JP5915182B2 - 空中超音波探傷装置 - Google Patents

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Description

この発明は空中超音波探傷装置に関する。
空気中の雰囲気に置かれた被検査体と、この被検査体に対して縦波の超音波を送信する超音波送信子と、被検査体を透過してくる超音波を受信する超音波受信子とを備え、被検査体に対して空気中を伝播する縦波の超音波を斜めに入射するものがある(特許文献1参照)。このものでは、被検査体への超音波の入射点でモード変換によって横波を発生させ、この横波を用いて、被検査体内での超音波の透過率を向上し、S/N比を改善している。
特開2009−63372号公報
ところで、電極とセパレータとを積層した発電要素を外装材としてのラミネートフィルムで被覆すると共に外装材の内部に電解液を充填しているラミネート型電池がある。
このラミネート型電池ではラミネートシート直下に電解液が存在する。この電解液内部ではモード変換による横波が発生しないので、上記特許文献1の技術をそもそも適用できない。
そこで本発明は、モード変換による横波が発生しない多層構造体のような検査体であっても、高い超音波探傷精度を実現し得る空中超音波装置を提供することを目的とする。
本発明の空中超音波探傷装置は電極と電解質とから構成される発電要素を外装材としての扁平状のフィルムで被覆した電気デバイスを被検査体とする。この被検査体の厚さをt、被検査体を伝播する縦波超音波の音速をVとした場合に、被検体の厚さの変動幅を検出し厚さ変動幅が所定値を超えるとき、
f≒V・N/(2t)(ただし、Nは正の整数) …(1)
の条件を満足する中心周波数fを含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を、空気中の雰囲気に置かれた被検査体上の測定点に向けて送信する縦波超音波送信子と、被検査体を透過してくる縦波超音波を受信する縦波超音波受信子とを備えている。
本発明によれば、上記(1)式の条件を満足する中心周波数を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を空気中の雰囲気に置かれた被検査体上の測定点に向けて照射するので、縦波超音波の透過強度が大きくなる。これによって、S/N比が大きくなり、ラミネート型電池などのラミネート型電気デバイスなどの多層構造体であっても、高い超音波探傷精度を実現することができる。
比較例の空中超音波探傷装置の概略構成図である。 被検査体の内部で生じる縦波超音波の開管共鳴現象の説明図である。 被検査体を伝播する開管共鳴周波数帯の縦波超音波の中心周波数の算出を説明するための比較例のフローチャートである。 アクリル板厚に対する縦波超音波の透過強度の特性図である。 縦波超音波の透過強度が最大、最小になる条件のときの定在波の様子を示す説明図である。 正の整数からのズレに対する縦波超音波の透過強度の特性図である。 被検査体を伝播する開管共鳴周波数帯の縦波超音波の中心周波数の算出を説明するための第実施形態のフローチャートである。 被検査体内部で共鳴する縦波超音波の波長の長さと被検査体の厚さ変動量の影響を示す説明図である。 実施例1の中心周波数に対する縦波超音波の透過強度の特性図である。 実施例1の正の整数1からのズレに対する縦波超音波の透過強度の特性図である。 ラミネート型電池の概略斜視図である。 発電要素の分解斜視図である。 実施例2のサンプル電池の概略斜視図である。 実施例2のサンプル電池の縦断面図である。 実施例2の縦波超音波の透過強度の特性図である。 実施例3のサンプル電池の概略斜視図である。 実施例3のサンプル電池の縦断面図である。 実施例3の縦波超音波の透過強度の特性図である。 実施例2、3の縦波超音波の透過強度の変化率の特性図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
比較例
図1は本発明の第1実施形態に対する比較例の空中超音波探傷装置1の概略構成図である。空中超音波探傷装置1は、被検査体3、縦波超音波の送受信センサー5、6、Z軸移動機構11、X軸・Y軸移動機構13、縦波超音波パルサーレシーバ15、データ収集装置19、データ処理装置20などで構成される。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態の空中超音波探傷装置1の概略構成図である。空中超音波探傷装置1は、被検査体3、縦波超音波の送受信センサー5、6、Z軸移動機構11、X軸・Y軸移動機構13、縦波超音波パルサーレシーバ15、データ収集装置19、データ処理装置20などで構成される。
図1において被検査体3は、支持機構4に取り付けられ空気中に置かれている。支持機構4は基台14に固定されている。ここで、被検査体3としては、電極とセパレータとで構成され全体として四角扁平状の発電要素をアルミラミネートフィルムで被覆し周縁部を熱融着により接合密閉した、いわゆるラミネート型電池(多層構造体)を主に考えている。
被検査体3の上方には被検査体3に向けて縦波超音波7を照射する縦波超音波送信センサー(縦波超音波送信子)5を、下方には検査体3を透過してくる縦波超音波8を受信する縦波超音波受信センサー(縦波超音波受信子)6を備えている。ここで、「縦波超音波」とは被検査体3の厚さ方向(図1で上下方向)に伝播する超音波のことである。
これら送受信センサー5、6は被検査体3を挟むようにして延びている一対の支持体9、10の一端に取り付けられ、支持体9、10の他端は、支持体9、10を鉛直方向に移動し得るZ軸移動機構11を介して移動体12に連結されている。Z軸移動機構11は、センサートラバースコントローラ22からの指示に従って、縦波超音波送受信センサー5、6の被検査体表面に対する高さ方向(図1で上下方向)に移動する。
移動体12はこの移動体12を被検査体3の面方向(図1で水平方向と紙面に直交する方向)に移動し得るX軸・Y軸移動機構13を介して基台14と連結されている。X軸、Y軸移動機構13は、センサートラバースコントローラ22からの指示に従って、被検査体表面の各測定点を被検査体3の面上の任意の点に(2次元に)移動(走査)する。また、X軸・Y軸移動機構13及びZ軸移動機構11は被検査体3の面上の各測定点を3次元の位置データ(X、Y、Z)として出力する。
15は、被検査体3への入力信号としての縦波超音波を縦波超音波送信センサー5に向けて発信すると共に、縦波超音波受信センサー6からの縦波超音波の透過信号を受信して縦波超音波の透過強度を求める縦波超音波パルサーレシーバである。
縦波超音波パルサーレシーバ15からの縦波超音波の透過強度と、X軸・Y軸移動機構13及び及びZ軸移動機構11からの位置データとはデーター収集装置19に入力される。データー収集装置19ではこれら位置データと縦波超音波の透過強度データを関係付ける。
データ収集装置19からの信号を受けるデータ処理装置20では、縦波超音波の透過強度のデータを2次元画像化するなどのデータ処理を行う。この2次元画像はモニター21に表示される。モニター21に表示される2次元画像によって、被検査体3の内部に欠陥があるか否かを目視できる。
さて、比較例では、縦波超音波の伝播経路の一部(縦波超音波送信センサー5より被検体3まで及び被検査体3より縦波超音波受信センサー6まで)に空気が存在するので、この空気中(空中)を伝播する過程で超音波が減衰する。この場合に、空気中の雰囲気に置かれた被検査体と、この被検査体に対して縦波超音波を送信する超音波送信子と、被検査体を透過してくる超音波を受信する超音波受信子とを備え、被検査体に対して縦波超音波を斜めに入射する従来装置がある。この従来装置では、被検査体への縦波超音波の入射点でモード変換によって横波を発生させ、この横波を用いて、被検査体の内部での超音波の透過率を向上し(透過率:横波>縦波)、S/N(ノイズに対する信号強度)比を改善している。
さて、本実施形態では、縦波超音波の伝播経路の一部(縦波超音波送信センサー5より被検体3まで及び被検査体3より縦波超音波受信センサー6まで)に空気が存在するので、この空気中(空中)を伝播する過程で超音波が減衰する。この場合に、空気中の雰囲気に置かれた被検査体と、この被検査体に対して縦波超音波を送信する超音波送信子と、被検査体を透過してくる超音波を受信する超音波受信子とを備え、被検査体に対して縦波超音波を斜めに入射する従来装置がある。この従来装置では、被検査体への縦波超音波の入射点でモード変換によって横波を発生させ、この横波を用いて、被検査体の内部での超音波の透過率を向上し(透過率:横波>縦波)、S/N(ノイズに対する信号強度)比を改善している。
そこで比較例では、縦波超音波によって被検査体3に開管共鳴を生じさせるようにする。ここでいう「開管共鳴」とは、気柱振動における開管共鳴を応用するものである。縦波超音波によって被検査体3に開管共鳴を生じさせると、縦波超音波の透過強度が大きくなり、被検査体3の内部で縦波超音波が減衰しないのである。
そこで本発明の第1実施形態では、縦波超音波によって被検査体3に開管共鳴を生じさせるようにする。ここでいう「開管共鳴」とは、気柱振動における開管共鳴を応用するものである。縦波超音波によって被検査体3に開管共鳴を生じさせると、縦波超音波の透過強度が大きくなり、被検査体3の内部で縦波超音波が減衰しないのである。
縦波は、媒質内の各点の振動方向と波の進行方向とが同じであり、そのままでは図示できないので、横波(例えば波の進行方向の変位を正、逆方向の変位を負とする)で表すと、被検査体3の内部に開管共鳴が生じているときの縦波超音波の状態は、図2に示したようになる。すなわち、開管共鳴が生じているとき定在波が生じる。ここでいう定在波とは、被検査体3の一端(図2で上端)から入射した縦波超音波が他端(図2で下端)で自由端反射し、再び元の一端で自由端反射を繰り返し干渉して両端が腹になるような波のことである。
図2において被検査体3の厚さをt、被検査体3を厚さ方向に伝播する縦波超音波の音速をVとしたとき、開管共鳴周波数帯の縦波超音波の中心周波数fは、次の(1)式を満足することとなる。ここで、(1)式のNは、正の整数(1,2,3・・・)である。
比較例では、被検査体3の厚さtや被検査体3を厚さ方向に伝播する縦波超音波の音速Vが相違しても対処し得るよう、図1に示したように縦波超音波パルサーレシーバ15に送信波周波数可変装置16及び入力装置17を付属している。すなわち、入力装置17で被検査体3の代表厚さtと縦波超音波の音速Vを入力すると、上記(1)式により送信波周波数可変装置16が縦波超音波の中心周波数fを算出する。そして、 縦波超音波パルサーレシーバ15では、送信波周波数可変装置16が算出した中心周波数成分を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を作り、これを被検査体3への入力信号として縦波超音波送信センサー5に与える。入力信号としては、例えば、正弦波信号、ランダム波形信号、チャープ信号などを用いればよい。
本実施形態では、被検査体3の厚さtや被検査体3を厚さ方向に伝播する縦波超音波の音速Vが相違しても対処し得るよう、図1に示したように縦波超音波パルサーレシーバ15に送信波周波数可変装置16及び入力装置17を付属している。すなわち、入力装置17で被検査体3の代表厚さtと縦波超音波の音速Vを入力すると、上記(1)式により送信波周波数可変装置16が縦波超音波の中心周波数fを算出する。そして、 縦波超音波パルサーレシーバ15では、送信波周波数可変装置16が算出した中心周波数成分を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を作り、これを被検査体3への入力信号として縦波超音波送信センサー5に与える。入力信号としては、例えば、正弦波信号、ランダム波形信号、チャープ信号などを用いればよい。
図3のフローチャートは、被検査体3を伝播する開管共鳴周波数帯の縦波超音波の中心周波数fを算出するためのもので、送信波周波数可変装置16が実行する。ステップ1、2では被検査体3の代表厚さt及び被検査体3を伝播する縦波超音波の音速Vを読み込む。ここで、被検査体3の代表厚さtは予め測定しておく。被検査体3を伝播する縦波超音波の音速Vも適合により予め求めておく。音速Vは簡単には一定値でよいが、温度の影響を受けるときには温度に応じた値を用いることが考えられる。
ステップ3では、上記(1)式と同じ式により開管共鳴周波数帯の縦波超音波の中心周波数fを算出し、ステップ4で算出した中心周波数fを縦波超音波パルサーレシーバ15に出力する。
中心周波数fが与えられる縦波超音波パルサーレシーバ15では、中心周波数fを含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を生成し、生成した開管共鳴周波数帯の縦波超音波を、被検査体3への入力信号として縦波超音波送信センサー5に送信する。超音波送信センサー5ではこの縦波超音波を被検査体3に照射し、縦波超音波受信センサー6が被検査体5を透過した縦波超音波を受信する。
このように構成したとき、気柱振動の開管共鳴と同様の原理によって、図2に示したように被検査体3の内部で縦波超音波が共鳴する。その結果、被検査体3の内部を透過し縦波超音波受信センサー6で受信される縦波超音波の透過強度が大きくなる。
図4は、中心周波数f=333[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を用い、縦波超音波の音速Vが2731[m/sec]であるアクリル板の厚さを変化させたときに、特定の板厚で開管共鳴が生じて縦波超音波の透過強度が大きくなった一例を示す。図4より、ピークを生じている2箇所のアクリル板厚のとき、縦波超音波の透過強度が1[V]に近いのに対して、他のアクリル板厚のときには0.8[V]にも届いていないことがわかる。
さらに詳述する。上記(1)式は、左辺に被検査体の厚さt、右辺に被検査体を伝播する超音波の波長λで整理すると、次の(2)式が得られる。
t≒(V/f)/2・N=λ/2・N …(2)
さらに(2)式をNで整理すると、
N=t/(λ/2)=2t/λ …(3)
の式が得られる。
(3)式によって算出されるNの値が、限りなく正の整数(1,2,3・・・)に等しいときに縦波超音波の透過強度は最も大きくなり、S/N比が向上する。その反面、Nの値が、正の整数から最も遠ざかる0.5, 1.5, 2.5に等しくなるにつれて縦波超音波の透過強度は小さくなり、S/N比は低下する。例えば、図5の上段は縦波超音波の透過強度が最大になる条件で縦波超音波が被検査体を伝播する様子を、図5の下段は縦波超音波の透過強度が最小になる条件で縦波超音波が被検査体を伝播する様子を示している。両者を比較すればわかるように、図5の上段が開管共鳴が生じる場合の縦波超音波の状態である。
また、図6にはアクリル板を伝播する縦波超音波の透過強度が最大及び最小になる条件を確認した一例を示している。すなわち、図6ではアクリル板を伝播する縦波超音波の音速Vを2731[m/sec]、縦波超音波の中心周波数fを333[kHz]とした条件で、アクリル板の板厚tを1[mm]〜11.5[mm]と振って、正の整数N(1,2,3・・・)の値を変化させている。図6よりNの値が限りなく正の整数に等しいとき、例えばN=0.96(正の整数1からのズレ0.04)のとき縦波超音波の透過強度は0.92[V]と大きくなっている。同様に、N=1.94(正の整数1からのズレ0.06)のとき縦波超音波の透過強度は0.91[V]と相対的に大きくなっている。一方、N=0.5(正の整数1からのズレ0.5)のとき縦波超音波の透過強度は0.30[V]と相対的に小さくなっている。このように、Nの値が限りなく正の整数(1,2,3・・・)に等しいときにはNの値が正の整数から最も遠ざかる0.5, 1.5, 2.5・・・に等しくなるときより約10[dB]の透過強度の増加およびS/N比の改善効果が認められた。
ここで、比較例の作用効果を説明する。
比較例では、多層構造体を被検査体3とし、この被検査体3の厚さをt、被検査体3を伝播する縦波超音波の音速をVとしたとき
f≒V・N/(2t)(ただし、Nは正の整数) …(1)
の条件を満足する中心周波数fを含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を、空気中の雰囲気に置かれた被検査体3上の測定点に向けて送信する縦波超音波送信センサー5(縦波超音波送信子)と、被検査体3を透過してくる縦波超音波を受信する縦波超音波受信センサー6(縦波超音波受信子)とを備えている。比較例によれば、上記(1)式の条件を満足する中心周波数fを含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を空気中の雰囲気に置かれた被検査体3上の測定点に向けて照射するので、縦波超音波の透過強度が大きくなる。これによって、S/N比が大きくなり、ラミネート型電池(ラミネート型電気デバイス)などの多層構造体であっても、高い超音波探傷精度を実現することができる。
比較例によれば、前記中心周波数fの成分を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を、縦波超音波送信センサー5(縦波超音波送信子)から被検査体3に入力する入力信号として生成すると共に、縦波超音波受信センサー6(縦波超音波受信子)からの信号を受ける縦波超音波パルサーレシーバ15と、縦波超音波送信センサー5及び縦波超音波受信センサー6の被検査体3上の測定点に対する位置を被検査体3の厚さ方向に移動し得るZ軸移動機構11(厚さ方向移動機構)と、被検査体3上の測定点を被検査体3の面方向に移動し得るX軸・Y軸移動機構13(面方向移動機構)と、被検査体3上の測定点の位置データと縦波超音波パルサーレシーバ15から出力される縦波超音波の透過強度のデータとを関連づけて収集するデータ収集装置19と、このデータ収集装置19からの縦波超音波の透過強度の出力データを受けて2次元画像化するデータ処理装置20と、この二次元画像を表示するモニター21と、縦波超音波送受信センサー5、6(縦波超音波送受信子)の面方向の移動条件を設定する面方向移動条件設定装置(20)と、この面方向移動条件設定装置(20)で設定された移動条件となるようにX軸・Y軸移動機構13を制御するセンサートラバースコントローラ22(トラバースコントローラ)とを有するので、被検査体3上の任意の測定点で容易に被検査体3の内部の超音波探傷を行うことができる。
比較例によれば、被検査体3の厚さt及び被検査体3を伝播する縦波超音波の音速Vを入力し得る入力装置17と、この入力装置17から入力される厚さt及び音速Vから前記中心周波数fを算出し、算出した中心周波数fを縦波超音波パルサーレシーバ15に伝える送信波周波数可変装置16を有するので、被検査体3の厚さtや被検査体3を伝播する縦波超音波の音速Vが相違しても、開管共鳴周波数帯の縦波超音波の中心周波数fを容易に変化させることができる。
(第実施形態)
図7のフローチャートは、被検査体3を伝播する開管共鳴周波数帯の縦波超音波の中心周波数fを算出するためのもので、送信波周波数可変装置16が実行する。比較例の図3と置き換わるものである。図3と同一ステップには同一番号を付している。
比較例では被検査体3としてのラミネート型電池の厚さはほぼ一定であるとみなすものであった。実際にはラミネート型電池の表面は必ずしも平らでなく、厚みも厳密に一定でない。従って、ラミネート型電池の表面に少しの凹凸やしわによる傾斜部があると、空中からラミネート型電池の表面に入射する縦波超音波の入射角のばらつきにより、縦波超音波受信センサー6に到達する縦波超音波の透過強度のレベルが変動する。この変動を受けて、そのレベルが、「検知対象を判定する閾値」のレベル以下となったのでは、ラミネート型電池の表面の少しの凹凸やしわを「検知対象」と誤判定してしまうといった問題がある。
そこで本発明の第1実施形態では、被検査体3の厚さの変動量Δtをみて、厚さ変動量Δtが所定値を超えるときには、誤判定が生じると判断し、上記(1)式の正の整数Nを1としたときの中心周波数fを含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を用いる。
比較例との相違点を主に説明すると、図7のフローでは、ステップ11〜13が新たに加わっている。
第1実施形態との相違点を主に説明すると、図7のフローでは、ステップ11〜13が新たに加わっている。
まずステップ11では、被検査体3の厚さ変動量Δtを読み込む。被検査体3の厚さ変動量Δtは予め求めておき、送信波周波数可変装置16の入力装置17で入力する。
ステップ12では、この厚さ変動量Δtと所定値を比較する。所定値は誤判定が生じるか否かの判定値で、予め定めておく。厚さ変動量Δtが所定値以上であるときには誤判定が生じると判断し、ステップ13に進み、正の整数を1とする中心周波数fを次の(4)式で算出する。(4)式を上記(1)式と比較すればわかるように、(4)式は(1)式においてN=1としたものである。
f≒V/(2t) …(4)
ステップ4では、ステップ13で算出した中心周波数fを縦波超音波パルサーレシーバ15に出力する。
一方、ステップ12で厚さ変動量Δtが所定値未満であるときには誤判定が生じないと判断し、ステップ3に進み上記(1)式と同じ式により縦波超音波の中心周波数fを算出する。ステップ4では、ステップ3で算出した中心周波数fを縦波超音波パルサーレシーバ15に出力する。
中心周波数fが与えられる縦波超音波パルサーレシーバ15では、中心周波数fを含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を生成し、生成した開管共鳴周波数帯の縦波超音波を、被検査体3への入力信号として縦波超音波送信センサー5に送信する。縦波超音波送信センサー5ではこの開管共鳴周波数帯の縦波超音波を被検査体3に照射し、縦波超音波受信センサー6が被検査体5を透過した縦波超音波を受信する。
次に、厚さ変動量Δtが所定値以上のときに正の整数Nを1とする上記(4)式で中心周波数fを算出することにした理由を説明する。
上記(1)式を変形し、左辺に被検査体の厚さt、右辺に被検査体を伝播する縦波超音波の波長λで整理すると、次の(2)式が得られる。
t≒(V/f)/2・N=λ/2・N …(2)
N=1のとき、すなわち被検査体の厚さ方向に1次の定在波が発生するように開管共鳴周波数帯の縦波超音波の中心周波数を決めることにより、(2)式は次の(5)式となる。
t=λ/2 …(5)
(5)式より
λ=2t …(6)
となり、被検査体3の内部を伝播する縦波超音波の波長λが最も長くなる。
ここで、被検査体3の厚さtに±Δtの厚さ変動量があるとすると、Nの値は、厚さ変動の影響を受ける。上記(3) 式のtに代えてt±Δtを代入すると、次の(7)式が得られる。
N=t/(λ/2)
=2(t±Δt)/λ=2t/λ±2Δt/λ …(7)
(7)式を(3)式と比較すればわかるように、Nの値は、正の整数値に対し(7)式の右辺第2項の分、つまり±2Δt/λの分だけ変動する。
ここで、被検査体の内部を伝播する縦波超音波の波長λが、厚さ変動量Δtに対して限りなく大きければ±2Δt/λ≒0となり、Nの値が限りなく正の整数(1,2,3・・・)に近づく。このときには、被検査体に±Δtの厚さ変動量が存在しても縦波超音波受信センサー6により受信される縦波超音波の透過強度はほぼ変わらず、従って縦波超音波の透過強度の変動への影響はほとんどない。一方、被検査体の内部を伝播する縦波超音波の周波数が高い(波長λが短い)と、±2Δt/λは±0.5に近づく。つまり、Nの値が正の整数±0.5に近づくので、縦波超音波受信センサー6により受信される縦波超音波の透過強度が低下する(縦波超音波の透過強度が変動する)。
実施形態では、電極と電解質とから構成される発電要素を外装材としての扁平状のフィルムで被覆した電気デバイスを被検査体3とし、この被検査体の厚さをt、被検査体を伝播する縦波超音波の音速をVとしたとき
f≒V/(2t) …(4)
の条件を満足する中心周波数fを含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を、空気中の雰囲気に置かれた被検査体3上の測定点に向けて送信する縦波超音波送信センサー5(縦波超音波送信子)と、被検査体3を透過してくる縦波超音波を受信する縦波超音波受信センサー6(縦波超音波受信子)とを備えている。第実施形態によれば、上記(4)式の条件を満足する中心周波数fを含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を、空気中の雰囲気に置かれた被検査体3上の測定点に向けて照射している。つまり、開管共鳴周波数帯の中で最も波長λの長い縦波超音波を採用するので、ラミネート型電池の厚さ方向の変動量Δtの影響による縦波超音波の減衰をより小さくすることができる。これによって、ラミネート型電池の外装材であるラミネートフィルムの表面に凹凸やしわによる傾斜部があっても、高い超音波探傷精度を実現することができる。
(実施例1)
実施例1は比較例の実施例である。代表厚さが4[mm]、縦波超音波が伝播するときの音速が2731[m/sec]であるアクリル板を被検査体とした。このアクリル板に対し、中心周波数175[kHz]、333[kHz]、741[kHz]をそれぞれ含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射した。すなわち、中心周波数が333[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射したとき縦波超音波の透過強度が0.92[V]となった。同様に、中心周波数が175[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射したとき縦波超音波の透過強度が0.44[V]となった。同様に、中心周波数が741[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射したとき縦波超音波の透過強度が0.19[V]となった。これらの結果をまとめて記入したものが図9である。
(実施例1)
実施例1は第1実施形態の実施例である。代表厚さが4[mm]、縦波超音波が伝播するときの音速が2731[m/sec]であるアクリル板を被検査体とした。このアクリル板に対し、中心周波数175[kHz]、333[kHz]、741[kHz]をそれぞれ含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射した。すなわち、中心周波数が333[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射したとき縦波超音波の透過強度が0.92[V]となった。同様に、中心周波数が175[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射したとき縦波超音波の透過強度が0.44[V]となった。同様に、中心周波数が741[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射したとき縦波超音波の透過強度が0.19[V]となった。これらの結果をまとめて記入したものが図9である。
ここで、中心周波数が333[kHz]のときのNを計算してみると、N=0.96、つまり正の整数1からのズレは0.04である。同様に、中心周波数が175[kHz]のときのNを計算してみると、N=0.52、つまり正の整数1からのズレは0.48である。同様に、中心周波数が741[kHz]のときのNを計算してみると、N=2.20、つまり正の整数1からのズレは0.20である。
(実施例2)
実施例2は第実施形態の実施例である。ここでは、まずラミネート型電池31を図11、図12を参照して概説する。
(実施例2)
実施例2は第2実施形態の実施例である。ここでは、まずラミネート型電池31を図11、図12を参照して概説する。
図11はリチウムイオン二次電池などのラミネート型電池31の概略斜視図、図12は発電要素32の分解斜視図である。
図11に示すように、ラミネート型電池31は、実際に充放電反応が進行する略四角扁平状の発電要素32が、電池外装材であるラミネートフィルム44(扁平状のフィルム)の内部に封止された構造を有する。詳しくは、高分子−金属複合ラミネートフィルムを電池外装材として用いて、その周縁部44a、44b、44c、44dを熱融着にて接合することにより、発電要素32を収納し密封した構成を有している。
図12に示したように、発電要素32は、負極34、セパレータ32、正極38をこの順に積層した構成を有している。ここで、負極34は四角薄板状の負極集電体35の両面に負極活物質層36、36を配置したものである。同様に正極38は四角薄板状の正極集電体39の両面に正極活物質層40、40を配置したものである。セパレータ42は主に多孔質の熱可塑性樹脂から形成されている。セパレータ42が電解液を保持することで、セパレータ42と一体に電解質層が形成されている。言い換えると、2つの電極間のLiイオンの移動媒体としての機能を有する電解質層が、液体電解質と樹脂を含む微多孔膜のセパレータ42とで構成されている。
これにより、隣接する負極34、セパレータ42(電解液を含む)及び正極38は、一つの単電池層43(単電池)を構成する。単電池層43では、電子とイオンが2つの電極間を移動して電池の充放電反応(電気化学反応)を行う。従って、ラミネート型電池31は、単電池層43を積層することで、電気的に並列接続された構成を有するともいえる。また、単電池層43の外周には、隣接する負極集電体35と正極集電体39との間を絶縁するためのシール部(絶縁層)を設けてもよい。発電要素32の両最外層に位置する最外層負極集電体35には、いずれも片面のみ(図12で最上段の負極集電体35には下面のみ、最下段の負極集電体35には上面のみ)に負極活物質層36を配置している。
負極集電体35及び正極集電体39には、各電極(負極または正極)から出入りする電子を外部に取り出す負極タブ45及び正極タブ46の2つの強電タブを取り付け、ラミネートフィルム44の周縁部に挟まれるようにラミネートフィルム44の外部に導出させている。発電要素32は全体として四辺を有する四角扁平状に形成されているので、四辺のうちの一辺のみより2つの強電タブ45、46をまとめて外部に導出させている(図11参照)。なお、図12において各負極タブ45同士を、また各正極タブ46同士を電気的に接続することはいうまでもない。これでラミネート型電池31の概説を終える。
さて、実施例2の被検査体として用いたサンプルのラミネート型電池(以下「サンプル電池」という。)31は代表厚さが7[mm]あり、しわなどの影響により0.73[mm]の厚さ変動量が生じていた。以下では、実施例2のサンプル電池31が図13に示すようであったとして述べる。
図14は図13において面上の一点鎖線に沿った実施例2のサンプル電池31の縦断面図である。図14のように実施例2のサンプル電池31には表面(上面)に厚さ変動に伴う凸部51、52が2箇所に生じている。
この場合に、まず図13、図14に示したように縦波超音波送受信センサー5、6を第1測定位置(「測定位置A」とする。)にセットした(実線参照)。そして、中心周波数180[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射し、その縦波超音波の透過強度を求めた後、中心周波数746[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射し、その縦波超音波の透過強度を求めた。
次に、図13、図14に示したように測定位置Aより一点鎖線に沿って少しずらせた第2測定位置(「測定位置B」とする。)に縦波超音波送受信センサー5、6(破線参照)をセットした。そして、前記と同様に中心周波数180[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射し、その縦波超音波の透過強度を求めた後、中心周波数746[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射し、その縦波超音波の透過強度を求めた。
このようにして得た縦波超音波の透過強度と測定位置との関係をまとめたのが図15で、横軸に測定位置を、縦軸に縦波超音波の透過強度を採っている。ここで、中心周波数180[kHz]の縦波超音波の波長λは9.1[mm]、中心周波数746[kHz]の縦波超音波の波長λは2.2[mm]である。図15より、波長λが相対的に長い9.1[mm]の縦波超音波ではその透過強度の変化量が0.09[V]であるのに対して、波長λが相対的に短い2.2[mm]の縦波超音波ではその透過強度の変化量が0.53[V]と大きくなっている。
(実施例3)
実施例3も第実施形態の実施例である。ここでも、実施例3のサンプル電池31が図16に示すようであったとして述べる。図17は図16において面上の二点鎖線に沿った実施例3のサンプル電池31の縦断面図である。図17のように実施例3のラミネート型電池31には表面(上面)に厚さ変動に伴う凸部53が一箇所に生じている。
(実施例3)
実施例3も第2実施形態の実施例である。ここでも、実施例3のサンプル電池31が図16に示すようであったとして述べる。図17は図16において面上の二点鎖線に沿った実施例3のサンプル電池31の縦断面図である。図17のように実施例3のラミネート型電池31には表面(上面)に厚さ変動に伴う凸部53が一箇所に生じている。
この場合に、まず図16、図17に示したように縦波超音波送受信センサー5、6を第3測定位置(「測定位置C」とする。)にセットした(実線参照)。そして、中心周波数180[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射し、その縦波超音波の透過強度を求めた後、中心周波数が746[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射し、その縦波超音波の透過強度を求めた。
次に、図16、図17に示したように測定位置Cより二点鎖線に沿って少しずらせた第4測定位置(「測定位置D」とする。)に縦波超音波送受信センサー5、6をセットした(長破線参照)。そして、前記と同様に中心周波数180[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射し、その縦波超音波の透過強度を求めた後、中心周波数746[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射し、その縦波超音波の透過強度を求めた。
次に、図16、図17に示したように測定位置Dより二点鎖線に沿ってさらにずらせた第5測定位置(「測定位置E」とする。)に縦波超音波送受信センサー5、6をセットした(短破線参照)。そして、前記と同様に中心周波数180[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を照射し、その縦波超音波の透過強度を求めた後、中心周波数が746[kHz]を含む開管共鳴周波数帯の縦波の超音波を照射し、その縦波超音波の透過強度を求めた。
このようにして得た縦波超音波の透過強度と測定位置との関係をまとめたのが図18で、横軸に測定位置を、縦軸に縦波超音波の透過強度を採っている。ここで、中心周波数180[kHz]の縦波超音波の波長λは9.1[mm]、中心周波数746[kHz]の縦波超音波の波長λは2.2[mm]である。図18より、波長λが相対的に長い9.1[mm]の縦波超音波ではその透過強度の変化量が0.21[V]であるのに対して、波長λが相対的に短い2.2[mm]の縦波超音波ではその透過強度の変化量が0.53[V]と大きくなっている。
このように、実施例3によれば、実施例2と同様に、波長λがが9.1[mm]と相対的に長い縦波超音波のほうが、サンプル電池31の電池表面の少しの凹凸(厚さ変動)による縦波超音波の透過強度の変化量を低減できることがわかる。
(実施例2、3のまとめ)
図19は実施例2、3で得た縦波超音波の透過強度の変化量から縦波超音波の透過強度の変化率を計算してまとめたものである。図19において、横軸は厚さ変動量/(λ/4)[%]で整理している。図19より、中心周波数が180[kHz]と相対的に低周波の縦波超音波のほうが、波長λに対する厚さ変動量の比率が中心周波数が746[kHz]と相対的に高周波の縦波超音波より小さくなっている。これより、共振条件からのズレが小さくなり縦波超音波の透過強度の変化率が相対的に小さくなることがわかる。なお、N=1、2、3は理論と実験によって求めたデータである。
実施形態では、縦波超音波送受信センサー5、6が一組である場合で説明したが、これに限られるものでない。縦波超音波送受信センサー5、6を二組以上設けてもかまわない。
実施形態では、電気デバイスとしてラミネート型電池を例示したが、これに限られるものでない。多層構造体であるかぎり、他のタイプの二次電池、さらには一次電池にも適用できる。また、電池だけでなく電気二重層キャパシタのような電気化学キャパシタにも適用がある。
1 縦波超音波探傷装置
3 被検査体
5 縦波超音波送信センサー(縦波超音波送信子)
6 縦波超音波受信センサー(縦波超音波受信子)
11 Z軸移動機構(厚さ方向移動機構)
13 X軸・Y軸移動機構(面方向移動機構)
15 縦波超音波パルサーレシーバ(縦波超音波パルサーレシーバ)
16 送信波周波数可変装置
19 データ収集装置
20 データ処理装置
21 モニター
22 センサートラバースコントローラ(トラバースコントローラ)
31 ラミネート型電池(多層構造体)

Claims (4)

  1. 電極と電解質とから構成される発電要素を外装材としての扁平状のフィルムで被覆した電気デバイスを被検査体とし、この被検査体の厚さをt、被検査体を伝播する縦波超音波の音速をVとした場合に、被検体の厚さの変動幅を検出し厚さ変動幅が所定値以上であるとき、
    f≒V/(2t)
    の条件を満足する中心周波数fを含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を、空気中の雰囲気に置かれた被検査体上の測定点に向けて送信する縦波超音波送信子と、被検査体を透過してくる縦波超音波を受信する縦波超音波受信子とを備えることを特徴とする空中超音波探傷装置。
  2. 前記縦波超音波送信子は、前記厚さ変動幅が前記所定値未満であるとき、
    f≒V・N/(2t)(ただし、Nは正の整数)
    の条件を満足する中心周波数fを含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を送信することを特徴とする請求項1に記載の空中超音波探傷装置。
  3. 前記中心周波数の成分を含む開管共鳴周波数帯の縦波超音波を、前記縦波超音波送信子から前記被検査体に入力する入力信号として生成すると共に、前記縦波超音波受信子からの信号を受ける縦波超音波パルサーレシーバと、
    前記縦波超音波送信子及び縦波超音波受信子の前記被検査体上の測定点に対する位置を前記被検査体の厚さ方向に移動し得る厚さ方向移動機構と、
    前記被検査体上の測定点を前記被検査体の面方向に移動し得る面方向移動機構と、
    前記被検査体上の測定点の位置データと前記縦波超音波パルサーレシーバから出力される縦波超音波の透過強度のデータとを関連づけて収集するデータ収集装置と、
    このデータ収集装置からの前記縦波超音波の透過強度の出力データを受けて2次元画像化するデータ処理装置と、
    この二次元画像を表示するモニターと、
    前記縦波超音波送受信子の面方向の移動条件を設定する面方向移動条件設定装置と、
    この面方向移動条件設定装置で設定された移動条件となるように前記面方向移動機構を制御するトラバースコントローラと
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の空中超音波探傷装置。
  4. 前記被検査体の厚さ及び被検査体を伝播する縦波超音波の音速を入力し得る入力装置と、この入力装置から入力される厚さ及び音速から前記中心周波数を算出し、算出した中心周波数を前記縦波超音波パルサーレシーバに伝える送信波周波数可変装置を有することを特徴とする請求項3に記載の空中超音波探傷装置。
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