JP5928150B2 - ポリブチレンテレフタレートペレットの製造方法 - Google Patents

ポリブチレンテレフタレートペレットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低重合度のポリブチレンテレフタレートのペレットを製造する方法に関するものである。
ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと表すことがある)は、優れた機械特性、耐熱性、成形性およびリサイクル性を有し、機械強度も高く耐薬品性にも優れていることから、成形品、フィルムおよび繊維などに広く利用されており、中でも、自動車や電気・電子機器のコネクター、リレーおよびスイッチなどの工業用成形品の材料として広く使用されている。
PBTは通常、テレフタル酸と1,4−ブタンジオール(以下1,4−BGと表すことがある)との直接エステル化反応によりポリエステル先駆体であるオリゴマーを形成し、次いでそのオリゴマーを常圧または減圧下で重縮合反応させて製造する方法、また、テレフタル酸のエステル形成誘導体と1,4−BGとをエステル交換反応させてポリエステル先駆体であるオリゴマーを形成し、次いでそのオリゴマーを常圧または減圧下で重縮合反応させて製造する方法により製造する。この際、反応触媒としてチタン化合物が使用されることも良く知られている。
一方近年、工業用成形品の小型化・軽量化に対する要求がますます高まっており、溶融成形時の流動性を改良させることが望まれ、さらにはそのようなPBTを効率的に製造することが望まれていた。
一般的に流動性を向上させるためには、重合度を下げることが有効であるが、このようなPBTをペレット化する場合では多量の微粉が発生するなどの問題があった。
従来、ポリエステルをペレット化する際にファイン(微粉)量の少ない製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、PBTを用いた場合の好ましいペレット化の条件が提案されている(特許文献2参照)。
特開2001−246622号公報 特開2004−306339号公報
しかしながら、特許文献1で開示されている技術の範囲では、PBTを用いた場合に、微粉量が増加してしまう場合があった。また、特許文献2で開示されている技術の範囲では、低重合度のPBTをペレット化する場合に、微粉量抑制に十分な効果が得られない場合があった。これらの問題点に鑑み本発明の目的は、低重合度のPBTをペレット化する際に、発生する微粉量が少ないポリブチレンテレフタレートのペレットの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題に対して鋭意検討した結果、低重合度のPBTを製造する方法において、所望の冷却水温度で溶融PBTを固化することにより、溶融PBTをストラン
ド状に吐出し、固化後、切断してペレットを製造する際の、微粉量を抑制できることを見出し本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は下記[1]に存する。
[1] テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を主たる成分とするジカルボン酸成分と、1、4ブタンジオールを主たる成分とするジオールとのエステル化反応及び/またはエステル交換反応を行うエステル化工程、及びエステル化工程により得られたオリゴマーを重縮合反応する重縮合工程を経て、溶融ポリブチレンテレフタレートをストランド状に吐出し、固化後、切断してペレットを製造するに際し、重合度が20〜60の溶融ポリブチレンテレフタレートを20〜60℃の冷却水で固化後、切断することを特徴とするポリブチレンテレフタレートペレットの製造方法。
本発明によれば、重合度が20〜60の溶融PBTを冷却水中にストランド状に吐出し、20〜60℃の範囲で冷却した後、切断することで発生する微粉量を抑制し、高い流動性を有するPBTのペレットを製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下に記載する各構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。また、本明細書における、下限値又は上限値は、その下限値又は上限値の数値を含む範囲を意味する。
<製造原料>
本発明のPBTは、テレフタル酸あるいはそのエステル形成性誘導体を主たる成分とするジカルボン酸成分と1、4ブタンジオールを主たる成分とするジオールとをエステル化反応及び/又はエステル交換反応させた後、重縮合反応させることにより得られる。
本発明において用いられるテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を主たる成分とするジカルボン酸成分とは、ジカルボン酸中のテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体が通常80モル%以上のことである。好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上である。そのほかのジカルボン酸として、イソフタル酸、2,6−ナフタレインジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、シュウ酸、シクロヘキサンジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。これらは1種または2種以上を用いても良い。
本発明において用いられる1、4ブタンジオールを主たる成分とするジオールとは、ジオール中の1、4ブタンジオールが通常80モル%以上のことである。好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上のことである。そのほかのジオールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリ(オキシ)エチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリメチレングリコール等のアルキレングリコールが挙げられる。これらは1種、または2種以上を用いてもよく、目的により任意に選ぶことができる。
本発明において用いられるエステル形成性誘導体とは、樹脂の製造工程においてジオールとしてエステルを形成し得るものであり、テレフタル酸またはその他ジカルボン酸の低級アルキルエステル、具体的にはメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステルおよびブチルエステル等が挙げられる。これらの1種、または2種以上を混合してもよく、目的により任意に選ぶことができる。
<製造方法>
以下、PBTの製造方法について説明する。
PBTの公知の製造方法として、テレフタル酸と1,4−BGを主原料として用いるいわゆる直接重合法と、テレフタル酸ジアルキルエステルと1,4−BGを主原料として用いるエステル交換法がある。
本発明においては従来公知の方法即ち、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を主たる成分とするジカルボン酸成分と、1、4ブタンジオールを主たる成分とするジオールとのエステル化反応及び/またはエステル交換反応を行うエステル化工程、エステル化工程により得られたオリゴマーを重縮合反応する重縮合工程を経てPBTを得る方法で行うことが出来る。これらの工程は回分法でも連続法でも行うことが出来る。
本発明において、オリゴマーとは、数平均分子量が500〜4,000のPBTの前駆体である。
本発明において、反応系とは、エステル化工程、重縮合工程である。エステル化工程は、エステル化反応槽、及びエステル化反応槽と配管で繋がる機器を含み、重縮合工程は、重縮合反応槽、及び重縮合反応槽と配管で繋がる機器を含む。
上記のエステル化工程は、エステル化反応及び/またはエステル交換反応を進行させることができる限り任意であり、温度は120℃以上、好ましくは150℃以上、一方、245℃以下、好ましくは230℃以下である。また、反応時間は2〜8時間、好ましくは2〜6時間、更に好ましくは2〜4時間である。
エステル化工程により、1、4ブタンジオールを主たる成分とするジオールと、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を主たる成分とするジカルボン酸成分が反応したオリゴマーが生成する。そして、後述する重縮合工程においては、このオリゴマーの重縮合反応を行なう。
重縮合工程では、エステル化工程で得られたオリゴマーに重縮合反応をさせる。重縮合反応は通常は溶融重縮合反応で行う。重縮合工程における条件は、重縮合反応を進行させることができる限り任意である。重縮合反応時における反応温度(内温)は好ましくは245℃以下、更に好ましくは240℃以下、一方230℃以上が好ましく、更に好ましくは235℃以上である。反応温度が上限値超過であると、製造時に増粘する可能性が高く、色調も悪化する傾向にある。反応温度が下限値未満であると重縮合反応性が悪化する傾向にある。
また、重縮合工程における圧力は、減圧が好ましい。具体的には10Torr以下、好ましくは3Torr以下である。さらに、重縮合反応時間は、2〜8時間が好ましい。重縮合工程により、1、4ブタンジオールを主たる成分とするジオール、及びテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を主たる成分とするジカルボン酸成分が重縮合反応したPBTを得ることができる。
上記の、重縮合反応時における反応温度、圧力、及び重縮合反応時間の範囲内であれば、重合度が20〜60の溶融PBTを得ることができる。
得られたPBTを重縮合反応槽の底部からストランドとして抜き出し、冷却水中に潜らせ、固化させた後、カッターでストランドを切断し、脱水機を経由させてペレット状のPBTを得る。
この際、冷却水の温度は、下限は20℃以上、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上、特に好ましくは42℃以上である。一方、上限は60℃以下、好ましくは58℃以下、より好ましくは55℃以下、特に好ましくは50℃以下である。温度が下限値
未満であると微粉量が増加し好ましくない。さらに、付着水分量が増加し、後工程での乾燥効率が低下する。また、温度が上限値超過であると、冷却効率が悪く、ハンドリング上にも問題があり実用的でない。
上記温度範囲に冷却水の温度を制御する方法として、ボイラーや熱交換器などを用いる方法、冷却水用の貯槽タンクに高温の水蒸気を混合して調整する方法、或いはこれらの方法を組み合わせることにより行うことができる。
本発明においてPBTを製造する際には、反応触媒を用いることが好ましい。この際に使用できる反応触媒としては、例えば、三酸化二アンチモン等のアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート、テトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等、のチタン化合物、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズオキサイド、ヘキサエチルジスズオキサイド、シクロヘキサヘキシルジスズオキサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、トリフェニルスズハイドロオキサイド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、トリブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイド、ブチルヒドロキシスズオキサイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸、ブチルスタンノン酸、等のスズ化合物等を挙げることができるが、中でも触媒活性の点からチタン化合物が好ましく、特にテトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネートが好ましい。なお、チタン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
反応触媒として用いられるチタン化合物の添加時期はエステル化反応又はエステル交換反応の開始時、エステル化反応又はエステル交換反応中、エステル化反応又はエステル交換反応後、あるいは重縮合反応時等がありうるが、エステル化反応又はエステル交換反応開始時と重縮合反応前とに分割して添加するのが好ましい。
チタン化合物の添加量は得られるPBTに対してチタン原子として、好ましくは20重量ppm以上、より好ましくは30重量ppm以上、一方、好ましくは100重量ppm以下、より好ましくは70重量ppm以下である。上限値超過であると色調、熱安定性などが悪化する傾向にあるだけでなく、チタン触媒の失活により溶液ヘイズや異物が増加する傾向にある。また、下限値未満であると重縮合反応性が悪化する。
なお、PBT中のチタン原子の含有量は、湿式灰化によりポリマー中の金属を回収した後、ICP(Inductively Coupled Plasma)−MS(Mass Spectrometer)法により測定
する。
さらに、助触媒として周期表第2族金属の化合物を用いることもできる。本発明における、周期表第2族金属とは、Nomenclature of Inorganic Chemistry IUPAC Recommendations 2005 に提示される長周期型周期表における第2族元素のことである。周期表第2族
金属の化合物の添加時期としてはエステル化反応又はエステル交換反応の開始時、エステル化反応又はエステル交換反応中、エステル化反応又はエステル交換反応後、あるいは重縮合反応時等がありうるが、エステル交換反応後、重合開始前に添加するのが重縮合性及び色調等の点で好ましい。
本発明において用いられる周期表第2族金属の化合物の金属原子としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられる。中でも取扱や入手の容易さ、助触媒としての効果の点から、マグネシウム、カルシウムの化合物が好ましい。マグネシウム化合物としては、酢酸マグネシウム及びその水和物、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキサイド、燐酸水素マグネシウム等が挙げられる。カルシウム化合物としては、酢酸カルシウム及びその水和物、
水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの中では、酢酸マグネシウム及びその水和物が特に好ましい。なお、周期表第2族金属の化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
周期表第2族金属の化合物の添加量は、得られるPBTに対して金属原子として好ましくは5重量ppm以上、更に好ましくは20重量ppm以上、一方100重量ppm以下、更に好ましくは70重量ppm以下である。下限値未満であると重縮合反応速度の向上は小さくなる傾向にあり、末端カルボキシル基濃度も増加して耐加水分解性ならびに色調も悪化する傾向にある。上限値超過であると重縮合反応速度が低下し、また耐加水分解性や色調も悪化する傾向にある。
なお、PBT中の周期表第2族金属の化合物の金属原子の含有量は、チタン原子の含有量の測定方法と同様にして測定することができる。
本発明では、熱安定剤を反応系に添加して使用することもできる。使用する熱安定剤に特に制限は無いが、ヒンダードフェノール系熱安定剤が好ましい。ヒンダードフェノール系熱安定剤としては、例えば、ペンタエリスリトール・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどが挙げられる。中でも、ペンタエリスリトール・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が、溶融滞留時の熱安定性の点でより好ましい。 なお、ヒンダードフェノール系熱安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2
種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
本発明のPBTの重合度は、ペレット化の安定性、機械特性および流動性の観点から、下限は20以上、好ましくは35以上である。一方、上限は60以下、好ましくは50以下である。重合度が下限値未満であると流動性は向上するものの、ペレット化が不安定となり、品質として良好な機械的物性が得られ難い傾向にある。重合度が上限値超過であると、十分な流動性が得られない。本発明におけるPBTの重合度とは、PBTの1ユニットの分子量に対する数平均分子量のことであって、通常知られる測定方法により測定することが可能であるが、より具体的には実施例に詳述する方法により測定することができる。
本発明のPBTの末端カルボキシル基濃度に特に制限はないが、下限は、1当量/トンであることが好ましく、2当量/トンであることが更に好ましく、3当量/トンであることが特に好ましく、5当量/トンであることが最も好ましく、上限は、50当量/トンであることが好ましく、40当量/トンであることが更に好ましく、30当量/トンであることが特に好ましく、25当量/トンであることが最も好ましい。PBTの末端カルボキシル基濃度が上限値以下であるとPBTの耐加水分解性が良好となる傾向にあり、下限値以上であると重縮合反応性が良好な傾向にある。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の諸例で採用した物性および評価項目の測定方法は次の通りである。
<固有粘度(IV)dL/g>
ウベローデ型粘度計を使用し次の要領で求めた。すなわち、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を使用し、30℃において濃度1.0g/dLのポリマー溶液および溶媒のみの落下秒数を測定し、以下の式(1)より求めた。
IV=((1+4Kηsp0.5−1)/(2KC) (1)
(但し、ηSP=η/η0−1であり、ηはポリマー溶液落下秒数、η0は溶媒の落下秒数、
Cはポリマー溶液濃度(g/dL)、Kはハギンズの定数である。Kは0.33を採用した。)
<末端カルボキシル基濃度(AV)当量/トン>
試料を粉砕した後、熱風乾燥機にて140℃で15分間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した試料から、0.1gを精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール3mlを加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分間で溶解させ、次いで、クロロホルム5mlを徐々に加えて室温まで冷却した。この溶液にフェノールレッド指示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら撹拌下に、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。また、ブランクとして、試料を溶解させずに同様の操作を実施し、以下の式(2)によって末端カルボキシル基濃度(酸価)を算出した。
末端カルボキシル濃度(当量/トン)=(a−b)×0.1×f/w (2)
(ここで、aは、滴定に要した0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の量(μl)、bは、ブランクでの滴定に要した0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の量(μl)、wはポリエステル樹脂の試料の量(g)、fは、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の力価である。)
なお、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の力価(f)は以下の方法で求めた。試験管にメタノール5mlを採取し、フェノールレッドのエタノール溶液の指示薬として1〜2滴加え、0.lNの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液0.4mlで変色点まで滴定し、次いで力価既知の0.1Nの塩酸水溶液を標準液として0.2ml採取して加え、再度、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液で変色点まで滴定した(以上の操作は、乾燥窒素ガス吹き込み下で行った。)。以下の式(3)によって力価(f)を算出した。
力価(f)=0.1Nの塩酸水溶液の力価×0.1Nの塩酸水溶液の採取量(μl)/0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の滴定量(μl) (3)
<重合度の算出>
試料約20mgを重クロロホルム/重ヘキサフルオロイソプロパノール(体積比7/3)混合溶媒0.75mlに溶かし、重ピリジン25μl添加して、外径5mmのNMR試料管に移した。Bruker社製AVANCE400分光計を用い、室温で1H NMRスペクトルを測定した
。化学シフトの基準は、TMS(トリメチルシラン)のシグナルを0.00ppmとした。1、4ブタンジオール由来の末端OH基、末端ビニル基に対応するシグナル強度から末端OH基量(当量/トン)、末端ビニル基量(当量/トン)を算出し、これらと前記の末端カルボキシル基量(当量/トン)とを合算したものを総末端基量(当量/トン)とした。
続いて、以下の式(4)によって、数平均分子量(Mn)を算出した。
Mn=(2/総末端基量)×1000000 (4)
さらに、以下の式(5)によって、重合度を求めた。
重合度=Mn/PBT1ユニットの分子量 (5)
(PBTの1ユニットの分子量は220を採用した。)
<ペレット色調(b値)>
ペレット状PBTを内径30mm、深さ12mmの円柱状の粉体測定用セルに充填し、測色色差計Z300A(日本電色工業(株)社製)を使用して、JIS Z8730の参考例1に記載されるLab表示系におけるハンターの色差式の色座標によるb値を、反射法により、測定セルを90度ずつ回転させて4箇所測定した値の単純平均値として求めた。
<溶融粘度 Pa・sec>
溶融粘度の測定、東洋精機製キャピログラフ(キャピログラフ1B)を用いて、温度245℃、せん断速度10〜10000/sec、キャピラリー長10mm、キャピラリー直径1mmの条件で溶融粘度を測定した。また、実施例、比較例では、代表的に1000/secでの溶融粘度値を示す。
<微粉量 ppm>
脱水機の出口に平織り金網(40メッシュ、線径0.2mm)を設置し、ストランドカッティング開始から終了までに発生した微粉を採取した。フィルター上に採取された微粉を120℃で6時間乾燥し室温下で冷却後、微粉重量を測定した。微粉重量を、得られたPBTのペレットの重量で除した値を微粉量として求めた。
[実施例1]
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計、留出管、減圧用排気口を備えた反応容器に、テレフタル酸150.9重量部、1,4−ブタンジオール245.5重量部及び触媒としてテトラブチルチタネートをあらかじめ6重量%溶解させた1,4―ブタンジオール溶液0.95重量部(得られるPBTに対するチタン原子として40重量ppm)を仕込み、窒素―減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
系内を撹拌しながら150℃まで加温後、220℃に昇温しながらエステル化反応によって生成する水を留出させつつ4時間反応し、オリゴマーを得た。
続いて、酢酸マグネシウム4水和物をあらかじめ1重量%溶解させた1,4−ブタンジオール溶液を1.76重量部(得られるPBTに対するMg原子として10重量ppm)仕込んだ。
次に、0.5時間かけて245℃まで昇温するとともに、1.5時間かけて1torrになるように減圧し重縮合反応を行った。その後、反応系を常圧に戻し重縮合反応を終了した。得られたPBTを反応槽の底部からストランドとして抜き出し、40℃の冷却水中に潜らせた後、カッターでストランドを切断し、脱水機を経由させてペレット状のPBTを得た。冷却水の水温は、熱交換器を用いて調整した。
得られたPBTの固有粘度(IV)は0.61dL/g、重合度は45、末端カルボキシル基濃度(AV)は18当量/トンあった。溶融粘度は35Pa・secであった。減圧開始から重縮合反応終了までを重縮合時間として、固有粘度/重縮合反応時間を重縮合反応速度とした。重縮合反応速度は0.38dL/g/hであった。微粉量は56ppmであった。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において冷却水温を60℃とした以外は実施例1と同様に行い、PBTのペレットを得た。各種分析結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において冷却水温を20℃とした以外は実施例1と同様に行い、PBTのペレットを得た。各種分析結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1において1.5時間かけて1torrになるように減圧し、その後同減圧度で0.5時間重縮合反応を行った以外は実施例1と同様に行い、PBTのペレットを得た。各種分析結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において冷却水温を10℃とした以外は実施例1と同様に行い、PBTのペレ
ットを得た。各種分析結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において1.5時間かけて1torrになるように減圧し、その後同減圧度で1.0時間重縮合反応を行った以外は実施例1と同様に行い、PBTのペレットを得た。各種分析結果を表1に示す。重合度が高いため、微粉の発生量が少なかった。但し、溶融粘度が高いため、成形時の流動性が低かった。
Figure 0005928150
本発明により、溶融成形時の流動性が改善されたポリブチレンテレフタレートを効率的に製造できる。特に、電気・電子部品、精密機器部品などの複雑な構造を持つ射出成形品に有効である。

Claims (1)

  1. テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を主たる成分とするジカルボン酸成分と、1、4ブタンジオールを主たる成分とするジオールとのエステル化反応及び/またはエステル交換反応を行うエステル化工程、及びエステル化工程により得られたオリゴマーを重縮合反応する重縮合工程を経て、溶融ポリブチレンテレフタレートをストランド状に吐出し、固化後、切断してペレットを製造するに際し、重合度が20〜60の溶融ポリブチレンテレフタレートを20〜60℃の冷却水で固化後、切断することを特徴とするポリブチレンテレフタレートペレットの製造方法。
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