以下に、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
[第1の実施形態]
以下に、第1の実施形態について説明する。
本発明の撮像装置は、動画機能付き電子スチルカメラやビデオカメラなどにより実現され、高画素数の撮像素子、これにより得られる画像を表示可能な画像表示部、および、記録可能な画像記録部を備える。また、動画の表示や記録に用いる画素数は、静止画の記録に用いる画素数より少ないことを前提としている。
図1は、第1の実施形態の撮像装置の構成を示す図である。
図1において、本実施形態の撮像装置は、光学系1、撮像素子2、駆動回路部3、前処理部4、信号処理部5、画像データを記憶するメモリ部6、画像表示部7、画像記録部8、操作部9および同期制御部10から構成される。
光学系1は、被写体像を撮像素子2に結像させる合焦レンズ、光学ズームを行うズームレンズ、被写体像の明るさを調整する絞り、露光を制御するシャッタからなり、これらは駆動回路3により駆動される。
撮像素子2は、水平垂直方向に配列された複数の画素と、これら画素から読み出された信号を所定の順番で出力する回路を有する。詳細は図3を参照して後述する。
駆動回路部3は、同期制御部10からの制御信号により、定電圧やドライブ能力を強化させたパルスを供給することで、光学系1および撮像素子2を駆動する。さらに、同期制御部10からの制御信号を撮像素子2へ伝達する機能も備える。
前処理部4は、同期制御部10からの制御信号により制御され、撮像素子2から出力されるアナログ信号に含まれるリセットノイズなどのノイズ成分を除去する相関2重サンプリング回路(CDS回路)を有する。さらに、前処理部4は、ノイズが除去された信号の振幅を調整するゲインコントールアンプ、振幅が調整されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路を有する。
信号処理部5は、同期制御部10からの制御信号により制御され、前処理部4から送出されるデジタル信号に変換された出力信号に対して適切な信号処理を行い画像データに変換する。また、信号処理部5は、メモリ部6や画像記録部8へデジタル信号に変換された出力信号や画像データを出力する。また、信号処理部5は、メモリ部6や画像記録部8からのデジタル信号に変換された出力信号や画像データを受けて信号処理を行う。さらに、撮像素子2の出力信号から合焦状態や露光量等の測光データを検出し、同期制御部10に送出する機能も備える。
メモリ部6は、同期制御部10からの制御信号により制御され、デジタル信号に変換された撮像素子2の出力信号や、信号処理された画像データを一時的に記憶する。さらに、表示用の画像データを画像表示部7へ出力する機能も備える。
画像表示部7は、同期制御部10からの制御信号により制御され、メモリ部6に記憶する表示用の画像データを、撮影前の構図決めや撮影後の画像の確認のために表示するもので、電子ビューファインダー(EVF)や液晶ディスプレイ(LCD)で構成される。また、画像表示部7には、一般に撮像素子2の垂直画素数より表示画素数が少ないものが用いられ、本実施形態でも画像表示部7の表示画素数は、撮像素子2の出力画素数より少ないものとする。
画像記録部8は、着脱可能なメモリ等を備え、同期制御部10からの制御信号により制御され、信号処理部5から送出されるデジタル信号に変換された出力信号や画像データの記録や着脱可能なメモリからの読み込みを行うことができる。
操作部9は、スイッチ、押しボタン、レバー、ダイアル等の操作部材を用いた外部からの指示を同期制御部10へ伝達する。外部からの指示としては、例えば、撮像装置の電源スイッチの状態、撮影を指示する押しボタンの状態、光学ズームや電子ズームを指示するボタンやレバーの状態あるいは撮影モードを選択するモードダイアルの状態などがある。また、操作部9は、撮影前の画像表示の指示、撮影の各種指示、撮影した画像の表示あるいは撮像装置の動作を予め指示するメニュー操作等を同期制御部10に伝達する。さらに、操作部9は、同期制御部10からの制御信号により、LCDやLED等の表示装置あるいは画像表示部7を用いて、撮像装置の状態を表示することができる。また、画像表示部7を表示装置とし、画像表示部7に装着したタッチパネルを操作部材として用いて、オンスクリーンでの操作を行う構成であってもよい。
同期制御部10は、操作部9からの指示により撮像装置全体を制御する。また、信号処理部5から送出される合焦状態や露光量等の測光データに応じて、光学系1を制御して、最適な被写体像を撮像素子2に結像させる。さらに、メモリ部6の使用状況や画像記録部8のメモリの着脱状態や使用状況を検出することもできる。
ここで、図2を参照して、前処理部4から送出される出力信号を画像データに変換する例を説明する。
図2は、図1の信号処理部5の詳細を例示するブロック図である。
図2において、信号処理部5は、R補間回路91、G補間回路92、B補間回路93、ホワイトバランス回路94、色信号補正回路95、ガンマ変換回路96および輪郭補正回路97を有する。
信号処理部5は、同期制御回路10により制御され、前処理部4から入力されたR・G・B信号から、それぞれの画素位置に対して不足しているR信号、G信号およびB信号を、R補間回路91、G補間回路92およびB補間回路93により補間して生成する。続いて、R信号、G信号およびB信号のそれぞれに対して、ホワイトバランス回路94によるホワイトバランスの調整と色信号補正回路95による色ノイズ除去やモアレ等の偽色除去といった色信号処理を行う。さらに、ガンマ変換回路96によるガンマ変換と輪郭補正回路97によるエッジ強調やアパーチャー補正といった輝度信号処理を行うことで、カラー画像を完成させる。完成したカラー画像は、メモリ部6や画像記録部8に送出される。
ここで、R補間回路91、G補間回路92およびB補間回路93において、静止画用画像、動画記録用画像、表示用画像に応じた画素数の変換を実行してもよい。また、高画素数の撮像素子2を用いた撮像装置においては、カラー画像の容量(カラー画像のデータ量)も大きくなるため、信号処理部5が画像圧縮回路を備えることで、画像の圧縮を行った後、画像記録部8に出力して記録してもよい。
次に、本実施形態の撮像装置の主な動作について説明する。
<表示画像の制御>
(1)操作部9の電源スイッチからの指示により電源がオンされる。
(2)信号処理部5で撮像素子2からの画像信号を表示用の画像データに変換して、画像表示部7に表示するとともに、測光データを検出し、同期制御部10に送出される。
(3)測光データに基づいて同期制御部10は光学系1を制御する。
(4)(2)および(3)を繰り返すとともに、操作部9からの指示を待つ。
<静止画撮影の制御>
(1)操作部9の撮影スイッチからの指示により静止画撮影の制御が開始される。
(2)信号処理部5で撮像素子2からの画像信号から測光データを検出し、同期制御部10に送出される。
(3)測光データに基づいて同期制御部10が光学系1を制御する。
(4)撮像素子2において、静止画記録用の露光と信号の出力を行う。
(5)信号処理部5で、撮像素子2からの画像信号を記録用の画像データに変換して、画像記録部8に送出し、着脱可能なメモリに記録するとともに、表示用の画像データに変換して、画像表示部7に表示する。
(6)<表示画像の制御>の(4)に戻る。
<動画撮影の制御>
(1)操作部9の撮影スイッチからの指示により動画撮影の制御が開始される。
(2)信号処理部5で撮像素子2からの画像信号を記録用の画像データに変換して、画像記録部8に送出し、着脱可能なメモリに記録するとともに、表示用の画像データに変換して、画像表示部7に表示する。
(3)信号処理部5で撮像素子2からの画像信号から測光データを検出し、同期制御部10に送出する。
(4)測光データに応じて同期制御部10は光学系1を制御する。撮像素子2において、静止画記録用の露光と信号の出力を行う。
(5)(2)〜(4)を繰り返すとともに、操作部9からの指示を待つ。
<電子ズームの制御>
(1)表示画像の制御の(4)や動画撮影の制御の(5)において、操作部9のズームボタンやズームレバーからの指示により電子ズームの制御が開始される。
(2)同期制御部10は電子ズーム倍率を決定し、撮像素子2の駆動を切り換える。
(3)同期制御部10は電子ズーム倍率に応じた信号処理を信号処理部5に指示する。
(4)<表示画像の制御>の(4)や<動画撮影の制御>の(5)に戻る。
次に、図3〜図5を参照して、撮像素子2の構成について説明する。
図3では、説明を簡単にするため、画素数は、水平方向および垂直方向にそれぞれ12画素とする。11は、入射した光を電気信号に変換する画素の1つを示し、水平方向(H)、垂直方向(V)の画素の位置を示すアドレスを(1、1)と表示する。そして、全ての画素の構成は、垂直制御線201〜212および垂直信号線101〜112がそれぞれ対応する画素毎に異なる以外、画素11と同一であって、画素の位置を示すアドレスは、(V、H)で表される。
図4に画素11の詳細な構成を示す。図4において、点線で囲われた部分が画素11であり、水平1行の画素に共通して接続され、水平1行の画素を同時に制御できる垂直制御線201と、垂直1列の画素に共通して接続され、画素の信号を出力する垂直信号線101とで他の回路に接続される。垂直制御線201は、リセット制御線221、垂直アドレス線241、転送制御線261を含む。
D1は光を電荷に変換する光電変換素子、C1は光電変換素子D1の電荷を電圧に変換する際に電荷を蓄積するFD容量である。Td1は画素内アンプの駆動トランジスタで、FD容量C1の電圧に応じた電圧を出力する。T1はリセット制御線221接続され、FD容量C1の電圧をリセットするリセットトランジスタである。T2は垂直アドレス線241に接続され、駆動トランジスタTd1の出力を画素の出力信号として、垂直信号線101に出力する選択トランジスタである。T3は転送制御線261に接続され、光電変換素子D1からFD容量C1への電荷の転送を制御する転送トランジスタである。Vdは駆動トランジスタTd1およびリセットトランジスタT1の電源である。
本実施形態において、駆動トランジスタTd1以外のトランジスタは、スイッチとして働き、ゲートに接続されている制御線のオンで導通し、オフで遮断するものとする。
ここで、撮像素子2における画素信号の読み出し動作について説明する。
撮像素子2の水平1行の画素を読み出す場合、垂直制御線201は、水平1行の画素全てを制御する。ここでは画素(1、1)を例に説明するが、他の画素の動作も同様である。転送トランジスタT3がオフの状態で、リセット制御線221によりリセットトランジスタT1がオンし、FD容量C1の電圧がリセットされた後、リセットトランジスタT1をオフする。次に、転送制御線261により転送トランジスタT3がオンすると、光電変換素子D1からFD容量C1へ電荷が転送される。そして、FD容量C1において、光電変換素子D1から転送された電荷が画素の信号として電荷電圧変換される。次に、垂直アドレス線241により選択トランジスタT2がオンし、FD容量C1の信号電圧を垂直信号線101に出力する。この信号が画素信号となり、この読み出しを画素信号読みと定義する。
601は、(1、1)〜(12、12)までの水平方向12画素、垂直方向12画素の全ての画素を含む全画角となる第1の読み出し画角を示す。602は、全画角のうち、(3、3)〜(10、10)までの水平方向8画素、垂直方向8画素を含む第2の読み出し画角をを示す。603は、全画角の内、(5、5)〜(8、8)までの水平方向4画素、垂直方向4画素を含む第3の読み出し画角を示す。
21〜26は垂直シフトレジスタであり、読み出す画素に接続されている垂直アドレス線201〜212を選択できるとともに、第1の読み出し画角601、第2の読み出し画角602および第3の読み出し画角603が選択できるように6分割されている。
33は垂直制御回路であり、制御入力端子16を介して同期制御部10からの制御信号を入力し、垂直シフトレジスタ21〜26を制御する。34は垂直シフトレジスタ制御線であり、垂直アドレス線201〜212を、「1行毎に選択」、「2行毎に選択」、「3行毎に選択」のいずれか1つを指示することができる。35〜37は垂直レジスタ選択線であり、垂直レジスタ選択線35が垂直シフトレジスタ21〜26の全てを選択することで、全画角となる第1の読み出し画角601に対応する画素を選択する。また、垂直レジスタ選択線36が垂直シフトレジスタ22〜25までを選択することで、第2の読み出し画角602に対応する画素を選択する。さらに、垂直レジスタ選択線37が垂直シフトレジスタ23、24を選択することで、第3の読み出し画角603に対応する画素を選択する。また、垂直レジスタ選択線35〜37は、選択した垂直シフトレジスタに対して、「1行読み動作」、「2行加算動作」、「3行加算動作」のいずれか1つを指示することができる。
例えば、垂直レジスタ選択線35〜37が、「1行読み動作」を指示し、垂直シフトレジスタ制御線34が、「1行毎に選択」、「2行毎に選択」、「3行毎に選択」のいずれか1つを指示したとする。この場合、それぞれ、対応する画角の垂直アドレス線を「1行毎に選択」、「2行毎に1行を選択」、「3行毎に1行を選択」するように、垂直シフトレジスタ21〜26を制御することができる。また、垂直レジスタ選択線35〜37が、「2行加算動作」を指示し、垂直シフトレジスタ制御線34が、「2行毎に選択」を指示したとする。この場合、それぞれ、対応する画角の垂直アドレス線を、1行分の読み動作の中で「2行を同時に選択」するように、垂直シフトレジスタ21〜26を制御することができる。これにより、垂直アドレス線には、垂直方向に2画素分の信号が加算平均されて出力されることになる。さらに、垂直レジスタ選択線35〜37が、「3行加算動作」を指示し、垂直シフトレジスタ制御線34が、「3行毎に選択」を指示したとする。この場合、それぞれ、対応する画角の垂直アドレス線を、1行分の読み動作の中で「3行を同時に選択」するように、垂直シフトレジスタ21〜26を制御することができる。これにより、垂直アドレス線には、垂直方向に3画素分の信号が加算平均されて出力されることになる。
12は加算回路であり、垂直信号線101〜112に送出される画素信号を加算することができる。40は加算制御回路であり、制御入力端子16を介して、同期制御部9からの制御信号の指示により、加算回路12を制御する。41〜48は加算回路12を制御する加算制御線である。
13は水平読み出し回路であり、水平アドレス線401〜412により制御され、加算回路12の加算出力線301〜312を介して送出される信号を出力回路14へ出力することができる。出力回路14は、電流増幅回路や電圧増幅回路からなり、水平読み出し回路13から出力された信号を適切な電流増幅や電圧増幅して、出力端子15を介して前処理部4へ出力する。50は水平読み出し回路13を制御する水平読み出し制御線である。
61〜66は水平シフトレジスタであり、水平アドレス線401〜412を選択できるとともに、第1の読み出し画角601、第2の読み出し画角602および第3の読み出し画角603が選択できるように6分割されている。
73は水平制御回路であり、制御入力端子16を介して同期制御部9からの制御信号により水平シフトレジスタ61〜66を制御する。74は水平シフトレジスタ制御線であり、水平アドレス線を、「1列毎に選択」、「2列毎に選択」、「3列毎に選択」のいずれか1つを指示することができる。75〜77は水平レジスタ選択線であり、水平レジスタ選択線75が、水平シフトレジスタ61〜66の全てを選択することで、全画角となる第1の読み出し画角601に対応する画素を選択する。また、水平レジスタ選択線76が水平シフトレジスタ62〜65までを選択することで、第2の読み出し画角602に対応する画素を選択する。さらに、水平レジスタ選択線77が水平シフトレジスタ63、64を選択することで、第3の読み出し画角603に対応する画素を選択する。
例えば、水平シフトレジスタ制御線74が、「1列毎に選択」、「2列毎に選択」、「3列毎に選択」のいずれか1つを指示したとする。この場合、それぞれ、対応する画角の水平アドレス線を「1列毎に選択」、「2列毎に1列を選択」、「3列毎に1列を選択」するように、水平シフトレジスタ61〜66を制御することができる。
図5に加算回路12および水平読み出し回路13の詳細な構成を示す。図5においては、図3の左側6画素に対応する部分のみを説明するが、右側6画素についても同様である。
T41〜T48は、同じ番号の加算制御線41〜48によりオンオフされることで、導通あるいは遮断するスイッチとして機能するトランジスタである。C101〜C106(不図示の対応するC107〜C112も同様)は、垂直信号線101〜106(垂直信号線107〜112も同様)に送出される画素信号を蓄積する蓄積容量である。301〜306(307〜312も同様)は、加算回路12の出力となる加算出力線である。
C401〜C406(不図示の対応するC407〜C412も同様)は、加算出力線301〜306(307〜312も同様)を介して送出される信号を蓄積する蓄積容量である。T401〜T406(不図示の対応するT407〜T412も同様)は、同じ番号の制御線401〜406(不図示の対応する制御線407〜412も同様)によりオンオフされることで、導通あるいは遮断するスイッチとして機能するトランジスタである。これらは、水平信号線501を介して信号を出力回路14へ出力することができる。
出力回路14は水平信号線501を入力としたアンプとなっており、入力信号を適切な電流増幅や電圧増幅して、出力端子15を介して前処理部4へ出力する。
次に、図5を参照して加算回路12および水平読み出し回路13の動作について説明する。
まず、加算制御線41による制御で、トランジスタT41をオンの状態にし、垂直信号線101〜106に送出される画素信号を蓄積容量C101〜C106に蓄積した後に、トランジスタT41をオフする。
加算しない場合は、加算制御線45〜48により、トランジスタT45〜T48をオンの状態にする。そして、蓄積容量C101〜C106の信号を、加算出力線301〜306に出力し、それぞれ対応する水平読み出し回路13の蓄積容量C401〜C406に蓄積した後に、トランジスタT45〜T48をオフする。
次に、水平シフトレジスタ制御線74からの「1列毎に選択」の動作開始指示に応じて、水平アドレス線401〜406の制御によりトランジスタT401〜T406までを順番にオンオフする。これにより、蓄積容量C401〜C406の信号が、順番に水平信号線501を介して出力回路14へ出力される。
垂直信号線107〜112に送出される画素信号も同様に動作させることで、垂直信号線101〜112に送出される画素信号を順番に出力することができる。
水平2画素加算する場合は、加算制御線43、44の制御によりトランジスタT43、T44をオンの状態にするとともに、加算制御線46、47の制御によりトランジスタT46、T47をオンの状態にする。これにより、蓄積容量C101〜C106の信号を2個ずつ加算平均した信号を、それぞれ対応する加算出力線301、303、305に出力する。
そして、それぞれ対応する蓄積容量C401、C403、C405に蓄積した後に、トランジスタT43、T44、T46、T47をオフする。
次に、水平シフトレジスタ制御線74からの「2列毎に選択」の動作開始指示に応じて、水平アドレス線401、403、405の制御により、トランジスタT401、T403、T405を順番にオンオフする。これにより、蓄積容量C401、C403、C405の信号が順番に水平信号線501を介して出力回路14へ出力される。
垂直信号線107〜112に送出される画素信号も同様に動作させることで、蓄積容量C407、C409、C411の信号を、順番に水平信号線501を介して出力回路14へ出力することができる。これにより、垂直信号線101〜112に送出される画素信号を水平に2画素加算した信号を出力することができる。
水平3画素加算する場合は、加算制御線42、44の制御によりトランジスタT42、T44をオンの状態にするとともに、加算制御線45、46の制御によりトランジスタT45、T46をオンの状態にする。これにより、蓄積容量C101〜C106の信号を3個ずつ加算平均した信号を、それぞれ対応する加算出力線301、304に出力する。
そして、それぞれ対応する蓄積容量C401、C404に蓄積した後に、トランジスタT42、T44、T45、T46をオフする。
次に、水平シフトレジスタ制御線74からの「3列毎に選択」の動作開始指示に応じて、水平アドレス線401、404の制御によりトランジスタT401、T404を順番にオンオフする。これにより、蓄積容量C401、C404の信号が順番に水平信号線501を介して出力回路14へ出力される。
垂直信号線107〜112に送出される信号も同様に動作させることで、蓄積容量C407、C410の信号を、順番に水平信号線501を介して出力回路14へ出力することができる。これにより、垂直信号線101〜112に送出される画素信号を水平に3画素加算した信号を出力することができる。
以上の説明では、垂直方向の加算動作と垂直アドレス線の選択方法として、「1行毎に選択」で「1行読み動作」、「2行毎に選択」で「1行読み動作」、「3行毎に選択」で「1行読み動作」について説明した。また、「2行を連続して選択」で「2行加算動作」および「3行を連続して選択」で「3行加算動作」についても説明した。また、水平方向の加算回路の動作の選択方法として、「水平加算なし動作」、「水平2画素加算動作」および「水平3画素加算動作」の3種類について説明した。さらに、水平アドレス線の選択方法として、「1列毎に選択」、「2列毎に選択」および「3列毎に選択」の3種類について説明した。これにより、水平・垂直方向それぞれ1画素毎に読み出す動作の他に、垂直アドレス線の選択方法、水平方向の加算回路の動作の選択方法および水平アドレス線の選択方法を組み合わせて使用することもできる。
例えば、水平・垂直方向の画素間引きについては、垂直のみの1/2間引き、垂直のみの1/3間引き、水平のみの1/2間引き、水平のみの1/3間引き、水平・垂直それぞれ1/2間引き、水平・垂直それぞれ1/3間引きが実現可能である。さらに、水平1/2間引きと垂直1/3間引きの組み合わせ、水平1/3間引きと垂直1/2間引きの組み合わせが実現可能である。すなわち、間引き率は、水平・垂直方向のそれぞれについて、nを自然数として1/nに設定可能である。
また、水平・垂直方向の画素加算については、垂直のみの2画素加算、垂直のみの3画素加算、水平のみの2画素加算、水平のみの3画素加算が実現可能である。さらに、水平・垂直それぞれ2画素の4画素加算、水平・垂直それぞれ3画素の9画素加算、水平2画素と垂直3画素の6画素加算、水平3画素と垂直2画素の6画素加算が実現可能である。
さらに、読み出し画角として、全画角となる第1の読み出し画角601、第2の読み出し画角602および第3の読み出し画角603の3種類選択できるので、それぞれの画角において、上記画素加算や画素間引きも実現可能である。
また、図3〜図5で説明した回路を拡張することで、水平・垂直方向の画素加算数や画素間引き数を3画素以上にすること、および、読み出し画角を3種類以上にすることも可能である。
次に、本実施形態の撮像装置の撮影モードについて説明する。
まず、<静止画撮影の制御>の(4)に相当する全画角となる第1の読み出し画角601を画素毎に読み出す、静止画撮影モードについて説明する。
静止画撮影モードにおいては、全画角となる第1の読み出し画角601を水平・垂直方向それぞれ1画素毎に読み出すことになる。このため、
(1)垂直シフトレジスタおよび水平シフトレジスタは、全画角となる第1の読み出し画角601
(2)垂直シフトレジスタは、「1行毎に選択」で「1行読み動作」
(3)加算回路12は、「水平加算なし動作」
(4)水平シフトレジスタは、「1列毎に選択」
がそれぞれ選択される。
露光後、撮像素子2において、垂直シフトレジスタ制御線34が「1行毎に選択」を指示し、垂直レジスタ選択線35を選択するとともに、「1行読み動作」が指示される。これにより、全画角となる第1の読み出し画角601が選択され、垂直制御線201〜212が順番に選択される。
この動作により、まず最初に、垂直制御線201が選択されることで、撮像素子2の第1行目の画素信号読みを行い、対応する垂直信号線101〜112に画素信号が出力される。
静止画撮影モードにおいては、水平加算を行わないので、加算回路12は、画素信号をそのまま水平読み出し回路13に送出し、対応する蓄積容量C401〜C412に蓄積する。
次に、水平シフトレジスタ制御線74が、「1列毎に選択」を指示し、水平レジスタ選択線75を選択することで、全画角となる第1の読み出し画角601が選択され、水平アドレス線401〜412が順番に選択される。
この動作により、蓄積容量C401〜C412の信号が、順番に水平信号線501を介して出力回路14へ送られ、出力端子15から出力される。
これにより、垂直制御線201によって選択された撮像素子2の第1行目の画素信号が出力される。
同様にして、垂直制御線202〜212によって選択された撮像素子2の画素信号を順番に出力することができるので、全画角となる第1の読み出し画角601に含まれる全画素を画素毎に読み出すことができる。
次に、<電子ズームの制御>の(2)の電子ズーム動作時の撮像素子2の駆動を、異なる3つの画角を読み出す場合について説明する。
ここで、全画角となる第1の読み出し画角601を水平・垂直それぞれ1/3間引きで読み出すモードを間引き等倍ズームモード(第1のズーム倍率から第2のズーム倍率)と定義する。また、第2の読み出し画角602を水平・垂直それぞれ1/2間引きで読み出すモードを間引き2倍ズームモード(第3のズーム倍率から第4のズーム倍率)と定義する。さらに、第3の読み出し画角603を水平・垂直それぞれ1画素毎に読み出すモードを3倍ズームモードと定義する。
さらに、本実施形態では、後述するように、第1の読み出し画角601に第3の読み出し画角および当該第3の読み出し画角より小さい第4の読み出し画角が設定される。また、、第2の読み出し画角602に第5の読み出し画角および当該第5の読み出し画角より小さい第6の読み出し画角が設定される。
間引き等倍ズームモードにおいては、全画角となる第1の読み出し画角601を水平・垂直それぞれ1/3間引きで読み出すことになるので、
(1)垂直シフトレジスタおよび水平シフトレジスタは、全画角となる第1の読み出し画角601
(2)垂直シフトレジスタは、「3行毎に選択」で「1行読み動作」
(3)加算回路12は、「水平加算なし動作」
(4)水平シフトレジスタは、「3列毎に選択」
がそれぞれ選択される。
撮像素子2において、垂直シフトレジスタ制御線34が、「3行毎に選択」を指示し、垂直レジスタ選択線35を選択するとともに、「1行読み動作」が指示される。これにより、全画角となる第1の読み出し画角601が選択され、垂直制御線201、204、207、210が順番に選択される。
この動作により、まず最初に、垂直制御線201が選択されることで、撮像素子2の第1行目の画素信号読みを行い、対応する垂直信号線101〜112に画素信号が出力される。
本実施形態の等倍ズームモードにおいては、水平加算を行わないので、加算回路12は、画素信号をそのまま水平読み出し回路13に送出し、対応する蓄積容量C401〜C412に蓄積する。
次に、水平シフトレジスタ制御線74が、「3列毎に選択」を指示し、水平レジスタ選択線75を選択することで、全画角となる第1の読み出し画角601が選択され、水平アドレス線401、404、407、410が順番に選択される。
この動作により、蓄積容量C401、C404、C407、C410の信号が、順番に水平信号線501を介して出力回路14へ送られ、出力端子15から出力される。
これにより、垂直制御線201によって選択された撮像素子2の第1行目の画素信号が出力される。
同様にして、垂直制御線204、207、210によって選択された撮像素子2の画素信号を順番に出力することができるので、全画角となる第1の読み出し画角601に含まれる画素を水平・垂直それぞれ1/3間引きで読み出すことができる。
次に、間引き2倍ズームモードにおいては、第2の読み出し画角602を水平・垂直それぞれ1/2間引きで読み出すことになるので、
(1)垂直シフトレジスタおよび水平シフトレジスタは、第2の読み出し画角602
(2)垂直シフトレジスタは、「2行毎に選択」で「1行読み動作」
(3)加算回路12は、「水平加算なし動作」
(4)水平シフトレジスタは、「2列毎に選択」
がそれぞれ選択される。
撮像素子2において、垂直シフトレジスタ制御線34が、「2行毎に選択」を指示し、垂直レジスタ選択線36を選択するとともに「1行読み動作」が指示される。これにより、第2の読み出し画角602が選択され、垂直制御線203、205、207、209が順番に選択される。
この動作により、まず最初に、垂直制御線203が選択されることで、撮像素子2の第3行目の画素信号読みを行い、対応する垂直信号線101〜112に画素信号が出力される。
本実施形態の間引き2倍ズームモードにおいては、水平加算を行わないので、加算回路12は、画素信号をそのまま水平読み出し回路13に送出し、対応する蓄積容量C401〜C412に蓄積する。
次に、水平シフトレジスタ制御線74が、「2列毎に選択」を指示し、水平レジスタ選択線76を選択することで、第2の読み出し画角602が選択され、水平アドレス線403、405、407、409が順番に選択される。
この動作により、蓄積容量C403、C405、C407、C409の信号が、順番に水平信号線501を介して出力回路14へ送られ、出力端子15から出力される。
これにより、垂直制御線203によって選択された撮像素子2の第3行目の画素信号が出力される。
同様にして、垂直制御線205、207、209によって選択された撮像素子2の画素信号を順番に出力することができるので、第2の読み出し画角602に含まれる画素を水平・垂直それぞれ1/2間引きで読み出すことができる。
3倍ズームモードにおいては、第3の読み出し画角603を水平・垂直それぞれ1画素毎に読み出すことになるので、
(1)垂直シフトレジスタおよび水平シフトレジスタは、第3の読み出し画角603
(2)垂直シフトレジスタは、「1行毎に選択」で「1行読み動作」
(3)加算回路12は、「水平加算なし動作」
(4)水平シフトレジスタは、「1列毎に選択」
がそれぞれ選択される。
撮像素子2において、垂直シフトレジスタ制御線34が、「1行毎に選択」を指示し、垂直レジスタ選択線37を選択するとともに「1行読み動作」が指示される。これにより、第3の読み出し画角603が選択され、垂直制御線205、206、207、208が順番に選択される。
この動作により、まず最初に、垂直制御線205が選択されることで、撮像素子2の第5行目の画素信号読みを行い、対応する垂直信号線101〜112に画素信号が出力される。
本実施形態の3倍ズームモードにおいては、水平加算を行わないので、加算回路12は、画素信号をそのまま水平読み出し回路13に送出し、対応する蓄積容量C401〜C412に蓄積する。
次に、水平シフトレジスタ制御線74が、「1列毎に選択」を指示し、水平レジスタ選択線77を選択することで、第3の読み出し画角603が選択され、水平アドレス線405、406、407、408が順番に選択される。
この動作により、蓄積容量C405、C406、C407、C408の信号が、順番に水平信号線501を介して出力回路14へ送られ、出力端子15から出力される。
これにより、垂直制御線205によって選択された撮像素子2の第5行目の画素信号が出力される。
同様にして、垂直制御線206、207、208によって選択された撮像素子2の画素信号を順番に出力することができるので、第3の読み出し画角603に含まれる画素を水平・垂直それぞれ1画素毎に読み出すことができる。
以上、本実施形態の撮像装置の構成と動作について説明したが、理解の容易にするため撮像素子2の画素数を水平方向12画素、垂直方向12画素としている。
実際には、撮像装置は100万画素以上の高画素数の撮像素子を備えるため、以後の説明では、本実施形態の撮像素子2の全画素数を、水平3000画素、垂直2250画素とし、動画記録用の画素数をVGA相当の水平640画素、垂直480画素とする。
図6は、撮像素子2の全画素数を間引き率1/3で間引いて読み出した画像を示し、図3の全画角となる第1の読み出し画角601を水平・垂直それぞれ1/3間引きで読み出すモードに相当する。
731は全画素数である水平3000画素、垂直2250画素を間引き率1/3で間引いて読み出した1.00倍画角(全画角)を示し、読み出した水平画素数が1000画素、垂直画素数が750画素となる。そして、水平1000画素、垂直750画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、1.00倍(等倍)の電子ズーム画像となる。
732は間引き率1/3で間引いて読み出した1.00倍画角731のうちの水平画素数が800画素、垂直画素数が600画素となる1.25倍画角を示す。そして、水平800画素、垂直600画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、1.25倍の電子ズーム画像となる。この場合、1.25倍画角732に対応する撮像素子2の画素数は、水平2400画素、垂直1800画素となっている。
733は間引き率1/3で間引いて読み出した1.00倍画角731のうちの水平画素数が720画素、垂直画素数が540画素となる1.39倍画角を示す。そして、水平720画素、垂直540画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、1.39倍の電子ズーム画像となる。この場合、1.39倍画角733に対応する撮像素子2の画素数は、水平2160画素、垂直1620画素となっている。
734は間引き率1/3で間引いて読み出した1.00倍画角731のうちの水平画素数が640画素、垂直画素数が480画素となる1.56倍画角を示す。そして、水平640画素、垂直480画素の画像そのままであるので、1.56倍の電子ズーム画像となる。ここで、1.56倍画角734に対応する撮像素子2の画素数は、水平1920画素、垂直1440画素となっている。
図7は、図6の1.56倍画角734に対応する画素から間引き率1/2で間引いて読み出した画像を示し、図3の第2の読み出し画角602を水平・垂直それぞれ1/2間引きで読み出すモードに相当する。
この場合、撮像素子2から1.56倍画角734に対応する領域のみを読み出してもよいし、数画素から数十画素広く読み出してもよい。広く読み出した画素は、動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素を作成する時の画像処理に用いることができる。
741は図6の1.56倍画角734に対応する画素である水平1920画素、垂直1440画素を間引き率1/2で間引いて読み出した1.56倍画角を示し、読み出した水平画素数が960画素、垂直画素数が720画素となる。そして、水平960画素、垂直720画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、1.56倍の電子ズーム画像となる。
742は間引き率1/2で間引いて読み出した1.56倍画角741のうちの水平画素数が800画素、垂直画素数が600画素となる1.88倍画角を示す。そして、水平800画素、垂直600画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、1.88倍の電子ズーム画像となる。この場合、1.88倍画角742に対応する撮像素子2の画素数は、水平1600画素、垂直1200画素となっている。
743は間引き率1/2で間引いて読み出した1.56倍画角741のうちの水平画素数が700画素、垂直画素数が525画素となる2.14倍画角を示す。そして、水平700画素、垂直525画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、2.14倍の電子ズーム画像となる。この場合、2.14倍画角743に対応する撮像素子2の画素数は、水平1400画素、垂直1050画素となっている。
744は間引き率1/2で間引いて読み出した1.56画角741のうちの水平画素数が640画素、垂直画素数が480画素となる2.34倍画角を示す。そして、水平640画素、垂直480画素の画像そのままであるので、2.34倍の電子ズーム画像となる。この場合、2.34倍画角744に対応する撮像素子2の画素数は、水平1280画素、垂直960画素となっている。
図8は、図7の2.34倍画角744に対応する画素から水平・垂直それぞれ1画素毎に読み出した画像を示し、図3の第3の読み出し画角603を水平・垂直それぞれ1画素毎に読み出すモードに相当する。このモードは、間引き率1/1で読み出すモードと言い換えることができる。
この場合、撮像素子2から2.34倍画角744に対応する領域のみを読み出してもよいし、数画素から数十画素広く読み出してもよい。広く読み出した画素は、動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素を作成する時の画像処理に用いることができる。
751は図7の2.34倍画角744に対応する画素である水平1280画素、垂直960画素を間引き率1/1で読み出した2.34倍画角を示す。そして、読み出した水平1280画素、垂直960画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、2.34倍の電子ズーム画像となる。
752は間引き率1/1で読み出した2.34倍画角751のうちの水平画素数が1000画素、垂直画素数が750画素となる3.00倍画角を示す。そして、水平1000画素、垂直750画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、3.00倍の電子ズーム画像となる。
753は間引き率1/1で読み出した2.34倍画角751のうちの水平画素数が800画素、垂直画素数が600画素となる3.75倍画角を示す。そして、水平800画素、垂直600画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、3.75倍の電子ズーム画像となる。
754は間引き率1/1で読み出した2.34倍画角751のうちの水平画素数が640画素、垂直画素数が480画素となる4.69倍画角を示す。そして、水平640画素、垂直480画素の画像そのままであるので、4.69倍の電子ズーム画像となる。
ここで、画角731〜734、画角741〜744および画角751〜754は、中心が一致、あるいは、略一致した画角となっている。
また、画角731〜734、画角741〜744および画角751〜754において、それぞれ動画記録用の水平640画素、垂直480画素の画像を作成するので、電子ズームの停止位置と表現してもよい。
さらに、撮像装置の画像処理においては、R補間回路91、G補間回路92およびB補間回路93による画素補間や色信号補正回路95によるモアレ等の偽色除去の際に、記録する領域の外側に数画素から十数画素のフィルタリング画素が必要となることがある。そのため、本実施形態で用いた画角の外側に数画素から十数画素のフィルタリング画素を設けるように、撮像素子2からの読み出し画角や電子ズームの読み出し画角を決めてもよい。
次に、図6〜図8を参照して電子ズームの動作について説明する。
<電子ズームの制御>の(1)において、操作部9のズームボタンやズームレバーからの指示により電子ズームの制御が開始される。
<電子ズームの制御>の(2)において、同期制御部10は、操作部9によりズームボタンやズームレバーが、高倍率側と低倍率側のいずれを指示しているかを検出する。そして、現在の電子ズーム停止位置から次の電子ズーム停止位置を決定し、撮像素子2の駆動を切り換える。
まず最初に、電源がオンした時点での電子ズームの倍率を、図6の1.00倍(等倍)電子ズームの停止位置と仮定し、操作部9により高倍率側に電子ズームを行う場合について説明する。
なお、操作部9から低倍率側に動作する指示が入力された場合は、そのような電子ズーム倍率は設定できないので、同期制御部10は指示を無視する。
1.00倍(等倍)電子ズームの場合、撮像素子2は、図6の全画角となる1.00倍画角731を間引き率1/3で間引いて読み出す。そして、読み出した水平1000画素、垂直750画素を用いて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施している。
操作部9からの指示が高倍率側なので、撮像素子2の読み出しは、図6の全画角となる1.00倍画角731のままで、1.25倍画角732の水平800画素、垂直600画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を1.25倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくは両方を実施する。
次に、操作部9からの指示が引き続き高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しは、図6の全画角となる1.00倍画角731のままで、1.39倍画角733の水平720画素、垂直540画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を1.39倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくは両方を実施する。
さらに、操作部9からの指示が高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しを図7に切り換え、1.56倍画角741を間引き率1/2で間引いて読み出す。そして、読み出した水平960画素、垂直720画素を用いて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を1.56倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
操作部9からの指示が引き続き高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しは、図7の1.56倍画角741のままで、1.88倍画角742の水平800画素、垂直600画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を1.88倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
次に、操作部9からの指示がさらに高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しは、図7の1.56倍画角741のままで、2.14倍画角743の水平700画素、垂直525画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を2.14倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
さらに、操作部9からの指示が高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しを図8に切り換え、2.34倍画角751を間引き率1/1で読み出す。そして、読み出した水平1280画素、垂直960画素を用いて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を2.34倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
操作部9からの指示が引き続き高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しは、図8の2.34倍画角751のままで、3.00倍画角752の水平1000画素、垂直750画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を3.00倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
次に、操作部9からの指示がさらに高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しは、図8の2.34倍画角751のままで、3.75倍画角753の水平800画素、垂直600画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を3.75倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
さらに、操作部9からの指示が高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しは、図8の2.34倍画角751のままで、4.69倍画角754の水平640画素、垂直480画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を4.69倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
なお、操作部9からの指示がさらに高倍率側の場合、そのような電子ズーム倍率は設定できないので、同期制御部10は指示を無視する。
次に、電子ズームの停止位置が、図8の4.69倍電子ズームの停止位置にあると仮定し、操作部9により低倍率側に電子ズームを行う場合について説明する。
各電子ズームの停止位置の動作については、高倍率側に電子ズームを行う場合と同じであるので説明は省略する。
4.69倍電子ズームから2.34倍電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを、図8の2.34倍画角751を間引き率1/1で読み出すモードのまま、画角を4.69倍画角754から2.34倍画角751まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
次に、2.14倍電子ズームから1.56倍電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを図7に切り換える。そして、1.56倍画角741を間引き率1/2で読み出すモードのまま、画角を2.14倍画角743から1.56倍画角741まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
さらに、1.39倍電子ズームから1.00倍(等倍)電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを図6に切り換える。そして、1.00倍画角731を間引き率1/3で読み出すモードのまま、画角を1.39倍画角733から1.00倍画角731まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
途中の電子ズーム停止位置から高倍率側や低倍率側に電子ズームを行う場合も、操作部9からの指示により、上記説明の途中の画角からスタートして、高倍率側や低倍率側に電子ズームの動作を行えばよいので、説明は省略する。
また、図8の4.69倍画角754より小さな画角を設定し、解像度の劣化を伴うが、さらに高倍率な電子ズームを実施、あるいは、組み合わせても構わない。
以上説明したように、本実施形態によれば、常に動画記録用の画素数以上である水平640画素、垂直480画素以上の画素数を用いてズーム画像を作成しているので、解像度の劣化の少ない電子ズームが実現可能である。
また、電子ズームの停止位置が10箇所であるのに対して、撮像素子2からの読み出し画角が3種類で済むので、撮像素子2の制御の複雑さを低減することが可能である。
さらに、本実施形態においては、図8に示す撮像素子2の読み出し画角である2.34倍画角751の画素数が、動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素に対して、水平2倍、垂直2倍の画素数となっている。この2倍という値は、図8の2.34倍画角751の間引き率である1/1と、図7に示す撮像素子2の読み出し画角である1.56倍画角741の間引き率である1/2の比を取って、(1/1)/(1/2)=2によって計算された値である。
また、図7に示す撮像素子2の読み出し画角である1.56倍画角741の画素数は、動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素に対して、水平1.5倍、垂直1.5倍の画素数となっている。この1.5倍という値は、図7の1.56倍画角741の間引き率である1/2と、図6に示す撮像素子2の読み出し画角である1.00倍画角731の間引き率である1/3の比を取って、(1/2)/(1/3)=3/2=1.5によって計算された値である。
すなわち、pを自然数として、読み出し画角が切り換わる前の第1の間引き率が1/(p+1)、切り換わった後の第2の間引き率が1/pとする。この場合、切り換わる前の読み出し画角と間引き率で読み出される画素数が、水平方向および垂直方向についてそれぞれ(p+1)/p倍以上の画素数となる。
そこで、図6に示す撮像素子2の読み出し画角である1.00倍画角731の画素数との比較において、
1.00倍画角731の画素数:1.56倍画角741の画素数:2.34倍画角751の画素数
=(1000x750):(960x720):(1280x960)
=750000:691200:1228800
となり、最大の読み出し画素数と最小の読み出し画素数の比が、1/2以内に収まっている。
このため、電子ズームを実行した場合、撮影した画像の読み出し時間が領域内で大きく異なってしまうことを回避することも可能である。
さらに、常に全画素を読み出す必要がないので、フレームレートの低下を抑えることができるという効果もある。
また、動画記録用の水平640画素、垂直480画素以上の画素数を持つ画像から画素数を縮小せずに作成した画像と、動画記録用の画素数(640×480)を持つ画像から画素数を縮小する方向で作成した画像とでは画質が異なることがわかっている。すなわち、画像処理後の解像感や色ノイズやモアレ等の偽色の画質が異なることがわかっている。
ここで本実施形態では、図6の1.56倍画角734や図7の2.34倍画角744といった動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素から画像を作成するモードを利用していないため、常に同じ画質を保つことができるという効果がある。
ただし、図8の4.69倍画角754だけは動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素から画像を作成することになるが、既に間引き率が1/1であるため、同じ画像処理方法では他の画角と同じような画質を保つ効果は期待できない。
ここで、本実施形態においては、図6の1.56倍画角734や図7の2.34倍画角744といった動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素から画像を作成するモードを利用していないため、これらのモードを備えていなくてもよい。
[第2の実施形態]
次に、図1〜図8を参照して、第2の実施形態について説明する。図1〜図5については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
第1の実施形態では、電子ズームの倍率を変更する動作に伴って、撮像素子2の読み出し画角の切り換えが、1.39倍電子ズームと1.56倍電子ズームの間、および、2.14倍電子ズームと2.34倍電子ズームの間で発生する。
すなわち、図6の1.39倍画角733と図7の1.56倍画角741の間、および、図7の2.14倍画角743と図8の2.34倍画角751の間で撮像素子2の駆動の切り換えが実施されることになる。
例えば、操作部9からの指示が、1.39倍電子ズームと1.56倍電子ズームの間で停止した場合、同期制御部10が図6の1.39倍画角733か図7の1.56倍画角741のいずれかを選択することになる。しかし、制御が中途半端な場合は、図6の1.39倍画角733と図7の1.56倍画角741の間の行き来を頻繁に繰り返すという不具合が発生してしまう可能性がある。
この場合は、同期制御部10が、撮像素子2の駆動制御と信号処理部5の動作制御の両方を同時に切り換える制御を繰り返し実施する。このため、同期制御部10の負荷が大きくなり、光学系1、画像を記憶するメモリ部6、画像表示部7、画像記録部8、操作部9等の制御に支障をきたすおそれがある。
そこで、第2の実施形態においては、撮像素子2の読み出し画角の切り換えが頻繁に繰り返すことがないような電子ズームの動作を、図6〜図8を参照して説明する。
第1の実施形態と同様に、<電子ズームの制御>の(1)において、操作部9のズームボタンやズームレバーからの指示により電子ズームの制御が開始される。
<電子ズームの制御>の(2)において、同期制御部10は、操作部9によりズームボタンやズームレバーが、高倍率側と低倍率側のいずれを指示しているかを検出する。そして、現在の電子ズーム停止位置から次の電子ズーム停止位置を決定し、撮像素子2の駆動を切り換える。
まず最初に、電源がオンした時点での電子ズームの倍率を、図6の1.00倍(等倍)電子ズームの停止位置と仮定し、操作部9により高倍率側に電子ズームを行う場合について説明する。
各電子ズームの停止位置の動作については、第1の実施形態と同様の説明は省略する。
なお、操作部9から低倍率側に動作するように指示が入力された場合は、そのような電子ズーム倍率は設定できないので、同期制御部10は指示を無視する。
1.00倍(等倍)電子ズームの場合、撮像素子2は、図6の全画角となる1.00倍画角731を間引き率1/3で間引いて読み出す。そして、読み出した水平1000画素、垂直750画素を用いて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施している。
1.00倍(等倍)電子ズームから1.39倍電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを、図6の1.00倍画角731を間引き率1/3で読み出すモードのまま、画角を1.00倍画角731から1.39倍画角733まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
次に、1.56倍電子ズームの時は、撮像素子2の読み出しは、図6の全画角となる1.00倍画角731のままで、1.56倍画角734の水平640画素、垂直480画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を1.56倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
1.88倍電子ズームから2.14倍電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを図7に切り換える。そして、1.56倍画角741を間引き率1/2で読み出すモードのまま、画角を1.88倍画角742から2.14倍画角743まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
次に、2.34倍電子ズームの時は、撮像素子2の読み出しは、図7の1.56倍画角741のままで、2.34倍画角744の水平640画素、垂直480画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を2.34倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
さらに、3.00倍電子ズームから4.69倍電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを図8に切り換える。そして、2.34倍画角751を間引き率1/1で読み出すモードのまま、画角を3.00倍画角752から4.69倍画角754まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
なお、操作部9からの指示がさらに高倍率側の場合、そのような電子ズーム倍率は設定できないので、同期制御部10は指示を無視する。
次に、電子ズームの停止位置が、図8の4.69倍電子ズームの停止位置にあると仮定し、操作部9により低倍率側に電子ズームを行う場合について説明する。
各電子ズームの停止位置の動作については、第1の実施形態と同様の説明は省略する。
4.69倍電子ズームから2.34倍電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを、図8の2.34倍画角751を間引き率1/1で読み出すモードのまま、画角を4.69倍画角754から2.34倍画角751まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
次に、2.14倍電子ズームから1.56倍電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを図7に切り換える。そして、1.56倍画角741を間引き率1/2で読み出すモードのまま、画角を2.14倍画角743から1.56倍画角741まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
さらに、1.39倍電子ズームから1.00倍(等倍)電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを図6に切り換える。そして、1.00倍画角731を間引き率1/3で読み出すモードのまま、画角を1.39倍画角733から1.00倍画角731まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
途中の電子ズーム停止位置から高倍率側や低倍率側に電子ズームを行う場合、操作部9からの指示により、上記説明の途中の画角からスタートして、高倍率側や低倍率側に電子ズームの動作を行えばよいので説明は省略する。
さらに、図8の4.69倍画角754より小さな画角を設定し、解像度の劣化を伴うが、さらに高倍率な電子ズームを実施、あるいは、組み合わせても構わない。
以上説明したように、本実施形態によれば、常に動画記録用の画素数以上である水平640画素、垂直480画素以上の画素数を用いてズーム画像を作成しているので、解像度の劣化の少ない電子ズームが実現可能である。
また、電子ズームの停止位置が12箇所であるのに対して、撮像素子2からの読み出し画角が3種類で済むので、撮像素子の制御の複雑さを低減することが可能である。
さらに、本実施形態においては、図8に示す撮像素子2の読み出し画角である2.34倍画角751の画素数が、動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素に対して、水平2倍、垂直2倍の画素数となっている。
また、図7に示す撮像素子2の読み出し画角である1.56倍画角741の画素数は、動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素に対して、水平1.5倍、垂直1.5倍の画素数となっている。
そこで、図6に示す撮像素子2の読み出し画角である1.00倍画角731の画素数との比較において、
1.00倍画角731の画素数:1.56倍画角741の画素数:2.34倍画角751の画素数
=(1000x750)画素:(960x720)画素:(1280x960)画素
=750000画素:691200画素:1228800画素
となり、最大の読み出し画素数と最小の読み出し画素数の比が、1/2以内に収まっている。
このため、電子ズームを実行させた場合、撮影した画像の読み出し時間が領域内で大きく異なってしまうことを回避することも可能である。
さらに、常に全画素を読み出す必要がないので、フレームレートの低下を抑えることができるという効果もある。
また、本実施形態では、撮像素子2の読み出し画角の切り換えが、高倍率側に電子ズームを行う場合は、1.56倍電子ズームと1.88倍電子ズームの間、および、2.34倍電子ズームと3.00倍電子ズームの間で発生する。また、低倍率側に電子ズームを行う場合は、2.34倍電子ズーム倍電子ズームと2.14倍電子ズームの間、および、1.56倍電子ズームと1.39倍電子ズームの間で発生する。
すなわち、高倍率側に電子ズームを行う場合と低倍率側に電子ズームを行う場合とで、撮像素子2の読み出し画角の切り換えポイントが異なる。このため、いずれのズーム停止位置にあっても、撮像素子2の読み出し画角の切り換えを伴う画角の変更を頻繁に繰り返すことがなくなり、制御のルールが明確になり、同期制御部10への負担が軽減されるという効果もある。
[第3の実施形態]
次に、図1〜図5および図9〜図11を参照して、第3の実施形態について説明する。図1〜図5については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
第3の実施形態では、解像度や画質の劣化を抑えるとともに、撮像素子2の読み出し画角の切り換えが頻繁に繰り返すことがないような電子ズームの動作を行う。
本実施形態においても撮像素子2の全画素数を、水平3000画素、垂直2250画素とし、動画記録用の画素数をVGA相当の水平640画素、垂直480画素とする。
図9は、撮像素子2の全画素数を間引き率1/3で間引いて読み出した画像を示した図で、図3の第1の読み出し画角601を水平・垂直それぞれ1/3間引きで読み出すモードに相当する。
701は全画素数である水平3000画素、垂直2250画素を間引き率1/3で間引いて読み出した1.00倍画角(全画角)を示し、読み出した水平画素数が1000画素、垂直画素数が750画素となる。そして、水平1000画素、垂直750画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、1.00倍(等倍)電子ズームの画像となる。
702は間引き率1/3で間引いて読み出した1.00倍画角701のうちの水平画素数が800画素、垂直画素数が600画素となる1.25倍画角を示す。そして、水平800画素、垂直600画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、1.25倍の電子ズーム画像となる。この場合、1.25倍画角702に対応する撮像素子2の画素数は、水平2400画素、垂直1800画素となっている。
703は間引き率1/3で間引いて読み出した1.00倍画角701のうちの水平画素数が720画素、垂直画素数が540画素となる1.39倍画角を示す。そして、水平720画素、垂直540画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、1.39倍の電子ズーム画像となる。この場合、1.39倍画角703に対応する撮像素子2の画素数は、水平2160画素、垂直1620画素となっている。
704は間引き率1/3で間引いて読み出した1.00倍画角701のうちの水平画素数が640画素、垂直画素数が480画素となる1.56倍画角を示す。そして、水平640画素、垂直480画素の画像そのままであるので、1.56倍の電子ズーム画像となる。この場合、1.56倍画角704に対応する撮像素子2の画素数は、水平1920画素、垂直1440画素となっている。
図10は、図9の1.39倍画角703に対応する画素から間引き率1/2で間引いて読み出した画像を示し、図3の第2の読み出し画角602を水平・垂直それぞれ1/2間引きで読み出すモードに相当する。
この場合、撮像素子2から1.39倍画角703に対応する領域のみを読み出してもよいし、数画素から数十画素広く読み出してもよい。広く読み出した画素は、動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素を作成する時の画像処理に用いることができる。
711は図9の1.39倍画角703に対応する画素である水平2160画素、垂直1620画素を間引き率1/2で間引いて読み出した1.39倍画角を示し、読み出した水平画素数が1080画素、垂直画素数が810画素となる。そして、水平1080画素、垂直810画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、1.39倍の電子ズーム画像となる。
712は間引き率1/2で間引いて読み出した1.39倍画角711のうちの水平画素数が960画素、垂直画素数が720画素となる1.56倍画角を示す。そして、水平960画素、垂直720画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、1.56倍の電子ズーム画像となる。この場合、1.56倍画角712に対応する撮像素子2の画素数は、水平1920画素、垂直1440画素となっている。
713は間引き率1/2で間引いて読み出した1.39倍画角711のうちの水平画素数が800画素、垂直画素数が600画素となる1.88倍画角を示す。そして、水平800画素、垂直600画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、1.88倍の電子ズーム画像となる。この場合、1.88倍画角713に対応する撮像素子2の画素数は、水平1600画素、垂直1200画素となっている。
714は間引き率1/2で間引いて読み出した1.39倍画角711のうちの水平画素数が700画素、垂直画素数が525画素となる2.14倍画角を示す。そして、水平700画素、垂直525画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、2.14倍の電子ズーム画像となる。この場合、2.14倍画角714に対応する撮像素子2の画素数は、水平1400画素、垂直1050画素となっている。
715は間引き率1/2で間引いて読み出した1.39倍画角711のうちの水平画素数が640画素、垂直画素数が480画素となる2.34倍画角を示す。そして、水平640画素、垂直480画素の画像そのままであるので、2.34倍の電子ズーム画像となる。この場合、2.34倍画角715に対応する撮像素子2の画素数は、水平1280画素、垂直960画素となっている。
図11は、図10の2.14倍画角714に対応する画素から水平・垂直それぞれ1画素毎に読み出した画像を示し、図3の第3の読み出し画角603を水平・垂直それぞれ1画素毎に読み出すモードに相当する。このモードは、間引き率1/1で読み出すモードと言い換えることができる。
この場合、撮像素子2から2.14倍画角714に対応する領域のみを読み出してもよいし、数画素から数十画素広く読み出してもよい。広く読み出した画素は、動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素を作成する時の画像処理に用いることができる。
721は図10の2.14倍画角714に対応する画素である水平1400画素、垂直1050画素を間引き率1/1で読み出した2.14倍画角を示す。そして、読み出した水平1400画素、垂直1050画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、2.14倍の電子ズーム画像となる。
722は間引き率1/1で読み出した2.14倍画角721のうちの水平画素数が1280画素、垂直画素数が960画素となる2.34倍画角を示す。そして、水平1280画素、垂直960画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、2.34倍の電子ズーム画像となる。
723は間引き率1/1で読み出した2.14倍画角721のうちの水平画素数が1000画素、垂直画素数が750画素となる3.00倍画角を示す。そして、水平1000画素、垂直750画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、3.00倍の電子ズーム画像となる。
724は間引き率1/1で読み出した2.14倍画角721のうちの水平画素数が800画素、垂直画素数が600画素となる3.75倍画角を示す。そして、水平800画素、垂直600画素を用いて水平640画素、垂直480画素の画像を作成すると、3.75倍の電子ズーム画像となる。
725は間引き率1/1で読み出した2.14倍画角721のうちの水平画素数が640画素、垂直画素数が480画素となる4.69倍画角を示す。そして、水平640画素、垂直480画素の画像そのままであるので、4.69倍の電子ズーム画像となる。
ここで、画角701〜704、画角711〜715および画角721〜725は、中心が一致、あるいは、略一致した画角となっている。
また、画角701〜704、画角711〜715および画角721〜725において、それぞれ動画記録用の水平640画素、垂直480画素の画像を作成するので、電子ズームの停止位置と表現してもよい。
さらに、撮像装置の画像処理においては、R補間回路91、G補間回路92およびB補間回路93による画素補間や色信号補正回路95によるモアレ等の偽色除去の際に、記録する領域の外側に数画素から十数画素のフィルタリング画素が必要となることがある。そのため、本実施形態で用いた画角の外側に数画素から十数画素のフィルタリング画素を設けるように、撮像素子2からの読み出し画角や電子ズームの読み出し画角を決めてもよい。
次に、図9〜図11を参照して、電子ズームの動作について説明する。
電子ズームの制御>の(1)において、操作部9のズームボタンやズームレバーからの指示により電子ズームの制御が開始される。
<電子ズームの制御>の(2)において、同期制御部10は、操作部9によりズームボタンやズームレバーが高倍率側と低倍率側のいずれを指示しているかを検出する。そして、現在の電子ズーム停止位置から次の電子ズーム停止位置を決定し、撮像素子2の駆動を切り換える。
まず最初に、電源がオンした時点での電子ズームの倍率を、図9の1.00倍(等倍)電子ズームの停止位置と仮定し、操作部9により高倍率側に電子ズームを行う場合について説明する。
なお、操作部9から低倍率側に動作するように指示が入力された場合は、そのような電子ズーム倍率は設定できないので、同期制御部10は指示を無視する。
1.00倍(等倍)電子ズームの場合、撮像素子2は、図9の全画角となる1.00倍画角701を間引き率1/3で間引いて読み出す。そして、読み出した水平1000画素、垂直750画素を用いて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施している。
操作部9からの指示が高倍率側なので、撮像素子2の読み出しは、図9の全画角となる1.00倍画角701のままで、1.25倍画角702の水平800画素、垂直600画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を1.25倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくは両方を実施する。
次に、操作部9からの指示が引き続き高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しは、図9の全画角となる1.00倍画角701のままで、1.39倍画角703の水平720画素、垂直540画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を1.39倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくは両方を実施する。
さらに、操作部9からの指示が高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しを図10に切り換え、1.39倍画角711を間引き率1/2で間引いて読み出す。そして、読み出した水平1080画素、垂直810画素のうちの1.56倍画角712に対応する水平960画素、垂直720画素を用いて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を1.56倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
操作部9からの指示が引き続き高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しは、図10の1.39倍画角711のままで、1.88倍画角713の水平800画素、垂直600画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を1.88倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
次に、操作部9からの指示がさらに高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しは、図10の1.39倍画角711のままで、2.14倍画角714の水平700画素、垂直525画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を2.14倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
さらに、操作部9からの指示が高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しを図11に切り換え、2.14倍画角721を間引き率1/1で読み出す。そして、読み出した水平1400画素、垂直1050画素のうちの2.34倍画角722に対応する水平1280画素、垂直960画素を用いて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像の作成、表示および記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を2.34倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
操作部9からの指示が引き続き高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しは、図11の2.14倍画角721のままで、3.00倍画角723の水平1000画素、垂直750画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を3.00倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
次に、操作部9からの指示がさらに高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しは、図11の2.14倍画角721のままで、3.75倍画角724の水平800画素、垂直600画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を3.75倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
さらに、操作部9からの指示が高倍率側の場合、撮像素子2の読み出しは、図11の2.14倍画角721のままで、4.69倍画角725の水平640画素、垂直480画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を4.69倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
なお、操作部9からの指示がさらに高倍率側の場合、そのような電子ズーム倍率は設定できないので、同期制御部10は指示を無視する。
次に、電子ズームの停止位置が、図11の4.69倍電子ズームの停止位置にあると仮定し、操作部9により低倍率側に電子ズームを行う場合について説明する。
各電子ズームの停止位置の動作については、高倍率側に電子ズームを行う場合と同様であるので説明を省略する。
4.69倍電子ズームから2.34倍電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを、図11の2.14倍画角721を間引き率1/1で読み出すモードのまま、画角を4.69倍画角725から2.34倍画角722まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
次に、2.14倍電子ズームの時は、撮像素子2の読み出しは、図11の2.14倍画角721を間引き率1/1で読み出した水平1400画素、垂直1050画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を2.14倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
引き続き、1.88倍電子ズームから1.56倍電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを図10に切り換える。そして、1.39倍画角711を間引き率1/2で読み出すモードのまま、画角を1.88倍画角713から1.56倍画角712まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
次に、1.39倍電子ズームの場合、撮像素子2の読み出しは、図10の1.39倍画角711を間引き率1/2で読み出した水平1080画素、垂直810画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を1.39倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
さらに、1.25倍電子ズームから1.00倍(等倍)電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを図9に切り換える。そして、1.00倍画角701を間引き率1/3で読み出すモードのまま、画角を1.25倍画角702から1.00倍画角701まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
途中の電子ズーム停止位置から高倍率側や低倍率側に電子ズームを行う場合も、操作部9からの指示により、上記説明の途中の画角からスタートして、高倍率側や低倍率側に電子ズームの動作を行えばよいので説明を省略する。
また、図11の4.69倍画角725より小さな画角を設定し、解像度の劣化を伴うが、さらに高倍率な電子ズームを実施、あるいは、組み合わせても構わない。
以上説明したように、本実施形態によれば、常に動画記録用の画素数以上である水平640画素、垂直480画素以上の画素数を用いてズーム画像を作成しているので、解像度の劣化の少ない電子ズームが実現できる。
また、電子ズームの停止位置が12箇所であるのに対して、撮像素子2からの読み出し画角が3種類で済むので、撮像素子の制御の複雑さを低減することが可能である。
さらに、図11に示す撮像素子2の読み出し画角である2.14倍画角721の画素数が、動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素に対して、水平2倍、垂直2倍の画素数を持つ2.34倍画角722より一回り大きな画角となっている。
また図10に示す撮像素子2の読み出し画角である1.39倍画角711の画素数は、動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素に対して水平1.5倍、垂直1.5倍の画素数を持つ1.56倍画角712より一回り大きな画角となっている。
そこで、図9に示す撮像素子2の読み出し画角である1.00倍画角701の画素数との比較において、
1.00倍画角701の画素数:1.39倍画角711の画素数:2.14倍画角721の画素数
=(1000x750)画素:(1080x810)画素:(1400x1050)画素
=750000画素:874800画素:147000画素
となり、最大の読み出し画素数と最小の読み出し画素数の比が、1/2以内に収まっている。
このため、電子ズームを実行させた場合、撮影した画像の読み出し時間が領域内で大きく異なってしまうことを回避することも可能である。
さらに、常に全画素を読み出す必要がないので、フレームレートの低下を抑えることができるという効果もある。
また、上述したように、動画記録用の画素数を持つ画像から画素数を縮小せずに作成した画像と、動画記録用の画素数を持つ画像から画素数を縮小する方向で作成した画像とでは画質が異なることがわかっている。
そこで、本実施形態では、図9の1.56倍画角704や図10の2.34倍画角715といった動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素から画像を作成するモードを利用していないため、常に同じ画質を保つことができるという効果がある。
ただし、図11の4.69倍画角725だけは動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素から画像を作成することになるが、既に間引き率が1/1であるため、同じ画像処理方法では他の画角と同じような画質を保つ効果は期待できない。
ここで、本実施形態においては、図9の1.56倍画角704や図10の2.34倍画角715といった動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素から画像を作成するモードを利用していないため、これらのモードを備えていなくてもよい。
また、本実施形態においては、撮像素子2の読み出し画角の切り換えは、高倍率側に電子ズームを行う場合は、1.39倍電子ズームと1.56倍電子ズームの間、および、2.14倍電子ズームと2.34倍電子ズームの間で発生する。また、低倍率側に電子ズームを行う場合は、2.14倍電子ズーム倍電子ズームと1.88倍電子ズームの間、および、1.39倍電子ズームと1.25倍電子ズームの間で発生する。
すなわち、高倍率側に電子ズームを行う場合と低倍率側に電子ズームを行う場合とで、撮像素子2の読み出し画角の切り換えポイントが異なる。このため、いずれのズーム停止位置にあっても、撮像素子2の読み出し画角の切り換えを伴う画角の変更を頻繁に繰り返すことはなくなるため、制御のルールが明確になり、同期制御部10への負担が軽減されるという効果もある。
[第4の実施形態]
次に、図1〜図5および図9〜図11を参照して、第4の実施形態について説明する。図1〜図5については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。また、図9〜図11の各電子ズームの停止位置の動作についても、第3の実施形態と同様であるので説明を省略する。
第1の実施形態では、電子ズームの倍率を変更する動作に伴って、撮像素子2の読み出し画角の切り換えが、1.39倍電子ズームと1.56倍電子ズームの間、および、2.14倍電子ズームと2.34倍電子ズームの間で発生する。
これを、図9〜図11に対応させて説明すると、図9の1.39倍画角703と図10の1.56倍画角712の間、および、図10の2.14倍画角714と図11の2.34倍画角722の間で撮像素子2の駆動の切り換えが実施されることになる。
例えば、操作部9からの指示が、1.39倍電子ズームと1.56倍電子ズームの間で停止した場合、同期制御部10が図9の1.39倍画角703か図10の1.56倍画角712のいずれかを選択することになる。しかし、制御が中途半端な場合は、図9の1.39倍画角703と図10の1.56倍画角712の間の行き来を頻繁に繰り返すという不具合が発生してしまう可能性がある。
この場合、同期制御部10は、撮像素子2の駆動制御と信号処理部5の動作制御の両方を同時に切り換える制御を繰り返し実施するので、同期制御部10への負担が大きくなる。このため、光学系1、画像を記憶するメモリ部6、画像表示部7、画像記録部8、操作部9等への制御に支障をきたすおそれがある。
そこで、第4の実施形態においては、撮像素子2の読み出し画角の切り換えが頻繁に繰り返すことがないような電子ズームの動作を行う。
第3の実施形態と同様に、<電子ズームの制御>の(1)において、操作部9のズームボタンやズームレバーからの指示により電子ズームの制御が開始される。
<電子ズームの制御>の(2)において、同期制御部10は、操作部9によりズームボタンやズームレバーが高倍率側と低倍率側のいずれを指示しているかを検出する。そして、現在の電子ズーム停止位置から次の電子ズーム停止位置を決定し、撮像素子2の駆動を切り換える。
まず最初に、電源がオンした時点での電子ズームの倍率を、図9の1.00倍(等倍)電子ズームの停止位置と仮定し、操作部9により高倍率側に電子ズームを行う場合について説明する。
各電子ズームの停止位置の動作については、第3の実施形態と同様の説明は省略する。
なお、操作部9から低倍率側に動作するように指示が入力された場合は、そのような電子ズーム倍率は設定できないので、同期制御部10は指示を無視する。
1.00倍(等倍)電子ズームの場合、撮像素子2は、図9の全画角となる1.00倍画角701を間引き率1/3で間引いて読み出す。そして、読み出した水平1000画素、垂直750画素を用いて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施している。
1.00倍(等倍)電子ズームから1.39倍電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを、図9の1.00倍画角701を間引き率1/3で読み出すモードのまま、画角を1.00倍画角701から1.39倍画角703まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
次に、1.56倍電子ズームの場合、撮像素子2の読み出しは、図9の全画角となる1.00倍画角701のままで、1.56倍画角704の水平640画素、垂直480画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を1.56倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
1.88倍電子ズームから2.14倍電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを図10に切り換える。そして、1.39倍画角711を間引き率1/2で読み出すモードのまま、画角を1.88倍画角713から2.14倍画角714まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
次に、2.34倍電子ズームの場合、撮像素子2の読み出しは、図10の1.39倍画角711のままで、2.34倍画角715の水平640画素、垂直480画素を用いる。そして、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。ここで、操作部9からの指示が終了した場合は、撮像素子2から連続して読み出して作成した画像を2.34倍の電子ズーム画像として、表示あるいは記録もしくはその両方を継続して実施すればよい。
さらに、3.00倍電子ズームから4.69倍電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを図11に切り換える。そして、2.14倍画角714を間引き率1/1で読み出すモードのまま、画角を3.00倍画角723から4.69倍画角725まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
なお、操作部9からの指示がさらに高倍率側の場合、そのような電子ズーム倍率は設定できないので、同期制御部10は指示を無視する。
次に、電子ズームの停止位置が、図11の4.69倍電子ズームの停止位置にあると仮定し、操作部9により低倍率側に電子ズームを行う場合について説明する。
各電子ズームの停止位置の動作については、第3の実施形態と同様の説明は省略する。
4.69倍電子ズームから2.14倍電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを、図11の2.14倍画角721を間引き率1/1で読み出すモードのまま、画角を4.69倍画角725から2.14倍画角721まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
次に、1.88倍電子ズームから1.39倍電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを図10に切り換える。そして、1.39倍画角711を間引き率1/2で読み出すモードのまま、画角を1.88倍画角713から1.39倍画角711まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
さらに、1.25倍電子ズームから1.00倍(等倍)電子ズームまでは、撮像素子2の読み出しを図9に切り換える。そして、1.00倍画角701を間引き率1/3で読み出すモードのまま、画角を1.25倍画角702から1.00倍画角701まで順番に変更する。そして、それぞれの電子ズーム倍率に応じて、信号処理部5において水平640画素、垂直480画素の画像を作成し、表示あるいは記録もしくはその両方を実施する。
途中の電子ズーム停止位置から高倍率側や低倍率側に電子ズームを行う場合、操作部9からの指示により、上記説明の途中の画角からスタートして、高倍率側や低倍率側に電子ズームの動作を行えばよいので説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態によれば、常に動画記録用の画素数以上である水平640画素、垂直480画素以上の画素数を用いてズーム画像を作成しているので、解像度の劣化の少ない電子ズームが実現可能である。
また、電子ズームの停止位置が14箇所であるのに対して、撮像素子2からの読み出し画角が3種類で済んでいるので、撮像素子の制御の複雑さを低減することが可能である。
さらに、図11に示す撮像素子2の読み出し画角である2.14倍画角721の画素数が、動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素に対して、水平2倍、垂直2倍の画素数を持つ2.34倍画角722より一回り大きな画角となっている。
また図10に示す撮像素子2の読み出し画角である1.39倍画角711の画素数は、動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素に対して水平1.5倍、垂直1.5倍の画素数を持つ1.56倍画角712より一回り大きな画角となっている。
そこで、図9に示す撮像素子2の読み出し画角である1.00倍画角701の画素数との比較において、
1.00倍画角701の画素数:1.39倍画角711の画素数:2.14倍画角721の画素数
=(1000x750)画素:(1080x810)画素:(1400x1050)画素
=750000画素:874800画素:147000画素
となり、最大の読み出し画素数と最小の読み出し画素数の比が1/2以内に収まっている。
このため、電子ズームを実行させた場合、撮影した画像の読み出し時間が領域内で大きく異なってしまうことを回避することも可能である。
さらに、常に全画素を読み出す必要がないので、フレームレートの低下を抑えることができるという効果もある。
また、本実施形態においては、撮像素子2の読み出し画角の切り換えは、高倍率側に電子ズームを行う場合は、1.56倍電子ズームと1.88倍電子ズームの間、および、2.34倍電子ズームと3.00倍電子ズームの間で発生する。また、低倍率側に電子ズームを行う場合は、2.14倍電子ズーム倍電子ズームと1.88倍電子ズームの間、および、1.39倍電子ズームと1.25倍電子ズームの間で発生する。
すなわち、高倍率側に電子ズームを行う場合と低倍率側に電子ズームを行う場合とで、撮像素子2の読み出し画角の切り換えポイントが異なる。このため、いずれのズーム停止位置にいても、撮像素子2の読み出し画角の切り換えを伴う画角の変更を頻繁に繰り返すということはなくなるため、制御のルールが明確になり、同期制御部10への負担が軽減されるという効果もある。
さらに、実際の撮影においては、操作部9のズームボタンやズームレバーを使用して、電子ズームを行いながら撮影画角を決定する場合、高倍率側の電子ズームと低倍率側の電子ズームを繰り返して行うことがある。
この場合、第2および第3の実施形態のように、撮像素子2の読み出し画角の切り換えポイントとなるズーム停止位置が1ポイントしかずれていない場合、撮像素子2の読み出し画角の切り換えが起こる確率が高くなることが考えられる。
そこで、本実施形態では、撮像素子2の読み出し画角の切り換えポイントとなるズーム停止位置が2ポイントずれて切り換られるように制御する。これにより、高倍率側の電子ズームと低倍率側の電子ズームを繰り返して実行した場合においても、撮像素子2の読み出し画角の切り換えが起こる確率を低く抑えることができるので、同期制御部10への負担を軽減するという効果がある。
さらに、図11の2.14倍画角721が、動画記録用の画素数に対して水平2倍、垂直2倍の画素数を持つ2.34倍画角722より一回り大きな画角となっている。さらに、図10の1.39倍画角711が、動画記録用の画素数に対して水平1.5倍、垂直1.5倍の画素数を持つ1.56倍画角712より一回り大きな画角となっている。
そこで、図11に示す撮像素子2の読み出し画角を、さらにもう一回り大きな1.88倍画角713に相当する画角とするとともに、図10に示す撮像素子2の読み出し画角を、さらにもう一回り大きな1.25倍画角702に相当する画角としてもよい。
これにより、撮像素子2の読み出し画角の切り換えポイントとなるズーム停止位置を2ポイントずらす制御と動画記録用の画素数である水平640画素、垂直480画素から画像を作成するモードを使用しないことを両立させることができる。
撮像素子2の読み出し画角をどこまで大きくするかは、電子ズームの制御の容易さと、撮影時のフレームレートや読み出し画素数の制限等とのトレードオフで決めればよい。
さらに、図11の4.69倍画角725より小さな画角を設定し、解像度の劣化を伴うが、さらに高倍率な電子ズームを実施、あるいは、組み合わせても構わない。
なお、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを格納した記憶媒体(又は記録媒体)をカメラに供給ことによっても達成されることは言うまでもない。この場合、カメラのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体からプログラムコードを読み出して実行することによって達成される。
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したズーム処理を実行する制御プログラムや各種テーブルが格納されることになる。これらのプログラムコードは、例えば、アップデート可能なファームウェアとしても提供可能である。