114を制御して、ズーム位置Z2までのズーム駆動が可能となるズーム位置までズームレンズ102bを移動させる(ステップS114)。その後、制御部216は、処理をステップS117に移行させる。
また、ステップS113において、ズーム位置の調整によっても目標のズーム位置Z2までのズーム駆動が可能でないと判定した場合に、制御部216は、自動撮影設定変更指示画面を表示させる(ステップS115)。この自動撮影設定変更指示画面において、制御部216は、光学露光間ズームモードの再設定をするか否かを選択するためのボタンを表示させる。続いて、制御部216は、再設定を実施するか否かを判定する(ステップS116)。
ステップS116において、再設定を実施すると判定した場合に、制御部216は、処理をステップS101に戻して光学露光間ズームモード設定画面を表示させる。この場合、撮影者は、枠サイズ又は撮影開始距離を再設定する。例えば、枠サイズが大きすぎる場合又は撮影開始距離が近すぎる場合に再設定が行われる。また、ステップS116において、再設定を実施しないと判定した場合に、制御部216は、図4の処理を終了させる。この場合には、光学露光間ズーム撮影は行われない。
また、ズーム位置Z2までのズーム駆動が可能になった場合、制御部216は、被写体2が露光開始ポジションに到達したか否かを判定する(ステップS117)。この判定において、制御部216は、サイズ指定がされている場合には、図5(f)で示すように、画像データ上の被写体2のサイズが被写体枠414のサイズとなった場合に、被写体2が露光開始ポジションに到達したと判定する。また、制御部216は、距離指定がされている場合には、カメラ1から被写体2までの距離が指定された距離となった場合に、被写体2が露光開始ポジションに到達したと判定する。
ステップS117において、被写体2が露光開始ポジションに到達していないと判定した場合に、制御部216は、処理をステップS109に戻す。また、ステップS117において、被写体2が露光開始ポジションに到達したと判定した場合に、制御部216は、撮像素子202の露光動作を開始させる(ステップS118)。このとき、制御部216は、ステップS108で算出した露光時間TV及び撮像素子感度SVに従って撮像素子202の露光動作を開始させる。同時に、制御部216は、レンズ制御部114を制御して、ステップS108で算出した絞り値AVに従って絞り108の開口量を調整する。続いて、制御部216は、レンズ制御部114を制御して、ステップS110で算出された駆動量及びステップS111で決定された駆動方向に従ってズームレンズ102bの駆動を開始させる(ステップS119)。
撮像素子202の露光動作及びズームレンズ102bの開始後、制御部216は、露光時間T秒が経過するまで待機する。そして、露光時間T秒の経過後に、制御部216は、撮影動作及びズームレンズ102bのズーム駆動を終了する(ステップS120)。撮影動作の終了処理として、制御部216は、露光動作の結果として得られた画像データを、画像処理部206によって画像処理し、画像処理した画像データを画像ファイルとして記録部210に記録する。
撮影動作の終了後、制御部216は、表示部208を制御してレックビュー表示を行う(ステップS121)。その後に、制御部216は、図4の処理を終了させる。レックビュー表示において、制御部216は、図5(g)に示すように、記録部210に記録した画像データを表示部208に再生する。
以上のような光学露光間ズームモードでは、ズームレンズ102bの駆動だけで露光間ズーム撮影が行われる。この際、被写体距離や画像データ上での被写体の大きさに応じて露光が自動的に開始され、その後は、画像データ上での被写体の大きさが変わらないように光学ズームが行われるので、撮影者は、簡単に露光間ズーム撮影行うことが可能である。
図6は、おまかせ露光間ズームモードの処理の流れを示すフローチャートである。また、図7は、おまかせ露光間ズームモード時に表示部208に表示される画面の遷移を示す図である。
図2に示すメニュー画面上でおまかせ露光間ズームモード304が選択されたときに制御部216は、おまかせ露光間ズームモード用のモード設定画面をスルー画像に重畳表示させる(ステップS201)。図7(a)は、モード設定画面の表示例を示す図である。例えば、図7(a)に示すモード設定画面において、撮影者は、おまかせ露光間ズーム撮影を開始させるための条件を設定する。この設定のために、制御部216は、サイズ指定画面を表示させる。図7(a)は、サイズ指定画面の表示例を示す図である。図7(a)に示すサイズ指定画面において、撮影者は、被写体枠のサイズを指定する。このために、制御部216は、被写体枠502と、OKボタン504とを表示させる。
サイズ指定画面の表示後、制御部216は、撮影者による被写体枠のサイズの指定を待つ状態となる(ステップS202)。図7(a)に示すサイズ指定画面において、撮影者は、例えばドラッグ操作により、被写体枠502のサイズを変更する。被写体枠のサイズの指定後、撮影者は、OKボタン504を選択する。この選択を受けて制御部216は、被写体枠のサイズを確定する。
ここでは、サイズ指定画面を表示させたが、光学露光間ズームモードの場合と同様に、サイズ指定画面と距離指定画面との選択を撮影者が行えるようにしても良い。
サイズ指定がなされた後、制御部216は、撮影待機画面を表示させる(ステップS203)。図7(b)及び図7(c)に撮影待機画面の表示例を示す。撮影待機画面において、制御部216は、被写体枠506をスルー画像に重畳させる。また、戻りボタン508の位置に撮影者の指Fがタッチされた場合には、図2に示すメニュー画面に戻る。
撮影待機画面の表示後、制御部216は、おまかせ露光間ズーム撮影中の露光条件である、露光時間TV及び撮像素子感度SV、並びに絞り値AVを算出する(ステップS204)。この露光条件の算出において、制御部216は、被写体枠414の部分の露出が最適となるように、露光時間TV及び撮像素子感度SV、並びに絞り値AVを算出する。ここで、おまかせ露光間ズームモードは、複数回の露光を行うものであり、露光時間TVは、各露光に必要な露光時間である。露光回数は、基本的には固定値である。ただし、被写体2又はカメラ1の速度が高速である場合には、露光時間TVを短くすることが望ましい。この場合には、露光回数を増やしても良い。勿論、撮影者が露光回数を設定できるようにしても良い。
露光条件の算出後、制御部216は、カメラ1と被写体2との間の相対速度(時間当たりの被写体距離の変化量)を算出する(ステップS205)。相対速度vは、図4と同様に算出することが可能である。
カメラ1と被写体2との間の相対速度vを算出した後、制御部216は、相対速度vから、露光時間の間に駆動すべきズームレンズ102bの駆動量を算出する(ステップS206)。ズーム駆動量の算出手法は、図4と同様で良い。
ズーム駆動量の算出後、制御部216は、ズーム駆動方向を決定する(ステップS207)。ズーム駆動方向は、被写体距離が短くなる場合(被写体2とカメラ1とが近づく場合)には、ワイド方向(テレ側からワイド側)とする。また、被写体距離が長くなる場合(被写体2とカメラ1とが遠ざかる場合)には、ズーム駆動方向をテレ方向(ワイド側からテレ側)とする。
ズーム駆動量及びズーム駆動方向を決定した後、制御部216は、目標のズーム位置までのズーム位置の移動が可能であるか否かを判定する(ステップS208)。ステップS208の判定は、図4のステップS112の判定と同様で良い。
ステップS208において、ズーム位置の移動が可能であると判定した場合に、制御部216は、処理をステップS213に進める。また、ステップS208において、ズーム位置の移動が不能であると判定した場合に、ズームレンズ102bのズーム位置の調整が可能であるか否かを判定する(ステップS209)。ステップS209の判定は、図4のステップS113の判定と同様で良い。
ステップS209において、ズーム位置の調整によって目標のズーム位置までのズーム駆動が可能であると判定した場合に、制御部216は、レンズ制御部114を制御して、目標のズーム位置までのズーム駆動が可能となるズーム位置までズームレンズ102bを移動させる(ステップS210)。その後、制御部216は、処理をステップS213に移行させる。
また、ステップS209において、ズーム位置の調整によっても目標のズーム位置までのズーム駆動が可能でないと判定した場合に、制御部216は、自動撮影設定変更指示画面を表示させる(ステップS211)。この自動撮影設定変更指示画面において、制御部216は、おまかせ露光間ズームモードの再設定をするか否かを選択するためのボタンを表示させる。続いて、制御部216は、再設定を実施するか否かを判定する(ステップS212)。
ステップS212において、再設定を実施すると判定した場合に、制御部216は、処理をステップS201に戻しておまかせ露光間ズームモード設定画面を表示させる。この場合、撮影者は、枠サイズを再設定する。また、ステップS212において、再設定を実施しないと判定した場合に、制御部216は、図6の処理を終了させる。この場合には、おまかせ露光間ズーム撮影は行われない。
また、目標のズーム位置までのズーム駆動が可能になった場合、制御部216は、被写体2が露光開始ポジションに到達したか否かを判定する(ステップS213)。この判定において、制御部216は、図7(d)で示すように、画像データ2上の被写体2のサイズが被写体枠506のサイズとなった場合に、被写体2が露光開始ポジションに到達したと判定する。
ステップS213において、被写体2が露光開始ポジションに到達していないと判定した場合に、制御部216は、処理をステップS205に戻す。また、ステップS213において、被写体2が露光開始ポジションに到達したと判定した場合に、制御部216は、撮像素子202の露光動作を開始させる(ステップS214)。このとき、制御部216は、ステップS204で算出した露光時間TV及び撮像素子感度SVに従って撮像素子202の露光動作を開始させる。同時に、制御部216は、レンズ制御部114を制御して、ステップS204で算出した絞り値AVに従って絞り108の開口量を調整する。
続いて、制御部216は、撮像素子202の露光動作によって得られた画像データを、画像処理部206に取り込む(ステップS215)。そして、制御部216は、取り込んだ画像データを電子ズーム処理するため、画像データ中の被写体部分に対して電子ズーム処理を設定する(ステップS216)。電子ズーム処理の倍率は、ステップS206で算出されたズーム駆動量に応じた倍率とする。なお、ステップS216の時点では、実際の電子ズーム処理の処理については行わない。
電子ズーム処理の設定後、制御部216は、電子ズーム処理を用いずに光学ズームによって倍率の調整が可能であるか否かを判定する(ステップS217)。例えば、カメラ本体200に発生している手ブレの影響が大きい場合に、光学ズームによる倍率の調整が不能であると判定する。手ブレの影響が大きい場合とは、例えば目標のズーム位置Z2が所定位置よりもテレ側にある場合である。一般に、手ブレが発生すると被写体を画角の中心に捉え続けることが困難になるので、このような場合には電子ズーム処理を用いて被写体の位置合わせを行う。一方、手ブレの影響が小さく、電子ズーム処理が不要な場合には光学ズームを使用する。
ステップS217において、光学ズームによって倍率の調整が可能であると判定した場合に、制御部216は、レンズ制御部114を制御して、ステップS206で算出された駆動量及びステップS207で決定された駆動方向に従ってズームレンズ102bの駆動を開始させる(ステップS218)。そして、ステップS206で算出された駆動量のズーム駆動の終了後(即ち露光時間Tの経過後)に、制御部216は、ズームレンズ102bのズーム駆動を終了する(ステップS219)。
露光時間Tの経過後に、制御部216は、撮影動作を終了するか否かを判定する(ステップS220)。この判定において、制御部216は、予め設定された露光回数の露光動作を行った場合に、撮影動作を終了すると判定する。
ステップS220において、撮影動作を終了しないと判定した場合に、制御部216は、処理をステップS215に戻す。そして、制御部216は、次の露光動作を行う。また、ステップS220において、撮影動作を終了すると判定した場合に、制御部216は、複数回の露光動作の結果として得られたそれぞれの画像データを、画像処理部206の電子ズーム処理部206aによって電子ズーム処理(拡縮処理)する(ステップS221)。ステップS221においては、ステップS216でなされた設定に従って電子ズーム処理を実行する。ただし、光学ズームが行われている画像データについては電子ズーム処理を行わないこととする。
電子ズーム処理の後、制御部216は、画像処理部206の合成部206bにより合成する。その後、合成がなされた画像データに対して光学露光間ズームモードと同様の画像処理を施し、画像処理した画像データを画像ファイルとして記録部210に記録する。
続いて、制御部216は、表示部208を制御してレックビュー表示を行う(ステップS224)。その後に、制御部216は、図6の処理を終了させる。レックビュー表示において、制御部216は、図7(e)に示すように、記録部210に記録した画像データを表示部208に再生する。
図8に、おまかせ露光間ズームモードの動作の概要を示す。図8は、被写体2がカメラ1に対して近づくように移動する場合の動作例を示している。被写体2がカメラ1に対して近づくように移動する場合、ズーム位置が同じであれば、画像データ上での被写体像の割合は被写体の移動に伴って大きくなる。したがって、ズーム駆動方向をワイド方向(テレ側からワイド側)とすることにより、画像データ上での被写体像の大きさを一定にする。
一般に、テレ側では手ブレの影響が大きく、また画角も狭いので被写体の位置が画角中心から外れ易くなる。したがって、ズーム位置がテレ側にある間は、電子ズーム処理を用いて画像データを記録する。即ち、撮像素子202の全撮影範囲602に対して予め設定された画像記録範囲604のうちの被写体部分606のみの画像データを切り出し、この被写体部分606の画像データを拡大して合成に用いる画像データとする。一方、ズーム位置がワイド側になった場合には、光学ズームを用いて画像を拡大した上で画像記録範囲604の画像データを合成に用いる画像データとする。なお、光学ズーム中の露光回数は、光学露光間ズームモードと同様、1回としても良い。電子ズーム処理された画像データと光学ズームの結果として得られた画像データとを合成することにより、各画像データにおける被写体の位置を合わせてから合成をすることができ、これによって、被写体の周辺部分のみを流したような効果の画像データを得ることが可能である。
以上説明したおまかせ露光間ズームモードでは、撮影者が、被写体を画角中心に捉え続けなくとも、また、手ブレ等によって被写体が画角中心から外れてしまう場合であっても、露光間ズーム撮影を継続することが可能である。
図9は、超おまかせ露光間ズームモードの処理の流れを示すフローチャートである。また、図10は、超おまかせ露光間ズームモード時に表示部208に表示される画面の遷移を示す図である。
図2に示すメニュー画面上で超おまかせ露光間ズームモード306が選択されたときに制御部216は、撮影待機画面を表示させる(ステップS301)。図10(a)に撮影待機画面の表示例を示す。超おまかせ露光間ズームモードにおける撮影待機画面には、戻りボタン702を表示させる。詳細な説明は省略するが、戻りボタン702の位置に撮影者の指Fがタッチされた場合には、図2に示すメニュー画面に戻る。
撮影待機画面の表示後、制御部216は、超おまかせ露光間ズーム撮影中の露光条件である、露光時間TV及び撮像素子感度SV、並びに絞り値AVを算出する(ステップS302)。超おまかせ露光間ズームモードにおける露光条件の算出手法は、おまかせ露光間ズームモードにおける露光条件の算出手法と同一で良い。
露光条件の算出後、制御部216は、撮影者により、露光間ズーム撮影の対象となる被写体が選択されたか否か、即ち撮影者が、表示部208に表示されている何等かの被写体の位置に指Fをタッチさせたか否かを判定する(ステップS303)。指Fのタッチがあったと判定するまで、制御部216は、ステップS303の判定を繰り返す。
ステップS303において、指Fのタッチがあったと判定した場合に、制御部216は、図10(b)に示すようにして選択された被写体を囲むように被写体枠704を表示させる。続いて、制御部216は、指Fのタッチがあったと判定したコマの前後のコマの被写体の大きさ(水平又は垂直)の変化量を算出する(ステップS304)。前述したように、大きさの変化量の逆数から光学ズーム又は電子ズーム処理の際のズーム倍率を算出することが可能である。
被写体の大きさを設定して後、制御部216は、撮像素子202の露光動作を開始させる(ステップS305)。このとき、制御部216は、ステップS302で算出した露光時間TV及び撮像素子感度SVに従って撮像素子202の露光動作を開始させる。同時に、制御部216は、レンズ制御部114を制御して、ステップS302で算出した絞り値AVに従って絞り108の開口量を調整する。
続いて、制御部216は、撮像素子202の露光動作によって得られた画像データを、画像処理部206に取り込む(ステップS306)。そして、制御部216は、取り込んだ画像データを電子ズーム処理するため、画像データ中の被写体部分に対して電子ズーム処理を設定する(ステップS307)。電子ズーム処理の倍率は、ステップS304で算出した被写体の大きさの変化量に応じて設定する。なお、ステップS307の時点では、実際の電子ズーム処理の処理については行わない。
電子ズーム処理の設定後、制御部216は、電子ズーム処理を用いずに光学ズームによって倍率の調整が可能であるか否かを判定する(ステップS308)。この判定は、ステップS217と同様に、例えば目標のズーム位置Z2が所定位置よりもワイド側にある場合に光学ズームによる倍率の調整が可能であると判定する。
ステップS308において、光学ズームによって倍率の調整が可能であると判定した場合に、制御部216は、レンズ制御部114を制御して、ズームレンズ102bの駆動を開始させる(ステップS309)。そして、ズーム駆動の終了後(即ち露光時間Tの経過後)に、制御部216は、ズームレンズ102bのズーム駆動を終了する(ステップS310)。
露光時間Tの経過後に、制御部216は、撮影動作を終了するか否かを判定する(ステップS311)。この判定において、制御部216は、予め設定された露光回数の露光動作を行った場合に、撮影動作を終了すると判定する。
ステップS311において、撮影動作を終了しないと判定した場合に、制御部216は、処理をステップS306に戻す。そして、制御部216は、次の露光動作を行う。また、ステップS311において、撮影動作を終了すると判定した場合に、制御部216は、複数回の露光動作の結果として得られたそれぞれの画像データを、画像処理部206の電子ズーム処理部206aによって電子ズーム処理(拡縮処理)する(ステップS312)。ステップS312においては、ステップS307でなされた設定に従って電子ズーム処理を実行する。ただし、光学ズームが行われている画像データについては電子ズーム処理を行わないこととする。
電子ズーム処理の後、制御部216は、画像処理部206の合成部206bにより合成する。その後、合成がなされた画像データに対して光学露光間ズームモードと同様の画像処理を施し、画像処理した画像データを画像ファイルとして記録部210に記録する。
続いて、制御部216は、表示部208を制御してレックビュー表示を行う(ステップS314)。その後に、制御部216は、図9の処理を終了させる。レックビュー表示において、制御部216は、図10(c)に示すように、記録部210に記録した画像データを表示部208に再生する。
以上説明した超おまかせ露光間ズームモードでは、撮影者が、表示画面内の被写体を選択するだけで、その被写体を対象とした適切な露光間ズーム撮影を行うことが可能である。
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。また、前述の各動作フローチャートの説明において、便宜上「まず」、「次に」等を用いて動作を説明しているが、この順で動作を実施することが必須であることを意味するものではない。例えば、図6のステップS216とステップS217との処理の順番を逆にして、光学ズームによる調整が不能であると判定された場合には露光の終了後に直ちに電子ズーム処理を実行するようにしても良い。
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。