JP5931503B2 - 白色熱硬化性シリコーン組成物及び該組成物の硬化物からなる白色発光ダイオード用光反射材料 - Google Patents
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Description
(A)(a)下記一般式(1):
(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素と
の付加反応生成物であって、かつ、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する付加反応生成物、
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する有機ケイ素化合物(B−1)、及び、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する有機ケイ素化合物(B−2)からなる混合物:前記(B−1)成分及び前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計量が、前記(A)成分中の付加反応性炭素−炭素二重結合に対してモル比で1.0〜1.5となる量であり、更に、前記(B−1)成分と前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計量は前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子量に対して、1.1〜6.5となる量である)、
(C)ヒドロシリル化反応触媒、並びに
(D)結晶形態がルチルである酸化チタン粉末
を含有するものであることを特徴とする白色熱硬化性シリコーン組成物を提供する。
で表される環状シロキサン系化合物を含むものとすることができる。またこの場合、該環状シロキサン系化合物が、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、及びこれらの組み合わせのうちのいずれかであることが好ましい。
で表されるノルボルナン環含有環状シロキサン化合物を含むものであることが好ましい。またこの場合、該ノルボルナン環含有環状シロキサン化合物は、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン及びこれらの組み合わせのうちのいずれかと、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン及びこれらの組み合わせのうちのいずれかとの付加反応生成物であることが好ましい。
で表されるシロキサン化合物を含むものであることが好ましい。
塩素法で得られた酸化チタンを用いることにより、組成物の硬化物により高い光反射特性を付与することができる。
このように、前記(D)成分と(E)溶融石英ガラス粉末を併用することにより、組成物の硬化物により高い光反射特性を付与することができる。
このような、白色熱硬化性シリコーン組成物を硬化させた硬化物は、より光反射材料として好適であり、特に白色発光ダイオード用光反射材料に好適に用いることができる。
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物を用いた白色LED等の発光装置は、長期間にわたって高い光取り出し効率を維持することができる。また、本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物は金型離型性が良好なため成形し易いことから、該白色熱硬化性シリコーン組成物から得られるシリコーン樹脂硬化物からなる光反射材料は、白色LEDを含むこれらの発光装置の光反射材料として、所望の形状とすることが容易である。
上記のように、従来の光反射材料を得るための組成物には、流動性に乏しい問題があった。また、インジェクションモールド法、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法等で成型された組成物の硬化成型物の金型離型性が悪く、生産面で劣るという問題があった。
そこで、高い流動性を有し、かつ光反射性能、耐熱性(熱安定性)、特に耐熱変色性に優れ、更に金型離型性に優れた、光反射材料として有用なシリコーン樹脂硬化物を与えることができる白色熱硬化性シリコーン組成物、該硬化物および該硬化物からなる光反射材料が求められている。
(A)(a)下記一般式(1):
(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素と
の付加反応生成物であって、かつ、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する付加反応生成物、
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する有機ケイ素化合物(B−1)、及び、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する有機ケイ素化合物(B−2)からなる混合物(前記(B−1)成分及び前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計量が、前記(A)成分中の付加反応性炭素−炭素二重結合に対してモル比で1.0〜1.5となる量であり、更に、前記(B−1)成分と前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計量は前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子量に対して、1.1〜6.5となる量である)、
(C)ヒドロシリル化反応触媒、並びに
(D)結晶形態がルチルである酸化チタン粉末
を含有するものであることを特徴とする白色熱硬化性シリコーン組成物であれば、室温において、高い流動性を有するため、作業性・取扱い性に優れ、かつ、光反射性能、耐熱性(熱安定性)、特に耐熱変色性に優れ、従来に比べてより高い光反射率が達成できる硬化物を得ることができることを見出し、更に、インジェクションモールド法、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法で成型された該組成物の硬化成型物の金型離型性が良好であることを見出した。
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物の(A)成分は、
(a)下記一般式(1):
(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素と
の付加反応生成物である。以下、これらの(a)成分および(b)成分について説明する。
(A)成分の反応原料である、(a)上記一般式(1)で表されるケイ素原子に結合した水素原子(以下、「SiH」ということがある)を1分子中に2個有する化合物において、上記一般式(1)中のAは、上記一般式(2)で表される基から成る群から選ばれる2価の基であり、該化合物(a)としては、下記一般式(a−1)〜(a−3):
で表される化合物が挙げられる。
構造式:HMe2Si−p−C6H4−SiMe2H
で表される1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、
構造式:HMe2Si−m−C6H4−SiMe2H
で表される1,3−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、
構造式:HMe2Si−o−C6H4−SiMe2H
で表される1,2−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン等のシルフェニレン化合物が挙げられる。
(A)成分の反応原料である(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素において、前記「付加反応性」とは、ケイ素原子に結合した水素原子の付加(ヒドロシリル化反応として周知)を受け得る性質を意味する。
また、該(b)成分の1分子中に2個存在する付加反応性炭素−炭素二重結合の形態としては、(i)多環式炭化水素の多環骨格を形成している炭素原子のうち、隣接する2つの炭素原子間に付加反応性炭素−炭素二重結合が2つ形成されているもの、(ii)多環式炭化水素の多環骨格を形成している炭素原子に結合した水素原子が、付加反応性炭素−炭素二重結合含有基によって2つ置換されているもの、または、(iii)多環式炭化水素の多環骨格を形成している炭素原子のうち、隣接する2つの炭素原子間に付加反応性炭素−炭素二重結合が形成されており、かつ、多環式炭化水素の多環骨格を形成している炭素原子に結合した水素原子が付加反応性炭素−炭素二重結合含有基によって置換されているものの何れであっても差し支えない。ここで、付加反応性炭素−炭素二重結合含有基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、ノルボルニル基等のアルケニル基、特に炭素原子数2〜12のもの等が挙げられる。
で表されるアルケニルノルボルネン化合物が挙げられる。さらに、該一般式(3)で表される化合物の具体例として、下記構造式(3−1):
下記構造式(3−2):
本発明の組成物の(A)成分は、SiHを1分子中に2個有する上記(a)成分の1モルに対して、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する上記(b)成分の1モルを超え、例えば10モル以下(好ましくは1モルを超え、例えば5モル以下)の過剰モル量を、ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応させることにより、SiHを有さず、かつ付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する付加反応生成物として得ることができる。
Y−X−(Y’−X)p−Y (A−1)
(式中、Xは上記(a)成分の構造に由来する二価の残基であり、Yは上記(b)成分の多環式炭化水素の構造に由来する一価の残基であり、Y’は上記(b)成分の構造に由来する二価の残基であり、pは0〜10、好ましくは0〜5の整数である)
で表される化合物が挙げられる。
なお、上記(Y’−X)で表される繰り返し単位の数であるpの値については、上記(a)成分1モルに対して反応させる上記(b)成分の過剰モル量を調整することにより設定することが可能である。
上記一般式(A−1)中のY’としては、具体的には、例えば、下記構造式:
更に、本発明の(A)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
本発明の(B)成分は、
(B−1)ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH)を1分子中に3個以上有する有機ケイ素化合物、及び、
(B−2)ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH)を1分子中に2個有する有機ケイ素化合物からなる混合物である。
即ち、本発明は(B)成分として、上記(B−1)成分及び上記(B−2)成分を混合物として併用することを特徴とし、該(B)成分中(上記(B−1)成分及び上記(B−2)成分中)のSiHが、上記(A)成分が1分子中に少なくとも2個有する付加反応性炭素−炭素二重結合とヒドロシリル化反応により付加して、3次元網状構造の硬化物を与える。
で表される環状シロキサン系化合物を前記(B−1)成分若しくは前記(B−2)成分として、又は前記(B−1)成分及び前記(B−2)成分として含むものが挙げられる。
で表されるノルボルナン環含有環状シロキサン化合物を前記(B−1)成分として含むものを好ましく挙げることができる。
(HMeSiO)4
(HMeSiO)5
(HMeSiO)3(Me2SiO)
(HMeSiO)4(Me2SiO)
HMe2SiO(HMeSiO)2(Ph2SiO)2SiMe2H
HMe2SiO(HMeSiO)2(Ph2SiO)2(Me2SiO)2SiMe2H
HMe2SiO(HMeSiO)1(Ph2SiO)1(Me2SiO)4SiMe2H
HMe2SiO(HMeSiO)3(Me2SiO)5SiMe2H
Me3SiO(HMeSiO)8SiMe3
Me3SiO(HMeSiO)38SiMe3
HMe2SiO(Ph2SiO)SiMe2H
本発明の(C)成分であるヒドロシリル化反応触媒は、上記「(A)成分の調製」で記載したものと同じである。
本発明の組成物への(C)成分の配合量は、触媒としての有効量であればよく、特に制限されないが、上記(A)成分と(B)成分との合計に対して、白金族金属原子として質量基準で、好ましくは1〜500ppm、特に好ましくは2〜100ppm程度となる量の(C)成分を配合するとよい。前記範囲内の配合量とすることで、硬化反応に要する時間が適度なものとなり、硬化物が着色する等の問題を生じることを抑制することができる。
(C)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
本発明の(D)成分は、結晶形態がルチルである酸化チタン粉末である。結晶形態がルチルである酸化チタン粉末の製造方法については主に硫酸法と塩素法に大別されるが、光反射率の面から塩素法で製造されたものが特に好ましい。また、酸化チタンの結晶形態はアナターゼ、ルチル、ブルカイトに分類されるが、最も熱転移が安定なルチルを用いることによって、耐熱変色性に優れた硬化物を得ることができる。(D)成分の酸化チタン粉末は白色であるため、(D)成分の配合により硬化物は良好な光反射率を発現する。特に、波長430〜800nmにおける初期光反射率が95%以上であり、150℃、2,000時間放置後の光反射率が80%以上という、リフレクター材料として十分な反射率を有するシリコーン樹脂硬化物を得ることが可能となる。なお、本明細書において光の反射率は、積分球を搭載したスペクトロフォトメーター装置により測定された数値を意味する。
また、本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物には、上記(D)成分と共に(E)溶融石英ガラス粉末を配合することが好ましい。(E)成分を併用することにより、組成物の硬化物はより光反射率に優れたものとなる。
(E)成分の配合量は、上記(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対し、好ましくは50〜1500質量部であり、より好ましくは60〜900質量部、更により好ましくは100〜800質量部である。該配合量が50〜1500質量部の範囲であると、本発明の組成物は流動性がより優れたものとなり、該組成物の硬化物は光反射性能がより優れたものとなる。
また、本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物には、前記(A)〜(E)成分以外に、接着性向上剤を配合することが好ましい。接着性向上剤としては、シランカップリング剤やそのオリゴマー、シランカップリング剤と同様の反応性基を有するシリコーン等が例示される。
これらの中で、下記(F)成分が好ましく、下記一般式(7):
(式中、sは1〜3の整数であり、tは0〜2の整数であり、但しs+tは3である。sが付されたアミド単位とtが付されたアミド単位とは互いにランダムに配列している。)
で表される化合物である。
(F)成分の好適な具体例としては、
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物には、上記成分に加えて、本発明の目的・効果を損なわない範囲で他の成分を配合することは任意である。他の成分としては、例えば、以下に説明するものが挙げられる。
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物の硬化物中には、上記(A)成分中の付加反応性炭素−炭素二重結合が未反応のまま残存している場合があり、下記構造式:
下記構造式:
なお、この酸化防止剤を使用する場合、その配合量は、酸化防止剤としての有効量であればよく、特に制限されないが、上記(A)成分と(B)成分との合計に対して、質量基準で、好ましくは10〜10,000ppm、特に好ましくは100〜1,000ppm程度配合するのがよい。前記範囲内の配合量とすることによって、酸化防止能力が十分発揮され、着色、酸化劣化等の発生がなく光反射性能に優れた硬化物が得られる。
また、ポットライフを確保するために、1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等の付加反応制御剤を配合することができる。
更に、発光素子からの光および太陽光線等の光エネルギーによる光劣化に対する抵抗性を付与するため光安定剤を用いることも可能である。この光安定剤としては、光酸化劣化で生成するラジカルを捕捉するヒンダードアミン系安定剤が適しており、酸化防止剤と併用することで、酸化防止効果はより向上する。光安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物は硬化前には液状であり、その23℃における粘度は好ましくは0.1〜500Pa・sであり、より好ましくは10〜400Pa・sである。該粘度が0.1〜500Pa・sの範囲であると、得られる組成物は、作業性・取扱い性が特に良好となりやすく、成型硬化時に泡や空気の巻き込みが特に発生しにくい。
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物の粘度は、(A)〜(D)成分および他の配合成分の配合比率、これら成分の中で液状のものの粘度、ならびに(D)成分の平均粒径などにより調節される。本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物は、室温において、高い流動性を有するため、作業性・取扱い性に優れる。
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物を成形、硬化させることにより、シリコーン樹脂硬化物を得ることができる。本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物は、インジェクションモールド法やトランスファーモールド法、コンプレッションモールド法など、従来用いられている成型方法に適用することができる。さらに、該組成物は、25℃において高い流動性を有するため、これまでの固形リフレクター材料には適用できなかったディスペンス法やポッティング法により成型することができる。なお、本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物の硬化条件は、成形物の形状や硬化方法等により異なり、特に制限されないが、通常、80〜200℃、好ましくは100〜180℃で1分〜24時間、好ましくは5分〜5時間の条件とすることが好ましい。また、該組成物を熱硬化させて得られるシリコーン樹脂硬化物は、光反射性能、耐熱性(熱安定性)、特に耐熱変色性に優れ、従来に比べてより高い光反射率を得ることができる。更に、インジェクションモールド法、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法で成型された該組成物の硬化成型物の金型離型性が良好であるため生産性に優れ、このような生産性に優れた該硬化物は光反射材料、例えば、発光装置用、特に白色LED用の光反射材料として有用である。
本発明の白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物は、光反射材料用とすることができる。この光反射材料の用途は特に限定されないが、例えば、LED等の発光装置用、特に白色LED用の光反射材料として好適に用いることができる。この光反射材料を用いた白色LED等の発光装置は長期間にわたって高い光取り出し効率を維持できる。また、本発明の組成物は成形しやすいため、白色LEDを含むこれらの発光装置において光反射材料を所望の形状とすることが容易である。
攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよび温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、ビニルノルボルネン(商品名:V0062、東京化成社製;5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンと6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンとの略等モル量の異性体混合物)60g(0.5モル)を加え、オイルバスを用いて85℃に加熱した。これに、5質量%の白金金属を担持したカーボン粉末0.02g添加し、攪拌しながら1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン38.8g(0.2モル)を25分間かけて滴下した。滴下終了後、更に90℃で加熱攪拌を24時間行った後、室温まで冷却した。その後、白金金属担持カーボンをろ過により除去し、過剰のビニルノルボルネンを減圧留去して、無色透明なオイル状の反応生成物(25℃における動粘度:1220mm2/s)79gを得た。
反応生成物を、FT−IR、NMR、GPC等により分析した結果、このものは、
(1)p−フェニレン基を1個有する化合物:NBMe2Si−p−C6H4−SiMe2NB 約72モル%、
(2)p−フェニレン基を2個有する化合物:約24モル%(下記に代表的な構造式の一例を示す)、
(3)p−フェニレン基を3個有する化合物:約4モル%(下記に代表的な構造式の一例を示す)
金属離型性評価
(A)合成例1で得られた反応生成物、
(B−2)HMe2SiO(Ph2SiO)2SiMe2H、
(B−1(i))Me3SiO(HMeSiO)8SiMe3、
(B−1(ii))HMe2SiO(HMeSiO)2(Ph2SiO)2SiMe2H、
(C)白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体トルエン溶液(白金原子を1質量%含有)、
(D)平均粒径0.5μmであり、塩素法で製造され結晶形態がルチルである酸化チタン粉末、
(E)平均粒径10.1μmである球状の溶融石英ガラス粉末、
(F)下記式:
(G)下記式:
(H)1−エチニル−1−シクロヘキサノールの50質量%トルエン溶液(付加反応制御剤)
を表1に示す配合量(単位:質量部)で配合し、実施例1〜4、比較例1、2のおのおのの組成物を得た。即ち、まず、5リットルゲートーミキサー(井上製作所(株)製、商品名:5リットルプラネタリミキサー)に(A)成分、(D)成分、(E)成分および(H)成分を表1に示す配合量で仕込み、室温にて1時間混合し、次に(B)成分、必要に応じて(F)成分および(G)成分を表1に示す配合量で加えて均一になるように室温にて30分混合し、最後に(C)成分を表1に示す配合量で加えて均一になるように室温にて減圧下30分混合して白色熱硬化性シリコーン組成物を得た。得られた組成物の粘度を測定した。金型離型性の評価は100mm×100mm×2mm金型枠に白色熱硬化性シリコーン組成物を流し込み、150℃、100MPaで5分間加圧硬化させ、プレス型や金型枠から成型物を剥がす時に破損しない連続脱型回数を観察した。結果を下記表1に示す。
硬化物の特性は以下のとおりにして観察または測定した。
・軟化点・線膨張係数:メトラー社製熱機械分析装置TMA/SDTA841を用い、室温から10℃/minの割合で昇温して測定した。
α2:軟化点を超える温度における線膨張係数
次に、上記硬化物R1〜R6並びに比較例として代表的なポリアミド樹脂系リフレクターA(ソルベイアドバンストポリマーズ社製 アモデルA−4422HR)、B(クラレ社製 ジェネスタTA112)およびC(ディーエスエムジャパンエンジニアリングプラスチックス社製 Stanyl NC155a)を150℃にて2,000時間放置して耐熱試験を行った。初期(試験前)の光反射率と試験後の光反射率との差をとることで、耐熱性を評価した。評価結果を表3に示す。光反射率の差が小さいほど耐熱性が高いと評価される。目視にて観察したところ、硬化物R1〜R6は試験前後で白色を保っていたが、上記ポリアミド樹脂系光反射材料A〜Cは、初期は白色であったが、試験後は茶黄色に変化していた。
Claims (13)
- (A)(a)下記一般式(1):
(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素と
の付加反応生成物であって、SiHを有さず、かつ、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する付加反応生成物、
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する有機ケイ素化合物(B−1)、及び、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する有機ケイ素化合物(B−2)からなる混合物(前記(B−1)成分及び前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計量が、前記(A)成分中の付加反応性炭素−炭素二重結合に対してモル比で1.0〜1.5となる量であり、更に、前記(B−1)成分と前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計量は前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子量に対して、1.1〜6.5となる量である)、
(C)ヒドロシリル化反応触媒、並びに
(D)結晶形態がルチルである酸化チタン粉末
を含有するものであり、
前記(B−2)成分が、下記一般式(6)’:
で表されるシロキサン化合物であることを特徴とする白色熱硬化性シリコーン組成物。 - インジェクションモールド法、トランスファーモールド法、又は、コンプレッションモールド法で成型される光反射材料用であることを特徴とする請求項1に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
- 前記(b)成分が、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、及びこれらの組み合わせのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
- 前記環状シロキサン系化合物が、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、及びこれらの組み合わせのうちのいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
- 前記ノルボルナン環含有環状シロキサン化合物が、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン及びこれらの組み合わせのうちのいずれかと、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン及びこれらの組み合わせのうちのいずれかとの付加反応生成物であることを特徴とする請求項7に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
- 前記(D)成分が、塩素法で得られたものであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
- 更に、(E)溶融石英ガラス粉末を含有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
- 前記白色熱硬化性シリコーン組成物を硬化させた硬化物の波長430〜800nmにおける初期光反射率が95%以上であり、150℃、2,000時間放置後の光反射率が80%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
- 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物の硬化物からなる白色発光ダイオード用光反射材料。
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