JP5923001B2 - リフレクタ成形用金型離型フィルム、それを用いたリフレクタを有する発光装置用基板の製造方法 - Google Patents

リフレクタ成形用金型離型フィルム、それを用いたリフレクタを有する発光装置用基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リフレクタ成形用金型離型フィルム、それを用いたリフレクタを有する発光装置用基板の製造方法およびリフレクタを有する発光装置用基板に関する。
発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)やレーザーダイオード(LD;Laser Diode)などの発光素子を含む発光装置は、小型で電力効率がよく、鮮やかな色の発光をする。また、発光素子は半導体素子であるため、球切れなどの心配が少ない。さらに、発光素子は、初期の駆動特性に優れており、振動や繰り返しの点灯・点滅(オン・オフ)にも耐えうる。そのため、発光素子を含む発光装置は、各種の光源として利用されている。
図5は、表面実装型の発光装置の基本的な構成を示す部分模式図である。図5に示されるように、表面実装型の発光装置1は、発光素子3と、それを搭載する凹部を有する取り付け体5とを有する。発光素子の取り付け体5は、通常、電極基板5Aと、その上に設けられた、前述の凹部を形成するリフレクタ5Bとを有する。そして、発光素子3から出射された光を、取り付け体5の凹部の底面および側面(リフレクタ5B)で反射させて、発光素子3から種々の方向に出射された光を一方向に集光し、明るさを向上させている。ここで、電極基板5Aとは、発光素子3と電気的に接続するための電極を備えた基板であり、リードフレームやインナーリードなどである。
リフレクタ5Bは、例えば、熱硬化性樹脂の成形体などであることが知られている(例えば特許文献1)。また、リフレクタ5Bの側面(発光素子の取り付け体5の凹部の側面)に、光反射性の金属粉の集合体や蛍光塗料からなる光反射部を設けて、光をさらに強く反射させることが提案されている(例えば特許文献2)。
このような発光素子の取り付け体5は、例えば金型内で熱硬化性樹脂を成形して得られることが知られている(例えば特許文献1)。具体的には、金型内面に離型フィルムを設けておくことで、成形後に得られる取り付け体を、金型から容易に取り出すことができるとされている(例えば特許文献2)。
金型成形に用いられる離型フィルムには、種々のものがある。例えば、半導体モールド用の離型フィルムとして、成形品からの離型を担う層(A層)と、成形時の加熱に対する耐熱性を担う層(B層)とを含み、成形品からの剥離力が特定の範囲に調整された離型フィルムが提案されている(例えば特許文献3)。具体的には、ポリ4−メチル−1−ペンテン/接着層/PETの3層構造を有する離型フィルムが開示されている。
また、多層プリント基板製造用の離型フィルムとして、A層(表面層)、B層(接着層)、C層(基材層)、B’層(接着層)およびA’層(表面層)の5層構造を有し、A層(表面層)およびA’層(表面層)が4−メチル−1−ペンテン系重合体樹脂を含むフィルムが提案されている(例えば、特許文献4)。また、半導体樹脂パッケージ製造用の離型フィルムとして、A層(表面層)、B層(接着層)、C層(基材層)、B’層(接着層)およびA’層(表面層)の5層構造を有し、A層(表面層)およびA’層(表面層)が4−メチル−1−ペンテン系重合体を主成分として含み;B層(接着層)が変性4−メチル−1−ペンテン系重合体を含み;C層(基材層)がポリアミド樹脂を含むフィルムが提案されている(例えば、特許文献5)。
一方、プレス成形に用いられる離型フィルムとして、4−メチル−1−ペンテン系共重合体から形成される層(A)を有し、当該層(A)の表面がエンボス加工されたフィルムが提案されている(特許文献6および7)。
特開2006−156704号公報 特開2003−188422号公報 特開2002−158242号公報 特開2004−82717号公報 国際公開第2010/023907号 国際公開第2008/001682号 特開2008−246882号公報
表面実装型発光装置における発光素子の取り付け体(リフレクタを有する発光装置用基板)は、発光素子が小型であることから、複雑な形状となりやすい。特に、複数の発光素子が実装される表面実装型発光装置では、発光素子の取り付け体は、より複雑な形状となりやすい。
前述の通り、発光素子の取り付け体は、金型内で、電極基板上に熱硬化性樹脂を成形して得られる。得られる成形品を金型から容易に取り出せるようにするために、金型成形時には、金型の内面と成形品との間に離型フィルムを配置する。
しかしながら、従来の離型フィルムの表面は、例えばエンボス加工などの比較的大きな凸凹が形成されている。そのため、金型内で、離型フィルムの表面と電極基板との間に隙間が形成されやすく、当該隙間に液状の成形用樹脂が入りこみやすい。その結果、図6に示されるように、得られる成形品の電極基板上にバリが生じやすいという問題があった。
前述の発光装置1では、発光素子3は、電極基板5A(リードフレーム)上に搭載され、ワイヤ7Aを介して電極基板5Aと電気的に接続される。そのため、発光素子3と接続される電極基板5Aの表面が、成形用樹脂などで汚染されていたり、バリが生じていたりすると、電極基板5Aと発光素子3との電気的な接続に不具合を生じるおそれがあった。
ところで、発光素子の取り付け体以外の用途;例えば特許文献5の半導体樹脂パッケージの製造においては、成形用樹脂によるバリが生じても、そのバリの大部分は他の不要部分とともに除去されるため、問題になりにくい。一方、成形後に得られる発光素子の取り付け体には、不要部分がほとんどないため、バリの除去に工数がかかってしまう。そのため、電極基板の汚染やバリの発生を抑制しうる離型フィルムが特に必要となる。
また、従来の離型フィルムは、前述の通り、表面の凸凹に液状の成形用樹脂が入りこみやすいため、得られる成形品からの離型フィルムの離型性が低下しやすいという問題もあった。
さらに、従来と同様に、離型フィルムには、金型追従性が高く、シワを生じにくいことも求められる。即ち、金型内面に十分に密着できていないと、金型内面と離型フィルムとの間に空間が生じやすい。そのため、図6に示されるように、金型の形状と、成形品の形状とが大きく異なることがある。また、離型フィルムにシワが生じやすいと、離型フィルムに生じたシワが取り付け体に転写されて、所望の形状の成形品を寸法精度よく得られないことがあった。
このように、寸法精度の高い発光素子の取り付け体を得るためには、金型からの離型性に優れることはもちろん、電極部分の汚染やバリの発生を抑制し、金型形状に十分追従する離型フィルムが望まれる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、金型や成形品との離型性に優れ、かつバリの発生を抑制でき、金型形状への追従性がよく、シワを生じにくい離型フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、当該離型フィルムを用いて、電極の汚染やバリが少なく、寸法精度の高い、リフレクタを有する発光装置用基板の製造方法を提供することを目的とする。
[1] 基材層Cと、4−メチル−1−ペンテン系重合体を主成分として含む最外層Aと、前記基材層Cと前記最外層Aとを接着させる接着層Bと、を含み、前記最外層Aが離型層であり、前記最外層Aの表面の十点平均粗さRzJISが、0μm以上15μm以下である、リフレクタ成形用金型離型フィルム。
[2] 前記基材層Cは、ポリアミド樹脂を含み、前記接着層Bは、変性4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む、[1]に記載のリフレクタ成形用金型離型フィルム。
[3] 前記基材層Cと、前記基材層Cを挟持し、4−メチル−1−ペンテン系重合体を主成分として含む前記最外層Aおよび他の層A’と、前記最外層Aと前記基材層Cとの間および前記他の層A’と前記基材層Cとの間を接着させる一対の前記接着層Bと、を含む、[1]または[2]に記載のリフレクタ成形用金型離型フィルム。
[4] 前記他の層A’の表面の十点平均粗さRzJISは、前記最外層Aの表面の十点平均粗さRzJISよりも大きい、[3]に記載のリフレクタ成形用金型離型フィルム。
[5] 前記ポリアミド樹脂は、ポリアミド6またはポリアミド66である、[2]に記載のリフレクタ成形用金型離型フィルム。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載のリフレクタ成形用金型離型フィルムを、前記フィルムの最外層Aとは反対側の面が金型内面に接するように配置する工程と、前記金型内に、電極基板を配置する工程と、前記金型内に成形用樹脂組成物を充填して、リフレクタを有する発光装置用基板を得る工程と、を含む、リフレクタを有する発光装置用基板の製造方法。
[7] 前記リフレクタを有する発光装置用基板から前記リフレクタ成形用離型フィルムを剥離する工程をさらに含む、[6]に記載のリフレクタを有する発光装置用基板の製造方法。
[8] 前記リフレクタが、発光ダイオード素子用のリフレクタである、[6]または[7]に記載のリフレクタを有する発光装置用基板の製造方法。
[9] 前記リフレクタ成形用金型離型フィルムを、前記フィルムの最外層Aとは反対側の面が金型内面に接するように配置する工程と、前記金型内に電極基板を配置する工程と、前記金型内に成形用樹脂組成物を充填して、リフレクタを有する発光装置用基板を得る工程と、前記リフレクタを有する発光装置用基板から前記リフレクタ成形用離型フィルムを剥離する工程と、を含むリフレクタを有する発光装置用基板の製造工程に用いられる、[1]〜[5]のいずれかに記載のリフレクタ成形用金型離型フィルム。
[10] [6]〜[8]のいずれかに記載の製造方法で得られる、リフレクタを有する発光装置用基板。
本発明の離型フィルムは、金型や成形品との離型性に優れ、かつバリの発生を抑制できる。また、本発明の離型フィルムは、金型形状への追従性がよく、シワを生じにくく、ピンホールや破れも生じにくい。さらに、本発明の離型フィルムを用いることで、成形樹脂の漏れによる金型汚染を抑制しつつ、電極面の汚染やバリが少なく、寸法精度や形状精度の高いリフレクタを有する発光装置用基板を得ることができる。
本発明の離型フィルムの構成の一例を示す模式図である。 金型内への離型フィルムと電極基板の配置方法の一例を示す模式図である。 金型を型締めしたときの、キャビティ部分の一例を示す拡大図である。 成形後に得られる樹脂成形体の一例を示す模式図である。 発光素子を含む発光装置の一例を示す部分拡大図である。 発光素子を含む発光装置用基板の不具合の例を示す部分拡大図である。
1.リフレクタ成形用金型離型フィルム
本発明のリフレクタ成形用金型離型フィルム(離型フィルム)は、基材層Cと、4−メチル−1−ペンテン系重合体を主成分として含む最外層Aと、基材層Cと最外層Aとを接着させる接着層Bとを含む。
本発明における離型フィルムは、成形金型の内部で、樹脂成形体(好ましくはリフレクタを有する発光装置用基板)を製造するときに、成形金型の内面に配置される。金型内面に、本発明の離型フィルムを配置することで、得られる樹脂成形体(好ましくはリフレクタを有する発光装置用基板)を、金型から容易に剥離することができる。
最外層A(離型層)について
最外層Aは、フィルムに離型性を付与する機能を有する。最外層Aは、樹脂成形体と接するように配置される。そのため、最外層Aは、高い離型性と耐熱性とを有することが求められる。
最外層Aは、4−メチル−1−ペンテン系重合体を主成分として含む。4−メチル−1−ペンテン系重合体は、融点が220〜240℃と高く、樹脂成形体の製造工程における金型温度で溶融しないだけでなく、表面エネルギーが低いことから離型性に優れる。本発明において、記号「〜」はその両端の範囲を含むものであり、以下においても同様である。
4−メチル−1−ペンテン系重合体とは、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体(4−メチル−1−ペンテン単独重合体)、または4−メチル−1−ペンテンと4−メチル−1−ペンテン以外の他のモノマーとの共重合体(4−メチル−1−ペンテン共重合体)をいう。
4−メチル−1−ペンテン共重合体における他のモノマーの例には、炭素原子数2〜20のα−オレフィンが含まれる。炭素原子数2〜20のα−オレフィンの例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、および1−エイコセン等が含まれる。これらのα−オレフィンは、単独で、または2種以上を組み合せて用いてもよい。
炭素原子数2〜20のα−オレフィンのうち、炭素原子数7〜20のα−オレフィンが好ましく、炭素原子数8〜20のα−オレフィンがより好ましく、炭素原子数10〜20のα−オレフィンがさらに好ましい。
4−メチル−1−ペンテン共重合体における、4−メチル−1−ペンテンに由来する繰返し単位は、93質量%以上が好ましく、93〜99質量%がより好ましく、95〜98質量%がさらに好ましい。このような、4−メチル−1−ペンテン共重合体は、4−メチル−1−ペンテンに由来する良好な剛性と、α−オレフィンに由来する良好な成形性とを有する。
4−メチル−1−ペンテン系重合体は、結晶性を有することが好ましい。具体的には、4−メチル−1−ペンテン系重合体は、アイソタクチック構造またはシンジオタクチック構造を有することが好ましく、アイソタクチック構造を有することがより好ましい。4−メチル−1−ペンテン系重合体の分子量は、成形性および機械的特性を満たす範囲であれば、特に限定されない。
4−メチル−1−ペンテン系重合体の、ASTM D1238に準じて、荷重5.0kg、温度260℃で測定されるメルトフローレート(MFR)は、0.5〜250g/10分であることが好ましく、1.0〜150g/10分であることがより好ましい。4−メチル−1−ペンテン系重合体のMFRが、上記範囲にあると、製膜性や得られるフィルムの機械的特性に優れる。
4−メチル−1−ペンテン系重合体は、任意の方法で製造されうる。たとえば、4−メチル−1−ペンテンをチーグラ・ナッタ触媒、メタロセン系触媒等の公知の触媒の存在下で重合させることにより得られる。本発明で用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体は、前述のように製造したものであってもよいし;市販品であってもよい。4−メチル−1−ペンテン系重合体の市販品の例には、三井化学株式会社製TPX等が含まれる。
最外層Aは、本発明の目的を損なわない範囲で、4−メチル−1−ペンテン系重合体以外の他の樹脂をさらに含んでもよい。
最外層Aは、本発明の目的を損なわない範囲で、添加剤をさらに含んでもよい。添加剤の例には、耐熱安定剤、耐候安定剤、発錆防止剤、耐銅害安定剤、帯電防止剤等の通常ポリオレフィンに配合される公知の添加剤が含まれる。添加剤の添加量は、4−メチル−1−ペンテン共重合体樹脂100質量部に対して、0.0001〜10質量部とすることが好ましい。
本発明では、後述するリフレクタを有する発光装置用基板の製造工程において、得られる樹脂成形体からの離型性を高め、かつ成形用樹脂組成物による電極基板の表面の汚染やバリを抑制するためには、樹脂成形体と接する最外層Aの表面粗さを一定以下にすることが好ましい。
具体的には、最外層Aの表面の十点平均粗さRzJISが、0μm以上15μm以下であることが好ましく、0μm以上10μm以下であることがより好ましく、0μm以上8μm以下であることがさらに好ましい。
即ち、最外層Aの表面の粗さが大きすぎると、金型成形時に、最外層Aの表面の凸凹に液状の成形用樹脂組成物が入り込むため、離型フィルムの樹脂成形体からの離型性が低下することがある。また、最外層Aの表面の粗さが大きすぎると、最外層Aの表面の凸凹と電極基板との間に形成される隙間に、液状の成形用樹脂組成物が入り込むため、電極基板の表面を汚染したり、バリを生じたりすることがある。電極基板に生じたバリは、電気的不良を生じさせるおそれがある。これに対して、最外層Aの表面の十点平均粗さRzJISが0μm以上15μm以下の範囲であると、最外層Aの表面の凸凹に液状の成形用樹脂組成物が入り込みにくいため、樹脂成形体からの離型が容易である。また、金型内で、離型フィルムと電極基板との間に隙間が形成されにくいため、電極面のバリを抑制できる。
最外層Aの表面の十点平均粗さRzJISは、JIS−B0601に準拠した方法;具体的には、表面粗さ形測定機(東京精密社製、surfcom 130A)を用いて、測定長40mm、速度0.3mm/sにて測定されうる。
最外層Aの表面粗さは、例えば、各層用材料の溶融物を共押出して離型フィルムを製造する際の、キャストロールの表面粗さによって調整することができる。
基材層Cについて
基材層Cは、離型フィルムの基材としての機能を有する。そのため、基材層Cは、耐熱性および機械的特性に優れることが好ましい。特に、基材層Cの主成分となる樹脂は、最外層Aの主成分である4−メチル−1−ペンテン系重合体よりも、高温での強度および耐クリープ性に優れることが好ましい。ここでの高温とは、樹脂成形体を製造する際の金型温度を意味する。
このような樹脂の例には、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂が含まれる。なかでも、ポリアミド樹脂が好ましく、脂肪族ポリアミド樹脂がより好ましい。これらのポリアミド樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂と比較して、後述の接着層Bに含まれる変性4−メチル−1ーペンテン系重合体との接着性が高いため、最外層Aと基材層Cとの層間剥離を効果的に抑制できる。
脂肪族ポリアミド樹脂は、ラクタムの開環重合;脂肪族ジアミン成分と脂肪族ジカルボン酸成分との重縮合反応;または脂肪族アミノカルボン酸の重縮合によって得ることができる。
ラクタムを開環重合して得られる脂肪族ポリアミドの例には、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12およびポリアミド612等が含まれる。脂肪族ジアミン成分と脂肪族ジカルボン酸成分との重縮合で得られる脂肪族ポリアミドの例には、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド46、ポリアミドMXD6、ポリアミド6T、ポリアミド6Iおよびポリアミド9T等が含まれる。
なかでも、ポリアミド6またはポリアミド66が好ましく;ポリアミド66がより好ましい。これらのポリアミドは、後述する接着層Bとの接着性が良好であるだけでなく、高融点かつ高弾性率であり、耐熱性および機械的特性に優れるからである。これらのポリアミドを含む基材層Cを有する離型フィルムは、金型内でシワを生じ難いだけでなく、ピンホール状の破れも生じ難い。ピンホール状の破れを介した成形用樹脂組成物の漏れが著しいと、金型キャビティ内壁に成形用樹脂組成物の成分の一部が付着および堆積し、短時間で金型を汚染するため、好ましくない。
脂肪族ポリアミドの、DSC法により測定される融点は、190℃以上が好ましい。190℃よりも低い融点を有する脂肪族ポリアミドを基材層(C)とする離型フィルムは、耐熱性が十分でないことがあり、シワが生じやすいからである。
基材層Cは、多層であってもよく、例えば「C/C’/C」で示されるように3層であってもよい。その場合、基材層Cおよび基材層C’の少なくとも一方がポリアミド66を含むことが好ましい。
基材層Cは、前述のポリアミド樹脂等以外の他の樹脂をさらに含んでもよい。他の樹脂の好ましい例には、最外層Aの主成分である4−メチル−1−ペンテン系重合体よりも、高温での引張応力や圧縮応力に対する耐クリープ性に優れる耐熱エラストマーや、応力緩和しにくく、弾性回復性の高い耐熱エラストマーなどが含まれる。
このような耐熱エラストマーの例には、接着層Bとの接着性を考慮すると、熱可塑性ポリアミド系エラストマー、熱可塑性ポリエステル系エラストマーなどが含まれる。
熱可塑性ポリアミド系エラストマーの例には、ポリアミドをハードセグメントとし、ポリエステルまたはポリエーテルをソフトセグメントとするブロック共重合体が含まれる。ハードセグメントを構成するポリアミドの例には、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11などが含まれる。ソフトセグメントを構成するポリエーテルの例には、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)などが含まれる。
熱可塑性ポリエステル系エラストマーの例には、結晶性の芳香族ポリエステル単位からなる結晶性重合体をハードセグメントとし、ポリエーテル単位または脂肪族ポリエステル単位からなる非晶性重合体をソフトセグメントとするブロック共重合体が含まれる。ハードセグメントを構成する結晶性の芳香族ポリエステル単位からなる結晶性重合体の例には、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などが含まれる。ソフトセグメントを構成するポリエーテル単位からなる非晶性重合体の例には、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)などが含まれる。ソフトセグメントを構成する脂肪族ポリエステル単位からなる非晶性重合体の例には、ポリカプロラクトン(PCL)などの脂肪族ポリエステルが含まれる。
熱可塑性ポリエステル系エラストマーの具体例には、ポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)とのブロック共重合体;ポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリカプロラクトン(PCL)とのブロック共重合体;ポリブチレンナフタレート(PBN)と脂肪族ポリエステルとのブロック共重合体などが含まれる。
熱可塑性ポリアミド系エラストマーおよび熱可塑性ポリエステル系エラストマーのDSC法により測定される融点は、190℃以上であることが好ましい。なお、熱可塑性エラストマーの融点が190℃未満であっても、熱可塑性エラストマーを、架橋剤や架橋助剤により化学的に架橋させたり、紫外線や電子線、ガンマ線などで物理的に架橋させたりすることで、高温での耐クリープ性や弾性回復性を向上させてもよい。
基材層Cは、本発明の目的を損なわない範囲で、公知の添加剤をさらに含んでいてもよい。基材層Cがポリアミド樹脂を主成分として含む場合、添加剤は、例えば耐熱老化の改善を目的とした銅化合物系を含む耐熱安定剤;ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸アルミニウムなどの滑剤などの公知の添加剤であってよい。
接着層Bについて
接着層Bは、基材層Cと最外層Aとの間に配置され、これらを接着させる機能を有する。接着層Bを配置することで、リフレクタを有する発光装置用基板の成形において、型締めや樹脂を射出する際に、金型内で離型フィルムに応力が集中し易い箇所における基材層Cと最外層Aとの層間剥離を抑制しうる。応力が集中しやすい箇所とは、例えば金型のキャビティの周縁部分(金型のキャビティ面とパーティング面の境界部分)などである。
接着層Bは、最外層Aおよび基材層Cの両方に対してなじみやすい樹脂を含むことが好ましい。そのため、接着層Bの主成分となる樹脂は、最外層Aの主成分である4−メチル−1−ペンテン系重合体を、基材層Cとなじみやすいように変性したもの(変性4−メチル−1−ペンテン系重合体)を含むことが好ましい。基材層Cは、好ましくはポリアミド樹脂を含むことから、変性4−メチル−1−ペンテン系重合体は、4−メチル−1−ペンテン系重合体を、不飽和カルボン酸およびその酸無水物の少なくとも一方(以下「不飽和カルボン酸等」ともいう)で変性したものであることが好ましい。
不飽和カルボン酸等で変性された4−メチル−1−ペンテン系重合体は、4−メチル−1−ペンテン系重合体と不飽和カルボン酸等とを共重合させること、好ましくは4−メチル−1−ペンテン系重合体と不飽和カルボン酸等とをグラフト重合させることによって得ることができる。4−メチル−1−ペンテン系重合体と不飽和カルボン酸等とのグラフト重合は、公知の方法、例えば4−メチル−1−ペンテン系重合体と不飽和カルボン酸等とを過酸化物等の存在下で溶融混練することによって行うことができる。
変性される4−メチル−1−ペンテン系重合体は、前述のものを使用できる。変性される4−メチル−1−ペンテン系重合体の、135℃、デカヒドロナフタレン中で測定される極限粘度[η]は、0.5〜25dl/gが好ましく、0.5〜5dl/gがより好ましい。
不飽和カルボン酸等の例には、カルボキシル基と不飽和基を有する炭素数3〜20の不飽和化合物、無水カルボン酸基と不飽和基を有する炭素数3〜20の不飽和化合物などが含まれる。不飽和基の例には、ビニル基、ビニレン基、および不飽和環状炭化水素基が含まれる。
不飽和カルボン酸等の具体的な例には、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、メサコン酸、グルタコン酸、ナジック酸TM、メチルナジック酸、テトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等の不飽和ジカルボン酸;および無水マイレン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水グルタコン酸、無水ナジック酸TM、無水メチルナジック酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸等の不飽和ジカルボン酸無水物などが含まれる。なかでも、マレイン酸、無水マレイン酸、ナジック酸TM、または無水ナジック酸TMが好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性された4−メチル−1−ペンテン系重合体(以下「変性4−メチル−1−ペンテン系重合体」ともいう)のグラフト率は、20質量%以下であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜2質量%であることがさらに好ましい。グラフト率が上記範囲にある変性4−メチル−1−ペンテン系重合体は、最外層Aおよび基材層Cの両方に対して良好な接着性を有する。
変性4−メチル−1−ペンテン系重合体は、実質的に架橋構造を有しないことが好ましい。変性4−メチル−1−ペンテン系重合体が架橋構造を有しないことは、変性4−メチル−1−ペンテン系重合体を、例えばp−キシレン等の有機溶媒に溶解させて、ゲル状物が存在しないことによって確認できる。
変性4−メチル−1−ペンテン系重合体の、135℃、デカヒドロナフタレン中で測定される極限粘度[η]は、0.2〜10dl/gであることが好ましく、0.5〜5dl/gであることがより好ましい。
接着層Bの主成分となる樹脂は、前述の変性4−メチル−1−ペンテン系重合体のみであってもよいし、変性4−メチル−1−ペンテン系重合体と他のα−オレフィン重合体との混合物であってもよい。変性4−メチル−1−ペンテン系重合体と他のα−オレフィン重合体との混合物における、変性4−メチル−1−ペンテン系重合体の含有割合は、20〜40質量%であることが好ましい。
α−オレフィン重合体は、好ましくは炭素原子数2〜20のα−オレフィン重合体である。炭素原子数2〜20のα−オレフィン重合体の例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンなどの重合体が含まれる。中でも、1−ブテン系重合体が好ましい。
1−ブテン系重合体は、1−ブテンの単独重合体、または1−ブテンと1−ブテン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンとの共重合体でありうる。1−ブテン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンの例には、エチレン、プロピレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンなどが含まれ;好ましくはエチレンまたはプロピレンである。
1−ブテン系重合体は、1−ブテン由来の繰り返し単位を60質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましい。このような1−ブテン系重合体は、変性4−メチル−1−ペンテン系重合体との混合性(または相溶性)に優れるためである。
1−ブテン系重合体の、ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度190℃で測定されるメルトフローレート(MFR)は、0.01〜100g/10分であることが好ましく、0.1〜50g/10分であることがより好ましい。MFRが上記範囲内にある1−ブテン系重合体は、変性4−メチル−1−ペンテン系重合体との混合性(または相溶性)が良好であり、接着層Bの接着性を高めうる。
接着層Bも、最外層Aや基材層Cと同様に、主成分の他に、前述の添加剤を含んでもよい。
本発明の離型フィルムに含まれる基材層Cおよび接着層Bは、それぞれ一つであっても、複数あってもよい。基材層Cが、多層である場合、複数の基材層が直接積層されてもよいし、基材層と基材層との間に他の層(例えば接着層)が配置されてもよい。
他の層A’について
本発明の離型フィルムは、必要に応じて、前述した層以外の層をさらに含んでもよい。そのような層は、例えば、離型フィルムの最外層Aとは反対側の面を構成する他の層A’でありうる。他の層A’は、4−メチル−1−ペンテン系重合体を主成分として含むことが好ましい。即ち、他の層A’は、表面粗さが最外層Aで規定した範囲に限定されない以外は最外層Aと同様に構成されうる。
樹脂成形体からの離型性だけでなく、金型からの離型性も得るためには、離型フィルムの最外層Aとは反対側の面を構成する層は、4−メチル−1−ペンテン系重合体を主成分として含む他の層A’であることが好ましい。即ち、離型フィルムが、基材層Cと、基材層Cを挟持する最外層Aおよび他の層A’と、基材層Cと最外層Aとの間、または基材層Cと他の層A’との間に配置される一対の接着層Bとを有することがより好ましい。このように、本発明の離型フィルムは、中心層に対して対称な積層構造を有することがより好ましい。対称な積層構造を有するフィルムは、金型内に装填されて加熱されたときに、熱膨張差や吸湿等による変形(反り等)がおこりにくいからである。
もちろん、基材層Cが、耐熱性だけでなく離型性も有する場合には、離型フィルムの最外層Aとは反対側の面を構成する層は、基材層Cであってもよい。
離型フィルムの、具体的な積層構造の例には、以下の態様が含まれる。以下の態様において、Aは最外層Aであり;Bは接着層Bであり;Cは基材層Cであり;A’は他の層A’であり;C’は、基材層C(中心層)の一つであり;Dは基材層Cと基材層C’を接着する接着層である。
A/B/C
A/B/C/B/A’
A/B/C/C’/C/B/A’
A/B/C/D/C’/D/C/B/A’
これらの中でも、基材層(中心層)が一層である「A/B/C/B/A’」の積層構造が好ましい。製造が容易であるからである。図1は、本発明の離型フィルムの好ましい構成の一例を示す模式図である。図1に示されるように、離型フィルム10は、基材層11と、基材層11を挟持する最外層15および他の層15’と、基材層11と最外層15との間、または基材層11と他の層15’との間に配置される一対の接着層13とを有する。基材層11は、前記基材層Cであり;最外層15は、前記最外層Aであり;接着層13は、前記接着層Bである。
離型フィルム10の一方の面を構成する最外層15は、得られる樹脂成形体に接し;他方の面を構成する他の層15’は、金型内面に接する。そのため、離型フィルム10は、得られる樹脂成形体からの離型性だけでなく、金型内面からの離型性も良好にしうる。
また、一対の最外層A、一対の接着層B等のように、中心層に対して対称な位置に配置される一対の層(同じ材質で構成される層)の厚さを同じにすると、熱膨張率等に起因する変形量を互いに打ち消して反りを抑制できるので、好ましい。
フィルムの物性
離型フィルムは、最外層Aが樹脂成形体に接し;最外層Aとは反対側の面が金型内面と接するようにして用いられる。そのため、金型内面からの離型性が高く、また、離型フィルムが金型に追従性よく設置できることが望ましい。そのためには、金型内面と離型フィルムとの間の空気を排出できると良く、離型フィルムの最外層Aとは反対側の面の粗さは、最外層Aの表面粗さよりも大きいことが好ましい。具体的には、離型フィルムの最外層Aとは反対側の面の表面の十点平均粗さRzJISは、最外層Aの表面の十点平均粗さRzJISよりも1〜15μm大きいことが好ましい。また、離型フィルムの最外層Aとは反対側の面の十点平均粗さRzJISは、1〜30μmであることが好ましい。
最外層Aとは反対側の面を構成する層は、A/B/Cの3層構造における「基材層C」であったり、A/B/C/B/A’の5層構造における「他の層A’」であったりしうる。最外層Aとは反対側の面の粗さを上記範囲にするためには、例えば最外層Aとは反対側の面にエンボス加工を施すことが好ましい。
離型フィルムの総厚みは、20〜100μmであることが好ましく、35〜50μmであることがより好ましい。離型フィルムの厚みを一定以上にすることで、フィルムの機械的強度を確保できる。一方、離型フィルムの厚みを一定以下とすることで、微細な凸凹を有する金型にも良好に追従しうる。
離型フィルムの各層の厚みは、離型フィルムの総厚みが前記範囲になるように調整されればよい。具体的には、最外層Aは1〜30μmであることが好ましく、3〜10μmであることがより好ましい。接着層Bは1〜20μmであることが好ましく、基材層Cは10〜40μmであることが好ましい。接着層Bおよび基材層Cがそれぞれ複数ある場合、複数の接着層Bの合計厚みが1〜20μmであることが好ましく、複数の基材層Cの合計厚みが10〜40μmであることが好ましい。接着層Bが複数ある場合の、各接着層Bの厚みは1〜6μmであることが好ましい。
他の層A’の厚みは、最外層Aと同様であってよく、例えば1〜30μm、好ましくは3〜10μmとしうる。
また、離型フィルムの総厚みが大きくなる;特に最外層Aと接着層Bの総厚みが大きくなると、樹脂成形体の表面にシワが生じ易く、外観不良や離型不良を生じるおそれがある。即ち、樹脂成形体を製造する際、離型フィルムの構成材料の圧縮降伏応力が、金型キャビティ周縁の型締部分で生じる型締圧力よりも低いと、樹脂成形体の表面にシワが生じやすい。特に、最外層Aと接着層Bを構成する樹脂は、高温時において柔らかく、圧縮降伏応力が比較的低いことから、樹脂成形体の表面にシワを生じさせることがある。
樹脂成形体の表面のシワは、以下のような機構で生じると考えられる。即ち、金型内に離型フィルムを配置した状態で上下の金型を型締すると、金型内面に配置された離型フィルムが、型締圧力により押し潰される。押し潰されて余剰となった離型フィルム部分が、金型キャビティ内側に逃げるような形ではみ出す。その結果、余剰となった離型フィルムがはみ出した部分に対向する樹脂成形体の表面に凹みが生じる。この樹脂成形体の表面の凹みは、外観上、シワ状の模様を呈する。表面形状は、リフレクタの反射性能に影響を及ぼすため、シワや凹みは好ましくない。
また、外観上シワとしてみえる凹み部分は、離型(型開)直前では、金型内で余剰となった離型フィルムが樹脂成形体に食い込んでいる。このため、樹脂成形体を離型する際、余剰となった離型フィルム部分が、樹脂成形体に食い込んだまま離れず、剥離できないことがある。
このシワを防止するためには、後述するように、型締力を低減する等の成形条件の調整によって回避できることもある。しかしながら、成形条件の調整のみでシワを防止するのが困難な場合は、シワ、バリおよび破れ等を生じない範囲で、離型フィルムの総厚みを小さくすること;特に最外層Aおよび接着層Bの総厚みを、離型性と層間接着性を損なわない範囲で、小さくすることが好ましい。
最外層Aと接着層Bの総厚みとは、接着層Bが複数ある場合、最外層Aと複数の接着層Bの合計の厚みである。最外層Aと接着層Bの総厚みは、8〜32μmであることが好ましい。他の層A’を有する場合は、最外層Aと接着層Bと他の層A’の総厚みが、8〜32μmであることが好ましい。
本発明の離型フィルムは、金型温度における引張弾性率が60MPa以上であることが好ましい。具体的には、150℃における引張弾性率が60MPa〜150MPaであり、フィルムの流れ方向(Machine Direction(MD))、垂直方向(Transverse Direction(TD))ともに同程度の引張弾性率であることがより好ましい。リフレクタ製造用の金型は、幅1mm以下、高さ1mm以下の微細な凹凸が、10mm以下のピッチで配列されたパターンを有する。離型フィルムの、金型温度における引張弾性率が上記範囲にあると、金型の微細な凹凸に良好に追従し、シャープな形状を有するコーナー部へも、破断することなく十分に追従することができる。
引張弾性率は、以下の方法に準拠して測定されうる。
1)試験片として、離型フィルムから幅10mmで切り出した短冊片を準備する。短冊の長手方向が、フィルムの搬送方向と平行になるようにする。
2)金型温度と同じ温度に調整した恒温槽つきの引張試験機に、前記試験片を、チャック間距離が10mmとなるように把持させる。そして、試験片を、引張速度20mm/分(一定)にて引っ張る。得られた引張応力−ひずみ曲線における、初期の直線部分の傾きから、JIS−K7161に準拠して引張弾性率を求める。
本発明の離型フィルムは、公知の方法で製造されうる。離型フィルムは、各層を構成する樹脂を共押出する方法や、各層のフィルム状体をラミネートにより積層する方法等により得ることができる。本発明においては、得られる樹脂成形体における電極基板上のバリなどを高度に抑制するためには、本発明の離型フィルムの樹脂成形体と接する最外面Aの表面には、エンボス加工が施されていないことが好ましい。ただし、樹脂成形体に接する最外層Aの表面の十点平均粗さRzJISが0μm以上15μm以下となる範囲であれば、必要に応じて離型フィルムの片面または両面に微細な凹凸を形成してもよい。
2.リフレクタを有する発光装置用基板の製造方法
本発明のリフレクタを有する発光装置用基板の製造方法は、1)金型内に、本発明の離型フィルムを配置する工程、2)離型フィルムの最外層Aと、当該最外層Aと対向する金型内面との間に電極基板を配置する工程、3)金型内に成形用樹脂を充填して、リフレクタを有する発光装置用基板を得る工程、4)リフレクタを有する発光装置用基板から離型フィルムを剥離する工程、を含む。
金型とは、所望の樹脂成形体を得るために用いられる成形用の型である。金型の形状は、公知の形状であってもよい。金型の材質も、公知の材質であってよい。例えば、リフレクタを有する発光装置用基板を製造するための金型は、パーティング面に複数の微小な凹部が一定の間隔で配列されていてもよい。パーティング面における凹部の幅は約1mm以下、凹部の深さは約1mm以下、凹部同士の間隔(ピッチ)は約10mm以下としうる。
図2は、リフレクタを有する発光装置用基板の製造工程における、金型内への離型フィルムと電極基板の配置方法の一例を示す模式図である。
1)の工程では、図2に示されるように、上金型21と下金型23との間に、本発明の離型フィルム25を配置する。本発明の離型フィルム25は、最外層Aとは反対側の面が、金型内面(図2では上金型21)に接し;最外層A(離型層)が、電極基板(図2ではリードフレーム29A)と接するように配置する。例えば、本発明の離型フィルム25が、最外層A/接着層B/基材層C/接着層B/他の層A’の5層構造を有する場合、離型フィルム25は、他の層A’が上金型21と接し;最外層A(離型層)がリードフレーム29Aと接するように配置すればよい。
離型フィルム25の配置方法は、特に限定されない。金型内の離型フィルム25に、フィルムの巻き出し装置27Aと巻き取り装置27Bにより一定の張力をかけることも可能である。
2)の工程では、金型内(図2では下金型23上)に、リードフレーム29Aを配置する。
1)と2)の工程の先後は、逆であってもよい。即ち、リードフレーム29Aを配置した後、離型フィルム25を配置してもよいし;離型フィルム25とリードフレーム29Aとを同時に配置してもよい。
次いで、上金型21のキャビティ面21A内に設けられた排気口から、空気を吸引して、離型フィルムと上型との間の空気を排出する。これにより、離型フィルム25は、上金型21のパーティング面21Bおよびキャビティ面21Aに真空吸着される(図3参照)。キャビティ面21Aとは、上金型21のキャビティを構成する面である。パーティング面21Bとは、上金型21と下金型23とを閉じた際に、下金型23と接する上金型21の面である。上金型21のパーティング面21Bからキャビティ21Aの最深部までの深さは、0.2〜1.0mm程度であり、好ましくは0.5〜1.0mmである。
図3は、金型を型締めしたときの、キャビティ部分の一例を示す拡大図である。図3に示されるように、上金型21と下金型23とを閉じて、型締めする。得られる樹脂成形体の表面のシワを抑制するためには、バリが問題とならない範囲で、型締圧力を低減する等、成形条件を調整してもよい。
金型の温度は、後述する成形用樹脂組成物の主成分が熱硬化性樹脂である場合、熱硬化性樹脂を硬化できる温度であれば、特に限定されない。金型の温度は、成形用樹脂の主成分がエポキシ樹脂である場合、150〜200℃が好ましく、150〜180℃がより好ましい。離型フィルムは、予熱された後に、金型内の所定の箇所に配置されてもよい。
3)の工程では、金型内の離型フィルム25とリードフレーム29Aとの間に成形用樹脂組成物を充填し、樹脂成形体29(リフレクタを有する発光装置用基板)を得る。
成形用樹脂組成物は、リフレクタを成形するための樹脂組成物である。成形用樹脂組成物は、公知のものであってよく、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を主成分として含みうる。溶融状態の粘度が比較的低く、成形性が良好であることから、成形用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を主成分として含むことが好ましい。
熱硬化性樹脂の例には、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂等が含まれ、好ましくはエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂などである。それにより、耐熱性、耐光性、量産性に優れた発光装置用基板を得ることができる。
成形用樹脂組成物は、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、遮光性物質などの添加剤をさらに含んでもよい。成形用樹脂組成物は、例えば出射された光を均一に分散させるために、フィラーや拡散剤、反射性物質等をさらに含んでもよい。また、成形用樹脂組成物は、耐熱性を向上させるために、酸化チタン、シリカ、アルミナ等をさらに含んでもよい。
金型内への成形用樹脂組成物の充填は、例えばトランスファーモールド成形、圧縮成形、インジェクション成形等の任意の方法で行うことができる。例えば、熱硬化性樹脂を含む成形用樹脂組成物をトランスファーモールド成形する場合、金型からの熱伝導により軟化点以上となり液状化した成形用樹脂組成物を、プランジャーを上昇させることでキャビティへ射出させる。プランジャーを上昇させたままの状態で、所定圧力で所定時間保持させ、成形用樹脂組成物を加熱して硬化させる。このとき、樹脂成形体に、成形不良(反り、ボイド、バリ)が生じないように射出速度、保持圧力および保持時間を調整する。保持圧力は、例えば1〜12MPaであることが好ましい。
図4は、成形後に得られる樹脂成形体の一例を示す模式図である。上記の工程を経て、図4に示されるように、リードフレーム29Aと、その上に一体的に形成されたリフレクタ29Bとを有する樹脂成形体29(リフレクタを有する発光装置用基板)を得ることができる。
本発明の離型フィルムの最外層Aの表面粗さは、一定以下に調整されているため、離型フィルムの最外層Aの表面とリードフレーム29Aとの間に隙間を形成しにくくすることができる。そのため、液状の成形用樹脂組成物が当該隙間に入り込んで、樹脂成形体29のリードフレーム上にバリを生じるのを抑制できる。
4)の工程では、上型と下型を開いて、離型フィルム25を樹脂成形体29(発光装置用基板)から剥離する。前述の通り、本発明の離型フィルムの最外層Aの表面粗さは一定以下に調整されているため、金型成形時に、離型フィルムの最外層Aの表面の凸凹に成形用樹脂組成物が入り込みにくい。そのため、本発明の離型フィルムは、離型性に優れており、樹脂成形体29から容易に剥離できる。また、本発明の離型フィルムは、金型と接する側にも最外層Aを有する場合、金型の上型からも容易に離型できる。
4)の工程の後、連続的に次の封止工程を行うために、新たな離型フィルムを金型内に再配置してもよい。新たなフィルムを再配置するとは、成形された、リフレクタを備えた発光装置用基板を剥離回収した後、使用済みの離型フィルムに代えて、新たな離型フィルムを上型と下型との間に配置することである。例えば、フィルム巻き取り装置により使用済みの離型フィルムを巻き取りつつ、フィルム巻き出し装置により新たな離型フィルムを(上金型と下金型との間に)巻き出すことにより、新たな離型フィルムを再配置することができる。
前述の通り、本発明の離型フィルムは、優れた離型性を有しつつ、バリなどの発生を抑制できる。
また、本発明の離型フィルムが、中心層に対して対称の積層構造を有している場合には、離型フィルムを金型内に配置する際の、離型フィルムの反り等の変形やシワを一層生じにくくすることができる。また、離型フィルムの基材層C(中心層)が、高温での強度に優れる脂肪族ポリアミドを主成分として含む場合には、金型温度での縦シワも一層生じにくくすることができる。そのため、得られるリフレクタを有する発光装置用基板の形状や寸法精度を高くすることができる。
また、離型フィルムの総厚みに対する、最外層Aと接着層Bの合計厚みの比を一定以下とすることで、金型内で離型フィルムのシワを生じにくくしうる。そのため、樹脂成形体表面に発生するシワも抑制できる。
さらに、本発明の離型フィルムは、金型追従性がよく、離型性もよいため、成形工程を連続的に行っても、金型内の樹脂を安定に流動させうる。また、本発明の離型フィルムは、樹脂成形体に対する高い離型性を安定に維持できる。したがって、寸法精度が良好で、かつ電気的な接続を阻害しうるバリなどが少ない、リフレクタを有する発光装置用基板を得ることができる。
得られるリフレクタを有する発光装置用基板は、発光ダイオード素子用の発光装置用基板として好ましく用いられうる。発光ダイオード素子のサイズは、直径320μm〜1mm程度としうる。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1)最外層A用材料の調製
4−メチル−1−ペンテンと1−デセンとの共重合体を、定法により製造した。1−デセン含量は2.5質量%とした。
2)接着層B用材料の調製
変性4−メチル−1−ペンテン共重合体の合成
4−メチル−1−ペンテンとダイアレン168(三菱化学株式会社製、炭素数16と18のα−オレフィンの混合物)との共重合体(ダイアレン168の含量量は6.5質量%)を定法により準備した。
98.8質量部の前記共重合体、1質量部の無水マレイン酸、および有機過酸化物として0.2質量部の2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンを、ヘンシェルミキサーにより混合した。次いで、この混合物を、温度280℃を用いて二軸押出機で混練した。これにより、無水マレイン酸でグラフト変性された変性4−メチル−1−ペンテン共重合体を得た。この変性4−メチル−1−ペンテン共重合体のグラフト率は0.9質量%であった。
接着層B用材料の調製
前工程で得られた25質量部の変性4−メチル−1−ペンテン共重合体、50質量部の4−メチル−1−ペンテンとダイアレン168(三菱化学製、炭素数16と18のα−オレフィンの混合物)との共重合体(ダイアレン168含量6.5質量%)、25質量部の1−ブテン共重合体、安定剤として0.10質量部のイルガノックス1010(Irganox1010)(BASF(株)製)、および0.03質量部のステアリン酸カルシウム(日油(株)製)を、ヘンシェルミキサーにより3分間低速回転して混合した。次いで、この混合物を、二軸押出機を用いて280℃で押出しして、接着層B用材料を得た。
3)基材層C用材料の準備
材料C−1:
脂肪族ポリアミド樹脂として、ポリアミド66(デュポン株式会社製、商品名ザイテル(R)45HSB、溶融温度262℃)を準備した。
材料C−2:
ポリエステル系エラストマー(東レ・デュポン社製、商品名ハイトレル4777、融点200℃)を準備した。
4)他の層A’用材料の調製
4−メチル−1−ペンテンと1−デセンとの共重合体を、定法により製造した。1−デセン含量は2.5質量%とした。
(実施例1)
前述の最外層A用材料、接着層B用材料、基材層C用材料および他の層A’用材料の溶融物を、Tダイ成形機を用いて、表面が鏡面処理されたキャストロール上に共押出して、A/B/C/B/A’の5層構造を有する幅400mmの離型フィルムを製造した。基材層C用材には材料C−1を用いた。離型フィルムの各層の厚みは、A/B/C/B/A’=5/3/22/3/5μm(総厚み38μm)とした。樹脂成形体と接する最外層A(離型層)の表面のRzJISを、JIS−B0601に準拠して、表面粗さ形測定機(東京精密社製、surfcom 130A)を用いて、測定長40mm、速度0.3mm/sにて測定した結果、0.5μmであった。一方、離型フィルムの、最外層Aとは反対側の面(他の層A’の表面)のRzJISは、8μmであった。
得られた離型フィルムを、上金型と下金型との間に配置した。上金型と下金型におけるキャビティの、パーティング面からの最深部の深さを0.2mmとした。次いで、離型フィルムを上金型に配置し、リードフレーム用のアルミニウム製の基板(厚み100μm)を下金型に配置した。このときの金型温度は150℃とした。
成形用樹脂組成物として、白色エポキシ樹脂を準備した。そして、上金型に配置された離型フィルム上に成形用樹脂組成物を配置し、上金型と下金型を閉じて、キャビティに成形用樹脂を注入した。成形樹脂を注入した後、圧力2MPaにて60秒間保持し、成形用樹脂を硬化させた。その後、金型を開いて、樹脂成形体を得た。樹脂成形体から離型フィルムを剥離して、リフレクタを有するアルミニウム製基板を得た。
得られたリフレクタを有するアルミニウム製基板におけるバリやシワの転写の有無、および離型フィルムの離型性および追従性を、以下の方法で評価した。
1)離型性
リフレクタを有するアルミニウム製基板からの離型フィルムの離型性を、以下の基準で評価した。
○:離型フィルムが、金型開放と同時に自然に剥がれる
△:離型フィルムが、手で剥離できる
×:離型フィルムが、手では剥離できず、リフレクタを有するアルミニウム製基板または金型内面に密着している
2)バリ
リフレクタを有するアルミニウム製基板における、リフレクタとアルミニウム製基板との境界部分を目視観察した。バリの有無を、以下の基準で評価した。
○:バリの大きさが50μm未満
×:バリの大きさが50μm以上
3)追従性
リフレクタを有するアルミニウム製基板における、リフレクタのエッジ部分を切断して切断面を顕微鏡で観察し、エッジ部分の曲率半径を測定した。そして、離型フィルムの金型追従性を、以下の基準で評価した。
○:曲率半径が0〜100μm
△:曲率半径が101〜200μm
×:曲率半径が201μm以上
4)リフレクタの表面のシワ
リフレクタを有するアルミニウム製基板における、リフレクタの表面に、離型フィルムのシワの転写の有無を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:離型フィルムのシワの転写は全くみられない
×:リフレクタの表面もしくはエッジ部に、離型フィルムのシワの転写がみられる
(実施例2)
キャストロールの表面粗さを調整して、離型フィルムの最外層A(離型層)の表面粗さRzJISが10μmとなるようにし、かつ他の層A’の表面粗さRzJISが12μmとなるようにした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムを用いて実施例1と同様にしてリフレクタを有するアルミニウム製基板を製造し、同様の評価を行った。
参考例1
前述の各層用材料を原料として、Tダイ成形機を用いて共押出して、A/B/C/B/A’の5層構造を有する幅400mmの離型フィルムを得た。基材層Cには材料C−2を用いた。離型フィルムの各層の厚みは、A/B/C/B/A’=10/5/20/5/10μm(総厚み50μm)とした。最外層A表面のRzJISは1.0μmであり、他の層A’の表面粗さRzJISは12μmであった。得られた離型フィルムを用いて実施例1と同様にしてリフレクタを有するアルミニウム製基板を製造し、同様の評価を行った。
(比較例1)
キャストロールの表面粗さを調整して、離型フィルムの最外層A(離型層)の表面粗さRzJISが30μmとなるようにし、かつ他の層A’の表面粗さRzJISが25μmとなるようにした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムを用いて実施例1と同様にしてリフレクタを有するアルミニウム製基板を製造し、同様の評価を行った。
(比較例2)
基材層Cを、4−メチル−1−ペンテン共重合体、ポリエチレンおよびポリプロピレンの混合物とし、接着層Bを含まないようにし、かつ最外層Aの表面粗さRzJISを11μmとし、他の層A’の表面粗さRzJISを10μmとした以外は実施例1と同様にして、A/C/A’の3層構造を有する離型フィルムを得た。離型フィルムの各層の厚みは、A/C/A’=25/70/25μm(総厚み120μm)とした。得られた離型フィルムを用いて実施例1と同様にしてリフレクタを有するアルミニウム製基板を製造し、同様の評価を行った。
(比較例3)
離型フィルムとして、PETフィルム(三井化学東セロ製、SP−PETの表面処理されていない面)を用い、かつ一方の面(樹脂成形体と接する面)の表面粗さRzJISを1.0μmとし、他方の面(金型内面と接する面)の表面粗さRzJISを1.1μmとした以外は実施例1と同様にしてリフレクタを有するアルミニウム製基板を製造し、同様の評価を行った。
(比較例4)
離型フィルムとして、PTFEフィルム(日東電工社製)を用い、かつ一方の面(樹脂成形体と接する面)の表面粗さRzJISを1.7μmとし、他方の面(金型内面と接する面)の表面粗さRzJISを2.1μmとした以外は実施例1と同様にしてリフレクタを有するアルミニウム製基板を製造し、同様の評価を行った。
実施例1〜2、参考例1および比較例1〜4の評価結果を表1に示す。
Figure 0005923001
表1に示される通り、実施例1および2の本発明の離型フィルムは、全ての項目において良好な結果が得られた。特に、離型フィルムの最外層Aの表面粗さが小さいほど、離型フィルムの離型性も良好であり、樹脂成形体におけるバリの発生を抑制することができた。また、参考例1は、基材層Cがポリアミドより強度の低い材質であることから、フィルムが樹脂成形体のエッジ部分に食い込んでいた他は、良好な結果が得られた。
これに対して、比較例1の離型フィルムは、最外層Aの表面粗さRzJISが大きいため、注入された成形用樹脂が、離型フィルムの最外層Aの表面の凹凸に食い込み、金型開放と同時に自然に剥がれなかった。離型フィルムを手で引っ張ることで、離型フィルムが破れたり、穴が開いたりすることなくきれいに剥離できた。しかしながら、リフレクタと基板との境界にバリが発生した。
比較例2の離型フィルムは、接着層Bを含まず、基材層Cの材質を最外層Aと接着しやすい材料とした。基材層Cが柔軟な材質であり、フィルムの弾性率が小さいため、金型内に伸びて余ったフィルムが樹脂成形体に食込み、リフレクタの寸法精度が低下した。比較例3〜4の離型フィルムは、表面粗さは小さいものの、金型形状への追従性が不十分であり、得られる樹脂成形体の形状精度が低かった。
本発明の離型フィルムは、金型や成形体との離型性に優れ、かつバリの発生を抑制でき、金型形状への追従性がよく、シワを生じにくい。また、本発明の離型フィルムを用いて成形することで、電極上に汚染やバリが少なく、寸法精度の高いリフレクタを有する発光装置用基板を得ることができる。
1 発光装置
3 発光素子
5 取り付け体
5A 電極基板
5B、29B リフレクタ
7A ワイヤ
10、25 離型フィルム
11 基材層
13 接着層
15 最外層
15’ 他の層
21 上金型
21A キャビティ面
21B パーティング面
23 下金型
27A 巻き出し装置
27B 巻き取り装置
29 樹脂成形体(リフレクタを有する発光装置用基板)
29A リードフレーム

Claims (6)

  1. ポリアミド樹脂を主成分として含む基材層Cと、
    前記基材層Cを挟持する、4−メチル−1−ペンテン系重合体を主成分として含む最外層Aと、4−メチル−1−ペンテン系重合体を主成分として含む他の層A’と、
    前記基材層Cと前記最外層Aとのを接着させ、且つ変性4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む接着層Bと、前記基材層Cと前記他の層A’との間を接着させ、且つ変性4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む接着層Bと
    を含み、
    前記最外層Aが、離型層であり、前記最外層Aの表面の十点平均粗さRzJISが、0μm以上10μm以下であり、且つ前記他の層A’の表面の十点平均粗さRzJISは、前記最外層Aの表面の十点平均粗さRzJISよりも大きく、
    前記他の層A’が金型と接するように用いられる、リフレクタ成形用金型離型フィルム。
  2. 前記ポリアミド樹脂は、ポリアミド6またはポリアミド66である、請求項1に記載のリフレクタ成形用金型離型フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載のリフレクタ成形用金型離型フィルムを、前記フィルムの他の層A’が金型内面に接するように配置する工程と、
    前記金型内に、電極基板を配置する工程と、
    前記金型内に成形用樹脂組成物を充填して、リフレクタを有する発光装置用基板を得る工程と、
    を含む、リフレクタを有する発光装置用基板の製造方法。
  4. 前記リフレクタを有する発光装置用基板から前記リフレクタ成形用離型フィルムを剥離する工程をさらに含む、請求項に記載のリフレクタを有する発光装置用基板の製造方法。
  5. 前記リフレクタが、発光ダイオード素子用のリフレクタである、請求項またはに記載のリフレクタを有する発光装置用基板の製造方法。
  6. 前記リフレクタ成形用金型離型フィルムを、前記フィルムの他の層A’が金型内面に接するように配置する工程と、
    前記金型内に電極基板を配置する工程と、
    前記金型内に成形用樹脂組成物を充填して、リフレクタを有する発光装置用基板を得る工程と、
    前記リフレクタを有する発光装置用基板から前記リフレクタ成形用離型フィルムを剥離する工程と、
    を含むリフレクタを有する発光装置用基板の製造工程に用いられる、請求項1又は2に記載のリフレクタ成形用金型離型フィルム。
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