JP5926619B2 - リチウムイオン電池セパレータ用塗工液及びリチウムイオン電池セパレータの製造方法 - Google Patents

リチウムイオン電池セパレータ用塗工液及びリチウムイオン電池セパレータの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5926619B2
JP5926619B2 JP2012126407A JP2012126407A JP5926619B2 JP 5926619 B2 JP5926619 B2 JP 5926619B2 JP 2012126407 A JP2012126407 A JP 2012126407A JP 2012126407 A JP2012126407 A JP 2012126407A JP 5926619 B2 JP5926619 B2 JP 5926619B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium ion
ion battery
salt
battery separator
maleic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012126407A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013251205A (ja
Inventor
宏明 渡邉
宏明 渡邉
敬生 増田
敬生 増田
信子 高濱
信子 高濱
加藤 真
真 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2012126407A priority Critical patent/JP5926619B2/ja
Publication of JP2013251205A publication Critical patent/JP2013251205A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5926619B2 publication Critical patent/JP5926619B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Cell Separators (AREA)

Description

本発明は、リチウムイオン電池セパレータ用塗工液およびリチウムイオン電池セパレータの製造方法に関する。
電気化学素子のひとつであるリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高いという特徴を有し、携帯電話、携帯型音楽プレーヤー、ノート型パーソナルコンピューター等の携帯型電気機器の電源として広く利用されている。また、電気自転車、ハイブリッド自動車、電気自動車等の大型機器にも、リチウムイオン二次電池を利用する動きが広がっている。そのため、リチウムイオン二次電池には高容量化、大電流での充放電特性といった性能が求められているが、リチウムイオン二次電池は非水系電池であるため、水系電池と比較して、発煙、発火、破裂等の危険性が高いことが知られており、安全性の向上も要求されている。
リチウムイオン二次電池では、外熱による温度上昇、過充電、内部短絡、外部短絡等によって発煙等の危険性が高まる。これらは、外部保護回路によってある程度防ぐことが可能である。また、リチウムイオン電池セパレータとして使用されているポリオレフィン系樹脂の多孔質フィルムが120℃付近で溶融し、孔が閉塞して電流やイオンの流れを遮断することによって、電池の温度上昇が抑制される。これは、シャットダウン機能と呼ばれている。しかし、外熱によって温度が上昇した場合や温度上昇によって電池内部で化学反応が起きた場合には、シャットダウン機能が働いても電池温度は更に上昇し、電池温度が150℃以上にまで達すると、多孔質フィルムが収縮して内部短絡が起こり、発火等が起きることがあった。
このように、セパレータのシャットダウン機能では電池の発火を抑制することができ難くなっている。また、電池の高容量化に伴って充放電における大電流化も進んでおり、その際に発生するジュール熱を抑制するために、電解液を含浸したセパレータの抵抗値そのものを下げることも必要になっている。そのため、ポリオレフィン系樹脂の多孔質フィルムよりも熱収縮温度を上げることによって、内部短絡を起こり難くして電池の発火を抑制すると共に、抵抗値を下げることを目的として、金属酸化物微粒子を用いたセパレータが開発されている。このセパレータでは、金属酸化物微粒子によって細孔径をコントロールし、内部短絡の抑制、耐熱性の向上、抵抗値の低下が可能となっている。
例えば、擬似ベーマイトとバインダーとを混合し、別に準備したフィルム上にコーティング後に乾燥及び剥離することによって、多孔質フィルムとして得られた微細多孔擬似ベーマイト層を有するセパレータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このセパレータは、熱収縮温度は向上しているものの、粉落ちやひび割れが起こり易いために、巻き取り状のセパレータとして単独で取り出すのが難しく、電池製造時のハンドリングが悪いという問題があった。
また、不織布上及び不織布中に多孔性の無機被覆を有し、該無機被覆がアルミニウム(Al)、ケイ素(Si)及び/またはジルコニウム(Zr)の酸化物粒子を有しているセパレータが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このセパレータは、基材として不織布を利用しているため、ハンドリングが向上しているものの、ゾルゲル法によって生成するシリカ微粒子によって他の金属酸化物を目止めしているために、衝撃や変形による粉落ちやひび割れが発生し易く、これがピンホールの生成につながって内部短絡の原因となり、有用なセパレータとはいい難かった。
更に、耐熱性を有する絶縁性微粒子と、増粘剤と、分散媒とを含む塗工液、及び該塗工液を基材上に塗工したセパレータが提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、分散剤を更に含む塗工液、バインダーを更に含む塗工液が記載されている。増粘剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体などの合成高分子;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体;キサンタンガム、ウェランガム、ジェランガム、グアーガム、カラギーナンなどの天然多糖類;デキストリン、アルファー化でんぷんなどのでんぷん類;モンモリロナイト、ヘクトライトなどの粘土鉱物;ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドチタニアなどの無機酸化物類などが挙げられている。分散剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系の各種界面活性剤;ポリカルボン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩などの高分子系分散剤などが挙げられている。しかし、該塗工液を基材上に塗工したセパレータにおいては、塗工層表面に凹凸が発生したり、基材との接着性が十分でないために、基材上から絶縁性微粒子が脱落する場合があった。
特表2001−527274号公報 特表2005−536658号公報 国際公開第2009/096451号パンフレット
本発明は、耐熱性の高いリチウムイオン電池セパレータを製造するにあたり、アルミナ水和物、バインダーポリマーを少なくとも含有してなる塗工層表面の凹凸が少なく、粉落ちが少ないリチウムイオン電池セパレータを提供することにある。
本発明では、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、
(1)不織布に塗工、乾燥してリチウムイオン電池セパレータを製造するためのリチウムイオン電池セパレータ用塗工液において、アルミナ水和物とバインダーポリマーと脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩を含有してなり、媒体が水であり、該脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩がアルカリ金属塩又はアミドアンモニウム塩であり、脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩の添加量が、アルミナ水和物に対し、0.05質量%以上2.0質量%以下であることを特徴とするリチウムイオン電池セパレータ用塗工液、
(2)上記塗工液を不織布に塗工、乾燥することを特徴とするリチウムイオン電池セパレータの製造方法
を見い出した。
アルミナ水和物とバインダーポリマーと脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩を含有してなり、該脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩がアルカリ金属塩又はアミドアンモニウム塩であるリチウムイオン電池セパレータ用塗工液によって、該塗工液を、不織布に塗工、乾燥して得られるリチウムイオン電池セパレータにおける塗工層の表面の凹凸及び粉落ちが少ないという効果を達成することができる。
本発明の塗工液は、アルミナ水和物とバインダーポリマーと脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩を含有してなり、該脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩がアルカリ金属塩又はアミドアンモニウム塩であることを特徴とするリチウムイオン電池セパレータ用塗工液である。
アルミナ水和物としては、ギブサイト型、ベーマイト型、擬ベーマイト型、バイヤライト型、ジアスポア型の各種結晶型のものが上げられるが、本発明においては、電池安定性から合成ベーマイトであることが好ましい。
本発明のアルミナ水和物の平均粒径は、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上5μm以下である。なお、上記アルミナ水和物の平均粒径は、レーザー回折法による粒度分布測定から求められる平均粒子径である。
本発明のアルミナ水和物の形状については特に制限はなく、略球状、ラグビーボール状、キューブ状などの粒状でもよく、鱗片状や針状、板状などでもよい。また、微粒子の一次粒子が凝集し二次粒子となったものでも単粒子でも用いることができる。
具体的には、ドイツNabaltec社製APYRAL(登録商標) AOH、ACTILOX(登録商標)や河合石灰社製セラシュール(登録商標)BMT、BMB、BMIなどを挙げることができる。
本発明の塗工液に用いるバインダーポリマーとしては、電気化学的に安定かつ非水電解液に対して安定であれば特に制限はない。具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリレート共重合体、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリウレタンなどの樹脂が挙げられ、また、これらの樹脂の一部に、非水電解液への溶解を防止するために架橋構造を導入したものも用いることができる。これらのバインダーポリマーは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリレート共重合体が特に好ましい。
本発明の塗工液に用いるバインダーポリマーの添加量としては、アルミナ水和物に対し、3質量%以上25質量%以下が好ましい。塗工層の粉落ちと塗工層中の空隙のバランスの点から、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
本発明の塗工液に用いる脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩は、脂肪族オレフィンと無水マレイン酸の共重合体をアルカリ水溶液にて中和・加水分解することにより容易に得られる。
脂肪族オレフィンの具体例としては、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ヘキセン等の脂肪族モノオレフィン類等が挙げられる。凹凸が少なく、粉落ちし難いため、イソブテンが好ましい。
共重合物の製造方法は、特に限定されないが、脂肪族オレフィンと無水マレイン酸とのモノマー混合物を、炭化水素等の有機溶媒中で、有機過酸化物やアゾ系化合物等のラジカル開始剤を用いて共重合することにより容易に得られる。
脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩は、上記の方法により得られた共重合体を、水中でアルカリ金属の水酸化物又はアンモニアと反応させることによりアルカリ金属塩又はアミドアンモニウム塩として得られる。アルカリ金属の水酸化物又はアンモニアの使用量は、共重合体の量及び共重合体中の無水マレイン酸の量に応じて適宜選択するが、通常、アルカリ金属の水酸化物又はアンモニアを無水マレイン酸に対して30〜100モル%使用する。
脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩としては、例えばリチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、アミドアンモニウム塩が挙げられる。
本発明に用いられる脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩の質量平均分子量は好ましくは500〜500,000であり、より好ましくは5,000〜200,000である。質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
具体的には、クラレ社製イソバン(登録商標)04、06、10、18等を水中でアルカリ金属の水酸化物又はアンモニアで中和・加水分解したものやクラレ社製イソバン(登録商標)110、104、日本ゼオン社製クインフロー(登録商標)540、543などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
本発明の塗工液に用いる脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩の添加量としては、アルミナ水和物に対し、0.05質量%以上3.0質量%以下が好ましい。塗工層の粉落ち及び塗工層の表面性の点から0.1質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
本発明の塗工液は、好ましくは不織布に塗工される。不織布は従来公知の方法によって製造したものを用いることができる。例えば、スパンボンド法、メルトブロー法、乾式法、湿式法、エレクトロスピニング法などの方法によって製造したものを使用することができる。
本発明において、不織布表面の平坦化や厚みをコントロールする目的で、カレンダー処理や熱カレンダー処理により不織布を平滑化してもよい。
不織布の構成材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びそれらの誘導体、芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルなどのポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ポリアセタール、ポリカーボネート、脂肪族ポリケトン、芳香族ポリケトン、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリ(パラ−フェニレンベンゾビスチアゾール)、ポリ(パラ−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、ポリウレタン及びポリ塩化ビニルなどの樹脂からなる繊維並びにセルロース繊維などが挙げられる。該不織布はこれらの構成材料の2種以上を含有していても構わない。
本発明に用いる不織布としては、目付が5.0〜30.0g/mであるのが好ましい。目付が30.0g/mを超えると、不織布だけでセパレータの大半を占めることとなり、塗工層による効果が得られにくい場合がある。5.0g/m未満であると不織布としての均一性を得ることが難しい場合がある。不織布の目付としては、7.0〜20.0g/mがより好ましい。なお、目付はJIS P 8124(紙及び板紙−坪量測定法)に規定された方法に基づく坪量を意味する。
本発明の塗工液を不織布に塗工する方法に特に制限はなく、例えば、従来公知のエアドクターコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、含浸コーター、グラビアコーター、キスロールコーター、ダイコーター、リバースロールコーター、トランスファーロールコーター、スプレーコーター等が挙げられる。
本発明において、塗工層の付着量としては、1.0〜20.0g/mが好ましく、更に4.0〜17.5g/mがより好ましい。塗工層の付着量が1.0g/m未満であると、不織布表面を十分被覆することができず、細孔径が大きくなり、ショートが発生するなど良好な電池特性が発現しなくなる場合がある。一方、塗工層の付着量が20.0g/mを超えると、セパレータの薄膜化が困難となる場合がある。
上記の塗布方法により、均一な塗工層を作製するために、必要に応じて、増粘剤、消泡剤、ぬれ剤等を塗工液中に適宜添加することができる。
本発明において、塗工後に乾燥する方法は、特に限定されず、公知の乾燥方法を用いることができるが、特に熱風を吹きつける方法、赤外線を照射する方法など、加熱により乾燥する方法は、生産性が良く好ましく用いられる。
本発明において、セパレータの坪量は10.0〜50.0g/mが好ましく、15.0〜40.0g/mがより好ましい。また、セパレータの厚みは10.0〜50.0μmが好ましく、15.0〜40.0μmがより好ましい。セパレータの密度としては0.4〜1.2g/cmが好ましく、0.6〜1.0g/cmがより好ましい。
本発明において、塗工、乾燥後、塗工層表面の平坦化や厚みをコントロールする目的で、カレンダー処理によりリチウムイオン電池セパレータを平滑化してもよい。
以下、本発明の実施例を示す。
<不織布の作製>
繊度0.06dtex(平均繊維径2.4μm)、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維45質量部と繊度0.1dtex(平均繊維径3.0μm)、繊維長3mmの配向結晶化PET系短繊維15質量部と繊度0.2dtex(平均繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用PET系短繊維(軟化点120℃、融点230℃)40質量部とを一緒に混合し、パルパーにより水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した。円網抄紙機を用い、この抄造用スラリーを湿式方式で抄き上げ、120℃のシリンダードライヤーによって、バインダー用PET系短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、目付15.2g/mの不織布とした。更に、この不織布を金属ロール−金属ロールからなる1ニップの熱カレンダーを使用して、ロール温度185℃、線圧740N/cm、搬送速度20m/分で加熱処理を実施し、厚み27μmの不織布を作製した。
<脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩の作製>
(脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩A)
蒸留水566質量部に水酸化ナトリウム41.5質量部を溶解し、そこにアジテーターによる撹拌のもとイソバン(登録商標)#10(クラレ社製、イソブチレン−無水マレイン酸共重合物、質量平均分子量160,000〜170,000)を添加し、更に95℃に加熱しながら4時間撹拌して溶解させた。冷却後、蒸発による減量分の蒸留水を追加して脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩A(中和度0.8)の20質量%水溶液を作製した。
(脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩B)
蒸留水632.4質量部に水酸化カリウム58.1質量部を溶解し、アジテーターによる撹拌のもとイソバン(登録商標)#10(クラレ社製、イソブチレン−無水マレイン酸共重合物、質量平均分子量160,000〜170,000)を添加し、更に95℃に加熱しながら4時間撹拌して溶解させた。冷却後、蒸発による減量分の蒸留水を追加して脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩B(中和度0.8)の20質量%水溶液を作製した。
(脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩C)
蒸留水524.5質量部に水酸化リチウム31.1質量部を溶解し、アジテーターによる撹拌のもとイソバン(登録商標)#10(クラレ社製、イソブチレン−無水マレイン酸共重合物、質量平均分子量160,000〜170,000)100部を添加し、更に95℃に加熱しながら4時間撹拌して溶解させた。冷却後、蒸発による減量分の蒸留水を追加して脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩C(中和度0.8)の20質量%水溶液を作製した。
実施例1
アルミナ水和物A(ベーマイト、単粒子、平均粒子径0.9μm、ナバルテック社製、商品名:APYRAL(登録商標)−AOH60)を固形分換算で90.3質量部、脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩Aを固形分換算で0.5質量部をホモジナイザーにて混合、撹拌し、次いでカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液B粘度7000mPa・s、エーテル化度0.7)を固形分換算で0.2質量部を混合、撹拌し、次にスチレン−ブタジエンラテックスを固形分換算で9質量部を混合、撹拌し、更にイオン交換水を加えて、固形分濃度25質量%の塗工液Aを作製した。上記熱カレンダー処理後の不織布に、グラビアコーターにて、乾燥固形分10.2g/mとなるように、不織布片面にこの塗工液を均一に塗工して、厚み30.2μmのリチウムイオン電池セパレータを得た。
実施例2
実施例1において脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩Aの代わりに脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩Bを用いた以外は、実施例1と同様にして塗工液Bを調製、塗工し、塗工層の乾燥固形分10.5g/m、厚み31.0μmのリチウムイオン電池セパレータを得た。
実施例3
実施例1において脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩Aの代わりに脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩Cを用いた以外は、実施例1と同様にして塗工液Cを調製、塗工し、塗工層の乾燥固形分10.5g/m、厚み31.0μmのリチウムイオン電池セパレータを得た。
実施例4
アルミナ水和物Aを固形分換算で90.3質量部、脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩としてイソバン(登録商標)#104(クラレ社製、イソブチレン−マレイン酸共重合物のアミドアンモニウム塩、質量平均分子量55,000〜65,000)を固形分換算で0.5質量部をホモジナイザーにて混合、撹拌し、次いでカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液B粘度7000mPa・s、エーテル化度0.7)を固形分換算で0.2質量部を混合、撹拌し、次にスチレン−ブタジエンラテックスを固形分換算で9質量部を混合、撹拌し、更にイオン交換水を加えて、固形分濃度25質量%の塗工液Dを作製した。上記熱カレンダー処理後の不織布に、グラビアコーターにて、乾燥固形分10.5g/mとなるように、不織布片面にこの塗工液を均一に塗工して、厚み30.8μmのリチウムイオン電池セパレータを得た。
実施例5
実施例4においてイソバン(登録商標)#104の代わりにイソバン(登録商標)#110(クラレ社製、イソブチレン−マレイン酸共重合物のアミドアンモニウム塩、質量平均分子量160,000〜170,000)を使用した以外は、実施例1と同様にして塗工液Eを調製、塗工し、塗工層の乾燥固形分10.5g/m、厚み31.0μmのリチウムイオン電池セパレータを得た。
実施例6
実施例1においてイソバン(登録商標)#104の代わりにクインフロー(登録商標)543(日本ゼオン社製、2−メチル−2−ブテン−マレイン酸共重合物のアミドアンモニウム塩、質量平均分子量8,000)を使用した以外は、実施例1と同様にして塗工液Fを調製、塗工し、塗工層の乾燥固形分10.5g/m、厚み31.0μmのリチウムイオン電池セパレータを得た。
実施例7
実施例5においてアルミナ水和物Aの代わりにアルミナ水和物I(擬ベーマイト、凝集粒子、平均粒子径0.4μm、サソール社製、商品名:DISPERAL(登録商標) 80)を用いた以外は、実施例5と同様にして塗工液Gを調製、塗工し、塗工層の乾燥固形分10.2g/m、厚み28.9μmのリチウムイオン電池セパレータを得た。
(比較例1)
実施例1において脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩Aを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして塗工液Hを調製、塗工し、塗工層の乾燥固形分10.1g/m、厚み29.7μmのリチウムイオン電池セパレータを得た。
(比較例2)
実施例1においてイソバン(登録商標)#104の代わりにアロン(登録商標)T−50(東亜合成社製、ポリアクリル酸ナトリウム塩、質量平均分子量6,000)を使用した以外は、実施例1と同様にして塗工液Iを調製、塗工し、塗工層の乾燥固形分10.1g/m、厚み30.8μmのリチウムイオン電池セパレータを得た。
(比較例3)
実施例1においてイソバン(登録商標)#104の代わりにアラスター(登録商標)703S(荒川化学社製、スチレン−マレイン酸共重合物)を使用した以外は、実施例1と同様にして塗工液Jを調製、塗工し、塗工層の乾燥固形分10.4g/m、厚み31.6μmのリチウムイオン電池セパレータを得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた塗工液及びリチウムイオン電池セパレータについて、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
[表面性]
作製したセパレータについて、セパレータの表面のざらつきと50mm幅×200mmの短冊状に切り、上端をテープにて固定し、その上を50gの重りを載せた黒色の布を滑らせて、その時の黒色の布及びセパレータについて目視にて確認し、次の度合いで評価した。
◎:塗工層表面のざらつき、黒色の布への塗工層の付着及び塗工層に剥がれも見られない。
○:若干、表面のざらつきがあり、黒色の布の表面に塗工層がついているが、塗工層に剥がれは見られない。
△:若干、表面のざらつきがあり、黒色の布の表面に塗工層がついており、塗工層に剥がれが見られる。
×:表面のざらつきが見られ、黒色の布の表面に大量に塗工層がついており、塗工層に剥がれが見られる。
実施例1〜7のアルミナ水和物とバインダーポリマーと脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩とを含有してなり、該脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩がアルカリ金属塩又はアミドアンモニウム塩であるため、これを塗工・乾燥して作製したセパレータにおいて、塗工層の粉落ちや剥がれが少なく、塗工層表面の凹凸が少ないという良好な結果が得られた。
比較例1では、脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩を含有していないため、これを不織布に塗工・乾燥して作製したセパレータにおいては、表面性が悪化する傾向が見られた。
比較例2では、脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩の代わりにポリアクリル酸の塩のため、これを不織布に塗工・乾燥して作製したセパレータにおいては、表面性が悪化する傾向が見られた。
比較例3では、脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩の代わりにスチレン−マレイン酸共重合物であるため、これを不織布に塗工・乾燥して作製したセパレータにおいては、表面性が悪化する傾向が見られた。
本発明のリチウムイオン電池セパレータ用塗工液及びリチウムイオン電池セパレータの製造方法は、リチウムイオン二次電池用途以外にも、マンガン乾電池、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、リチウム一次電池、鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池、ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−亜鉛蓄電池、酸化銀−亜鉛蓄電池、リチウムポリマー電池、各種のゲル電解質電池、亜鉛−空気蓄電池、鉄−空気蓄電池、アルミニウム−空気蓄電池、燃料電池、太陽電池、ナトリウム硫黄電池、ポリアセン電池、電解コンデンサー、電気二重層キャパシター、リチウムイオンキャパシター等に利用できる。

Claims (2)

  1. 不織布に塗工、乾燥してリチウムイオン電池セパレータを製造するためのリチウムイオン電池セパレータ用塗工液において、アルミナ水和物とバインダーポリマーと脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩を含有してなり、媒体が水であり、該脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩がアルカリ金属塩又はアミドアンモニウム塩であり、脂肪族オレフィン−マレイン酸共重合物の塩の添加量が、アルミナ水和物に対し、0.05質量%以上2.0質量%以下であることを特徴とするリチウムイオン電池セパレータ用塗工液。
  2. 請求項1の塗工液を不織布に塗工、乾燥することを特徴とするリチウムイオン電池セパレータの製造方法
JP2012126407A 2012-06-01 2012-06-01 リチウムイオン電池セパレータ用塗工液及びリチウムイオン電池セパレータの製造方法 Expired - Fee Related JP5926619B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012126407A JP5926619B2 (ja) 2012-06-01 2012-06-01 リチウムイオン電池セパレータ用塗工液及びリチウムイオン電池セパレータの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012126407A JP5926619B2 (ja) 2012-06-01 2012-06-01 リチウムイオン電池セパレータ用塗工液及びリチウムイオン電池セパレータの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013251205A JP2013251205A (ja) 2013-12-12
JP5926619B2 true JP5926619B2 (ja) 2016-05-25

Family

ID=49849674

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012126407A Expired - Fee Related JP5926619B2 (ja) 2012-06-01 2012-06-01 リチウムイオン電池セパレータ用塗工液及びリチウムイオン電池セパレータの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5926619B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI681589B (zh) 2017-01-16 2020-01-01 日商可樂麗股份有限公司 非水電解質電池電極用增黏安定劑、以及包含其之黏合劑組成物、非水電解質電池電極用漿體組成物、非水電解質電池電極及非水電解質電池

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102035034B1 (ko) * 2012-12-28 2019-10-23 에스케이이노베이션 주식회사 내열성 및 전기화학적 안정성이 우수한 복합 미세다공막 및 이의 제조방법
JP6340826B2 (ja) * 2014-02-26 2018-06-13 日本ゼオン株式会社 二次電池多孔膜用スラリー、製造方法、二次電池用多孔膜、及び二次電池
JP6056814B2 (ja) * 2014-07-29 2017-01-11 住友化学株式会社 多孔質膜
WO2017022845A1 (ja) * 2015-08-06 2017-02-09 株式会社クラレ 非水電解質電池セパレータ用樹脂組成物、並びに、それを用いた非水電解質電池用セパレータ及び非水電解質電池
CN113224461A (zh) * 2021-03-30 2021-08-06 深圳供电局有限公司 耐高温锂离子电池隔膜及其制备方法和应用

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4195810B2 (ja) * 2002-12-16 2008-12-17 東燃化学株式会社 ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法並びに用途
JP4121846B2 (ja) * 2002-12-16 2008-07-23 東燃化学株式会社 ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法並びに用途
JP4657019B2 (ja) * 2005-06-15 2011-03-23 株式会社デンソー 非水電解液二次電池
KR100815028B1 (ko) * 2005-10-05 2008-03-18 삼성전자주식회사 탄소나노튜브용 분산제 및 이를 포함하는 조성물
JP4839833B2 (ja) * 2005-12-27 2011-12-21 Tdk株式会社 電極塗料並びにこれを用いて形成された電極及び電気化学素子
EP2755256B1 (en) * 2011-09-08 2016-10-26 Zeon Corporation Slurry for secondary batteries

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI681589B (zh) 2017-01-16 2020-01-01 日商可樂麗股份有限公司 非水電解質電池電極用增黏安定劑、以及包含其之黏合劑組成物、非水電解質電池電極用漿體組成物、非水電解質電池電極及非水電解質電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013251205A (ja) 2013-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5829557B2 (ja) 金属イオン二次電池セパレータの製造方法
JP5926619B2 (ja) リチウムイオン電池セパレータ用塗工液及びリチウムイオン電池セパレータの製造方法
JP6523531B2 (ja) 積層多孔質フィルムの製造方法
JP6292625B2 (ja) リチウムイオン電池用セパレータ
WO2019153822A1 (zh) 一种粘结性聚合物涂覆锂离子电池隔膜及其制备方法
JP6739320B2 (ja) 蓄電デバイス用セパレータ
KR102618605B1 (ko) 비수계 이차전지 기능층용 조성물 및 그 제조 방법, 비수계 이차전지용 기능층 및 비수계 이차전지
CN111466043A (zh) 二次电池用多孔性复合隔膜及包含该复合隔膜的锂二次电池
CN111326697A (zh) 一种涂覆的隔膜及其制备方法
JP6022227B2 (ja) 塗工液、積層多孔質フィルム及び非水電解液二次電池
CN107925034A (zh) 电池用隔膜及其制造方法
JP2018147578A (ja) 蓄電デバイス用セパレータ
JP5750033B2 (ja) リチウムイオン電池セパレータ
JP6503790B2 (ja) 非水系二次電池多孔膜用バインダー、非水系二次電池多孔膜用組成物、非水系二次電池用多孔膜および非水系二次電池
WO2022114228A1 (ja) 蓄電デバイス用セパレータ及びこれを含む蓄電デバイス
JP2013084367A (ja) リチウムイオン電池セパレータ用塗工液およびリチウムイオン電池セパレータ
JP6257135B2 (ja) リチウムイオン電池セパレータおよびリチウムイオン電池セパレータ用塗工液
JP5841510B2 (ja) 金属イオン二次電池セパレータ用塗液及び金属イオン二次電池セパレータ
JP2019008882A (ja) パターン塗工用スラリー
JP5876375B2 (ja) 金属イオン二次電池セパレータ
JP2014154527A (ja) リチウムイオン電池セパレータ
JP2022089292A (ja) 電池用セパレータ
JP6765277B2 (ja) リチウムイオン電池
TWI709267B (zh) 電池用隔膜及其製造方法
JP6581533B2 (ja) リチウムイオン電池用セパレータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160422

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5926619

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees