JP5912494B2 - ディーゼルエンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排気通路に配置された酸化触媒(DOC)と、該DOCの下流側に配置され、排ガス中の排気微粒子(PM)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)と、該DPFに堆積したPM堆積量を推定するPM堆積量推定手段と、を備えたディーゼルエンジンの排気浄化装置に関する。
ディーゼルエンジンの排ガス中に含まれるPMの除去に有効な技術として、DPFが知られている。
DPFはフィルタを用いたPM捕集装置であり、排気通路に設置され、エンジンから排出されるススなどのPMをフィルタで捕集し、排ガスから除去する装置である。DPFで捕集されたPMの一部は、運転中のエンジンから排出される高温の排ガスによって燃焼するが(連続再生)、残りのPMはDPFのフィルタに堆積していく。そして、PMの堆積が過度に進行すると、排圧増大によるエンジン出力や燃費の低下、PMの異常燃焼によるDPFの損傷などを招来する。このため、DPFにおいては、フィルタに堆積しているPMを強制的に燃焼させてフィルタを再生させる強制再生を適切なタイミングで実施する必要がある。
強制再生を実施する適切なタイミングを把握するためには、フィルタのPM堆積量を精度よく推定する必要がある。PM堆積量を過少に評価した場合は、強制再生のタイミングが遅くなり、PMの過堆積によるPM捕集能力の低下やエンジン出力の低下等が生じるほか、強制再生時の過昇温によってDPFが損傷する可能性がある。また逆に、PM堆積量を過剰に評価した場合は、強制再生の頻度が多くなり、燃費の悪化やオイルダイリューション等の問題が発生してしまう。ここでオイルダイリューションとは、強制再生時にDPFを昇温するため、筒内の燃焼に寄与しないタイミングで噴射された燃料の一部が、シリンダーライナーを通じてオイルパンに浸入して、オイルが希釈されることを言う。オイルが燃料で希釈されるとオイルの潤滑性が低下する。そして、潤滑性が所定の水準よりも低下すると、エンジンの損傷に繋がる恐れがある。
この際、DPFフィルタに堆積するPMの堆積量は、例えば特許文献1に開示されているように、PM排出量からPM再生量を差し引いた減算値を順次積算することで推定される。この際、PM排出量は、エンジン回転数と燃料噴射量を入力データとするマップによって算出される。一方、PM再生量は、エンジン回転数と燃料噴射量の他、温度センサ、圧力センサ、エアフローメータ等の各種センサの計測値に基づいて、予め実験等で作成したマップによって算出される。
特開2005−54632号公報 特開2004−44457号公報
ところで、DPFやDOCに担持されている触媒は、長期間の使用によって劣化するため、上述したPM再生量も時間の経過とともに少なくなっていく。しかしながら、上述した特許文献1では、PM再生量を算出する際に、触媒の劣化については全く考慮されていなかった。このため、長期間の使用によって触媒が劣化した場合には、PM再生量が実際よりも大きく算出され、PM堆積量が過少に推定されてしまうとの問題があった。
これに対して、触媒の劣化を予め見込んだ形でPM再生量を算出することが考えられる。しかしながら、この場合は、触媒が劣化するまでの間はPM再生量が実際よりも大きく算出されてしまい、PM堆積量が過大に推定されてしまう。
特許文献2には、PM再生量の算出に際して、DPFの劣化度合いを反映させるべく、DPFが所定以上の高温にさらされた場合にPM再生量を補正する技術が開示されている。しかしながら、この特許文献2では、一つだけの閾値(所定以上の高温)によって高温被ばく時間を累計し、PM再生量を補正しているため、暴露される温度の違いが考慮されていない。すなわち、例えば閾値を600℃と設定した場合、仮に所定時間1200℃の高温に晒されても、同時間600℃に晒された場合と同じ補正量となる。しかしながら、本来、触媒の劣化度合いは温度に対して指数関数的に増大するため、この特許文献2の方法では、触媒の劣化度合いを精度よく反映できるものではない。さらに、PM再生量の算出に際して、DOC触媒の劣化については全く考慮されていない。
また、エンジン起動直後の暖機運転時には、あえてエンジンの燃焼条件を変えることで排気ガスの早期昇温を図る場合があり、かかる場合にはエンジンから排出されるPMが増大する傾向があるが、上述した従来のエンジン回転数と燃料噴射量を入力データとするマップでは、暖機運転時におけるPM排出量を精度よく算出できないとの問題がある。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みなされた発明であって、従来よりもPM堆積量を高い精度で推定することで、PM堆積量の過少推定によるPM捕集能力の低下やエンジン出力の低下等の問題、およびPM堆積量の過大推定による燃費の悪化やオイルダイリュージョン等の問題を回避することが可能なディーゼルエンジンの排気浄化装置を提供することを目的としている。
本発明は、上述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、
本発明のディーゼルエンジンの排気浄化装置は、
排気通路に配置された酸化触媒(DOC)と、該DOCの下流側に配置され、排ガス中の排気微粒子(PM)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)と、該DPFに堆積したPM堆積量を推定するPM堆積量推定手段と、を備えたディーゼルエンジンの排気浄化装置において、
前記排気通路に排出されたPM排出量を算出する排出量算出手段と、前記DPFにおいて連続再生されたPM再生量を算出する連続再生量算出手段とを有し、前記PM堆積量推定手段は、前記排出量算出手段にて算出されたPM排出量と、前記連続再生量算出手段にて算出されたPM再生量との差分から、DPFにおけるPM堆積量を推定するように構成されており、
前記連続再生量算出手段は、前記排ガスに含まれる酸素によるPM再生量と、前記排ガスに含まれる二酸化窒素によるPM再生量とを合算して、前記連続再生されたPM再生量を算出することを特徴とする。
このような本発明では、酸素によるPM再生量と二酸化窒素によるPM再生量とを合算して連続再生されたPM再生量を算出するため、連続再生されたPM再生量を精度よく算定することができ、従来よりもPM堆積量を高い精度で推定することができる。
上記発明において、前記連続再生量算出手段は、前記DPFおよび前記DOCに担持されている触媒の劣化度合いに応じて、前記PM再生量を算出するように構成されていることが望ましい。
このような本発明では、DPFおよびDOCに担持されている触媒の劣化度合いに応じてPM再生量を算出するように構成されていることから、DPFの劣化度合いしか考慮されていない上述した従来技術と比べて、PM堆積量を高い精度で推定することができる。
上記発明において、前記酸素によるPM再生量と前記二酸化窒素によるPM再生量のそれぞれが、前記DPFに担持されている触媒の劣化度合いに応じて算出されるように構成されている。
この際、上記発明において、前記連続再生量算出手段は、前記DOCに担持されている触媒の劣化度合いに応じて、前記二酸化窒素によるPM再生量が算出されるように構成されていることが望ましい。
このように構成することで、DPFおよびDOCに担持されている触媒の劣化度合いをPM再生量の算出に反映させることができるため、従来と比べてPM堆積量をより高い精度で推定することができる。
また上記発明において、前記DPFおよび前記DOCに担持されている触媒の劣化度合いは、ディーゼルエンジンの運転時間と、該ディーゼルエンジンの運転時間中の前記DPFおよび前記DOCの平均温度との関係から、それぞれ算出されるように構成されていることが望ましい。
このように本発明では、ディーゼルエンジンの運転時間と、DPFおよびDOCの平均温度との関係から触媒の劣化度合いを算出している。したがって、一つだけの閾値(所定以上の高温)によって高温被ばく時間を算定し、これを触媒の劣化度とみなしている従来と比べて、触媒の劣化度合いを精度よく把握することができ、PM堆積量をより高い精度で推定することができるようになっている。
また上記発明において、前記排出量算出手段は、エンジンの冷却水温度に応じてPM排出量を算出するように構成されていることが望ましい。
このように構成されていれば、排出量算出手段において、エンジンの冷却水温度に応じたPM排出量が算出されるため、エンジン起動直後の暖機運転時におけるPM排出量を精度よく算出することができる。
本発明によれば、従来よりもPM堆積量を高い精度で推定することができるため、PM堆積量の過少推定によるPM捕集能力の低下やエンジン出力の低下等の問題、およびPM堆積量の過大推定による燃費の悪化やオイルダイリュージョン等の問題を回避することが可能なディーゼルエンジンの排気浄化装置を提供することができる。
本発明の排気浄化装置を備えたディーゼルエンジンの全体構成図である。 本発明の排出量算出手段を示したブロック図である。 本発明の連続再生量算出手段を示したブロック図である。 触媒の劣化度(K/K0)とエンジン運転時間との関係を示したグラフである。 本発明の排出量算出手段の変形例を示したブロック図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいてより詳細に説明する。
ただし、本発明の範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限り、本発明の範囲をそれにのみ限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明の排気浄化装置を備えたディーゼルエンジンの全体構成図である。まず、図1を参照して、本発明のディーゼルエンジンの排気浄化装置の全体構成について説明する。
図1に示すように、ディーゼルエンジンのエンジン1の下流側には、排気通路3が接続されている。排気通路3には、DOC(酸化触媒)5と、該DOC5の下流側にあるDPF7とからなる排ガス後処理装置9が設けられている。DOC5は、排ガス中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を酸化除去するとともに、排ガス中の一酸化窒素(NO)を酸化して二酸化窒素(NO)を生成する機能を有する。DPF7は、上述したように、排ガス中に含まれるススなどのPMをフィルタで捕集し、排ガスから除去する装置である。
また、エンジン1の上流側には、給気通路13が接続されている。そして、給気通路13と排気通路3との間には、排気ターボ過給機11が設けられている。この排気ターボ過給機11は、排気通路3に配置されている排気タービン11bと給気通路13に配置されているコンプレッサ11aとを有しており、該コンプレッサ11aは排気タービン11bによって同軸駆動されるようになっている。また、給気通路13にはインタークーラ15および給気スロットルバルブ17が設けられている。そして、コンプレッサ11aから吐出された空気は、インタークーラ15で冷却された後、給気スロットルバルブ17で給気流量が制御され、エンジン1の各シリンダ内の燃焼室に流入するようになっている。
また、エンジン1には、燃料の噴射時期および噴射量を制御して、シリンダ内の燃焼室に燃料を噴射するコモンレール燃料噴射装置18が設けられている。このコモンレール燃料噴射装置18は、制御ECU19から送信される制御信号によって、コモンレール18aから燃料噴射弁18bに対して、所定の噴射時期に所定量の燃料が供給されるように制御される。
エンジン1から排出された排ガスは、排気通路3を通って、上述した排気タービン11bを駆動してコンプレッサ11aを同軸駆動させる。そして、排気通路3を通った後、上述した排ガス後処理装置9のDOC5およびDPF7へと流れる。給気通路13には、コンプレッサ11aへ流入する空気流量を検出するエアフローメータ31が配置されている。そして、該エアフローメータ31にて測定された給気流量に関する信号が、制御ECU19へと入力されるようになっている。
また、排気通路3には、DOC入口温度センサ35、DPF入口圧力センサ36、DPF入口温度センサ37、DPF差圧センサ38、およびDPF出口温度センサ39が配置されている。そして、これらセンサ類で測定されたDOC入口温度、DPF入口温度、DPF出口温度などに関する信号が、制御ECU19へと入力されるようになっている。
また、制御ECU19では、不図示のクランクセンサ、カムセンサ、アクセルセンサ、スロットルセンサ、冷却水温センサ等の各種センサからの入力信号を基に、エンジン回転数および燃料噴射量が算出されるようになっている。
制御ECU19は、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、およびI/Oインターフェイスなどからなるマイクロコンピュータで構成されている。上述したセンサ類からの各種信号は、I/Oインターフェイスを介してCPUに入力される。CPUでは、ROMに記憶されている制御プログラムに従って、各種制御を実行するように構成されている。そして、図1に示すように、該制御ECU19によって、本発明のPM堆積量推定手段50、排出量算出手段51、および連続再生量算出手段52が構成されている。
排出量算出手段51では、エンジン1から排出される排ガス中に含まれるPM量(PM排出量)が算出される。排出量算出手段51におけるPM排出量の算出は、図2に示したように、エンジン回転数と燃料噴射量を入力データとするPM排出量マップ55によって行われる。このPM排出量マップ55は、実験等を行うことによって作成され、予め制御ECU19のROMに記憶されている。またここでは、過渡運転時におけるPM排出量の増加を推算するため、過渡状態を判定し排出量増大分を補正することもできるようになっている。
連続再生量算出手段52では、連続再生量、すなわち、強制再生時ではなく、通常の運転状態におけるエンジン1から排出された高温の排ガスによって燃焼したPM量(PM再生量)が算出される。このPM再生量は、図3に示すように、酸素(O)によるPM再生量と、二酸化窒素(NO)によるPM再生量とをそれぞれ算出し、これらを合算することによって算出される。なお、連続再生量算出手段52と同様の構成により、強制再生量を算出することも可能である。
酸素によるPM再生量は、DPF温度、酸素濃度、および後述するDPF劣化度を入力データとするO再生量マップ56によって算出される。この際、酸素濃度は、Oセンサなどによって測定することも可能であるが、本実施形態では、排ガスの圧力や温度、エンジン回転数、燃料噴射量などを基に、制御ECU19で算出している。
二酸化窒素によるPM再生量は、DPF温度、二酸化窒素濃度、および後述するDPF劣化度を入力データとするNO再生量マップ57によって算出される。二酸化窒素濃度は、NO量にNOの存在比率を乗じて算出される。NOの比率は、排ガス流量、DOC温度、DPF温度および後述するDOC劣化度、DPF劣化度を入力データとするNO比率マップ58によって算出される。この際、排ガス流量は、上述したエアフローメータ31で測定した給気流量から算出される。また、NO濃度は、エンジン回転数と燃料噴射量を入力データとするNO排出量マップ59から算出されるようになっている。また、上述したDOC温度およびDPF温度は、理論的には、DOC基材およびDPF基材の温度を直接測定してこれを用いるのが望ましい。しかしながら、DPF入出口平均温度およびDOC入出口平均温度で代用することでも十分な算出精度を確保できるとともに、簡単な構成でDOC温度およびDPF温度を把握することができる。
上述したO再生量マップ56、NO再生量マップ57、NO比率マップ58、およびNO排出量マップ59は、実験等を行うことによって作成され、予め制御ECU19のROMに記憶されている。そして、各種センサから送信された信号を基にして、PM再生量が算出されるようになっている。また、上述したNO比率マップ58は、NOからNOへの転化率を算出するマップ(NO転化率マップ)によっても代用することができる。
そして、PM堆積量推定手段50では、排出量算出手段51で算出したPM排出量と、連続再生量算出手段52で算出したPM再生量との差分を時々刻々積算することで、PM堆積量を算出(推定)している。
<DPF,DOC劣化度の算出>
次に、DPF劣化度、DOC劣化度の算出方法について、以下に説明する。ここで言うDPF劣化度、DOC劣化度とは、それぞれDPFおよびDOCに担持されている触媒の劣化度合いの意味であり、下記式(1),(2)に示すように表される。
DPF劣化度 = KDPF/K0DPF ・・・(1)
DOC劣化度 = KDOC/K0DOC ・・・(2)
(ここに、K0DPF:DPFに担持されている触媒の初期の反応速度定数、KDPF:DPFに担持されている触媒の劣化後の反応速度定数、K0DOC:DOCに担持されている触媒の初期の反応速度定数、KDOC:DOCに担持されている触媒の劣化後の反応速度定数である。)
本発明において、DPF劣化度およびDOC劣化度は、ディーゼルエンジンの運転時間と、該ディーゼルエンジンの運転時間中のDPFおよびDOCの平均温度との関係から、それぞれ算出されるようになっている。
具体的には、例えば、図4(a)に示したように、劣化度(K/K0)とエンジン運転時間とからなるグラフを所定温度毎に予め実験等で作成しておき、これを制御ECU19のROMに記憶させておく。そして、エンジン運転時間と、該エンジン運転時間中のDPFおよびDOCの平均温度とから、図4(a)のグラフに基づいて、図4(b)に示した如く劣化度(K/K0)が変化する挙動を推定する。例えば、図4(c)に示したように、運転時間によって温度が刻々と変化する場合の劣化度(K/K0)は、ある運転時間a〜dにおける温度に対応するグラフに基づいて、図4(b)に示した如く変化する。すなわち、運転時間aでは600℃、運転時間bでは700℃、運転時間cでは800℃に対応するグラフに基づいて劣化度(K/K0)が変化する。なお、運転時間dにおいては、すでに劣化度(K/K0)が600℃の最少値を下回っていることから、劣化度(K/K0)の挙動は変化しない。
また、例えば、下記式(3),(4)に示したようなKを求める関係式を予め実験等により作成し、これを制御ECU19のROMに記憶させておく。そして、運転時間(t)と、該エンジン運転時間中のDPFおよびDOCの平均温度(T)とから、下記式(3),(4)に基づいて、劣化度(K/K0)を算出することができる。
−dK/dt=ζKn ・・・(3)
ζ=φexp(−E/RT) ・・・(4)
(ここに、n:反応速度定数Kの乗数、E:活性化エネルギ、R:気体定数、T:絶対温度、φ:劣化定数である。)
上述した図4のグラフおよび関係式(3),(4)は、触媒の種類等によって異なるものとなる。よって、DPFおよびDOCに担持されるそれぞれの触媒に対して、上記グラフおよび/または上記関係式を作成し、制御ECU19に保持しておく。
このようにして算出されるDPF劣化度(KDPF/K0DPF)を上述した図3におけるO再生量マップ56に入力することで、DPFに担持されている触媒の劣化度合いに応じたOによるPM再生量が算出される。また同様に、DPF劣化度(KDPF/K0DPF)をNO再生量マップ57に入力することで、DPFに担持されている触媒の劣化度合いに応じたNOによるPM再生量が算出される。
また、同様にして算出されるDOC劣化度(KDOC/K0DOC)を図3におけるNO比率マップ58に入力することで、NO比率が算出される。この際、NO比率マップ58は、例えば、異なるDOC劣化度に対応して作成された複数のマップ群から構成されており、入力されたDOC劣化度に対応するマップに基づいて、NO比率が算出されるようになっている。またマップ間を内挿するように算出してもよい。そして、NO比率マップ58によって算出されたNO比率によって、NO再生量マップ57に入力されるNO濃度が算出されることで、DOCに担持されている触媒の劣化度合いに応じたNOによるPM再生量が算出されるようになっている。また、本発明者らの研究によれば、上述したNO比率は、DPFで生成されたNOの存在も影響していることが確認されている。よって、本発明においては、上述したDOC劣化度(KDOC/K0DOC)に替えて、またはこれと併せて、DPF劣化度(KDPF/K0DPF)を入力データとしたNO比率マップ58を用いてNO比率を算出してもよい。
このように本発明では、DPF7およびDOC5に担持されている触媒の劣化度合いに応じてPM再生量が算出されることから、DPFの劣化度合いしか考慮されていない従来技術と比べて、PM堆積量を高い精度で推定することができるようになっている。
また上述したように、エンジン運転時間と、該エンジン運転時間中のDPFおよびDOCの平均温度との関係から、DPF7およびDOC5に担持されている触媒の劣化度(K/K0)を算出することで、触媒の温度履歴を触媒の劣化度に適切に反映させることができるため、従来よりもPM堆積量をより高い精度で推定することができるようになっている。
以上、本発明の好ましい形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、エンジンからのPM排出量をエンジン回転数と燃料噴射量とを入力データとするPM排出量マップ55とから算出していた。しかしながら、例えば図5の(a)に示したように、マップ55から算出された値にエンジンの冷却水温に応じた補正係数を乗じてPM排出量を算出してもよい。また図5の(b)に示したように、冷却水温に応じて適用するPM排出量マップを切り替えるマップ切替手段60により、冷却水温が所定温度以下の場合(例えば60℃未満の場合)には、通常のPM排出量マップ55に替えて、低温時用のPM排出量マップ55´を適用するように構成してもよい。低温時用のPM排出量マップ55´は、例えば異なる冷却水温に対応して作成された複数のマップ群から構成されており、入力された冷却水温に対応するマップに基づいて、PM排出量が算出されるようになっている。またマップ間を内挿するように算出してもよい。
本発明をこのように構成すれば、排出量算出手段51において、エンジンの冷却水温度に応じたPM排出量を算出することができるため、例えばエンジン起動直後の暖機運転時におけるPM排出量も精度よく算出することができる。
本発明によれば、DPFに堆積したPM堆積量を長期間にわたって高い精度で推定することのできるディーゼルエンジンの排気浄化装置として、好適に用いることができる。
1 エンジン
3 排気通路
5 DOC
7 DPF
9 排ガス後処理装置
11 排気ターボ過給機
11a コンプレッサ
11b 排気タービン
13 給気通路
15 インタークーラ
17 給気スロットルバルブ
18 コモンレール燃料噴射制御装置
18a コモンレール
18b 燃料噴射弁
31 エアフローメータ
35 DOC入口温度センサ
36 DPF入口圧力センサ
37 DPF入口温度センサ
38 DPF差圧センサ
39 DPF出口温度センサ
50 PM堆積量推定手段
51 排出量算出手段
52 連続再生量算出手段
55 PM排出量マップ
56 O再生量マップ
57 NO再生量マップ
58 NO比率マップ
59 NO排出量マップ
60 マップ切替手段

Claims (6)

  1. 排気通路に配置された酸化触媒(DOC)と、該DOCの下流側に配置され、排ガス中の排気微粒子(PM)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)と、該DPFに堆積したPM堆積量を推定するPM堆積量推定手段と、を備えたディーゼルエンジンの排気浄化装置において、
    前記排気通路に排出されたPM排出量を算出する排出量算出手段と、前記DPFにおいて連続再生されたPM再生量を算出する連続再生量算出手段とを有し、前記PM堆積量推定手段は、前記排出量算出手段にて算出されたPM排出量と、前記連続再生量算出手段にて算出されたPM再生量との差分から、DPFにおけるPM堆積量を推定するように構成されており、
    前記連続再生量算出手段は、前記排ガスに含まれる酸素によるPM再生量と、前記排ガスに含まれる二酸化窒素によるPM再生量とを合算して、前記連続再生されたPM再生量を算出するように構成され、
    前記連続再生量算出手段は、前記DOCと前記DPFとの間の位置における前記排ガスの酸素濃度に基づき、且つ、前記DPFに担持されている触媒の劣化度合いに応じて、前記酸素によるPM再生量を算出するように構成されるとともに、
    さらに前記連続再生量算出手段は、前記DOCに担持されている触媒の劣化度合いに応じて前記DPFを流れる前記排ガスの二酸化窒素濃度を算出し、該算出した二酸化窒素濃度に基づき、且つ、前記DPFに担持されている触媒の劣化度合いに応じて、前記二酸化窒素によるPM再生量を算出するように構成されていることを特徴とするディーゼルエンジンの排気浄化装置。
  2. 前記酸素濃度は、酸素濃度センサによって測定されることを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
  3. 前記連続再生量算出手段は、前記DOCに担持されている触媒の劣化度合いと併せて、前記DPFに担持されている触媒の劣化度合いに応じて前記DPFを流れる前記二酸化窒素濃度を算出するように構成される請求項1又は2に記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
  4. 前記DPFおよび前記DOCに担持されている触媒の劣化度合いは、ディーゼルエンジンの運転時間と、該ディーゼルエンジンの運転時間中の前記DPFおよび前記DOCの平均温度との関係から、それぞれ算出されるように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
  5. 前記DPFおよび前記DOCに担持されている触媒の初期の反応速度をK0、
    前記DPFおよび前記DOCに担持されている触媒の劣化後の反応速度をK、
    前記DPFおよび前記DOCに担持されている触媒の劣化度合いをK/K0、とした場合に、
    前記DPFおよび前記DOCに担持されている触媒の劣化度合いK/K0は、下記の(a)式および(b)式に基づいて算出される前記DPFおよび前記DOCに担持されている触媒の劣化後の反応速度Kに基づいて算出されるように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
    −dK/dt=ζKn ・・・(a)
    ζ=φexp(−E/RT) ・・・(b)
    ここに、n:反応速度定数Kの乗数、E:活性化エネルギ、R:気体定数、T:絶対温度、φ:劣化定数である。
  6. 前記排出量算出手段は、エンジンの冷却水温度に応じてPM排出量を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
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