以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
図1及び図2は本発明の実施形態1に係る収納ユニットAの全体構成を示し、この収納ユニットAは、例えばクローゼットやクロークルーム等の収納空間の床F上に、後壁Wbと側壁Wsとの間に亘り平面視でL字状となるように設置され、衣類や鞄、靴等を収納するために用いられる。
収納ユニットAは、複数本のスタッド1,1,…(支柱)、上下のスタッドエンド5,7、複数枚の天板10,10,…及びカットフリー天板11,12、複数枚の棚板13,13,…、複数の受け部材18,18,…、複数のフック26,26,…、フロート引出し28、置型引出し29、ハンガーパイプ40、モンキーハンガー43等を備えている。
本実施形態では、後壁Wbの前に3本のスタッド1,1,…が後壁Wbに向かって左右方向に間隔を空けて並んだ状態で立設されている。また、側壁Wsの前に2本のスタッド1,1が側壁Wsに向かって左右方向に間隔を空けて並んだ状態で立設されている。
図3及び図4に示すように、上記各スタッド1は、例えば押出成形により形成された所定長さ(2010mm又は1810mm)の断面長円形状の中空パイプ材からなり、その長円断面の長径方向が後壁Wb又は側壁Wsに対して垂直になるように床F上に立設される。スタッド1の内周部には、長円断面の長径方向に対向する位置に内側(対向側)を部分的に開放したねじ取付部1a,1aが長さ方向に連続して形成されている。
各スタッド1の長円断面の短径方向に対向する両側面(隣接するスタッド1,1の各々の対向側面)には、その部分の各側壁部を内側に部分的に凹陥することで所定の溝幅(例えば23mm)を有する断面コ字状の凹溝2,2が上下方向に連続して形成されている。この各凹溝2の底部(スタッド1の側壁部)には、孔周面に雌ねじが刻設された複数(例えば40)のねじ孔3,3,…がスタッド1の内部まで貫通するように形成され、これら複数のねじ孔3,3,…はスタッド1の全体に亘り上下方向に一定の間隔d(例えばd=50mm)を空けて配置されている。
尚、複数本のスタッド1,1,…を床F上に左右に並べて立設するとき、左右の両端部(収納ユニットAの外側)に位置するスタッド1において、その収納ユニットAの外側に相当する凹溝2には、複数(例えば4つ)の凹溝2がスタッド1の全体ではなく上端部のみに形成されている。また、スタッド1の外周面には、両凹溝2,2を除く部分に長さ方向(上下方向)に延びる微小の複数の凹凸条からなるローレット加工が施されている。
上記上側スタッドエンド5は、スタッド1の上端開口を閉塞して隠蔽するもので、図5に示すように、スタッド1の断面形状と同じ長径及び短径を持つ長円板状のスタッドエンド本体5aと、このスタッドエンド本体5aの下面に一体に突設された長方形角筒状の嵌合部5bとを備え、嵌合部5bの外側面には2対の薄板状の係合突起5c,5cが一体に形成されており、嵌合部5bをスタッド1の上端開口に嵌合して係合突起5c,5cを凹溝2底部裏側のスタッド1内面に圧接させることで、上側スタッドエンド5をスタッド1の上端に固定するようにしている。
一方、下側スタッドエンド7は、スタッド1の下端開口を閉塞して隠蔽するだけでなく、起立状態にあるスタッド1を前後方向に傾倒不能に保持する足の役割を持つ。この下側スタッドエンド7は、図6に示すように、幅がスタッド1の長円断面の短径方向の大きさよりも若干大で、長さがスタッド1の長円断面の長径方向の大きさよりも大きい所定厚さ(例えば5mm)の長円板状のものであり、その長さ方向の中間部には2つのねじ挿通孔7a,7aが、また長さ方向の両端部には取付孔7b,7bがそれぞれ貫通形成されている。この下側スタッドエンド7をスタッド1の下端に取り付けるときに、下側スタッドエンド7のねじ挿通孔7a,7aに挿通されたねじS,S(図10参照)をそれぞれスタッド1の下面に開口するねじ取付部1a,1aにねじ切り状態で螺合することで、下側スタッドエンド7をスタッド1に取付固定する。また、下側スタッドエンド7がスタッド1の下端に取り付けられた状態で、その下側スタッドエンド7を足として床F上に立設したときには、その下側スタッドエンド7の取付孔7b,7bにねじS,S(図12参照)を挿通して床Fに螺合締結することで、スタッド1を床Fに起立して固定するようになっている。
上記各天板10、各カットフリー天板11,12及び各棚板13は、収納物を上載する板である。天板10及び棚板13は基本的に同じ寸法を有する同じものであり、取付位置に応じて名称が異なっているだけである。図11に天板10を例示するように、天板10及び棚板13の左右端部下面、カットフリー天板11,12の一端部(カットされずに受け部材18に支持される側)の下面には、その前後方向(幅方向)の中央部に、後述の受け部材18の板取付用ガイドピン23が嵌挿される有底状のガイド穴14が形成されている。カットフリー天板11,12は、天板10と同じ高さに水平に並べられて固定されるもので、天板10(棚板13)と同じ厚さでそれよりも長い板からなり、施工現場で必要に応じて切断して長さを調整することで使用される。
受け部材18は棚受けとも呼ばれ、天板10をスタッド1の上端部に固定するための上側受け部材と、棚板13をスタッド1の上下中間部に固定するための下側受け部材とに分けられるが、いずれも同じ構造のもので、固定する対象が天板10か棚板13かによって異なるだけであり、同じものとして説明する。また、下側受け部材としての受け部材18は棚板13の他にフロート引出し28を下端部でスタッド1に支持するためにも用いられる。棚板13やフロート引出し28は本発明でいう収納部に相当する。
具体的に、各受け部材18は、図7〜図9に示すように、上下方向に延びる支持部19と、その上端から水平方向両側に延びる受け部20とが一体に形成された略T字状のものである。支持部19はスタッド1に固定支持されるもので、上下方向の細長い板状の嵌合部19aと、この嵌合部19aの上端から表側(図9で左側)に少しずれた後に上下方向に延びる三角形板状の縦部19bとからなる。嵌合部19aは、上記スタッド1の凹溝2よりも僅かに小さい幅(例えば22.5mm)を有しており、支持部19はこの嵌合部19aの全体で凹溝2に嵌合可能となっている。
一方、受け部20は、天板10や棚板13、フロート引出し28を上載して支持する部分であり、支持部19の縦部19b上端から表側に水平に折れ曲がって延びる細長い板材からなり、その長さは例えば200mmで天板10や棚板13の幅(例えば440〜560mm)よりも小さく、かつフロート引出し28の奥行きよりも小さくされている。
上記支持部19の縦部19bには、上記スタッド1のねじ孔3に締結されるねじS(図10参照)を挿通可能なねじ挿通孔21が貫通形成されている。また、支持部19の嵌合部19a下端の裏面(図9で右面)には上記ねじ挿通孔21よりも下側にガイドピン22が水平方向に延びるように突設され、このガイドピン22とねじ挿通孔21との間隔Dは上記スタッド1のねじ孔3,3の間隔dと同じ(例えばD=50mm)に設定されている。このことでガイドピン22は、ねじ挿通孔21に挿通されるねじSが締結されるねじ孔3の1つ下のねじ孔3に嵌挿されるようになっており、受け部材18はスタッド1に対し、ねじ挿通孔21に挿通されたねじSを上側のねじ孔3に螺合締結しかつガイドピン22を下側のねじ孔3に挿通することで、上下2箇所で固定されるようになっている。
また、受け部20の長さ方向の中央には上方向に延びる板取付用ガイドピン23が突設され、長さ方向の両側には長孔からなるねじ挿通孔24,24が貫通形成されており、図11又は図14に示すように、受け部材18の上に天板10や棚板13の端部を上載したときに、その下面のガイド穴14に板取付用ガイドピン23が嵌挿され、ねじ挿通孔24,24にそれぞれ挿通されたねじS,Sが天板10や棚板13の下面に螺合締結されることで、天板10や棚板13が受け部材18に固定されるようになっている。
後壁Wbに向かって左端のスタッド1の左側面には例えば3つのフック26,26,…が上下に並んで取り付けられている。各フック26は、先端部にスタッド1のねじ孔3に螺合可能な雄ねじ部(図示せず)を有しており、この雄ねじ部をねじ孔3に螺合して締結することで、フック26がスタッド1の側面に取付固定されている。
後壁Wbに向かって右端のスタッド1と左右中央のスタッド1との下部間にはフロート引出し28が、また側壁Wsに向かって左右のスタッド1,1の下部間には置型引出し29がそれぞれ固定されている。フロート引出し28は床Fから離れて浮いた状態で、また置型引出し29は床Fに載置された状態でそれぞれスタッド1に固定されている。これらはいずれも左右の側板30a,30a(一方のみ図示する)と天板30bと裏板(図示せず)とを有する下側及び前側に開放された箱体30を備え、その箱体30の内部には複数の引出し31,31,…が左右の側板30a,30aとの間にスライドレール(図示せず)を介して前後方向にスライド可能に支持されている。そして、図示しないが、左右の側板30a,30aの前後中央には複数のねじ挿通孔が上下方向に並んで貫通形成され、このねじ挿通孔の間隔はスタッド1のねじ孔3,3の間隔の整数倍になっており、箱体30の内側からねじ挿通孔に挿通したねじをスタッド1のねじ孔3に螺合して締結することで、各引出し28,29が箱体30の側板30aでスタッド1に固定支持されるようになっている。
また、フロート引出し28にあっては、その箱体30の左右側板30a,30aの下側に上記受け部材18が配置され、この受け部材18はスタッド1に対し上記と同様に、受け部材18のねじ挿通孔21に挿通されてスタッド1のねじ孔3に螺合されたねじSと、スタッド1のねじ孔3に嵌挿された受け部材18のガイドピン22とにより上下2箇所で固定されており、この受け部材18によりフロート引出し28の箱体30下端部を左右両側で床Fから離れたフロート状態で支持している。尚、このとき、箱体30の左右側板30a,30aは、受け部材18に対し板取付用ガイドピン23外側の受け部20上にガイドピン23とスタッド1とに挟まれた状態で載置される。
そして、上述の如く、後壁Wbの前側に収納ユニットAの3本のスタッド1,1,…が後壁Wbに向かって左右方向に並んで立設され、側壁Wsの前側にも2本のスタッド1,1が側壁Wsに向かって左右方向に並んで立設されている。これら左右に隣接するスタッド1,1の上端部間に天板10が架け渡され、天板10は左右端部でそれぞれ受け部材18,18(上側受け部材)を介してスタッド1,1に固定支持されている。また、各スタッド1の下端部は下側スタッドエンド7をねじ留めすることによって床Fに固定されている。さらに、各天板10の後端部は後壁Wb及び側壁Wsに例えば左右2つのL型連結具33,33を介して固定されている。図12に示すように、各L型連結具33は、水平部33aと、この水平部33aの後端から下方向に直角に折り曲げられた垂直部33bとからなる金属製板材等で構成され、水平部33a及び垂直部33bにはそれぞれねじ挿通孔34,34,…が貫通形成されており、水平部33aのねじ挿通孔34にねじSを挿通して天板10の後端部下面に螺合締結し、垂直部33bのねじ挿通孔34にねじSを挿通して壁Wb,Wsに螺合締結することで、各天板10がL型連結具33を介して壁Wb,Wsに固定されている。
また、後壁Wbの前側に位置する3本のスタッド1,1,…において、右端及び左右中央のスタッド1,1の各々の対向側面には、その天板10の下側でかつフロート引出し28上側の上下中間部の2箇所にそれぞれ受け部材18,18(下側受け部材)が互いに同じ高さになるように固定支持され、左右に対応する両受け部材18,18間には棚板13が左右端部を受け部材18,18に固定支持された状態で架け渡されている。また、左端及び左右中央のスタッド1,1の各々の対向側面にも、その天板10の下側の上下中間部の2箇所にそれぞれ受け部材18,18(下側受け部材)が互いに同じ高さになるように固定支持され、左右に対応する両受け部材18,18間には棚板13が左右端部を受け部材18,18に固定支持された状態で架け渡されている。
空間の後壁Wb上部において側壁Wsに隣接する位置には板状の天板受桟36が取付固定されている。この天板受桟36は、側壁側カットフリー天板11の向かって右端部を載置支持するもので、この側壁側カットフリー天板11の左端部は側壁Ws前の向かって右側のスタッド1の上端部に受け部材18を介して固定支持されており、このスタッド1の受け部材18と天板受桟36との間に側壁側カットフリー天板11が架け渡されて固定されている。また、この側壁側カットフリー天板11と後壁Wb前の向かって左端のスタッド1の上端部との間には後壁側カットフリー天板12(コーナーカットフリー天板)が架け渡されている。この後壁側カットフリー天板12の後壁Wbに向かって右側の端部は、上記左端のスタッド1の上端部に受け部材18を介して固定されている。同左端部は、側壁側カットフリー天板11にコーナー連結具37を介して連結固定されている。このコーナー連結具37は、図示しないが、幅方向の両側面にそれぞれ天板嵌合溝を有する断面H字状の金属材等からなり、一方の天板嵌合溝に側壁側カットフリー天板11を、また他方の天板嵌合溝に後壁側カットフリー天板12をそれぞれ嵌合することで、両カットフリー天板11,12の端部を突き合わせ、かつ天板嵌合溝の側壁を貫通するねじでカットフリー天板11,12とコーナー連結具37とを固定することにより、両カットフリー天板11,12を突き合わせ状態で連結固定する。尚、カットフリー天板11,12はいずれも他の天板10と同じ高さ位置でそれらと面一状になるように配置され、側壁側カットフリー天板11は側壁Wsに天板10と同様にL型連結具33によって固定されている。
上記側壁Wsに向かって左側のスタッド1の上端部寄り右側面と、右側のスタッド1の上端部寄り左側面とにはそれぞれハンガーパイプ受け39,39が取付固定されている。この各ハンガーパイプ受け39は、図示しないが、受け部材18と同様に、スタッド1の凹溝2に嵌合可能な支持部を備え、この支持部には、スタッド1のねじ孔3に締結されるねじを挿通可能なねじ挿通孔と、このねじ挿通孔を挿通したねじが締結されるねじ孔3の1つ下のねじ孔3に嵌挿されるガイドピンと、ハンガーパイプを受ける上側に開いた略U字状のパイプ受け部とが設けられており、受け部材18と同様にスタッド1に取付固定される。そして、両スタッド1,1のハンガーパイプ受け39,39間には断面楕円形状のハンガーパイプ40がその端部をハンガーパイプ受け39,39のパイプ受け部に載置した状態で架け渡されている。
さらに、側壁Wsに向かって右側のスタッド1の上端部寄り右側面にもハンガーパイプ受け39が取付固定されている。また、上記天板受桟36の上下中間部にも同様のハンガーパイプ受け39がスタッド1上のハンガーパイプ受け39と同じ高さとなるように取り付けられている。この天板受桟36には、図示しないが、ねじ取付孔とピン嵌合孔とがスタッド1の隣接する2つのねじ孔3,3と同じ間隔を空けて上下に並んで形成されており、天板受桟36のピン嵌合孔にハンガーパイプ受け39のガイドピンを嵌合し、ハンガーパイプ受け39のねじ挿通孔にねじを挿通して天板受桟36のねじ取付孔に螺合締結させることにより、天板受桟36にハンガーパイプ受け39が取り付けられている。そして、スタッド1及び天板受桟36の両ハンガーパイプ受け39,39間には断面楕円形状のハンガーパイプ40がその端部をハンガーパイプ受け39,39のパイプ受け部に載置した状態で架け渡され、このハンガーパイプ40にモンキーハンガー43の両端部が吊り下げられている。
また、後壁Wbに向かって左端のスタッド1の上端部寄り右側面と、左右中央のスタッド1の上端部寄り左側面とにはそれぞれハンガーパイプ受け39,39が取付固定され、これらハンガーパイプ受け39,39間にも同様のハンガーパイプ40が架け渡されている。
以上のような構成の収納ユニットAの施工手順の例について説明する。まず、例えば後壁Wbに向かって右端及び左右中央にある2本の左右スタッド1,1については、図10に示すように、各スタッド1の上端部に上側スタッドエンド5を、また下端部に下側スタッドエンド7をそれぞれ取り付けるとともに、そのスタッド1の上端部に受け部材18を取り付ける。
そのとき、各スタッド1の左右側面(隣接するスタッド1との対向側面)に凹溝2が形成され、その凹溝2の底部に複数のねじ孔3,3,…が一定の間隔を空けて設けられている一方、受け部材18の支持部19は凹溝2に嵌合可能で、その支持部19に上側のねじ挿通孔21と下側のガイドピン22とが形成されている。そのため、受け部材18をスタッド1に取付固定する際には、受け部材18の支持部19をスタッド1の凹溝2に嵌合し、その状態で下側のガイドピン22をねじ孔3に嵌挿し、ねじSを上側のねじ挿通孔21に挿通して、ガイドピン22が嵌挿されているねじ孔3よりも1つ上側のねじ孔3に螺合して締結すればよい。
このようにスタッド1の凹溝2に受け部材18の支持部19が嵌合されるので、その嵌合により、受け部材18をスタッド1へ容易に位置決めして施工することができ、その取付けが容易になる。また、スタッド1の凹溝2への受け部材18の支持部19の嵌合により、受け部材18の支持強度が高くなり、受け部材18及び該受け部材18に固定される天板10の前後方向の傾斜や転倒を防止することができる。
また、受け部材18のガイドピン22をスタッド1のねじ孔3に嵌挿することで、受け部材18をスタッド1において容易に位置決めすることができる。それだけでなく、そのガイドピン22のねじ孔3への嵌挿により受け部材18を仮留めしておいて、その仮留め状態で上側のねじ挿通孔21を挿通するねじSで固定すればよく、受け部材18のスタッド1へのねじ留めを確実に行うことができる。このようにして、T字状の受け部材18をスタッド1に対しガイドピン22とねじSとの上下2箇所で結合し、ねじSのねじ孔3への螺合締結によって強固に固定することができる。
また、スタッド1には複数のねじ孔3,3,…しか形成されておらず、その各ねじ孔3をねじSの螺合締結に用いるだけでなく、ガイドピン22の嵌挿にも使用するので、ねじ孔3とガイドピン22を嵌挿するためのピン穴(非ねじ孔)との2種類の孔を形成せずとも済み、その分、製造が容易となる。
その後、図11に示すように、両スタッド1,1の受け部材18,18間に天板10を架け渡してねじS,Sにより固定する。具体的には、天板10下面の左右両端部を受け部材18の受け部20上に載せ、天板10下面のガイド穴14に受け部材18の受け部20上の板取付用ガイドピン23を嵌挿し、受け部20のねじ挿通孔24,24にそれぞれ挿通されたねじS,Sを天板10の下面に螺合締結する。このことで、天板10が受け部材18に固定される。
そのとき、受け部材18の受け部20に板取付用ガイドピン23が突設され、天板10にガイド穴14が設けられているので、上記のように、受け部材18に天板10を取付固定する前に、天板10のガイド穴14に受け部材18の板取付用ガイドピン23を嵌挿して天板10を受け部材18に仮固定しておき、その仮固定の状態でねじ留めすればよく、天板10の取付固定を容易にかつ確実に行うことができる。
こうしてスタッド1,1の上端部に天板10が固定されると、スタッド1,1と天板10と共に起立させて床F上に設置する。そして、図12に示すように、天板10の後端部をL型連結具33により後壁Wbに固定する。一方、各スタッド1の下端部は下側スタッドエンド7を床Fにねじ留めすることで、床Fに固定する。以上のようにして上端に天板10が固定された左右のスタッド1,1を後壁Wb及び床Fの間で固定する。
後壁Wbに向かって左端に位置するスタッド1の上端部の右側面にも受け部材18を、また左右中央のスタッド1において左端のスタッド1と対向する左面の上端部にも受け部材18をそれぞれ上記と同様にして取り付け(左右中央のスタッド1の上端部には左右両側に受け部材18,18が取り付けられる)、両受け部材18,18間に天板10を架け渡して取り付け、この天板10の後端部を側壁WsにL型連結具33により固定し、スタッド1を床Fに取付固定する。
側壁Ws側の左右2本のスタッド1,1についても、上記と同様にして上端部に受け部材18,18を取り付け、それら受け部材18,18間に天板10を架け渡して取り付け、上記と同様にして、天板10の後端部を側壁Wsに、またスタッド1を床Fにそれぞれ取付固定する。
後壁Wb上部において側壁Wsに隣接する位置に天板受桟36を取付固定する。また、側壁Wsに向かって右側のスタッド1の上端部の右側に受け部材18を取付固定し(この右側のスタッド1の上端部には左右両側に受け部材18,18が取り付けられる)、この受け部材18と天板受桟36の上端との間に側板側カットフリー天板11を載置して固定し、この側板側カットフリー天板11の後端部は側壁WsにL型連結具33により固定する。また、後壁Wbに向かって左端に位置するスタッド1の上端部の左側面にも受け部材18を取付固定し、この受け部材18に後壁側カットフリー天板12の右端部を固定し、この後壁側カットフリー天板12の左端部は、先に施工した上記側板側カットフリー天板11にコーナー連結具37によって固定する。
そして、側壁Wsに向かって右側のスタッド1の上端寄りと天板受桟36とにそれぞれハンガーパイプ受け39,39を取り付け、両ハンガーパイプ受け39,39間にハンガーパイプ40を架け渡し、このハンガーパイプ40にモンキーハンガー43を吊り下げる。また、側壁Wsに向かって左右両側のスタッド1,1の上端寄りにそれぞれハンガーパイプ受け39,39を取り付けてハンガーパイプ40を架け渡す。また、後壁Wbに向かって左端及び左右中央のスタッド1,1の上端寄りにもそれぞれハンガーパイプ受け39,39を取り付けてハンガーパイプ40を架け渡す。
さらに、図13に示すように、後壁Wb又は側壁Wsに向かって左右に隣接する2つのスタッド1,1の対向側面において中間部の同じ高さ位置にそれぞれ受け部材18,18を上記天板10の受け部材18と同様にして取付固定し、図14に示すように、これら受け部材18,18間に棚板13を天板10と同様にして取付固定する。
また、後壁Wbに向かって右端及び左右中央に位置していて互いに隣接する2つのスタッド1の対向側面において中間部の同じ高さ位置にそれぞれ受け部材18,18を上記天板10の受け部材18と同様にして取付固定し、これら受け部材18,18にフロート引出し28における箱体30の左右側板30a,30aの下端部を支持し、その側板30a,30aを貫通するねじを左右スタッド1,1のねじ孔3,3,…に螺合締結することにより、フロート引出し28を床Fから離れたフロート状態でスタッド1に取付固定する。
さらに、側壁Wsに向かって左右に隣接する2つのスタッド1,1の対向側面間の下部に置型引出し29を床Fに載置した状態で配置し、その箱体30の側板30a,30aを貫通するねじをスタッド1,1のねじ孔3,3,…に螺合締結することにより、載置型引出し29を床Fに載置した状態でスタッド1に取付固定する。以上により収納ユニットAを設置する施工が終了する。
したがって、この実施形態においては、左右に隣接するスタッド1,1の下端部は床Fに固定される一方、両スタッド1,1の上端部に受け部材18,18を介して天板10が固定支持され、この天板10は後端部がL型連結具33によって壁Wb,Wsに固定されているので、スタッド1,1は受け部材18,18及び天板10を介して壁Wb,Wsに固定される。このことで、スタッド1は下端部を床Fに、上端部を壁Wb,Wsに固定した状態で確実に立設される。
また、このようにスタッド1,1の上端部は受け部材18,18及び天板10を介して壁Wb,Wsに固定されるので、収納ユニットAを固定するためのレールを壁Wb,Wsに設ける必要がない。そのため、床Fに不陸があっても、そのことに関係なく確実に収納ユニットAを固定することができる。
さらに、天板10、カットフリー天板11,12、棚板13、フロート引出し28をスタッド1に支持するための受け部材18はいずれも同じT字状のものであり、スタッド1に対し支持部19がスタッド1の凹溝2に嵌合された状態で、支持部19のガイドピン22がスタッド1のねじ孔3に嵌合されかつ支持部19のねじ挿通孔21に挿通されたねじSがスタッド1のねじ孔3に螺合されて、これらガイドピン22とねじSとの上下2箇所で結合されている。このことで、天板10、カットフリー天板11,12、棚板13、フロート引出し28をそれぞれ支持する受け部材18はいずれも同じものを用いることができ、これらを1種類の受け部材18によりスタッド1に固定支持することができる。そのため、異種の受け部材を用いる場合のように取付ミスが生じることはなく、施工も容易となり、部品点数の少なくなってコストダウンを図ることができる。
また、各受け部材18の受け部20の長さが天板10、棚板13、フロート引出し28の前後幅よりも小さいので、設置状態(施工状態)では、その受け部20は天板10や棚板13等に隠れてそれらから飛び出さず、天板10、棚板13、フロート引出し28に収納し或いはそれらから取り出そうとする収納物が引っ掛かったり使用者が衝突したりすることがない。しかも、受け部材18の受け部20が目立ち難くなって収納ユニットAの意匠性を高めることができる。
(実施形態2)
図15は本発明の実施形態2を示し(尚、図1〜図14と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、上記実施形態1では、空間の後壁Wb及び側壁Wsに亘りそれらの前側に収納ユニットAを平面視でL字状に設置しているのに対し、後壁Wbのみの前側に収納ユニットAを平面視でI字状に設置したものである。
すなわち、この実施形態では、後壁Wbの前側に4本のスタッド1,1,…が立設され、これらスタッド1,1,…の上端部間に3枚の天板10,10,…が同じ高さで架け渡され、各天板10は左右端部が受け部材18,18を介してスタッド1,1に固定支持されている。また、各天板10は後端部で後壁Wbに例えば左右2つのL型連結具33,33を介して固定されている。
また、側壁Ws上部において後壁Wbに隣接する位置には天板受桟36が取付固定されている。この天板受桟36上には、後壁側カットフリー天板12の向かって左端部が載置されて支持固定され、この後壁側カットフリー天板12の右端部は左端のスタッド1の上端部に受け部材18を介して固定支持されており、この後壁側カットフリー天板12は、他の天板10と同じ高さ位置となるようにスタッド1と天板受桟36との間に架け渡されて固定されている。
さらに、左端のスタッド1の上部と左から2番目のスタッド1の上部との間、及び該左から2番目のスタッド1上部と左から3番目(右から2番目)のスタッド1の上部との間には、それぞれ互いに同じ高さのハンガーパイプ40,40が両端部をハンガーパイプ受け39,39でスタッド1に支持された状態で架け渡されている。
また、右端スタッド1の上下中間部と右から2番目のスタッド1の上下中間部との間には上下2枚の棚板13,13がそれぞれ両端部を受け部材18,18でスタッド1に支持された状態で架け渡されている。左端のスタッド1の右側面及び左から2番目のスタッド1の右側面にはそれぞれフック26,26,…が取付固定されている。
左端のスタッド1の下部と左から2番目のスタッド1の下部との間には置型引出し29が固定支持され、右端スタッド1の下部と右から2番目のスタッド1の下部との間にはフロート引出し28が固定支持されている。
その他の構成は上記実施形態1と同じである。この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態では、各受け部材18のねじ挿通孔21とガイドピン22との高さをスタッド1のねじ孔3,3の間隔と同じにし、ねじ挿通孔21に挿通されたねじSが螺合されるねじ孔3を、ガイドピン22が嵌挿されるねじ孔3の1つ上側としているが、ねじ挿通孔21とガイドピン22との高さをスタッド1のねじ孔3,3の間隔の整数倍とし、ねじ挿通孔21に挿通されたねじSが螺合されるねじ孔3を、ガイドピン22が嵌挿されるねじ孔3の2つ以上上側とすることもできる。
また、上記各実施形態はいずれも収納ユニットAの設置の例示であり、スタッド1、天板10及びカットフリー天板11,12、棚板13、受け部材18、フロート引出し28、置型引出し29、ハンガーパイプ40、フック26、モンキーハンガー43等は自在に組み合わせて設置することができる。その場合、複数本のスタッド1,1,…の上端部間に天板10を架け渡して、その天板10を受け部材18を介してスタッド1に固定支持し、その天板10の後端部を壁Wb,Wsに固定し、スタッド1の下端部を床Fに固定しさえすればよく、その他のものは必要に応じて適宜選択することができる。
また、上記実施形態では、収納ユニットAを衣類や鞄、靴等を収納するために用いられるものとしているが、その他、例えばキッチン等で食品、調味料、調理道具等を整理して収納するため等、他の用途の整理に用いることができる。