JP5929288B2 - 車両制御装置、車両、車両制御方法、走行環境予測装置、及び走行環境予測方法 - Google Patents

車両制御装置、車両、車両制御方法、走行環境予測装置、及び走行環境予測方法 Download PDF

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Description

この発明は、車両の走行環境を推定し、その結果に基づいて車両を制御する装置、車両及びそれらの方法に関する。
自動車には、エンジンとバッテリが搭載されており、エンジンの動力によってバッテリは充電される。従来、バッテリへの充電を行う充電制御として、通常走行中はバッテリへの充電を抑えることで燃料消費量を節約し、減速走行中に回生発電によりバッテリへの充電を行なう技術が知られている。
また、燃料消費量を節約するものとして、アイドリングストップ(アイドル・リダクションともいう)制御が知られている。下記の特許文献1には、燃費向上の要請から、充電制御の機能とアイドリングストップ制御の機能との両方を備える自動車が開示されている。特許文献3には、車両の走行時間比率、平均速度に基づいて走行環境(市街地度、渋滞度、山間路度)を推定する技術が知られている。
特開2005−67293号公報 特開2011−163281号公報 特開平07−105474号公報
しかしながら、従来の技術では、エンジンキーをオフにした場合、車両の走行時間比率や、平均速度のデータが消えてしまうため、エンジン始動直後には、走行環境を推定するための情報がなく、走行環境を精度良く推定することが困難であるという問題があった。
本発明は、車両の走行環境の推定精度を向上して、アイドリングストップ中にエンジンの再起動が起きないようにバッテリの充填量を制御し、車両の燃費を向上させることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。本発明の一形態によれば、バッテリとエンジンと発電機とを有する車両の車両制御装置が提供される。この形態の車両制御装置は、車両の速度を測定する速度計と、前記速度の履歴を用いて、前記車両の停車時間率を算出する停車時間率算出部と、前記車両のエンジンキーがオフにされた時に、オフ時の停車時間率を格納する記憶装置と、前記エンジンキーがオンされたときに、前記記憶装置に格納された停車時間率を読み出し、停車時間率と走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記走行環境指数を算出する走行環境予測部と、前記走行環境指数と前記車両のアイドリングストップ中の消費電力の推定値との関係を用いて、前記車両のアイドリングストップ中の消費電力を推定する消費電力予測部と、前記エンジンのアイドリングストップ制御を行うアイドリングストップ制御部と、前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出するSOC検出部と、前記消費電力予測部により予測された消費電力に基づいて、前記アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までのストップアンドスタート期間において使用すると予想されるアイドリングストップ用電力量を設定する電力量設定部と、前記車両の走行時に、前記SOC検出部によって検出されたSOCと、使用可能なSOC範囲の下限値との差である残存電力量が、前記アイドリングストップ用電力量を下回ることを回避するように、前記発電機の電力による前記バッテリの充電を制御するSOC制御部と、を備える。前記走行環境予測部は、前記エンジンキーのオフからオンまでの時間があらかじめ定められた時間以上の場合には、前記走行環境指数を算出するための停車時間率として、あらかじめ定められた停車時間率を用い、前記走行環境予測部は、前記エンジンキーのオフ時に、外気温と、前記エンジンの冷却水の水温と、前記エンジンの潤滑油の油温とを測定し、前記エンジンのオン時に、前記外気温と、前記水温と、前記油温とを測定し、あらかじめ定められた前記水温の変化量または前記油温の変化量と、前記エンジンキーのオフからオンまでの時間との関係を用い、前記エンジンキーのオフからオンまでの時間を、時計を用いることなく算出する。この形態によれば、高精度に走行環境を予測し、燃費を向上させることが出来る。特に、エンジンキーのオフの期間が長い場合には、日が変わるなど走行環境が変化していると考えられるので、あらかじめ定められた停車時間率を用いることにより、走行環境の誤予測を抑制し、燃費を向上させることが出来る。また、エンジンキーオフ時に動作するタイマが不要なので、そのための電力使用を少なくし、車両の燃費を向上させることが出来る。
[適用例1]
バッテリとエンジンと発電機とを有する車両の車両制御装置であって、車両の速度を測定する速度計と、前記速度の履歴を用いて、前記車両の停車時間率を算出する停車時間率算出部と、前記車両のエンジンキーがオフにされた時に、オフ時の停車時間率を格納する記憶装置と、前記エンジンキーがオンされたときに、前記記憶装置に格納された停車時間率を読み出し、停車時間率と走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記走行環境指数を算出する走行環境予測部と、前記総合走行環境指数と前記車両のアイドリングストップ中の消費電力の推定値との関係を用いて、前記車両のアイドリングストップ中の消費電力を推定する消費電力予測部と、前記エンジンのアイドリングストップ制御を行うアイドリングストップ制御部と、前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出するSOC検出部と、前記消費電力予測部により予測された消費電力に基づいて、前記アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までのストップアンドスタート期間において使用すると予想されるアイドリングストップ用電力量を設定する電力量設定部と、前記車両の走行時に、前記SOC検出部によって検出されたSOCと、使用可能なSOC範囲の下限値との差である残存電力量が、前記アイドリングストップ用電力量を下回ることを回避するように、前記発電機の電力による前記バッテリの充電を制御するSOC制御部と、を備える車両制御装置。
この適用例によれば、エンジンキーがオフされたときに、オフにされる直前の停車時間率を記憶装置に格納し、エンジンキーがオンされたときには、格納された停車時間率を用いて走行環境を予測する。エンジンオフ時とエンジンオン時では、走行環境は大きく変わらないと考えられるので、高精度に走行環境を予測し、燃費を向上させることが出来る。
[適用例2]
適用例1に記載の車両制御装置において、前記走行環境予測部は、前記エンジンキーのオフからオンまでの時間があらかじめ定められた時間以上の場合には、前記走行環境指数を算出するための停車時間率として、あらかじめ定められた停車時間率を用いる、車両制御装置。
エンジンキーのオフの期間が長い場合には、日が変わるなど走行環境が変化していると考えられるので、あらかじめ定められた停車時間率を用いることにより、走行環境の誤予測を抑制し、燃費を向上させることが出来る。
[適用例3]
適用例2に記載の車両制御装置において、前記走行環境予測部は、前記エンジンキーのオフ時に、外気温と、前記エンジンの冷却水の水温と、前記エンジンの潤滑油の油温とを測定し、前記エンジンのオン時に、前記外気温と、前記水温と、前記油温とを測定し、あらかじめ定められた前記水温の変化量または前記油温の変化量と、前記エンジンキーのオフからオンまでの時間との関係を用い、前記エンジンキーのオフからオンまでの時間を、時計を用いることなく算出する、車両制御装置。
この適用例によれば、エンジンキーオフ時に動作するタイマが不要なので、そのための電力使用を少なくし、車両の燃費を向上させることが出来る。
[適用例4]
適用例2に記載の車両制御装置において、前記走行環境予測部は、前記エンジンキーがオンのときに、電波時計により取得された時刻と、全地球測位システムのGPS信号を用いて算出された時刻と、前記車両に接続されたスマートフォンから得られる時刻とのうちの少なくとも一つを一定期間毎に前記記憶装置に格納し、前記エンジンキーがオフになる直前に格納された時刻と、前記エンジンキーがオンになった直後に格納された時刻と、の差から、前記エンジンキーのオフからオンまでの時間を算出する、車両制御装置。
この適用例によれば、エンジンのオフ期間を正確に求めることが出来る。
[適用例5]
適用例1〜4のいずれか一つの適用例に記載の車両制御装置であって、前記車両の走行状態から停車状態に減速されるときに、回生される回生電力量を予測する回生電力量予測部を備え、前記SOC制御部は、走行中の前記残存電力量に前記回生電力量を加えた電力量が、前記アイドリングストップ用電力量を下回ることを回避するように、前記発電機の電力による前記バッテリの充電を制御する、車両制御装置。
この適用例によれば、回生電力を用いるので、燃費を向上することができる。
[適用例6]
エンジンと、前記エンジンの動力によって駆動される発電機の発電量によって充電可能なバッテリと、適用例1〜5のいずれか一つの適用例に記載の車両制御装置と、を備える、車両。
[適用例7]
エンジンと、前記エンジンの動力によって駆動される発電機の発電量によって充電可能なバッテリと、を有する車両を制御する車両制御方法であって、前記車両の速度を測定する工程と、前記速度の履歴を用いて、前記車両の停車時間率を算出する停車時間率算出工程と、前記車両のエンジンキーがオフにされた時に、オフ時の停車時間率を記憶装置に格納する工程と、前記エンジンキーがオンされたときに、前記エンジンキーのオフから前記エンジンのオンまでの時間があらかじめ定められた時間未満の場合には前記記憶装置に格納された停車時間率を読み出し、前記エンジンキーのオフから前記エンジンのオンまでの時間があらかじめ定められた時間以上の場合にはあらかじめ定められた停車時間率を用い、停車時間率と走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記走行環境指数を算出する工程と、前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出する工程と、あらかじめ定められた走行環境指数と前記車両のアイドリングストップ中の消費電力の推定値との関係を用い前記車両の走行時に前記車両のアイドリングストップ中に消費される電力量をアイドリングストップ用の電力量として予測する工程と、前記車両の走行時に、前記SOC検出部によって検出されたSOCと、前記使用可能なSOC範囲の下限値との差である残存電力量が、前記アイドリングストップ用の電力量を下回ることを回避するように、前記発電機の電力による前記バッテリの充電を制御する工程と、を備える車両制御方法。
[適用例8]
車両の走行環境予測装置であって、車両の速度を測定する速度計と、前記速度の履歴を用いて、前記車両の停車時間率を算出する停車時間率算出部と、前記車両のエンジンキーがオフにされた時に、オフ時の停車時間率を格納する記憶装置と、前記エンジンキーがオンされたときに、前記エンジンキーのオフから前記エンジンキーのオンまでの時間があらかじめ定められた時間未満の場合には前記記憶装置に格納された停車時間率を読み出し、前記エンジンキーのオフから前記エンジンキーのオンまでの時間があらかじめ定められた時間以上の場合にはあらかじめ定められた停車時間率を用い、停車時間率と走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記走行環境指数を算出する走行環境予測部と、を備える走行環境予測装置。
[適用例9]
車両の走行環境予測方法であって、車両の速度を測定する工程と、前記速度の履歴を用いて、前記車両の停車時間率を算出する工程と、前記車両のエンジンキーがオフにされた時に、オフ時の停車時間率を格納する工程と、前記エンジンキーがオンされたときに、前記エンジンキーのオフから前記エンジンキーのオンまでの時間があらかじめ定められた時間未満の場合には前記記憶装置に格納された停車時間率を読み出し、前記エンジンキーのオフから前記エンジンキーのオンまでの時間があらかじめ定められた時間以上の場合にはあらかじめ定められた停車時間率を用い、停車時間率と走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記走行環境指数を算出する工程と、を備える、走行環境予測方法。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、車両制御装置、車両、車両制御方法の他、走行環境予測装置、走行環境予測方法等の形態でも実現することができる。
本発明の一実施例としての自動車200の構成を示す説明図である。 ECU50の構成を機能的に示す説明図である。 走行環境予測部112の構成を示す説明図である。 10分間停車時間率Tstp1と第1の走行環境指数P11との関係を示す説明図である。 平均車速と第2の走行環境指数P12の関係を示す説明図である。 ハンドルの平均舵角Astr1と第3の走行環境指数P13の関係を示す説明図である。 例外処理のフローチャートの一例である。 横軸に時間、縦軸に停車時間率を取ったグラフである。 目標SOC推定ルーチンを示すフローチャートである。 SOC配分要求レベル算出用マップMPを示す説明図である。 目標SOC値算出用テーブルTBを示す説明図である。 自動車200の運転中における車速とバッテリ40のSOC(現在SOC値C2)についてのタイムチャートを示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.全体構成:
B.ECUの構成:
C.目標SOC推定部の構成:
D.作用、効果:
E.変形例:
A.全体構成:
図1は、本発明の一実施例としての自動車200の構成を示す説明図である。自動車200は、アイドリングストップ機能を搭載した車両である。自動車200は、エンジン10と、自動変速機15と、ディファレンシャルギア20と、駆動輪25と、スタータ30と、オルタネータ35と、バッテリ40と、電子制御ユニット(ECU:Electrical Control Unit)50と、エンジンキー55(「イグニションキー55」とも呼ぶ。)と、を備えている。
エンジン10は、ガソリンや軽油などの燃料を燃焼させることによって動力を発生させる内燃機関である。エンジン10の動力は、自動変速機15に伝達されるとともに、駆動機構34を介してオルタネータ35に伝達される。エンジン10の出力は、運転者により操作されるアクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に応じて、エンジンコントロールコンピュータ(図示せず)により変更される。
自動変速機15は、変速比の変更(いわゆるシフトチェンジ)を自動的に実行する。エンジン10の動力(回転数・トルク)は、自動変速機15によって変速され、所望の回転数・トルクとして、ディファレンシャルギア20を介して、左右の駆動輪25に伝達される。こうして、エンジン10の動力は、アクセルペダルの踏み込み量に応じて変更されつつ、自動変速機15を介して駆動輪25に伝達されて、車両(自動車200)の加速・減速が行なわれることになる。
オルタネータ35にエンジン10の動力を伝達する駆動機構34は、本実施例では、ベルトドライブの構成を採用している。オルタネータ35は、エンジン10の動力の一部を用いて発電を行なう。発電された電力は、インバータ(図示せず)を介してバッテリ40の充電に用いられる。本明細書では、オルタネータ35を用いたエンジン10の動力による発電を「燃料発電」と呼ぶ。なお、オルタネータ35は、駆動機構34、エンジン10、自動変速機15、ディファレンシャルギア20を介して駆動輪25と接続されている。減速時には、駆動輪25の回転運動が、ディファレンシャルギア20、自動変速機15、エンジン10、駆動機構34を介してオルタネータ35を駆動するため、車両の運動エネルギーを電気エネルギーとして回生することができる。
バッテリ40は、電圧14Vの直流電源としての鉛蓄電池であり、エンジン本体以外に設けられた周辺機器に電力を供給する。本明細書では、エンジン本体以外に設けられた周辺機器であって、バッテリ40の電力を用いて動作する機器を、「補機」と呼ぶ。また、補機の集まりを、「補機類」と呼ぶ。自動車200は、補機類70として、ヘッドライト72、空調装置(A/C)74等を備える。
スタータ30は、バッテリ40から供給される電力によってエンジン10を始動させるセルモータである。通常は、停止している自動車の運転を開始する際に、運転者がイグニッションキー55を操作すると、スタータ30が起動し、エンジン10が始動する。このスタータ30は、以下で説明するように、アイドリングストップ状態からエンジン10を再始動させる場合にも利用される。本明細書では、「アイドリングストップ状態」とは、アイドリングストップ制御による停止状態をいう。
ECU50は、コンピュータプログラムを実行するCPU51、コンピュータプログラム等を記憶するROM52、データを記憶するRAM53、タイマ54、各種センサやアクチュエータ等に接続される入出力ポート等を備える。RAM53は、エンジン10がオフの期間でも通電されることが好ましい。なお、エンジン10がオフの期間にRAM53に通電されない場合には、RAM53に代えて、あるいはRAM53に加えて、書き換え可能な不揮発メモリを備えることが好ましい。
ECU50に接続されるセンサとしては、駆動輪25の回転速度を検出する車輪速センサ82、ブレーキペダル(図示せず)の踏み込みの有無を検出するブレーキペダルセンサ84、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量をアクセル開度として検出するアクセル開度センサ86、ハンドルの舵角を検知するハンドル舵角センサ87、バッテリ40の充放電電流を検出するバッテリ電流センサ88、およびオルタネータ35の出力電流を検出するオルタネータ電流センサ89、エンジン10の冷却水の水温を測定する水温計811、エンジン10の潤滑油の温度を測定する油温計812、外気温計813が設けられている。また、ECU50には、時計83が接続されている。時計83は、電波時計831、GPS(Global Positioning System:米国により運用されている全地球測位システム)ユニット832、スマートフォン833が接続可能であり、これらにより、時計83は、正確な時刻に補正される。なお、車両200は、電波時計831、GPSユニット832、スマートフォン833の全てを備える必要はない。アクチュエータとしては、スタータ30やオルタネータ35等がある。ECU50は、バッテリ40から電力の供給を受けている。
ECU50は、前記各種のセンサやエンジンコントロールコンピュータ(図示せず)からの信号をもとに、スタータ30やオルタネータ35を制御することによって、エンジン停止と再始動を制御(アイドリングストップ制御)するとともにバッテリ40のSOC(State of Charge)を制御する。SOCは、バッテリ40の満充電時を100%、バッテリが空の時を0%としたときのバッテリ40の充電率で示される指標である。バッテリ40は、満充電状態を維持すると自己放電により劣化し易いので、バッテリ40は、SOCが一定の範囲内に収まるように充電制御されることが好ましい。このECU50が「車両制御装置」に相当する。
B.ECUの構成:
図2は、ECU50の構成を機能的に示す説明図である。図示するように、ECU50は、アイドリングストップ制御部90と、SOC値制御部100と、停止判断部111と、を備える。アイドリングストップ制御部90、SOC値制御部100及び停止判断部111は、実際は、ECU50に備えられたCPU51が、ROM52に記憶されたコンピュータプログラムを実行することで実現する機能を示す。
アイドリングストップ制御部90は、車輪速センサ82で検出された車輪速Vhとアクセル開度センサ86で検出されたアクセル開度Tpとを取得し、エンジン10を停止/始動させる指示Ssをスタータ30に出力する。詳しくは、アイドリングストップ制御部90は、車輪速Vhが低下して所定速度(例えば10km/h)未満となったときに、エンジン停止条件が成立したとしてエンジン停止の指示Ssをスタータ30に出力し、その後、アクセル開度Tpからアクセルペダルが踏み込まれたことが検出されたときに、エンジン再始動条件が成立したとしてエンジン再始動の指示Ssをスタータ30に出力する。
すなわち、アイドリングストップ制御部90は、エンジン停止条件が成立したときにエンジン10を停止させ、前記停止後においてエンジン再始動条件が成立したときにエンジン10を再始動させる。前記エンジン停止条件およびエンジン再始動条件は、前述したものに限らない。例えば、車輪速Vhが完全に0km/hとなることをエンジン停止条件とすることもできるし、ブレーキペダルから足が離れたことをエンジン再始動条件とすることもできる。
停止判断部111は、自動車200のエンジン10が停止しているか(オフ)、起動しているか(オン)、を判断する。停止判断部111は、自動車200のエンジンキー55がオフの時は、停止信号Sstpを活性化(例えばSstp=1)し、自動車200のエンジンキー55がオンの時は、停止信号Sstpを非活性化(例えばSstp=0)する。
SOC値制御部100は、目標SOC値推定部110と、バッテリSOC値算出部120と、フィードバック制御部130とを備える。目標SOC値推定部110は、車両の走行時(例えば、車輪速Vh>0km/hの時)に、アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までの期間(以下、「ストップアンドスタート期間」と呼ぶ)において使用すると予想されるSOCを、目標SOC(以下、「目標SOC値」とも呼ぶ)C1として推定するもので、詳しい構成についてはC節で説明する。なお、この目標SOC値推定部110が[課題を解決するための手段]の欄に記載した「電力量設定部」に相当する。「SOC」は、バッテリに残存している電気量を、バッテリを満充電したときに蓄えられる電気量で除した値として定義される。
バッテリSOC値算出部120は、バッテリ電流センサ88によって検出されたバッテリ40の充放電電流(「バッテリ電流」と呼ぶ)Abに基づいて、バッテリ40の現在のSOC(以下、「現在SOC値」と呼ぶ)C2を算出する。詳しくは、バッテリ40の充電電流をプラス値とし、バッテリ40の放電電流をマイナス値として充放電電流Abを積算することで、現在SOC値C2を算出する。バッテリ電流センサ88およびバッテリSOC値算出部120の構成が、[課題を解決するための手段]の欄に記載した「SOC検出部」に相当する。なお、SOC検出部は、バッテリ電流センサ88によって検出されたバッテリ電流に基づいて算出するものに限る必要はなく、バッテリ電解液比重センサ、セル電圧センサ、バッテリ端子電圧センサ等に基づいて求める構成としてもよい。さらに、SOC検出部は、バッテリに残存している電気量を検出する構成に限る必要もなく、例えば充電可能量等の他のパラメータで蓄電状態を検出するものとすることもできる。
フィードバック制御部130は、車両の走行時に、目標SOC値C1から現在SOC値C2を差し引いた差分値を求め、その差分値を値0にフィードバック制御で一致させる電圧指示値Svを求める。その電圧指示値Svはオルタネータ35の発電量を指示するもので、オルタネータ35に送られる。この結果、燃料発電によって現在SOC値C2が目標SOC値C1に制御される。フィードバック制御部130の構成が、[課題を解決するための手段]の欄に記載した「SOC制御部」に相当する。
SOC値制御部100には、図示はしないが、上記以外に、「バッテリ制御」と呼ばれる機能と、「充電制御」と呼ばれる機能が設けられている。バッテリ制御について説明する。バッテリ、特に本実施例の鉛バッテリは、長寿命化の要請から、使用可能なSOC範囲(運用するSOC範囲)が予め定められている。このため、このSOC範囲の下限値(例えば60%)をバッテリ40のSOCが下回るときにエンジン10の動力を増大してSOCを前記SOC範囲内とし、SOC範囲の上限値(例えば90%)をSOCが上回るときにSOCを消費して前記SOC範囲内とする「バッテリ制御」が行われる。アイドリングストップ制御によるエンジンの停止時においてもSOCが下限値を下回ると、エンジンが始動して燃料発電によってSOCを前記SOC範囲内とする。
「充電制御」は、通常走行中に燃料発電によるバッテリへの充電を抑えることで燃料消費量を節約し、減速走行中に回生発電によりバッテリへの充電を行なう制御処理である。充電制御については周知の構成であることから、詳しく説明しないが、概ね次の処理を行う。充電制御においては、通常走行時におけるフィードバック制御部130によるフィードバック制御を、目標SOC値C1が現在SOC値C2を上回るときに実行し、通常走行時に目標SOC値C1が現在SOC値C2以下であるときには、所定の発電カット電圧をオルタネータ35への電圧指示値Svとする。この構成により、通常走行時における充電を抑制し燃料消費量を節約することができる。なお、「通常走行」とは、車速が0km/hである「停車」、および前記回生発電が行われる「減速走行」のいずれにも該当しない自動車200の状態である。
C.目標SOC推定部の構成:
目標SOC値推定部110は、走行環境予測部112と、自車両状態予測部114と、SOC配分要求レベル算出部116と、目標SOC値算出部118とを備える。
走行環境予測部112は走行環境を予測する。ここでいう「走行環境」とは、今後(現在以後)どれくらいアイドリングストップ状態となるかを示すパラメータであり、今後の所定期間におけるストップアンドスタート期間の割合に関わるパラメータとも言える。すなわち、「走行環境」は、アイドリングストップ制御による停車を引き起こす車両の走行環境である。走行環境予測部112は、詳しくは、車輪速センサ82によって検出された車輪速Vhに基づいて、走行環境を指数で示す走行環境指数を算出する。具体的には、現在から遡る所定期間(例えば10分間)における停車時間の比率Tstp1を車輪速Vhに基づいて算出し、その比率から第1の走行環境指数P11を算出する。すなわち、所定期間において車輪速Vhが値0となる停車時間の合計を求め、その合計を所定期間の全時間で割り算することで比率Tstp1を算出し、その比率Tstp1から第1の走行環境指数P11を算出する。ただし、エンジンキー55がオフにされ、エンジン10が停止した場合には、あらかじめ定められた条件に従って、停車時間率Tstp1を補正する例外処理を行う。例外処理の具体的な内容については、後述する。
図3は、走行環境予測部112の構成を示す説明図である。走行環境予測部112は、停車時間率算出処理部1120と、平均車速算出処理部1121と、追加走行環境情報処理部1122と、例外処理部1123と、停車時間率−走行環境指数変換部1127と、平均車速−走行環境指数変換部1128と、追加走行環境情報−走行環境指数変換部1129と、調停処理部1130と、を備える。例外処理部1123は、エンジンキー55がオフにされ、自動車200のエンジン10がオフにされたときに例外処理を実行する。例外処理については後述する。
停車時間率算出処理部1120は、所定期間のうちの車輪速Vhが値0である停車時間の合計の割合(停車時間率Tstp1)を以下のように算出する。
Tstp1=(Σ[車輪速Vhが値0である停車時間])/[所定期間] …(1)
ここで[所定期間]は、あらかじめ定められた期間であり、例えば10分が用いられる。
平均車速算出処理部1121は、所定期間に車両が移動した距離Lと、所定期間の平均速度Vave1とを、以下のように算出する。
L=∫(Vh)dt …(2)
Vave1=L/[所定期間] …(3)
ここで、Vhは車輪速(m/s)であり、∫は積分演算子であり、式(2)は、速度を所定期間、積分する。
追加走行環境情報処理部1122は、停車時間率、平均速度以外の走行データを算出する。その他のデータの一例を挙げれば、ハンドルの舵角Astrである。追加走行環境情報処理部1122は、ハンドルの平均舵角Astr1を、以下の式を用いて算出することが出来る。
Astr1=(∫(|Astr|)dt)/[所定期間] …(4)
すなわち、追加走行環境情報処理部1122は、所定期間内のハンドルの舵角の変化量の絶対値の積分をとり、所定期間で割ることにより、ハンドルの平均舵角Astr1(ハンドルの平均的な操作量)を算出することができる。
例外処理部1123は、停車時間率例外処理部1124と、平均車速例外処理部1125と、追加走行環境情報例外処理部1126と、を備える、停車時間率例外処理部1124は、エンジンキー55がオフにされ、エンジン10が停止された場合における停車時間率を算出する。例外処理については後述する。
まず、例外処理が行われない場合について説明する。例外処理が行われない場合には、停車時間率算出処理部1120で算出された停車時間率Tstp1は、停車時間率例外処理部1124において何の補正も受けずに、停車時間率−走行環境指数変換部1127に入力される。停車時間率−走行環境指数変換部1127は、停車時間率Tstp1から第1の走行環境指数P11を算出する。停車時間率Tstp1が高いということは、前記車両の停車頻度と停車期間の長さが高いということであり、今後の車両の停車頻度と長さも高いと予測することができる。このため、本実施例では、下記に従って第1の走行環境指数P11を決定する。
図4は、10分間停車時間率Tstp1と第1の走行環境指数P11との関係を示す説明図である。ここでは、両者の関係は、以下の通りである。
(1)Tstp1<38%のとき、P11=1
(2)38%≦Tstp1<42%のとき、P11=2
(3)42%≦Tstp1<46%のとき、P11=3
(4)Tstp1≧46%のとき、P11=4
図4の38%、42%、46%という閾値は一例であり、これらに限らず、別の数値とすることができる。また、求める第1の走行環境指数P11の値は1〜4までの4つに限らず、3つ、5つ、6つ等の他の数とすることもできる。また、図4に示す例では、第1の走行環境指数P11の値が整数となるようにしているが、第1の走行環境指数P11の値は、整数でなくても良い。例えば、図4の破線で示すように、停車時間率Tstp1と第1の走行環境指数P11との関係を例えば一次関数で定義してもよい。一次関数が図4の破線で示す場合、停車時間率Tstp1が41%であれば、第1の走行環境指数P11は2.25となる。なお、停車時間率Tstp1が低い場合は郊外であり、停車時間率Tstp1が高い場合は市街地であると言えることから、第1の走行環境指数P11の値が高いほど、市街化度が高いといえる。
停車時間率−走行環境指数変換部1127は、第1の走行環境指数P11を停車時間率Tstp1に基づいて求めていたが、走行環境指数は停車時間率Tstp1に基づいて算出されるものに限られない。例えば、走行環境予測部112は、平均車速Vave1に基づいて、第2の走行環境指数P12を算出しても良い。ここで、Vave1は上述した式(2)(3)により算出される。
図5は、平均車速と第2の走行環境指数P12の関係を示す説明図である。平均車速−走行環境指数変換部1128は、平均車速Vave1を用いて第2の走行環境指数P12を算出する。例えば、車速の平均値が低いほど市街化度が高くなることから、平均車速−走行環境指数変換部1128は、車速の平均値が低いほど第2の走行環境指数P12を高い値とする。
また、走行環境指数を算出する際に、走行環境予測部112は、ハンドルの舵角の平均Astr1を用いてもよい。例えば、追加走行環境情報処理部1122は、ハンドル舵角の変化量の絶対値の平均Astr1を上述した式(4)に基づいて算出する。追加走行環境情報−走行環境指数変換部1129は、ハンドル平均舵角Astr1から第3の走行環境指数P13を算出する。
図6は、ハンドルの平均舵角Astr1と第3の走行環境指数P13の関係を示す説明図である。ハンドルの平均舵角Astr1が大きいほど、走行中にハンドルが大きく切られ、あるいは多数回切られることになる。したがって、ハンドルの平均舵角Astr1が大きいほど市街化度が高くなると考えられることから、ハンドルの平均舵角Astr1が大きいほどほど第3の走行環境指数P13を高い値とする。
上記説明では、停車時間率Tstp1、自動車200の平均速度Vave1、ハンドルの平均舵角Astr1を用いて、第1〜第3の走行環境指数P11〜P13をそれぞれ算出したが、走行環境指数はこれ以外のパラメータを用いて算出することも可能である、例えば、車輪速センサ82によって検出された車輪速Vhの変化率(すなわち加速度)、MT(Manual Transmission)車の場合手動変速機のシフトポジション、またはAT(Automatic Transmission)車の場合の自動変速機のギヤ比等に基づいて走行環境指数を求める構成としてもよい。例えば、車輪速Vhの変化率が高いほど市街化度が高くなることから、車輪速Vhの変化率が高いほど第4の走行環境指数P14を高い値とすればよい。手動変速機のシフトポジションが頻繁に行われるほど市街化度が高くなることから、手動変速機のシフトポジションが頻繁に行われるほど第5の走行環境指数P15を高い値とすればよい。自動変速機のギヤ比等が頻繁に切り換わるほど市街化度が高くなることから、自動変速機のギヤ比等が頻繁に切り換わるほど第6の走行環境指数P16を高い値とすればよい。なお、上述のように、本実施例では、第nの走行環境指数をP1n(nは整数)で示している。
調停処理部1130は、第1〜第3の走行環境指数P11〜P13を用いて、総合走行環境指数P1を算出する。具体的には以下の式を用いて総合走行環境指数P1を算出する。
P1=(Σ(ci×P1i))/(Σ(ci)) …(5)
ここでciは加重平均を行うための重み付け係数である。iは添え字であり、第1〜第3の走行環境指数P11〜P13を用いる場合には、i=3となる。
このように、前記車輪速Vhと車輪速Vhに替わる各パラメータは、それらの中から選択した1つに基づいて総合走行環境指数P1を求める構成に限る必要もなく、2つ以上のパラメータに基づいて総合走行環境指数P1を求める構成としてもよい。2つ以上のパラメータを採用する場合、上述したように、各走行環境指数P1iに個別の重み付け指数を掛けて総合走行環境指数P1を求める構成とすることが好ましい。また、1つの走行環境指数に基づいて総合走行環境指数P1を算出する場合には、その走行環境指数に関する重み付け係数を1とし、他の走行環境指数に関する重み付け係数をゼロとすればよい。なお、前述した車輪速Vhと車輪速Vhに替わる各パラメータを採用することで、自動車200という自律系のみで走行環境を予測することができる。これに対して、自律系の外側から取得する情報に基づいて、総合走行環境指数P1を求める構成としてもよい。自律系の外側から取得する情報としては、ナビゲーションシステムの道路地図情報等がある。ナビゲーションシステムの道路地図情報に基づいて今後の走行地位置が市街地か郊外かを見極めて、総合走行環境指数P1を求めることができる。また、VICS(Vehicle Information and communication System:VICSは登録商標)のような、渋滞や交通規制などの道路交通情報をリアルタイムに受信し、カーナビゲーションなどの車載機に文字・図形で表示する画期的な情報通信システムを備えている車両にあっては、情報通信システムで受信した渋滞や交通規制などの道路交通情報のデータに基づいて総合走行環境指数P1を決定してもよい。
以下、例外処理について説明する。例外処理は、エンジンキー55がオフにされたときに行われる処理である。図7は、例外処理のフローチャートの一例である。ステップS1100では、走行環境予測部112は、停車時間率Tstp1を算出する。停車時間率は、上述した式(1)の通り(Σ[車輪速Vhが値0である停車時間])/[所定期間]で算出することができる。
ステップS1110では、走行環境予測部112は、エンジンキー55がオフにされたか否かを検出する。エンジンキー55がオフになった場合には、例外処理となる。エンジンキー55のオフの検出は、停止信号Sstpが活性化しているか否かにより判断できる。ステップS1120では、走行環境予測部112は、エンジンキー55がオフしたときの停車時間率Tstp1をRAM53に格納する。RAM53がエンジンキー55のオフに伴い通電されなくなる場合には、不揮発メモリがRAM53の代わりに用いてもよい。なお、停車時間率Tstp1が算出される毎にRAM53(あるいは不揮発メモリ)に書き込まれるようにし、エンジンキー55のオフ後には、RAM53(あるいは不揮発メモリ)に書き込まれないように構成されていれば、エンジンキー55のオフ直前の停車時間率Tstp1がRAM53書き込まれている。
ステップS1130では、走行環境予測部112は、エンジンキー55がオフした後の経過時間を、タイマ54を用いてカウント開始する。ステップS1140では、走行環境予測部112は、エンジンキー55がオンにされたか否かを検知する。エンジンキー55がオンした場合には、ステップS1150にて、走行環境予測部112は、タイマ54によるカウントを停止し、エンジンキー55がオフであった期間を算出する。
なお、本実施例では、走行環境予測部112は、エンジンキー55のオフの期間を算出するのに、タイマ54を用いたが、時計83を用い、エンジンキー55がオフになった時刻とオンになった時刻とを用いて、その差からエンジンキー55のオフの時間を算出しても良い。また、エンジンキー55のオフ時のエンジン10の冷却水の水温、エンジン10の潤滑油の油温、外気温と、エンジンキー55のオン時のエンジン10の冷却水の水温、エンジン10の潤滑油の油温、外気温と、の差を用いて、エンジンキーのオフの時間を算出しても良い。ただし、エンジン10の冷却水の水温、エンジン10の潤滑油の油温は、エンジンキー55のオフの時間が長いと、外気温と同じ温度になるため、エンジンキー55の停止時間が比較的短い場合に適用することができる。
ステップS1160では、走行環境予測部112は、エンジンキー55のオフ時間があらかじめ定められた判定時間Tj未満か、否か(Tj以上)を判断する。エンジンキー55のオフ時間が判定時間Tj以上の場合には、走行環境予測部112は、処理をステップS1170に移行する。ステップS1170では、あらかじめ定められた停車時間率Tstdを例外処理後の停車時間率Tstp1として用いる。この場合は、走行環境が変わっていると考えられるので、停車時間率Tstp1としてあらかじめ定められた停車時間率Tstdを用いることにより、走行環境の誤予測を抑制する。ステップS1180では、走行環境予測部112は、エンジンキー55がオンされた後一定期間が経過したか否かを判断する。一定期間が経過しない間は、走行環境予測部112は、例外処理後の停車時間率Tstp1としてステップS1170の停車時間率Tstdを用いる。一定時間経過した後は、走行環境予測部112は、処理をステップS1110に移行し、式(1)の(Σ[車輪速Vhが値0である停車時間])/[所定期間]で停車時間率Tstp1を算出する。また、エンジンキー55のオフ時間が判定時間Tj未満の場合には、走行環境予測部112は、処理をステップS1190に移行する。ステップS1190では、走行環境予測部112は、RAM53から、エンジンキー55がオフする直前の停車時間率を読み出し、停車時間率Tstp1として用いる。なお、エンジンキー55が停止中は、車輪速Vhが値0であるので、その期間は、車輪速Vhが値0である停車時間、所定期間のいずれにも含めないことが好ましい。
ステップS1160〜S1190をまとめると、以下のように整理できる。
(1)エンジンキー55のオフ時間<判定時間Tjのとき
・エンジンキー55のオン後、所定時間まで
エンジンキーオフ前の期間Q1、エンジンキーオン後の期間Q2として
Q1=所定期間―Q2 (Q1≧0、Q2≧0)…(6)
として期間Q2から期間Q1を算出し、以下の式(7)を用いて停車時間率Tstp1を算出する。
(Σ[期間Q1における車輪速Vhが値0である停車時間]+Σ[期間Q2における車輪速Vhが値0である停車時間])/[所定期間] …(7)
なお、エンジンキー55のオン直後は。Q2=0であるので、式(7)の値は、エンジンキー55がオフしたときの停車時間率に等しい。
・エンジンキー55のオン後、所定時間経過後
式(6)ではQ1<0となるので、Q1=0、Q2=所定期間として停車時間率Tstp1を算出する。
Tstp1=(Σ[期間Q2(所定期間)における車輪速Vhが値0である停車時間])/[所定期間]…(8)
この式(8)は、式(1)と同じ式である。
(2)エンジンキーオフ時間<判定時間Tjのとき
・エンジンキー55のオン後、所定時間まで
Tstp1=Tstd …(9)
・エンジンキー55のオン後、所定時間経過後
Tstp1=(Σ[車輪速Vhが値0である停車時間])/[所定期間]…(10)
この式(10)は、式(1)と同じ式である。
図8は、横軸に時間、縦軸に停車時間率を取ったグラフである。グラフ(A)は、本実施例のうち、エンジン10の停止時間が、判定時間Tj未満の場合のグラフを示す。この場合、エンジン10がオンとなったときの停車時間率Tstp1として、エンジンキー55がオフになったときにRAM53に格納された停車時間率が用いられている。エンジンキー55のオフ期間が短い場合には、走行環境はあまり変化していないと考えられるので、エンジン10停止時の走行環境を引き継ぐことが好ましいと考えられる。なお、オン以降は、式(7)または式(8)を用いて、停車時間率Tstp1を算出する。
グラフ(B)は、本実施例のうち、エンジンキー55の停止時間が、判定時間Tj以上の場合のグラフを示す。この場合、エンジンキー55がオンになってから一定期間は、停車時間率Tstp1として、あらかじめ定められた停車時間率Tstdが用いられる。エンジンキー55のオフ期間が長い場合には、日が変わるなど、走行環境が変わっている可能性が高いため、誤予測を抑制するため、エンジンキー55のオフ時の走行環境を引き継がないことが好ましいと考えられる。なお、エンジンキー55のオン後に停車時間率Tstdが用いられる一定期間は、停車時間率を算出するときの所定期間と同じ長さであってもよい。所定期間が経過すると、停車時間率を再算出するのに必要な時間が経過しているため、走行環境予測部112は、式(1)の(Σ[車輪速Vhが値0となる停車時間])/[所定期間]で停車時間率Tstp1を算出する。
グラフ(C)は、比較例の停車時間率を示すグラフである。この場合、エンジンキー55の停止時間が短く、エンジンキー55のオフ時の走行環境を引き継ぐことが好ましい場合でも、停車時間率は、リセットされてしまい、エンジンキー55のオン時の停車時間率が大きく変化している。
上記説明では、例外処理が行われる場合をエンジンキー55のオフ、オンの場合を例により説明したが、例えば、アイドリングストップによるエンジンのオフ、オンが行われた場合に適用されても良い。
また、上記説明では、停車時間率Tstp1についての例外処理を説明したが、走行環境予測部112は、平均車速Vave1、平均舵角Astr1についても例外処理を行うことが可能である。すなわち、走行環境予測部112は、エンジンキー55がオフしたときの、平均車速Vave1、平均舵角Astr1をRAM53に格納する。そして、エンジンキー55がオンされたとき、そのエンジンキー55のオフ期間に応じ、オフ期間が判定時間Tj未満の時は、走行環境指数P12あるいはP13を算出するときに、RAMに格納された平均車速Vave1、平均舵角Astr1を用い、判定時間Tj以上の時は、あらかじめ定められた平均車速Vstdあるいは平均舵角Astdを用いることができる。
図2に戻り、説明を続ける。自車両状態予測部114は、自動車200の状態(自車両状態)を予測する。ここでいう「自車両状態」とは、自動車200が今後どの程度SOCを消費するかを表すパラメータである。詳しくは、自車両状態予測部114は、バッテリ電流センサ88によって検出されたバッテリ電流Abと、オルタネータ電流センサ89によって検出されたオルタネータ電流Aaとに基づいて、補機類70で費やす電力量を算出し、その電力量を自車両状態P2として出力する。補機類70で費やす電力量が大きいときにはSOCを消費する速度は早いことから、本実施例では、自車両状態予測部114は、補機類70で費やす電力量を自車両状態P2として求める。
なお、自車両状態P2を、補機類70で費やす電力量に基づいて求めていたが、本発明ではこれに限られない。例えば、空調装置(A/C)の消費電力と対応関係がある空調情報(例えば、目標温度と車内温度との差)や、エンジン水温と周囲温度との差などのエンジンの暖機状況を示す情報等に基づいて求める構成とすることができる。なお、補機類70で費やす電力量や空調情報や暖機状況情報等の中から選択した1つのパラメータに基づいて自車両状態P2を求める構成に限る必要もなく、2つ以上のパラメータに基づいて自車両状態P2を求める構成としてもよい。2つ以上のパラメータを採用する場合、各パラメータに個別の重み付け指数を掛けて自車両状態P2を求める構成とすることが好ましい。
さらに、前述した各例は、現在検出されるセンサ信号によって補機類の現在の動作状況を求め、その現在の動作状況を今後の自車両状態と見なすものであったが、これに替えて、上記のように求めた現在の動作状況から動作状況が変化する兆候を捕らえることで、今後の自車両状態を予測する構成としてもよい。
前記構成の走行環境予測部112および自車両状態予測部114は、自動車200の運転が開始された以後、常にその予測を行っている。各部122〜124は、実際は、ECU50に備えられたCPU51が、ROM52に記憶されたコンピュータプログラムを実行することで実現する。走行環境予測部112によって算出した総合走行環境指数P1と、自車両状態予測部114によって算出した自車両状態P2とは、SOC配分要求レベル算出部116に送られる。
SOC配分要求レベル算出部116は総合走行環境指数P1および自車両状態P2に基づいてSOC配分要求レベルP3を算出し、目標SOC値算出部118はSOC配分要求レベルP3に基づいて目標SOC値C1を算出する。以下、SOC配分要求レベル算出部116および目標SOC値算出部118の内容を、以下に詳述する。
図9は、目標SOC推定ルーチンを示すフローチャートである。この目標SOC推定ルーチンは、車両の走行時に所定時間(例えば、60sec)毎に繰り返し実行される。すなわち、目標SOC推定ルーチンは、アイドリングストップ制御によるエンジン10の停止時には実行されない。図示するように、処理が開始されると、ECU50のCPU51は、走行環境予測部112(図2)によって求められた総合走行環境指数P1を取得する(ステップS100)。このステップS100の内容については、すでに説明したとおりである。CPU51は、次いで、自車両状態予測部114(図2)によって求められた自車両状態P2を取得する(ステップS200)。
ステップS200の実行後、CPU51は、SOC配分要求レベル算出用マップMPを用いて、総合走行環境指数P1と自車両状態P2に基づいてSOC配分要求レベルを算出する処理を行う(ステップS300)。バッテリには、先に説明したように、使用可能なSOC範囲がバッテリの種類毎に定められている。本実施例では、使用可能SOC範囲をアイドリングストップ用と充電制御用とに配分することを図っており、「SOC配分要求レベル」は前記配分のレベルを指定するパラメータである。
図10は、SOC配分要求レベル算出用マップMPを示す説明図である。図示するように、SOC配分要求レベル算出用マップMPは、横軸に総合走行環境指数P1をとり、縦軸に自車両状態P2をとり、横軸の値と縦軸の値とに対応するSOC配分要求レベルP3をマッピングしたマップデータである。総合走行環境指数P1と、自車両状態P2と、SOC配分要求レベルP3との関係を、予め実験的にあるいはシミュレーションにより求めることで、SOC配分要求レベル算出用マップMPは作成されており、ROM52に記憶している。ステップS300では、ROM52からSOC配分要求レベル算出用マップMPを呼び出し、そのマップMPを参照して、ステップS100で求めた総合走行環境指数P1とステップS200で求めた自車両状態P2とに対応するSOC配分要求レベルP3を取得する。図示の例では、SOC配分要求レベルP3としてA、B、C、Dの4つの値が用意されている。A、B、C、Dはこの順で高い値となっている。総合走行環境指数P1が高いほど、自車両状態P2が高いほど、SOC配分要求レベルP3は高い値となる。
図9に戻って、ステップS300の実行後、CPU51は、目標SOC値算出用テーブルTBを用いて、SOC配分要求レベルP3に基づいて目標SOC値C1を算出する処理を行う(ステップS400)。
図11は、目標SOC値算出用テーブルTBを示す説明図である。図示するように、目標SOC値算出用テーブルTBは、横軸にSOC配分要求レベルP3をとり、縦軸に目標SOC値C1をとり、直線LでSOC配分要求レベルP3と目標SOC値C1の関係を示している。このSOC配分要求レベルP3と目標SOC値C1の関係を、予め実験的にあるいはシミュレーションにより求めることで、目標SOC値算出用テーブルTBは作成されており、ROM52に記憶している。ステップS400は、ROM52から目標SOC値算出用テーブルTBを呼び出し、そのテーブルTBを参照して、ステップS300で算出したSOC配分要求レベルP3に対応する目標SOC値C1を取得する。
図示するように、直線Lで示される目標SOC値C1は、バッテリ40の使用可能SOC範囲W内に設定される値であり、その使用可能SOC範囲Wをカット可能な発電容量とアイドリングストップ用電力量とに配分したときの配分率を示す。換言すれば、バッテリ40の使用可能SOC範囲Wに対して、アイドリングストップ用電力量の領域が下側に、カット可能な発電容量の領域が上側にそれぞれ設定されており、両領域の境が目標SOC値C1となっている。また、使用可能SOC範囲Wの下限値にアイドリングストップ用電力量を加えた水準が目標SOC値C1として設定されているとも言える。ECU50は、カット可能な発電容量だけオルタネータ35の発電量を抑えても、アイドリングストップ中にバッテリ40の充電量がSOC下限値を下回ることはなく、アイドリング開始によるエンジン10の再始動を抑制し、燃料消費を抑制できる。
カット可能な発電容量は、前述した充電制御により、発電抑制により削減可能な電力量であり、「充電制御用容量」とも呼ぶ。アイドリングストップ用電力量は、今後のストップアンドスタート期間において使用されると予想される容量である。本実施例では、アイドリングストップ用電力量は、予想される最大の大きさに定められている。SOC配分要求レベルP3が高い値になるほど、アイドリングストップ用電力量は大きくなっている。直線Lよりも上側にSOCを制御したとき、そのSOCに対応する使用可能SOC範囲内の残存容量がアイドリングストップ用電力量を上回ることからアイドリングストップ制御を完全に実施できるといえるが、その上回る分だけ余剰である。このため、直線Lで示される目標SOC値C1は、今後アイドリングストップ制御を完全に実施でき、かつSOC貯蔵のための発電量を最小にできるSOCを示しているといえる。なお、この余剰を少なくした方が、バッテリ40の劣化をより抑制し、より寿命を長くすることができる。
目標SOC値C1は、直線Lに示すように、SOC配分要求レベルP3の上昇に従ってリニアに増大するものであったが、本発明ではこれに限られない。例えば、SOC配分要求レベルP3が所定値以下のときにはSOC配分要求レベルP3の上昇に従ってリニアに増大し、SOC配分要求レベルP3が所定値を上回るときには一定値を維持するように、目標SOC値C1を定めた構成としてもよい。この構成は、使用可能SOC範囲が比較的小さいバッテリの場合に有効である。さらに、目標SOC値C1の変化を直線で示す構成に換えて、曲線で示す構成とすることもできる。
図9に戻って、ステップS400の実行後、CPU51は、ステップS400で算出した目標SOC値C1をフィードバック制御部130に出力し(ステップS500)、その後、目標SOC推定ルーチンを一旦終了する。フィードバック制御部130(図2)では、現在SOC値C2が前記算出された目標SOC値C1に制御される。現在SOC値C2は、バッテリ40の使用可能SOC範囲における残存容量を指し示すが、上記制御の結果、車両走行中に、残存容量はアイドリングストップ用電力量を下回ることを回避することができる。すなわち、図10において、現在SOC値が充電制御用容量の領域に位置するとき、すなわち、前記残存容量がアイドリングストップ用電力量を上回るときには、ECU50は、充電制御を実行して、オルタネータ35を駆動させず、バッテリ40への充電を抑制する。この場合、オルタネータ35を駆動するためのトルクが不要となるため、エンジン10の燃料消費を抑えることができる。そして、SOCが低下してアイドリングストップ用電力量を下回ろうとするとき、燃料発電によって、直線Lで示される目標SOC値C1にSOCは制御されることで、前記アイドリングストップ用電力量を下回ろうとすることが回避される。
D.作用、効果:
図12は、自動車200の運転中における車速とバッテリ40のSOC(現在SOC値C2)についてのタイムチャートを示す説明図である。タイムチャートは、縦軸に車速とSOCをとり、横軸に時間をとったものである。自動車200の運転が開始され、時刻t0において自動車200が発進すると、車速は次第に増し、通常走行に至る。その後、時刻t1において、車両が減速状態に移行する。この時刻t0から時刻t1までのt0−t1期間においては、実線に示すように、SOCは徐々に低下する。この実線は従来例についてのもので、本実施例では2点鎖線のように変化する。これについては後述する。
時刻t1の後、時刻t2において車両は停車する。t1−t2の期間では、減速による回生発電がなされ、実線に示すようにSOCは徐々に上昇する。時刻t2(厳密に言えばエンジン停止条件が成立したとき)から車速が立ち上がる時刻t3までの期間がストップアンドスタート期間SSTであり、エンジン10は停止されている。ストップアンドスタート期間SSTでは、補機類による電力消費によってSOCは徐々に下降する。従来例では、実線に示すように、この停止の最中にSOCが下限値SLに達すると(時刻tb)、バッテリ制御によってエンジン10は再始動することになる。再始動後、実線に示すように、エンジン10の動力により発電されSOCは増大する。
本実施例では、通常走行時にSOCが低下して、バッテリ40の使用可能SOC範囲における残存容量がアイドリングストップ用電力量を下回ったときに(時刻ta)、燃料発電によってSOCが増大される。図中2点鎖線に示すようにta−t2期間においてSOCは増大する。この増大は、今後のストップアンドスタート期間に使用すると予想される最大の電池容量を考慮したものであることから、ストップアンドスタート期間t2−t3においてSOCが低下しても、SOCは下限値SLに至ることがない。なお、「今後のストップアンドスタート期間」とは、図示の一つのストップアンドスタート期間SSTに限るものではなく、所定の期間において複数のストップアンドスタート期間があれば、それらストップアンドスタート期間の全部である。
したがって、本実施例では、従来例のように、ストップアンドスタート期間t2−t3において、SOCが下限値に達してエンジン10が再始動されることがない。ストップアンドスタート期間の途中でSOC不足からエンジンを再始動する場合は、エンジンの運転時に動力増大してSOCを増加する場合に比べて、3倍から5倍近くの燃料量が必要である。すなわち、エンジンの運転時における単位SOC(例えばSOC1%)当たりの燃費効果は、ストップアンドスタート期間の途中でSOC不足からエンジンを再始動する場合に比べて、3倍から5倍優れている。したがって、本実施例の自動車200は、従来例に比べて燃費を向上させることができる。
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
・変形例1:
上記実施例では、SOC配分要求レベルP3を総合走行環境指数P1および自車両状態P2に基づいて求めていたが、これに換えて、自動車200のインストルメントパネル(図示せず)に運転者により操作されるダイヤルを設け、そのダイヤルの操作量に応じてSOC配分要求レベルP3を求める構成としてもよい。運転者は、例えば郊外から市街地に入るような場合に、ダイヤルを「高」側に切り換えてSOC配分要求レベルP3が大きくなるように設定することで、目標SOC、すなわち、アイドリングストップ用の配分率を大きくすることができる。この構成によれば、運転者が、これから進む地域を判っていてSOC配分要求レベルを設定することが可能な場合に、ストップアンドスタート期間において使用する最大SOCを走行環境から高精度に設定することができる。なお、ダイヤルは「高」と「低」の2段階を指示できるものであってもよいし、3以上の多段で指示できるものであってもよい。また、ダイヤルはスイッチ等の他の入力手段に替えることもできる。さらに、ダイヤルの操作量だけでSOC配分要求レベルP3を求めるのではなく、前記実施例で総合走行環境指数P1と自車両状態P2から求めたSOC配分要求レベルP3を、前記ダイヤルの操作量に基づいて補正する構成とすることもできる。
・変形例2:
上記実施例では、総合走行環境指数P1と自車両状態P2に基づいてSOC配分要求レベルP3を一旦求め、SOC配分要求レベルP3に基づいて目標SOCを算出する構成であったが、これに換えて、総合走行環境指数P1と自車両状態P2に基づいて、目標SOCを直接、算出する構成としてもよい。すなわち、総合走行環境指数P1と自車両状態P2に基づいて、バッテリの使用可能SOC範囲を充電制御用とアイドリングストップ用とを配分する配分率を直接算出する構成としてもよい。同様に上記変形例1においても、ダイヤルの操作量に基づいて目標SOCを直接、算出する構成としてもよい。
・変形例3:
上記実施例では、SOC配分要求レベルは、総合走行環境指数P1と自車両状態Pの両方に基づいて算出していたが、これに換えて、総合走行環境指数P1と自車両状態Pのいずれか一方に基づいて算出する構成としてもよい。
・変形例4:
上記実施例では、バッテリは鉛蓄電池としたが、本発明ではこれに限られない。例えば、リチウムイオン蓄電池、ロッキングチェア型蓄電体等の他の種類のバッテリに替えることもできる。また、上記実施例では、車両は自動車であったが、これに換えて、電車等の自動車以外の車両としてもよい。
・変形例5:
上記実施例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェア(例えば集積回路)で実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
・変形例6:
なお、前述した実施例および各変形例における構成要素の中の、独立請求項で記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。例えば、通常走行中はバッテリへの充電を抑えることで燃料消費量を節約し、減速走行中に回生発電によりバッテリへの充電を行なう充電制御についても省略することができる。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
10…エンジン
15…自動変速機
20…ディファレンシャルギア
25…駆動輪
30…スタータ
34…駆動機構
35…オルタネータ
40…バッテリ
50…ECU
51…CPU
52…ROM
53…RAM
54…タイマ
70…補機類
72…ヘッドライト
74…空調装置
82…車輪速センサ
83…時計
84…ブレーキペダルセンサ
86…アクセル開度センサ
87…ハンドル舵角センサ
88…バッテリ電流センサ
89…オルタネータ電流センサ
90…アイドリングストップ制御部
100…SOC値制御部
111…停止判断部
110…目標SOC値推定部
112…走行環境予測部
114…自車両状態予測部
116…SOC配分要求レベル算出部
118…目標SOC値算出部
120…バッテリSOC値算出部
130…フィードバック制御部
200…自動車
811…水温計
812…油温計
813…外気温計
831…電波時計
832…GPSユニット
833…スマートフォン
1120…停車時間率算出処理部
1121…平均車速算出処理部
1122…追加走行環境情報処理部
1123…例外処理部
1124…停車時間率例外処理部
1125…平均車速例外処理部
1126…追加走行環境情報例外処理部
1127…停車時間率−走行環境指数変換部
1128…平均車速−走行環境指数変換部
1129…追加走行環境情報−走行環境指数変換部
1130…調停処理部

Claims (6)

  1. バッテリとエンジンと発電機とを有する車両の車両制御装置であって、
    車両の速度を測定する速度計と、
    前記速度の履歴を用いて、前記車両の停車時間率を算出する停車時間率算出部と、
    前記車両のエンジンキーがオフにされた時に、オフ時の停車時間率を格納する記憶装置と、
    前記エンジンキーがオンされたときに、前記記憶装置に格納された停車時間率を読み出し、停車時間率と走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記走行環境指数を算出する走行環境予測部と、
    前記走行環境指数と前記車両のアイドリングストップ中の消費電力の推定値との関係を用いて、前記車両のアイドリングストップ中の消費電力を推定する消費電力予測部と、
    前記エンジンのアイドリングストップ制御を行うアイドリングストップ制御部と、
    前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出するSOC検出部と、
    前記消費電力予測部により予測された消費電力に基づいて、前記アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までのストップアンドスタート期間において使用すると予想されるアイドリングストップ用電力量を設定する電力量設定部と、
    前記車両の走行時に、前記SOC検出部によって検出されたSOCと、使用可能なSOC範囲の下限値との差である残存電力量が、前記アイドリングストップ用電力量を下回ることを回避するように、前記発電機の電力による前記バッテリの充電を制御するSOC制御部と、
    を備え、
    前記走行環境予測部は、前記エンジンキーのオフからオンまでの時間があらかじめ定められた時間以上の場合には、前記走行環境指数を算出するための停車時間率として、あらかじめ定められた停車時間率を用い、
    前記走行環境予測部は、前記エンジンキーのオフ時に、外気温と、前記エンジンの冷却水の水温と、前記エンジンの潤滑油の油温とを測定し、前記エンジンのオン時に、前記外気温と、前記水温と、前記油温とを測定し、あらかじめ定められた前記水温の変化量または前記油温の変化量と、前記エンジンキーのオフからオンまでの時間との関係を用い、前記エンジンキーのオフからオンまでの時間を、時計を用いることなく算出する、車両制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両制御装置であって、
    前記車両の走行状態から停車状態に減速されるときに、回生される回生電力量を予測する回生電力量予測部を備え、
    前記SOC制御部は、走行中の前記残存電力量に前記回生電力量を加えた電力量が、前記アイドリングストップ用電力量を下回ることを回避するように、前記発電機の電力による前記バッテリの充電を制御する、車両制御装置。
  3. 車両であって、
    エンジンと、
    前記エンジンの動力によって駆動される発電機の発電量によって充電可能なバッテリと、
    請求項1または2に記載の車両制御装置と、
    を備える、車両。
  4. エンジンと、前記エンジンの動力によって駆動される発電機の発電量によって充電可能なバッテリと、を有する車両を制御する車両制御方法であって、
    前記車両の速度を測定する工程と、
    前記速度の履歴を用いて、前記車両の停車時間率を算出する停車時間率算出工程と、
    前記車両のエンジンキーがオフにされた時に、オフ時の停車時間率を記憶装置に格納する工程と、
    前記エンジンキーがオンされたときに、前記エンジンキーのオフから前記エンジンのオンまでの時間があらかじめ定められた時間未満の場合には前記記憶装置に格納された停車時間率を読み出し、前記エンジンキーのオフから前記エンジンのオンまでの時間があらかじめ定められた時間以上の場合にはあらかじめ定められた停車時間率を用い、停車時間率と走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記走行環境指数を算出する工程と、
    前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出する工程と、
    あらかじめ定められた走行環境指数と前記車両のアイドリングストップ中の消費電力の推定値との関係を用い前記車両の走行時に前記車両のアイドリングストップ中に消費される電力量をアイドリングストップ用の電力量として予測する工程と、
    前記車両の走行時に、前記SOC検出部によって検出されたSOCと、使用可能なSOC範囲の下限値との差である残存電力量が、前記アイドリングストップ用の電力量を下回ることを回避するように、前記発電機の電力による前記バッテリの充電を制御する工程と、
    を備える車両制御方法。
  5. 車両の走行環境予測装置であって、
    車両の速度を測定する速度計と、
    前記速度の履歴を用いて、前記車両の停車時間率を算出する停車時間率算出部と、
    前記車両のエンジンキーがオフにされた時に、オフ時の停車時間率を格納する記憶装置と、
    前記エンジンキーがオンされたときに、前記エンジンキーのオフから前記エンジンキーのオンまでの時間があらかじめ定められた時間未満の場合には前記記憶装置に格納された停車時間率を読み出し、前記エンジンキーのオフから前記エンジンキーのオンまでの時間があらかじめ定められた時間以上の場合にはあらかじめ定められた停車時間率を用い、停車時間率と走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記走行環境指数を算出する走行環境予測部と、
    を備え
    前記走行環境予測部は、前記エンジンキーのオフ時に、外気温と、前記エンジンの冷却水の水温と、前記エンジンの潤滑油の油温とを測定し、前記エンジンのオン時に、前記外気温と、前記水温と、前記油温とを測定し、あらかじめ定められた前記水温の変化量または前記油温の変化量と、前記エンジンキーのオフからオンまでの時間との関係を用い、前記エンジンキーのオフからオンまでの時間を、時計を用いることなく算出する、
    走行環境予測装置。
  6. 車両の走行環境予測方法であって、
    車両の速度を測定する工程と、
    前記速度の履歴を用いて、前記車両の停車時間率を算出する工程と、
    前記車両のエンジンキーがオフにされた時に、オフ時の停車時間率を記憶装置に格納する工程と、
    前記エンジンキーがオンされたときに、前記エンジンキーのオフから前記エンジンキーのオンまでの時間があらかじめ定められた時間未満の場合には前記記憶装置に格納された停車時間率を読み出し、前記エンジンキーのオフから前記エンジンキーのオンまでの時間があらかじめ定められた時間以上の場合にはあらかじめ定められた停車時間率を用い、停車時間率と走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記走行環境指数を算出する工程と、
    を備える、走行環境予測方法。
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